JP2001090788A - 高負荷伝動用vベルト - Google Patents

高負荷伝動用vベルト

Info

Publication number
JP2001090788A
JP2001090788A JP26811199A JP26811199A JP2001090788A JP 2001090788 A JP2001090788 A JP 2001090788A JP 26811199 A JP26811199 A JP 26811199A JP 26811199 A JP26811199 A JP 26811199A JP 2001090788 A JP2001090788 A JP 2001090788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
block
fitting
blocks
load transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26811199A
Other languages
English (en)
Inventor
Keizo Nonaka
敬三 野中
Mitsuhiko Takahashi
光彦 高橋
Hiroyuki Sakanaka
宏行 坂中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP26811199A priority Critical patent/JP2001090788A/ja
Publication of JP2001090788A publication Critical patent/JP2001090788A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Pulleys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小プーリへの巻付きが容易で、耐久性に優
れ、しかも低騒音で騒音の経時変化を少なくする。 【解決手段】 多数のブロック7の下向き嵌合凸部10
を張力帯1の上向き嵌合凹部4に、上向き嵌合凸部11
を張力帯1の下向き嵌合凹部5にそれぞれ嵌合させて、
各ブロック7を張力帯1にベルト長手方向全長に亘って
所定ピッチで並設する際、各ブロック7を平面視で両隣
のブロック7にオーバーラップするようにベルト長手方
向に傾斜姿勢にする。各ブロック7の下向き嵌合凸部1
0及び上向き嵌合凸部11をベルト長手方向に対して垂
直な同一線Y上に位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ブロックVベル
トと呼ばれる高負荷伝動用Vベルトの改良に関し、特に
低騒音化及び耐久信頼牲の向上対策に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンバインやトラクタ等の農業用機械及
び自動車等の変速装置として、変速時の操作性の向上や
燃費の改善等を図る観点から、ベルト式無段変速装置の
開発が進められている。このベルト式無段変速装置は、
駆動軸及び従動軸の各々に溝間隔が可変なプーリを取り
付けるとともに、この2個のプーリ間にVベルトを巻き
掛け、上記各プーリの溝間隔を調整して回転ピッチを変
化させることで無段階に変速するように構成されてい
る。
【0003】このようなVベルトとして、例えば図6
(a)〜(c)に示すように、ベルト幅方向両側部に嵌
合溝101及びプーリのベルト溝側部と摺接する摺接部
102を有する多数のブロック103と、この各ブロッ
ク103が上記嵌合溝101を圧入嵌合により組み付け
られるエンドレスの一対のゴム製張力帯104とで構成
された,いわゆるブロックVベルト100と呼ばれる高
負荷伝動用Vベルトが知られている(例えば特開平9―
25999号公報参照)。
【0004】このブロックVベルト100では、ブロッ
ク103を張力帯104に組み付ける際、ブロック10
3の上ビーム105下面に形成された下向き嵌合凸部1
06を張力帯104の上面に形成された上向き嵌合凹部
107に嵌合させるとともに、ブロック103の下ビー
ム108上面に形成された上向き嵌合凸部109を張力
帯104の下面に形成された下向き嵌合凹部110に嵌
合させている。また、上記ブロック103の摺接部10
2の側面角度βは、プーリのベルト溝側部のなす角度に
対応して設定されている。
【0005】なお、111は張力帯104に埋設されて
いる心線、112は上ビーム105と下ビーム108と
