JP2001096363A - 溶接方法および溶接装置 - Google Patents

溶接方法および溶接装置

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JP2001096363A
JP2001096363A JP27607099A JP27607099A JP2001096363A JP 2001096363 A JP2001096363 A JP 2001096363A JP 27607099 A JP27607099 A JP 27607099A JP 27607099 A JP27607099 A JP 27607099A JP 2001096363 A JP2001096363 A JP 2001096363A
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welding
groove
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heating
heated
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JP27607099A
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English (en)
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Mitsuho Kuroda
満穂 黒田
Yukiomi Nishigami
幸臣 西上
Yasuyuki Nojiri
泰行 野尻
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Original Assignee
Sakai Iron Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接作業を効率良く行うことができる溶接方
法を提供する。 【解決手段】 互いに接合する鋼板10,12を突合わ
せて開先部16を形成し、溶接装置20を開先部16に
沿って移動させながら、該装置20に搭載された溶接ト
ーチ24により開先部16に溶接を施すようにした。溶
接装置20には、進行方向における溶接トーチ24の前
方に加熱コイル36を設け、これを開先部16に介入さ
せるようにした。そして、この加熱コイル36に高周波
電流を通電することにより、溶接トーチ24による溶接
に先立って鋼板10,12の端面(開先面)を誘導加熱
するようにした。加熱温度は、溶接トーチ24による溶
接時に、開先面の溶融が促進される温度(400℃以
上)とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋梁、水圧鉄管等
に使用される比較的板厚の大きい部材を突合わせて溶接
する溶接方法およびこの方法の実施に適した溶接装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、橋梁、水圧鉄管等の比較的板
厚の大きな部材(母材)同士を突合わせて溶接する方法
としてアーク溶接等の溶融溶接が一般に知られている。
この溶接方法は、図7に示すように母材50a,50b
を突合わせて開先部52を形成し、この開先部52に溶
加材(溶接棒)を配置してアークを発生させることによ
り母材50a,50bと溶加材(溶接棒)とを融合させ
て溶融金属56(溶接ビード56という)を形成し、こ
れを凝固させることにより両母材50a,50bを接合
する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の溶接方法では、
溶接パス(溶接ビード56を形成する作業)を繰り返す
ことにより図7に示すように開先部52のルート面54
側から順に溶接ビード56を積層形成するが、従来で
は、アークを発生させることにより母材50a,50b
を常温から加熱、溶融させて溶加材と融合させるため一
溶接パスに時間がかかる。そのため、一溶接パスの時間
を短縮して溶接作業を効率良く行えるようにすることが
望まれている。
【0004】なお、溶接作業を効率良く行うべく、開先
角度θを小さく設定して総溶接パス数を減らすことも考
えられている。しかし、単に開先角度θを小さくするだ
けでは、図8に示すように溶接ビード56の中央部分が
盛り上がって母材端面(開先面)との間に楔状の隙間5
8が生じ易くなる。このような隙間は、後に溶接ビード
56が積層形成されても十分に埋まらず中空部として残
存し、例えば、亀裂等の原因となる。そのため、開先角
度θを小さくするのにも自ずと限界があり、作業時間を
有効に短縮することが出来なかった。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、本発明の第1の目的は溶接作業をよ
り効率良く行うことができる溶接方法を提供することに
あり、第2の目的は、その溶接方法の実施に適した溶接
