JP2001093188A - 蛍光記録媒体および蛍光記録再生装置 - Google Patents

蛍光記録媒体および蛍光記録再生装置

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JP2001093188A
JP2001093188A JP27032499A JP27032499A JP2001093188A JP 2001093188 A JP2001093188 A JP 2001093188A JP 27032499 A JP27032499 A JP 27032499A JP 27032499 A JP27032499 A JP 27032499A JP 2001093188 A JP2001093188 A JP 2001093188A
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English (en)
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Katsuyuki Naito
藤 勝 之 内
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肉眼では識別ができない蛍光画像を高速で書
き込み可能とし、また、従来よりも記録密度が飛躍的に
高く且つデータの保存や読み出しに際してデータが破壊
されることのない蛍光記録媒体及び蛍光記録再生装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 記録光の照射により蛍光強度が変化する
微粒子を含有した記録体層と、前記記録体層から放出さ
れる蛍光を反射する反射層または蛍光を増幅する増幅層
と、前記記録体層と前記反射層との間に設けられた絶縁
層と、を備え、前記記録体層に前記記録光を照射して情
報を格納し、励起光を照射し前記記録体層における前記
蛍光を前記反射層からの反射させまたは増幅層により増
幅させて検出することにより前記格納された前記情報を
読み出すようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光記録媒体及び
蛍光記録再生装置に関し、より詳細には、本発明は、蛍
光を読み出し手段とし、肉眼では見えない画像情報を記
録・表示し、または超高密度で情報を記録・再生可能な
蛍光記録媒体及び蛍光記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、肉眼で認識できない画像を生成す
る技術は、流通やアミューズメントを始めとする各種分
野のおいて重要性を増している。例えば、一般ユーザに
は判別できない情報を商品等に書き込む技術として、蛍
光を用いたバーコードなどが実用化されている。しか
し、この場合には、情報の書き込みは蛍光インクをプリ
ンタ等で印刷することにより行われ、より高速な光など
による書き込みを行うことは不可能であった。
【0003】一方、近年の情報化社会において、増大の
一途を辿る情報量に対応し、従来よりも記録密度が飛躍
的に高いデータ記録・再生方法や、それに基づく記録・
再生装置の実現が待望されている。光によるデータの記
録を実現する技術としては、光を熱として利用する「ヒ
ートモード記録」と、熱に変換しないで記録する「フォ
トンモード記録」がある。「ヒートモード記録」は、光
磁気記録や相転移型記録などとして既に実用化されてい
る。また、「フォトンモード記録」としては、フォトク
ロミック物質を媒体としてデータを書き込む技術が開示
されている。
【0004】さらに、「ヒートモード記録」において記
録密度の向上を図るために、光の波長よりも小さい微小
スポットが形成できる近接場光顕微鏡(Near-field Sca
nning Optical Microscope:NSOM)を用いた技術が
提案されている。この技術を用い、本発明者は、有機色
素の相変化を利用して蛍光を読み出す記録媒体を開示し
ている(特開平7−254153号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術に
よれば、「ヒートモード記録」も「フォトンモード記
録」も、高密度記録として実用するには以下の問題があ
る。
【0006】すなわち、「ヒートモード記録」による場
合には、媒体中を熱が拡散するという本質的な問題があ
る。その結果として、記録ビットに対応するビームスポ
