JP2001089933A - ポリエステルステープルの1ステップ製造法 - Google Patents

ポリエステルステープルの1ステップ製造法

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JP2001089933A
JP2001089933A JP26164499A JP26164499A JP2001089933A JP 2001089933 A JP2001089933 A JP 2001089933A JP 26164499 A JP26164499 A JP 26164499A JP 26164499 A JP26164499 A JP 26164499A JP 2001089933 A JP2001089933 A JP 2001089933A
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polyester
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hot roller
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Katsumi Takehara
勝己 竹原
Minoru Yano
稔 矢野
Shigeyoshi Kamata
繁儀 鎌田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】直接紡糸延伸と捲縮付与を合わせた工程とし
て、高強度ポリエステルステープルを1ステップで製造
する方法を提供すること。 【解決手段】極限粘度〔ηc〕が0.64以上のポリエ
ステルからなるチップを用い、紡糸ドラフト500以上
とした口金を用いて吐出、紡糸して得た未延伸糸をその
ままあるいは複数本合糸して、第1ホットローラー群の
周速度1000m/分以下で引き取り、該第1ホットロ
ーラー群と2500m/分以下の周速度で回転する第2
ホットローラー群との間で延伸した後、捲縮を付与し、
カットとすることにより高強度のポリエステルステープ
ルを1ステップで製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直接紡糸延伸と捲縮
付与を合わせた工程として高強度ポリエステルステープ
ルを1ステップで製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維を製造する際、溶融紡
糸工程と延伸工程とを直結した直接紡糸延伸法を採用す
ることにより工程の合理化をはかることは、従来より試
みられてきた。しかし、かかる直接紡糸延伸法は、マル
チフィラメントの製造に適用されてはきたが、マルチフ
ィラメントに比べて極めて大きいデニールを有するトウ
の場合には、紡糸工程と延伸工程とを連続化することが
極めて難しいため工業的に直接紡糸延伸法を実施するこ
とは困難であると考えられていた。
【0003】特開昭52−107316号公報では10
0〜400m/分の周速度で回転する第1ローラー群で
把持し、該第1ローラー群と1500m/分以下の周速
度で回転する第2ローラー群との間で4〜7倍に延伸さ
れた未捲縮トウを一旦ケンスに収納し、該トウを複数本
重ね合わせて捲縮装置に供給し、捲縮を付与することが
提案されている。しかしながら、この方法では、紡糸速
度が非常に遅く、更に紡糸延伸工程と捲縮付与工程が別
工程として存在するため、生産性に劣ることが欠点であ
った。
【0004】一般に、これまで検討されてきた直接紡糸
延伸法は、前記公報のように直接紡糸延伸により得られ
た延伸トウを一旦ケンスまたは缶に収納した後、捲縮を
付与し、切断してステープルとして使用するのが通常で
あった。この際に、ステープルの品質で極めて重要な紡
績性に影響するのは捲縮であり、斑の少ない所望の捲縮
を延伸トウに付与することが重要となる。現在使用され
ている公知の捲縮装置の場合、供給トウ速度が速くなる
ほど、捲縮の不均一さの度合いが高くなるが、現存する
捲縮装置では供給速度が2500m/分以下の場合の
み、均一な捲縮付与が可能である。
【0005】特開昭53−52721号公報には、固有
粘度の高いポリエステルチップを用いて、紡糸速度40
00m/分以上の超高速度で溶融紡糸して得ることが開
示されている。該公報によれば、延伸熱処理を行うこと
なく実用的なポリエステルマルチフィラメントもしくは
短繊維が得られるものの、いわゆる超高速紡糸で得られ
るため、超高速紡糸設備が必要であり、その結果、捲縮
装置に供給する速度が高くなりすぎて、均一な捲縮を付
与することは困難であった。
【0006】更に、該公報は柔軟なポリエステルマルチ
フィラメントもしくは短繊維を得る手段として用いるも
のであり、ポリエステルステープルの1ステップ製造を
