JP2001089777A - 冷却装置 - Google Patents

冷却装置

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JP2001089777A
JP2001089777A JP2000252797A JP2000252797A JP2001089777A JP 2001089777 A JP2001089777 A JP 2001089777A JP 2000252797 A JP2000252797 A JP 2000252797A JP 2000252797 A JP2000252797 A JP 2000252797A JP 2001089777 A JP2001089777 A JP 2001089777A
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weight
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hfc
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Takashi Sunaga
高史 須永
Masato Watanabe
正人 渡邉
Kenji Ando
研治 安藤
Yoshinobu Obokata
芳信 小保方
Masazo Okajima
政三 岡島
Kazuhisa Ishikawa
和久 石川
Yasuki Takahashi
康樹 高橋
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、R134a等のHFC系冷媒との
相溶性のあるポリビニルエーテル系油を冷凍機油として
使用し、煩雑な行程管理を行うことなく、摺動部材の摩
擦熱による熱分解や加水分解によるカルボン酸の発生、
及びこれに伴うスラッジの発生を抑え、高性能な冷媒圧
縮機を提供することを目的としたものである。 【解決手段】 本発明は、冷媒圧縮機、凝縮器、減圧装
置、蒸発器を配管接続してなり、HFC系冷媒又はその
混合冷媒と、この冷媒と相溶性のある冷凍機油とを前記
密閉容器内に封入してなり、前記冷凍機油は下記一般式
(1)で表される構成単位を有するポリビニルエーテル
系化合物を主成分とし、且つ、構成単位毎において、R
4が炭素数1〜2のアルキル基40〜100重量%、炭
素数3〜4のアルキル基0〜60重量%の構成比を有す
ることを特徴とする冷却装置。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は冷媒をHFC系冷
媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下
R134aという)単体又はHFC系冷媒の混合冷媒
(例えば、R134aとR32とR125の3種混合冷
媒、R134aとR143aとR125との3種混合冷
媒、R32とR125の2種混合冷媒等)としたときの
この冷媒との相溶性のある冷凍機油を使用してなる冷媒
圧縮機及び冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫、自動販売機及びショーケース用
の冷媒圧縮機は従来冷媒としてジクロロジフルオロメタ
ン(以下R12という)を多く使用していた。このR1
2はオゾン層の破壊の問題からフロン規制の対象となっ
ている。そして、このR12の代替冷媒としてR134
aが冷凍機用として検討されている。(例えば、特開平
1−271491号公報参照)。
【0003】また、空気調和機等はクロロジフルオロメ
タン(R22)が使用されていたが、やはり、環境問題
の観点からHFC系の混合冷媒が着目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たR134a等のHFC系冷媒は現在使われている鉱物
油やアルキルベンゼン油等の冷凍機油との相溶性が悪
く、圧縮機への油の戻りの悪化や寝込み起動時の分離冷
媒の吸い上げなどから圧縮機の潤滑不良に至る問題があ
った。
【0005】このため、本発明者らは冷媒R134a等
のHFC系冷媒と相溶性のある冷凍機油としてポリオー
ルエステル系油を検討した。しかし、このポリオールエ
ステル系油は回転型圧縮機に使用する場合に、熱により
加水分解して生成する脂肪酸で摺動部材に腐食を起こさ
せ摩耗を生じさせていた。また、この摩耗粉により圧縮
機の電動要素のマグネットワイヤなどの有機系材料に悪
影響を及ぼすなど、圧縮機の耐久性を損なう問題があっ
た。
【0006】そして、本発明者らは冷媒としてHFC系
冷媒と冷凍機油としてポリオールエステル系油とを組合
わせて回転型圧縮機に使用すべく研究を重ねた結果、回
