JP2001095847A

JP2001095847A - 使いすておむつ

Info

Publication number: JP2001095847A
Application number: JP27565099A
Authority: JP
Inventors: Miyuki Saisaka; 美雪齋坂; Keiko Miyata; 桂子宮田; Katsuji Sakano; 賀津士坂野; Naoko Kaneko; 尚子金子
Original assignee: Oji Paper Co Ltd
Current assignee: New Oji Paper Co Ltd
Priority date: 1999-09-29
Filing date: 1999-09-29
Publication date: 2001-04-10

Abstract

(57)【要約】【課題】おむつ着用時には邪魔にならないで外観を損ね
ることがなく、廃棄時には必要な長さを確保出来る、安
価に製造できる廃棄用テープを備えたパンツ型使いすて
おむつを提供する。【解決手段】液透過性のトップシートと、液不透過性の
バックシートと、これら両シートの間に配置された吸収
体とからなるパンツ型使いすておむつにおいて、前身頃
と後身頃のいずれか一方のトップシート表面（おむつ内
側シート表面）に、おむつ廃棄時止着用の帯状の廃棄用
テープを配置し、廃棄用テープの一端をトップシートの
ウエスト周り開口部の伸縮弾性部材上に固定して固定部
とし、該固定部に連続している自由部の一部に、おむつ
廃棄時にバックシートに接合可能な係止部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乳幼児又は失禁
者用おむつとして供される使いすておむつであって、更
に詳しくは使用後の汚染された立体パンツ型使いすてお
むつの廃棄にあたり、コンパクトで、かつ汚れがなく衛
生的な廃棄処理手段を有し、装着時には邪魔にならない
廃棄用テープの配設された使いすておむつに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来の使いすておむつは、着用者にフ
ラットな本体をあてた後、テープファスナーで着用者に
止めるいわゆるフラット型の使いすておむつがほとんど
であった。かかるフラット型のおむつでは、使用後の廃
棄時には、排泄物を内側に包むようにおむつを丸めた
後、該おむつをテープファスナーにて止めて廃棄してい
た。

【０００３】これに対して、近年、テープファスナーを
用いずに、予め前身頃と後身頃の相対する側縁を接合し
た、いわゆるパンツ型のおむつが開発されている。これ
らのパンツ型おむつは、通常の下着と同様に立位で着用
し、幼児や失禁者、成人用として使用することを意図し
たものである。しかしながら、これらのパンツ型おむつ
は、使用後の廃棄時におむつを丸めても、テープファス
ナーがないために、丸めた状態で止めることができず、
廃棄しにくいと共に、流動性の高い軟便や下痢便等の排
泄物が露出してしまうこともあり、廃棄時の衛生面にお
いても問題があった。

【０００４】また、使いすて衛生用品の廃棄処理手段と
して、胴周り側部の接合部自由端に接着剤塗布部を設け
たブリーフ型着用物品が提案されている（実開平４−１
１７６１８号公報）。これは、胴周り側部にタブを延出
させたものであるが、タブをつけるためにブリーフ素材
幅を広げる必要があるのでコスト高となり、更に接着面
積も実質上広くはできないという問題があり、必ずしも
十分なものではなかった。

【０００５】また、実公平８−１０３０５号公報には、
廃棄時止着用の細帯状テープファスナーの一端をウエス
ト部の開口縁部の弾性伸縮部材の固定領域の下方部に固
定し、その長さ方向に折り畳んで上記背側部内に位置す
るように配設してあるパンツ型おむつが開示されてい
る。このテープファスナーは、パンツ型おむつのウエス
ト部の開口縁部の弾性伸縮部材の固定領域の下方部にそ
の一端が固定されているため、ウエスト部開口縁部を越
えるためにより長さが必要となる。また、折り畳まれた
状態でテープファスナーがおむつ下方に配設されている
のでおむつの上にズボン等をはかせる時に剥がされやす
く不便である。また、特に排便時のようにおしりふきや
テッシュペーパー等で膨れたおむつを処理する場合や、
排尿によりかさばったおむつを処理する場合には、該止
着テープの長さが長いことが要求され、おむつの背面に
３つ折り状態で配設された止着テープを有するパンツ型
使いすておむつが提案されていたり、３つ折りされた止
着テープが長手方向に伸長可能になされた使いすておむ
つが提案されているが、廃棄時におむつの脚周り開口部
から排泄物が漏れるという衛生面での問題や、コスト高
になるという問題があり十分なものではなかった。

