JP2001099815A - 粒子線磁気モーメント分析装置 - Google Patents

粒子線磁気モーメント分析装置

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JP2001099815A JP28278799A JP28278799A JP2001099815A JP 2001099815 A JP2001099815 A JP 2001099815A JP 28278799 A JP28278799 A JP 28278799A JP 28278799 A JP28278799 A JP 28278799A JP 2001099815 A JP2001099815 A JP 2001099815A
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Mitsunori Kurahashi
光紀 倉橋
Yasushi Yamauchi
泰 山内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で他の粒子線源を利用した分析装置への
組み込みが容易である、新しい磁気モーメント分析装置
を提供する。 【解決手段】 磁気回路(21)によって不斉磁場を発
生し、この不斉磁場中を粒子線(22)が通過する際の
粒子の偏向距離を粒子線検出器(24)により測定し、
偏向距離の関数として磁気モーメントの算出を行う粒子
線磁気モーメント分析装置であって、前記磁気回路(2
1)が永久磁石と軟鉄製の凹型と凸型の1対の電極とか
ら構成され、また、前記不斉磁場が零となる領域の発生
を防ぐための磁場補正用電磁石(25)を前記磁気回路
(21)の粒子線(22)入口付近に具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、粒子線磁
気モーメント分析装置に関するものである。さらに詳し
くは、この出願の発明は、磁石により粒子線を磁気モー
メントの大きさに応じて偏向し、粒子線の強度を偏向距
離の関数として調べることにより、粒子線の磁気モーメ
ントを分析するための粒子線磁気モーメント分析装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】粒子線の磁気モーメント計測
は、不斉磁場中を粒子線が通過するとき、粒子が持つ磁
気モーメントの大きさに応じて磁場勾配方向に粒子線が
偏向することを利用して、その偏向距離を粒子線検出器
により測定し、偏向距離の関数として磁気モーメントを
算出することによりなされる。従来の粒子線の磁気モー
メント分析装置においては、不斉磁場を発生させるため
に、大型の電磁石が利用されてきた。このため、計測に
必要な強度の磁場を発生させるためには大電流を必要で
あり、磁場発生のノイズ等が同時進行中の他の実験に悪
影響を与えることが問題となっていた。また、大電流を
用いることから発熱量が大きく、真空中においては、磁
気回路の冷却が必須であり、ゆえに、冷却装置を具備す
る必要があることから、装置が大型にならざるを得なか
った。装置が大型であることから、磁気モーメント分析
装置を、例えば表面分析装置のような他の粒子線を応用
したシステムに組み込むことにより複合システムの構築
を実現することは極めて困難であった。この出願の発明
は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、小
型で他の粒子線源を利用した分析装置への組み込みが容
易である、新しい磁気モーメント分析装置を提供するこ
とを課題としている。
【0003】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、第1には、磁気回路によ
って不斉磁場を発生し、この不斉磁場中を粒子線が通過
する際の粒子の偏向距離を粒子線検出器により測定し、
偏向距離の関数として磁気モーメントの算出を行う粒子
線磁気モーメント分析装置であって、前記磁気回路が永
久磁石と軟鉄製の凹型と凸型の1対の電極とから構成さ
れ、また、前記不斉磁場が零となる領域の発生を防ぐた
めの磁場補正用電磁石を前記磁気回路の粒子線入口付近
に具備することを特徴とする粒子線磁気モーメント分析
装置を提供する。
【0004】また、この出願の発明は、第2には、磁気
回路を構成する永久磁石が希土類元素を含有することを
特徴とする前記の粒子線磁気モーメント分析装置を提供
する。さらに、この出願の発明は、第3には、磁気回路