転型圧縮機の摺動部材の摩擦熱によってこの摺動部材を
潤滑するポリオールエステル系油が加水分解してカルボ
ン酸が発生し、これが鉄系材料を腐食させたり、鉄系材
料と反応して金属石鹸やスラッジとなって冷凍能力を低
下させることを究明した。
【0007】この結果、本発明者等は特定のポリオール
エステル系油と特定の添加剤と特定の摺動材料との限定
した組み合わせによって前記摺動部材で発生する摩擦熱
によるポリオールエステル系油の熱分解が抑えられるこ
とを見出し特許出願を行った。(特願平6−29535
7号参照) しかしながら、上記の発明によるとポリオールエステル
系油を使用する場合には加水分解を抑制するための製造
工程管理、即ち、水分、塩素、酸素の濃度管理をかなり
厳しくする必要があり、管理が煩雑であるという問題が
あった。
【0008】この発明は上記の問題を解決するもので、
R134a等のHFC系冷媒との相溶性のあるポリビニ
ルエーテル系油を冷凍機油として使用し、煩雑な行程管
理を行うことなく、摺動部材の摩擦熱による熱分解や加
水分解によるカルボン酸の発生、及びこれに伴うスラッ
ジの発生を抑え、高性能な冷媒圧縮機を提供することを
目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は請求項1記載の
如く、冷媒圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を配管接
続してなり、HFC系冷媒又はその混合冷媒と、この冷
媒と相溶性のある冷凍機油とを前記密閉容器内に封入し
てなり、前記冷凍機油は下記一般式(1)で表される構
成単位を有するポリビニルエーテル系化合物を主成分と
し、且つ、構成単位毎において、R4が炭素数1〜2の
アルキル基40〜100重量%、炭素数3〜4のアルキ
ル基0〜60重量%の構成比を有する冷却装置を構成し
たものである。
【0010】
【化2】
【0011】
【発明の実施の形態】以下この発明を図に示す実施例に
基いて説明する。
【0012】図1は回転型圧縮機の縦断面図である。図
2は図1の回転型圧縮機をA−A線に沿って切断した断
面図である。図1及び図2において、1は密閉容器で、
この容器内には上側に電動要素2が、下側にこの電動要
素によって駆動される回転圧縮要素3が夫々収納されて
いる。電動要素2は有機系材料で絶縁された巻線4を有
する固定子5とこの固定子の内側に設けられた回転子6
とで構成されている。
【0013】回転圧縮要素3はシリンダ7と、回転軸8
の偏心部9によってシリンダ7の内壁に沿って回転させ
るローラ10と、このローラの周面に圧接されてシリン
ダ7内を吸込側と吐出側とに区画するようにバネ11で
押圧されるベーン12と、シリンダ7の開口を封じると
ともに、回転軸8を軸支する上部軸受13及び下部軸受
14とで構成されている。
【0014】そして、上部軸受13にはシリンダ7の吐
出側と連通する吐出孔15が設けられている。また、上
部軸受13には吐出孔15を開閉する吐出弁16と、こ
の吐出弁を覆うように吐出マフラ17とが取付けられて
いる。
【0015】ローラ10は下述するように鋳鉄等の鉄系
材料で形成されており、ベーン12は鉄系材料、アルミ
ニウムとカーボンの複合材料、高速度工具鋼等の鉄系材
料もしくはSUS系材料にイオン窒化、浸硫窒化、Cr
N等の単独もしくは複合の表面処理を施して形成されて
いる。
【0016】密閉容器1内の底部にはHFC系の単体又
はその混合冷媒が封入されており、例えば、1,1,
1,2−テトラフルオロエタン(R134a)単体、又
は、50重量%のジフルオロメタン(R32)と、50
重量%のペンタフルオロエタン(R125)とを混合し
た共沸混合冷媒(以下、R410Aという)、又は44
重量%のペンタフルオロエタン(R125)と、52重
量%のトリフルオロエタン(143a)と、4重量%の
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)
を混合した疑似共沸混合冷媒(以下、R404Aとい
う)、更に、23重量%のジフルオロメタン(R32)
と、25重量%のペンタフルオロエタン(R125)
と、52重量%の1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン(R134a)とを混合した疑似共沸混合冷媒(以
下、R407Cという)等である。
【0017】冷凍機油として使用されるオイルは、上記
冷媒と相溶性のある冷凍機油である。
【0018】具体的には、下記一般式(1)で表される
構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物を主成分
とし、且つ、構成単位毎において、R4が炭素数1〜2
のアルキル基40〜100重量%、炭素数3〜4のアル
