JP2001091931A - 液晶装置の製造方法 - Google Patents

液晶装置の製造方法

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JP2001091931A
JP2001091931A JP26780299A JP26780299A JP2001091931A JP 2001091931 A JP2001091931 A JP 2001091931A JP 26780299 A JP26780299 A JP 26780299A JP 26780299 A JP26780299 A JP 26780299A JP 2001091931 A JP2001091931 A JP 2001091931A
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light
irradiation
substrate
cell
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Yasuhiro Sekine
康弘 関根
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示むらがなく、液晶性材料の安定性を向上
させた液晶装置を簡単に製造すること。 【解決手段】 一対の基板11、12間に液晶17を設
置する際には、これら基板11、12間に液晶材料及び
プレポリマー材料を配し、基板12の表面よりUV光を
照射してプレポリマー材料に重合反応を生じさせる。U
V光の照射は、表示領域15内で照度分布変化をもたせ
るように行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶材料にプレポ
リマー材料を混入させて液晶装置を製造する、液晶装置
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶パネルは、対角10インチを
超える直視型のディスプレイを代表として、あらゆる機
器に用いられている。また、液晶パネルを光学系に配置
し、拡大投射し、より大画面の表示を得ることのできる
液晶プロジェクターも、コンピュータの普及に伴い、プ
リゼンテーション等の使用に耐えうる高解像、高輝度の
ものが実用的な商品として、登場しはじめた。
【0003】これらの液晶パネルに用いられている液晶
はTN(Twisted Nematic )型液晶であり、従来主流で
あったSTN(Super Twisted Nematic )型の液晶と比
べて応答が速く、コントラストが高いため、より高品位
の画像を表示することができる。
【0004】しかしながら、TN液晶を用いた液晶パネ
ルでは、偏光板による光損失が大きいため、明るさに限
界があった。特に、高輝度を要する投射型液晶装置で
は、TN型液晶装置の欠点が顕著であった。
【0005】この問題に対する解決策の一つとして、ポ
リマーネットワーク中にTN液晶を分布させた「ポリマ
ーネットワーク液晶(PNLC:Polimer Network Liqu
id Crystal)」を用いた液晶パネルが提案された。これ
は、電圧印加時にTN液晶の屈折率がポリマーネットワ
ークの屈折率と略一致することにより光が高い透過率で
透過し、電圧無印加時にはランダムに並んだTN液晶と
ポリマーネットワークの屈折率差により入射光が散乱を
受けることで黒表示を行うものである。「ポリマーネッ
トワーク液晶」を用いた液晶装置は偏光板を用いないの
で、TN液晶装置より本質的に光利用効率の高い、即
ち、明るいディスプレイとなる。
【0006】ここで、本明細書中では、「ポリマーネッ
トワーク液晶」と言う名称を用いているが、同様な構造
として、高分子分散型液晶(PDLC:Polimer Disper
sedLiquid Crystal)」や、スポンジ状構造などの液晶
構造も含めて言うこととする。
【0007】「ポリマーネットワーク液晶」の高い光利
用効率をより効果的にするために、アクティブマトリク
ス基板を反射型とすることが有効である。反射型基板は
アクティブ素子を反射電極の下に埋め込んで遮光を兼ね
ることができるので、開口率を100%近くまで高める
ことができ、画素サイズが縮小しても、透過型パネルの
ように光利用効率が下がらないというポテンシャルを有
する。
【0008】ここで、反射型の「ポリマーネットワーク
液晶」又は「高分子/液晶複合膜」、「高分子分散液
晶」を製造する場合、反射型基板についてアクティブ素
子を反射電極の下に埋め込んで、該基板と透明電極間に
高分子と液晶とを注入して封止し、その後に紫外線(U
V)を照射して液晶パネルを作製する。
【0009】特に、上記の「高分子分散液晶」の製法に
ついては、特開平5−61016号公報に記載されてい
る。この公報によれば、アクリレート系の紫外線重合性
組成物(光重合開始剤はダロキュア1116、メルク社
製を使用)と液晶組成物(E8、BDH社製)を均一に
溶解し、ITO電極を有するガラスセルに注入後、紫外
線を照射(1mW、500秒)し、高分子分散液晶:P
DLCを作製し、PDLC材料中の液晶組成物の含有量
によって調整した。すなわち、高分子マトリックスと液
晶組成物との合計重量に対し、65〜75重量%の液晶
組成物を用いて、粒径の異なる試料を調整している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
紫外線照射による液晶パネルの作製の場合には、表示む
