JP2001099063A - 圧縮機用ピストンの製造方法 - Google Patents

圧縮機用ピストンの製造方法

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JP2001099063A
JP2001099063A JP27570799A JP27570799A JP2001099063A JP 2001099063 A JP2001099063 A JP 2001099063A JP 27570799 A JP27570799 A JP 27570799A JP 27570799 A JP27570799 A JP 27570799A JP 2001099063 A JP2001099063 A JP 2001099063A
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JP27570799A
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Takayuki Kato
崇行 加藤
Seiji Katayama
誠二 片山
Shigeo Fukushima
茂男 福嶋
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピストンの頭部本体部と閉塞部材との接合強度
を向上させる。 【解決手段】ピストン製造用素材の中空円筒状の頭部本
体部170は、内周面172が円筒面をなす。頭部本体
部170の開口をカバー部材164で閉塞する。カバー
部材164は、円板状のカバー部材本体部190と小径
の嵌合突部192とを備え、肩面194を有する。嵌合
突部192の外周面200の径を頭部本体部170の内
周面172の径よりやや大きくして嵌合代を設ける。カ
バー部材164を頭部本体部170に嵌合する前に、頭
部本体部170の開口側端面180とカバー部材164
の肩面194とに、常温硬化型の二液性接着剤の第一液
と第二液とをそれぞれ塗布する。その後、カバー部材1
64を頭部本体部170に圧入して外周面200と内周
面172とをしまり嵌合させる。開口側端面180と肩
面194との当接により嵌合深さが規定され、同時に端
面180と肩面194とに塗布された第一液と第二液と
が接触して混合され速やかに硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気体を圧縮する圧縮
機に用いられるピストンの製造方法に関するものであ
り、特に、シリンダボアに摺動可能に嵌合される頭部が
中空円筒状であるピストンの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】圧縮機のピストンは往復移動させられる
ものであるため、軽量であることが望ましく、斜板式圧
縮機、特に、可変容量型斜板式圧縮機のピストンは軽量
化の必要性が高い。例えば、車両用空調装置の冷媒ガス
圧縮用の斜板式圧縮機として、近年、斜板の回転軸線に
対する傾き角度を制御することにより吐出容量を制御す
る形式の可変容量型斜板式圧縮機が使用されるようにな
ったが、この種の圧縮機のピストンは特に軽量化の要請
が強い。車両用の斜板式圧縮機は一般に、小型化の要求
を満たすために回転数を大きくすることが求められてお
り、そのためにはピストンの軽量化が必要である。特
に、圧縮室と斜板室との圧力差に基づいて斜板の傾き角
度を制御する形式の可変容量型斜板式圧縮機において
は、傾き角度制御の安定化および運転騒音の低減のため
に、ピストンの軽量化が是非とも必要である。
【0003】そこで、特開平10−205440号公報
に、可変容量型斜板式圧縮機のピストンを軽量化するた
めの技術が提案されている。これは、ピストンのシリン
ダボアに摺動可能に嵌合される頭部を中空円筒状とする
ものであり、そのために、有底の中空円筒状をなす頭部
本体部材と、斜板の外周部を跨ぐ状態で斜板と係合する
係合部と一体に形成した閉塞部材とを別体として製造
し、頭部本体部材の内側に閉塞部材を嵌合して固定する
ことにより、中空円筒状の頭部を形成することが提案さ
れている。中空円筒状部材と閉塞部材との固定手段とし
ては、中空円筒状部材の内周面に形成した雌ねじ部に閉
塞部材の外周面に形成した雄ねじ部を螺合することと、
中空円筒状部材の内周面に閉塞部材の外周面をしまり嵌
めすることとが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】上記のようにピストンの頭部を中空円筒状とすれ
ば、ピストンを著しく軽量化することができるのである
が、上記螺合やしまり嵌めのみでは中空円筒状部材と閉
塞部材との固定が十分とは言えないうらみがあった。頭
部を中空円筒状として軽量化することは、ピストンが可
変容量型斜板式圧縮機用である場合のみではなく、固定
容量型斜板式圧縮機用のピストン、斜板との係合部の両
側に頭部を有する両頭ピストン、ピストンと斜板とがコ
ネクティングロッドで連結される形式の斜板圧縮機用の
ピストン、さらに一般的な往復動型圧縮機のピストン等
である場合にも同様に有効であり、これらの場合にも上
記問題は同様に発生する。
【0005】本発明は以上の事情を背景としてなされた
ものであり、軽量で、かつ、有底の中空円筒状をなす頭
部本体部とそれの開口を閉塞する閉塞部材との固定をさ
らに確実にすることができる圧縮機用ピストンの製造方
法を得ることを課題としてなされたものである。本発明
によって、下記各態様の圧縮機用ピストンの製造方法が
得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項
に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形
