JP2001093241A - 磁気ヘッド駆動用スイングアームおよびその鋳造金型 - Google Patents

磁気ヘッド駆動用スイングアームおよびその鋳造金型

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JP2001093241A
JP2001093241A JP26543899A JP26543899A JP2001093241A JP 2001093241 A JP2001093241 A JP 2001093241A JP 26543899 A JP26543899 A JP 26543899A JP 26543899 A JP26543899 A JP 26543899A JP 2001093241 A JP2001093241 A JP 2001093241A
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swing arm
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casting space
blade
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Yoshihide Furukoshi
良英 古越
Takeaki Fuse
剛明 布施
Naoto Miura
直人 三浦
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Minebea Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D17/00Pressure die casting or injection die casting, i.e. casting in which the metal is forced into a mould under high pressure
    • B22D17/20Accessories: Details
    • B22D17/22Dies; Die plates; Die supports; Cooling equipment for dies; Accessories for loosening and ejecting castings from dies
    • B22D17/24Accessories for locating and holding cores or inserts

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、鋳造が困難であった0.9mm 程度の極薄
の羽根を多段に有する磁気ヘッド駆動用スイングアーム
をダイカストにより製造できるようにする。 【解決手段】 固定入子22と可動入子24とのパーテ
ィングラインPL上に設けられる鋳造空間27に、固定
中子34、36A,36Bおよび可動中子を配置して、
本体用鋳造空間27aおよび羽根用鋳造空間27bを設
定し、羽根用鋳造空間27bの末端に設けられるオーバ
ーフローゲート46の断面積を、ランナー28と本体用
鋳造空間27aとを連接するランナーゲート29の断面
積よりも大きく設定すると共に、オーバフローゲート4
6から湯溜り部51に流出するオーバーフロー重量を鋳
造空間27に充填される製品部重量よりも大きく設定
し、狭い間隙の羽根用鋳造空間27bに対する溶湯の流
れを円滑にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータのハ
ードディスクドライブ(HDD)に装備される磁気ヘッ
ド駆動用スイングアームとこれを鋳造するための鋳造金
型に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクドライブは、一般に図7
に示すように、磁気ディスク1の複数を回転軸C1 上に
一定間隔をおいて配置して、これらを図示しないスピン
ドルモータによって一体的に回転駆動するようにし、一
方、前記回転軸C1 と平行な回転軸C2 を有するピボッ
ト2にスイングアーム3の筒状本体3aを軸支させて、
このスイングアーム3の本体3aの周りに多段に設けた
複数枚(ここでは、3枚)の板状羽根3bに、磁気ヘッ
ド(図示略)が装着されるサスペンション4を支持さ
せ、スイングアーム3の本体3aの周りから前記羽根3
bとは反対方向へ延ばした腕片3cの内外に配設される
図示しないボイスコイルモータの励磁により、スイング
アーム3を回転軸C2 を中心に揺動させて、前記磁気ヘ
ッドを磁気ディスク1の所望の位置にアクセスする機構
となっている。
【0003】ところで、この種のハードディスクドライ
ブは、最近のコンピュータの小型化および高性能化に対
応すべく、磁気ディスク1としてより小径のものを用い
ると共に、その多数枚をより狭い間隔で高密度に配置す
る傾向にあり、これに伴って、スイングアーム3に設け
られる羽根3bの枚数が益々増加しかつその肉厚が益々
減じるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のスイ
ングアーム3は、一般にはその外輪郭とほぼ同じ断面形
状を有するアルミニウム合金押出し材(通常、JIS A606
1S−T6)を素材として、これから切断して得たブランク
に所定の切削加工を加えることにより製造されていた。
この場合、例えば、肉厚が0.9mm 程度の極薄の羽根3b
を多数枚有するスイングアームを加工しようとすると、
羽根に歪みが発生し易くなるばかりか寸法精度の悪化が
避けられないようになり、これらの不具合が生じるのを
抑えながら加工しようとすると、その加工に長時間を要
し、素材としての押出し材のコストが高いこともあっ
て、スイングアームの製造コストが著しく増大するとい
う問題があった。
【0005】なお、一部では、量産性に優れたダイカス
トにより上記スイングアーム3を製造することも行われ
ているが、この場合は、得ようとする羽根3bの肉厚が
薄くなるに従って、鋳造空間への湯回りが不十分とな
り、その上、鋳造空間からのガス抜きも困難となって、
欠肉、ブローホール等の鋳造欠陥が生じ易くなる。この
ため、ダイカストによりスイングアームを製造する場合
は、羽根3bの肉厚としては1.05mm程度が限界で、上記
したハードディスクドライブの小型化並びに高密度化
(高記憶容量化)に十分対応できないという問題があっ
た。
【0006】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたもので、その目的とするところは、従来にも増
して薄肉化した羽根を有する、品質健全なダイカスト品
のスイングアームを提供し、併せて、このスイングアー
ムを鋳造するための鋳造金型を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気ディス
ク駆動用スイングアームは、アルミニウム合金のダイカ
スト品からなり、羽根の肉厚が1.05mm未満好ましくは0.
