JP2001091962A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2001091962A
JP2001091962A JP27033999A JP27033999A JP2001091962A JP 2001091962 A JP2001091962 A JP 2001091962A JP 27033999 A JP27033999 A JP 27033999A JP 27033999 A JP27033999 A JP 27033999A JP 2001091962 A JP2001091962 A JP 2001091962A
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electrode
common electrode
electric field
crystal molecules
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JP27033999A
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Yasushi Nakajima
靖 中島
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】横電界によって表示動作するインプレインスイ
ッチングモードの液晶表示素子として、セグメント電極
とコモン電極との間に対応する領域から前記電極に対応
する領域にわたって光の透過率を制御し、精細度および
開口率を充分に高くすることができるものを提供する。 【解決手段】負の誘電異方性を有する液晶物質を用い、
その液晶分子20を、セグメント電極3とコモン電極4
が設けられた一方の基板の近傍において、前記セグメン
ト電極3とコモン電極4との間に駆動電圧を印加した状
態で発生する横電界Eの方向に分子長軸20aがほぼ沿
った方向に配向させ、前記液晶分子20の分子長軸20
a方向が、前記横電界Eにより、その電界の方向に対し
て交差する方向に配向方向を変えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、横電界によって
表示動作するインプレインスイッチングモードの液晶表
示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、広い視野角が得られる液晶表示素
子として、横電界によって表示動作するインプレインス
イッチングモードの液晶表示素子が注目されている。
【0003】このインプレインスイッチング液晶表示素
子は、基本的には、横電界により基板面上で液晶分子の
配向方向を変化させて液晶層の複屈折性を制御すること
により表示するものであり、全方向に60度(画面の法
線に対する角度)以上の広視野角特性を誇っている。
【0004】このインプレインスイッチング液晶表示素
子は、その液晶層の液晶分子が、前記一対の基板の内面
にそれぞれ形成された配向膜によりそれぞれの基板の近
傍における配向方向を規制され、セグメント電極および
コモン電極が設けられた一方の基板の近傍において、前
記セグメント電極とコモン電極との間に発生する電界の
方向に対してほぼ直交する方向に沿った方向にその分子
長軸を向けて配向し、他方の基板の近傍において、所定
の配向状態、例えば前記一方の基板の近傍における液晶
分子の配向方向とほぼ同じ方向に配向している。
【0005】この液晶表示素子は、前記セグメント電極
とコモン電極との間に駆動電圧を印加することにより表
示駆動されるものであり、初期(無電界)の状態では、
前記液晶分子が、前記一方の基板上に形成されたセグメ
ント電極とコモン電極との間に印加される電圧によりこ
れらの電極間に発生する横電界の方向に対してほぼ直交
する方向に沿った方向に分子長軸を向けて配向してい
る。
【0006】そして、前記電極間に駆動電圧を印加する
と、正の誘電異方性を有している液晶の液晶分子が、前
記セグメント電極およびコモン電極が設けられた一方の
基板の近傍において、前記横電界の方向に分子長軸が向
くように配向方向を変え、この液晶分子の配向状態の変
化により液晶層の複屈折性が変化する。
【0007】そして、例えば透過型の液晶表示素子で
は、背面側の偏光板を透過して液晶層に入射した光(直
線偏光)が、液晶層の複屈折性に応じて偏光状態を変
え、その光のうちの前面側の偏光板の透過軸に沿った偏
光成分の光がこの前面側偏光板を透過して出射する。
【0008】そのため、複数のセグメント電極とコモン
電極とが互いに間隔をおいて並設された複数の画素領域
の光の透過率が、その画素領域の電極間に印加される電
圧に応じて変化し、画像が表示される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のインプ
レインスイッチング液晶表示素子は、その液晶分子のセ
グメント電極とコモン電極が設けられた一方の基板の近
傍における初期の配向方向が、前記セグメント電極とコ
モン電極との間に発生する横電界の方向とほぼ直交する
方向に分子長軸がほぼ沿った方向であるため、前記セグ
メント電極とコモン電極との間に対応する領域の液晶分
子は、その分子長軸を、これらの電極間を最短距離で結
ぶ方向に発生する横電界に沿った方向へ向けて配向する
ように動作する。
【0010】しかし、前記電極上に対応する領域の液晶
分子は、その分子長軸を、電極上に発生する電界の方向
に沿った方向へ配向方向を変化させるが、その電極上に
発生する電界の方向が液晶厚の方向に大きく湾曲してい
るため、液晶の分子長軸が基板に対して立ち上がった状
態で配向し、前記電極間領域と電極上領域との配向状態
が異なる。
【0011】すなわち、前述の前記セグメント電極とコ
モン電極との間に対応する領域の液晶分子は前記一方の
基板面に対してほぼ水平方向で且つ横電界方向に沿って
配向するのに対して、前記セグメント電極とコモン電極
上に対応する領域の液晶分子はその領域に発生する湾曲
した電界の方向に沿って、前記一方の基板面に対して斜
めに傾いた方向に配向する。
【0012】したがって、前記セグメント電極と前記コ
モン電極上に対応する領域の光学的特性の変化が小さ
く、前記セグメント電極と前記コモン電極とが対応する
領域は透過率はあまり変化しない。
【0013】そのため、従来の液晶表示素子は、複数の
セグメント電極とコモン電極とが互いに間隔をおいて並
設された複数の画素領域のうちの電極間に対応する領域
だけが、光の透過率を制御できる有効画素領域となり、
したがって、精細度および開口率が低い。
【0014】この精細度および開口率の低さは、前記セ
グメント電極およびコモン電極の幅を細くし、電極間に
対応する領域を広くすることにより、ある程度は改善で
きるが、電極を細くすることには限界がある。
【0015】この発明は、セグメント電極とコモン電極
との間に対応する領域から前記電極に対応する領域にわ
たって光の透過率を制御することができる、高精細度お
よび高開口率のインプレインスイッチング液晶表示素子
を提供することを目的としたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示素子
は、少なくとも観察側に位置する前側の基板が透明な一
対の基板と、前記一対の基板の一方の内面上に互いに間
隔をおいて並設され、それぞれ駆動電圧が印加される複
数のセグメント電極およびコモン電極と、前記一対の基
板間に、前記一方の基板の近傍における液晶分子が、前
記一方の基板面上の前記セグメント電極とコモン電極と
の間に印加される電圧により発生する横電界の方向にそ
の分子長軸をほぼ揃えて初期配向させて設けられ、前記
横電界により前記液晶分子がその電界の方向に対して交
差する方向に配向方向を変える負の誘電異方性を有する
液晶層と、前記一対の基板のうちの少なくとも前側の基
板の外面に配置された偏光板とを備えることを特徴とす
るものである。
【0017】この発明の液晶表示素子は、負の誘電異方
性を有する液晶物質を用い、その液晶分子を、電界が印
加されていない初期配向状態で、セグメント電極とコモ