が金属によりコーティングされていることを特徴とする
前記の粒子線磁気モーメント分析装置も提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】この出願の発明は上記のとおりの
特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につい
て説明する。この出願の発明である粒子線磁気モーメン
ト分析装置は、磁気回路によって不斉磁場を発生し、こ
の不斉磁場中を粒子線が通過する際に粒子が偏向するこ
とを利用し、粒子の偏向距離を粒子線検出器により測定
し、偏向距離の関数として磁気モーメントの算出を行う
ものである。
【0006】この出願の発明である粒子線磁気モーメン
ト分析装置においては、例えば、図1に示した概略図の
通り、磁気回路が、永久磁石(11)と、軟鉄製の凹型
と凸型の1対の電極(12)と、これらを保持する保持
子(13)とから構成される。この磁気回路を構成する
永久磁石(11)は、粒子線の偏向距離を粒子線検出器
により検出するのに十分な程度に、強力な磁場を発生す
ることが可能であり、たとえば、希土類元素を含有する
永久磁石などが用いられる。
【0007】この出願の発明である粒子線磁気モーメン
ト分析装置の磁気回路は、以上のような単純な構成を持
つことから、100mm以下の内径を持つ管に収納可能
であり、また、磁気回路にニッケルなどの金属コーティ
ングを施すことにより、真空中においても動作させるこ
とが可能となる。図2は、この出願の発明である粒子線
磁気モーメント分析装置の構成例を示したものである。
前述の通り、磁気回路(21)によって不斉磁場が発生
する。測定対象である粒子線(22)は、まず、磁気回
路(21)の粒子線入口に設置されたスリット(23)
によって、一定の幅に絞られ、磁気回路(21)に入射
する。磁気回路(21)に入射した粒子線(22)は、
前記電極間を通過し、不斉磁場の影響により偏向する。
磁気回路中を通過した粒子線(22)は、スリット付き
の粒子線検出器(24)により検出され、検出位置によ
って、粒子線の偏向距離が測定される。粒子線の偏向距
離は、粒子線の磁気モーメントと不斉磁場との関数であ
るから、不斉磁場の分布が既知であることから、測定さ
れる粒子線の偏向距離より粒子線の磁気モーメントを算
出することが可能である。
【0008】また、正確な粒子線の磁気モーメントの測
定を行う上で、測定対象となる粒子の磁気モーメントの
分布を変化させないことが重要である。このため、この
出願の発明である粒子線磁気モーメント分析装置におい
ては、磁場補正用電磁石(25)を、磁気回路(21)
の粒子線入口付近に備えつけることにより、微小磁場を
印可し、磁気回路(21)による不斉磁場が零となる領
域が発生することを防ぐ。
【0009】この出願の発明である粒子線磁気モーメン
ト分析装置を、粒子線分析を応用した他の分析機器に組
み込んで利用することも可能であることは、言うまでも
ない。この出願の発明は、以上の特徴を持つものである
が、以下に実施例を示し、さらに具体的に説明する。
【0010】もちろん、この発明は以下の例によって限
定されることはない。
【0011】
【実施例】この出願の発明である粒子線磁気モーメント
分析装置により、He*原子(準安定ヘリウム原子)の
磁気モーメント分析を実施した。磁気回路には、希土類
元素を含有する永久磁石(製品名NEOMAX、厚さ1
0mm)を用いた。軟鉄製の電極間ギャップ中心におけ
る磁場の強度は約7kGaussであり、また、電極間
ギャップ中心付近の磁場の分布はTwo−wire F
ield(反平行電流が形成する磁場分布)に等しいも
のとした。
【0012】磁気回路には、ニッケルによるコーティン
グを施した。なお、He*ビーム源より放射されるHe
*ビームは、3重項H*(23S)である。この出願の
発明である粒子線磁気モーメント分析装置により測定さ
れた、3重項H*(23S)ビームの磁気モーメントス
ペクトルを、図3(a)に示す。図3(a)より、この
出願の発明である粒子線磁気モーメント分析装置によ
り、3重項H*(23S)ビームに含まれる磁気モーメ
ントの異なる3種類の成分、すなわち、磁気量子数Ms
がそれぞれ−1、0、1を示す成分を、それぞれ分離し
て検出することが可能であることがわかった。
【0013】図3(b)に、3重項H*(23S)ビー
ムの磁気量子数Msを+1に偏極して測定を行った結果
