JP2001096342A - 回転急冷鋳造装置 - Google Patents

回転急冷鋳造装置

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JP2001096342A
JP2001096342A JP27345999A JP27345999A JP2001096342A JP 2001096342 A JP2001096342 A JP 2001096342A JP 27345999 A JP27345999 A JP 27345999A JP 27345999 A JP27345999 A JP 27345999A JP 2001096342 A JP2001096342 A JP 2001096342A
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泰弘 中井
Masanori Tsuda
正徳 津田
Atsushi Okuno
敦 奥野
Yoshito Nakajima
賢人 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝固片の厚みを増して生産性を向上させるこ
とができる回転急冷鋳造装置を提供する。 【解決手段】 溶解炉から出湯された溶湯3を一時的に
貯留状態にして流出させるためのタンディッシュ2と、
タンディッシュ2の溶湯流出口2cから流出された溶湯
3を掻き上げて連れ回し、その途中で急冷させるための
水冷ロール1とを備えた回転急冷鋳造装置であって、タ
ンディッシュ2の水冷ロール1側底面2dと水冷ロール
中心Cとを結ぶ線CPが水冷ロール1の中心Cを通る鉛
直線上部を基準線Bとしてロール回転方向逆向きになす
角度θを0°<θ<90°の範囲に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合金等の帯状凝固
片を製造するのに用いられる回転急冷鋳造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図6に従来の回転急冷鋳造装置を示して
簡単に説明する。図6において、図中の符号1は水冷ロ
ール、2はタンディッシュ、2aはタンディッシュ枠、
2bは耐火物(断熱材)、3は溶湯、4は凝固片(帯)
を示しており、タンディッシュ枠2aの内側に耐火物2
bが配設されてなるタンディッシュ2内には、図示省略
の炉体より出湯された溶湯3が一時的に貯湯される。タ
ンディッシュ2内の溶湯3は、溶湯流出口2cで水冷ロ
ール1によって掻き上げられ、薄い膜となって水冷ロー
ル1に付着し連れ回される。このため、水冷ロール1に
付着した溶湯3は、連れ回される途中で急冷されて凝固
するので、粉末用素材となる帯状の凝固片4を得ること
ができる。なお、上述した構成の回転急冷鋳造装置で製
造された帯状の凝固片4は、これを粉砕することによ
り、たとえば磁石材料,水素吸蔵合金などの粉末を得る
ための素材として使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のタンディッシュ2は、その底面2dが水冷ロール1
の回転中心1aとほぼ一致するような位置関係で配置さ
れており、このような従来の回転急冷装置では、凝固片
4の厚さが概ね1mm以下の製品しか得られなかった。こ
の凝固片4は、最終的には粉砕されて粉末になるため、
凝固片4の厚みを増すことは生産性の向上に貢献する。
【0004】このため、凝固片4の厚さを増した製品を
得ようとして、水冷ロール1の回転速度を下げたり、あ
るいは、タンディッシュ2内における溶湯3の高さ(深
さ)hを増すことも試してみた。しかしながら、水冷ロ
ール1の回転速度が低いと溶湯3が水冷ロール2に掻き
上げられず、タンディッシュ2内で溶湯3が固化してし
まうか、あるいは、溶湯3の掻き上げ量が変化しないで
凝固片4の厚みが増加しないという結果となった。これ
は、溶湯3が水冷ロール1に掻き上げられる方向が鉛直
方向であるため、重力の影響により水冷ロール1に掻き
上げるのに十分な加速を溶湯3に与えることができない
ためであると考えられる。また、溶湯3の高さhを高く
すると、底面2d側の下部溶湯が掻き上げられる前に固
化してしまう。このような背景から、数ミリ程度まで厚
みの増した凝固片4を安定して得ることは困難であり、
凝固片の4の厚みを増して生産性を向上させる技術が望
まれている。