ン電極が設けられた一方の基板の近傍において、前記セ
グメント電極とコモン電極との間に印加される電圧によ
って発生する横電界の方向にほぼ沿った方向に、分子長
軸を配向させているため、セグメント電極とコモン電極
との間に対応する領域の液晶分子は前記横電界により、
またこれらの電極に対応する領域の液晶分子は、前記電
極間に発生する電界により、これらの電界の方向に対し
て交差する方向で且つ一方の基板面に対してほぼ水平方
向に揃った向きに分子長軸を向けて配向し、この液晶分
子の配向の変化により液晶層の複屈折性が変化する。
【0018】そのため、この液晶表示素子によれば、セ
グメント電極とコモン電極との間に対応する領域から前
記電極に対応する領域にわたって光の透過率を制御する
ことができ、したがって、精細度および開口率を充分に
高くすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示素子は、上記
のように、負の誘電異方性を有する液晶物質を用い、そ
の液晶分子を、セグメント電極とコモン電極が設けられ
た一方の基板の近傍において、前記セグメント電極とコ
モン電極との間に駆動電圧が印加された状態で発生する
横電界の方向に分子長軸がほぼ沿った方向に配向させて
おくことにより、セグメント電極とコモン電極との間に
対応する領域から前記電極に対応する領域にわたって光
の透過率を制御できるようにし、精細度および開口率を
充分に高くしたものである。
【0020】この液晶表示素子においては、前記液晶分
子が、セグメント電極とコモン電極との間に対応する領
域およびこれらの電極に対応する領域において、前記横
電界の方向に対して交差する方向に分子長軸の向きを変
えるため、セグメント電極とコモン電極との間に対応す
る領域から前記電極に対応する領域にわたって光の透過
率を制御することができる。
【0021】なお、この発明の液晶表示素子において、
前記液晶材料中にはカイラル剤を添加しておくのが望ま
しく、それにより、液晶分子の配向の変化が容易にな
り、弱い横電界で液晶分子の配向方向を変化させ、消費
電力を低減することができる。
【0022】また、セグメント電極とコモン電極が設け
られた一方の基板の近傍における液晶分子の駆動電圧を
印加していない初期の分子長軸方向と、前記セグメント
電極とコモン電極との間に駆動電圧を印加して発生する
横電界の方向とのずれ角は20度以下であるのが好まし
く、このようにすることにより、前記横電界による液晶
分子の配向方向の変化の角度範囲を大きくし、多階調の
表示を得ることができる。
【0023】この発明の液晶表示素子において、前記一
対の基板をそれぞれ透明基板とし、これらの基板の外面
にそれぞれ偏光板を配置する場合は、前記セグメント電
極とコモン電極のうちの少なくとも一方を透明電極とす
るのが好ましく、このようにすることにより、複数のセ
グメント電極とコモン電極とが互いに間隔をおいて並設
された複数の画素領域のうち、電極間に対応する領域お
よび前記電極のうちの透明電極に対応する領域を、光の
透過率を制御できる有効画素領域とすることができる。
この場合、前記セグメント電極とコモン電極の両方を透
明電極とするのがより好ましく、このようにすることに
より、前記有効画素領域をさらに広くし、より高い開口
率を得ることができる。
【0024】また、この発明の液晶表示素子において、
液晶層の駆動電圧を印加しない初期の液晶分子配向状態
は、セグメント電極とコモン電極が設けられた一方の基
板の近傍の液晶分子がセグメント電極とコモン電極との
間に駆動電圧を印加したときに発生する横電界の方向に
分子長軸がほぼ沿った方向に配向した状態であれば、任
意の配向状態でよく、例えば、初期の液晶分子配向状態
を、液晶層のほぼ全厚にわたって液晶分子が前記横電界
の方向に分子長軸がほぼ沿った方向に配向したホモジニ
アス配向状態とし、前記一方の基板の近傍の液晶分子
が、前記横電界の方向に対して交差する方向に配向方向
を変えるようにすることにより、液晶層の複屈折性を変
化させることができる。
【0025】このホモジニアス配向の液晶表示素子にお
いて、前記一対の基板をそれぞれ透明板とし、これらの
基板の外面にそれぞれ偏光板を配置する場合は、その一
方の偏光板の透過軸を、セグメント電極とコモン電極が
設けられた一方の基板の近傍における液晶分子の初期の
分子長軸の向きとほぼ平行にし、他方の偏光板の透過軸
を、前記一方の偏光板の透過軸とほぼ直交させるのが好
ましく、このような構成とすることにより、無電界状態
での表示を暗表示とし、電極間に横電界を発生させたと
きの表示を明表示とすることができる。
【0026】この構成の液晶表示素子においては、液晶
層の複屈折率Δnと液晶層厚dとの積Δndの値を、3
00〜500nmの範囲に設定するのが好ましく、この
ようにすることにより、良好なコントラストの表示を得
ることができる。
【0027】また、前記セグメント電極とコモン電極
は、少なくとも2つの方向に横電界を発生させる形状に
形成してもよく、このようにすることにより、ドメイン
が生じる表示の観察方向を前記横電界の方向が異なる領
域ごとに異ならせ、ドメインを目立たなくすることがで
きる。
【0028】
【実施例】以下、この発明の第1の実施例を図1〜図1
6を参照して説明する。図1は本実施例の液晶表示素子
の一部分の断面図、図2は前記液晶表示素子の一方の基
板の一部分の平面図、図3は図2のIII−III線に沿う拡
大断面図、図4は図2のIV−IV線に沿う拡大断面図であ
る。
【0029】この実施例の液晶表示素子は、図1に示す
ように、前後一対の透明基板1,2と、そのいずれかの
基板、例えば観察側(出射側)とは反対側の基板(以
下、後基板という)2の内面上に互いに間隔をおいて並
設された複数のセグメント電極3およびコモン電極4
と、前記一対の基板1,2間に設けられた液晶層19
と、前記一対の基板1,2の外面にそれぞれ配置された
一対の偏光板21,22とを備えている。
【0030】この液晶表示素子は、アクティブマトリッ
クス方式のものであり、前記複数のセグメント電極3
は、行方向(図2において左右方向)および列方向(図
2において上下方向)にマトリックス状に配列して設け
られ、これらのセグメント電極3にそれぞれ対応させて
前記後基板2の内面に設けられた複数のアクティブ素子
5に接続されている。
【0031】なお、この実施例で用いたアクティブ素子
5はTFT(薄膜トランジスタ)であり、図2および図
3に示すように、基板2上に形成されたゲート電極6
と、このゲート電極6を覆って基板2のほぼ全面に形成
された透明なゲート絶縁膜7と、このゲート絶縁膜7の
上に前記ゲート電極6と対向させて形成されたi型半導
体膜8と、このi型半導体膜8の両側部の上にn型半導
体膜9を介して設けられたソース電極10およびドレイ
ン電極11とからなっている。
【0032】また、前記後基板2の内面には、各行のT
FT5にそれぞれゲート信号を供給するための複数本の
ゲート配線12と、各列のTFT5にそれぞれデータ信
号を供給するための複数本のデータ配線13と、前記コ
モン電極4を基準電位に接続するためのコモン配線14
とが設けられている。
【0033】これらの配線12,13,14はそれぞれ
アルミニウム系合金等の低抵抗金属膜により形成されて
おり、ゲート配線12とコモン配線14は、基板2上
に、各行の画素領域Aの一端縁(図2において下端縁)
および他端縁(図2において上端縁)とにそれぞれ沿わ
せて互いに平行に形成され、データ配線13は、前記ゲ
ート絶縁膜7の上に、ゲート配線12およびコモン配線
14とほぼ直交させて形成されている。
【0034】そして、前記TFT5のゲート電極6は、
前記ゲート配線12に一体に形成されており、ドレイン
電極11は、前記データ配線13につながっている。な
お、この実施例では、データ配線13をTFT5のドレ
イン電極11と一体に形成しているが、前記TFT5を
保護絶縁膜で覆ってその上にデータ配線13を形成し、
このデータ配線13を前記保護絶縁膜に設けたコンタク
ト孔においてTFT5のドレイン電極11に接続しても