【０００６】また、廃棄時に使用されるテープに伸縮弾
性体を使用することが提案されている。しかし、おむつ
を丸めた後、テープを伸ばしてバックシートに固定する
とテープに縮む力が働き、時としてテープを固定した部
分のバックシートが破れたり、テープの接着部がバック
シートから剥がれたりしてテープがはずれてしまい、廃
棄に支障を来すことがあった。これら伸縮弾性を有する
素材は一般的に高価であるためコスト高となる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来
の廃棄時に使用されるテープを取り付けたパンツ型使い
すておむつの有する問題点を克服し、廃棄時の衛生面を
充分に満足することができるとともに、装着時や装着中
に外観を損なうことなく、邪魔にならず、かつ、安価で
且つ廃棄時には必要な長さを確保することができる廃棄
用テープを取り付けたパンツ型使いすておむつを提供す
ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の第１は、液透
過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、
これら両シートの間に配置された吸収体とを有してな
り、前身頃と後身頃の相対する側縁を接合してウエスト
周り開口部と一対の脚周り開口部を形成し、該ウエスト
周り開口部と一対の脚周り開口部に沿って伸縮弾性部材
が配置されたパンツ型使いすておむつにおいて、前記前
身頃と後身頃のいずれか一方のトップシート表面に、お
むつ廃棄時に使用する帯状の廃棄用テープが配置され、
該廃棄用テープは、前記ウエスト周り開口部における伸
縮弾性部材上のトップシートに固定されている固定部
と、該固定部に連続する自由部とからなり、該自由部
は、廃棄時止着用の係止部を有し、剥離自在に配置され
ていることを特徴とする使いすておむつに存する。

【０００９】本発明の第２は、前記廃棄用テープの自由
部に、係止部として粘着剤層が配置され、テープ長さ方
向に剥離自在に折り畳んで形成されていることを特徴と
する第１の発明の使いすておむつに存する。

【００１０】本発明の第３は、前記廃棄用テープの固定
部を形成する材料が、前記廃棄用テープを前記伸縮弾性
部材の伸縮方向に直交する直線に沿って折り曲げる場合
のテープ単位長さ当りの曲げ剛性が、２×１０^-3Ｎ・ｃ
ｍ²／ｃｍ以下であり、且つ、前記廃棄用テープの長手
方向の引張り荷重に対しテープ単位幅当りの破断荷重が
１１．３Ｎ／ｃｍ以上であることを特徴とする第１また
は第２の発明に記載の使いすておむつである。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明のパンツ型使いすておむ
つは、前身頃と後身頃のいずれか一方のトップシート表
面、かつ、ウエスト周り開口縁部の弾性伸縮部材の固定
領域に固定された廃棄用テープを取り付けたものであ
る。このように本発明の廃棄用テープは、着用時におむ
つの内側になる位置に、すなわちトップシート表面に配
置されているためおむつの外観を損なうことなく、ズボ
ン、タイツ等の装着時にはがれることなく、また、おむ
つの上方に配置されているため、容易に廃棄処理時に必
要な長さを確保することができ、使用済みおむつをコン
パクトな状態に保ち、衛生的に廃棄することができる。