らが発生することが判明した。特に、平行光線の紫外線
を液晶領域の全面に照射した場合、液晶パネルの中心部
分と周辺部分とに同心円状に反射光量が落ちる現象、す
なわち、透過率が落ちる現象が発生する。また、カラー
3板式の場合には、同心円状に色むらが発生する。この
理由は、ポリマー重合状態の不均一性または液晶粒径の
不均一性のためであり、ポリマー重合反応時の応力によ
ると予測できる。また、別の原因として、ポリマー重合
時、シールの影響がシールからの距離により異なるため
であると予測される。
【0011】また、ある閉じられた面状の領域に存在す
る被重合物質を重合させる場合、重合に必要なエネルギ
ーをいかに均一に面状に供給したとしても、重合反応の
開始が全面均一に行われる確率は極めて低く、重合性物
質の分子レベルでのゆらぎの影響により、少なくとも微
視的には、制御不可能な面内ばらつきが発生する。
【0012】しかも、液晶パネルのように、液晶/プレ
ポリマー混合物が、素子を形成したSi基板、対向ガラ
ス基板、シール剤等それぞれ異なる物質により構成され
たセル内に注入されている場合には、プロセス要因も含
めて重合の進行に影響を与える均一性のばらつき要因は
極めて多く、これらばらつき要因の影響を意識的に小さ
くする手段をとらない限り、重合反応によって形成され
るポリマーネットワーク構造を面内で均一に再現性良く
形成することは極めて困難である。
【0013】本発明は上記事情を鑑み、表示むらがな
く、液晶性材料の安定性を向上させた液晶装置を簡単に
製造することのできる、液晶装置の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、表面に表示領域を形成する透明な第1の基
板と、該第1の基板に対し液晶材料を挟んで対向した第
2の基板と、を有した液晶素子を備えてなる液晶装置の
製造方法において、前記第1及び第2の基板間に液晶材
料を設置する際には、前記第1及び第2の基板間に液晶
材料及びプレポリマー材料を配し、前記第1の基板の表
面より所定の光を照射して前記プレポリマー材料に重合
反応を生じさせ、前記所定の光の照射は、前記表示領域
内で照度分布変化をもたせるように行う、ことを特徴と
する。
【0015】
【発明の実施の形態】[液晶装置の構成]図5は、本発
明による製造方法で製造した液晶装置の構成の一例を示
す平面図である。図5において、51はシール部、52
は電極パッド、53はクロックバッファー回路、54は
アンプである。このアンプ54は、パネル電気検査時の
出力アンプとして使用するものである。55は対向基板
の電位をとるAgペースト部、56は表示部(液晶パネ
ル)、57は水平・垂直シフトレジスタ(HSR、VS
R)等の周辺回路部である。
【0016】図5に示すように、本実施形態では、シー
ル部51の内部にも、外部にも、トータルチップサイズ
(total chip size )が小さくなるように、回路が設け
られている。本実施形態では、電極パッド52の引き出
しをパネルの片辺側の1つに集中させているが、長辺側
の両辺でも又、一辺でなく多辺からのとり出しも可能
で、高速クロックをとり扱うときに有効である。
【0017】さらに、該液晶パネルはSi基板等の半導
体基板を用いているため、プロジェクタのように強力な
光が照射され、基板の側壁にも光があたると、基板電位
が変動し、パネルの誤動作を引き起こす可能性がある。
したがって、パネルの側壁及び、パネル上面の表示領域
の周辺回路部は、遮光できる基板ホルダーとなってお
り、又、Si基板の裏面は、熱伝導率の高い接着剤を介
して熟伝導率の高いCu、Al等のメタルが接続された
ホルダー構造となっている。
【0018】図6は、反射型の液晶パネルの一例として
のアクティブマトリクス基板の液晶パネルの断面図であ
る。この図6は、画素部を示しているが、画素部形成工
程と同時に、画素部のスイッチングトランジスタを駆動
するためのシフトレジスタ等周辺駆動回路も同一基板上
に形成することができる。以下、製造工程に沿って、構
造について説明する。
【0019】不純物濃度が1015cm-3以下であるn形
シリコン半導体基板201を部分熱酸化し、LOCOS
202を形成し、該LOCOS202をマスクとしてボ
ロンをドーズ量1015cm-2程度イオン注入し、不純物
濃度1016cm-3程度のp形不純物領域であるPウエル
203を形成する。この基板201を再度熱酸化し、酸
化膜厚1000オングストローム以下のゲート酸化膜2
04を形成する。
【0020】次に、リンを1020cm-3程度ドープした
n形ポリシリコンからなるゲート電極205を形成した
後、基板201全面にリンをドーズ量1012cm-2程度
イオン注入し、不純物濃度1016cm-3程度のn形不純
物領域であるNLD206を形成し、引き続き、パター
ニングされたフォトレジストをマスクとして、リンをド
ーズ量1015cm-2程度イオン注入し、不純物濃度10
19cm-3程度のソース、ドレイン領域207、207'
を形成する。
【0021】次に、基板201全面に層間膜であるPS
G208を形成した。このPSG208はNSG(Nond
ope Silicate Glass)/BPSG(Boro-Phospho-Silic
ateGlass )やTEOS(Tetraetoxy-Silane )で代替
することも可能である。ソース、ドレイン領域207、
207' の直上のPSG208にコンタクトホールをパ
ターニングし、スパッタリングによりAlを蒸着した後
パターニングし、Al電極209を形成する。このAl