よい。
【0035】また、前記セグメント電極3は、前記ゲー
ト絶縁膜7の上に配列形成されており、前記コモン電極
4は、前記セグメント電極3を覆って基板2のほぼ全面
に設けられた透明な層間絶縁膜15の上に配列形成され
ている。
【0036】前記セグメント電極3とコモン電極4はそ
れぞれ、前記ゲート配線12およびコモン配線14と、
隣り合う2本のデータ配線13とにより囲まれた画素領
域Aごとに複数ずつ、例えば2つずつ、行方向に交互に
並べて設けられている。
【0037】この2つずつのセグメント電極3およびコ
モン電極4はそれぞれ、前記データ配線13と平行で、
画素領域Aの列方向(データ配線13と平行な方向)の
幅に近い長さを有する帯状電極であり、2つのセグメン
ト電極3の一方は画素領域Aの一側縁(図2において左
側縁)付近に形成され、他方のセグメント電極3は画素
領域Aの他側縁(図2において右側縁)よりもある程度
画素領域内に偏らせて形成されている。
【0038】また、前記2つのコモン電極4の一方は、
画素領域Aの他側縁(図2において右側縁)付近に形成
されており、他方のコモン電極4は、画素領域Aの一側
縁(図2において左側縁)よりもある程度画素領域内に
偏らせて、前記2つのセグメント電極3の間の中間に形
成されている。
【0039】そして、各画素領域Aごとに設けられた2
つのセグメント電極3は、その一端において、前記画素
領域AのTFT配置側の端縁付近に対応させてゲート配
線12と平行に形成された横電極部3aに一体につなが
っており、この横電極部3aを介して、そのセグメント
電極3に対応するTFT5のソース電極10に接続され
ている。
【0040】また、各画素領域Aごとに設けられた2つ
のコモン電極4は、その一端が前記セグメント電極3の
横電極部3aに間隔を存して近接し、他端がコモン配線
14上に重なるように形成され、前記ゲート絶縁膜7お
よびその上の層間絶縁膜15に設けられたコンタクト孔
16において前記コモン配線14に接続されている。
【0041】前記セグメント電極3とその横電極部3a
および前記コモン電極4は、いずれもITO等の透明導
電膜からなる透明電極であり、2つずつのセグメント電
極3とコモン電極4の幅はほぼ同じに設定され、また、
交互に並ぶセグメント電極3とコモン電極4との間隔も
ほぼ同じに設定されている。なお、前記セグメント電極
3とコモン電極4の幅は、これらの電極3,4の間隔の
1/2〜1/4程度が好ましい。
【0042】一方、観察側に位置する前側の基板(以
下、前基板という)1は、その内面に電極等を一切設け
ていない基板であり、この前基板1の内面と、前記後基
板2の内面の電極形成面上にはそれぞれ、そのほぼ全面
にわたって、ポリイミド等からなる透明な配向膜17,
18が設けられている。
【0043】そして、前記前後一対の基板1,2は、そ
の周縁部において図示しない枠状のシール材を介して接
合されており、これらの基板1,2間の前記シール材で
囲まれた領域に液晶層19が設けられている。この液晶
層19は、負の誘電異方性を有するネマティック液晶か
らなっている。
【0044】そして、この液晶表示素子においては、セ
グメント電極3とコモン電極4が設けられた後基板2の
内面に設けられた配向膜18に、前記セグメント電極3
とコモン電極4との間に駆動電圧を印加したときに前記
後基板2上に発生する横電界の方向(セグメント電極3
とコモン電極4とを結ぶ最短距離方向)にほぼ沿った方
向の配向処理を施し、液晶層19の前記後基板2の近傍
の液晶分子を、前記配向処理方向に配向させている。
【0045】すなわち、この液晶表示素子は、液晶層1
9を、負の誘電異方性を有する液晶物質により形成し、
その液晶分子のセグメント電極3とコモン電極4が設け
られた後基板2の近傍における駆動電圧が印加されてい
ない初期の配向方向を、前記セグメント電極3とコモン
電極4との間に発生する横電界の方向に分子長軸がほぼ
沿った方向としたものである。
【0046】なお、この実施例では、前基板1の内面に
設けられた配向膜17を、前記後基板2の配向膜18の
配向処理方向とほぼ平行で逆向きに配向処理し、液晶層
19の液晶分子の初期配向状態を、液晶層19のほぼ全
厚にわたって液晶分子が前記セグメント電極3とコモン
電極4との間に発生する横電界の方向に分子長軸がほぼ
沿った方向に配向したホモジニアス配向状態としてい
る。
【0047】さらに、この実施例では、前記一対の基板
1,2の外面にそれぞれ配置する一対の偏光板21,2
2のうちの一方の偏光板、例えば後側偏光板22を、そ
の透過軸を前記後基板2の近傍における液晶分子の初期
の分子長軸の配向方向とほぼ平行にして配置し、他方の
前側偏光板21を、その透過軸を前記後側偏光板22の
透過軸とほぼ直交させて配置している。
【0048】図5は、前記液晶層19の初期の液晶分子
配向状態と、前側および後側偏光板21,22の透過軸
21a,22aの向きを示しており、液晶層19の液晶
分子20は、セグメント電極3とコモン電極4との間に
発生する図に破線矢印で示した横電界Eの方向に分子長
軸20aがほぼ沿った方向にホモジニアス配向してい
る。
【0049】なお、セグメント電極3とコモン電極4が
設けられた後基板2の近傍における液晶分子の初期の分
子長軸20aの方向と、前記セグメント電極3とコモン
電極4との間に発生する横電界Eの方向とのずれ角θ
は、20度以下(θ≦20度)、より好ましくは10度
以下(θ≦10度)が望ましい。
【0050】また、図5のように、前記後側偏光板22
の透過軸22aは、前記後基板2の近傍における液晶分
子20の初期の分子長軸20aの方向とほぼ平行であ
り、前側偏光板21の透過軸21aは、前記後側偏光板
22の透過軸22aとほぼ直交している。
【0051】この液晶表示素子は、その背後(後側偏光
板22の背後)に配置される図示しないバックライトか
らの照明光を利用して表示する透過型表示素子であり、
前記バックライトからの光が後側偏光板22を透過して
直線偏光となって液晶層19に入射し、この液晶層19
を透過した光のうち、前側偏光板21の透過軸21aに
沿った偏光成分の光が、この前側偏光板21を透過して
前方に出射する。
【0052】また、この液晶表示素子は、各ゲート配線
12にTFT5をオンさせる電位になる選択期間を順次
ずらしたゲート信号を供給し、各行の画素領域Aの選択
期間ごとに各データ配線13に画像データに応じて電位
が変化するデータ信号を供給することにより、各行の画
素領域Aのセグメント電極3に前記データ信号をTFT
5を介して印加することにより表示駆動される。
【0053】なお、この液晶表示素子の表示駆動におい
て、各行の画素領域Aのコモン電極4の電位は、常に基
準電位(例えば0V)としても、あるいは、セグメント
電極3の電位に対して逆極性の電位としてもよく、例え
ばコモン電極4の電位を常に基準電位とする場合は、こ
のコモン電極4が接続されたコモン配線14を基準電位
に接続し、セグメント電極3に印加するデータ信号の電
位を、前記基準電位に対して画像データに応じた所定の
電位差になるように制御すればよい。
【0054】また、コモン電極4の電位をセグメント電
極3の電位に対して逆極性の電位とする場合は、前記コ
モン配線14に、セグメント電極3に印加するデータ信
号の波形に対して逆極性の波形のコモン信号を供給し、
前記データ信号の電位を、前記コモン信号の電位に対し
て画像データに応じた所定の電位差になるように制御す
ればよい。
【0055】図6および図7は、前記液晶表示素子の1
つの画素領域Aにおけるオフ時とオン時の液晶分子20
の配向状態を示しており、前記セグメント電極3とコモ
ン電極4との間にオフ電圧を印加したとき、つまりセグ
メント電極3とコモン電極4との間に横電界Eがほとん
ど発生していない。このときは、液晶層19の液晶分子
20は図6のように初期のホモジニアス配向状態にあ
る。
【0056】また、前記セグメント電極3とコモン電極
4との間に駆動電圧であるオン電圧を印加すると、これ
らの電極3,4間に設けられた液晶層19の後基板2の
近傍の液晶分子20が、前記電極3,4間に発生する横