を連結するセンタピラーである。また、113はセンタ
ピラー112のベルト進行方向側の面に形成された係合
突起、114はセンタピラー112のベルト進行方向と
反対側の面に形成された係合凹部であり、隣り合うブロ
ック103の係合突起113と係合凹部114とを係合
させることでブロック103が位置ずれしないようにし
ている。
【0006】このようなブロックVベルト100は、プ
ーリの側圧を各ブロック103で受けるとともに、動力
伝達を張力帯104で行うようになされており、従来の
ゴムVベルトに比べて屈曲性が良く、高側圧に耐え得る
ようにすることが可能であり、また、金属Vベルトに比
べて軽量化が図れて潤滑が不要になるとともに、騒音が
少ない等の多くの利点を有している。
【0007】そして、上述の如きブロックVベルト10
0では、ブロック103を張力帯104に圧入して締め
付ける,いわゆる初期締代Sは、 S=t2−t1>0 t1:ブロックの嵌合凸部間の距離 t2:フリー状態における張力帯の嵌合凹部間の距離 に設定されている。これにより、ベルト走行後の張力帯
104とブロック103との間のガタを必要な水準に保
ち、騒音上昇、ブロック103の摩耗及び心線111の
疲労等を抑制している。
【0008】また、ブロック103を張力帯104に圧
入して組み付けた状態で、張力帯104を摺接部102
から100μm程度突出させている。この突出量,いわ
ゆる出代dがあることで、ベルト走行状態でブロック1
03のプーリへの進入衝撃を緩和し、ブロックVベルト
100の低騒音化を効果的なものにしている。
【0009】このようなブロックVベルト100におい
ては、従来より、低騒音化及び耐久信頼性等を目的とし
て下記の如く種々の対策が講じられている。
【0010】(1) 張力帯104の出代dの効果を長
時間走行後も維持するために、出代dを大きくかつ張力
帯104を構成するゴムの弾性率を上げたり(実開平5
−17517号公報参照)、あるいはブロック103の
嵌合溝101に対する張力帯104の奥突当て角度αを
最適化したり(特願平10−290829号明細書及び
図面参照)、さらには初期締代Sと出代dの最適化や張
力帯104のプーリ接触面をバフ加工してベルト発熱を
抑制することで、出代dの走行経時変化を極力押さえ
る。
【0011】(2) ブロック103の張力帯104へ
の組付けピッチpを一定にしたままで、プーリ進入部の
エッジを面取りしたブロック103を、面取りをしてい
ないブロック103にランダムに混入してブロック10
3がプーリに進入するピッチをランダムにし、ピッチ音
を分散させて低騒音化を図る(実開昭62−96146
号公報及び特開平7−305745号公報参照)。
【0012】(3) 同一形状のブロック103を張力
帯104に組付けピッチpを異ならせてランダムに組み
付け、ピッチ音を分散させて低騒音化を図る。
【0013】(4) 上ビーム105と下ビーム108
をベルト長手方向にずらせて構成し、ピッチ音を分散さ
せて低騒音化を図る。
【0014】(5) ブロック103をベルト進行方向
に傾斜させることで、ブロック103がプーリから脱出
する際、上ビーム105を下ビーム108よりも一足早
く脱出させ、これにより、ブロック103を下ビーム1
08を支点に回動させて起き上がらせ、ブロック103
がプーリから脱出する時の逆ゾリ現象を解消して耐久性
の向上及び騒音の発生を防止する(特開昭61−103
027号公報)。この公報には、上記とは逆に、ブロッ
ク103をベルト進行方向と反対向きに傾斜させること
で、上記と同様の効果を得ることができることも開示さ
れている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の
(1)のブロックVベルト100では、張力帯104の
出代dは、ベルト走行初期段階(500時間耐久におけ
る数十から数百時間)においてはあまり減少せず、それ
なりに騒音は小さくなっているが、走行時間が長くなる
につれて徐々に大きく減少し、ブロック103のプーリ
進入緩衝効果が限界になると、ブロック103のプーリ
進入又は脱出時にピッチ音が発生する。特に、ブロック
103は張力帯104に垂直姿勢になっていてプーリに
一気に進入したり、プーリから一気に脱出するため、ピ
ッチ音が大きくなる。
【0016】(2)のブロックVベルト100では、ブ
ロック103のプーリ進入部のエッジを面取りすると、
ブロック103がプーリ面圧を受ける樹脂面は補強材が
存在する位置となるため、ブロック103のピッチ音は