得る手段として用いるものではない。
【0007】一方、高ドラフト紡糸に関して、特開平4
−194007号公報、特開平4−194010号公報
では、断面積が異なる複数の吐出孔群を有する紡糸口金
を用いて重合体からなる混繊糸を得る方法において、吐
出孔群の少なくとも1群の吐出孔の断面積を連続的に拡
大する吐出孔とし、最大の断面積が少なくとも0.78
5mm2の紡糸口金として1群を高ドラフトで溶融紡糸
することによって、一発紡糸で混繊糸を得る製造方法が
提案されている。これらの公報によれば、比較的低い紡
糸速度で太デニール成分の配向度および伸度レベルを細
デニール成分の配向度および伸度レベルよりも高くする
ことが可能であることが示されているが、混繊糸の製造
に関するものであり、ポリエステルステープルの1ステ
ップ製造法に用いるものではない。
【0008】以上のように、従来技術では直接紡糸延伸
法で延伸トウは得られたとしても、捲縮工程を合わせた
1ステップ工程とすることは捲縮装置の供給速度の点か
ら困難であり、2工程法でのみしか可能ではなかった。
また、捲縮装置への供給速度を遅くして1ステップ製造
を行っても、延伸倍率が高くとれないため、低強度の繊
維しか得ることができなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術では達成できなかった紡糸延伸と捲縮付与を1
ステップで行う方法に関し、従来の紡糸工程と延伸捲縮
工程、紡糸延伸工程と捲縮工程といった2工程で得られ
ていたポリエステルステープルを1工程で得る製造方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、直接紡糸
延伸と捲縮付与を合わせる工程により、ポリエステルス
テープルを工業的に1ステップで製造する方法について
検討の結果、本発明に到達したものである。すなわち、
本発明のポリエステルステープルの1ステップ製造方法
は、極限粘度ηcが0.64以上であるポリエステルか
らなるチップを用い、紡糸して得た未延伸糸をそのまま
あるいは複数本合糸して1000m/分以下の周速度で
回転する第1ホットローラー群で引き取り、次いで、該
第1ホットローラー群と2500m/分以下の周速度で
回転する第2ホットローラー群との間で延伸した後、捲
縮装置に供給し捲縮を付与し、カットすることにより、
強度が3.0g/d以上のポリエステルステープルを1
ステップで製造することによって達成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明は、極限粘度ηcが0.64以上で
あるポリエステルからなるチップを用い、紡糸して得た
未延伸糸をそのままあるいは複数本合糸して1000m
/分以下の周速度で回転する第1ホットローラー群で引
き取り、次いで、該第1ホットローラー群と2500m
/分以下の周速度で回転する第2ホットローラー群との
間で延伸した後、捲縮装置に供給し捲縮を付与し、カッ
トして得られるポリエステルステープルの強度が3.0
g/d以上であることを特徴とするポリエステルステー
プルの1ステップ製造法である。
【0013】本発明におけるポリエステルステープルを
製造するためのチップは極限粘度ηcが0.64以上で
ある。極限粘度ηcが0.64未満では、本発明の製造
方法において、得られるポリエステルステープルの強度
が低くかつ、残留伸度が高いため使用できないものとな
るので好ましくない。極限粘度ηcは高い方が好まし
く、0.7以上であることがより好ましい。
【0014】本発明において、第1ホットローラー群の
周速度は、1000m/分以下とすることが必要であ
る。周速度が1000m/分を越える場合、第1ホット
ローラー群を出た直後の糸物性は高配向しやすくなる
が、捲縮装置への供給速度限界(2500m/分)から
計算される延伸倍率が低くならざるを得ず、強度的に満
足できる糸物性を有した延伸糸が得られないため好まし
くない。一方、周速度が遅くなるほど延伸倍率が大きく
とれて好ましいが、周速度が遅くなると吐出量を減少せ
ざるを得なくなり、生産性が著しく劣ってくるため、第
1ホットローラー群は300m/分以上の周速度とする
ことが好ましい。
【0015】更に、第2ホットローラー群の周速度は2
500m/分以下とすることが必要である。供給速度が
2500m/分を越えると、捲縮の不均一さの度合いが
高くなり、捲縮の品質に劣るステープルが得られ、紡績
を行う際のカード装置を通す工程でトラブルが生じ易く
なるため好ましくない。そのため、第2ホットローラー
群の周速度は2500m/分以下とすることが必要であ
る。
【0016】本発明におけるポリエステルステープルの
1ステップ製造においては、捲縮装置への供給速度と第
2ホットローラー群の周速度を同等の速度とする必要性