ット径が10nm程度になるテラビット(terabits)/
cmの記録密度を実現することは困難である。
【0007】一方、「フォトンモード記録」は、本質的
に高密度化に有利であるが、フォトクロミック物質など
を媒体として用いた場合に読み出し光によって記録デー
タが破壊されるという問題があった。
【0008】本発明は、かかる事情の認識に基づいてな
されたものである。すなわち、その目的は、肉眼では識
別ができない蛍光画像を高速で書き込み可能とし、ま
た、従来よりも記録密度が飛躍的に高く且つデータの保
存や読み出しに際してデータが破壊されることの少ない
蛍光記録媒体及び蛍光記録再生装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の蛍光記録媒体は、記録光の照射により蛍光
強度が変化する微粒子を含有した記録体層と、前記記録
体層から放出される蛍光を反射する反射層と、前記記録
体層と前記反射層との間に設けられた絶縁層と、を備
え、前記記録体層に前記記録光を照射して前記記録体層
の前記照射部分における蛍光強度を増大させることによ
り情報を格納し、励起光を照射し前記記録体層における
前記蛍光強度の分布を前記反射層からの反射光も利用し
つつ検出することにより前記格納された前記情報を読み
出すことが可能なことを特徴とする。
【0010】上記構成により、蛍光を容易且つ確実に検
出し、安定した記録再生が可能となる。
【0011】または、本発明の蛍光記録媒体は、記録光
の照射により蛍光強度が変化する微粒子を含有した記録
体層と、前記記録体層から放出される蛍光を増幅する増
幅層と、を備え、前記記録体層に前記記録光を照射して
前記記録体層の前記照射部分における蛍光強度を増大さ
せることにより情報を格納し、励起光を照射し前記記録
体層における前記蛍光強度の分布を前記増幅層により増
幅させて検出することにより前記格納された前記情報を
読み出すことが可能なことを特徴とする。
【0012】上記構成により、蛍光を容易且つ確実に検
出し、安定した記録再生が可能となる。
【0013】ここで、前記増幅層は、貴金属元素を含有
し、前記記録体層から放出される前記蛍光をプラズモン
共鳴により増幅させることができる。
【0014】または、前記記録光の波長は、前記励起光
の波長よりも短いものとすれば、励起光による記録デー
タの破壊を防止することができる。
【0015】または、前記記録体層を前記記録光から遮
光する遮光手段をさらに備えたものとすれば、記録光に
よる格納情報の破壊をさらに防ぐことができる。
【0016】一方、本発明の蛍光記録再生装置は、前述
したいずれかの蛍光記録媒体に前記情報を格納しまたは
前記格納された前記情報を読み出す蛍光記録再生装置で
あって、前記蛍光記録媒体に前記記録光を照射する第1
の照射手段と、前記蛍光記録媒体に前記励起光を照射す
る第2の照射手段と、前記蛍光記録媒体の前記記録層に
おける前記蛍光強度の分布を検出する検出手段と、を備
えたことを特徴とする。
【0017】ここで、前記第1の照射手段と前記第2の
照射手段の少なくともいずれかは、前記記録体層に対し
て近接場光を照射するものとすれば、記録ビットサイズ
を数10ナノメータ以下に縮小し、テラビット(terabi
ts)/cmの記録密度を実現することが可能とな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。
【0019】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態にかかる蛍光記録媒体の断面構成を表す
概念図である。すなわち、蛍光記録媒体10は、支持体
11、反射層12、絶縁層13、記録体層14、保護層
15及び遮光層16をこの順に積層した構成を有する。
支持体11は、記録媒体10を物理的に支持する役割を
有し、例えば、ポリカーボネイト基板や厚さ50ミクロ
ン程度のPETフィルムなどを用いることができる。
【0020】反射層12は、記録体層14から放出され
る蛍光を上方に反射させる役割を有し、例えばAl(ア
ルミニウム)や金(Au)などの反射率の高い材料によ
り形成することができる。
【0021】絶縁層13は、反射層12と記録体層14
とを分離することによって「蛍光消光」を防ぐ役割を有
する。「蛍光消光」とは、記録体層12に隣接して金属
からなる反射層12があると、励起された蛍光体から金