大きく分散されず、また、ブロック103のプーリ接触
面積が小さくなってブロック樹脂の摩耗、樹脂欠けを引
き起こすことがある。さらに、異種形状のブロック10
3を異なる金型で成形する必要が生じ、異種形状のブロ
ック103間において、ブロック103の嵌合隙間、ブ
ロックピッチ幅w、ブロック角度γにバラツキが生じる
と、前述の初期締代S、出代dが1本のブロックVベル
ト100内でばらつくことになり、ブロック103に掛
かるプーリからの面圧が不均一になって耐久信頼性に支
障を起こすことも考えられる。
【0017】(3)のブロックVベルト100では、ブ
ロック103が小さなピッチ(例えば3mm)と大きな
ピッチ(例えば3.3mm)で組み付けられる結果、ベ
ルト走行状態でプーリから受けるブロック面圧が不均一
になり、高負荷で使用する場合、大きなピッチが累積さ
れる個所でブロック103が破損するとか、プーリ通過
時の多角形現象で心線の疲労が促進される等の問題があ
る。また、ブロック103を張力帯104にランダムに
組み付けるためには、張力帯104の金型の製作、ブロ
ック103をどのように組み付けるか等の生産技術上の
困難さがある。
【0018】(4)のブロックVベルト100では、低
騒音化に関してかなりの成果を上げることができるが、
ベルト走行初期と走行後での騒音レベルの経時変化が大
きく、この経時変化をできるだけ小さくすることが課題
として残った。
【0019】(5)のブロックVベルト100では、ブ
ロック103をベルト進行方向に傾斜させているため、
図7に示すように、下向き嵌合凸部106の中心と上向
き嵌合凸部109の中心とを結ぶ直線が張力帯104に
対してベルト進行方向に前下がりに傾斜しているため、
下向き嵌合凸部106及び上向き嵌合凸部109がベル
ト進行方向に位置ずれし、上下の嵌合位置が前後にずれ
ている。このような嵌合関係のブロックVベルト100
では、ブロックVベルト100が小さなプーリに巻き付
いた時、次のように問題が生ずる。つまり、ブロック1
03の上向き嵌合凸部109は張力帯104の下向き嵌
合凹部110によって圧縮されて固定され、これによ
り、ブロック103の下向き嵌合凸部106も張力帯1
04の上向き嵌合凹部107によって圧縮されて固定さ
れる。この状態において、ブロックVベルト100がプ
ーリに巻き付くと、心線111(張力帯104)が実線
の状態から仮想線の状態へと変形し、これに伴い、ブロ
ック103の下向き嵌合凸部106が実線の状態から仮
想線の状態へと移動しようとするが、上述の如く下向き
嵌合凸部106が実線の状態に止まっているので、その
ギャップg分に相当する変形が張力帯104に生ずる。
実際には、ブロック103が捻れてそのギャップgに相
当する張力帯104の変形を吸収することになるが、曲
率半径の小さいプーリでは上記張力帯104の変形を十
分に吸収することができず、ブロックVベルト100が
曲がり難くなってベルト走行に支障を来すことが考えら
れる。
【0020】この発明はかかる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、小プーリへの巻付
きが容易で、耐久性に優れ、しかも低騒音で騒音の経時
変化の少ない高負荷伝動Vベルトを提供することであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、上記の従来例の(5)のようにブロッ
クを斜めに配置することとし、加えて、ブロックと張力
帯との嵌合の仕方を工夫したことを特徴とする。
【0022】具体的には、この発明は、下向き嵌合凸部
を上ビーム下面に、上向き嵌合凸部を下ビーム上面にそ
れぞれ有する多数のブロックと、上向き嵌合凹部を上面
に、下向き嵌合凹部を下面にそれぞれ有するエンドレス
の張力帯とを備え、上記下向き嵌合凸部を上向き嵌合凹
部に、上記上向き嵌合凸部を下向き嵌合凹部にそれぞれ
嵌合させることで、上記各ブロックが張力帯にベルト長
手方向全長に亘って所定ピッチで並設された高負荷伝動
用Vベルトを対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0023】すなわち、請求項1に記載の発明は、上記
各ブロックは、平面視で両隣のブロックにオーバーラッ
プするようにベルト長手方向に傾斜姿勢で並設され、か
つ上記下向き嵌合凸部及び上向き嵌合凸部は、ベルト長
手方向に対して垂直な同一線上に位置していることを特
徴とする。
【0024】上記の構成により、請求項1に記載の発明