があって延伸倍率を高くとりにくいため、低い延伸倍率
でありながら従来の2工程法で得られる繊維と同等の強
伸度レベルに近づけることが必要であった。
【0017】本発明のポリエステルステープルの1ステ
ップ製造法で得られるポリエステルステープルの強度
は、3.0g/d以上であることが必要であり、好まし
くは3.5g/d以上、より好ましくは4.0g/d以
上、更に好ましくは5.0g/d以上の糸強度を有して
いることが望ましい。
【0018】本発明において、紡糸ドラフトは第1ホッ
トローラー群のみで引き取った直後の糸を高配向しやす
くするため、500以上とすることが好ましく、より好
ましくは1000以上、更に好ましくは5000以上で
あるのが望ましい。
【0019】本発明でいう紡糸ドラフトとは、紡糸速度
(m/分)を口金吐出孔から吐出するポリマーの吐出線
速度(m/分)で除した値である。紡糸ドラフトが50
0未満で、ηcが0.64以上であるポリエステルから
なるチップを用い、第1ホットローラー群の周速度が5
00m/分以下では、第2ホットローラー群との間で延
伸倍率が高く設定可能であるため、高強度のポリエステ
ルステープルが得られるが、紡糸ドラフトが500未満
で、ηcが0.64未満であるポリエステルからなるチ
ップを用いた場合は、第1ホットローラー群のみで引き
取った直後の糸が高伸度、低強度であるため、延伸熱処
理を施しても高伸度、低強度の延伸糸しか得られないの
で好ましくない。
【0020】本発明において、ηcが0.64以上のチ
ップを用いて紡糸ドラフト500未満で紡糸を行った場
合、第1ホットローラー群で引き取った未延伸糸は配向
するため、ηcを高く設定することで、紡糸ドラフトに
関わらずある程度高強度のポリエステルステープルが得
られるが、ηcが0.64以上であるポリエステルから
なるチップを用いて、500以上の高ドラフト下で紡糸
を行った場合、配向促進効果が見出され、この未延伸糸
を延伸熱処理した場合に、更に高強度化した繊維が得ら
れる。
【0021】本発明において、紡糸速度1000m/分
以下の周速度で回転する第1ホットローラー群で引き取
ると、ドラフトが低い場合と異なる高配向の傾向を有し
た未延伸糸が得られるので、その後の延伸倍率を高く設
定しなくても、高強度の優れた延伸糸が得られる。
【0022】また、本発明においては、口金面深度を7
0mm以下にすることが好ましい。本発明でいう口金面
深度とは、図2に示すように、紡糸口金表面から紡糸頭
下端までの距離(L)をいう。口金面深度が70mmを
越えると、口金直下で五月雨状態(脈動)が発生し、糸
同士の融着が発生して製糸性が悪化するため好ましくな
い。また、本発明においてポリエステルステープルを製
造する場合、口金のホール数が多く、溶融ポリマー自身
の持ち込み熱量が大きく、口金面の保温が容易であるた
め口金面深度を浅くすることが可能である。口金面深度
は浅い方が冷却効果が高いので、高配向した繊維を得る
ためには口金面温度は50mm以下とするのがより好ま
しい。
【0023】本発明におけるポリエステルステープルの
横断面の形状は、円形であっても異形であってもよい。
【0024】次に、本発明でいうポリエステルステープ
ルの1ステップ製造方法について図を用いて詳述する。
【0025】図1は本発明を説明する概略図で、直接紡
糸延伸により1ステップでポリエステルステープルを製
造する工程を示す。図1において、1は紡糸口金、2は
紡糸孔、3は紡出未延伸糸、4はオイリングローラー、
5はガイドまたはローラー、6は集束ガイド、7は第1
ホットローラー群(ネルソンローラー)、8は第2ホッ
トローラー群(ネルソンローラー)、9は延伸未捲縮
糸、10は2次元ニップローラー方式クリンパー、11
は延伸捲縮糸、12は高速カッター、13は梱包機であ
る。
【0026】本発明において、7,8の第1ホットロー
ラー群および第2ホットローラー群はネルソン型ローラ
ーであることが好ましい。ネルソン型ローラーであれ
ば、高速化が可能であり、ホットローラーで加熱を均一
に行う場合、ローラー上のターン数を自由に設定可能で
ホットローラー上への糸の接糸長を大きくできる点で好
ましい。また、第1ホットローラー群は紡出未延伸糸を
ガラス転移温度以上に均一に加熱する目的で設置され、
第2ホットローラー群は延伸した延伸糸を熱セットし
て、収縮レベルや染め斑を決定する目的で設置されてい
る。そのため、第1ホットローラー群および第2ホット
ローラー群は糸への接糸長、接糸時間を延ばす目的で、
それぞれ1〜3対であることが好ましい。(図は、第1
ホットローラー群および第2ホットローラー群、それぞ
れ2対ある場合を示している)第1ホットローラー群で
均一加熱された糸は第1ホットローラー群と第2ホット
ローラー群の間で1段延伸されるか、さらに第2ホット