を示す。図3(b)より、磁気量子数Msを+1に偏極
した結果、図3(a)では見られたMs=−1を示すピ
ークが消え、代わりにMs=+1を示すピークが卓越し
ている様子がわかる。すなわち、この出願の発明である
粒子線磁気モーメント分析装置により、3重項H*(2
3S)ビームの磁気量子数の分布を正しく反映したスペ
クトルを測定することが可能である。
【0014】図3(b)の比較例として、磁場補正用電
磁石を用いなかった場合の測定結果を図3(c)に示
す。図3(c)の結果は、偏極された3重項H*(23
S)の磁気量子数の分布を正しく反映しておらず、永久
磁石と磁場補正用電磁石を組み合わせて用いることによ
り、正確な磁気モーメント測定が可能となることが証明
された。
【0015】
【発明の効果】この出願の発明により、小型、省電力、
高精度、かつ、作製も容易な粒子線磁気モーメント分析
装置が実現する。この出願の発明の粒子線磁気モーメン
ト分析装置は、粒子線中に複数の磁気モーメントの成分
が含まれる場合であっても、それぞれの成分の分布量を
正確に測定することも可能である。
【0016】この出願の発明の粒子線磁気モーメント分
析装置は、小型であり、かつ真空中でも動作が可能であ
ることから、様々な粒子線応用の分析機器への組み込み
が期待され、新たな分析機器の創出にも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の粒子線磁気モーメント分析装
置を構成する磁気回路の構造を示す概略図である。
【図2】この出願の発明である粒子線磁気モーメント分
析装置の構成を示す概略図である。
【図3】この出願の発明の実施例における、測定結果を
示した図である。
【符号の説明】
11 永久磁石 12 電極 13 保持子 21 磁気回路 22 粒子線 23 スリット 24 粒子線検出器 25 磁場補正用電磁石

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気回路によって不斉磁場を発生し、こ
    の不斉磁場中を粒子線が通過する際の粒子の偏向距離を
    粒子線検出器により測定し、偏向距離の関数として磁気
    モーメントの算出を行う粒子線磁気モーメント分析装置
    であって、前記磁気回路が永久磁石と軟鉄製の凹型と凸
    型の1対の電極とから構成され、また、前記不斉磁場が
    零となる領域の発生を防ぐための磁場補正用電磁石を前
    記磁気回路の粒子線入口付近に具備することを特徴とす
    る粒子線磁気モーメント分析装置。
  2. 【請求項2】 磁気回路を構成する永久磁石が希土類元
    素を含有することを特徴とする請求項1記載の粒子線磁
    気モーメント分析装置。
  3. 【請求項3】 磁気回路が金属によりコーティングされ
    ていることを特徴とする請求項1記載の粒子線磁気モー
    メント分析装置。
JP28278799A 1999-10-04 1999-10-04 粒子線磁気モーメント分析装置 Expired - Lifetime JP3412002B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100759864B1 (ko) * 2006-02-14 2007-09-18 한국원자력연구원 볼록 자극 편향기를 이용한 비대칭 분포 이온빔 조사 장치및 그 방법
JP2008251525A (ja) * 2007-03-05 2008-10-16 Hitachi Ltd 荷電粒子スピン検出器、顕微鏡、及び光電子分光装置
US7985952B2 (en) 2007-03-05 2011-07-26 Hitachi, Ltd. Charged particle spin polarimeter, microscope, and photoelectron spectroscope

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100759864B1 (ko) * 2006-02-14 2007-09-18 한국원자력연구원 볼록 자극 편향기를 이용한 비대칭 분포 이온빔 조사 장치및 그 방법
JP2008251525A (ja) * 2007-03-05 2008-10-16 Hitachi Ltd 荷電粒子スピン検出器、顕微鏡、及び光電子分光装置
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