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の溶接方法は、母材を突合わせて開先部を形
成し、上記開先部に溶接を施すことにより母材同士を接
合する溶接方法において、溶接時に開先面の溶融を促進
するのに適した所定温度まで該開先面を加熱した後に溶
接を施すようにしたものである(請求項1)。
【0007】この方法によると、溶接時には、開先面の
溶融が速やかに行われて溶融金属(溶接ビード)が速や
かに、かつ良好に形成される。なお、「溶接時における
開先面の溶融を促進するのに適した所定温度」とは、溶
接開始後、直ちに開先面の溶融が始まるような温度を意
味し、溶接割れを防止する目的で開先部を加熱するとき
のような極低い温度は排除する意味である。
【0008】具体的には、母材として鋼材を用いる場合
には、開先面を400℃以上に加熱する(請求項2)。
【0009】なお、加熱は、開先面に加熱コイルを介入
させ、これに高周波電流を通電して母材に誘導電流を誘
導することにより開先面を誘導加熱するか(請求項
3)、あるいは母材に高周波電流を通電してその抵抗熱
で開先面を加熱する(請求項4)のが好ましい。
【0010】このようにすれば、高周波の特徴である表
皮効果および近接効果により溶接箇所に電流を集中させ
て開先面の近傍のみが良好に加熱される。そのため、加
熱に起因した母材の劣化を最小限に抑えることが可能と
なる。
【0011】一方、本発明の溶接装置は、母材の突合わ
せ部分に形成された開先部に溶接を施す溶接装置であっ
て、開先部に沿って移動可能に構成され、該移動中に開
先部に溶接を施す装置本体と、この装置本体と共に移動
し、該装置本体による溶接に先立って、溶接時における
開先面の溶融を促進するのに適した所定温度まで上記開
先面を加熱する加熱装置とを備えているものである(請
求項5)。
【0012】この装置によると、装置本体の移動に伴い
開先面の加熱と溶接とを効率的に行うことが可能とな
る。
【0013】なお、加熱装置は、装置本体に固定されて
開先部に介入される加熱コイルと、この加熱コイルに高
周波電流を供給する高周波電源とを有した構成とされる
(請求項6)。この装置によると、加熱コイルにより開
先面に誘導電流が誘導されることにより開先面が誘導加
熱される。
【0014】また、加熱装置は、開先部において母材の
表裏面又は表裏面のうち一方側の面に配置され、それぞ
れ母材に摺動可能な陽極接触子および陰極接触子と、上
記陽極接触子に高周波電流を供給する高周波電源とを有
した構成とすることもできる(請求項7)。この装置に
よると、母材に高周波電流による抵抗熱が発生し、これ
により開先面が加熱される。
【0015】なお、請求項6および請求項7の装置にお
いては、電源として高周波電源を用いているため、表皮
効果および近接効果により開先面のみが良好に加熱され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を用いて説明する。
【0017】図1は、本発明に係る溶接方法を実施する
溶接装置を概略的に示している。この図において、符号
10,12は母材である鋼板を示しており、各鋼板1
0,12はそれぞれ端面を突合わせた状態で配置されて
いる。より詳しくは、図2に示すように、各鋼板10,
12にはテーパ状の端面10a,12a(開先面)がそ
れぞれ形成されており、所定の間隔(ルートギャップ)
を隔てこれら鋼板10,12が突き合わされることによ
り、両鋼板10,12の間に、それらの裏面側から表面
側(同図では下側から上側)に向かって先広がりとなる
V字形の開先部16を形成している。
【0018】そして、これら各鋼板10,12の表面
に、図1に示すように開先部16を跨いだ状態で溶接装
置20が載置されている。
【0019】溶接装置20は、例えば炭酸ガスアーク溶
接を行う装置で、車輪22aを有した移動可能な台車2
2を有している。この台車22には、その前方(図1で
は左側)にフレーム26を介して溶接トーチ24が支持
されるとともに、この溶接トーチ24の後方に溶接ワイ
ヤ30を巻回したリール28が回転可能に支持されてい
る。そして、このリール28から上記溶接ワイヤ30が
導出されて溶接トーチ24の先端(下端)に導かれてい
る。
【0020】上記溶接トーチ24は、炭酸ガスアーク溶
接に用いられる一般的な溶接トーチであって、図外の溶
接電源から上記溶接ワイヤ30に電流を通電することに
より鋼板10,12と溶接ワイヤ30との間にアークを
発生させるように構成されている。また、溶接トーチ2
4に一体に組み込まれた図外のノズルからCO2ガス又
はCO2ガスを主体とする混合ガスを噴射することによ
り溶融金属(溶接ビード)を大気から遮蔽するように構
成されている。
【0021】上記溶接トーチ24には、さらにその前方
にアーム32を介して加熱ヘッド34が固定されてい
る。
【0022】この加熱ヘッド34には、先端にコロ38
が回転可能に取付けられており、このコロ38が鋼板1