電界Eにより配向方向を変え、液晶層19の液晶分子2
0の配向状態が、図7のように前基板1側から後基板2
側に向かってねじれ配向した状態になる。
【0057】そして、この実施例では、一対の偏光板2
1,22のうちの一方の偏光板、例えば後側偏光板22
の透過軸22aが後基板2の近傍における液晶分子20
の初期の分子長軸20aの方向とほぼ平行であり、他方
の前側偏光板21の透過軸21aが前記後側偏光板22
の透過軸22aとほぼ直交しているため、図6のように
液晶層19の液晶分子20が初期のホモジニアス配向状
態にあるときは、後側偏光板22を透過して液晶層19
に入射した光が、ほとんど複屈折作用を受けずに液晶層
19を透過して前側偏光板21により吸収され、その画
素領域Aの表示が暗表示になる。
【0058】また、図7のように、セグメント電極3と
コモン電極4との間に発生する横電界Eにより後基板2
の近傍の液晶分子20が配向方向を変え、液晶層19の
液晶分子20がねじれ配向すると、後側偏光板22を透
過して液晶層19に入射した光が液晶層19の複屈折作
用により偏光状態を変え、その光のうちの前側偏光板2
1の透過軸21aに沿った偏光成分の光が前方に出射し
て、その画素領域Aの表示が明表示になる。
【0059】このとき、後基板2の近傍の液晶分子20
は、セグメント電極3とコモン電極4との間に発生する
横電界Eの強さに応じて配向方向を変え、それに応じて
液晶層19の複屈折性が変化するため、前記セグメント
電極3とコモン電極4との間に印加する電圧を制御する
ことにより光の透過率を変化させ、複数の階調の明表示
を得ることができる。
【0060】図8は前記後基板2の近傍の液晶分子20
の配向状態の変化を模式的に示しており、この液晶表示
素子では、液晶層19に負の誘電異方性を有する液晶物
質を用い、その液晶分子20を、セグメント電極3とコ
モン電極4が設けられた後基板2の近傍において、前記
セグメント電極3とコモン電極4との間に発生する横電
界Eの方向にほぼ沿った方向(分子長軸20aの方向と
横電界Eの方向とのずれ角θが20度以下、より好まし
くは10度以下である方向)に配向させている。
【0061】この液晶分子20のうち、セグメント電極
3とコモン電極4との間に対応する領域の液晶分子は、
前記横電界Eにより、その前記電界Eの方向とほぼ直交
する方向に分子長軸20aの向きを変える。
【0062】また、これらの電極3,4に対応する領域
の液晶分子20は、それらの電極3,4上に発生する電
界に対して、分子長軸が、前記電界の方向とほぼ直交
し、かつ前記電界の等電位線とほぼ平行な方向に向くよ
うに配向を変える。
【0063】しかも、液晶分子20には、電極3,4上
に形成された配向膜17,18による配向規制力、つま
り基板1,2面とほぼ平行に液晶分子20を配向させる
力が働いているため、液晶分子20は、その分子長軸2
0aが基板1,2とほぼ平行な状態を保ったまま、その
分子長軸20aの向きを変える。
【0064】したがって、セグメント電極3とコモン電
極4との間に対応する領域の液晶分子も、これらの電極
上に対応するの領域の液晶分子も、前記電極3,4間に
印加された電圧により、それぞれ基板とほぼ平行な状態
を保ったまま、その分子長軸20aの方向を変え、この
液晶分子20の配向の変化により液晶層19の複屈折性
が変化する。
【0065】従来の、正の誘電異方性を有する液晶の液
晶分子をゼグメント電極とコモン電極との間に発生する
横電界の方向に対して、駆動電圧を印加しない初期の無
電界の状態でほぼ直交する方向に沿った方向、すなわち
等電位線に沿った方向に分子長軸を向けて配向させた技
術では、横電界が液晶分子に加えたときに横電界の方向
に沿って、かつ等電位線に対して垂直な方向に分子長軸
の向きを変化させる。この場合、セグメント電極とコモ
ン電極上に発生する電界の方向が液晶厚の方向に大きく
湾曲しているため、液晶の分子長軸が基板に対して立ち
上がった状態で配向し、前記電極上領域の屈折率異方性
が小さく、セグメント電極とコモン電極上の領域は透過
率は低い。
【0066】これに比べて、この実施例の液晶表示素子
では、セグメント電極3とコモン電極4との間の液晶分
子20も、セグメント電極3とコモン電極4上の液晶分
子20も、両電極3,4に印加された電圧により、分子
長軸20aの向きが、基板1,2面とほぼ平行な状態を
保ったまま、横電界Eの方向に沿った方向から横電界E
の方向に対して垂直な方向に変化する。したがって、両
電極3,4間に電圧を印加することにより、セグメント
電極3とコモン電極4との間の領域、及びセグメント電
極3とコモン電極4上の領域の透過率が高くなる。
【0067】なお、本実施例では、1つの画素領域Aに
対応する2つずつのセグメント電極3とコモン電極4は
交互に並んでいるため、これらの電極3,4間に発生す
る横電界Eの向きは、図8のように、電極3,4間に対
応する領域ごとに交互に逆向きとなるが、横電界Eの方
向と液晶分子20の分子長軸20aとのなす角θが20
度以下の範囲で、好ましくは10度以下の角度で図8に
示すように同一方向にずれているので、前記横電界の印
加により、それぞれの液晶分子には同じねじれ方向の力
を作用させることができ、同一の方向に一様にねじれ配
向させることができる。
【0068】また、前記横電界Eの方向と液晶分子20
の分子長軸20aとのなす角θが0度であっても液晶材
料中に左旋性または右旋性のいずれかの旋向性を有する
カイラル剤を添加することにより、前記カイラル剤の旋
向性に応じた方向に一様に配向方向を変えさせることが
できる。
【0069】この液晶表示素子によれば、セグメント電
極3とコモン電極4との間に対応する領域の液晶分子
も、これらの電極3,4に対応する領域の液晶分子20
も、前記電極3,4間に発生する横電界Eにより、液晶
分子20の分子長軸20aをその電界Eの方向に対して
交差する方向に配向方向を変えるため、セグメント電極
3とコモン電極4との間に対応する領域から前記電極
3,4に対応する領域にわたって光の透過率を制御する
ことができる。
【0070】図9は、液晶に負の誘電異方性を有する液
晶物質(以下、n型液晶という)を用い、その液晶分子
20の後基板2の近傍における初期の配向状態の分子長
軸方向を、セグメント電極3とコモン電極4との間に発
生する横電界Eの方向に沿った方向に配向させた上記実
施例の液晶表示素子と、液晶に正の誘電異方性を有する
液晶物質(以下、p型液晶という)を用い、その液晶分
子の前記後基板2の近傍における初期の配向状態の分子
長軸の方向を前記横電界Eの方向に対してほぼ直交する
方向に沿った方向に配向させた比較素子との、駆動電圧
を印加した状態における1つの画素領域Aの液晶分子2
0の配向状態および透過率特性を比較して示しており、
(a)は実施例素子の特性を示し、(b)は比較素子の
特性を示している。
【0071】なお、図9の(a)および(b)は、いず
れも液晶表示素子の液晶層19を基板1,2面に対して
垂直に断面した模式図であり、図では液晶分子20を画
鋲状に示し、そのピンの向きで分子長軸の方向を表わし
ている。また、図において、細線はセグメント電極3お
よびコモン電極4にそれぞれ対応する領域の等電位線、
太線は透過率曲線であり、この透過率は、図において最
も下の横軸上を透過率0としたときの値である。
【0072】この図9の(b)のように、p型液晶を用
い、その液晶分子の後基板2の近傍における初期の配向
方向を横電界Eの方向に対してほぼ直交する方向に分子
長軸が沿った方向にした比較素子は、セグメント電極3
とコモン電極4との間に対応する領域の液晶分子20は
電極3,4間に発生する横電界Eに応じて配向方向を変
えるように動作するが、電極3,4に対応する領域(す
なわち、電極3,4上の領域)の液晶分子20は、その
分子長軸20aが基板1,2面に対して大きく傾いた状
態で配向しており、前記電極3,4に対応する領域の光
の透過率は常に低い。、したがって、画素領域Aのうち
の電極3,4間に対応する領域だけが光の透過率を制御
できる有効画素領域であり、そのため精細度および開口
率が低い。