電極209と、ソース、ドレイン領域207、207'
とのオーミックコンタクト特性を向上させるために、T
i/TiN等のバリアメタルを、Al電極209とソー
ス、ドレイン領域207、207' との間に形成するの
が望ましい。
【0022】次に、基板201全面にプラズマSiN2
10を3000オングストローム程度、続いてPSG2
11を10000オングストローム程度成膜する。プラ
ズマSiN210をドライエッチングストッパー層とし
て、PSG211を画素間の分離領域のみを残すように
パターニングし、その後ドレイン領域207' にコンタ
クトしているAl電極209直上にスルーホール212
をドライエッチングによりパターニングする。
【0023】基板201上にスパッタリング、或いはE
B(Electron Beam 、電子線)蒸着により、画素電極2
13を10000オングストローム以上成膜する。この
画素電極213としては、Al、Ti、Ta、W等の金
属膜、或いはこれら金属の化合物膜を用いる。
【0024】次に、画素電極213の表面をCMP(Ch
emical Mechanical Polishing )により研磨する。研磨
量は、PSG211厚を10000オングストローム、
画素電極厚をxオングストロームとした場合、xオング
ストローム以上、x+10000オングストローム未満
である。
【0025】上記の工程により形成されたアクティブマ
トリクス基板は、スペーサ(不図示)を介して対向基板
と貼り合わせ、その間隙に液晶214を注入して液晶素
子(液晶パネル)とする。本実施形態において、対向基
板は透明基板220上に、コントラスト向上のための表
面反射防止層221とITO/液晶間の界面反射を減ら
すための反射防止層222と、ITO等からなる共通電
極223とから構成されている。なお、カラーフィルタ
ー等を形成する場合は、UV光を透過させる材質のもの
を使用すれば特に問題はない。
【0026】[液晶パネルの駆動方法]以下,簡単に本
例の反射型液晶パネル(液晶素子)の駆動方法を説明す
る。基板201にオンチップで形成されたシフトレジス
タ等の周辺回路により、ソース領域207に信号電位を
与え、それと同時にゲート電極205にゲート電位を印
加し、画素のスイッチングトランジスタをオン状態に
し、ドレイン領域207'に信号電荷を供給する。信号
電荷はドレイン領域207' と、Pウエル203との間
に形成されるpn接合の空乏層容量に蓄積され、Al電
極209を介して画素電極213に電位を与える。画素
電極213の電位が所望の電位に達した時点で、ゲート
電極205の印加電位を切り、画素スイッチングトラン
ジスタをオフ状態にする。信号電荷は前述のpn接合容
量部に蓄積されているため、画素電極213の電位は、
次に、画素スイッチングトランジスタが駆動されるまで
固定・維持される。この固定された画素電極213の電
位が、図6に示された基板201と対向基板220との
間に封入された液晶214を駆動する。
【0027】[液晶装置の実施例]図4(a)は本実施
例に係る液晶パネルの平面透視図、図4(b)はその断
面図である。図4において、11はアクティブマトリク
ス基板、12は透明基板の対向ガラス、13はメインシ
ール剤、14はスペーサ材、15は表示領域、16は液
晶の注入ロ、17はポリマーネットワーク液晶層、18
はシール領域13と表示領域15間の領域、19は他方
のシール領域13と表示領域15間の領域である。以
下、各部を詳細に説明する。
【0028】図4において、11は、半導体プロセスを
用いて作製した、表面に液晶反射電極を有するアクティ
ブマトリクス基板である。反射電極はCMP法により平
滑面に研削されて、平面度が高く、可視光に対する反射
率の高いものが好適である。例えば、本例では、電極材
料としてアルミニウムまたは、他の元素(例えばシリコ
ン、銅、チタンなど)を微量(0.5〜3.0%程度)
含むアルミニウムを用いた。液晶層と接する基板表面
は、ほぼ完全に平坦化されているため、液晶厚さの違い
による表示特性のむら、段差があることによる、液晶注
入のむらが解消されるという効果が見られた。
【0029】各画素電極にはスイッチング素子のドレイ
ン部が接続されている。スイッチング素子としては、2
端子デバイスであるMIMスイッチ、Diodeスイッ
チ、3端子の薄膜トランジスタ、バルクシリコンを用い
る単結晶シリコントランジスタなどが好適である。
【0030】また薄膜トランジスタ(TFT)として、
アモルファスシリコントランジスタ、ポリシリコントラ
ンジスタ、SOI(Silicon On Insulator)単結晶トラ
ンジスタなどが知られている。以上いずれのスイッチン
グ素子によっても本発明は可能である。本実施例では、
バルクシリコンを用いた単結晶シリコントランジスタを
用いてスイッチング素子を構成した。
【0031】また、スイッチング素子と反射電極との間
には、入射光を遮光する遮光層(例えば、チタン)が設
けられ、光の入射により素子が誤動作することを防止し
ている。
【0032】さらに上記アクティブマトリクス基板に
は、オンチップで、水平、垂直シフトレジスタをはじめ
とする駆動回路を内蔵しており、多画素、高精細に対応
した高速の信号処理を低コストで実現している。
【0033】なお、本実施例では、反射型のアクティブ
マトリクス基板を用いたが、透過型のアクティブマトリ
クス基板でも可能であり、同様の優れた効果を得ること
ができる。
【0034】また、図4において、12は透明基板の対
向ガラスである。対向ガラスは、厚さ0.5mm〜3.