【００１２】本発明において使用されるトップシートは
ポリエステル、ポリプロピレン、その他の熱可塑性樹脂
等を原料とした合成繊維からなる液透過性の不織布、織
布が用いられる。また、天然繊維でもよく、さらに合成
繊維と天然繊維との組み合わせ等、広い範囲の材料から
製造することができる。いずれにしても、トップシート
は、直接肌に接触する部分であるため、柔らかく、肌触
りのよいものであれば良く、通気性であれば良い。トッ
プシートの中央領域は、吸収体上に配置されるため、速
やかに液を透過させることができるように、親水性繊維
であることが好ましく、また、縦方向両端領域は、吸収
体に吸収された液が、外側にしみ出さないように撥水性
であることが好ましい。また、トップシートは、単一の
シートで構成される必要はなく、中央部トップシートや
側部トップシートといった複数枚のシートで構成されて
も良い。また、複数枚のシートでトップシートを構成す
る際、各シートは別の素材を使っても良いが、同一の素
材でも良い。

【００１３】本発明において使用されるバックシート
は、ポリエチレン等の液不透過性フィルム、液不透過性
フィルムに不織布または織布を貼り合わせてある素材、
また、防漏性のある不織布、織布等からなり、特に制限
はなく、吸収体中の水分がおむつ外側にしみ出さないも
のであれば良い。また、布状外観を与えるために模様状
にエンボス処理されたり、さらに艶消し仕上げされてい
ても構わない。また、フィルムを使用する場合は、液不
透過性でありながら、水蒸気だけを透過させる公知の透
湿性フィルムを使用しても良く、ムレを防止することか
ら好ましい。また、着用者にフィットするように伸縮性
のある素材であっても良く、ポリウレタン系フィルム、
天然ゴムシート、発砲シート等の使用が可能であり、さ
らに、伸縮性不織布などを貼りあわせた素材でも良い。
廃棄用テープが配置されるウエスト周り開口部の伸縮弾
性部材を覆う部分のシートは、トップシートで形成され
ても良く、またトップシートより延出して存在するバッ
クシートの延出部分を内側に折り返して形成されても良
い。

【００１４】本発明において使用される吸収体は、綿状
パルプ、高吸水性高分子物質、親水性シート等によって
形成され、吸水性の性質をもっていれば特に制限を受け
るものではない。本発明において使用される吸収体は、
従来の使いすておむつその他の吸収性物品に通常使用さ
れる公知の吸収性材料から作られている。すなわち、綿
状パルプ、レーヨン等の吸収性繊維からなる単層もしく
は多層のマットから形成され、さらに親水性シートによ
ってくるまれており、そして、高吸水性高分子物質が各
マット中に均一に混合もしくは各マット間に層状に配置
されている。また、高吸水性高分子物質を均一に混合さ
れた吸収体は、綿状パルプに対して３〜６０重量％の熱
融着性物質を混合した後、熱圧着してもよいし、もしく
は高吸水性高分子物質のみが親水性シートによりくるま
れているものであっても良い。

【００１５】綿状パルプとしては、化学パルプシート、
古紙パルプシート、機械パルプシートを粉砕機で解繊す
ることにより得られる繊維長５ｍｍ以下のものが用いら
れる。パルプ原料としては、針葉樹に限らず、広葉樹、
わら、竹及びケナフも適用される。このパルプの使用量
は、目的とする吸収体により、例えば、単独に用いる
か、複数積層して用いるか、他の吸収材を併用するかな
どにより異なるが、一般には、５０〜４００ｇ／ｍ²で
ある。

【００１６】高吸水性高分子物質としては、デンプン
系、セルロース系、合成ポリマー系のものが使用され
る。すなわち、デンプン−アクリル酸（塩）グラフト重
合体、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体の
ケン化物、デンプン−メタクル酸メチルグラフト共重合
体のケン化物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共
重合体のケン化物、デンプン−アクリルアミドグラフト
共重合体のケン化物、デンプン−アクリロニトリル−２
−アクリルアミド−２−メチルプロパンスルホン酸グラ
フト共重合体のケン化物、アクリル酸（塩）重合体、ア
クリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウ
ムカルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリビニルア
ルコール−無水マレイン酸反応物架橋物などである。