【0073】この比較素子に対して、図9の(a)のよ
うに、n型液晶を用い、その液晶分子の後基板2の近傍
における初期の配向状態の分子長軸の方向を横電界Eの
方向にほぼ沿った方向に配向させた実施例素子は、セグ
メント電極3とコモン電極4との間に対応する領域の液
晶分子20も、これらの電極3,4上に対応する領域の
液晶分子20も、前記電極3,4間に発生する電界によ
り基板に対してほぼ平行な状態を保ったまま、その分子
長軸20aの向きを変え、この液晶分子20の配向の変
化により液晶層19の複屈折性が変化するため、画素領
域Aの全域、つまりセグメント電極3とコモン電極4と
の間に対応する領域から前記電極3,4に対応する領域
にわたって光の透過率を制御することができ、したがっ
て、精細度および開口率を充分に高くすることができ
る。
【0074】すなわち、上記実施例の液晶表示素子にお
いては、液晶分子20が、セグメント電極3とコモン電
極4との間に対応する領域およびこれらの電極3,4に
対応する領域において、前記横電界Eの方向に対して交
差する方向に配向方向を変えるため、セグメント電極3
とコモン電極4との間に対応する領域から前記電極3,
4に対応する領域にわたって光の透過率を制御すること
ができる。
【0075】また、この液晶表示素子において、液晶材
料中に左旋性または右旋性のいずれかの旋向性を有する
カイラル剤を添加すると、液晶分子20がねじれ配向し
やすくなるため、比較的弱い横電界でも液晶分子20の
配向方向を変化させることができる。
【0076】図10は、カイラル剤を添加しない液晶材
料を用いたときと、カイラル剤を添加した液晶材料を用
いたときとの、駆動電圧を印加した状態における1つの
画素領域Aの液晶分子20の配向状態および透過率特性
を比較して示しており、(a)はカイラル剤を添加しな
い液晶表示素子に6Vの駆動電圧を印加したときの配向
状態と透過率の特性を示し、(b)はカイラル剤を添加
した液晶表示素子に6Vの駆動電圧を印加したときの配
向状態と透過率の特性を示している。
【0077】なお、図10の(a)および(b)は、い
ずれも液晶表示素子の液晶層19を基板1,2面に対し
て垂直に断面した模式図であり、図では液晶分子20を
画鋲状に示し、そのピンの向きで分子長軸の方向を表わ
している。また、図において、細線はセグメント電極3
およびコモン電極4にそれぞれ対応する領域の等電位
線、太線は透過率曲線であり、この透過率は、図におい
て最も下の横軸上を透過率0としたときの値である。
【0078】この図10の(a)と(b)の透過率の特
性を比較して見れば分かるように、カイラル剤を添加し
た液晶材料を用いたものは、液晶分子20がねじれ配向
しやすく、電界が印加されたときに、その電界が小さい
セグメント電極3およびコモン電極4上に対応する領域
の液晶分子20も、電界が大きい電極3,4間に対応す
る領域の液晶分子20とほとんど変わらないように配向
方向を変えることができる。そのため、同じ強さ(ここ
では駆動電圧6V)の電界を印加したとき、カイラル剤
を添加しない液晶材料を用いたものに比べて、電極3,
4間に対応する領域と電極3,4上に対応する領域との
透過率の差が小さい。
【0079】したがって、カイラル剤を添加した液晶材
料を用いれば、弱い電界で液晶分子20の配向方向を画
素領域Aの全域にわたって変化させることができるた
め、消費電力を低減することができる。
【0080】また、この液晶表示素子において、セグメ
ント電極3とコモン電極4が設けられた後基板2の近傍
における液晶分子20の駆動電圧を印加しない初期の分
子長軸20aの方向と、前記セグメント電極3とコモン
電極4との間に駆動電圧を印加して発生する横電界Eの
方向とのずれ角θは、上述したように、20度以下、よ
り望ましくは10度以下であるのが好ましく、このよう
にすることにより、前記横電界Eによる液晶分子20の
配向方向の変化する角度範囲を大きくし、多階調の表示
を得ることができる。 図11は、前記後基板2の近傍
における液晶分子20の駆動電圧を印加しない初期の分
子長軸20aの方向と前記横電界Eの方向とのずれ角θ
を、θ=10度,θ=30度,θ=45度,θ=60度
の4通りに設定した各試作素子の10Vの印加状態にお
ける1つの画素領域Aの液晶分子20の配向特性および
透過率特性を示しており、(a)はθ=10度の試作素
子の特性、(b)はθ=30度の試作素子の特性、
(c)はθ=45度の試作素子の特性、(d)はθ=6
0度の試作素子の特性を示している。
【0081】なお、図11の(a)〜(d)は、いずれ
も液晶表示素子の液晶層19を基板1,2面に対して垂
直に断面した模式図であり、図では液晶分子20を画鋲
状に示し、そのピンの向きで分子長軸の方向を表わして
いる。また、図において、細線はセグメント電極3およ
びコモン電極4にそれぞれ対応する領域の等電位線、太
線は透過率曲線であり、この透過率は、図において最も
下の横軸上を透過率0としたときの値である。
【0082】この図11の(a),(b),(c),
(d)の透過率の特性を比較して見れば分かるように、
同じ強さ(ここでは駆動電圧10V)の横電界Eを印加
したときの透過率は、後基板2の近傍における液晶分子
20の初期の分子長軸20aの配向方向と、前記横電界
Eの方向とのずれ角θが小さいほど高く、したがって、
前記ずれ角θを小さくするほど、前記横電界Eによる液
晶分子20の配向方向の変化の角度範囲を大きくし、多
階調の表示を得ることができる。
【0083】また、この液晶表示素子は、前後一対の基
板1,2をそれぞれ透明基板とし、これらの基板1,2
の外面にそれぞれ偏光板21,22を配置した透過型素
子であるが、この実施例では上述したように、前記セグ
メント電極3とコモン電極4の両方を透明電極としてい
るため、複数のセグメント電極3とコモン電極4とが互
いに間隔をおいて並設された複数の画素領域Aの全域を
それぞれ光の透過率を制御できる有効画素領域とし、高
い開口率を得ることができる。
【0084】この液晶表示素子において、液晶層19の
初期の液晶分子配向状態は、セグメント電極3とコモン
電極4が設けられた後基板2の近傍の液晶分子20がセ
グメント電極3とコモン電極4との間に発生する横電界
Eの方向に分子長軸20aがほぼ沿った方向に配向した
状態であれば、任意の配向状態でよく、例えば、上記実
施例のように、初期の液晶分子配向状態を、液晶層19
のほぼ全厚にわたって液晶分子が前記横電界Eの方向に
分子長軸20aがほぼ沿った方向に配向したホモジニア
ス配向状態とし、前記後基板2の近傍の液晶分子20
が、前記横電界Eの方向に対して交差する方向に配向方
向を変えるようにすることにより、液晶層19の複屈折
性を変化させることができる。
【0085】このホモジニアス配向の液晶表示素子にお
いて、一対の基板1,2をそれぞれ透明板とし、これら
の基板1,2の外面にそれぞれ偏光板21,22を配置
する場合は、上述したように、その一方の偏光板、例え
ば後側偏光板22の透過軸22aを、セグメント電極3
とコモン電極4が設けられた後基板2の近傍における液
晶分子20の初期の分子長軸20aの方向とほぼ平行に
し、他方の前側偏光板21の透過軸21aを、前記後側
偏光板22の透過軸22aとほぼ直交させるのが好まし
く、このような構成とすることにより、無電界状態での
表示を暗表示とし、電極3,4間に横電界Eを発生させ
たときの表示を明表示とすることができる。
【0086】この構成の液晶表示素子においては、液晶
層19の複屈折率Δnと液晶層厚dとの積Δndの値
を、300〜500nmの範囲に設定するのが好まし
く、このようにすることにより、良好なコントラストの
表示を得ることができる。
【0087】ただし、良好なコントラストの表示を得る
ことができるΔndの範囲は液晶層厚dによって異な
り、例えば液晶層厚dを5μmとしたときと7μmとし
たときとを比較すると、液晶層厚dを7μmとしたとき
の方が、良好なコントラストの表示を得ることができる
Δndの範囲が広い。
【0088】図12は、液晶層厚dを5μmとし、液晶
層19の複屈折率Δnを、Δn=0.04,Δn=0.