85〜0.95mmであることを特徴とする。HDDに用いられ
るスイングアームは、羽根の枚数を6枚とした場合、設
計上、その羽根の肉厚は0.90mm程度となる。本発明は、
このような極薄の羽根を有するスイングアームもダイカ
スト品として提供するもので、上記した肉厚の好ましい
範囲0.85〜0.95mmは、前記した肉厚0.90mmを中央値とし
てこれに+0.05mm,−0.05mmの公差を見込んだ値であ
る。本発明において、上記アルミニウム合金は、特にそ
の種類を問うものではないが、強度が大きくかつ鋳造性
が良好なAl −Si 系合金、例えば、JIS ADC10,ADC12
等を用いるのが望ましい。
【0008】一方、上記スイングアームを鋳造するため
の鋳造金型は、羽根用鋳造空間の末端に設けたオーバー
フローゲートの断面積を、本体用鋳造空間に設けたラン
ナーゲートの断面積よりも大きく設定し、かつ前記オー
バーフローゲートに接続する湯溜り部の容積を、製品部
重量よりも多い重量のオーバーフローを受容れ可能に設
定したことを特徴とする。一般的に、ダイカスト用金型
は、オーバーフローゲートの断面積がランナーゲートの
断面積の50〜70%に設定される共に、オーバーフロ
ー重量が製品部重量を超えないように設定されるが、上
記したようにオーバーフローゲートの断面積およびオー
バーフロー用湯溜り部の容積を、従来に増して大きく設
定したことにより、羽根用鋳造空間への湯流れが良好と
なるばかりか、鋳造空間からのガス抜きも円滑となり、
羽根の可及的薄肉化が可能になる。ただし、オーバーフ
ローゲートの断面積およびオーバーフロー重量をあまり
大きく設定すると、溶湯の圧力低下を招いて鋳巣が発生
し易くなるので、オーバーフローゲートの断面積、オー
バーフロー重量はランナーゲートの断面積、製品部重量
の150%程度に上限を抑えるのが望ましい。
【0009】本発明の鋳造金型は、上記オーバーフロー
用湯溜り部を、減圧手段に通じるチルベントに連通する
構成としてもよく、これにより、湯流れおよびガス抜き
がより円滑となる。また、本鋳造金型は、本体用鋳造空
間および羽根用鋳造空間の周りに、熱媒体を流通させる
加熱回路を設ける構成としてもよく、この加熱回路に熱
流体を流すことにより、溶湯の温度低下が抑制され、湯
流れおよびガス抜きがより一層円滑となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基いて説明する。
【0011】図1および2は、本発明に係る磁気ヘッド
駆動用スイングアームを示したものである。本スイング
アーム10は、前出図7に示したものと基本構造は同じ
であり、回転軸C2 を有するピボット2(図7)に軸支
される筒状本体11と、この本体11の周りに多段に配
置された複数枚(ここでは、5枚)の板状羽根12と、
前記本体11の周りから前記羽根12とは反対方向へ延
ばされたフォーク状の腕片13とからなっている。各羽
根12には、磁気ヘッド(図示略)が装着されるサスペ
ンション4(図7)が支持され、また、腕片13の内外
には図示しないボイスコイルモータが配設されるように
なっており、スイングアーム10は、前記ボイスコイル
モータの励磁により回転軸C2 を中心に揺動し、前記磁
気ヘッドを、図示しないスピンドルにより回転駆動され
る磁気ディスク1(図7)の所望の位置にアクセスす
る。なお、本体11の内部には、図示を略すピボットと
結合するための内方フランジ14が設けられ、また、各
羽根12の中央部には、軽量化を図るための三角形の貫
通孔15が設けられている。
【0012】本実施の形態において、スイングアーム1
0は、その羽根12の肉厚t1 が0.9mm 程度に、羽根1
2の相互間の間隙pが2.7mm 程度に、腕片13の肉厚t
2 が2.3mm 程度にそれぞれ設定されており、その全体
が、JIS ADC10,ADC12 等のAl−Si 系合金のダイカス
ト鋳造品からなっている。ただし、鋳造ままでは、図2
に破線で囲む領域に各羽根12を連接する連接部(余肉
部)16が存在しており、本スイングアーム10は、こ
の連接部16を切削加工で切除することにより製品とし