0mm程度で、平面度が高く、熱膨張がアクティブマト
リクス基板に近いものが望まれる。例えば、本実施例で
は、厚さ1.0mmの無アルカリガラス(NHテクノグ
ラス製:NH−35)を使用した。
【0035】反射型の液晶パネルでは、対向ガラスの表
面反射、および液晶/ガラス界面での界面反射が、コン
トラストの低下要因となる。その対策として、本実施例
では、表面側に反射防止コートを施すとともに、液晶と
の界面側の膜構成にも配慮した。即ち、液晶面に接する
ITO(Indium-Tin-Oxide)透明電極とガラスの間に、
ITO、ガラスより低屈折率の透明膜(例えば、MgF
2 :屈折率n=1.38)を、入射光の波長で極小の反
射となるように膜厚を選んである。
【0036】本液晶パネルは、アクティブマトリクス基
板上にオンチップのカラーフィルターを設けることで単
板のカラー表示装置の部品として使用することができ
る。また、本液晶パネルを3板式の投射型ディスプレイ
として使用する際には、R、G、Bの各色の光波長に合
わせて反射防止をすることが望ましい。
【0037】さらに、13は、対向ガラスとアクティブ
マトリクス基板間の平行距離を保ち、ポリマーネットワ
ーク液晶を封じ込めるメインシール剤である。メインシ
ール剤13としては、熱硬化型樹脂、UV硬化型樹脂、
UV熱硬化併用型樹脂などが用いられる。
【0038】メインシール剤13には、ポリマーネット
ワーク液晶層の厚さをコントロールするためのスペーサ
材14を一様に混ぜ、パネル内で表示特性が均一になる
ように一様な圧力をかけて作製してある。スペーサ材1
4の材質としては、シリカ、樹脂などがある。また、形
状としては、円柱状のもの、球形のものがあるが、いず
れも使用可能である。本実施例では、ギャップを精度よ
く形成するために、下地へのダメージに注意しながら、
シリカ製の球状のスペーサ14を使用した。シール領域
は、表示領域15の外周に、合理的なスペースマージン
をもって形成してある。これはシール近辺の液晶がシー
ルの影響で表示部の中央とは若干特性が異なることによ
り表示むらを防止している。
【0039】さらに、16は、液晶の注入口である。注
入口は、エンドシールにより封止してある。エンドシー
ルとしては、例えばアリル樹脂、変成エポキシ樹脂、エ
ポキシアクリレートなどを用いることができる。
【0040】また、17は、ポリマーネットワーク液晶
層である。ポリマー材料、液晶性材料としては次のもの
を用いている。即ち、プレポリマー材料としては、例え
ば、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等が挙げら
れ、中でも、ポリアクリレートが好適である。また、液
晶性材料としては、例えば、ビフェニル系、フェニルベ
ンゾエート系、フェニルシクロヘキサン系液晶組成物等
を挙げることができる。
【0041】ポリマーネットワーク液晶は、本発明によ
る方法で形成されており、コントラスト、応答速度、ヒ
ステリシス、温度特性、騒動電圧、電圧保持率などの特
性が良好で、しかも、パネル輝度の面内むらを極めて少
なくすることができる。
【0042】上記液晶パネルを用いた、R、G、B用の
3枚のパネルを光学系中に配置することで、高輝度、高
解像、高品質の投射型液晶ディスプレイ(液晶プロジェ
クター)が実現できる。
【0043】図3は、前記液晶パネルをセットした投射
型ディスプレイ装置の概略構成図であり、これにより、
特性を評価している。
【0044】図3において、71はハロゲンランプ等の
光源、72は光源像を絞り込む集光レンズ、73、75
は平面状の凸型フレネルレンズ、74はR、G、Bに分
解する色分解光学素子で、ダイクロイックミラー、回折
格子等が有効である。
【0045】また、76はR、G、B光に分離されたそ
れぞれの光をR、G、Bの3パネルに導くそれぞれのミ
ラー、77は集光ビームを反射型液晶素子に平行光で照
明するための視野レンズ、78は反射型液晶素子(液晶
パネル)、79の位置に絞りがある。80は投射レン
ズ、81はスクリーンで、通常、投射光を平行光へ変換
するフレネルレンズと上下、左右に広視野角として表示
するレンチキュラレンズの2板より構成されると、明瞭
な高コントラストで明るい画像を得ることができる。
【0046】図3の構成では、1色のパネルのみ記載さ
れているが、色分解光学素子74から、絞り部79の間
は、3色それぞれに分離されており、3板パネルが配置
されている。又、反射型液晶パネルの表面にマイクロレ
ンズアレーを設け、異なる入射光を異なる画素領域に照
射させる配置をとることにより、3板のみならず、単板
構成でも可能であることは言うまでもない。液晶素子の
液晶層に電圧が印加され、各画素で正反射した光は、7
9に示す絞り部を透過しスクリーン上に投射される。
【0047】一方、電圧が印加されずに、液晶層が散乱
体となっている時、反射型液晶素子へ入射した光は、等
方的に散乱し、79に示す絞り部の開口を見込む角度の
中の散乱光以外は、投射レンズに入らない。これにより
黒を表示する。