0,12の表面に当接することにより加熱ヘッド34を
支えている。また、加熱ヘッド34の下面には案内用の
ガイド板40が突設され、このガイド板40が上記開先
部16のルート面14(図2参照)の間に介入すること
により台車22を開先部16に沿って案内するように構
成されている。
【0023】加熱ヘッド34には、さらに鋼板10,1
2の端面10a,12aを加熱するための加熱コイル3
6が取付けられている。
【0024】加熱コイル36は、加熱ヘッド34から下
方に向かって延びるU字形に形成され、ガイド板40に
より台車22が開先部16に沿って案内される際に、図
2に示すように開先部16内に介入されて鋼板10,1
2の端面10a,12aに対して非接触な状態で配置さ
れるように構成されている。
【0025】この加熱コイル36は、図外の高周波電源
に接続され、後述する溶接作業時には、加熱ヘッド34
に高周波電流が通電されることにより鋼板10,12の
端面10a,12aを加熱するように構成されている。
すなわち、加熱コイル36に電流が通電されると鋼板1
0,12に誘導電流が流れ(誘導され)、これにより鋼
板10,12の端面10a,12aのうち加熱コイル3
6に近接する部分が誘導加熱されるようになっている。
なお、加熱コイル36による端面10a,12aの加熱
温度は、溶接時に端面10a,12aの溶融が良好に促
進される温度、例えば溶接トーチ24による溶接時にア
ークが発生すると端面10a,12aが直ちに溶融し始
めて溶接ワイヤ30と融合し得るような温度であって、
当実施の形態では、端面10a,12aを400℃以上
に加熱するようになっている。
【0026】次に、上記のように構成された溶接装置2
0による鋼板10,12の接合作業について作用効果と
ともに説明する。
【0027】上記溶接装置20を用いて鋼板10,12
を接合するには、まず、鋼板10,12を上述のように
突合わせ、この状態で開先部16を跨ぐように溶接装置
20を鋼板10,12の表面にセットする。この際、ガ
イド板40及び加熱コイル36を開先部16に介入さ
せ、開先部16の長手方向における溶接開始位置に加熱
コイル36を配置する。
【0028】次いで、溶接装置20を起動して加熱コイ
ル36に高周波電流を通電するとともに溶接トーチ24
を溶接可能な待機状態とする。
【0029】こうして溶接作業の準備が完了したら、開
先部16に沿って溶接装置20を前方(図1では左方)
に所定速度で移動させながら、その最中に溶接トーチ2
4を操作して溶接パスを繰り返して開先部16に溶接を
施す。具体的には、図3に示すように、開先部16のル
ート面14に初層溶融金属(溶接ビード)を形成し、こ
の初層溶接ビードに順次溶接ビードを積層形成するとい
う作業を繰り返して、開先部16の長手方向全体にわた
って順次溶接を施す。
【0030】このような溶接作業中、溶接装置20の進
行方向前方に設けられた加熱コイル36には、上記のよ
うに高周波電流が通電されており、これにより溶接トー
チ24による溶接に先立って鋼板10,12の端面10
a,12aが加熱される。そして、このように端面10
a,12aが加熱されることにより溶接トーチ24によ
る溶接が効率良く行われる。すなわち、鋼板10,12
の端面10a,12aが上述したような温度まで加熱さ
れていることにより、溶接トーチ24による溶接時に
は、端面10a,12aと溶接ワイヤ30との融合が速
やかに、かつ良好に行われる。そのため、未加熱の状態
で溶接を施す場合に比べると一溶接パスに要する時間が
短縮され、溶接トーチ24による溶接が効率的に行われ
る。
【0031】このように上記溶接装置20によれば溶接
作業を効率良く、かつ良好に行うことができるという効
果がある。
【0032】また、上記のように端面10a,12aと
溶接ワイヤ30との融合を速やかに、かつ良好に行わせ
ることができるため、開先部16の開先角度を小さく設
定することが可能であり、このように開先角度を小さく
設定することにより、より一層溶接作業を効率的に行う
こともできる。すなわち、予め端面10a,12aを加
熱しておけば、端面10a,12aと溶接ワイヤ30と
の融合が速やかに行われるため、例えば開先角度を小さ
く設定した場合でも、図3に示すように溶接ビード18
が端面10a,12a間に平坦に形成されることとな
り、未加熱で溶接を施す場合のように溶接ビードの中央
が盛り上がって両脇に楔状の隙間が生じる(図8参照)
ようなことがない。従って、開先角度を十分に小さく設
定することができ、このように開先角度を小さくできる
結果、開先部16に溶接を施す際の溶接パス数が少なく
なり作業効率がアップする。この場合、例えば端面10
a,12aの材質、厚み、あるいは加熱温度によって
は、図4に示すように、開先角度θを0°(つまり端面
10a,12aが平行となる状態)として一溶接パスで
開先部16に溶接ビード18を形成することも可能とな
る。この場合には、端面10a,12aをテーパ状とす