05,Δn=0.06,Δn=0.07,Δn=0.0
83,Δn=0.10の6通りに設定した各試作素子の
駆動電圧を印加した状態における1つの画素領域Aの液
晶分子20の配向特性および透過率特性を示しており、
(a)はΔn=0.04の試作素子の特性、(b)はΔ
n=0.05の試作素子の特性、(c)はΔn=0.0
6の試作素子の特性、(d)はΔn=0.07の試作素
子の特性、(e)はΔn=0.083の試作素子の特
性、(f)はΔn=0.10の試作素子の特性の特性を
示している。
【0089】また、図13は、液晶層厚dを7μmと
し、液晶層19の複屈折率Δnを、Δn=0.04,Δ
n=0.05,Δn=0.06,Δn=0.07,Δn
=0.083,Δn=0.10の6通りに設定した各試
作素子の駆動電圧を印加した状態における1つの画素領
域Aの液晶分子20の配向特性および透過率特性を示し
ており、(a)はΔn=0.04の試作素子の特性、
(b)はΔn=0.05の試作素子の特性、(c)はΔ
n=0.06の試作素子の特性、(d)はΔn=0.0
7の試作素子の特性、(e)はΔn=0.083の試作
素子の特性、(f)はΔn=0.10の試作素子の特性
の特性を示している。
【0090】なお、図12の(a)〜(f)および図1
3の(a)〜(f)は、いずれも液晶表示素子の液晶層
19を基板1,2面に対して垂直に断面した模式図であ
り、図では液晶分子20を画鋲状に示し、そのピンの向
きで分子長軸の方向を表わしている。また、図におい
て、細線はセグメント電極3およびコモン電極4にそれ
ぞれ対応する領域の等電位線、太線は透過率曲線であ
り、この透過率は、図において最も下の横軸上を透過率
0としたときの値である。
【0091】この図12の(a)〜(f)および図13
の(a)〜(f)の配向特性および透過率特性は、いず
れも同じ強さ(例えば駆動電圧10V)の横電界Eの状
態での特性であり、これらの特性を比較して見れば分か
るように、図12の(e)および図13の(b),
(c),(d)の特性が良好である。
【0092】すなわち、図12の(e)は、複屈折率Δ
nと液晶層厚dとの積Δndが、Δnd=415nm
(Δn=0.083,d=5μm)の液晶表示素子の特
性を示し、図13の(b)は、Δnd=350nm(Δ
n=0.05,d=7μm)の液晶表示素子の特性を示
し、図13の(c)は、Δnd=420nm(Δn=
0.06,d=7μm)の液晶表示素子の特性を示し、
図13の(d)は、Δnd=490nm(Δn=0.0
7,d=7μm)の液晶表示素子の特性を示すものであ
り、いずれも良好なコントラストの表示を得ることがで
きる。
【0093】したがって、液晶層厚dを5μmとすると
きの望ましいΔndの範囲は400〜430nmであ
り、液晶層厚dを7μmとするときの望ましいΔndの
範囲は350〜500nmである。
【0094】また、特に、図13の(c)の特性は、よ
り透過率が高い特性であり、他の特性に比べて、同じ透
過率を得るための横電界が弱くてもよいことになる。し
たがって、低電圧で駆動して消費電力を低減するために
は、液晶層厚dを7μm、Δndの値を400〜440
nmの範囲に設定するのが好ましい。
【0095】なお、上記実施例では、セグメント電極3
を後基板2上に設けられたTFT5のゲート絶縁膜7の
上に形成し、コモン電極4を前記セグメント電極3を覆
って設けられた層間絶縁膜15の上に形成しているが、
前記コモン電極4は、後基板2上に形成して前記ゲート
絶縁膜7で覆ってもよい。
【0096】さらに、前記セグメント電極3とコモン電
極4は、同じ面上(例えばゲート絶縁膜7の上)にほぼ
同一面に並べて形成してもよく、このようにセグメント
電極3とコモン電極4をほぼ同一面に並べて形成して
も、上記実施例と同等な透過率を得ることができる。
図14は、前記セグメント電極3とコモン電極4との間
に段差がある場合と、前記セグメント電極3とコモン電
極4とが同一面である場合との、駆動電圧を印加した状
態における1つの画素領域Aの液晶分子20の配向特性
および透過率特性を比較して示しており、(a)はグメ
ント電極3とコモン電極4との間に段差があるときの特
性を示し、(b)はセグメント電極3とコモン電極4と
が同一面であるときの特性を示している。
【0097】なお、図14の(a)および(b)は、い
ずれも液晶表示素子の液晶層19を基板1,2面に対し
て垂直に断面した模式図であり、図では液晶分子20を
画鋲状に示し、そのピンの向きで分子長軸の方向を表わ
している。また、図において、細線はセグメント電極3
およびコモン電極4にそれぞれ対応する領域の等電位
線、太線は透過率曲線であり、この透過率は、図におい
て最も下の横軸上を透過率0としたときの値である。
【0098】この図14の(a),(b)のように、上
記液晶表示素子は、セグメント電極3とコモン電極4と
の間に段差がある場合も、前記セグメント電極3とコモ
ン電極4とが同一面である場合も、ほとんど変わらない
透過率特性を示す。
【0099】また、上記実施例では、セグメント電極3
とコモン電極4とをそれぞれ、ゲート配線12およびコ
モン配線14と隣り合う2本のデータ配線13とにより
囲まれた画素領域Aごとに2つずつ行方向に交互に並べ
て設けているが、1つの画素領域Aに対応するセグメン
ト電極3とコモン電極4の数は任意でよい。
【0100】図15はこの発明の第2の実施例を示す液
晶表示素子の1つの画素領域Aの概略平面図であり、こ
の実施例は、1つの画素領域Aに対応するセグメント電
極3とコモン電極4の数を1つずつとし、前記セグメン
ト電極3を画素領域Aの一側縁付近に形成し、前記コモ
ン電極4を画素領域Aの他側縁付近に形成したものであ
る。
【0101】なお、この実施例の液晶表示素子は、1つ
の画素領域Aに対応するセグメント電極3とコモン電極
4の数を1つずつとしたものであるが、他の構成は上述
した第1の実施例と同じであり、図に前後の偏光板の透
過軸21a,22aを仮想線で示したように、これらの
偏光板の透過軸21a,22aの方向も同じであるか
ら、重複する説明は図に同符合を付して省略する。
【0102】図16はこの発明の第3の実施例を示す液
晶表示素子の1つの画素領域Aの概略平面図であり、こ
の実施例は、セグメント電極3とコモン電極4とを、少
なくとも2つの方向に横電界Eを発生させる形状に形成
したものである。
【0103】この実施例は、前記セグメント電極3とコ
モン電極4とをそれぞれ、その長さ方向のほぼ中間部に
おいて屈曲するほぼ”<”形状に形成したものであり、
これらの電極3,4の屈曲部から一端側の直線状部と他
端側の直線状部とのなす角度は、例えば160〜170
度に設定され、また前記セグメント電極3とコモン電極
4の一端側の直線状部同士と他端側の直線状部同士は互
いに平行に形成されている。
【0104】すなわち、この実施例は、前記セグメント
電極3とコモン電極4とをそれぞれほぼ“<”形状に形
成することにより、これらの電極3,4の屈曲部から一
端側の直線状部の間に発生する横電界Eの方向と、他端
側の直線状部の間に発生する横電界E′の方向とを、1
0〜20度異ならせたものである。
【0105】そして、この実施例では、後基板の近傍の
液晶分子20を、前記電極3,4の一端側の直線状部の
間に発生する横電界Eの方向と、他端側の直線状部の間
に発生する横電界E′の方向との中心線に沿った方向に
配向させることにより、液晶分子20の後基板の近傍に
おける初期の配向方向を、前記セグメント電極3とコモ
ン電極2との間に発生する2方向の横電界E,E′の方
向の両方に分子長軸20aが5〜10度のずれ角でほぼ
沿った方向にするとともに、前後の偏光板のうちの一方
の偏光板(例えば後側偏光板)の透過軸22aを前記後
基板の近傍における液晶分子の初期の分子長軸20aの
方向とほぼ平行にし、他方の偏光板(例えば前側偏光
板)の透過軸21aを、前記一方の偏光板の透過軸22
aとほぼ直交させている。
【0106】なお、この実施例の液晶表示素子は、1つ
の画素領域Aに対応するセグメント電極3とコモン電極
4の数を1つずつとしたものであり、セグメント電極3
およびコモン電極4の形状と、液晶分子20の後基板の
近傍における初期の配向方向および前後の偏光板の透過