【0048】図3において、投影光学系のF値は8.0
である。光源71より出射した光は液晶パネル78で変
調、反射され、投射レンズ80で拡大されてスクリーン
81に投影される。光源71には250(W)のメタル
ハライドランプを用いて評価したが、表示装置として
は、高圧水銀ランプ、キセノンランプなども無論使用で
きる。出力パワーも上記に限らない。評価は、断りのな
い限りGチャンネルで行っており、中心波長は550
(nm)である。
【0049】また、R、G、Bの3板を用いて、表示装
置を構成するときは、光源光をダイクロイックミラーな
どにより色分解し、各色に対応した液晶パネルを空間的
に配置し、スクリーン上で重ね合うようにすればよい。
【0050】[液晶パネルの製造方法]以下に液晶パネ
ルの製造方法について説明する。
【0051】(1)基板貼り合わせ工程 まず、パネル毎にカットされたアクティブマトリクス基
板とこれに対応する対向ガラスを用意し、両者を異物、
ごみなどが混入しないよう、清浄な環境下で洗浄を行っ
た。洗浄には、界面活性剤の添加された、二酸化炭素パ
ブリングした脱イオン超純水、あるいは、起音波をかけ
ながらの超純水が有効であった。反射電極表面は薬液に
冒されやすいので、場合によっては、表面に極薄い保護
膜を形成しておいてもよい。また、アルミニウムの場
合、何らかの方法で表面に自然酸化膜を形成しておくの
も有効である。超純水で充分リンス後、IPAのペーパ
ー乾燥後に、より充分乾燥させた。
【0052】次に、アクティブマトリクス基板上にスペ
ーサ材14を混ぜた上記メインシール剤13を所望の形
状に塗布した。メインシール剤13としては、UV熱硬
化併用型の協立化学産業製ワールドロック706を使用
した。ポリマーネットワーク分散型の液晶層の厚さは5
μm〜20μmが可能であるが、本例では13μmとし
た。そのために13μmのスペーサ材14を使用した。
【0053】更に、アクティブマトリクス基板と対向ガ
ラス表面のITO透明電極間の導通を取るために銀ペー
ストを所定の位置に塗布した。
【0054】次に、貼り合せ装置で、上記アクティブマ
トリクス基板と対向ガラスを貼り合わせた。貼り合わせ
の際には、基板とほぼ平行に圧力を加え、スペーサ材1
4の径がパネル前面ではぼ液晶厚となるように均等に押
圧した。
【0055】本例で使用したメインシール剤の場合、こ
こでUV光を照射し、メインシール剤を硬化させ、更
に、アフターキュアとして120℃の熱処理を60分間
施し、メインシール剤の硬化を完結させた。UV硬化タ
イプを使用する場合には、この段階でUV光を照射し、
メインシール剤13を硬化する。
【0056】また、熱硬化型の場合は、熱硬化の際の収
縮、膨張により、ギャップ厚が変化しやすい。この対策
として、パネルを適度に押圧しながら熱処理を施すこと
が有効であった。また、メインシール剤に含まれる気
体、揮発性成分を効果的に除去するために、硬化後に、
真空引きして、脱気することも有効である。
【0057】(2)液晶注入工程 貼り合せを終了したセルは、液晶注入工程で液晶注入を
行う。液晶注入は、セル、及び液晶/プレポリマー混合
組成物を入れたシリンジを液晶注入装置内に設置し、セ
ルに設けられた液晶/プレポリマー混合組成物注入用の
注入口に、前記シリンジより、前記液晶/プレポリマー
混合組成物を滴下することによって行う。本例で言う液
晶/プレポリマー混合組成物とは、液晶性成分、プレポ
リマー成分とを均一に混合した溶液を指す。
【0058】また、前述したように、これらの材料とし
ては、まず、プレポリマー材料としては、例えば、ポリ
アクリレート、ポリメタクリレート等が挙げられ、中で
も、ポリアクリレートが好適である。また、液晶性材料
としては、例えば、ビフェニル系、フェニルベンゾエー
ト系、フェニルシクロヘキサン系液晶組成物等を挙げる
ことができる。以下、液晶注入工程を許細に説明する。
【0059】液晶注入装置は、液晶/プレポリマー混合
組成物の脱気処理を行う脱気室セル内部の高真空排気、
および液晶注入を行うセル室から構成される。まず液晶
/プレポリマー混合組成物を、あらかじめ50℃に加熱
したオーブン内で30分間加熱後、1分間攪拌すること
により均一相とした後に、脱気室内の液晶/プレポリマ
ー混合組成物注入用のシリンジに充填する。液晶/プレ
ポリマー混合組成物を充填したシリンジを脱気室内にセ
ットし、次いでセルをセル保持用カセットに設置して、
セル室内の所定の位置にセットする。
【0060】液晶注入装置は、液晶/プレポリマー混合
組成物の脱気、セル内部の高真空排気、セル加熱、セル
室、脱気室内の圧力制御、バルブ開閉、シリンジからセ
ルへの液晶/プレポリマー混合組成物の注入、及び注入
後のセルの大気開放までを全てオートシーケンスで行う
よう設定されている。
【0061】液晶注入工程では、液晶/プレポリマー混
合組成物の成分中、蒸気圧が異なる成分間の蒸発量に差
が生ずることによる液晶/プレポリマー混合組成物の組
成変動を防ぐ為、脱気室の真空度は0.01Torr〜
10Torrの間であることが望ましく、本例では0.