【００１７】これらの中で自重の２０倍以上の尿、体液
及び水を吸収するもので、ポリアクリル酸ナトリウム系
のものが吸収性能の点から最も適当である。高吸水性高
分子物質の分布量は、乾燥した綿状パルプ１００重量部
に対して１０〜５００重量部、好ましくは１５〜３００
重量部であり、かかる量の高吸水性高分子物質が綿状パ
ルプに実質的に均一に分布していると、高吸水性高分子
物質が吸水して膨潤したとき、その粒子は相互の干渉が
最小にとどめられ、連続的に接触して透過障壁を形成す
ることが少なく、尿や体液を３次元方向に良好に透過吸
水する。

【００１８】また、前記吸収体の形状は、砂時計型、矩
型、Ｔ字型等特に制限はなく、股下にフィットする形状
であれば良い。一般的に着用感を向上させるために、砂
時計型やＴ字型等股下部を狭くした形状であることが特
に好ましい。

【００１９】伸縮弾性部材は、脚周り開口部、ウエスト
周り開口部等に伸張状態で配置され、ホットメルト接着
剤等により接着固定されている。伸縮弾性部材は、ウレ
タンフィルム、ウレタン糸、ウレタンフォーム、糸ゴム
等が使用される。

【００２０】

【実施例】以下、図面により本発明のパンツ型使いすて
おむつを詳細に説明する。図１は、本発明の廃棄用テー
プを取り付けたパンツ型使いすておむつの一例を示す斜
視図である。図２は、図１で示したおむつの側縁部を開
放展開した状態を示す斜視図である。図３は、図１にお
ける廃棄用テープをＸ−Ｘ’線で切断した断面図であ
る。図４は、図１における廃棄用テープをＸ−Ｘ’線で
切断した場合の、図３とは別の例を示す断面図である。
図５は、図１における廃棄用テープをＸ−Ｘ’線で切断
した場合の、図３、４とは別の例を示す断面図である。
図６は、使用後に展開された使いすておむつを一部丸め
た状態を示す斜視図である。図７は、本発明の廃棄用テ
ープを丸めたおむつのバックシートに固定した状態を示
す斜視図である。図８は、図６における使用後に展開さ
れた使いすておむつを一部丸めた状態の別の例を示す斜
視図である。図９は、図８における本発明の廃棄用テー
プを丸めたおむつのバックシートに固定した状態を示す
斜視図である。

【００２１】また、符号１はウエスト周り開口部、２は
脚周り開口部、３は前身頃、４は後身頃、５はバックシ
ート、６はサイドシーム、７はトップシート、８は廃棄
用テープ、９は固定部、１０は自由部、１１は係止部、
１２はつまみ部を示している。

【００２２】図１に示す本発明のパンツ型使いすておむ
つは、前身頃３と後身頃４の相対する両側縁部がサイド
シーム６により接着閉鎖され、ウエスト周り開口部１と
一対の脚周り開口部２が形成されており、さらに、前身
頃３のトップシート７表面の幅方向中央部で、かつ、ウ
エスト部の開口縁部の弾性伸縮部材の固定領域に長手方
向に細長く固定された廃棄用テープを取り付けたもので
ある。廃棄用テープは図３〜図５に示すように、その一
端がウエスト周り開口部１に配置された伸縮弾性部材上
かつトップシート７上に固定されている固定部９と固定
されていない自由部１０と、自由部１０の少なくとも一
部に形成されている係止部１１と、自由部１０の端部に
形成されたつまみ部１２からなっている。