キル基0〜60重量%の構成比を有するもの、又は、R
4が炭素数1〜2のアルキル基80〜100重量%、炭
素数3〜4のアルキル基0〜20重量%の構成比を有す
るもの、更に、R4が炭素数1〜2のアルキル基60〜
100重量%、炭素数3〜4のアルキル基0〜40重量
%の構成比を有するものである。
【0019】
【化3】 また、酸化防止剤としては、冷凍機油に対して0.01
〜1.0重量%のフェノール系酸化防止剤(例えばDB
PC)を必須成分とし、0.01〜2重量%のエポキシ
系もしくはカルボジイミド系化合物を酸捕捉剤として配
合している。
【0020】また、極圧剤或いは耐磨耗材としては、冷
凍基油に対して0.1〜2重量%のリン酸エステル系化
合物、例えば、トリクレジルフォスフェート(TCP)
を配合している。
【0021】尚、上記エポキシであるグリシジルエーテ
ルは、ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシ
ルグリシジルエーテル、イソオクタデシルグリシジルエ
ーテル等の群から選ばれる。
【0022】また、上記カルボジは、一般式がR1−N
=C=N−R2で表され、R1,R2はアルキル基、又
はアルキル置換芳香族基から選ばれる。
【0023】そして、オイル18は回転圧縮要素3の摺
動部材であるローラ10とベーン12との摺動面を潤滑
している。
【0024】回転圧縮要素3のシリンダ7内に流入して
ローラ10とベーン12との協働で圧縮される冷媒は上
述のようにポリビニルエーテル系油のオイル18との相
溶性のある134a単体、又は410A、又は407
C、又は404A等の冷媒である。
【0025】19は密閉容器1に取付けてシリンダ7の
吸込側に冷媒を案内する吸込管、20は密閉容器1の上
壁に取付けられて回転圧縮要素3で圧縮されて電動要素
2を介して密閉容器1外に冷媒を吐出する吐出管であ
る。
【0026】このように構成された回転型圧縮機に使用
されて冷凍機油組成物において、吸込管19からシリン
ダ7内の吸込側に流入した冷媒はローラ10とベーン1
2との協働で圧縮され、吐出孔15を通って吐出弁16
を開放して吐出マフラ17内に吐出される。この吐出マ
フラ内の冷媒は電動要素2を介して吐出管20から密閉
容器1外に吐出される。そして、オイル18は回転圧縮
要素3のローラ10やベーン12等の摺動部材の摺動面
に供給されて潤滑を行っている。また、シリンダ7内で
圧縮された冷媒が低圧側にリークしないようにしてい
る。
【0027】以下、各実施例及び比較例毎に説明する。
【0028】尚、図3はアムスラー磨耗試験器を使用し
て行った磨耗試験の説明図である。
【0029】ここで、21はベーンに相当する固定片
で、この固定片の先端は半径4.7mmの曲面で形成さ
れ、100Kgの荷重Lを受けている。22はローラに
相当する回転片で、この回転片は直径45mmで固定片
21との圧接部に種々のポリオールエステル系油を毎分
120ccづつ供給しながら毎分400回転の速さで2
0時間回転させている。 (テーブル1)表1に、図3に示すアムスラー磨耗試験
器を使用して下記の組み合わせにて磨耗試験を行った結
果を示す。
【0030】
【表1】 ベーン: (比較例):高速度工具鋼(SKH51) 組成:C:0.8〜0.9,SI:0.4以下,Mn:
0.4以下 P:0.03以下,S:0.03以下,Cr:3.8〜
4.5,Mo:4.5〜5.5,W:5.5〜6.7 V:1.6〜2.2,Cu:0.25以下,Ni:0.
25以下 (実施例1):アルミニウムとカーボンの複合材料 具体的には、アルミニウムを溶浸させたカーボンの複合
材 (Carbon AL) 組成:C:55,Al:36,Si:6,その他(Mg
等):3(いずれも重量%) (実施例2):高速度工具鋼等の鉄系材料に浸硫窒化の
表面処理を施したもの 具体的には、下記成分のSKH55相当にプラズマ浸硫
窒化処理の表面処理を施したもの 組成:C:2.14,Si:0.32,Cr:4.21 Mn:0.32,W:11.5,V:7.0,Co:
8.0,Mo:2.53,Fe:残部(いずれも重量
%) (実施例3):SUS系材料に浸硫窒化の表面処理を施
したもの 具体的には、下記成分のSUS440系材料にプラズマ
浸硫窒化処理の表面処理を施したもの 組成:C:1.8〜2.3,Si:1以下,Cr:20
〜24 Mo:0.5〜2.6,Fe:残部(いずれも重量%) (実施例4):高速度工具鋼等の鉄系材料にイオン窒化
の表面処理を施し更に、CrNの表面処理を施したもの ローラー:鋳鉄材(以下E−3という) 組成:T.C(トータルカーボン):0.56〜0.6
4,Si:2.2〜2.9,Mn:0.6〜1.0,
P:0.18max,S:0.08max,Ni:0.
