JP2001089677A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2001089677A
JP2001089677A JP26946999A JP26946999A JP2001089677A JP 2001089677 A JP2001089677 A JP 2001089677A JP 26946999 A JP26946999 A JP 26946999A JP 26946999 A JP26946999 A JP 26946999A JP 2001089677 A JP2001089677 A JP 2001089677A
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oxide particles
compound catalyst
iron compound
iron
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Suminori Tanaka
住典 田中
Toshiaki Shimizu
利明 清水
Toshiki Matsui
敏樹 松井
Tomoyuki Imai
知之 今井
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Okura Industrial Co Ltd
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】窒素を構成単位中に含むものであるにもかかわ
らず、燃焼時において青酸の発生が抑制された樹脂組成
物を提供すること。 【解決手段】(a)窒素を構成単位中に有する熱可塑性
合成樹脂100重量部、(b)平均粒径が0.05〜
2.0μmの酸化鉄粒子及び含水酸化第二鉄粒子から選
ばれる一種以上の酸化鉄系化合物であって、しかも特定
の酸化活性を有する鉄化合物触媒0.1〜20重量部、
からなることを特徴とする樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、燃焼時において青
酸の発生が低減化された樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、生活様式の変化や生活水準、所得
水準の向上等により、新しい商品があふれ、豊かな物質
文化が形成されたが、一方で、家庭から排出されるごみ
の量が急増しており、このごみ処理問題は大きな社会問
題となっている。
【0003】これらのごみのうち合成樹脂から成るもの
がかなりの割合に上っており、中でも塩化ビニル樹脂か
ら成るものは焼却時にダイオキシン類の発生の可能性の
あることが指摘されている。一方、ポリアミド樹脂やポ
リウレタン樹脂等のように窒素を構成単位中に含む合成
樹脂については、森本,“高分子の燃焼生成ガスの組
成” ,高分子,Vol.22,No.253,p.19
2,1973 等に記載されているごとく、燃焼時にお
いて燃焼生成ガスとして青酸が発生することが確認され
ている。
【0004】また、この窒素を構成単位中に含む合成樹
脂は一般家庭等においてカーペット、カーテン等として
広く用いられているが、火災時に、これらの合成樹脂か
ら発生する青酸は、時に人命に危害を及ぼすことがあっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況に鑑みなされたもので、窒素を構成単位中に含むも
のであるにもかかわらず、燃焼時において青酸の発生が
抑制された樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った。この結果、窒素を構成単位中に含む合成樹脂中
に、特定の鉄化合物触媒を配合することによって前記課
題が解決できることを見いだし本発明に至った。すなわ
ち本発明によれば、
【0007】(a)窒素を構成単位中に有する熱可塑性
合成樹脂100重量部、(b)平均粒径が0.05〜
2.0μmの酸化鉄粒子及び含水酸化第二鉄粒子から選
ばれる一種以上の酸化鉄系化合物であり、下記の試験条
件で測定した場合に、一酸化炭素の15%以上を二酸化
炭素に転化できる活性を有する鉄化合物触媒0.1〜2