るための鋼板10,12の端面加工が不要となるという
効果もある。
【0033】さらに、鋼板10,12の端面10a,1
2aを加熱するに際しては、上記のように開先部16間
に加熱コイル36を介入させ、これに高周波電流を通電
することにより鋼板10,12を誘導加熱するようにし
ているため、いわゆる近接効果により鋼板10,12の
端面10a,12aに偏って誘導電流が流れ、これによ
り端面10a,12aが良好に加熱される。そのため、
端面10a,12a以外の広い部分を加熱して鋼板1
0,12を劣化させるという事態を有効に回避すること
ができるという特徴がある。
【0034】ところで、上記の溶接方法では、加熱コイ
ル36に高周波電流を通電することによりいわゆる誘導
加熱により鋼板10,12を加熱するようにしている
が、開先部16において直接鋼板10,12に高周波電
流を通電することにより抵抗熱で鋼板10,12の端面
10a,12aを加熱するようにしてもよい。この場合
にも、表皮効果および近接効果により端面10a,12
aに偏って電流が流れるため、鋼板10,12の端面1
0a,12aを加熱しながら、それ以外の部分が加熱さ
れるのを防止することができる。
【0035】なお、抵抗熱により鋼板10,12を加熱
する場合には、例えば図5に示すような溶接装置を用い
ることができる。以下、この溶接装置について説明す
る。なお、この装置の基本構成は、図1に示した溶接装
置20と共通するため、共通する部分には同一の符号を
付して説明を省略し、相違点についてのみ詳しく説明す
ることとする。
【0036】図5に示す溶接装置21は、図1に示した
溶接装置20の加熱ヘッド34の代えて、台車22の前
方に一対の陽極接触子42a,42bが取付けられてい
る。これら接触子42a,42bは、図6に示すように
開先部16の間隔に対応して各鋼板10,12の端部上
面(表面)に摺動するように台車22にアーム44を介
して取付けられ、さらに図外の高周波電源に接続されて
いる。
【0037】また、鋼板10,12を挟んで陽極接触子
42a,42bの反対側には陰極接触子46が配設され
ている。この接触子46は、台車22の前方に連結され
て開先部16を介して下方に延びる図外のアームに固定
されており、図6に示すように各鋼板10,12の端部
下面(裏面)に跨った状態で摺動するように配置されて
いる。
【0038】この溶接装置21により鋼板10,12を
接合する場合も、基本的には図1の溶接装置20と同様
に、開先部16に沿って溶接装置21を前方(図5では
左方)に所定速度で移動させながら、その最中に溶接ト
ーチ24を操作して溶接パスを繰り返して開先部16に
溶接を施す。この際、高周波電源から陽極接触子42
a,42bに高周波電流を通電すことにより、鋼板1
0,12の端面10a,12aに高周波電流を流し、こ
の電流による抵抗熱によって鋼板10,12の端面10
a,12aを加熱する。
【0039】なお、この場合、一旦接初層溶接ビードを
形成すればこの初層溶接ビードを介して両鋼板10,1
2が導通状態となるので、例えば、図5に示す接触子配
置で初層溶接ビードを形成した後、陰極接触子46を取
り除き、さらに陽極接触子42a,42bのうち一方を
陰極に切り替えることにより溶接ビードを介して両鋼板
10,12に高周波電流を流すようにしてもよい。この
ようにすれば接触子46を端面10a,12aの裏面に
おいて溶接装置21と一体に移動させる必要がなくなる
という利点がある。
【0040】なお、以上説明した上記実施の形態の溶接
方法では、誘導加熱や電気抵抗加熱により鋼板10,1
2の端面10a,12aを加熱するようにしているが、
鋼板10,12の加熱は、これ以外の方法、例えばガス
炎加熱法や赤外線加熱法により行うようにしてもよい。
【0041】また、具体的な加熱温度も、溶接トーチ2
4による溶接時に端面10a,12aの溶融が良好に促
進される温度であればよく、具体的な温度は、母材の材
質、厚みあるいは具体的な溶接方法により適宜設定すれ
ばよい。但し、母材が鋼板の場合には、温度が400℃
以上となることにより端面10a,12aの溶融が促進
されることが実験的に認められており、従って、鋼板の
場合の加熱温度は400℃以上であることが好ましい。
【0042】さらに、上記実施の形態では、本発明を溶
融溶接の一種である炭酸ガスアーク溶接に適用した例に
ついて説明しているが、本発明は、溶融溶接であれば炭
酸ガスアーク溶接以外の溶接にも勿論適用することがで
きる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の溶接方法
は、溶接に先立ち、溶接時における開先面の溶融を促進
するのに適した所定温度まで開先面を加熱し、こうする
ことにより未加熱状態で溶接を施す場合に比べて溶融金
属が速やかに、かつ良好に形成されるようにしたので、
一溶接パスに要する時間を効果的に短縮することがで
き、これにより溶接作業を効率よく行うことができる。
また、開先角度を小さく設定することが可能となり、こ