式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易
にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴および
それらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定され
ると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の
事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一
緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項
のみを選択して採用することも可能なのである。
【0006】(1)一端が開口した有底円筒状をなす頭
部本体部と、前記開口を閉塞する閉塞部材とを固定して
中空円筒状の頭部を備えた圧縮機用ピストンを製造する
方法であって、前記頭部本体部と前記閉塞部材とを機械
的固定手段により固定するとともに、それら頭部本体部
と閉塞部材とを接着剤により接着することを特徴とする
圧縮機用ピストンの製造方法。機械的固定手段と接着と
を併用すれば、頭部本体部と閉塞部材とを強固に固定す
ることができる。また、接着の仕方によっては接着剤に
両者の隙間をシールするシール材の役割を果たさせるこ
ともできる。 (2)前記接着が、前記頭部本体部と前記閉塞部材との
一方に第一液を、他方に第二液を塗布し、頭部本体部と
閉塞部材との前記機械的固定手段による固定と同時に第
一液と第二液とを接触させて両液の混合物を硬化させ、
頭部本体部と閉塞部材とを接着する (1)項に記載の圧縮
機用ピストンの製造方法(請求項1)。例えば、第一液
を接着剤、第二液を硬化促進剤とすることにより、本発
明を良好に実施し得る。以下の各項における第一液,第
二液についても同様である。頭部本体部と閉塞部材との
機械的固定手段による固定と同時に、第一液と第二液と
を接触させれば、両液が混じり合い、その混合物が硬化
する。この形態の接着剤を二液性接着剤と称することと
する。第一液および第二液として、互いに混じり合わな
ければ硬化せず、混じり合えば速やかに硬化するものを
採用すれば、接着の技術を利用しながら、頭部本体部と
閉塞部材とを速やかに固定することができる。また、二
液性接着剤として常温で硬化するものを採用すれば、接
着時に加熱の必要がないため、製造コストの低減が可能
になるとともに、中空円筒状の頭部を密閉型とした場合
でも、接着剤層にブローホールが生じることを回避し得
る。密閉型の中空円筒状頭部を加熱すれば、内部の気体
が膨張し、未硬化の接着剤層を通り抜けて外部に抜ける
ことにより、接着剤層にブローホールが生じ、接着強度
が低下する不都合が生じ易いのであるが、その不都合を
回避し得るのである。 (3)前記機械的固定手段が前記頭部本体部の内周面と
前記閉塞部材の外周面とのしまり嵌めを含む (1)項に記
載の圧縮機用ピストンの製造方法(請求項2)。内周面
と外周面とのしまり嵌めは、機械的固定手段としては簡
易なものでありながら、頭部本体部と閉塞部材とを速や
かにかつ強固に固定し得る。 (4)前記頭部本体部と前記閉塞部材とが、前記互いに
しまり嵌めされる内周面と外周面との他に、頭部本体部
の中心線に平行な方向において互いに当接する各当接面
を有し、少なくともそれら当接面の一方に接着剤を塗布
し、前記内周面と外周面とのしまり嵌めの末期に、前記
当接面同士を当接させ、前記接着剤により接着する (3)
項に記載の圧縮機用ピストンの製造方法。本態様の頭部
本体部および閉塞部材の形状は、しまり嵌めと接着との
併用に特に適したものである。特に、しまり嵌めが、頭
部本体部と閉塞部材との隙間を機密に封鎖し得る形態の
ものである場合には、中空円筒状の頭部を密閉型であ
り、かつ、接着剤が加熱により硬化するものであって
も、しまり嵌め部が内部の気体が接着剤層を通り抜けて
外部に出ることを防止するため、ブローホールの発生を
良好に回避し得る。 (5)前記頭部本体部と前記閉塞部材とが、前記互いに
しまり嵌めされる内周面と外周面との他に、頭部本体部
の中心線に平行な方向において互いに当接する各当接面
を有し、それら両当接面の一方に第一液を、他方に第二
液をそれぞれ塗布し、両当接面の当接と同時に第一液と
第二液とを接触させ、両液の混合物を硬化させて、頭部
本体部と閉塞部材とを接着する (3)項に記載の圧縮機用
ピストンの製造方法(請求項3)。上記 (4)項の説明は
本項にも当てはまる。その上、接着剤が二液性であっ
て、第一,第二液の接触後速やかに硬化するものとする
ことや、常温で硬化するものとすることが容易であり、
そうした場合には、それぞれ前述の効果が得られる。 (6)互いに嵌合される前記頭部本体部の内周面と前記
閉塞部材の外周面との少なくとも一方に接着剤を塗布す
る (1)項ないし (5)項のいずれか1つに記載の圧縮機用
ピストンの製造方法。内周面と外周面とは互いにしまり
嵌めされてもよいが、接着剤の接着力を大きくする観点
からは両者がすきま嵌めされることが望ましい。機械的
固定手段が、例えば、かしめである場合には、内周面と
外周面とをすきまばめとすることが可能である。機械的
固定手段がしまり嵌めである場合には、互いにしまり嵌
めされる内周面と外周面との間に接着剤を介在させるこ
とは殆ど不可能であるため、内周面と外周面とに互いに
しまり嵌めされる部分とすきまばめされる部分とを形成
することが望ましい。 (7)前記機械的固定手段が、前記頭部本体部の開口の
内側に前記閉塞部材を嵌合し、その後、頭部本体部の開
口側端部を内周側にかしめるものである (1)項または