【0005】さらに、上述した従来の回転急冷鋳造装置
によれば、タンディッシュ2の溶湯流出口2cから水冷
ロール1に付着して流出した溶湯3は、水冷ロール1に
抜熱され、凝固した帯状の凝固片4となってロール上を
連れ回される。しかし、この凝固片4では、水冷ロール
1に接する内面側とは反対側の外面側(自由凝固面)が
凝固片4内部の熱伝導により抜熱されるため、内面側よ
り冷却が遅くなってしまう。従って、凝固した直後にお
いては、凝固片4の自由凝固面が内面側より高温の状態
にある。
【0006】このため、水冷ロール1上を連れ回ってい
る間に、輻射熱等により自由凝固面からも抜熱されるこ
とにより、凝固片4の自由凝固面でも熱収縮が起こり、
図7に示すように、凝固片4の幅方向(左右)両端部が
上向きに反った形となる。この結果、凝固片4の両端部
が水冷ロール1から浮く状態、あるいは、水冷ロール1
との接触状況が悪化した状態となるので、水冷ロール1
への均一な抜熱が妨げられる。このような現象は、凝固
片4の厚みを増すほど顕著になる傾向にあり、このよう
な状態で抜熱すると、凝固片4は幅方向に不均一な組成
の製品となるので、品質の低下を招く恐れがあった。す
なわち、凝固片4の組成が不均一であると、最終的な製
品である粉末の組成も不均一なものとなるので、回転急
冷鋳造装置により製造される凝固片4の幅方向におい
て、その組成を均一化させることが望まれる。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、凝固片の厚みを増して生産性を向上させるととも
に、厚みの増した凝固片における幅方向の組成を均一に
することでその品質を向上させることができる、回転急
冷鋳造装置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため以下の手段を採用した。請求項1に記載の回
転急冷鋳造装置は、溶解炉から出湯された溶湯を一時的
に貯留状態にして流出させるためのタンディッシュと、
該タンディッシュの溶湯流出口から流出された溶湯を掻
き上げて連れ回し、その途中で急冷させるための急冷ロ
ールとを備えた回転急冷鋳造装置であって、前記タンデ
ィッシュの前記急冷ロール側底面と前記急冷ロール中心
とを結ぶ線が前記急冷ロールの中心を通る鉛直線上部を
基準線としてロール回転方向逆向きになす角度θを0°
<θ<90°の範囲に設定したことを特徴とするもので
ある。
【0009】このような回転急冷鋳造装置によれば、溶
湯が急冷ロールに掻き上げられる方向を鉛直方向からず
らすことができ、また、タンディッシュ内の溶湯と急冷
ロールとの接触面積を増加させることができるので、厚
みの増した凝固片を得ることができる。この場合、タン
ディッシュの位置を可変とし、角度θを0°から90°
の範囲で適宜調整できるようにするとよく、これにより
粘度の異なる溶湯や厚み変更などに容易に対応できるよ
うになる。
【0010】請求項2に記載の回転急冷鋳造装置は、溶
解炉から出湯された溶湯を一時的に貯留状態にして流出
させるためのタンディッシュと、該タンディッシュの溶
湯流出口から流出された溶湯を掻き上げて連れ回し、そ
の途中で急冷させるための急冷ロールとを備えた回転急
冷鋳造装置であって、前記急冷ロールに掻き上げられた
凝固片を前記急冷ロールに向けて押し付ける押圧手段を
設けたことを特徴とするものである。
【0011】このような回転急冷鋳造装置によれば、押
圧手段により凝固片の反りを防止して幅方向に均一な抜
熱を行うことができ、また、押圧手段による自由凝固面
からの抜熱も可能になって凝固片全体としての冷却能力
を向上させることもできるので、凝固片の組成を均一化
させることができる。この場合、前記押圧手段の押付力
を可変調整可能にすることで、適切な押付力を与えて凝
固片の割れを防止できる。好適な押圧手段としては、ロ
ールの他、複数の水冷ロールに沿って回転する金属ベル
トがあり、いずれのロールも冷却機能を備えているのが
好ましい。そして、前記押圧手段をタンディッシュに近
い位置に配設すれば、より高温の状態で対応できるよう
になるので、さらに効果的である。
【0012】請求項3に記載の回転急冷鋳造装置は、溶
解炉から出湯された溶湯を一時的に貯留状態にして流出
させるためのタンディッシュと、該タンディッシュの溶
湯流出口から流出された溶湯を掻き上げて連れ回し、そ
の途中で急冷させるための急冷ロールとを備えた回転急