ローラー群内で2段延伸を行ってもよい。第2ホットロ
ーラー群の後にリラックスをとる目的でリラックスロー
ラーを設置してもよい。
【0027】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は以下の測定方法で
実施した。 (1)極限粘度(ηc、ηs) チップの極限粘度ηcは、オルソクロロフェノールを溶
媒として、25℃で測定した。(参考として繊維の極限
粘度ηsも測定した。ポリエステルの溶融紡糸において
は、熱分解や加水分解によって、極限粘度が低下するの
で、繊維の極限粘度ηsはチップの極限粘度ηcよりも
低くなる。) (2)強伸度曲線 東洋ボールドウィン社製テンシロン引張り試験機を用い
て試料長2cm、引っ張り速度10cm/分、チャート
速度20cm/分の条件で応力−歪み曲線を描き、強
度、破断伸度を求めた。 実施例1〜4、比較例1〜2 表1に示した紡糸口金の吐出孔径、吐出形状、口金面深
度、紡糸速度、紡糸ドラフト、延伸倍率の条件で、ηc
を変更し、口金ホール数が800ホールである紡糸口金
を用いて紡糸温度300℃の条件で紡糸、延伸を実施し
た。
【0028】紡糸糸条は紡糸口金とオイリング装置の間
の筒型紡糸筒で80m/分の風速で冷却させた。油剤が
付着された未延伸糸はフリーローラーを経て集束ガイド
で、他の紡糸錘の糸条と合糸された。このときの合糸錘
数は20錘であった。次に60℃に加熱され、750m
/分の周速度で回転するネルソン型ローラー(第1ロー
ラー群のNo.1;1フィードローラー(以下、F
R))に導き、該ローラー上を6ターンさせた後、90
℃に加熱され、788m/分の周速度で回転するネルソ
ン型ローラー(第1ローラー群のNo.2;2FR)に
導き、該ローラー上を6ターンさせた。次に110℃に
加熱され、1800m/分の周速度で回転するネルソン
型ローラー(第2ローラー群のNo.1;1ドローロー
ラー(以下、DR))に導き、該ローラー上を6ターン
させた。更に210℃に加熱され、2500m/分の周
速度で回転するネルソン型ローラー(第2ローラー群の
No.2;2DR)に導き、該ローラー上を10ターン
させた。このときの総延伸倍率は3.3倍であった。第
2ホットローラー群を出た延伸トウを2次元のニップロ
ーラー方式のクリンパーに導き、機械捲縮を付与した
後、切断して1.3d×51mmのポリエステルステープ
ルを得た。得られたポリステルステープルの特性を表1
に示す。
【0029】実施例1〜4では、ポリエステルチップの
ηcが0.64以上のチップを用いて紡糸ドラフトが5
000以上で紡糸し、延伸を行っているため、高強度で
低伸度なステープルを得た。比較例1、2ではポリエス
テルチップのηcが0.64未満であるため、高ドラフ
ト下で紡糸、延伸しても、糸強度は低く、残留伸度も高
くなってしまい、実用性に乏しいポリエステルステープ
ルであった。 実施例5〜13、比較例3〜5 ηc、紡糸口金の吐出孔径、紡糸ドラフトを表1のよう
に変更した以外は実施例1と同様に紡糸、延伸、捲縮付
与、カットを実施した。
【0030】実施例5〜13では、ポリエステルチップ
のηcが0.64以上のチップを用いて紡糸し、延伸を
行っているため、得られるステープルは高強度で低伸度
なものが得られた。実施例5、8ではηcが高く、高い
ドラフト下で紡糸した水準は強度が高い傾向にあった。
実施例7、10、13ではηcが0.64以上であり、
紡糸ドラフトが低いにもかかわらず、3.0g/d以上
の糸強度が得られている。比較例3、4ではポリエステ
ルチップのηcが0.64未満であるため、紡糸ドラフ
トにかかわらず、紡糸、延伸後の糸強度は低く、残留伸
度も高くなってしまい、実用性に乏しいポリエステルス
テープルであった。特に、比較例5ではηcが低く、か
つ紡糸ドラフトも500未満で紡糸を行い延伸している
ため、糸強度が極端に低く、残留伸度が高い。
【0031】
【表1】
【0032】実施例14〜22、比較例6〜8 紡糸口金の吐出孔径、紡糸速度、紡糸ドラフト、延伸倍
率を表2のように変更した以外は実施例1と同様に紡
糸、延伸、捲縮付与、カットを実施した。
【0033】実施例14〜22では、ポリエステルチッ
プのηcが0.64以上のチップを用いて紡糸し、延伸
を行っているため、得られるステープルは高強度で低伸
度なものであった。比較例6〜8はポリエステルチップ
のηcが0.64以上であるが、1フィードローラーの
周速度が高いため、延伸倍率が大きく取れず、得られた
ポリエステルステープルは、糸強度が極端に低く、残留
伸度が高いものであった。 実施例1、実施例23〜25 口金面深度を表2のように変更した以外は実施例1と同
様に紡糸、延伸、捲縮付与、カットを実施した。
【0034】いずれの水準も高強度で低伸度なポリエス
テルステープルが得られたが、実施例25では口金面深