【００２３】図３、図４に示す廃棄用テープ８は、廃棄
用テープを１箇所で折って２枚重ねにした構成であり、
下層が固定接着材層１３によりおむつのトップシート表
面に固定された固定部９で、上層が粘着剤層１４により
係止部１１を形成した自由部１０である。また、係止部
１１(粘着剤層１４により形成)と貼り合わせられる固定
部９の上面は、剥離剤が塗布されており、おむつ廃棄時
に、係止部１１を固定部９の上面から容易に剥離するこ
とが出来、係止部１１を、丸めたおむつに接着して(止
めて)形を固定することが出来る。

【００２４】一方、図５に示す廃棄用テープ８は、固定
接着材層１３によりおむつのトップシート７表面に固定
された固定部９と、この固定部に連続して、間欠的に粘
着剤層１４が塗布されて係止部１１が形成されている自
由部１０とが、重ね合わせられることなくおむつのトッ
プシート上に配置されている。自由部１０は、おむつ使
用時にはおむつのトップシート上に固定接着された剥離
テープ１５に粘着剤層１４を介して接着されており、お
むつ廃棄時には、係止部１１(粘着剤層１４により形成)
を剥離テープ１５から剥離して使用する。

【００２５】廃棄用テープ８の素材は、フィルム状でも
不織布状でもよく、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リスチレン等ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート及びこれらの
コポリマー等のポリエステル系樹脂、ナイロン６、ナイ
ロン６６等のポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール
系ポリエステル等の生分解樹脂等が挙げられる。また、
本発明の廃棄用テープ８は、伸長性を有していてもいな
くても使用可能である。

【００２６】廃棄用テープ８の取り付け位置は、前身頃
３と後身頃４のいずれか一方のトップシート７表面の幅
のほぼ中央部に、かつ、ウエスト周り開口縁部の伸縮弾
性部材１６の固定領域に長手方向に細長く固定されてい
る。おむつの比較的上方部に配置されているため、廃棄
用テープ８は廃棄処理時に必要な長さを容易に確保する
ことができる。従って、使用済みおむつをコンパクトな
状態に保ち、衛生的に廃棄することが容易となる。

【００２７】ウエスト周り開口縁部の伸縮弾性部材１６
の固定領域の幅は１．５〜７ｃｍであることが好まし
い。固定領域の幅が１．５ｃｍ未満であると、狭い幅で
きつく締め付けられることになり、装着感が悪くなる。
逆に７ｃｍを越えると幅が広くなりすぎておむつの見栄
えも悪くなる。

【００２８】廃棄用テープ８の幅は、０．５〜４ｃｍと
するのが好ましい。廃棄用テープ８の幅が０．５ｃｍ未
満であると、細すぎて取り扱いに不便である他、係止部
の面積も小さくなるため、好ましくない。また、４ｃｍ
を越えると廃棄用テープ８の幅が広くなりすぎ邪魔にな
るので好ましくない。

【００２９】廃棄用テープ８の目付量は、８〜１５０ｇ
／ｍ²が好ましく、１０〜５０ｇ／ｍ²がさらに好まし
い。目付量が８ｇ／ｍ²未満であると、強度が弱いだけ
でなく、コシもなく、廃棄用テープ８の取り扱いが不便
である。逆に目付量が１５０ｇ／ｍ²を越えると、廃棄
用テープ８が硬くなり、おむつ装着時にフィット感に劣
る。

【００３０】さらに、廃棄用テープの固定部を形成する
材料は、廃棄用テープをウエスト周り開口縁部の伸縮弾
性部材１６の伸縮方向に直交する直線に沿って折り曲げ
る場合のテープ単位長さ当りの曲げ剛性が、２×１０^-3
Ｎ・ｃｍ²／ｃｍ以下であり、且つ、前記廃棄用テープ
をその長手方向に引っ張る場合のテープ単位幅当りの破
断荷重が１１．３Ｎ／ｃｍ以上であることが好ましい。
尚、ここで規定する曲げ剛性の値は、廃棄用テープを廃
棄用テープの長手方向がウエスト周り伸縮弾性部材(の
伸縮方向)に直交する方向に配置する場合には、廃棄用
テープの長手方向に平行な直線に沿って折り曲げる場合
の値であり、ウエスト周り伸縮弾性部材に平行に配置す
る場合には、廃棄用テープをその長手方向に直交する直
線に沿って折り曲げる場合の値である。