(2)項に記載の圧縮機用ピストンの製造方法。 (8)前記接着剤として常温で硬化する常温硬化型を使
用する (1)項ないし (7)項のいずれか1つに記載の圧縮
機用ピストンの製造方法(請求項4)。 (9)前記頭部本体部の底部と一体に、斜板の外周部を
跨ぐ状態で斜板と係合する係合部を形成し、その係合部
から遠い側の開口を前記閉塞部材としてのカバー部材で
閉塞する (1)項ないし (8)項のいずれか1つに記載の圧
縮機用ピストンの製造方法。ピストンの使用時に、頭部
本体部と閉塞部材との間に加えられる力が小さくて済む
利点がある。また、閉塞部材の形状を単純化することが
容易であるため、閉塞部材を安価に製造することが可能
となり、必要に応じて市販素材の機械加工により製造す
ることも可能となる。 (10)前記頭部本体部の開口を、斜板の外周部を跨ぐ
状態で斜板と係合する係合部と一体に形成した閉塞部材
により閉塞する (1)項ないし (8)項のいずれか1つに記
載の圧縮機用ピストンの製造方法。頭部本体部を単独で
形成すればよいため、鍛造で製造することが容易である
利点がある。ただし、ダイキャスト等による製造を排除
するものではない。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
車両用空調装置に用いられる斜板式圧縮機のピストンの
製造を例に取り、図面に基づいて詳細に説明する。図1
に本実施形態における斜板式圧縮機を示す。図1におい
て、10はシリンダブロックであり、シリンダブロック
10の中心軸線回りの一円周上には、軸方向に延びる複
数のシリンダボア12が形成されている。シリンダボア
12の各々には、片頭ピストン14(以下、ピストン1
4と略称する)が往復運動可能に配設されている。シリ
ンダブロック10の軸方向の一端面(図1の左側の端面
であり、前端面と称する)には、フロントハウジング1
6が取り付けられ、他方の端面(図1の右側の端面であ
り、後端面と称する)には、リヤハウジング18がバル
ブプレート20を介して取り付けられている。フロント
ハウジング16,リヤハウジング18,シリンダブロッ
ク10等により斜板式圧縮機の本体が構成される。リヤ
ハウジング18とバルブプレート20との間には、吸気
室22,吐出室24が形成され、それぞれ、吸入ポート
26,供給ポート28を経て、図示しない冷凍回路に接
続される。バルブプレート20には、吸入孔32,吸入
バルブ34,吐出孔36,吐出バルブ38等が設けられ
ている。
【0008】シリンダブロック10の中心軸線上には、
回転軸44が回転可能に設けられている。回転軸44
は、両端部においてそれぞれベアリングを介してフロン
トハウジング16,シリンダブロック10に支持されて
いる。シリンダブロック10の中心部には、中心支持穴
48が形成されており、回転軸44の一端部がその中心
支持穴48において支持されている。回転軸44のフロ
ントハウジング16側の端部は、図示しない駆動源の一
種である外部駆動源としての車両エンジンに、電磁クラ
ッチ等のクラッチ機構を介して連結されている。したが
って、車両エンジンの作動時に、クラッチ機構によって
回転軸44が車両エンジンに接続されれば、回転軸44
が自身の軸線まわりに回転させられる。
【0009】回転軸44には、斜板50が軸方向に相対
移動可能かつ傾動可能に取り付けられている。斜板50
には、中心を通る中心穴52が形成され、この中心穴5
2を回転軸44が貫通している。中心穴52は、両端開
口側ほど径が漸増させられている。回転軸44には、ま
た、回転伝達部材としての回転板54が固定され、スラ
ストベアリング56を介してフロントハウジング16に
係合させられている。斜板50は、ヒンジ機構60によ
って回転軸44と一体的に回転させられるとともに、軸
方向の移動を伴う傾動を許される。ヒンジ機構60は、
回転板54に固定的に設けられた支持アーム62のガイ
ド穴64と、斜板50に固定的に設けられ、ガイド穴6
4にスライド可能に嵌合されたガイドピン66と、斜板
50の中心穴52と、回転軸44の外周面とを含むもの
である。本実施形態においては、斜板50が駆動部材を
構成し、回転軸44,駆動源としての車両エンジン,回
転伝達装置を構成するヒンジ機構60等が駆動部材駆動
装置を構成している。
【0010】前記ピストン14は、斜板50と係合させ
られる係合部70と、係合部70と一体的に設けられ、
シリンダボア12に嵌合される頭部72とを備えてい
る。係合部70に形成された溝74に球冠状の一対のシ
ュー76を介して斜板50が係合させられている。シュ
ー76は、球面部において係合部70に摺動可能に保持
され、平面部において斜板50の両側面に当接し、斜板
50の外周部を両側から摺動可能に挟持している。ピス
トン14の形状についての詳細な説明は後に行う。
【0011】斜板50の回転運動は、シュー76を介し
てピストン14の往復直線運動に変換される。ピストン
14が上死点から下死点へ移動する吸入工程において、
吸気室22内の冷媒ガスが吸入孔32,吸入バルブ34
を経てシリンダボア12内に吸入される。ピストン14
が下死点から上死点へ移動する圧縮工程において、シリ
ンダボア12内の冷媒ガスが圧縮され、吐出孔36,吐
出バルブ38を経て吐出室24に吐出される。冷媒ガス
の圧縮に伴ってピストン14には、軸方向の圧縮反力が
作用する。圧縮反力は、ピストン14,斜板50,回転
板54およびスラストベアリング56を介してフロント
ハウジング16に受けられる。ピストン14の係合部7
0には、回り止め部78(図2参照)が一体的に設けら
れている。回り止め部78は、フロントハウジング16
の内周面に接触する状態とされ、ピストン14の中心軸
線回りの回転を阻止する。
【0012】シリンダブロック10を貫通して給気通路