冷鋳造装置であって、前記タンディッシュの前記急冷ロ
ール側底面と前記急冷ロール中心とを結ぶ線が前記急冷
ロールの中心を通る鉛直線上部を基準線としてロール回
転方向逆向きになす角度θを0°<θ<90°の範囲に
設定すると共に、前記急冷ロールに掻き上げられた凝固
片を前記急冷ロールに向けて押し付ける押圧手段を設け
たことを特徴とするものである。
【0013】このような回転急冷鋳造装置によれば、溶
湯が急冷ロールに掻き上げられる方向を鉛直方向からず
らすことができ、また、タンディッシュ内の溶湯と急冷
ロールとの接触面積を増加させることができるので、厚
みの増した凝固片を得ることができる。そして、押圧手
段により凝固片の反りを防止して幅方向に均一な抜熱を
行うことができ、また、押圧手段による自由凝固面から
の抜熱も可能になって凝固片全体としての冷却能力を向
上させることもできるので、凝固片の厚みが増してもそ
の組成を均一化させることができる。この場合、前記押
圧手段の押付力を可変調整可能にすることで、適切な押
付力を与えて凝固片の割れを防止できる。好適な押圧手
段としては、ロールの他、複数のロールに沿って回転す
る金属ベルトがあり、いずれのロールも冷却機能を備え
ているのが好ましい。また、前記押圧手段をタンディッ
シュに近い位置に配設すれば、より高温の状態で対応で
きるようになるので、さらに効果的である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る回転急冷鋳造
装置の一実施形態を、図面に基づいて説明する。本発明
の第1実施形態を示す図1において、符号の1は水冷ロ
ール、2はタンディッシュ、3は溶湯、4は凝固片であ
り、図示の回転急冷装置は、たとえば磁石材料,水素吸
蔵合金などの粉末製造用素材となる帯状の凝固片4を製
造するための装置である。ここで製造された凝固片4
は、図示省略の他の工程で粉砕されて粉末となる。
【0015】水冷ロール1は、冷媒に水を使用して付着
した溶湯3及び凝固片4を冷却する機能を有している急
冷ロールである。図示の例では、水冷ロール1が時計廻
り方向に回転してタンディッシュ2内の溶湯3を掻き上
げ、薄い帯状に付着した溶湯3を急冷しながら連れ回す
ことによって、ほぼ同形状の凝固片4を得る。タンディ
ッシュ2は、タンディッシュ枠2aの内側に耐火物2b
を貼り付けた構成のもので、図示省略の炉体から高温の
溶湯3を受けて一時的に貯留するとともに、貯留した溶
湯3を水冷ロール1に付着させて溶湯流出口2cから流
出させる機能を有している。ここで使用可能な耐火物2
bとしては、たとえばアルミナの繊維を成形したものが
ある。溶湯流出口2cはタンディッシュ2の水冷ロール
1側に設けられ、貯留状態の溶湯3と回転する水冷ロー
ル1の周面とが幅方向で接触するようになっている。
【0016】タンディッシュ2の底面2dは、水冷ロー
ル1の回転軸中心Cを通る鉛直線の上部を基準線Bとし
て、水冷ロール1側の端部Pが水冷ロール1の回転方向
逆向きに90°以内に位置する高さに配置されている。
この場合、Pが基準線B上にあると溶湯3がタンディッ
シュ2の外部へ流出するので、少なくとも溶湯3の液面
が水冷ロール1の上端より若干低い位置となるように設
定する必要がある。溶湯3の高さhは底面2d側の凝固
を防ぐため通常は5mm程度とそれほど大きな値にならな
いので、実際には端部Pの位置を基準線Bにかなり近い
位置(角度の小さい位置)まで設定することができる。
このため、基準線Bから回転軸中心Cと端部Pとを結ぶ
線CPまでの角度をθとすれば、基準線Bを0°として
90°以内の範囲(0°<θ<90°)で底面2dの高
さを設定できる。
【0017】上述した角度θが90°の場合、水冷ロー
ル1でタンディッシュ2内の溶湯3を掻き上げる方向が
最も重力の影響を受ける鉛直方向となる。そして、角度
θが小さく(基準線Bに近く)なるにつれて、掻き上げ
方向が鉛直方向からずれて重力の影響を受けにくくな
り、また、溶湯3の高さhに対して実際に溶湯3と接触
する水冷ロール1の面積も増加する。このため、溶湯3
を水冷ロール1で掻き上げるのに十分な加速が得られる
ようになり、凝固片4の厚みが数ミリ程度と厚い製品を
安定して製造できるようになる。なお、一般的には角度
θが小さいほど厚い凝固片4を製造しやすくなるが、角
度θが小さくなると水冷ロール1に連れ回される凝固片
4が冷却される距離や時間も小さくなるので、実際の位