1〜0.2,Cr:0.20max MO:0.07〜0.2,TI:0.25max 残部は鉄 オイル :下記一般式(1)で表される構成単位を有す
るポリビニルエーテル系化合物を主成分とし、且つ、構
成単位毎において、R4が炭素数1〜2のアルキル基4
0〜100%のものと、炭素数3〜4のアルキル基0〜
60%のものとを5:5としたものであり、この基油に
対して0.1〜2.0重量%のトリクレジルフォスフェ
ート(TCP)と0. 01〜10重量%のエ
ポキシ(EPOX){以下、総称して添加剤(EP)と
いう}を添加含有したもの(以下、Aタイプという)
【0031】
【化4】 冷媒: 134a単体 この結果、表1のように、実施例1〜3のベーン材が、
全酸価(TAN)及び磨耗量(Wear quanti
ty of TP)共に優れていることが確認された。
【0032】その理由は回転片22と固定片21との摺
動面での摺動摩擦熱によるポリビニルエーテル系油の熱
分解が抑えられたためと考えられる。 (テーブル2)表2に、図3に示すアムスラー磨耗試験
器を使用して下記の組み合わせにて磨耗試験を行った結
果を示す。
【0033】
【表2】 ベーン: (比較例):高速度工具鋼(SKH) (実施例1):アルミニウムとカーボンの複合材料 具体的には、アルミニウムを溶浸させたカーボンの複合
材 (Carbon AL) 組成:C:55,Al:36,Si:6,その他(Mg
等):3(いずれも重量%) (実施例2):高速度工具鋼等の鉄系材料に浸硫窒化の
表面処理を施したもの 具体的には、下記成分のHAP63材料(SKH54相
当)にプラズマ浸硫窒化処理の表面処理を施したもの 組成:C:2.14,Si:0.32,Cr:4.21 Mn:0.32,W:11.5,V:7.0,Co:
8.0,Mo:2.53,Fe:残部(いずれも重量
%) (実施例3):SUS系材料に浸硫窒化の表面処理を施
したもの具体的には、下記成分のSUS440系材料に
プラズマ浸硫窒化処理の表面処理を施したもの 組成:C:1.8〜2.3,Si:1以下,Cr:20
〜24 Mo:0.5〜2.6,Fe:残部(いずれも重量%) (実施例4):高速度工具鋼等の鉄系材料にイオン窒化
の表面処理を施し更に、CrNの表面処理を施したもの ローラー:鋳鉄材(以下E−3という) 組成:T.C(トータルカーボン):0.56〜0.6
4,Si:2.2〜2.9,Mn:0.6〜1.0,
P:0.18max,S:0.08max,Ni:0.