属へのエネルギトランスファが生じ、蛍光強度が低下す
るという現象のことである。これに対して、絶縁層13
を設けることによって両者を分離し、「蛍光消光」を防
ぐことができる。
【0022】記録体層14は、記録光の照射によって蛍
光強度が変化する微粒子を含有した層である。具体的に
は、例えば、平均粒径6nm程度のZnS(硫化亜鉛)
の超微粒子をポリマーや脂質などに分散させて塗布する
ことにより形成することができる。微粒子の材料として
は、後に詳述するように、これ以外にも、例えば各種の
半導体や絶縁体を用いることができる。
【0023】保護層15は、記録体層14を物理的ある
いは化学的に保護する役割を有し、例えば、酸化アルミ
ニウムや酸化シリコンなどにより形成することができ
る。
【0024】遮光層16は、「記録光」を遮断すること
により、記録体層14に格納された情報を保護する役割
を有する。例えば、400nm以下の紫外光をカットす
る紫外線遮断膜により作成することができる。なお、遮
光層16は、現実には支持体11〜保護層15までを収
容する容器状の形態を有していても良い。このような遮
光層や容器を設置することにより、記録光から保護され
る。
【0025】さらに、このような遮光層16の一部に図
示するような窓部16Aを設けても良い。窓部16A
は、記録体層14に情報を格納し、または記録体層14
に格納された情報を読み出すための「窓」として作用
し、シャッタのような可動式の遮光体を備えても良い。
【0026】次に、本発明の蛍光記録媒体における情報
の記録と読み出しのメカニズムについて説明する。
【0027】半導体や絶縁体などの材料をサイズがナノ
メートル径の超微粒子状にすると、量子効果のため蛍光
が得られる場合が多い。そして、これらの微粒子蛍光体
に所定の短波長光(「記録光」と称する)を照射する
と、蛍光強度が強くなるという現象がある。
【0028】図2は、記録体層14に含有される微粒子
の吸収・発光現象を概念的に表すグラフ図である。
【0029】図2において、記録光を照射する前の微粒
子の蛍光の強度は、同図中にIで表したレベルとす
る。この微粒子に、波長λの記録光を一定時間照射
し、記録光の照射を停止した後に、再び蛍光を観測する
と、その強度は同図にIで表したように増大する。こ
の現象は、例えば、R.H.Bhargavaらにより、Proc. 22t
h.Int.Conf.Phys.Semiconductor,vol.3. pp.2007-10, 1
995.において報告されている。
【0030】この現象のメカニズムについては、詳細ま
では必ずしも明らかではないが、記録光を照射すると、
互いに結合していた微粒子同士の分離が促進されて量子
効果が顕著に現れるようになること、蛍光を消光する作
用を有するサイトが満たされること、あるいは、蛍光を
消光する作用を有する物質が分解されることなどによる
ものと考えられる。
【0031】図2において、例えば、波長λの光を
「記録光」として所定のパターンで照射すれば、そのパ
ターンによって情報を格納することができる。そして、
このパターンを記録体層14の蛍光の強度の変化パター
ンとして検出すれば、情報の読み出しが可能である。情
報の読み出しに際しては、微粒子が吸収する波長の光、
好ましくはλとλの間の「励起光」を照射すること
により記録体層14に含有される微粒子を励起させて蛍
光を放出させる。
【0032】図2に表したような現象は、ZnSの他に
も、例えばSi、Se、Ge、AlGaAs、GaA
s、GaAs、AlInAs、GaInAs、GaIn
、InP、PbS、ZnSe、ZnSSe、ZnT
e、AsSeTe、AsTe、CdS、Zn
O、CdTe、ZnCdTe、CdSSe、CdSe、
CnInSe、CuSなどの微粒子においても得られ
る。また、これらの材料を混合させて形成した微粒子で
あっても良い。さらに、これらの微粒子中に発光中心と
なる金属イオン等の添加元素を含有させてもよい。
【0033】図3は、蛍光記録媒体10に対して情報の
格納・読み出しを行うことができる蛍光記録再生装置の
構成を例示した概念図である。すなわち、同図に例示し
た蛍光記録再生装置100は、記録媒体10の装着・取
り外しが可能である、いわゆる「リムーバブル」形式の
記録再生装置である。蛍光記録媒体10は、ロード機構
102によって、装着・取り外し可能とされ、例えば波
長350nm以下の光を放出する水銀ランプ123と、
光学フィルタ124と、光学系125と、マスク126