置決定には、溶湯3の種類や特性、水冷ロール1の回転
速度、冷却温度などの諸条件を考慮して最適位置を設定
すればよい。
【0018】このように、第1実施形態の回転急冷鋳造
装置によれば、角度θを変化させてタンディッシュ2の
位置を調整することで凝固片4の厚さを選択できるよう
になるため、水冷ロール1の回転速度を調整する従来の
方法と組合せることにより、より一層広範囲できめ細か
い選択が可能となる。この場合、タンディッシュ2の位
置を適宜変更(移動)可能な構成にしておけば、製品の
厚み調整や溶湯3の種類が変わった場合の段取り換えも
容易である。
【0019】次に、図2に示す第2実施形態を説明す
る。この実施形態では、水冷ロール1の他に、凝固片4
の左右両端部に生じる反りを防ぐことなどを目的とする
押圧手段として、補助的な押圧ロール5を設けてある。
この押圧ロール5は、凝固片4の厚みが増すほど生じや
すい両端部の反りを防ぐため、できるだけ溶湯流出口2
cに近い位置に設けて、掻き上げた溶湯3が凝固した直
後の凝固片4を水冷ロール1へ押し付けるものであり、
少なくとも凝固片4の幅より大きい長さを有している。
すなわち、タンディッシュ2から掻き上げられた溶湯3
が水冷ロール1で冷却され、融点以下になって凝固した
直後のより高温状態にある凝固片4を幅方向の全域にわ
たって押し付けることで、凝固片4の両端部に生じた反
りを戻し、左右両端部を水冷ロール1に確実に接触させ
て均等に抜熱することができる。このため、凝固片4の
幅方向に均一な組成の製品が得られる。
【0020】また、押圧ロール5自体にも冷媒の水を循
環させる水冷ロールを採用することで、凝固片4の両面
から抜熱することができる。このため、凝固片4の自由
凝固面側での抜熱も可能になり、凝固片4を急冷する冷
却性能が向上する。この押圧ロール5は、たとえば図3
に示すように、圧縮バネ6を調整することによって水冷
ロール1に対する押付力が可変となっている。押圧ロー
ル5の両端は、軸7を中心に揺動自在のアーム8によっ
て支持されている。左右一対のアーム8は可動梁部材9
によって連結され、該可動梁部材9を貫通するロッド1
0の下端部が螺合するナット11により固定されてい
る。アーム8を支持する左右一対のサポート部材12
は、水冷ロール1周辺の適所に固定設置されている。両
サポート部材12間は固定梁部材13により連結され、
該固定梁部材13に穿設された貫通孔をスライド可能に
貫通するロッド10の上部には、上述した圧縮バネ6が
設置されている。この圧縮バネ6の付勢力は、上端部側
に螺合する2個の調整ナット14によって調整可能であ
る。
【0021】調整ナット14を締め込むと、圧縮バネ6
が圧縮されて縮み、ロッド10が重力に抗してアーム8
を引き上げる。このため、押圧ロール5が上方へ持ち上
げられて、その押付力は小さくなる。反対に、調整ナッ
ト14を緩めると、圧縮バネ6の付勢力が小さくなるの
で、押圧ロール5の押付力は大きくなる。このようにし
て押圧ロール5の押付力を調整できるため、凝固片4の
厚みや特性などに応じて最適な押付力を設定できるよう
になり、凝固片4を割ることなく安定して製造すること
が可能になる。なお、押圧ロール5の押付力を調整可能
とする構成は、図3に図示して説明したものに限定され
るものではなく、押付力を増す側に圧縮バネを配置した
構成としてもよい。また、押圧ロール5の回転速度につ
いては、図示していない回転駆動源により水冷ロール1
の周速と同一かあるいは少し速い速度で回転させること
により、凝固片4をスムーズに得ることができる。
【0022】図4は押圧手段の他の実施形態を示してい
る。この実施形態では、図2に示したロール(押圧ロー
ル5)に代えて、複数のロールに沿って、好適には冷却
機能を有するロールに沿って回転する金属ベルトを使用
している。以下、この金属ベルトを用いた押圧手段を具
体的に説明すると、冷媒として水を使用している3本の
水冷ロール21,22,23が3角形状に配置され、そ
の回りをほぼ3角形の軌跡を描いて金属ベルト21が回
転(循環)する。これら3本の水冷ロールのうち少なく
とも一本の水平ロールには張力調整機能を持たせてあ
り、また、少なくとも一本の水冷ロールは駆動ロールと
しての機能を備えている。
【0023】図示の例では、上部の水冷ロール21に張
力調整機能を持たせてあり、以後この水冷ロール21を
「テンションロール21」と呼ぶ。このテンションロー