5Torrとした。脱気時間は、1分〜100分である
ことが望ましく、本例では10分とした。 また、セル
室での真空排気の際にはセル内の不純物、ならびにメイ
ンシール剤から発生する微量成分の除去を図るため、セ
ルを加熱することも有効である。室温以上、メインシー
ル剤の分解温度以下での加熱が効果的であるが、本例で
は100℃に加熱した。真空度は10Torr以下で、
高真空、長時間であるほど効果が期待できるが、本例で
は0.001Torrとして1時間行った。
【0062】セルの真空排気終了後には、微量の窒素を
導入することによりセル室内の真空度を下げ、シリンジ
からの液晶注入の際に液晶/プレポリマー混合組成物の
組成の変化をできる限り少なくなるようにした。本例で
は液晶注入時の真空度は0.5Torrとした。
【0063】さらに、シリンジからセルに設けられた注
入口に液晶/プレポリマー混合組成物を滴下する前に
は、必ずダミーディスペンスを行い、シリンジ先端に付
着した組成変化した液晶/プレポリマー混合組成物がセ
ル内部に導入されないようにした。
【0064】液晶/プレポリマー混合組成物の注入は、
セルの注入口に液晶/プレポリマー混合組成物を滴下し
た後、約15分間で完了した。
【0065】本例では、液晶注入方法として、液晶/プ
レポリマー混合組成物をセルの封入口に滴下する方法を
用いた例を示したが、その他、セル室内で液晶/プレポ
リマー混合組成物を入れた容器にセルの封入口を接する
方法、常圧下で注入口に液晶/プレポリマー混合組成物
を滴下する方法、常圧下で液晶/プレポリマー混合組成
物を入れた容器にセルの封入口を接する方法も試みた
が、いずれも注入が正常に行われることを確認した。
【0066】また、本液晶注入工程および後工程である
UV照射工程で、UV照射を行うまでの間は、液晶/プ
レポリマー混合組成物およびセルの温度が、液晶/プレ
ポリマー混合組成物の相分離温度以下にならないよう注
意しなければならない。もし、相分離温度以下になった
場合には、後で形成されるポリマーネットワーク構造が
正常に形成できず、表示特性の劣化の原因となる。
【0067】さらに液晶注入後、後述する液晶パネルの
セル表面へのUV照射を行うまでは、液晶/プレポリマ
ー混合組成物に対するUV光の照射、温度の上昇、経過
時間等、重合反応を促進させる要因は極力除く必要があ
る。
【0068】(3)光照射工程 液晶パネルのセル表面に付着した液晶/プレポリマー混
合組成物、異物等の清掃を終えた後、セル表面へのUV
照射を行う。セル表面へのUV照射は、セル内に注入さ
れた液晶/プレポリマー混合組成物に感光波長領域のU
V光を照射することによってプレポリマー成分を重合さ
せると同時に液晶性成分とプレポリマー成分間の相分離
を進行させ、セル内部にUV硬化性樹脂及び液晶性成分
からなるポリマーネットワーク構造を形成させるために
行う。
【0069】このUV照射の際のパラメーターとして
は、UV照射方法(1段階照射、2段階照射など)、U
V波長、UV照射、UV照射時間、UV照射時セル温
度、2段階照射時のl段階照射と2段階照射の間の放置
時間及び放置環境等がある。
【0070】本例では、UV照射の際に液晶パネル面へ
のUV照度分布を様々に変化させて表示特性との関係を
検討した。
【0071】本例で用いたUV照射装置には、光源とし
て4kWの超高圧水銀灯を用いた。以下、UV照射装置
の構成を説明する。図1は、液晶パネル表面の所望の領
域に所望の照度分布を設けてUV照射を行なうためのU
V照射装置の概略構成図である。図1において、1はU
V光源、2はフライズアイレンズ、3はコールドミラ
ー、4はコンデンサレンズ、5は350nm以下のカッ
トフィルタ、6はグラデーションフィルタ、7は液晶パ
ネル、8は温度調整機能付きステージである。カットフ
ィルタ5は、液晶/プレポリマー混合組成物およびUV
照射後に形成されるポリマーネットワーク構造の構成物
の分解を防ぐために350nm以下の短波長UVをカッ
トするためのものである。
【0072】UV照射時のセル温度は19.0℃とし
た。セルの温度制御は、セルを温度調整機能付きステー
ジ8(TRIO−TECH社製サーマルチャック:TC
2800)上に設置することによって行い、セル温度の
モニタリングは前記温度調整機能付きステージ8上に直
接熱電対を接触させて行った。前記温度調整機能付きス
テージ8の温度の経時安定性は±0.2℃以内であっ
た。
【0073】グラデーションフィルタ6のUV光の透過
率分布は、後述するようにフィルターなしの場合に現れ
る表示むらの分布を定量的に測定した結果から設計する
ことができ、液晶パネルの面内の所望の位置に所望のU
V照度を与えることができるよう設計製作されている。
【0074】セル表面にUV照射を行なうと、数秒間で
液晶材料が相分離重合し、UV照射前は、透明であった
セル内部がUV照射によって形成されたポリマーネット
ワーク構造により乳白色となった。
【0075】UV照射を2段階で行う場合には、引き続
き、照度設定、照射時間設定を変更して2段階目のUV
照射を行った。2段階日のUV照射は、セル表面への全
面一括照射によって行った。
【0076】(4)エンドシール工程 UV照射を行ったセルは、液晶注入口のエンドシールを
行った。エンドシール剤としては、(株)スリーボンド
製UV硬化型エポキシアクリレ−ト樹脂30Y−195