0重量部、からなることを特徴とする樹脂組成物が提供
される。 <試験条件> 1.試験装置:パルス式触媒反応装置 反応温度:250℃ SV=42400h−1 2.鉄化合物触媒 前処理:800℃で15分間熱処理 触媒量:2.8×10−4mol 3.パルス(一酸化炭素) パルス量:6.1×10−7mol 4.キャリアガス:ヘリウム
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は窒素を構成単位中に含む
ものであるにもかかわらず、燃焼時において青酸の発生
が抑制された樹脂組成物に関するものである。以下本発
明を詳細に説明する。
【0009】本発明でいうところの窒素を構成単位中に
有する熱可塑性合成樹脂としては、ポリアミド、芳香族
ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン等が
挙げられる。なお、本発明の効果は、これら窒素を構成
単位中に有する熱可塑性合成樹脂において顕著に表れる
ものであるが、本発明の樹脂組成物は、窒素を構成単位
中に有する熱可塑性合成樹脂以外の熱可塑性合成樹脂を
含むことを妨げるものではない。
【0010】一方、本発明において用いられる鉄化合物
触媒は、平均粒径(粒子形状が紡錘状或いは針状の場合
は長軸径を、板状の場合は板面径を、粒状の場合は粒径
を平均した値を意味している)が0.05〜2.0μm
の酸化鉄粒子及び含水酸化第二鉄粒子から選ばれる一種
以上の酸化鉄系化合物であり、下記の試験条件で測定し
た場合に、一酸化炭素の15%以上を二酸化炭素に転化
できる活性を有するものである。このような活性を有し
た鉄化合物触媒を用いることによって本発明の目的が達
成できる。鉄化合物触媒の酸化触媒としての活性は、触
媒活性試験で常用されるパルス式触媒反応装置を使用し
て、当該鉄化合物触媒を800℃で15分間処理した
後、製粒して粒径が150〜200μmに分級したもの
を、当該装置のカラム(石英ガラス製、直径3mmφ)
に2.8×10−4mol充填し、ヘリウムガスをキャ
リアーガスとして流しながら、カラムの温度が250
℃、SV=42400h −1の条件下で、試料注入口か
ら、6.1×10−7molの一酸化炭素を注入して、
カラム内で一酸化炭素を上記鉄化合物触媒に接触させ、
カラムから排出される一酸化炭素が酸化されて生成する
二酸化炭素をガスクロマトグラフで定量し、下記の式1
で表される転化率で評価する。なお、SVとは、Spa
ce Velocityといい、反応ガスの流量を触媒
の体積で割った量であり、時間の逆数の単位(h−1
で表される。
【0011】
【式1】
【0012】ここで、鉄化合物触媒をいったん800℃
で15分間熱処理してから触媒活性評価試験に供したの
は、廃棄物は通常800℃以上の温度条件で焼却される
こと、そして、そのような高温下で酸化鉄粒子及び含水
酸化第二鉄は相変化を起こすと考えられることから、実
際の焼却炉における条件を再現したものである。また、
測定温度を250℃としたのは、300℃を超える高温
では、鉄化合物触媒による一酸化炭素の転化率が上が
り、触媒活性の優劣差が現れにくくなるためである。な
お、250℃の条件下では、酸化触媒が存在しないと、
酸素が存在している場合であっても一酸化炭素は二酸化
炭素に転化しないことが確認されている。
【0013】そして本発明者らは、上記方法で測定され
た一酸化炭素の転化率と、実際に本発明の組成物を燃焼
させた場合の青酸発生の挙動との相関関係を検討した結
果、上記方法で測定された一酸化炭素の転化率が15%
以上である鉄化合物触媒を所定量用いた場合に、青酸の
発生量が少なくなることを見いだしたのである。従っ
て、本発明において使用する鉄化合物触媒としては、上
記転化率が、15%以上、好ましくは18%以上、より
好ましくは20%以上である触媒活性を有している必要
がある。転化率が15%未満のものでは、たとえ多量用
いたとしても燃焼促進効果が少なく本発明の目的を達し
得ない。
【0014】さて、本発明で言う酸化鉄粒子或いは含水
酸化第二鉄粒子とは、具体的には以下の化合物を意味し
ている。例えば、含水酸化第二鉄粒子としては、ゲータ