のように開先角度を小さく設定することにより総溶接パ
ス数が減少し、より一層、溶接作業を効率的に行うこと
ができる。
【0044】特に、開先面の近傍に加熱コイルを配設
し、これに高周波電流を通電して開先面に誘導電流を誘
導することにより開先面を誘導加熱するか、あるいは開
先面に高周波電流を通電してその抵抗熱で開先面を加熱
するようにすれば、高周波電流のいわゆる表皮効果およ
び近接効果により開先面近傍のみを良好に加熱すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶接装置を母材(鋼板)上にセッ
トした状態を示す斜視略図である。
【図2】加熱コイルが介入された状態を示す開先部の断
面図である。
【図3】溶融金属(溶接ビード)の形成状態を示す開先
部の断面図である。
【図4】開先部の一例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る別の溶接装置を母材(鋼板)上に
セットした状態を示す斜視略図である。
【図6】陽極接触子および陰極接触子の配置を説明する
開先部の断面図である。
【図7】一般的な溶接方法を説明する開先部の断面図で
ある。
【図8】開先角度を小さくした場合の溶接ビードの形成
状態を示す開先部の断面図である。
【符号の説明】
10,12 鋼板(母材) 10a,12a 端面(開先面) 14 ルート面 16 開先部 20 溶接装置 22 台車 24 溶接トーチ 30 溶接ワイヤ 34 加熱ヘッド 36 加熱コイル
フロントページの続き Fターム(参考) 4E001 AA03 BB06 BB09 CA01 CC03 CC04 DA01 DC01 DD01 DD04 DF05 DF06 DG03 EA09 4E081 AA02 AA12 BA02 BA19 BA27 BA40 BB01 BB15 CA07 CA10 DA01 DA02 DA11 DA31 DA68 DA69 EA14 FA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材を突合わせて開先部を形成し、上記
    開先部に溶接を施すことにより母材同士を接合する溶接
    方法において、溶接時に開先面の溶融を促進するのに適
    した所定温度まで該開先面を加熱した後に溶接を施すこ
    とを特徴とする溶接方法。
  2. 【請求項2】 上記母材として鋼材を用いる方法であっ
    て、上記開先面を400℃以上に加熱することを特徴と
    する請求項1記載の溶接方法。
  3. 【請求項3】 上記開先部に加熱コイルを介入し、これ
    に高周波電流を通電して母材に誘導電流を誘導すること
    により上記開先面を誘導加熱することを特徴とする請求
    項1又は2記載の溶接方法。
  4. 【請求項4】 上記母材に高周波電流を通電してその抵
    抗熱で上記開先面を加熱することを特徴とする請求項1
    又は2記載の溶接方法。
  5. 【請求項5】 母材の突合わせ部分に形成された開先部
    に溶接を施す溶接装置であって、上記開先部に沿って移
    動可能に構成され、該移動中に上記開先部に溶接を施す
    装置本体と、この装置本体と共に移動し、該装置本体に
    よる溶接に先立って、溶接時における開先面の溶融を促
    進するのに適した所定温度まで上記開先面を加熱する加
    熱装置とを備えていることを特徴とする溶接装置。
  6. 【請求項6】 上記加熱装置は、上記装置本体に固定さ
    れて上記開先部に介入される加熱コイルと、この加熱コ
    イルに高周波電流を供給する高周波電源とを有している
    ことを特徴とする請求項5記載の溶接装置。
  7. 【請求項7】 上記加熱装置は、上記開先部において母
    材の表裏面又は表裏面のうち一方側の面に配置され、そ
    れぞれ母材に摺動可能な陽極接触子および陰極接触子
    と、上記陽極接触子に高周波電流を供給する高周波電源
    とを有していることを特徴とする請求項5記載の溶接装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011073021A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Hitachi Zosen Corp 長大鋼板の製造方法および開先加工装置
KR101304581B1 (ko) * 2011-12-21 2013-09-05 삼성중공업 주식회사 용접 장치
JP2016221525A (ja) * 2015-05-27 2016-12-28 ヤマネ鉄工建設株式会社 自動予熱装置
WO2018196250A1 (zh) * 2017-04-28 2018-11-01 广船国际有限公司 一种低温铸钢件与船用板的焊接方法

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