80が設けられている。この給気通路80により、吐出
室24と、フロントハウジング16とシリンダブロック
10との間に形成された斜板室86とが接続されてい
る。給気通路80の途中には、容量制御弁90が設けら
れている。容量制御弁90は、電磁弁であり、ソレノイ
ド92はコンピュータを主体とする制御装置(図示省
略)により励磁,消磁され、冷房負荷等の情報に応じて
供給電流量が制御されて容量制御弁90の開度が調節さ
れる。
【0013】回転軸44の内部には、排出通路100が
設けられている。排出通路100は、一端において前記
中心支持穴48に開口させられるとともに、他端におい
て斜板室86に開口させられている。中心支持穴48は
排出ポート104を経て吸気室22に連通させられてい
る。
【0014】本斜板式圧縮機は可変容量型であり、高圧
源としての吐出室24と低圧源としての吸気室22との
圧力差を利用して斜板室86内の圧力が制御されること
により、ピストン14の前後に作用するシリンダボア1
2の圧力と斜板室86の圧力との差が調節され、斜板8
6の傾斜角度が変更されてピストン14のストロークが
変更され、圧縮機の吐出容量が調節される。具体的に
は、容量制御弁90の制御により、斜板室86が吐出室
24に連通させられたり、遮断されたりすることによっ
て、斜板室86の圧力が制御される。ソレノイド92の
消磁状態では、容量制御弁90が全開させられて給気通
路80が連通させられた状態となり、吐出室24の高圧
の冷媒ガスが斜板室86に供給され、斜板室86内の圧
力が高くなり、斜板50の傾斜角が最小となる。ピスト
ン14は、斜板50の回転に伴って往復移動させられる
が、斜板50の傾斜角が最小となると、ピストン14の
容積変化率が小さくなり、圧縮機の吐出容量が最小とな
る。ソレノイド92の励磁状態では、供給電流量を多く
して容量制御弁90の開度が小さくなる(開度0も含
む)ほど、吐出室24の高圧の冷媒ガスの斜板室86へ
の供給量が減り、斜板室86内の冷媒ガスは、排出通路
100,排出ポート104を経て吸気室22に放出され
るため、斜板室86内の圧力が低くなる。それに伴って
斜板50の傾斜角が大きくなり、ピストン14の容積変
化率が大きくなって圧縮機の吐出容量が大きくなる。ソ
レノイド92の励磁により給気通路80が遮断された状
態では、吐出室24の高圧の冷媒ガスが斜板室86に供
給されない状態となって斜板50の傾斜角が最大とな
り、圧縮機の吐出容量が最大となる。斜板50の最大傾
斜角は、斜板50に設けられたストッパ106の回転板
54への当接によって規定され、最小傾斜角は、斜板5
0の回転軸44上のストッパ107への当接によって規
定される。給気通路80,斜板室86,容量制御弁9
0,排出通路100,排出ポート104,制御装置等に
より、斜板室圧力制御装置ないし斜板傾斜角度調節装置
(吐出容量調節装置)が構成されている。
【0015】シリンダブロック10およびピストン14
は、金属の一種であるアルミニウム合金製のものとさ
れ、ピストン14の外周面には、フッ素樹脂のコーティ
ングが施されている。フッ素樹脂でコーティングすれ
ば、同種金属との直接接触を回避して焼付きを防止しつ
つシリンダボア12との嵌合隙間を可及的に狭くするこ
とができる。なお、シリンダブロック10およびピスト
ン14は、アルミニウム珪素系合金製のもの等とするこ
とが望ましい。ただし、シリンダブロック10やピスト
ン14の材料、コーティング層の材料等は、上述の材料
に限らず、他の材料であってもよい。
【0016】ピストン14をさらに詳細に説明する。ピ
ストン14の係合部70の頭部72から遠い側の端部
は、図2に示すように、前記溝74の形成により概して
U字形をなし、U字形の底部を成す基部108と、基部
108からピストン14の軸線と直交する方向に延び出
す一対のアーム部110,112とを備えている。アー
ム部110,112の互いに対向する側面には、それぞ
れ凹部114が形成されている。これら凹部114の内
面は凹球面状をなし、前記一対のシュー76は、斜板5
0の外周部の表裏両面に接触し、斜板50を挟持すると
ともに凹部114に保持されている。
【0017】また、ピストン14の頭部72は、係合部
70のアーム部112側とは反対側に開口する有底円筒
状の頭部本体部120と、頭部本体部120の開口側に
固定され、頭部本体部120の開口を閉塞する閉塞部材
としてのカバー部材122とを含む。係合部70と頭部
72とは、アーム部112と頭部本体部120の底部1
24とにおいて一体に形成されており、係合部70の基
部108は、頭部本体部120の中心線に対して偏心し
た位置において頭部本体部120の中心線に平行な方向
に延びて形成されている。頭部本体部120の内周面1
26は、円筒面とされている。頭部本体部120の開口
側端部の外周面には、円環状の潤滑油溝136が形成さ
れている。
【0018】カバー部材122は、概して円板状をなす
カバー部材本体部140を備え、カバー部材本体部14
0の一方の端面に横断面形状が円形かつ小径の嵌合突部
142が突設されている。カバー部材本体部140と嵌
合突部142との間には肩面144が形成されている。
また、カバー部材122内には、嵌合突部142の先端
面146に開口する凹部148が形成され、重量が軽減
されている。カバー部材本体部140の外周面は頭部本
体部120の外周面とほぼ同径とされている。嵌合突部
142の外周面150の直径は、頭部本体部120の内
周面126の直径よりやや大きくされ、頭部本体部12
0の内周面126と嵌合突部142の外周面150との
嵌合クリアランスが負の値とされる。カバー部材122
は、肩面144が頭部本体部120の開口側端面154
と当接する深さまで頭部本体部120内部に圧入されて