て完成するようになっている。
【0013】このように構成されたスイングアーム10
は、一部、羽根12の先端側の連接部16の切削加工を
必要とするが、その全体は量産性に優れたダイカスト品
として提供されて、その大部分が鋳造ままで使用できる
ので、従来の押出し材を素材として用いるものに比べ
て、素材費並びに加工費の大幅な低減を達成することが
でき、コスト的に極めて有利となる。なお、鋳肌には有
機物等が付着しており、これが原因で、使用時にアウト
ガスを発生する危険があるので、製品化に際しては、例
えば、無電解ニッケル等を施して表面をめっき層で被覆
しておくのが望ましい。
【0014】図3〜6は、上記スイングアーム10を鋳
造するための、本発明に係る鋳造金型20を示したもの
である。これらの図において、21は、固定入子22を
内装した固定型、23は、可動入子24を内装した可動
型であり、可動型23は、可動ベース25上にスペーサ
26を介して支持され、図示を略す駆動手段により可動
ベース25と一体に進退動して、鋳造時には、図3に示
すように固定型21に合された型閉じ状態を維持するよ
うになっている。図3中、PLは、前記固定型21と可
動型23とのパーティングラインを表しており、前記し
た型閉じ状態においてこのPL上には、後に詳述する鋳
造空間27(図3に黒塗りで示す)、ランナー28、ラ
ンナーゲート29等が形成される。また、固定型21に
はスプルブッシュ30が、可動型23には分流子31が
それぞれ内装されており、前記した型閉じ状態におい
て、これらスプルブッシュ30と分流子31との間には
湯口部32が画成される。スプルブッシュ30には、プ
ランジャ(図示略)が摺動するプランジャスリーブ33
が接続され、前記プランジャの前進によりプランジャス
リーブ33内の溶湯が前記湯口部32、ランナー28お
よびランナーゲート29を経て鋳造空間27に注入され
るようになる。
【0015】本実施の形態においては、可動型23に
は、上記スイングアーム10(図1、2)の筒状本体1
1を成形するための第1固定中子34が配設されてい
る。この固定中子34は前記可動ベース25に基端部が
支持され、その上端部が可動型23および可動入子24
を挿通して前記鋳造空間27内まで延ばされている。一
方、固定入子22には、図4に示すように鋳造空間27
に突出する円柱状突起35が設けられており、型閉じ状
態においてこの突起35の端面に前記第1固定中子34
の先端が突き合わされ、これにより固定中子35の周り
には、上記スイングアームの筒状本体11を成形するた
めの本体用鋳造空間27a(図4、5)が画成される。
しかして、この鋳造空間27aには前記ランナーゲート
29が開口しており、上記湯口部32およびランナー2
8を流通した溶湯は、先ずこの本体用鋳造空間27aに
流入することになる。
【0016】また、固定型21と可動型23との双方に
は、前記スイングアーム10の各羽根12に設けられる
貫通孔15を成形するための第2固定中子36A,36
Bが配設されている。この第2固定中子36A,36B
は、固定型21、可動型23の背面にそれぞれ基端部が
固定され、それぞれの先端部が対応する型21,23お
よび入子22,24を挿通して前記鋳造空間27内まで
延ばされている。そして、この第2固定中子36Aと3
6Bとは、型閉じ状態においてそれぞれの先端が鋳造空
間27の中間位置(パーティングラインPL上)で突き
合わされるようになる(図4)。
【0017】一方、可動型23には、前記スイングアー
ム10の各羽根12を成形するための可動中子37A,
37Bが摺動可能に配設されている(図6)。この可動
中子37A,37Bは、図4および5に示されるよう
に、それぞれの先端部に複数枚(ここでは、4枚)のリ
ブ38を多段に有しており、鋳造時には、それぞれのリ
ブ38の先端が直接にまたは前記第2固定中子36A,
36Bを介して間接的に突き合わされ、これにより第2
固定中子36A,36Bの周りには、スイングアーム1
0の各羽根12を成形するための羽根用鋳造空間27b
が画成される。
【0018】ここで、各可動中子37A,37Bには、