では、ブロックの下向き嵌合凸部と上向き嵌合凸部とが
ベルト長手方向に対して垂直な同一線上に位置している
ことから、張力帯の上側部分には曲げ拘束力がそれほど
作用せず、小プーリであってもブロックVベルトが容易
に巻き付けられ、ベルト走行に支障を来すことがない。
また、ブロックの傾斜配置によりブロックの逆ゾリ現象
が解消され、耐久性が向上するとともに低騒音化が達成
される。さらに、各ブロックが平面視で両隣のブロック
にオーバーラップしていることにより、ブロックは個々
に独立しているにもかかわらず、途切れることなく連続
してプーリに斜めに進入したりプーリから退出してプー
リからの面圧付与が徐々に行われ、しかも面圧が乱れず
均一になり、ブロックのプーリ進入・退出時におけるピ
ッチ音の発生が著しく低減されるとともに、耐久信頼性
が向上する。加えて、上述の如き構成で目的を達成する
ことができるので、従来例の如きランダムピッチといっ
たベルト生産上困難さを伴う手段を採らなくてもよい。
【0025】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、各ブロックの傾斜姿勢は、下向き嵌合
凸部の中心と上向き嵌合凸部の中心とを結ぶ直線がブロ
ックの上下両端でその厚み幅内を通る範囲で設定されて
いることを特徴とする。
【0026】上記の構成により、請求項2に記載の発明
では、ブロックを成形する金型のパーティングライン
は、下向き嵌合凸部の中心と上向き嵌合凸部の中心とを
結ぶ直線上に設定されるが、このようにしても、金型の
キャビティにアンダーカット部が生じず、成形されたブ
ロックが支障なく金型から脱型できる。
【0027】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、各ブロックは、補強材を樹脂層に埋設
して構成され、上記補強材は、ブロックの厚み方向中心
からベルト進行方向に偏在していることを特徴とする。
【0028】上記の構成により、請求項3に記載の発明
では、プーリとの接触により最初に衝撃を受ける領域近
くに補強材が配置されるので、ブロックの耐久性が増
す。
【0029】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、各ブロックの少なくとも下ビームに
は、隣り合うブロックの下ビームとの間に隙間が形成さ
れるようビーム先端に行くに従って縮小するテーパ面が
形成されていることを特徴とする。
【0030】上記の構成により、請求項4に記載の発明
では、隣り合うブロックの下ビーム間に隙間があること
で、ブロックVベルトの曲がりが可能になり、走行時、
プーリに対する各ブロックの進入・脱出が可能になる。
また、各ブロックの上ビームと下ビームの両方にビーム
先端に行くに従って縮小するテーパ面を形成すること
で、逆曲げ可能なブロックVベルトが得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づいて説明する。
【0032】図1〜3はこの発明の一実施形態に係る高
負荷伝動用VベルトであるブロックVベルトAを示す。
なお、図2では張力帯を省略している。図1〜3におい
て、1はエンドレスの左右一対の張力帯であって、この
各張力帯1は保形ゴム層2を備えてなり、この保形ゴム
層2の内部には、心線3がベルト長手方向にスパイラル
にかつ平行に埋設されている。
【0033】上記保形ゴム層2の上面には、ベルト幅方
向に延びる多数の上向き嵌合凹溝4がベルト長手方向全
長に亘って所定ピッチで並設されているとともに、下面
にもベルト幅方向に延びる多数の下向き嵌合凹溝5が上
記上向き嵌合凹溝4に対応してベルト長手方向全長に亘
って所定ピッチで並設されている。上記各上向き嵌合凹
溝4は半円形の断面形状であり、上記各下向き嵌合凹溝
5は緩やかに凹状に湾曲した断面形状であり、上記保形
ゴム層2の上下両面には帆布6が一体に被着されてい
る。
【0034】上記両張力帯1には、略「H」形に形成さ
れた多数のブロック7がベルト長手方向全長に亘って所
定ピッチで並設されている。この各ブロック7は上側ビ
ーム7aと下側ビーム7bとをセンタピラー7cで一体
に連結して構成され、上記上側ビーム7aと下側ビーム
7bとの間に嵌合溝8が「コ」の字形に形成され、この
両嵌合溝8を上記各張力帯1に圧入嵌合するようになっ
ている。そして、各ブロック7のベルト幅方向両側部、
つまり上側ビーム7a及び下側ビーム7bの各々の端面
をプーリ(図示せず)のベルト溝側部に摺接する摺接部