おり、この状態では嵌合突部142の外周面150が頭
部本体部120の内周面126にしまり嵌合させられて
いる。嵌合突部142と頭部本体部120とのしまり嵌
めにより、カバー部材122と頭部本体部120との相
対回転およびカバー部材122の頭部本体部120から
の抜出しが防止されるとともに、カバー部材122の頭
部本体部120に対する同心度が精度良く得られてい
る。このしまり嵌めが機械的固定手段の一形態である。
また、それぞれ当接面を構成するカバー部材122の肩
面144と頭部本体部120の端面154とは接着剤に
より接着される。本実施形態においては、接着剤として
常温硬化型の二液性接着剤が使用される。この接着剤に
ついては、後に詳しく説明する。ピストン14の圧縮工
程において、頭部72の頂面に作用する冷媒ガスの圧縮
反力は、これら肩面144と端面154との当接によっ
ても受けられる。なお、図2には、頭部本体部120の
周壁の厚さが誇大に示されている。
【0019】上記のように構成されたピストン14は、
1個のピストン素材から2個製造される。そのため、図
3に示すように、ピストン14を製造するための片頭ピ
ストン製造用素材160(以下、素材160と略称す
る)は、本体部材162および2個の閉塞部材としての
カバー部材164を備えている。本体部材162は、片
頭ピストン2個分の係合部166が互いに隣接して一体
形成された二連係合部168と、その二連係合部168
の両端に連なってそれぞれ一体形成され、二連係合部1
68とは反対向きに開口した有底円筒状の2個の頭部本
体部170とを備えている。これら頭部本体部170
は、互いに同心となるように形成されている。
【0020】頭部本体部170の内周面172は円筒面
とされている。内周面172は、製品たるピストン14
になった場合に内周面126となる。また、頭部本体部
170の開口側端面180は、端面154となる。な
お、図3においては、理解を容易にするために、頭部本
体部170の周壁の厚さが誇大に示されている。各係合
部166に設けられたブリッジ部182は、基部108
およびアーム部110,112を構成することになる部
分(それぞれ基部184,アーム部186,188と称
する)の内側面同士を連結して、加工時の挟持作用に対
して係合部166を補強するものであり、本体部材16
2の剛性を高め、あるいは熱による歪みを抑制するため
の補強部として設けられている。本体部材162は、本
実施形態においては、金属の一種であるアルミニウム合
金製であって、ダイキャストにより製造される。この鋳
造が行われる工程が本体部材162の製造工程である。
【0021】2個のカバー部材164は同様に構成され
ており、一方を代表的に説明する。図3に示すように、
カバー部材164は、カバー部材本体部190および嵌
合突部192を有し、カバー部材本体部190と嵌合突
部192との間には肩面194が形成されている。カバ
ー部材164にはまた、嵌合突部192の先端面196
に開口する凹部198が設けられている。肩面194
は、製品たるピストン14になった場合に前記カバー部
材122の肩面144となり、凹部198は、カバー部
材122の凹部148となる。カバー部材164の嵌合
突部192の外周面200と頭部本体部170の内周面
172との寸法関係は、前記嵌合突部142と頭部本体
部120との寸法関係と同じであり、外周面200の直
径が内周面172の直径よりやや大きくされて嵌合代が
設けられている。カバー部材164のカバー部材本体部
190の嵌合突部192が突設された側とは反対側の端
面202の中心には、図示の例では円形断面の保持部2
04が突設され、保持部204にはセンタ穴206が形
成されている。カバー部材164は、本実施形態におい
ては、金属の一種であるアルミニウム合金製であって、
本体部材162と同様に、ダイキャストにより製造され
る。この鋳造が行われる工程がカバー部材164の製造
工程である。なお、カバー部材本体部190と嵌合突部
192との寸法関係は、カバー部材本体部140と嵌合
突部142との寸法関係と同じであり、説明は省略す
る。
【0022】図4(a)に示すように、カバー部材16
4の頭部本体部170への嵌合に先立って、それぞれ当
接面を構成する頭部本体部170の端面180とカバー
部材164の肩面194との一方に二液性接着剤の第一
液としての接着剤が塗布され、他方に第二液としての硬
化促進剤が塗布される。端面180に接着剤が塗布さ
れ、肩面194に硬化促進剤が塗布されてもよいし、逆
でもよい。二液性接着剤とは、第一液としての接着剤と
第二液としての硬化促進剤との二液から構成され、接着
剤と硬化促進剤とが接触して両液が混合されることによ
り硬化するタイプの接着剤である。本実施形態の二液性
接着剤としては、アクリル系の二液性接着剤が使用され
る。このアクリル系の二液性接着剤は、常温で硬化する
常温硬化型であり、加熱工程を必要としない。例えば、
住友スリーエム株式会社製の商品名「MULTI−CU
RE」として市販されているアクリル系接着剤が好適で
ある。このアクリル系接着剤は、接着剤が変性アクリル
樹脂から成り、商品名は「MULTI−CURE」で、
硬化促進剤の商品名は「アクチベータ−535A」であ
る。
【0023】上述のようにして端面180と肩面194
とにそれぞれ接着剤と硬化促進剤とが塗布された後、図
4(b)に示すように、カバー部材164が本体部材1
62の開口側から圧入され、頭部本体部170の内周面
172と嵌合突部192の外周面200とがしまり嵌合
される。図4には、嵌合突部192の嵌合代が誇大に示
されている。なお、内周面172の開口側と嵌合突部1
92の外周面200の先端側との少なくとも一方にガイ
ド部としての面取りが施されて、嵌合突部192の頭部