図6によく示されるように傾斜孔39が開けられてお
り、この傾斜孔39には、型閉じに応じて固定型21内
に配設した傾斜ピン40が挿入されるようになってい
る。これら傾斜孔39および傾斜ピン40は、固定型2
1から可動型23へ向うに従って鋳造空間27から離間
する方向へ傾斜するように設けられている。したがっ
て、傾斜孔39に対する傾斜ピン40の挿入深さが増大
するに従って、すなわち型閉じに応じて各可動中子37
A,37Bは相互に接近する方向へ駆動され、型閉じ完
了と共に、それぞれの先端のリブ38が鋳造空間27内
で突き合わされるようになる。一方、各可動中子37
A,37Bの後端には、可動型23に固設したガイド筒
41を挿通して型内外へ延ばされた作動杆42の一端が
連結されており、各可動中子37A,37Bは、型開き
状態では該作動杆42に巻装したばね42′により相互
に離間する方向へ付勢され、後退端に位置決めされる。
なお、固定型21には、型閉じ完了時に各可動中子37
A,37Bの後部側肩面(傾斜面)に当接して各可動中
子37A,37Bを位置決めする位置決めブロック43
が固設されている。また、可動型23には、前記傾斜孔
39を挿通した傾斜ピン40の先端を逃がす凹部44が
形成されている。
【0019】上記可動中子37A,37Bのリブ38
は、図4および5に示されるように上記スイングアーム
10の羽根12の先端部を連接する連接部16(図2)
の鋳造空間に対応する部分が切欠かれており、これによ
り、羽根用鋳造空間27bの先端部分は連通域45とし
て構成されている。また、各可動中子37A,37Bの
合せ部には、前記連通域45に連通するオーバーフロー
ゲート46と、このオーバーフローゲート46を、固定
入子21と可動入子24との間のオーバーフロー用第1
湯溜り部51に連通する連通路47とが設けられてい
る。固定入子22と可動入子24との間にはまた、上記
スイングアーム10のフォーク状腕片13を成形するた
めの腕片用鋳造空間27c,27cが形成されている
(図4、5)。この鋳造空間27c,27cには、オー
バーフロー用の第2湯溜り部52,52が第2オーバー
フローゲート53を介して連接されている(図5)。
【0020】固定型21と可動型23との間にはまた、
チルベント54が介装されている(図3)。チルベント
54は、その内部に前記第1湯溜り部51に連通する流
路55を設けており、この流路55には、型外に設置し
た減圧手段56が配管57により接続されている。ま
た、固定入子22および可動入子24の内部には、熱媒
体を循環させるための流路(加熱回路)58,59がそ
れぞれ形成されている(図3)。これら加熱回路58,
59は、上記した本体用鋳造空間27a、羽根用鋳造空
間27bおよび腕片用鋳造空間27cの周りを囲むよう
に設定されており、これらには、型外に設置した加熱手
段から熱媒体が供給されるようになっている。なお、可
動型23には、各種押出部材が配設されるが、ここで
は、第1固定中子34の周りのスリーブ状押出部材60
(図4)のみを示して、その他は省略している。
【0021】しかして、上記羽根用鋳造空間27bの先
端側の連通域45に通じる第1オーバーフローゲート4
6は、ランナーゲート29の断面積よりも大きくなるよ
うにその断面積が設定されている。また、オーバーフロ
ー用第1湯溜り部51は、鋳造空間27に充填される製
品部重量よりも多くの重量のオーバーフローを受容れ可
能にその容積が設定されている。
【0022】以下、上記のように構成した鋳造金型20
によるダイカスト鋳造について説明する。鋳造に際して
は、固定型21に対して可動型23を型閉じした後、プ
ランジャスリーブ33内に所定量の溶湯を供給し、図示
を略すプランジャを前進させる。すると、プランジャス
リーブ33内の溶湯が、スプルブッシュ30の先端と分
流子31との間に形成されている湯口部32からランナ
ー28およびランナーゲート29を経て本体用鋳造空間
27aに所定の圧力で注入される。この本体用鋳造空間
27aに注入された溶湯は、該鋳造空間27aを満たし
た後、羽根用鋳造空間27bおよび腕片用鋳造空間27
cに流入し、これら鋳造空間27b、27cを満たした