【００３１】本発明においては、テープ素材の曲げ剛性
を、カトーテック株式会社製の純曲げ試験機を用いて測
定し、最適な曲げ剛性の値を選定した。具体的には、長
さ２０ｃｍのテープ試験片の曲げ剛性を純曲げ試験機で
測定し、得られた曲げ剛性の値(Ｎ・ｃｍ²)を２０ｃｍ
で除して、単位長さ当りの曲げ剛性の値(Ｎ・ｃｍ²／ｃ
ｍ)を求めた。また、廃棄用テープをその長手方向に引
っ張る場合の破断荷重は、１．５ｃｍ幅のテープ試験片
を、ＪＩＳ−Ｐ−８１１３で規定する測定方法に基づい
て測定し、測定された破断荷重の値(Ｎ)を１．５ｃｍで
除して単位幅当りの破断荷重(Ｎ／ｃｍ)を求めた。

【００３２】曲げ剛性については、２×１０^-3Ｎ・ｃｍ
²／ｃｍを越えると、曲げ剛性が大きいため、ウエスト
周り開口部の伸縮弾性部材上に接着固定する際、追従性
が悪く剥がれやすくなる。実際の使用条件では、体温に
よって加熱されるため、さらに剥がれが生じやすくなり
問題となる。また、ウエスト部付近に接着しているた
め、曲げ剛性が大きいと硬くなり、肌に触れた場合に傷
が生じる可能性が高いなどの悪影響が懸念される。ま
た、引張り強度(本発明では、単位幅当りの破断荷重で
表示する)は、１１．３Ｎ／ｃｍ以上の値が必要であ
り、好ましくは１３．３Ｎ／ｃｍ以上である。更に、廃
棄用テープの固定部は、伸縮弾性部材の伸縮による繰り
返し荷重や、引っ張りによる引張り荷重を受けるので、
１１．３Ｎ／ｃｍ以下の強度では、素材が破れ易くな
り、モニターテストの際に、頻度は低いが切れた報告も
あり問題となる。

【００３３】廃棄用テープ８の固定部９のトップシート
７への固定方法は、固定接着剤層１３によってなされて
いる。固定接着剤層１３に使用される接着剤としては、
アクリル系、スチレン系等の接着剤による方法が一般的
であり、粘着剤を用いてもよいし、経時によって固化し
て接着力を発揮する硬化型の接着剤を用いても構わな
い。また、固定接着剤層１３として粘着剤を用いる場合
は、接着する相手の面を表面処理しないで固定接着させ
るが、係止部１１を粘着剤で形成する場合は、貼り合わ
せる面に剥離剤を塗布する等により剥離処理し、容易に
剥離できる構成とする。また、廃棄テープ８の伸縮弾性
部材１６の固定領域への接着固定は、該伸縮弾性部材が
伸長状態で行なわれる。

【００３４】廃棄用テープ８の固定部９の長さは１ｃｍ
〜５ｃｍであることが好ましい。１ｃｍ未満であると、
おむつのバックシート５にしっかりと廃棄用テープ８を
固定することが難しい。逆に５ｃｍを越えると装着時に
邪魔になり好ましくない。

【００３５】廃棄用テープ８の自由部１０の長さ、すな
わち固定部９以外の長さは、１．５〜１５ｃｍであるこ
とが好ましい。１．５ｃｍ未満であると、廃棄用テープ
８が短すぎて係止部１１でバックシート５に固定するこ
とが難しい。逆に１５ｃｍを越えると装着時に邪魔にな
り好ましくない。