と、ハーフミラー128とを備える。
【0034】さらに、再生系においては、光学系13
0、イメージセンサ131及びモニタ132が設けられ
ている。
【0035】情報の格納に際しては、フィルタ124を
介さずに水銀ランプ123から波長350nm以下の短
波長の記録光をマスク126によりパターン化させて記
録媒体10の記録体層に照射する。
【0036】一方、格納された情報の読み出しに際して
は、水銀ランプ123からフィルタ124を介して得ら
れた波長350nm〜400nmの励起光をマスク12
6を介さずに記録媒体10に照射し、放出される蛍光の
パターンをハーフミラー128により反射させてイメー
ジセンサ131により検出し、必要に応じてモニタ13
2で観察することができる。イメージセンサ131を読
み出しに用いることにより、記録媒体10に格納された
画像状の記録情報を画像のまま出力することが容易とな
る。
【0037】また、二次元的な紫外光を照射することに
より画像情報を高速に書き込むことができる。このよう
な照射手段としては、図示したものの他にも、液晶のマ
トリク光シャッターや、デジタルミラーデバイス、面発
光半導体レーザーアレイなどを用いても良い。
【0038】以上説明した記録再生装置100を用い、
図1に関して前述したように平均粒径6nm程度のZn
S(硫化亜鉛)の超微粒子を記録層に含有させた記録媒
体10を装着し、可動式のシャッタとしての窓部16A
を開けた状態で、図3に表した蛍光記録再生装置によっ
て波長350nm以下の記録光を照射して画像情報を記
録した。その後、再び窓部16Aを開けて波長350n
m〜400nmの励起光を照射して蛍光像をイメージセ
ンサ131でとらえたところ良好な画像が得られた。
【0039】この具体例においては、記録媒体10から
得られた蛍光のピーク波長は、500nm前後であっ
た。
【0040】さらに、情報の読み出しのための励起光の
照射を10回行っても蛍光パターンのパターン形状
や強度は殆ど変化せず、記録状態はほとんど劣化しない
ことが確認できた。また、窓部16Aを閉じて屋外太陽
光下で一週間放置した後も、記録画像を鮮明に認識する
ことができた。
【0041】一方、記録体層14に平均粒径10nmの
CdSe(セレン化カドミウム)の超微粒子を含有させ
て図1に表した記録媒体を試作し、同様の評価を実施し
た。この場合に媒体から得られた蛍光のピーク波長は、
600nm前後であった。
【0042】さらに、この記録媒体についても情報の読
み出しのための励起光の照射を10 回行った結果、
蛍光パターンのパターン形状や強度は殆ど変化せず、ま
た、窓部16Aを閉じて屋外太陽光下で一週間放置した
後も、記録画像を鮮明に認識することができた。つま
り、格納した情報は、破壊されることなく、確実に保持
させることが確認された。
【0043】以上説明したように、本発明によれば、情
報の格納と読み出しを安定して実施することが可能であ
る。すなわち、従来のフォトクロミック物質などを用い
た記録媒体においては、格納された情報が読み出し光に
よって破壊されるという問題があったが、本発明によれ
ば、記録光と励起光との波長や強度を適宜選択すること
が可能であり、読み出し光による格納情報の破壊を解消
することができる。
【0044】さらに、本発明によれば、励起光の波長を
蛍光のピーク波長λとは異なる波長に設定することが
でき、蛍光の検出時に励起光をフィルタリングすれば、
極めて高いS/N比で蛍光の強度変化を検出することが
できる。これは、従来の光記録媒体では得られない有利
な効果である。つまり、プリピット方式や相変化方式の
光記録媒体においては、読み出し光の波長と媒体から反
射された検出光の波長とが同一であるため、検出部にお
いてノイズとして混入する読み出し光を除去することが
困難であった。
【0045】これに対して、本発明の蛍光記録媒体の場
合には、励起光の波長と微粒子から放出される蛍光の波
長とを異なるものに設定することができ、励起光を容易
且つ確実にフィルタリング除去できる。
【0046】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。
【0047】図4は、本実施形態にかかる蛍光記録媒体
の断面構成を表す概念図である。同図については、図1
乃至図3に関して前述したものと同一の部分には同一の