軸21a,22aの方向が異なるが、他の構成は図15
に示した第2の実施例と同じである。
【0107】この実施例の液晶表示素子では、セグメン
ト電極3とコモン電極4の屈曲部から一端側の直線状部
の間に発生する横電界Eの方向と、他端側の直線状部の
間に発生する横電界E,E′の方向とが異なるため、前
記横電解E,E′による液晶分子の配向方向が、画素領
域Aの中央から一端側の領域と、他端側の領域とで異な
り、したがって、ドメインが生じる表示の観察方向が、
画素領域Aの一端側の領域と他端側の領域とで異なる。
【0108】そのため、この液晶表示素子によれば、セ
グメント電極3とコモン電極4との間に発生する横電解
Eの方向が一方向であるものに比べて、ドメインが生じ
る表示の観察方向を複数の方向(この実施例では2方
向)に分散し、それぞれの方向から表示を観察したとき
のドメインを小さくすることができ、したがって、どの
方向から表示を観察してもドメインがほとんど目立たな
い良好な表示品質を得ることができる。
【0109】なお、上記各実施例では、セグメント電極
3とコモン電極4の両方を透明電極としているが、前記
セグメント電極3とコモン電極4のいずれかはアルミニ
ウム系合金等の低抵抗金属膜からなる極細幅の金属電極
としてもよく、前記セグメント電極3とコモン電極4の
うちの少なくとも一方が透明電極であれば、前記画素領
域Aのうちの電極3,4間に対応する領域および前記電
極3,4のうちの透明電極に対応する領域を、光の透過
率を制御できる有効画素領域とすることができる。
【0110】ただし、透過型素子の場合は、上記実施例
のように、セグメント電極3とコモン電極4の両方を透
明電極とするのがより好ましく、このようにすることに
より、有効画素領域をさらに広くし、より高い開口率を
得ることができる。
【0111】また、この発明は、透過型の液晶表示素子
に限らず、背後に光反射手段を備え、前面側から入射す
る外光を前記反射手段により前方に反射して表示する反
射型の液晶表示素子にも、また、外光を利用する反射型
表示と、バックライトからの照明光を利用する透過型表
示との両方の表示を行なう、いわゆる2ウエイ表示型の
液晶表示素子にも適用することができる。
【0112】なお、反射型の液晶表示素子には、前後に
偏光板を備え、後側偏光板の背後に反射板を配置した、
いわゆる2枚偏光板モードのものと、前面だけに1枚の
偏光板を備え、この偏光板に偏光子と検光子との両方を
兼用させた、いわゆる1枚偏光板モードのものとがある
が、この発明を前記2枚偏光板モードの反射型素子に適
用する場合は、前記セグメント電極3とコモン電極4の
うちの少なくとも一方(より好ましくは両方)を透明電
極とするのが望ましい。
【0113】一方、この発明を前記1枚偏光板モードの
反射型素子に適用するときは、前記セグメント電極3と
コモン電極4のうちの少なくとも一方(より好ましくは
両方)を透明電極としてもよいが、前記セグメント電極
3とコモン電極4を後基板の内面に設ける場合は、これ
らの電極3,4の両方を高い光反射率を有する金属膜に
より形成し、セグメント電極3およびコモン電極4に対
応する領域に入射した光を前記電極3,4により反射さ
せ、電極間に対応する領域に入射した光を素子の背後に
配置された反射板により反射させるようにしてもよい。
【0114】さらに、上記実施例では、液晶層19の初
期の液晶分子配向状態をホモジニアス配向としている
が、液晶分子20の初期配向状態は、セグメント電極3
とコモン電極4が設けられた一方の基板(上記実施例で
は後基板)2の近傍における液晶分子20の初期の配向
方向が、前記セグメント電極3とコモン電極4との間に
発生する横電界Eの方向に分子長軸20aがほぼ沿った
方向であれば、どのような配向状態でもよく、また、偏
光板21,22の透過軸21a,22aの方向は、液晶
分子20の初期配向状態に応じて選べばよい。
【0115】
【発明の効果】この発明の液晶表示素子は、負の誘電異
方性を有する液晶物質を用い、その液晶分子を、駆動電
圧を印加しない初期の状態で、セグメント電極とコモン
電極が設けられた一方の基板の近傍において、前記セグ
メント電極とコモン電極との間に駆動電圧を印加した状
態で発生する横電界の方向に分子長軸がほぼ沿った方向
に配向させ、前記液晶分子が、前記横電界により、その
電界の方向に対して交差し、かつ等電位線に沿った方向
に液晶分子の分子長軸の向きを変えるようにしたもので
あるから、セグメント電極とコモン電極との間に対応す
る領域から前記電極に対応する領域にわたって光の透過
率を制御し、精細度および開口率を充分に高くすること
ができる。
【0116】この発明の液晶表示素子においては、前記
液晶分子が、セグメント電極とコモン電極との間に対応
する領域およびこれらの電極に対応する領域において、
前記横電界の方向に対して交差する方向に分子長軸の向
き変えるため、セグメント電極とコモン電極との間に対
応する領域から前記電極に対応する領域にわたって光の
透過率を制御することができる。
【0117】この発明の液晶表示素子において、前記液
晶材料中にはカイラル剤を添加しておくのが望ましく、
それにより、弱い横電界で液晶分子の配向方向を変化さ
せ、消費電力を低減することができる。
【0118】また、セグメント電極とコモン電極が設け
られた一方の基板の近傍における液晶分子の駆動電圧を
印加していない初期の分子長軸方向と、前記セグメント
電極とコモン電極との間に駆動電圧を印加して発生する
横電界の方向とのずれ角は20度以下であるのが好まし
く、このようにすることにより、前記横電界による液晶
分子の配向方向の変化の角度範囲を大きくし、多階調の
表示を得ることができる。
【0119】この発明の液晶表示素子において、前記一
対の基板をそれぞれ透明基板とし、これらの基板の外面
にそれぞれ偏光板を配置する場合は、前記セグメント電
極とコモン電極のうちの少なくとも一方を透明電極とす
るのが好ましく、このようにすることにより、複数のセ
グメント電極とコモン電極とが互いに間隔をおいて並設
された複数の画素領域のうち、電極間に対応する領域お
よび前記電極のうちの透明電極に対応する領域を、光の
透過率を制御できる有効画素領域とすることができる。
【0120】この場合、前記セグメント電極とコモン電
極の両方を透明電極とするのがより好ましく、このよう
にすることにより、前記有効画素領域をさらに広くし、
より高い開口率を得ることができる。
【0121】また、この発明の液晶表示素子において、
液晶層の駆動電圧を印加しない初期の液晶分子配向状態
は、セグメント電極とコモン電極が設けられた一方の基
板の近傍の液晶分子がセグメント電極とコモン電極との
間に駆動電圧を印加したときに発生する横電界の方向に
分子長軸がほぼ沿った方向に配向した状態であれば、任
意の配向状態でよく、例えば、初期の液晶分子配向状態
を、液晶層のほぼ全厚にわたって液晶分子が前記横電界
の方向に分子長軸がほぼ沿った方向に配向したホモジニ
アス配向状態とし、前記一方の基板の近傍の液晶分子
が、前記横電界の方向に対して交差する方向に配向方向
を変えるようにすることにより、液晶層の複屈折性を変
化させることができる。
【0122】このホモジニアス配向の液晶表示素子にお
いて、前記一対の基板をそれぞれ透明板とし、これらの
基板の外面にそれぞれ偏光板を配置する場合は、その一
方の偏光板の透過軸を、セグメント電極とコモン電極が
設けられた一方の基板の近傍における液晶分子の初期の
分子長軸の向きとほぼ平行にし、他方の偏光板の透過軸
を、前記一方の偏光板の透過軸とほぼ直交させるのが好
ましく、このような構成とすることにより、無電界状態
での表示を暗表示とし、電極間に横電界を発生させたと
きの表示を明表示とすることができる。
【0123】この構成の液晶表示素子においては、液晶
層の複屈折率Δnと液晶層厚dとの積Δndの値を、3
00〜500nmの範囲に設定するのが好ましく、この
ようにすることにより、良好なコントラストの表示を得
ることができる。
【0124】また、前記セグメント電極とコモン電極
は、少なくとも2つの方向に横電界を発生させる形状に
形成してもよく、このようにすることにより、ドメイン
が生じる表示の観察方向を前記横電界の方向が異なる領