Bを用いた。セルの液晶注入口にエンドシール剤を塗布
し、セルの液晶表示部の遮光を行った後、エンドシール
剤にUV照射を行いUV硬化させることによりエンドシ
ールを完了した。エンドシール剤としては、他に積水フ
ァインケミカル(株)製UV硬化型アリル樹脂A70
4、協立化学産業(株)製等も用いることができた。
【0077】次いで、セル表面に付着した異物を除去し
た後、セルを光学系組み込み用ホルダーに貼り付け、さ
らに画像信号を伝達するためにホルダー上へのフレキシ
ブルプリント基板の接続及びワイヤーボンディングを用
いたアクティブマトリクス基板の電極パッドとフレキシ
ブルプリント基板との接続を行うことにより液晶パネル
を形成することができた。
【0078】(5)UV照射条件 液晶パネルに照射するUV光束に照度分布をもたせる必
要があるが、その方法として本例ではUV光の透過率が
連続的に変化するグラデーションフィルタ6を液晶パネ
ル表面に設置し、液晶パネルに入射するUV光束に照度
分布を設ける場合について説明する。
【0079】図2はグラデーションフィルタを上面から
見た場合の模式図である。図2中、10は遮光部分を、
9はグラデーションフィルタ6の下部に置かれる液晶パ
ネルの形状を、Aは液晶パネル中央部分に対応するUV
透過率の低い部分、Bは液晶パネル外周部に対応するU
V透過率の低い部分をそれぞれ示す。
【0080】本例では液晶パネル面内のUV照度を30
〜100mW/cm2 の範囲で様々に変化させて生じる
輝度むらとの関係について検討をおこなったが、本例で
用いたパネル構成の場合、液晶パネル中央部におけるU
V照度が50mW/cm2 、液晶パネルの中心部と外周
部の中間領域におけるUV照度が80mW/cm2 、液
晶パネルの外周部のUV照度が60mW/cm2 となる
ようにグラデーションフィルタ6の透過率分布を設計製
作してUV照射を行なった場合が最も面内輝度むらを減
少させることができた。
【0081】UV照射時間は5秒に設定し、5秒の照射
が終了した後、引続きグラデーションフィルタ6なしで
液晶パネル全面に均一に5mW/cm2 、400秒のU
V照射を行なった。このようにして得られた液晶パネル
の反射率対電圧特性(以下V−R特性と略す)は面内分
布が著しく改善され、パネル面内の輝度むらが±5%、
表示むらが実用上問題のない程度に減少した。また、コ
ントラスト比、ヒステリシス、応答速度についても従来
と比較して同等以上の良好な値であった。
【0082】また、この液晶パネルをR、G、Bの各パ
ネルごとにUV照射条件を最適化して作製し、3板式の
プロジェクターにセットしたところ色むらの面内分布が
大幅に改善され画像の品位が大きく向上した。
【0083】一方、液晶パネルヘのUV照射の際にグラ
デーションフィルタを用いず全面均一にUV照射を行な
った場合には、最終的に形成されたパネルの表示領域全
面に同一電圧を印加した場合も液晶パネル中央部および
外周部に輝度の低い領域が発生し、パネル面内の輝度む
らが±15%以上となった。この輝度の低い領域のV−
R特性を他の領域の特性と比較するとV−R特性をあら
わす曲線が高電圧方向にシフトしており、そのため、同
一電圧を印加しているにもかかわらず反射率が低くなっ
ていることが判明した。一方、ポリマーネットワーク型
液晶を形成する際のUV照射条件とV−R特性との関係
について本発明者が得た知見によると、ある照度領域に
おいてUV照度とV−R特性との間には相関があり、U
V照度が高くなるに従ってV−R特性は高電圧方向にシ
フトすることが判明している。本発明はこれらの知見を
元に液晶パネル内に生じる面内輝度むらを効果的に補正
する方法について鋭意検討を重ね得られたものである。
【0084】そもそも液晶パネルに均一にUV照射を行
なったにも拘らず輝度むらが生ずる原因としては、パ
ネル内部の環境の不均一性(外周部のシール剤の存在、
液晶注入方向の問題、封口剤の存在、パネル内部の付着
物の問題、等)、前記によって起こる重合反応の開
始、進行の面内バラツキに起因する重合の際の体積変化
による歪みの面内分布の発生、等が考えられるがこれら
の原因は化学反応の反応性に関わっているため、完全に
押え込むことは困難であった。しかし、本発明によれば
予め発生する輝度むら(すなわちV−R特性の面内バラ
ツキ)を、V−R特性が低電圧シフトしている部分につ
いてはUV照射の際のUV照度を増やし、高電圧シフト
している部分についてはUV照射の際のUV照度を減ら
すことによって補正し、結果として面内輝度むらの極め
て少ない表示特性を得ることができた。
【0085】本例では所望の照度分布を得るための方法
としてグラデーションフィルタ6を用いる方法について
述べたが、このようなフィルタとしては液晶パネル面に
結像しないよう設計された遮光性の微細パターンの集合
体に開口率分布を持たせたマスクを代りにすることによ
っても所望の照度分布を得られることを確認した。この
マスクを用いる方法によれば、ほぼ設計値通りの照度分
布が得られ、輝度むらの補正に極めて効果的であること
が確認されている。
【0086】また、本例では光照射としてUV光照射の
場合について説明したが、照射光はUV光に限られるも
のでは無く、プレポリマー材料に含まれる光重合開始剤
が重合反応を開始しうる波長領域の光であればよい。
【0087】なお、反射型液晶パネルの製造プロセスに