度が70mmを越えているため、紡糸時に口金直下で脈
動が発生しやすく、紡糸が不安定であった。
【0035】
【表2】
【0036】以上の結果から、本発明で規定する極限粘
度〔ηc〕、紡糸ドラフト、第1ホットローラー群の周
速度、第2ホットローラー群の周速度で延伸で紡糸、延
伸して、捲縮装置に供給し捲縮を付与し、カットされた
ポリエステルステープルは、高強度・低伸度で実用に耐
え得るが、本発明の規定を外れる製造方法で得られたポ
リエステルステープルは、低強度・高伸度であり、実用
に耐えることができなかった。このように、本発明のポ
リエステルステープルの1ステップ製造法によれば、糸
物性の優れた延伸捲縮ポリエステルステープルを生産性
良く製造することが出来るので、工業的に極めて有利で
ある。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術では達成でき
なかった紡糸延伸と捲縮付与を1ステップで行うことが
可能となり、従来の紡糸工程と延伸捲縮工程、紡糸延伸
工程と捲縮工程といった2工程で得られていた高強度ポ
リエステルステープルを1工程で得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により延伸捲縮ポリエステルステープル
を製造する例を示す概略図である
【図2】口金面深度を説明する紡糸装置の概略図である
【符号の説明】
1:紡糸口金 2:紡糸孔 3:紡出未延伸糸 4:オイリングローラー 5:ガイドまたはローラー 6:集束ガイド 7:第1ホットローラー群(ネルソンローラー) 8:第2ホットローラー群(ネルソンローラー) 9:延伸未捲縮トウ 10:2次元ニップローラー式クリンパー 11:捲縮トウ 12:高速カッター 13:延伸捲縮ポリエステルステープル 14:口金面深度

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度(以下、ηcという)が0.64
    以上のポリエステルからなるチップを用い、紡糸して得
    た未延伸糸をそのままあるいは複数本合糸して1000
    m/分以下の周速度で回転する第1ホットローラー群で
    引き取り、次いで、該第1ホットローラー群と2500
    m/分以下の周速度で回転する第2ホットローラー群と
    の間で延伸した後、捲縮装置に供給して捲縮を付与し、
    カットして得られるポリエステルステープルの強度が
    3.0g/デニール(以下、dという)以上であること
    を特徴とするポリエステルステープルの1ステップ製造
    法。
  2. 【請求項2】ηcが0.64以上であるポリエステルか
    らなるチップを用い、紡糸ドラフト500以上とした口
    金を用いて吐出、得られるポリエステルステープルの強
    度が3.5g/d以上であることを特徴とする請求項1
    に記載のポリエステルステープルの1ステップ製造法。
  3. 【請求項3】ηcが0.70以上であるポリエステルか
    らなるチップを用い、紡糸ドラフト1000以上とした
    口金を用いて吐出、得られるポリエステルステープルの
    強度が4.0g/d以上であることを特徴とする請求項
    1に記載のポリエステルステープルの1ステップ製造
    法。
  4. 【請求項4】ηcが0.70以上であるポリエステルか
    らなるチップを用い、紡糸ドラフト5000以上とした
    口金を用いて吐出、得られるポリエステルステープルの
    強度が5.0g/d以上であることを特徴とする請求項
    1に記載のポリエステルステープルの1ステップ製造
    法。
  5. 【請求項5】口金面深度が70mm以下で紡糸すること
    を特徴とする請求項1〜4項いずれかに記載のポリエス
    テルステープルの1ステップ製造法。
  6. 【請求項6】第1ホットローラー群および第2ホットロ
    ーラー群がネルソン型ローラーである請求項1〜5いず
    れかに記載のポリエステルステープルの1ステップ製造
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023087650A1 (zh) * 2021-11-19 2023-05-25 平顶山神马帘子布发展有限公司 一种高强高模量锦纶66工业用长丝生产方法

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WO2023087650A1 (zh) * 2021-11-19 2023-05-25 平顶山神马帘子布发展有限公司 一种高强高模量锦纶66工业用长丝生产方法

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