9としている。上記各ブロック7のセンタピラー7cの
一方側中央には係合突起7dが突設されているととも
に、他方側中央には係合凹部7eが形成され、多数のブ
ロック7を並設した状態で隣り合う一方のブロック7の
係合突起7dを他方のブロック7の係合凹部7eに係合
させ、使用に際しては係合突起7dがベルト進行方向と
なる側に向くようにして各ブロック7が位置ずれしない
ようにしている。
【0035】上記各嵌合溝8上面である上側ビーム7a
下面には、張力帯1の各上向き嵌合凹溝4に圧入嵌合す
るベルト幅方向に延びる下向き嵌合凸部10が下向きに
突出して形成されているとともに、各嵌合溝8下面であ
る下側ビーム7b上面にも張力帯1の各下向き嵌合凹溝
5に圧入嵌合するベルト幅方向に延びる上向き嵌合凸部
11が上記下向き嵌合凸部10に対応して上向きに突出
して形成されている。上記下向き嵌合凸部10は上記張
力帯1の各上向き嵌合凹溝4に対応して半円形の断面形
状であり、上記上向き嵌合凸部11は上記張力帯1の各
下向き嵌合凹溝5に対応して緩やかに凸状に湾曲した断
面形状になっている。そして、上記各ブロック7の嵌合
溝8を張力帯1に嵌合させて各ブロック7の下向き嵌合
凸部10を各張力帯1の上向き嵌合凹溝4に圧入嵌合さ
せるとともに、各ブロック7の上向き嵌合凸部11を各
張力帯1の下向き嵌合凹溝5に圧入嵌合させることによ
り、各ブロック7を張力帯1に組み付けてベルト長手方
向全長に亘って所定ピッチで並設するようになってい
る。この嵌合並設状態で、上記各張力帯1は各ブロック
7の摺接部9から所定寸法(100μm程度)だけ側方
に突出してブロック7のプーリへの進入衝撃を緩和する
出代を構成しており、この出代はベルト走行時にプーリ
のベルト溝側部に圧接して実質的に両側の摺接部9と面
一になされる。
【0036】この発明の特徴として、上記各ブロック7
は、平面視で両隣のブロック7にオーバーラップ(その
領域を図2(b)にハッチングを付して示す)するよう
にベルト長手方向であるベルト進行方向に所定の傾斜角
度θで傾斜した前傾姿勢で並設され、かつ上記下向き嵌
合凸部10及び上向き嵌合凸部11は、ベルト長手方向
Xに対して垂直な同一線Y上に位置している。そして、
上記各ブロック7の傾斜姿勢は、下向き嵌合凸部10の
中心と上向き嵌合凸部11の中心とを結ぶ直線(ベルト
長手方向Xに対して垂直な同一線Y)がブロック7の上
下両端でその厚み幅内を通る範囲で設定されている。
【0037】このように、ブロック7の下向き嵌合凸部
10と上向き嵌合凸部11とをベルト長手方向に対して
垂直な同一線Y上に位置させているので、張力帯1の上
側部分に過大な曲げ拘束力を作用しないようにすること
ができ、ブロックVベルトAを小プーリに容易に巻き付
けることができ、ベルト走行に支障を来さないようにす
ることができる。
【0038】また、ブロック7を傾斜配置することでブ
ロック7の逆ゾリ現象を解消でき、耐久性を向上させる
ことができるとともに低騒音化を達成することができ
る。つまり、ブロック7がプーリから脱出する際、上ビ
ーム7aが下ビーム7bよりも一足早く脱出し、ブロッ
ク103が下ビーム7bを支点に回動することで起き上
がって逆ゾリしないのである。
【0039】さらに、各ブロック7を平面視で両隣のブ
ロック7にオーバーラップさせているので、個々に独立
したブロック7を途切れることなく連続してプーリに対
して斜めに進入・退出させることができ、プーリからの
面圧付与を徐々に行い得、しかも面圧を乱れることなく
均一化させることができ、ブロック7のプーリ進入・退
出時にピッチ音がほとんど発生しないようにすることが
できるとともに、耐久信頼性をも獲得することができ
る。
【0040】加えて、上述の如き構成で目的を達成する
ことができるので、従来例の如きランダムピッチといっ
たベルト生産上困難さを伴う手段を採らなくて済む。
【0041】さらにまた、各ブロック7の傾斜姿勢を下
向き嵌合凸部10の中心と上向き嵌合凸部11の中心と
を結ぶ直線(ベルト長手方向Xに対して垂直な同一線
Y)がブロック7の上下両端でその厚み幅内を通る範囲
で設定しているので、ブロック7を成形する金型のパー
ティングラインを下向き嵌合凸部10の中心と上向き嵌
合凸部11の中心とを結ぶ直線(ベルト長手方向Xに対
して垂直な同一線Y)上に設定しても、金型のキャビテ
ィにアンダーカット部が生じず、成形されたブロック7
を支障なく金型から脱型することができる。
【0042】上記各ブロック7の下ビーム7bには、隣