イト(α−FeOOH)粒子、レピッドクロサイト(γ
−FeOOH)粒子、又はδ−FeOOH粒子のいずれ
をも使用することができ、粒子形状は紡錘状(笹の葉
状)、針状、板状等のいずれであってもよいが紡錘状の
含水酸化第二鉄粒子が燃焼効率の点で最も好ましい。
【0015】紡錘状含水酸化第二鉄粒子は、電子顕微鏡
観察によれば、超微細繊維が多数束ねられた外観を呈し
た粒子であり、長軸径が0.05〜1.5μm、軸比
(長軸径/短軸径−以下同じである。)が1〜18であ
って、BET比表面積が30〜250m/gであり、
特に、長軸径が0.1〜1.0μm、軸比が3〜15で
あって、BET比表面積が50〜150m/gのもの
が好ましい。
【0016】針状含水酸化第二鉄粒子は針状形態の粒子
はもちろん針状粒子のところどころから樹枝が出ている
外観を呈した粒子をも含んでおり、長軸径(平均粒径に
相当する。以下、同じ。)が0.05〜2.0μm、軸
比が2〜20であって、BET比表面積が10〜200
/gであり、特に、長軸径が0.1〜0.8μm、
軸比が5〜15であって、BET比表面積が15〜10
0m/gのものが好ましい。
【0017】板状含水酸化第二鉄粒子は、電子顕微鏡観
察によれば、六角板状ないし円板状の外観を呈した粒子
であり、板面径(平均粒径に相当する。以下、同じ。)
が0.02〜1.5μm、板状比(板面径/厚み−以下
同じである。)が3〜15程度であり、特に、板面径が
0.03〜0.5μm、板状比が5〜10のものが好ま
しい。
【0018】これら各種形状の含水酸化第二鉄粒子は、
第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液、炭酸アルカリ
水溶液等のアルカリ水溶液との中和反応沈澱物を含む懸
濁液中に添加剤の存在下又は不存在下で空気等の酸素含
有ガスを通気することによって水溶液中から生成させる
ことができる。
【0019】また、酸化鉄粒子としては、ヘマタイト
(α−Fe23 )粒子、マグネタイト(FeO
Fe23、0<x≦1)粒子、マグヘマイト(γ−F
23)粒子のいずれをも使用することができ、粒子
形状は紡錘状、針状、板状、そして、球形、八面体、多
面体、不定形等のほぼ等方形状を呈するいわゆる粒状の
いずれであってもよいが、紡錘状酸化鉄粒子が燃焼効率
の点で最も好ましい。
【0020】一般的に、紡錘状酸化鉄粒子や針状酸化鉄
粒子の長軸径は0.03〜1.0μm、軸比は2〜12
であって、BET比表面積は5〜200m/gであ
り、特に、長軸径が0.05〜0.3μm、軸比が3〜
10であって、BET比表面積が20〜100m/g
のものが好ましい。また、通常の粒状酸化鉄粒子の平均
粒子径は0.03〜1.0μmであって、BET比表面
積は2〜30m/gであり、特に0.05〜0.5μ
mであって、BET比表面積が4〜25m/gのもの
が好ましい。
【0021】紡錘状酸化鉄粒子や針状酸化鉄粒子は、前
述した水溶液中から得られた紡錘状含水酸化第二鉄粒子
や針状含水酸化第二鉄粒子を空気中250〜700℃で
粒子形状を保持しながら加熱して紡錘状ヘマタイト粒子
や針状ヘマタイト粒子とすることにより、次いで、これ
らヘマタイト粒子を水素気流下等の還元性雰囲気中30
0〜500℃で粒子形状を保持しながら加熱して紡錘状
マグネタイト粒子や針状マグネタイト粒子とすることに
より、更に、これらマグネタイト粒子を空気中200〜
500℃で粒子形状を維持しながら酸化して紡錘状マグ
ヘマイト粒子や針状マグヘマイト粒子とすることによ
り、得ることができる。
【0022】板状酸化鉄粒子は、第一鉄塩水溶液とアル
カリ水溶液との中和反応沈澱物をオートクレーブ中で加
熱処理して板状ヘマタイト粒子を生成することにより、
該板状ヘマタイト粒子を水素気流下等の還元性雰囲気中
300〜500℃で粒子形状を維持しながら加熱して板
状マグネタイト粒子とすることにより、更に、板状マグ
ネタイト粒子を空気中200〜500℃で粒子形状を維
持しながら酸化して板状マグヘマイト粒子とすることに
より、得ることができる。
【0023】粒状酸化鉄粒子は、第一鉄塩水溶液と水酸
化アルカリ水溶液、炭酸アルカリ水溶液等のアルカリ水
溶液との中和反応沈澱物を含む懸濁液中に空気等の酸素