【００３６】また、廃棄用テープ８の自由部１０は折り
畳まれていても良い。２回以上折り畳まれている場合に
は、折り畳まれた状態を保つ目的で、廃棄用テープ８の
自由部１０に、係止部１１の働きをする粘着剤層１４と
は別に、容易に剥離可能な粘着剤層を必要に応じて配置
する方が好ましい。廃棄用テープの折り畳まれた部分の
長さは、図３、図４に示すように固定部９の長さと同じ
であっても良く、固定部９より長くても良い。また、自
由部１０が折り畳まれた状態の長さが、固定部９よりも
長くても良く、その際には固定部９より延出して存在す
る自由部１０は、ウエスト周り開口部の伸縮弾性部材固
定領域上のトップシート７上、またはその近傍のトップ
シート上に剥離可能に接着されていることが好ましい。

【００３７】廃棄用テープ８は、固定部９に連続する自
由部１０に、廃棄時に丸めたおむつのバックシートに止
着するための係止部１１を有する。係止部１１は本実施
例においては、粘着剤層を配置することにより形成され
ている。係止部１１を形成する素材には特に限定はない
が、本実施例のように粘着剤を使用する場合は、公知の
粘着剤を使用することが出来る。また、面ファスナー等
も使用可能で、バックシート５から剥がれることなく、
固定することができれば良い。おむつに固定された状態
での廃棄用テープの表面は、装着中に着用者に不快感を
与えない風合いの柔らかい素材が好ましい。また、係止
部１１は、廃棄用テープ８の固定部９に連続する自由部
１０の少なくとも一部に形成されていれば良い。

【００３８】係止部１１が本実施例のように粘着剤で形
成されている場合、係止部１１と相対し係止部１１を貼
り合わせる領域は、表面剥離処理を施されていることが
必要であり、表面剥離処の方法としては、剥離剤を塗布
する方法、剥離テープを配置する方法等がある。また、
表面処理を施された領域は、図３、図４の例のように、
廃棄用テープ８の一部の領域であってもよいし、図５に
示すように廃棄用テープ８とは別体で構成されていても
よい。

【００３９】また、係止部１１の端部には、廃棄用テー
プ８を引き剥がし易くするために、つまみ部１２を形成
することが好ましい。つまみ部１２は、図４に示すよう
に係止部の端部に廃棄用テープ８とは別のテープを取り
付けて形成してもよく、あるいは、図５に示すように離
間部１０の端部に係止部が形成されていない領域を設け
てつまみ部１２としても良く、図３のように係止部１０
の端部を折り返して形成しても良い。

【００４０】廃棄用テープ８は、使用済みおむつを廃棄
するときに使用するものであり、排便時にはおむつのサ
イドシーム６で前身頃３と後身頃４とを引き離して平面
状とし、図６に示すように前身頃３の端から徐々に丸
め、図７のように廃棄用テープをもって引き剥がした
後、折り畳まれた自由部１０を固定部から剥がして、廃
棄用テープ８の粘着剤層１４が配置されている係止部１
１をバックシート５に接着(止着)して固定させることに
よって容易にかつ衛生的に使いすておむつを廃棄するこ
とができる。排泄物が尿のみの場合は、サイドシームを
引き剥がすことなく下着を脱ぐように使用済みおむつを
ずり下げることによって着用者の体からはずし、おむつ
の股下部からコンパクトに丸めてウエスト周り開口部上
に配置された廃棄用テープ８の端の係止部１１をバック
シート５に接着固定させることによって容易にかつ衛生
的に使いすておむつを廃棄することができる。

【００４１】図８、９に示すように、本発明の廃棄用テ
ープ８の固定位置は、おむつの幅方向中央域に限らずト
ップシート表面７且つウエスト周り開口部１の伸縮弾性
部材上であればどこでもよく、固定方向もおむつ長手方
向に細長く固定されて取り付けられても、長手方向と垂
直方向に細長く固定されてもよい。その際のつまみ部１
２の位置は、上下、左右どの方向に存在するように配置
してもよい。また、廃棄用テープの配置数を複数個とし
ても構わない。図８、図９は、廃棄用テープ８をおむつ
の長手方向と垂直方向に２箇所取付けた例である。