り合うブロック7の下ビーム7bとの間に隙間が形成さ
れるようビーム先端に行くに従って縮小するテーパ面が
形成されている。これにより、ブロックVベルトAがプ
ーリを通過する際、各ブロック7が隣のブロック7との
間の隙間内で曲がり、ブロックVベルトAをプーリに対
して進入・脱出させて走行させることができる。なお、
図4に示すように、上ビーム7aにも、隣り合うブロッ
ク7の上ビーム7aとの間に隙間が形成されるようビー
ム先端に行くに従って縮小するテーパ面を形成すれば、
逆曲げ可能なブロックVベルトAとすることができる。
【0043】上記各ブロック7は、例えばアルミニウム
又はアルミニウム合金製の略「H」形に形成された補強
材12を備えてなり、この補強材12の表面全体には、
フェノール系複合材料等の樹脂で被覆されて樹脂層13
が積層されている。上記補強材12は、ブロック7の厚
み方向中心からベルト進行方向に偏在しており、かつ上
記張力帯1に対しブロック7と同様に所定の傾斜角度θ
で傾斜してブロック7中に埋設されている。したがっ
て、上述の如き位置関係により、ブロック7の係合突起
7dが補強材12に近くて樹脂層13の薄い箇所に形成
されているとともに、係合凹部7eが補強材12から遠
くて樹脂層13の厚い箇所に形成されている。
【0044】これにより、補強材1は、プーリとの接触
により最初に衝撃を受ける領域であるベルト進行方向側
の面近くに配置されてブロック7の耐久性を増大させる
ことができる。
【0045】また、ブロック7のほぼ全体は補強材12
で占められており、当然、補強材12はブロック7と同
様に上側ビーム12a、下側ビーム12b及びセンタピ
ラー12cを備えているが、上側ビーム12a及び下側
ビーム12bには、ブロック7の下向き嵌合凸部10及
び上向き嵌合凸部11に相当するものはない。また、こ
の補強材12のセンタピラー12cには、ブロック7の
センタピラー7cに設けた係合突起7d及び係合凹部7
eに相当するものはなくフラット面になっている。これ
ら下向き嵌合凸部10、上向き嵌合凸部11、係合突起
7d及び係合凹部7eは上記樹脂層13を積層する際に
成形されるものである。また、この樹脂層13は必ずし
も補強材12全体に設ける必要はなく、少なくともブロ
ック7の摺接部9となる上側ビーム12a及び下側ビー
ム12bの各々の端面に設けられていればよい。
【0046】そして、上述の如く構成されたブロック7
と張力帯1との組合わせからなるブロックVベルトA
は、駆動側及び従動側の2つの変速プーリ間に巻き掛け
られてベルト式無段変速装置を構成し、ベルト走行時、
各ブロック7の摺接部9がプーリのベルト溝側部と摺接
するようになっている。
【0047】次に、この発明の実施例を比較例と共に示
す。
【0048】実施例及び比較例で用いたブロックVベル
トAの構成を表1に示す。図5に示すベルト耐久試験機
により下記の条件でブロックVベルトAを走行させ、騒
音の経時変化を実験検証した。そのデータを表2に示
す。
【0049】
【表1】 <ベルト走行条件>駆動プーリ(直径:126mm、回転
数:5285rpm 、トルク:63.4N・m)21と従動
プーリ(直径:70.8mm、回転数:9435rpm 、ト
ルク:113.2N・m )22にブロックVベルトAを巻
き掛け、100℃の雰囲気温度で従動プーリ22にウエ
イト23で1764Nの軸荷重を加えてブロックVベル
トAを走行させ、表2に示す各時間毎に全騒音と周波数
スペクトルを測定した。
【0050】
【表2】 その結果、実施例は、比較例に比べて騒音を約7dBも
低減することができ、初期レベルからの騒音の経時変化
を著しく改善できていることが判る。また、実施例のブ
ロックVベルトAは、500時間走行においてもベルト
は破損したり切断せず、十分に耐久性を備えていた。
【0051】なお、本例では、ブロック7をベルト進行
方向に前傾姿勢で配置したが、これとは逆に、ブロック
7をベルト進行方向と反対向きである後傾姿勢に配置す
ることによっても、上記と同様の効果を得ることができ
るものである。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、多数のブロックを平面視で両隣のブロックにオーバ
ーラップするように張力帯にベルト長手方向に傾斜姿勢
で並設し、かつ上記張力帯と上下で嵌合する各ブロック
の下向き嵌合凸部及び上向き嵌合凸部をベルト長手方向
に対して垂直な同一線上に位置させたので、ブロックの
逆ゾリ現象をなくして耐久性及び低騒音化を図ることが