本体部170への進入が案内されることが望ましい。こ
のとき頭部本体部170の端面180とカバー部材16
4の肩面194とが互いに当接してカバー部材164の
嵌合深さを規定する。端面180と肩面194との当接
と同時に、それぞれに塗布された接着剤と硬化促進剤と
が接触させられて混合され、その混合物が硬化されるこ
とにより端面180と肩面194とが接着される。本実
施形態においては、接着剤と硬化促進剤との接触後30
秒程度で接着機能が発揮される。したがって、次の工程
に速やかに移行することができる。なお、上記混合物が
完全に硬化するには24時間程度を要する。嵌合突部1
92と本体部材162とのしまり嵌合により、これら部
材の相対回転およびカバー部材164の本体部材162
からの抜出しが防止され、両部材の高精度の同心度が確
保される。また、頭部本体部170の端面180とカバ
ー部材164の肩面194との接着とによっても2部材
が強固に固定される。本実施形態においては、本体部材
162およびカバー部材164は鋳造され、寸法精度が
高いため、切削や研削等の機械加工を施すことなく嵌合
することができ、素材160を安価に製造することがで
きる。
【0024】このようにして本体部材162に2個のカ
バー部材164が固定された後、頭部72を構成するこ
とになる部分、すなわち本体部材162の頭部本体部1
70およびカバー部材164の外周面を始めとする複数
の部分の切削加工が行われる。この時2個のカバー部材
164にそれぞれ設けられた保持部204のセンタ穴2
06にセンタが嵌合され、心出しがなされるとともに、
2個の保持部204がそれぞれチャックにより把持され
た状態で、回転駆動装置の回転がカバー部材164およ
び本体部材162に伝達されて加工が良好に行われる。
【0025】次に、本体部材162の頭部本体部170
およびカバー部材164の外周面を始めとする部分に塗
装が行われ、例えば、ポリテトラフルオロエチレンのコ
ーティング層が形成される。そして、カバー部材164
の端面202が削られて保持部204が除去された後、
コーティング層が形成された頭部本体部170およびカ
バー部材164の外周面にセンタレス研削が行われ、頭
部72が完成する。続いて、二連係合部168に機械加
工が施され、ブリッジ部182が除去されるとともに、
ピストン14となった際にシュー76を保持する凹部1
14が加工され、係合部70が完成する。そして、素材
160が2つに切り離され、2個のピストン14が得ら
れる。
【0026】頭部本体部170の内周面172と嵌合突
部192の外周面200とのしまり嵌合により、カバー
部材164と本体部材162との接合強度が高まり、し
かも、頭部本体部170の端面180とカバー部材16
4の肩面194との接着とによっても2部材が強固に固
定されて接合強度が一層向上する。しまり嵌めと接着と
により、カバー部材164と本体部材162とをより確
実に固定することができる。また、端面180と肩面1
94との接着を常温硬化型の二液性接着剤とすることに
より、接着時に加熱の必要がなく、製造コストを低減で
きるとともに、要求強度を満たすことができる。
【0027】片頭ピストンの分割形態は、上記実施形態
のものに限定されるわけではなく、例えば、図5に示す
形態とすることができる。なお、本実施形態において、
斜板式圧縮機の構造については、上記図1ないし図4に
示す実施形態と同じであるため図示,説明を省略し、ピ
ストンのみについて図示,説明する。また、ピストンに
おいて前記ピストン14と同様に構成され、同様に機能
する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
図5の片頭ピストン300(以下、ピストン300と称
する)は、斜板50と係合する係合部70とシリンダボ
ア12に嵌合される頭部72とを備える。頭部72は、
有底中空円筒状部材である頭部本体部306と、頭部本
体部306の開口を閉塞する閉塞部材としての閉塞部3
08とを備える。係合部70および閉塞部308は金属
の一種としてのアルミニウム合金製であり、鍛造あるい
は鋳造により一体に製造される。頭部本体部306もア
ルミニウム合金製であり、鍛造あるいは鋳造により別個
に製造される。頭部本体部306の内周面312は円筒
面とされている。閉塞部308は、外周面の直径が頭部
本体部306の直径とほぼ同じとされ、端面316から
突出する小径の嵌合突部318を備える。嵌合突部31
8には先端面320に開口する凹部322が形成され、
重量が軽減されている。嵌合突部318の外周面324
の直径は、頭部本体部306の内周面312の直径より
やや大きくされて嵌合代が設けられ、嵌合突部318の
外周面324が頭部本体部306の内周面312にしま
り嵌合されている。閉塞部308の端面316と頭部本
体部306の開口側端面330との当接により嵌合突部
318の嵌合深さが規定される。端面316と開口側端
面330とがそれぞれ当接面を構成している。閉塞部3
08と頭部本体部306とが嵌合されるのに先立って、
上記図1〜図4に示す実施形態と同様に、閉塞部308
の端面316と頭部本体部306の開口側端面330と
の一方に常温硬化型の二液性接着剤の第一液としての接
着剤が塗布され、他方に第二液としての硬化促進剤が塗
布される。したがって、閉塞部308の嵌合突部318
と頭部本体部306とのしまり嵌めおよび上記接着剤に
よる接着によって、閉塞部308と頭部本体部306と
が強固に固定される。
【0028】接着剤を常温硬化型の二液性接着剤とする
ことは不可欠ではなく、熱硬化型の二液性接着剤として
もよい。例えば、エポキシ樹脂系接着剤がこれに相当す
る。図1〜図4に示す実施形態に使用される場合、頭部
本体部170の端面180とカバー部材164の肩面1