後、第1、第2オーバーフローゲート46、53から第
1、第2湯溜り部51、52にそれぞれ流入し、そのま
ま凝固する。
【0023】そして、上記凝固終了後、固定型21に対
して可動型23を型開きすると、傾斜ピン40により可
動中子37A,37Bが鋳造位置から後退させられ、そ
れらの先端のリブ38が製品部から抜け、その後、図示
を略す押出部材の作動により製品部とオーバーフロー部
とが一体となって可動型5から脱型され、これにて鋳造
の1サイクルは終了する。なお、製品部は、別工程でオ
ーバーフロー部から切離されるが、この段階では、羽根
12の先端側が連接部16により連接されているので、
この連接部16を切削加工で切除してスイングアーム1
0は完成する。
【0024】しかして、前記したように羽根用鋳造空間
27bに通じる第1オーバーフローゲート46は、ラン
ナーゲート29の断面積S0 よりも大きくなるようにそ
の断面積S1 が設定され、かつ、オーバーフロー用第1
湯溜り部51は、これに流入するオーバーフロー重量W
1 が鋳造空間27に充填される製品部重量W0 よりも重
くなるようにその容積が設定されているので、羽根用鋳
造空間27bに流入した溶湯は、該鋳造空間27bを円
滑に流れてオーバーフロー用湯溜り部51に流出し、こ
れにより湯回りが良好となりかつガス抜きも円滑とな
る。この結果、肉厚t1 が0.9mm 程度となっているにも
かかわらず、その羽根12には、欠肉やブローホールな
どの欠陥が生じることはなく、得られるスイングアーム
10は、全体として品質健全なダイカスト品として提供
される。
【0025】本実施の形態においては特に、オーバーフ
ロー用第1湯溜り部51を、減圧手段56に通じるチル
ベント54に連通する構成としているので、湯流れおよ
びガス抜きがより一層円滑となる。また、本体用鋳造空
間27a、羽根用鋳造空間27bおよび腕片用鋳造空間
27cの周りに、熱媒体を流通させる加熱回路58、5
9を設けて、これに熱媒体を流すようにしているので、
溶湯の温度低下が大幅に抑制され、湯流れおよびガス抜
きがより一層円滑となる。
【0026】
【実施例】上記実施の形態としての鋳造金型20におい
て、ランナーゲート29は、幅w 0 =11mm(図5),高
さh0 =1.0mm (図4)の大きさとして、その断面積S
0(w0 ×h0 )を11mm2 に設定し、一方、第1オーバ
ーフローゲート46は、幅w1 =1.0mm (図5),高さ
1 =12mm(図4)の大きさとして、その断面積S 1
(w1 ×h1 )を12mm2 設定した。この場合、ランナー
ゲート29の断面積S 0 に対する第1オーバーフローゲ
ート46の断面積S1 の割合(S1 /S0 )は約109
%となり、従来の割合50〜70%に対し、かなり大き
くなっている。また、第1湯溜り部51に流入するオー
バーフロー重量W1 を12gに、鋳造空間27に充填され
る溶湯量すなわち製品部重量W0 を11gにそれぞれ設定
した。この場合、製品部重量W0 に対するオーバーフロ
ー重量W1 の割合(W1 /W0)は約109%となり、
従来の割合100%弱よりも大きくなっている。
【0027】そして、上記鋳造金型20を型閉じした
後、上記加熱回路58,59に 250〜300 ℃の油を循環
させると共に、減圧手段56を作動させてチルベント5
4内の流路55に負圧を供給し、この状態のもと、溶解
炉で溶解したJIS ADC12 のAl−Si 合金の溶湯をプラ
ンジャスリーブ33に供給し、プランジャの摺動により
最大射出圧力11.8 MPaの条件で鋳造金型20内の鋳造空
間27に溶湯を充填し、さらに第1、第2の湯溜り5
1,52にも溶湯を充填し、そのまま凝固させた。そし
て、型開き後、製品部とオーバーフロー部とを一体に脱
型し、別工程で両者を切離して製品部に対して、羽根1
2の先端側の連接部16(図2)を切削加工で切除し、
肉厚t1 =0.9mm の羽根12を有するスイングアーム1
0(図1、2)を完成させた。
【0028】そして、上記のように完成したスイングア
ーム10について、外観を目視により観察すると共に、