できるとともに、張力帯に対する過度の曲げ拘束力の作
用をなくして小プーリに支障なく使用することができ
る。また、ブロックの連続したプーリに対する進入・脱
出と面圧の均一化により、ピッチ音の発生を著しく低減
することができるとともに、耐久信頼性を向上させるこ
とができる。さらに、従来例の如きランダムピッチを採
用することによるベルト生産上の困難性を解消すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るブロックVベルト
を部分的に拡大して示す側面図である。
【図2】(a)はこの発明の一実施形態に係るブロック
Vベルトのプーリ巻付き状態を示し、(b)はその要部
拡大図である。
【図3】この発明の一実施形態に係るブロックVベルト
の斜視図である。
【図4】この発明の別の実施形態に係るブロックVベル
トを部分的に拡大して示す側面図である。
【図5】ベルト耐久試験機の概略構成図である。
【図6】(a)は従来例1のブロックVベルトの正面
図、(b)はそのベルト構成要素である張力帯の側面
図、(c)はそのベルト構成要素であるブロックの側面
図である。
【図7】従来例2のブロックVベルトを部分的に拡大し
て示す側面図である。
【符号の説明】
1 張力帯 4 上向き嵌合凹部 5 下向き嵌合凹部 7 ブロック 7a 上ビーム 7b 下ビーム 12 補強材 13 樹脂層 10 下向き嵌合凸部 11 上向き嵌合凸部 A ブロックVベルト(高負荷伝動用Vベル
ト)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下向き嵌合凸部を上ビーム下面に、上向
    き嵌合凸部を下ビーム上面にそれぞれ有する多数のブロ
    ックと、 上向き嵌合凹部を上面に、下向き嵌合凹部を下面にそれ
    ぞれ有するエンドレスの張力帯とを備え、 上記下向き嵌合凸部を上向き嵌合凹部に、上記上向き嵌
    合凸部を下向き嵌合凹部にそれぞれ嵌合させることで、
    上記各ブロックが張力帯にベルト長手方向全長に亘って
    所定ピッチで並設された高負荷伝動用Vベルトであっ
    て、 上記各ブロックは、平面視で両隣のブロックにオーバー
    ラップするようにベルト長手方向に傾斜姿勢で並設さ
    れ、かつ上記下向き嵌合凸部及び上向き嵌合凸部は、ベ
    ルト長手方向に対して垂直な同一線上に位置しているこ
    とを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高負荷伝動用Vベルトで
    あって、 各ブロックの傾斜姿勢は、下向き嵌合凸部の中心と上向
    き嵌合凸部の中心とを結ぶ直線がブロックの上下両端で
    その厚み幅内を通る範囲で設定されていることを特徴と
    する高負荷伝動用Vベルト。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の高負荷伝動用Vベルトで
    あって、 各ブロックは、補強材を樹脂層に埋設して構成され、 上記補強材は、ブロックの厚み方向中心からベルト進行
    方向に偏在していることを特徴とする高負荷伝動用Vベ
    ルト。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の高負荷伝動用Vベルトで
    あって、 各ブロックの少なくとも下ビームには、隣り合うブロッ
    クの下ビームとの間に隙間が形成されるようビーム先端
    に行くに従って縮小するテーパ面が形成されていること
    を特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
JP26811199A 1999-09-22 1999-09-22 高負荷伝動用vベルト Pending JP2001090788A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26811199A JP2001090788A (ja) 1999-09-22 1999-09-22 高負荷伝動用vベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26811199A JP2001090788A (ja) 1999-09-22 1999-09-22 高負荷伝動用vベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001090788A true JP2001090788A (ja) 2001-04-03

