JP2001098150A - ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物

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JP2001098150A
JP2001098150A JP27996499A JP27996499A JP2001098150A JP 2001098150 A JP2001098150 A JP 2001098150A JP 27996499 A JP27996499 A JP 27996499A JP 27996499 A JP27996499 A JP 27996499A JP 2001098150 A JP2001098150 A JP 2001098150A
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resin composition
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JP27996499A
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Yasuhisa Fujii
藤井  靖久
Kazutomo Tokushige
和友 徳重
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バリ発生が少なく、流動性(成形性)及び機
械的特性に優れたPAS樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂10
0 重量部に対し、(B) 特定のイソシアネート化合物0.01
〜10重量部を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアリーレンサ
ルファイド樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明
はバリ発生が少なく、成形性及び機械的特性に優れたポ
リアリーレンサルファイド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリフ
ェニレンサルファイド(以下、PPSと略す場合があ
る)樹脂に代表されるポリアリーレンサルファイド(以
下、PASと略す場合がある)樹脂は、高い耐熱性、機
械的物性、耐化学薬品性、寸法安定性、難燃性を有して
いることから、電気・電子機器部品材料、自動車機器部
品材料、化学機器部品材料等に広く使用されている。し
かしながら、PAS樹脂は、射出成形で得られる成形品
にバリが多く発生するため、バリを取り除く後工程仕上
げが必要となる根本的な欠点がある。この問題を解決す
る従来の方法としては、各種アルコキシシラン化合物を
添加することが知られている(特開昭55−29526
号公報、特開昭63−251430号公報、特開平1−
146955号公報等)。各種アルコキシシラン化合物
とPAS樹脂とは、反応性が高く、機械的特性の改良、
バリ発生を抑制する効果等が認められている。しかしな
がら、これらの公報に用いられているアルコキシシラン
化合物では、PAS樹脂とアルコキシシラン化合物との
溶融混練時の反応性の制御が難しく、この結果、著しい
溶融粘度の増大が生じ、成形性を低下させる問題があ
る。また、溶融粘度、機械的特性のばらつきが大きい問
題点も生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる課題
に鑑み、バリ発生が少なく、流動性(成形性)及び機械
的特性に優れたPAS樹脂組成物の提供を目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、PAS樹脂に特定のイソ
シアネート化合物を配合することにより、バリ発生が少
なく、流動性(成形性)、機械的特性が良好な材料を提
供できることを見出し、本発明を完成するに至った。即
ち本発明は、(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂100
重量部に対し、(B)下記一般式(1)で示されるイソシ
アネート化合物0.01〜10重量部を配合してなるポリアリ
ーレンサルファイド樹脂組成物である。
【0005】
【化3】
【0006】(但し、X1 ,X2 ,X3 は、下記一般式
(2)で示される1種又は2種類以上の基からなる。)
【0007】
【化4】
【0008】(但し、Y1 ,Y2 ,Y3 ,Y4 ,Y5
任意の1つ以上はイソシアネート基(−N=C=O)で
ある。その他のYはそれぞれ、H又はCn2n+1(n は
1〜3の整数)である。)
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の構成成分について詳
細に説明する。本発明に用いる(A) 成分としてのPAS
樹脂は、繰り返し単位として-(Ar-S)-(但しArはアリー
レン基)で主として構成されたものである。アリーレン
基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレ
ン基、O−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p'−ジ
フェニレンスルフォン基、p,p'−ビフェニレン基、p,p'
−ジフェニレンエーテル基、p,p'−ジフェニレンカルボ
ニル基、ナフタレン基等が使用できる。この場合、前記
のアリーレン基から構成されるアリーレンサルファイド
基の中で、同一の繰り返し単位を用いたポリマー、すな
わちホモポリマーの他に、組成物の加工性という点か
ら、異種繰り返し単位を含んだコポリマーが好ましい場
合もある。ホモポリマーとしては、アリーレン基として
p−フェニレン基を用いた、p−フェニレンサルファイ
ド基を繰り返し単位とするものが特に好ましく用いられ
る。又、コポリマーとしては、前記のアリーレン基から
なるアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以