1〜0.2,Cr:0.20max MO:0.07〜0.2,TI:0.25max 残部は鉄 オイル :下記一般式(1)で表される構成単位を有す
るポリビニルエーテル系化合物を主成分とし、且つ、構
成単位毎において、R4が炭素数1〜2のアルキル基8
0〜100%のものと、炭素数3〜4のアルキル基0〜
20%のものとを8:2としたものであり、この基油に
対して0.1〜2.0重量%のトリクレジルフォスフェ
ート(TCP)と0. 01〜10重量%のエ
ポキシ(EPOX){以下、総称して添加剤(EP)と
いう}を添加含有したもの(以下、Cタイプという)
【0034】
【化5】 冷媒:410A又は404A この結果、表2のように、実施例1〜3のベーン材が、
全酸価(TAN)及び磨耗量(Wear quanti
ty of TP)共に優れていることが確認された。
【0035】その理由は回転片22と固定片21との摺
動面での摺動摩擦熱によるポリビニルエーテル系油の熱
分解が抑えられたためと考えられる。また、油の劣化は
TCPにより鉄が無機化され、触媒作用が抑制されたた
めと考えられる。 (テーブル3)表3に、図3に示すアムスラー磨耗試験
器を使用して下記の組み合わせにて磨耗試験を行った結
果を示す。
【0036】
【表3】 ベーン: (比較例):高速度工具鋼(SKH) (実施例1):アルミニウムとカーボンの複合材料 具体的には、アルミニウムを溶浸させたカーボンの複合
材 (Carbon AL) 組成:C:55,Al:36,Si:6,その他(Mg
等):3(いずれも重量%)(実施例2):高速度工具
鋼等の鉄系材料に浸硫窒化の表面処理を施したもの 具体的には、下記成分のHAP63材料(SKH54相
当)にプラズマ浸硫窒化処理の表面処理を施したもの 組成:C:2.14,Si:0.32,Cr:4.21 Mn:0.32,W:11.5,V:7.0,Co:
8.0,Mo:2.53,Fe:残部(いずれも重量
%) (実施例3):SUS系材料に浸硫窒化の表面処理を施
したもの 具体的には、下記成分のSUS440系材料にプラズマ
浸硫窒化処理の表面処理を施したもの 組成:C:1.8〜2.3,Si:1以下,Cr:20
〜24 Mo:0.5〜2.6,Fe:残部(いずれも重量%) (実施例4):高速度工具鋼等の鉄系材料にイオン窒化
の表面処理を施し更に、CrNの表面処理を施したもの ローラー:鋳鉄材(以下E−3という) 組成:T.C(トータルカーボン):0.56〜0.6
4,Si:2.2〜2.9,Mn:0.6〜1.0,
P:0.18max,S:0.08max,Ni:0.
1〜0.2,Cr:0.20max MO:0.07〜0.2,TI:0.25max 残部は鉄 オイル :下記一般式(1)で表される構成単位を有す
るポリビニルエーテル系化合物を主成分とし、且つ、構
成単位毎において、R4が炭素数1〜2のアルキル基6
0〜100%のものと、炭素数3〜4のアルキル基0〜
40%のものとを7:3としたものであり、この基油に
対して0.1〜2.0重量%のトリクレジルフォスフェ
ート(TCP)と0. 01〜10重量%のエ
ポキシ(EPOX){以下、総称して添加剤(EP)と
いう}を添加含有したもの(以下、Bタイプという)
【0037】
【化6】 冷媒:407C この結果、表3のように、実施例1〜3のベーン材が、
全酸価(TAN)及び磨耗量(Wear quanti
ty of TP)共に優れていることが確認された。
【0038】その理由は回転片22と固定片21との摺
動面での摺動摩擦熱によるポリビニルエーテル系油の熱
分解が抑えられたためと考えられる。また、油の劣化は
TCPにより鉄が無機化され、触媒作用が抑制されたた
めと考えられる。 (テーブル4)表4に、表1,2,3の評価に基づい
て、図4のベンチスタンド試験装置を使用して下記の組
み合わせにて実機の耐久試験を行った結果を示す。
【0039】ベンチスタンド試験装置は、圧縮機A,凝
縮器B,膨張弁C,蒸発器Dを配管で連結したものであ
り、試験条件は、下記の通りである。
【0040】高圧圧力:27〜28kg/cm2・G、
低圧圧力:46kg/cm2・G、運転周波数:100
HZ、運転時間:1000hr、 冷媒:R134a,
R410A,R404A,R407Cの各冷媒 ケース上部温度:95〜100℃ また、各材料は以下の通りである。 ベーン: (比較例):高速度工具鋼(SKH) (実施例1):アルミニウムとカーボンの複合材料 具体的には、アルミニウムを溶浸させたカーボンの複合
材 (Carbon AL) 組成:C:55,Al:36,Si:6,その他(Mg
等):3(いずれも重量%) (実施例2):高速度工具鋼等の鉄系材料に浸硫窒化の
表面処理を施したもの 具体的には、下記成分のHAP63材料(SKH54相
当)にプラズマ浸硫窒化処理の表面処理を施したもの 組成:C:2.14,Si:0.32,Cr:4.21 Mn:0.32,W:11.5,V:7.0,Co:
8.0,Mo:2.53,Fe:残部(いずれも重量
%) (実施例3):SUS系材料に浸硫窒化の表面処理を施
したもの 具体的には、下記成分のSUS440系材料にプラズマ
浸硫窒化処理の表面処理を施したもの 組成:C:1.8〜2.3,Si:1以下,Cr:20
〜24 Mo:0.5〜2.6,Fe:残部(いずれも重量%) (実施例4):高速度工具鋼等の鉄系材料にイオン窒化
の表面処理を施し更に、CrNの表面処理を施したもの ローラー:鋳鉄材(以下E−3という) 組成:T.C(トータルカーボン):0.56〜0.6
4,Si:2.2〜2.9,Mn:0.6〜1.0,
P:0.18max,S:0.08max,Ni:0.