94との一方に第一液としての接着剤を、他方に第二液
としての硬化促進剤をそれぞれ塗布し、第一液と第二液
とを接触させて混じり合わせた後、加熱によりその混合
物を硬化させる。頭部本体部170の内周面172と嵌
合突部192の外周面200とはしまり嵌合されてお
り、このしまり嵌め部により両部材の隙間が気密に封鎖
され、加熱により膨張された頭部本体部170内部の空
気が接着剤層を通り抜けて外部に出ることが防止される
ため、接着剤層にブローホールが形成されて接合強度が
低下することが回避される。図5に示す実施形態に熱硬
化型の二液性接着剤を使用する場合においても同様の効
果が得られる。
【0029】二液性接着剤を塗布する箇所は、頭部本体
部170(頭部本体部306)の端面180(端面33
0)およびカバー部材164(閉塞部308)の肩面1
94(端面316)とともに、あるいはそれらに代え
て、頭部本体部170(頭部本体部306)の内周面1
72(内周面312)と嵌合突部192(嵌合突部31
8)の外周面200(外周面324)としてもよい。内
周面172(内周面312)と外周面200(外周面3
24)との一方に接着剤を塗布し、他方に硬化促進剤を
塗布するのである。このようにすれば、頭部本体部17
0,306と嵌合突部192,318との接合強度が一
層向上する。ただし、上記各実施形態のように頭部本体
部170,306と嵌合突部192,318とがしまり
嵌合される場合には、内周面172,312と外周面2
00,324とに接着剤を介在させることは困難である
ため、接着剤の接着力を大きくする観点からは、内周面
172,312と外周面200,324とに互いにしま
り嵌めされる部分とすきま嵌めされる部分とを形成する
ことが望ましい。この場合、しまり嵌めされる部分とし
ては頭部本体部170,306の密閉された内部空間に
近い側の内周面172,312と外周面200,324
とされることが望ましい。
【0030】機械的固定手段は、種々の形態を採用可能
であり、その一例を図6に示す。なお、斜板式圧縮機の
構造については、上記図1ないし図4に示す実施形態と
同じであるため図示,説明を省略し、ピストンのみにつ
いて図示,説明する。また、ピストンにおいて前記ピス
トン14と同様に構成され、同様に機能する部分につい
ては同じ符号を付して説明を省略する。図6に本実施形
態における片頭ピストン400(以下、ピストン400
と称する)を示す。ピストン400は、斜板50と係合
する係合部70とシリンダボア12に嵌合される頭部7
2とを備える。頭部72は、頭部本体部406と、頭部
本体部406の開口を閉塞する閉塞部材としてのカバー
部材408とを備える。頭部本体部406は、底部12
4において係合部70と一体に形成されている。頭部本
体部406と係合部70とは、ともに金属の一種である
アルミニウム合金製であり、鋳造により製造される。頭
部本体部406の内周面410は、開口側が大径となる
段付円筒状を成し、大径穴部412と小径穴部414と
の間には肩面416が形成されている。したがって、大
径穴部412の形成された開口側端部418は、頭部本
体部406の他の部分より周壁が薄くされている。カバ
ー部材408は、概して円板状を成し、その外周面42
0は、大径穴部412に嵌合可能な径を有するストレー
ト外周面422と、そのストレート外周面422に連な
り、一方の端面424から他方の端面426に向かうに
つれて小径となるテーパ外周面428とを有する。
【0031】カバー部材408の頭部本体部406への
嵌合に先立って、それぞれ当接面を構成する頭部本体部
406の肩面416とカバー部材408の端面424と
に、上記各実施形態と同様に、一方に常温硬化型の二液
性接着剤の第一液としての接着剤が塗布され、他方に第
二液としての硬化促進剤が塗布される。また、これら当
接面とともに、あるいはそれに代えて、頭部本体部40
6の大径穴部414の内周面とカバー部材408のスト
レート外周面422との一方に接着剤が塗布され、他方
に硬化促進剤が塗布されてもよい。なお、この二液性接
着剤は、図1〜図4に示す実施形態と同じものを使用可
能であるため、その詳細な説明は省略する。そして、カ
バー部材408のストレート外周面422が頭部本体部
406の大径穴部412にすきま嵌めされる。頭部本体
部406の肩面416とカバー部材408の端面424
との当接により嵌合深さが規定される。肩面416と端
面424とに塗布された接着剤と硬化促進剤とが接触さ
せられて混合されることにより、その混合物が硬化し、
肩面416と端面424とが接着により固定される。そ
の後、頭部本体部406の開口側端部418がカバー部
材408のテーパ外周面428に沿って内周側にかしめ
られ、頭部本体部406とカバー部材408とがさらに
強固に固定される。本実施形態におけるかしめが、機械
的固定手段の一形態である。
【0032】機械的固定手段のその他の形態として、ね
じによる固定でもよく、塑性流動によって固定してもよ
い。
【0033】上記各実施形態においては、2個のピスト
ン14を1個の片頭ピストン製造用素材から製造するこ
とができるため、鋳造コストが低減される。しかし、こ
のことは不可欠ではなく、例えば、片頭ピストン製造用
素材を1個のピストンを製造するものとしてもよい。ま
た、頭部本体部と閉塞部材との少なくとも一方を鋳造以
外の方法、例えば鍛造により製造してもよい。閉塞部材
は、前記カバー部材122,408のように単純な形状
であれば、市販の棒材等汎用素材の機械加工により製造
してもよい。
【0034】頭部本体部と閉塞部材とは、アルミニウム
合金以外の金属、例えば、マグネシウム合金により製造
してもよい。また、閉塞部材は接着に適切な樹脂を用い
てもよい。