符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】本実施形態の記録媒体20は、支持体1
1、増幅層22、記録体層14及び保護層15をこの順
に積層した構成を有する。また、これに図示しない遮光
層などを設けて良い。
【0049】増幅層22は、記録体層14から放出され
る蛍光を増幅する役割を有する。具体的には、増幅層2
2は、例えば金(Au)あるいは銀(Ag)などの貴金
属の元素を微粒子状、島状の薄膜のいずれかの形態によ
って含有する。このような貴金属元素は、記録体層14
から放出される蛍光をプラズモン共鳴現象によって増幅
する作用を有する。つまり、励起光Eを照射し、記録体
層14において励起されて生じた蛍光Fは、増幅層2
2においてプラズモン共鳴によってFに増幅されて外
部に取り出すことができる。すなわち、微粒子などであ
れば、プラズモンが閉じこめられて共鳴する。
【0050】増幅層22のマトリクスの材料としては、
透明な有機ポリマもしくは無機物が好ましい。具体的に
は、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリスルホンな
どの有機ポリマー、SiO、Al、ZnOなど
の無機酸化物を挙げることができる。また、その膜厚
は、10〜100nm程度であることが好ましい。
【0051】また、本実施形態においても、記録層14
と増幅層22との間に絶縁層13を設けても良い。
【0052】図4に表した具体例は、励起光Eの入射方
向に対して同方向に発生した蛍光を増幅して透過させる
「透過型」の記録媒体である。
【0053】また、図5は、本実施形態の変形例を表す
概念図である。同図については、図1乃至図4に関して
前述したものと同一の部分には同一の符号を付して詳細
な説明は省略する。
【0054】本変形例の記録媒体30は「反射型」の媒
体であり、支持体11、反射層12、増幅層22、絶縁
層13、記録体層14、保護層15及び遮光層16をこ
の順に積層した構成を有する。すなわち、記録媒体30
においては、励起光Eの入射によって記録体層14から
蛍光Fが放出され、これが増幅層22によってF
増幅され、反射層12により反射されて、再び増幅層2
2により増幅されてF として外部に取り出される。
【0055】すなわち、本変形例によれば、記録体層1
4から放出された蛍光は、増幅層22によって2回増幅
されるので、増幅効率が高いという利点を有する。
【0056】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。
【0057】図6は、本実施形態にかかる蛍光記録媒体
及び蛍光記録媒体装置を表す概念図である。蛍光記録媒
体40は、図1と類似の構成を有する。具体的には、光
学研磨された直径120mm、厚さ0.6mmのガラス
ディスクからなる支持体11の上に、アルミニウム膜を
反射層12として形成し、その上に酸化アルミニウムか
らなる絶縁層13を介して、平均粒径6nmのCdS
(硫化カドミウム)の超微粒子を含有した記録体層14
を塗布製膜した。さらに、その上にSiOからなる保
護膜15を作成した。但し、本実施形態においては、遮
光層16は設けなかった。
【0058】一方、本実施形態の蛍光記録再生装置20
0は、レーザ210と光学的結合系212と光ファイバ
214とファイバマウント216とからなる光照射系を
有する。この光照射系は、モータ244により回転駆動
される記録媒体40に対して記録光の照射と励起光の照
射とを行うことができる。また、記録媒体40と光ファ
イバ214との間には潤滑剤(図示せず)が介在し、間
隔を20nm程度に維持することにより、「近接場光」
を照射することができる。さらに、光ファイバ214は
記録媒体40の上を走査可能とされている。
【0059】一方、蛍光検出系としては、集光レンズ2
50、光ファイバ252、フォトダイオード254が設
けられている。
【0060】本記録再生装置200の動作の具体例を説
明すると以下の如くである。
【0061】すなわち、まず、レーザ210を波長39
0nm、出力10mWで発振させ、直径約10nmの開
口部を持つ光ファイバ214の先端から放出される「近
接場光」を記録媒体40に照射して記録を行う。ここ
で、記録媒体40はモータ244により4000rpm
(round per minute)で回転させ、また光ファイバ21
4を走査することによって、スパイラル状のパターンに
記録を行った。