上の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレン
サルファイド基とm−フェニレンサルファイド基を含む
組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で、p−
フェニレンサルファイド基を70モル%以上、好ましくは
80モル%以上含むものが、耐熱性、流動性(成形性)、
機械特性等の物性上の点から適当である。又、これらの
PAS樹脂の中で、2官能性ハロゲン芳香族化合物を主
体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に
直鎖状構造の高分子量ポリマーが、特に好ましく使用で
きるが、直鎖状構造のPAS樹脂以外にも、重縮合させ
るときに、3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ
芳香族化合物等のモノマーを少量用いて、部分的に分岐
構造または架橋構造を形成させたポリマーも使用できる
し、低分子量の直鎖錠構造ポリマーを酸素又は酸化剤存
在下、高温で加熱して酸化架橋又は熱架橋により溶融粘
度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーも使用可
能である。又、(A) 成分のPAS樹脂は、前記直鎖状P
AS(310 ℃・剪断速度 1200sec-1における粘度が10〜
300 Pa・s )を主体とし、その一部(1〜300重量
%、好ましくは2〜25重量%)が、比較的高粘度(30
0 〜3000Pa・s、好ましくは500 〜2000Pa・s)の
分岐又は架橋PAS樹脂との混合系も好適である。又、
本発明に用いるPAS樹脂は、重合後、酸洗浄、熱水洗
浄、有機溶剤洗浄(或いはこれらの組み合わせ)を行っ
て副生不純物等を除去精製したものが好ましい。
【0010】次に本発明に用いるイソシアネート化合物
(B) は、1分子中に2個以上3個以上?)のイソシア
ネート基を有する、一種類又は二種類以上のイソシアネ
ート化合物であり、具体的には、下記一般式(1)で示
されるイソシアネート化合物が用いられる。
【0011】
【化5】
【0012】(但し、X1 ,X2 ,X3 は、下記一般式
(2)で示される1種又は2種類以上の基からなる。)
【0013】
【化6】
【0014】(但し、Y1 ,Y2 ,Y3 ,Y4 ,Y5
任意の1つ以上はイソシアネート基(−N=C=O)で
ある。その他のYはそれぞれ、H又はCn2n+1(n は
1〜3の整数)である。) 上記一般式(1)で示されるイソシアネート化合物を例
示すると、トリレンジイソシアネートを公知の方法(例
えば、US5905151)で3量化させて得られた化
合物が挙げられる。トリレンジイソシアネートは、2,
3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−、3,
5−トリレンジイソシアネートであってもよいが、2,
4−及び2,6−トリレンジイソシアネートが好まし
く、2,4−トリレンジイソシアネートが特に好まし
い。又、本発明では、イソシアネート化合物(B) のイソ
シアネート基が、フェノール類、オキシム類、ラクタム
類、アルコール類等の公知のブロック剤でブロックされ
たものを用いてもよい。イソシアネート化合物(B) の配
合量としては、ポリアリーレンサルファイド樹脂(A) 10
0 重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5
重量部が用いられる。配合量が0.01重量部未満では所期
の効果が得られず、10重量部を超えると成形時のガス発
生量が多くなるだけで、所期の効果がこれ以上に良くな
らず、好ましくない。
【0015】又、本発明の樹脂組成物には、著しく本発
明の効果を阻害しない範囲で、一般的に用いられるアル
コキシシラン化合物を併用してもかまわない。例えば、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が
挙げられる。本発明の樹脂組成物には、機械的強度、耐
熱性、寸法安定性(耐変形、そり)、電気的性質等の性
能の改良のため無機充填物を配合することもでき、これ
には目的に応じて繊維状、粉末状、板状の充填材が用い
られる。繊維状充填材としては、ガラス繊維、アスベス
ト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ
繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、
硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、
アルミニウム、チタン、銅、真鍮等金属の繊維状物など
の無機質繊維状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状
充填材はガラス繊維、又はカーボン繊維である。なおポ
リアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機
質繊維物質も使用することが出来る。一方、粉粒状充填
材としてはカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラ
スビーズ、ガラス粉、硅酸アルミニウム、カオリン、タ
ルク、クレー、硅藻土、ウオラストナイトの如き硅酸
塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナの如き金
属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き
金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金
属の硫酸塩、その他炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各
種金属粉末等が挙げられる。又、板状充填材としてはマ
イカ、ガラスフレーク、各種の金属箔が挙げられる。こ