ついて詳述したが、本発明は高分子分散型液晶を用いた
透過型液晶素子を有する液晶装置の製造プロセスでも同
様な効果を発揮することは言うまでもない。
【0088】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、基板の表
示領域に照射する光に照度分布変化をもたせたことによ
り、表示輝度むらや、色むらを改善することができ、液
晶素子の表示特性を大幅に改善することができる。
【0089】また、光照射を複数回に分けて行なうとす
ると、第1回の光照射の際に照度分布を設けた照射を行
なうことによりポリマーネットワーク液晶形成の際のネ
ットワーク形成過程を制御すると共に、第2回以降の光
照射で残留モノマーの重合反応過程を独立に制御できる
ため、ポリマーネットワーク液晶の特性を総合的に最適
化することが可能となる。
【0090】このため、本発明によればコントラスト
比、応答速度、ヒステリシス等の特性を良好に保ちつ
つ、表示輝度むらの少ない特性を得られる。しかも、残
留モノマーの除去を効果的に行なえるために安定性、信
頼性にも優れた特性を備えている等、表示装置としての
総合的な画質向上が実現できる。
【0091】また、仮にどのような輝度むらが発生した
場合であっても、この輝度分布を知定し輝度むらをキャ
ンセルするようにポリマーネットワーク形成時の光照射
の際の照度分布を最適化することによって、次回からは
輝度むらをきわめて小さく抑えることができる。つま
り、発生した輝度むらに対して極めて柔軟に対処するこ
とができる。
【0092】また、ポリマーネットワーク形成時の光照
射の際には、基板の表面に透過率分布を持ったフィルタ
ー、またはマスクを設けるだけで実施可能であるため、
工程面、製造装置面での負荷が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶装置の製造方法に適用可能な光照
射装置の一例を示す模式図。
【図2】本発明の液晶装置の製造方法に適用可能なグラ
デーションフィルタの模式図。
【図3】液晶プロジェクターの一例を示す摸式図。
【図4】液晶装置の一例を示す平面図及び断面図。
【図5】周辺回路部を含む液晶パネルの平面図。
【図6】駆動回路の半導体装置を示す液晶素子の断面
図。
【符号の説明】
1 光源 2 フライズアイレンズ 3 コールドミラー 4 コンデンサレンズ 5 光学フィルタ 6 グラデーションフィルタ 7 液晶パネル 8 温度調整機能付きステージ 9 液晶パネルの外寸 1O 遮光部分 11 アクティブマトリクス基板 12 透明基板の対向ガラス 13 メインシール剤 14 スペーサ材 15 表示領域 16 液晶の注入ロ 17 ポリマーネットワーク分散型の液晶層 18 シール領域13と表示領域15間の領域 19 他方のシール領域13と表示領域15間の領
域 A グラデーションフィルタ中央部の透過率低下
部分 B グラデーションフィルタ外部部の透過率低下
部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 HA40 JA04 KA08 KA15 LA07 LA19 MA01X NA24 QA11 QA12 QA15 QA16 TA04 TA09 UA05 5C094 AA03 AA43 BA43 DA07 DA12 5G435 AA01 AA17 BB12 FF00 HH20 KK05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に表示領域を形成する透明な第1の
    基板と、該第1の基板に対し液晶材料を挟んで対向した
    第2の基板と、を有した液晶素子を備えてなる液晶装置
    の製造方法において、 前記第1及び第2の基板間に液晶材料を設置する際に
    は、 前記第1及び第2の基板間に液晶材料及びプレポリマー
    材料を配し、 前記第1の基板の表面より所定の光を照射して前記プレ
    ポリマー材料に重合反応を生じさせ、 前記所定の光の照射は、前記表示領域内で照度分布変化
    をもたせるように行う、ことを特徴とする液晶装置の製
    造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003090995A (ja) * 2001-09-17 2003-03-28 Seiko Instruments Inc 液晶表示装置の製造方法
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US9891454B2 (en) 2011-12-29 2018-02-13 Cardinal Ig Company Multiple glazing with variable diffusion by liquid crystals and method of manufacture thereof
US11231604B2 (en) 2019-02-20 2022-01-25 Jvckenwood Corporation Manufacturing apparatus and manufacturing method of liquid crystal device

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