【0062】次に、レーザ210を波長390nm、出
力1mWで発振させて得られた励起光を記録媒体40に
照射しながら走査し、放出される蛍光を検出系を走査し
つつ半導体フォトダイオード254で検出した。その結
果、書き込みパターン通りのパターンを読み出すことが
できた。
【0063】さらに、同様の読み出し操作を10
行った結果、読み出された蛍光パターンのパターン形状
や強度は殆ど変化しなかった。
【0064】本実施形態によれば、記録光として近接場
光を用いるので、記録ビットサイズを数10ナノメータ
以下に縮小することができる。また、本発明において
は、記録媒体として粒径が数ナノメータの微粒子を用い
ることができるので、この点においても、記録ビットサ
イズの縮小は容易である。その結果として、本実施形態
によれば、面記録密度に換算してテラビット(terabit
s)/cmのレベルの記録密度を実現することも可
能となる。
【0065】なお、「近接場光」を発生させる手段とし
ては、光ファイバの他にも、微小開口を持つプローブや
ヘッド、もしくは光学的に非線形応答を示すいわゆる超
解像膜などを利用しても良い。
【0066】以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の
形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具
体例に限定されるものではない。例えば、蛍光記録媒体
を構成する層構成、あるいは各層の材料は、当業者が選
択しうるあらゆるものを用いて同様の効果を得ることが
可能である。
【0067】また、このような媒体を用いた記録再生装
置に関しても、同様に当業者が選択しうるあらゆる構成
を採ることが可能である。特に、本発明の記録媒体は、
ディスク状のものには限定されず、その他、カード状、
シール状などあらゆる形態で同様に実施可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、情報の格納と読み出し
を安定して実施することが可能である。すなわち、従来
のフォトクロミック物質などを用いた記録媒体において
は、格納された情報が読み出し光によって破壊されると
いう問題があったが、本発明によれば、記録光と励起光
との波長や強度を適宜選択することが可能であり、読み
出し光による格納情報の破壊を少なくすることができ
る。
【0069】特に、本発明によれば、反射層あるいは増
幅層を設けることにより、記録体層から放出される蛍光
を確実に検出することが可能となる。
【0070】さらに、本発明によれば、記録光の波長を
励起光のピーク波長λとは異なる波長に設定し、記録
データの破壊を防ぐことができる。また、蛍光の検出時
に励起光をフィルタリングすれば、極めて高いS/N比
で蛍光の強度変化を検出することができる。
【0071】また、本発明によれば、イメージセンサな
どを読み出し手段として用いることにより、記録媒体に
格納された画像状の記録情報を画像のまま出力すること
が容易となる。
【0072】さらに、本発明によれば、二次元的な紫外
光を照射することにより画像情報を高速に書き込むこと
ができる。
【0073】また、本発明によれば、記録光として近接
場光を用いることによって、記録ビットサイズを数10
ナノメータ以下に縮小することができる。また、本発明
においては、記録媒体として粒径が数ナノメータの微粒
子を用いることができるので、この点においても、記録
ビットサイズの縮小は容易である。その結果として、本
実施形態によれば、面記録密度に換算してテラビット
(terabits)/cmのレベルの記録密度を実現するこ
とも可能となる。
【0074】以上詳述したように、本発明によれば、肉
眼では識別ができない蛍光画像を高速で書き込み可能と
し、また、従来よりも記録密度が飛躍的に高く且つデー
タの保存や読み出しに際してデータが破壊されることの
ない蛍光記録媒体及び蛍光記録再生装置を提供すること
ができ、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる蛍光記録媒
体の断面構成を表す概念図である。
【図2】記録体層14に含有される微粒子の吸収・発光
現象を概念的に表すグラフ図である。
【図3】蛍光記録媒体10に対して情報の格納・読み出
しを行うことができる蛍光記録再生装置の構成を例示し
た概念図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかる蛍光記録媒