域ごとに異ならせ、ドメインを目立たなくすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示素子の
一部分の断面図。
【図2】第1の実施例の液晶表示素子の一方の基板の一
部分の平面図。
【図3】図2のIII−III線に沿う拡大断面図。
【図4】図2のIV−IV線に沿う拡大断面図。
【図5】第1の実施例の液晶表示素子における液晶層の
初期の液晶分子配向状態と、前側および後側偏光板の透
過軸の向きを示す図。
【図6】第1の実施例の液晶表示素子の1つの画素領域
におけるオフ時の液晶分子配向状態を示す図。
【図7】第1の実施例の液晶表示素子の1つの画素領域
におけるオン時の液晶分子配向状態を示す図。
【図8】第1の実施例の液晶表示素子における後基板の
近傍の液晶分子の配向状態の変化を模式的に示す図。
【図9】第1の実施例の液晶表示素子と、液晶に正の誘
電異方性を有する液晶物質を用い、その液晶分子の後基
板の近傍における初期の配向方向を横電界の方向に対し
てほぼ直交する方向に分子長軸が沿った方向にした比較
素子との、駆動電圧を印加した状態における1つの画素
領域の液晶分子の配向特性および透過率特性を比較して
示す図。
【図10】液晶にカイラル剤を添加しない液晶材料を用
いたときと、カイラル剤を添加した液晶材料を用いたと
きとの、駆動電圧を印加した状態における1つの画素領
域の液晶分子の配向特性および透過率特性を比較して示
す図。
【図11】液晶表示素子の後基板の近傍における液晶分
子の初期の分子長軸の方向と横電界の方向とのずれ角θ
を、θ=10度,θ=30度,θ=45度,θ=60度
の4通りに設定した各試作素子の駆動電圧を印加した状
態における1つの画素領域の液晶分子の配向特性および
透過率特性を示す図。
【図12】液晶層厚dを5μmとし、液晶層の複屈折率
Δnを、Δn=0.04,Δn=0.05,Δn=0.
06,Δn=0.07,Δn=0.083,Δn=0.
10の6通りに設定した各試作素子の駆動電圧を印加し
た状態における1つの画素領域の液晶分子の配向特性お
よび透過率特性を示す図。
【図13】液晶層厚dを7μmとし、液晶層の複屈折率
Δnを、Δn=0.04,Δn=0.05,Δn=0.
06,Δn=0.07,Δn=0.083,Δn=0.
10の6通りに設定した各試作素子の駆動電圧を印加し
た状態における1つの画素領域の液晶分子の配向特性お
よび透過率特性を示す図。
【図14】セグメント電極とコモン電極との間に段差が
ある場合と、前記セグメント電極とコモン電極とが同一
面にある場合との、駆動電圧を印加した状態における1
つの画素領域の液晶分子の配向特性および透過率特性を
比較して示す図。
【図15】この発明の第2の実施例を示す液晶表示素子
の1つの画素領域の概略平面図。
【図16】この発明の第3の実施例を示す液晶表示素子
の1つの画素領域の概略平面図。
【符号の説明】
1…前基板 2…後基板 3…セグメント電極 3a…横電極部 4…コモン電極 5…TFT(薄膜トランジスタ) 12…ゲート配線 13…データ配線 14…コモン電極配線 17,18…配向膜 19…液晶層 20…液晶分子 20a…分子長軸 21,22…偏光板 21a,22a…透過軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 GA17 HA02 HA08 HA18 HA28 JA04 KA07 KA17 KA27 KA30 MA02 MA06 MA20 2H090 HB08Y KA04 LA01 LA04 LA09 LA16 MA02 MA07 2H092 GA05 GA14 GA21 HA04 HA06 JA24 JA37 JB31 KA05 KA18 KB04 NA01 NA07 NA26 PA02 PA11 PA13 QA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも観察側に位置する前側の基板が
    透明な一対の基板と、前記一対の基板の一方の内面上に
    互いに間隔をおいて並設され、それぞれ駆動電圧が印加
    される複数のセグメント電極およびコモン電極と、前記
    一対の基板間に、前記一方の基板の近傍における液晶分
    子が、前記一方の基板面上の前記セグメント電極とコモ
    ン電極との間に印加される電圧により発生する横電界の
    方向にその分子長軸をほぼ揃えて初期配向させて設けら
    れ、前記横電界により前記液晶分子がその電界の方向に
    対して交差する方向に配向方向を変える負の誘電異方性
    を有する液晶層と、前記一対の基板のうちの少なくとも
    前側の基板の外面に配置された偏光板とを備えることを
    特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】液晶層の液晶分子は、セグメント電極とコ
    モン電極との間に対応する領域およびこれらの電極に対
    応する領域において、前記セグメント電極とコモン電極
    との間に印加された電圧により発生する横電界の方向に
    対して交差する方向に分子長軸の向きを変えることを特
    徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】液晶材料中にカイラル剤が添加されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】セグメント電極とコモン電極が設けられた
    一方の基板の近傍における液晶分子の初期の分子長軸方
    向と、前記セグメント電極とコモン電極との間に発生す
    る横電界の方向とのずれ角が20度以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】一対の基板がそれぞれ透明基板であり、こ
    れらの基板の外面にそれぞれ偏光板が配置されるととも
    に、セグメント電極とコモン電極とのうちの少なくとも
    一方が透明電極であることを特徴とする請求項1に記載
    の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】セグメント電極とコモン電極の両方が透明
    電極であることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示
    素子。
  7. 【請求項7】液晶層は、セグメント電極とコモン電極と
    の間に駆動電圧が印加されていない初期状態で、液晶層
    のほぼ全厚にわたって液晶分子がセグメント電極とコモ
    ン電極との間に発生する横電界の方向に分子長軸がほぼ
    沿った方向に配向したホモジニアス配向状態に配向さ
    れ、セグメント電極とコモン電極との間に発生する横電
    界によりセグメント電極とコモン電極が設けられた一方
    の基板の近傍の液晶分子が、前記横電界の方向に対して
    交差する方向に配向方向を変えることを特徴とする請求
    項1に記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】一対の基板がそれぞれ透明基板であり、こ
    れらの基板の外面にそれぞれ偏光板が配置されるととも
    に、その一方の偏光板の透過軸が、セグメント電極とコ
    モン電極が設けられた一方の基板の近傍における液晶分
    子の初期の配向状態の分子長軸方向とほぼ平行で、他方
    の偏光板の透過軸が、前記一方の偏光板の透過軸とほぼ
    直交していることを特徴とする請求項7に記載の液晶表
    示素子。
  9. 【請求項9】液晶層の複屈折率Δnと液晶層厚dとの積
    Δndの値が300〜500nmの範囲であることを特
    徴とする請求項8に記載の液晶表示素子。
  10. 【請求項10】セグメント電極とコモン電極とは、互い
    の最短距離が一定となるように、それぞれ屈曲した形状
    に形成され、前記セグメント電極とコモン電極韓に少な
    くとも2つの方向に横電界を生じさせることを特徴とす
    る請求項1に記載の液晶表示素子。
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