ル21は、上下方向へ適宜移動して張力の調整を行うよ
うに構成されている。そして、他の2本の水冷ロール2
2,23は、テンションロール21の下方でほぼ水平に
配置されているが、その周面下端部は水冷ロール1の周
面上端より若干下方に位置している。このため、水冷ロ
ール22,23間の金属ベルト20aは、自然状態の直
線から水冷ロール1の周面に沿った曲面となって回転移
動し、この変形による反力が凝固片4を押圧する力とし
て作用する。
【0024】金属ベルト20としては、熱伝導性に優れ
た銅などの帯板が好適である。この金属ベルト20は、
各水冷ロールに接触して回転するため冷却され、低温と
なった状態で凝固片4の自由凝固面に密着する。このた
め、金属ベルト20による押圧で凝固片4の両端に生じ
やすい反りを防ぎ、さらに、低温の金属ベルト20によ
る冷却でより一層の抜熱効果を得ることができる。すな
わち、金属ベルト20が循環する過程では、凝固片4か
ら吸熱して温度上昇するとともに、水冷ベルト21,2
2,23へ排熱して温度低下するという温度変化を繰り
返す。このような金属ベルト20の回転速度は、水冷ロ
ール1の周速と同一か、あるいは、やや速い速度に設定
するのが好ましく、これにより凝固片4をスムーズに得
ることができる。また、テンションロール21の位置を
変えることで金属ベルト20の張力が変化するので、凝
固片4に対する押圧力を調整することができる。従っ
て、製造する凝固片4の厚みや特性などに適した押圧力
を適宜設定することで、割れのない安定した製造が可能
になる。
【0025】最後に、図5に示した本発明の第3実施形
態について説明する。この実施形態では、上述した第1
実施形態のタンディッシュ位置(角度θ)と上述した第
2実施形態の押圧手段(押圧ロール)とを組み合わせて
ある。従って、それぞれの構成は図1の第1実施形態及
び図2の第2実施形態と同じになるため、ここでは同一
部分に同じ符号を付して示し、その詳細な説明は省略す
る。すなわち、タンディッシュ2の設置位置を角度θの
範囲で0°<θ<90°となるように調整して製造され
る凝固片4の厚みを増し、この結果として両端部に生じ
やすくなる凝固片4の反りを押圧ロール5の作用によっ
て防止するものである。
【0026】この実施形態によれば、タンディッシュ2
の位置を調整することで厚みの増した凝固片4が得ら
れ、しかも、押圧ロール5によって押し付けるため幅方
向に均等な急冷がなされるので、厚みがありしかも幅方
向における組成の均一性も高い製品を安定して得ること
ができる。また、図5に示した実施形態では押圧手段と
してロールを採用しているが、図4に示した押圧手段の
他の実施形態、すなわち、水冷ロール21,22,23
に沿って回転する金属ベルト20を採用してもよい。
【0027】なお、上述した各実施形態では、急冷ロー
ル及び押圧ロールなどの冷媒として水を使用した水冷ロ
ールを採用しているが、他の冷媒を使用したロールにつ
いても適用可能なことは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】本発明の回転急冷鋳造装置によれば、以
下の効果が得られる。 (1) 角度θが0°<θ<90°となるようにタンデ
ィッシュの位置を設定したので、急冷ロールによって溶
湯が掻き上げられる方向を鉛直方向からずらすことがで
きる。このため、重力の影響が減少するとともに、タン
ディッシュ内の溶湯高さhに対し急冷ロールと接触する
溶湯接触面が増し、溶湯を急冷ロールに掻き上げるのに
十分な加速を得ることができる。従って、厚みが数ミリ
程度と従来より厚い製品を安定して得られるので、生産
性の高い装置となる。 (2) 押圧手段を設けたことにより、凝固片の両端部
に発生する反りを機械的な力(押付力)で戻し、幅方向
の抜熱を均等に実施することができる。また、押圧手段
に水冷等の冷却機能を持たせることで、自由凝固面側か
らの冷却も可能となるので、冷却性能が向上する。この
ため、幅方向における組成の均一性が高い製品を安定し
て得ることができる。 (3) 押圧手段の押付力を可変調整可能にしたので、
凝固片の厚みや溶湯の種類等により異なる諸条件に応じ
て最適の押付力を与えるようにして、割れの発生を防止
することができる。 (4) 角度θが0°<θ<90°となるようにタンデ
ィッシュの位置を設定しするとともに押圧手段を設けた
ので、数ミリ程度の厚みがあり、しかも組成の均一性が