【0035】圧縮機の構造は、上記実施形態におけるそ
れに限らず、他の構造のものとすることもできる。例え
ば、容量制御弁90は不可欠ではなく、斜板室86の圧
力と吐出室24の圧力との差圧に基づいて機械的に開閉
させられる開閉弁を設けることもできる。また、容量制
御弁90に代えて、あるいはそれとともに、排出通路1
00の途中に、容量制御弁90と同様な電磁制御弁を設
けてもよいし、あるいは斜板室86の圧力と吸気室22
との圧力との差圧に基づいて機械的に開閉させられる開
閉弁を設けてもよい。また、斜板の傾斜角度が不変の固
定容量型斜板式圧縮機用のピストンや、両頭ピストンと
することも可能である。さらに、斜板式以外の圧縮機、
例えばウェーブカム式圧縮機とするこも可能である。
【0036】以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細
に説明したが、これは例示に過ぎず、本発明は、前記
〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識
に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である圧縮機用ピストンの
製造方法により製造されたピストンを備えた斜板式圧縮
機を示す正面断面図である。
【図2】上記ピストンを示す正面図(一部断面)であ
る。
【図3】上記ピストンを製造するためのピストン製造用
素材を構成する閉塞部材が本体部材に固定された状態を
示す正面図(一部断面)である。
【図4】上記製造方法において、閉塞部材が本体部材に
嵌合されるとともに、接着される工程を説明するための
図である。
【図5】本発明の別の実施形態である圧縮機用ピストン
の製造方法により製造されたピストンを示す正面断面図
である。
【図6】本発明のさらに別の実施形態である圧縮機用ピ
ストンの製造方法により製造されたピストンを示す正面
断面図である。
【符号の説明】
14:片頭ピストン 72:頭部 120:頭部本
体部 122:閉塞部材としてのカバー部材 12
6:内周面 140:カバー部材本体部 142:
嵌合突部 144:肩面 150:外周面 15
4:開口側端面 160:片頭ピストン製造用素材 162:本体部材
164:閉塞部材としてのカバー部材 170:
頭部本体部 172:内周面 180:開口側端面
190:カバー部材本体部 192:嵌合突部
194:肩面200:外周面 300:片頭ピスト
ン 306:頭部本体部 308:閉塞部材として
の閉塞部 312:内周面 316:端面 31
8:嵌合突部 324:外周面 330:開口側端
面 400:片頭ピストン 406:頭部本体部 408:閉塞部材としてのカバ
ー部材 410:内周面 416:肩面 41
8:開口側端部 420:外周面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福嶋 茂男 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H003 AA03 AB07 AC01 AD01 AD03 BC03 CB07 CC03 CE04 3H076 AA06 AA07 BB40 CC20 CC31 CC34 CC61 CC95

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が開口した有底円筒状をなす頭部本
    体部と、前記開口を閉塞する閉塞部材とを固定して中空
    円筒状の頭部を備えた圧縮機用ピストンを製造する方法
    であって、 前記頭部本体部と前記閉塞部材とを機械的固定手段によ
    り固定するとともに、それら頭部本体部と閉塞部材とを
    接着剤により接着することを含み、かつ、 その接着が、前記頭部本体部と前記閉塞部材との一方に
    第一液を、他方に第二液を塗布し、頭部本体部と閉塞部
    材との前記機械的固定手段による固定と同時に第一液と
    第二液とを接触させて両液の混合物を硬化させ、頭部本
    体部と閉塞部材とを接着することを特徴とする圧縮機用
    ピストンの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記機械的固定手段が前記頭部本体部の
    内周面と前記閉塞部材の外周面とのしまり嵌めを含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の圧縮機用ピストンの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記頭部本体部と前記閉塞部材とが、前
    記互いにしまり嵌めされる内周面と外周面との他に、頭
    部本体部の中心線に平行な方向において互いに当接する
    各当接面を有し、それら両当接面の一方に第一液を、他
    方に第二液をそれぞれ塗布し、両当接面の当接と同時に
    第一液と第二液とを接触させ、両液の混合物を硬化させ
    て、頭部本体部と閉塞部材とを接着することを特徴とす
    る請求項2に記載の圧縮機用ピストンの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記接着剤として常温で硬化する常温硬
    化型を使用する請求項1ないし4のいずれか1つに記載
    の圧縮機用ピストンの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1329660C (zh) * 2003-08-08 2007-08-01 桐乡市易锋机械厂 压缩机的活塞空心头部的形成方法

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