体の断面構成を表す概念図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の変形例を表す概念図
である。
【図6】本発明の第3の実施形態にかかる蛍光記録媒体
及び蛍光記録媒体装置を表す概念図である。
【符号の説明】
10、20、30、40 蛍光記録媒体 11 支持体 12 反射層 13 絶縁層 14 記録体層 15 保護層 16 遮光層 16A 窓部 22 増幅層 100、200 蛍光記録再生装置 102 ロード機構 123 水銀ランプ 124 フィルタ 125 光学系 126 マスク 128 ハーフミラー 130 光学系 131 イメージセンサ 132 モニタ 212 レーザ 214 光ファイバ 216 マウント 244 モータ 250 集光レンズ 252 光ファイバ 254 フォトダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C024 AA00 AA19 CA00 DA04 EA09 FA01 GA01 5D029 JA01 JB47 JC20 MA13 NA01 NA02 5D090 AA01 AA03 AA07 BB03 BB19 CC01 CC04 CC16 DD01 FF11 KK07 LL02 5D119 AA11 AA22 BA01 BB02 BB11 BB20 CA06 CA20 DA01 DA05 JA35

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録光の照射により蛍光強度が変化する微
    粒子を含有した記録体層と、 前記記録体層から放出される蛍光を反射する反射層と、 前記記録体層と前記反射層との間に設けられた絶縁層
    と、 を備え、 前記記録体層に前記記録光を照射して前記記録体層の前
    記照射部分における蛍光強度を増大させることにより情
    報を格納し、励起光を照射し前記記録体層における前記
    蛍光強度の分布を前記反射層からの反射光も利用しつつ
    検出することにより前記格納された前記情報を読み出す
    ことが可能なことを特徴とする蛍光記録媒体。
  2. 【請求項2】記録光の照射により蛍光強度が変化する微
    粒子を含有した記録体層と、 前記記録体層から放出される蛍光を増幅する増幅層と、 を備え、 前記記録体層に前記記録光を照射して前記記録体層の前
    記照射部分における蛍光強度を増大させることにより情
    報を格納し、励起光を照射し前記記録体層における前記
    蛍光強度の分布を前記増幅層により増幅させて検出する
    ことにより前記格納された前記情報を読み出すことが可
    能なことを特徴とする蛍光記録媒体。
  3. 【請求項3】前記増幅層は、貴金属元素を含有し、前記
    記録体層から放出される前記蛍光をプラズモン共鳴によ
    り増幅して出力することを特徴とする請求項2記載の蛍
    光記録媒体。
  4. 【請求項4】前記記録光の波長は、前記励起光の波長よ
    りも短いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つ
    に記載の蛍光記録媒体。
  5. 【請求項5】前記記録体層を前記記録光から遮光する遮
    光手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1つに記載の蛍光記録媒体。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1つに記載の蛍光
    記録媒体に前記情報を格納しまたは前記格納された前記
    情報を読み出す蛍光記録再生装置であって、 前記蛍光記録媒体に前記記録光を照射する第1の照射手
    段と、 前記蛍光記録媒体に前記励起光を照射する第2の照射手
    段と、 前記蛍光記録媒体の前記記録層における前記蛍光強度の
    分布を検出する検出手段と、 を備えたことを特徴とする蛍光記録再生装置。
  7. 【請求項7】前記第1の照射手段と前記第2の照射手段
    の少なくともいずれかは、前記記録体層に対して近接場
    光を照射することを特徴とする請求項6記載の蛍光記録
    再生装置。
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