高い凝固片を安定して得ることができる。このため、生
産性及び品質の向上に大きな効果を奏する回転急冷鋳造
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る回転急冷鋳造装
置を示す断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係る回転急冷鋳造装
置を示す断面図であり、押圧手段としてロールを使用し
た例である。
【図3】 図2に示した押圧ロールにおける押付力可変
調整の構成例を示す図である。
【図4】 押圧手段の他の実施形態を示す図で、金属ロ
ールを使用した例である。
【図5】 本発明の第3実施形態に係る回転急冷鋳造装
置を示す断面図である。
【図6】 従来の回転急冷鋳造装置を示す図で、(a)
は平面図、(b)は縦断面図である。
【図7】 図5(a)のA−A断面図である。
【符号の説明】 1 水冷ロール(急冷ロール) 2 タンディッシュ 2a タンディッシュ枠 2b 耐火物(断熱材) 2c 溶湯流出口 2d 底面 3 溶湯 4 凝固片 5 押圧ロール(押圧手段) 20 金属ベルト(押圧手段) 21 テンションロール(水冷ロール) 22,23 水冷ロール B 基準線 C 回転軸中心 P タンディッシュ底面の端部 h 溶湯の高さ(深さ) θ 角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 敦 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 (72)発明者 中嶋 賢人 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 Fターム(参考) 4E004 DB07 DB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解炉から出湯された溶湯を一時的に貯
    留状態にして流出させるためのタンディッシュと、該タ
    ンディッシュの溶湯流出口から流出された溶湯を掻き上
    げて連れ回し、その途中で急冷させるための急冷ロール
    とを備えた回転急冷鋳造装置であって、 前記タンディッシュの前記急冷ロール側底面と前記急冷
    ロール中心とを結ぶ線が前記急冷ロールの中心を通る鉛
    直線上部を基準線としてロール回転方向逆向きになす角
    度θを0°<θ<90°の範囲に設定したことを特徴と
    する回転急冷鋳造装置。
  2. 【請求項2】 溶解炉から出湯された溶湯を一時的に貯
    留状態にして流出させるためのタンディッシュと、該タ
    ンディッシュの溶湯流出口から流出された溶湯を掻き上
    げて連れ回し、その途中で急冷させるための急冷ロール
    とを備えた回転急冷鋳造装置であって、 前記急冷ロールに掻き上げられた凝固片を前記急冷ロー
    ルに向けて押し付ける押圧手段を設けたことを特徴とす
    る回転急冷鋳造装置。
  3. 【請求項3】 溶解炉から出湯された溶湯を一時的に貯
    留状態にして流出させるためのタンディッシュと、該タ
    ンディッシュの溶湯流出口から流出された溶湯を掻き上
    げて連れ回し、その途中で急冷させるための急冷ロール
    とを備えた回転急冷鋳造装置であって、 前記タンディッシュの前記急冷ロール側底面と前記急冷
    ロール中心とを結ぶ線が前記急冷ロールの中心を通る鉛
    直線上部を基準線としてロール回転方向逆向きになす角
    度θを0°<θ<90°の範囲に設定すると共に、前記
    急冷ロールに掻き上げられた凝固片を前記急冷ロールに
    向けて押し付ける押圧手段を設けたことを特徴とする回
    転急冷鋳造装置。
  4. 【請求項4】 前記押圧手段の押付力を可変調整可能に
    構成したことを特徴とする請求項2または3に記載の回
    転急冷鋳造装置。
  5. 【請求項5】 前記押圧手段がロールであることを特徴
    とする請求項2ないし4のいずれかに記載の回転急冷鋳
    造装置。
  6. 【請求項6】 前記押圧手段が、複数のロールに沿って
    回転する金属ベルトであることを特徴とする請求項2な
    いし4のいずれかに記載の回転急冷鋳造装置。
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