1〜0.2,Cr:0.20max MO:0.07〜0.2,TI:0.25max 残部は鉄 オイル :テーブル1〜3に記載したA,B,C各タイ
プのオイル この結果、表4のように、実施例1、実施例2、実施例
の各ベーン材は、全てG(good)であり、良好な結
果であり、従来の冷媒R−22と鉱物油(Minera
l)の組み合わせ以上のレベルの耐久性を示した。
【0041】また、図5に示す如く、冷媒圧縮機a、凝
縮器b、減圧装置c、蒸発器dを配管接続してなり、上
述したHFC系冷媒又はその混合冷媒(R134a,R
410A,R404A,R407C)と、この冷媒と相
溶性のある上述した冷凍機油(タイプA〜D)とを前記
圧縮機aの密閉容器1内に封入した冷却装置(冷蔵庫、
空気調和機、ショーケース等)を構成することにより、
オイル戻りや冷凍能力に優れた冷却装置をていきょうで
きる。
【0042】
【表4】 一方、以上の結果から下記の事項が解明された。 (1)HFC系冷媒は、塩素原子を含んでいないため、
CFC系やHCFC系冷媒と比較して摺動部の潤滑性が
劣る。 (2)ポリビニルエーテル油の構造は、上記HFC冷媒
の種類に対応して、R4が炭素数1〜2のアルキル基
と、炭素数3〜4のアルキル基とを所定の構成比率とす
ること、及びこれに対応して所定のベーン材料を選定す
ることにより、例えば、臨界溶解温度が高温側から低温
側の範囲、即ち35℃〜10℃で分離しないものとする
ことができ、冷凍装置において所定の冷凍能力を発揮す
ることができる。
【0043】具体的には下記の表5に示す臨界溶解温度
の一覧表の通りである。
【0044】
【表5】 尚、その他の実施例として以下のベーン材料は同様の作
用効果が期待できると考えられる。
【0045】例えば、(1)下記組成のアルミニウムと
カーボンの複合材 組成:C:55,Al:36,Si:6,その他(Mg
等):3(いずれも重量%) (2)下記組成の繊維補強アルミニウム合金 (Fiber Reinforced AL) 組成:C:55,Al:36,Si:6(いずれも重量
%) (3)ジルコニア等のセラミック(Ceramic)
【0046】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、特定の
HFC系冷媒に対し、特定構造のポリビニルエーテル系
油と特定の摺動材料との限定した組み合わせによって、
摺動部材の摩擦熱による熱分解やスラッジの発生を抑え
ることができ、従来のポリオールエステル系油を使用し
た場合のように加水分解によるカルボン酸の発生は全く
なくなり、この結果、煩雑な工程管理を必要とすること
なく、高性能な回転式圧縮機及び冷却装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す回転型圧縮機の縦断
面図である。
【図2】この発明の回転型圧縮機の横断面図である。
【図3】アムスラー型試験機の説明図である。
【図4】ベンチスタンド試験機の説明図である。
【図5】冷却装置の冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 密閉容器 3 回転圧縮要素 10 ローラ 12 ベーン 18 オイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 研治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会 社内 (72)発明者 小保方 芳信 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会 社内 (72)発明者 岡島 政三 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会 社内 (72)発明者 石川 和久 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会 社内 (72)発明者 高橋 康樹 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会 社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器
    を配管接続してなり、HFC系冷媒又はその混合冷媒
    と、この冷媒と相溶性のある冷凍機油とを前記密閉容器
    内に封入してなり、前記冷凍機油は下記一般式(1)で
    表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物
    を主成分とし、且つ、構成単位毎において、R4が炭素
    数1〜2のアルキル基40〜100重量%、炭素数3〜
    4のアルキル基0〜60重量%の構成比を有することを
    特徴とする冷却装置。 【化1】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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