磁気探傷法により表面傷の検査を行い、さらにX線検査
を行って内部品質を調査した。この結果、羽根12を含
めてスイングアーム10の全体には、欠肉、ブローホー
ル、巣などの鋳造欠陥は認められず、品質的に十分満足
するスイングアーム10が得られることが確認できた。
【0029】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る磁
気ヘッド駆動用スイングアームによれば、従来にも増し
て薄肉化した羽根を有する、品質健全なダイカスト品と
して提供されるので、押出し材を素材として用いるもの
に比べて大幅なコスト低減を達成できる。また、本発明
に係る鋳造金型によれば、オーバーフローゲートおよび
オーバーフロー用湯溜り部を従来よりも拡大するという
簡単な対策で極薄の羽根の成形を可能にしているので、
従来、ダイカストによりスイングアームを製造していた
工場にあっては、金型設計をわずか変更するだけで、鋳
造設備はそのまま使用できるので、その利用価値は大な
るものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ヘッド駆動用スイングアーム
の形状を示す平面図である。
【図2】本スイングアームの形状を一部断面として示す
側面図である。
【図3】本スイングアームを鋳造するための鋳造型の全
体的な構造を示す断面図である。
【図4】本鋳造金型の要部を拡大して示す断面図であ
る。
【図5】本鋳造金型を構成する可動型側の構造を一部断
面として示す平面図である。
【図6】本鋳造金型を構成する可動中子の設置構造を示
す断面図である。
【図7】スイングアームを含むハードディスクドライブ
の機構を示す模式図である。
【符号の説明】
10 スイングアーム 11 筒状本体 12 羽根 20 鋳造金型 21 固定型 22 固定入子 23 可動型 24 可動入子 27 鋳造空間 28 ランナー 29 ランナーゲート 32 湯口部 34,36A,36B 固定中子 37A,37B 可動中子 46 オーバーフローゲート 51 オーバーフロー用湯溜り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 直人 長野県北佐久郡御代田町大字御代田4106− 73 ミネベア株式会社軽井沢製作所内 Fターム(参考) 4E093 NA03 NA04 NB05 TA10 5D068 AA01 BB01 CC12 EE05 EE15 GG03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドを支持する板状羽根の複数枚
    をピボットに軸支される筒状本体の周りに多段に設けて
    なる磁気ヘッド駆動用スイングアームであって、アルミ
    ニウム合金のダイカスト品からなり、前記羽根の肉厚が
    1.05mm未満であることを特徴とするスイングアーム。
  2. 【請求項2】 羽根の肉厚が、0.85〜0.95mmであること
    を特徴とする請求項1に記載のスイングアーム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のスイングアー
    ムを鋳造する鋳造金型であって、羽根用鋳造空間の末端
    に設けたオーバーフローゲートの断面積を、本体用鋳造
    空間に設けたランナーゲートの断面積よりも大きく設定
    し、かつ前記オーバーフローゲートに接続する湯溜り部
    の容積を、製品部重量よりも多い重量のオーバーフロー
    を受容れ可能に設定したことを特徴とするスイングアー
    ムの鋳造金型。
  4. 【請求項4】 オーバーフロー用湯溜り部を、減圧手段
    に通じるチルベントに連通したことを特徴とする請求項
    3に記載のスイングアームの鋳造金型。
  5. 【請求項5】 本体用鋳造空間および羽根用鋳造空間の
    周りに、熱媒体を流通させる加熱回路を設けたことを特
    徴とする請求項3または4に記載のスイングアームの鋳
    造金型。
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