れらの無機充填材は一種又は二種以上併用することがで
きる。これらの充填材の使用にあたっては必要ならば、
本発明の効果を阻害しない範囲で収束剤又は表面処理剤
を使用してもかまわない。この例を示せば、エポキシ系
化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チ
タネート系化合物等の官能性化合物である。これらの化
合物は予め表面処理又は収束処理を施して用いるか、又
は材料調製の際同時に添加してもよい。
【0016】無機充填材の使用量は(A) 成分のPAS樹
脂100 重量部当たり10〜300 重量部である。10重量部よ
り過小の場合は機械的強度がやや劣り、過大の場合は成
形作業が困難になるほか、成型品の機械的強度にも問題
が出る。
【0017】又、本発明の樹脂組成物には、その目的に
応じ前記成分の他に、他の熱可塑性樹脂を補助的に少量
併用することも可能である。ここで用いられる他の熱可
塑性樹脂としては、高温において安定な熱可塑性樹脂で
あれば、いずれものものでもよい。例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳
香族ジカルボン酸とジオール酸或いはオキシカルボン酸
などからなる芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ABS、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
アルキルアクリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサ
ルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、フ
ッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン
共重合体、グリシジルメタクリレート/オレフィン共重
合体、などを挙げることができる。又、これらの熱可塑
性樹脂は二種以上混合して使用することもできる。
【0018】更に、本発明に使用する成形品組成物とし
て、一般に熱可塑性樹脂に添加される公知の物質、すな
わち難燃剤、染・顔料等の着色剤、酸化防止剤等の安定
剤、潤滑剤および結晶化促進剤、結晶核剤等も要求性能
に応じ適宜添加することもできる。
【0019】本発明の樹脂組成物の調製は、一般に合成
樹脂組成物の調製に用いられる設備と方法により調製す
ることができる。一般的には必要な成分を混合し、一軸
又は二軸の押出機を使用して溶融混練して、押出して成
形用ペレットとすることができる。また、樹脂成分を溶
融押出し、その途中でガラス繊維の如き無機成分を添加
配合するのも好ましい方法の一つである。このようにし
て得たペレットは、射出成形、押出し成形、真空成形、
圧縮成形等、一般に公知の熱可塑性樹脂の成形法を用い
て成形することができるが、最も好ましいのは射出成形
である。
【0020】
【実施例】次に実施例、比較例で本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例および比較例に用いた各(A) 、(B) 、無機充
填材の具体的な物質は以下の通りである。 (A) ポリアリーレンサルファイド(PPS)樹脂 呉羽化学工業(株)製、フォートロンKPS (B) 請求項のイソシアネート化合物 B−1:2,4−トリレンジイソシアネート(80%)と
2,6−トリレンジイソシアネート(20%)の混合物を
3量化させて得られた化合物 B−2:B−1のイソシアネート基をカプロラクタムで
ブロックした化合物 (B')請求項外のイソシアネート化合物 B’−1:2,4−トリレンジイソシアネート(80%)
と2,6−トリレンジイソシアネート(20%)の混合物 (B'') アルコキシシラン化合物 B”−1:γ−アミノプロピルトリエトキシシラン B”−2:γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン ガラスファイバー 日本電気硝子(株)製、13μm φガラスファイバー また、実施例および比較例で評価した評価方法は以下の
通りである。 ・バリ特性 厚さ3mm、直径80mmの円盤(中央ピンゲート)の円周上
に厚さ20μm のバリが発生する金型を用いて、以下の成
形条件で成形した。バリの長さは、2.5 次元寸法測定機
にて測定した。 成形条件 金型温度:150 ℃ シリンダー温度:320 ℃ 射出圧力:成形品の充填が完了する最低の圧力 射出速度:3m/分 ・流動長 厚さ0.2 mm、幅5mmのバーフローにて、流動長を測定し
た。成形条件は以下の通りである。 金型温度:150 ℃ シリンダー温度:310 ℃ 射出圧力:98MPa ・引張り強さ ASTM D−638に準じて、引張り強さを測定し
た。 実施例1〜4および比較例1〜5 表1〜3に示す各成分をシリンダー温度320℃の二軸
押出機にて溶融混練し、樹脂組成物のペレットを作り、
上記評価を行った。結果を表1〜3に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂10
    0 重量部に対し、(B) 下記一般式(1)で示されるイソ
    シアネート化合物0.01〜10重量部を配合してなるポリア
    リーレンサルファイド樹脂組成物。 【化1】 (但し、X1 ,X2 ,X3 は、下記一般式(2)で示さ
    れる1種又は2種類以上の基からなる。) 【化2】 (但し、Y1 ,Y2 ,Y3 ,Y4 ,Y5 の任意の1つ以
    上はイソシアネート基(−N=C=O)である。その他
    のYはそれぞれ、H又はCn2n+1(n は1〜3の整
    数)である。)
  2. 【請求項2】 (B) イソシアネート化合物が、トリレン
    ジイソシアネートを3量化させて得られた化合物である
    請求項1記載のポリアリーレンサルファイド樹脂組成
    物。
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