【００４２】

【発明の効果】本発明の使いすておむつにおける廃棄
用テープは、ウエスト周り開口縁部の弾性伸縮部材の固
定領域上でかつトップシート表面上に固定されて取り付
けられているので、廃棄用テープは廃棄処理時に必要な
長さを容易に確保することができるだけでなく、外観を
損なうこともない。また、廃棄用テープは長さが短くて
よく比較的低コストでの供給が可能であるとともに、着
用時には装着感にほとんど影響を与えることなく、使用
済みおむつをコンパクトな状態に保ち、衛生的に廃棄す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の廃棄用テープを取り付けたパンツ型使
いすておむつの斜視図を示す。

【図２】図１で示した本発明のパンツ型使いすておむつ
の側縁部を開放展開した状態を示す斜視図。

【図３】図２における廃棄用テープをＸ−Ｘ’線で切断
した断面図。

【図４】図２における廃棄用テープをＸ−Ｘ’線で切断
した場合の、図３とは別の実施例を示す断面図。

【図５】図２における廃棄用テープをＸ−Ｘ’線で切断
した場合の、図３、４とは別の実施例を示す断面図。

【図６】使用後に展開された使いすておむつを一部丸め
た状態を示す斜視図。

【図７】本発明の廃棄用テープを丸めたおむつのバック
シートに固定した状態を示す斜視図。

【図８】図６における使用後に展開された使いすておむ
つを一部丸めた状態の別の実施例の斜視図。

【図９】図８に示す廃棄用テープが配置されたおむつを
丸めて、廃棄用テープをバックシートに固定した状態を
示す斜視図。

【符号の説明】

１.ウエスト周り開口部２.脚周り開口部３.前身頃４.後身頃５.バックシート６.サイドシーム７.トップシート８.廃棄用テープ９.固定部１０.自由部１１.係止部１２.つまみ部１３．固定接着剤層１４．粘着剤層１５．剥離テープ１６．伸縮弾性部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者金子尚子東京都江東区東雲１丁目10番６号王子製紙株式会社東雲研究センター内Ｆターム(参考） 3B029 BD03 BD21 4C098 AA09 CC01 CC14 CC27 CD10 CE06 DD04

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】液透過性のトップシートと、液不透過性
のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸
収体とを有し、前身頃と後身頃の相対する側縁を接合し
てウエスト周り開口部と一対の脚周り開口部を形成し、
該ウエスト周り開口部と一対の脚周り開口部に沿って伸
縮弾性部材が配置されたパンツ型使いすておむつにおい
て、前記前身頃と後身頃のいずれか一方のトップシート
表面に、おむつ廃棄時に使用する帯状の廃棄用テープが
配置され、該廃棄用テープは、前記ウエスト周り開口部
における伸縮弾性部材上のトップシートに固定されてい
る固定部と、該固定部に連続する自由部とからなり、該
自由部は、廃棄時止着用の係止部を有し、剥離自在に配
置されていることを特徴とする使いすておむつ。
【請求項２】前記廃棄用テープの自由部には、係止部
として粘着剤層が配置され、テープ長手方向に剥離自在
に折り畳んで形成されていることを特徴とする請求項１
記載の使いすておむつ。
【請求項３】前記廃棄用テープの固定部を形成する材
料は、前記廃棄用テープを前記伸縮弾性部材の伸縮方向
に直交する直線に沿って折り曲げる場合のテープ単位長
さ当りの曲げ剛性が、２×１０^-3Ｎ・ｃｍ²／ｃｍ以下
であり、且つ、前記廃棄用テープの長手方向の引張り荷
重に対しテープ単位幅当りの破断荷重が１１．３Ｎ／ｃ
ｍ以上であることを特徴とする請求項１または請求項２
に記載の使いすておむつ。