Family

ID=17454053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26811199A Pending JP2001090788A (ja) 1999-09-22 1999-09-22 高負荷伝動用vベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001090788A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183800A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Daihatsu Motor Co Ltd 乾式複合ベルト
WO2008018514A1 (fr) * 2006-08-11 2008-02-14 Bando Chemical Industries, Ltd. Moufle pour courroie de transmission de puissance et courroie de transmission de puissance

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183800A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Daihatsu Motor Co Ltd 乾式複合ベルト
JP4573646B2 (ja) * 2004-12-28 2010-11-04 ダイハツ工業株式会社 乾式複合ベルト
WO2008018514A1 (fr) * 2006-08-11 2008-02-14 Bando Chemical Industries, Ltd. Moufle pour courroie de transmission de puissance et courroie de transmission de puissance
JP2008045585A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Aichi Mach Ind Co Ltd 伝動ベルト用ブロック及び伝動ベルト

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6440024B1 (en) Belt-drive continuously variable transmission
US6079802A (en) Rubber crawler
US6536852B2 (en) Resilient crawler and method of manufacture the same
KR100553057B1 (ko) 고부하 전동용 브이벨트
US6334830B1 (en) Metal V-belt
JP2857083B2 (ja) 高負荷伝動用vベルト
JP2004125173A (ja) 駆動ベルトとそれを使用した連続可変トランスミッション
JP3497460B2 (ja) 無段変速機用ベルト
US20060058142A1 (en) Endless belt for transmission
JP2001090788A (ja) 高負荷伝動用vベルト
JPH0729331Y2 (ja) 高負荷伝動用vベルト
JP2954897B2 (ja) 高負荷伝動用vベルト
KR100503573B1 (ko) 고부하전동용v벨트
KR20100063013A (ko) 고부하 전동용 v벨트
JP2883047B2 (ja) 高負荷伝動用vベルト
JP3917264B2 (ja) 高負荷伝動用vベルト
JP4152018B2 (ja) 高負荷伝動用vベルトに用いられるブロックの製造方法
JP2008144825A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2004239314A (ja) Vリブドベルト、vリブドプーリ及びそれらを用いたベルト伝動装置
JP2005054896A (ja) 高負荷伝動用vベルト
JP4893562B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2001090786A (ja) 高負荷伝動用vベルト
JP2001090787A (ja) 高負荷伝動用vベルト
JPH053692U (ja) 高負荷伝動用vベルト
JP2007056943A (ja) 平ベルト