含有ガスを通気して粒状マグネタイト粒子を生成するこ
とにより、該マグネタイト粒子を空気中200〜500
℃で粒子形状を維持しながら加熱して粒状マグヘマイト
粒子とすることにより、更に、該マグヘマイト粒子もし
くは先に得られた粒状マグネタイト粒子を500〜90
0℃で粒子形状を維持しながら加熱して粒状ヘマタイト
粒子とすることにより、得ることができる。
【0024】また、本発明に係る鉄化合物触媒は、リン
含有量が0.02〜0.0001wt%、好ましくは
0.01〜0.0001wt%、より好ましくは0.0
05〜0.0001wt%である。0.02wt%を越
える場合には、このリンが触媒毒として働くため、一酸
化炭素を二酸化炭素に転化する酸化活性が低下し、燃焼
時における青酸の発生抑制効果が得られにくくなる。ま
た、リン含有量はなるべく少ないのが好ましいが、工業
的に得られるものとしては0.0001wt%以上であ
る。
【0025】また、本発明に係る鉄化合物触媒は、硫黄
含有量が0.3〜0.001wt%、好ましくは0.1
〜0.001wt%、より好ましくは0.07〜0.0
01wt%である。0.3wt%を越える場合には、こ
の硫黄が触媒毒として働くため、一酸化炭素を二酸化炭
素に転化する酸化活性が低下し、燃焼時における青酸の
発生抑制効果が得られにくくなる。また、硫黄含有量は
なるべく少ないのが好ましいが、工業的に得られるもの
としては0.001wt%以上である。
【0026】また、本発明に係る鉄化合物触媒は、ナト
リウム含有量が0.3〜0.001wt%、好ましくは
0.2〜0.001wt%、より好ましくは0.15〜
0.001wt%である。0.3wt%を越える場合に
は、このナトリウムが触媒毒として働くため、一酸化炭
素を二酸化炭素に転化する酸化活性が低下し、燃焼時に
おける青酸の発生抑制効果が得られにくくなる。また、
ナトリウム含有量はなるべく少ないのが好ましいが、工
業的に得られるものとしては0.001wt%以上であ
る。
【0027】このため本発明に係る鉄化合物触媒の製造
にあたっては、触媒毒となる、リン、硫黄及びナトリウ
ムの含有量が所定量以下になるようにすることが必要で
あり、具体的には、通常、加熱焼成時の焼結防止処理に
用いられるヘキサメタリン酸ナトリウムを使用せず、第
一鉄原料に由来する硫酸イオンやアルカリに由来するナ
トリウムイオンについては十分な水洗等の精製処理を行
うことにより、リン、硫黄及びナトリウムの含有量の低
減をはかることが必要である。
【0028】本発明においては、上記した含水酸化第二
鉄粒子や酸化鉄粒子の中から、前述した酸化触媒として
の活性を有するものを一種以上、適宜選択して鉄化合物
触媒として使用すればよい。
【0029】鉄化合物触媒の配合量は窒素を構成単位中
に有する熱可塑性合成樹脂100重量部に対し、0.1
〜20重量部、より好ましくは0.5〜5重量部であ
る。鉄化合物触媒の配合量が0.1重量部未満であると
本発明の目的を十分に達成できない。逆に20重量部を
超えると配合量に見合った効果の増加が見られなくなる
だけでなく、組成物あるいは該組成物から得られる成形
体の着色を招く傾向がある。
【0030】なお、本発明における鉄化合物触媒は、合
成樹脂への分散性を向上させる目的で、粒子表面を各種
表面処理剤で表面処理して使用することも可能である。
【0031】また、本発明においては以上述べた組成に
加えて、目的に応じた種々の添加剤、例えばシリカ、炭
酸カルシウム等のアンチブロッキング剤、滑剤、紫外線
吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤、可塑剤を常識
の量配合することもできる。
【0032】本発明において鉄化合物触媒は、特異な助
燃効果を示し、この結果青酸の発生が抑制される。これ
らの効果のメカニズムは定かでないが、以下のような反
応が起こっているものと類推される。鉄化合物触媒の表
面の鉄原子は水が解離吸着してできる表面水酸基により
安定化されているが、燃焼過程における加熱によって表
面水酸基間で脱水が起こり、配位不飽和な鉄イオン及び
酸素イオンが生ずる。次に、このようにして生成した配
位不飽和な活性サイトが燃焼過程で生起する酸素吸着に
よる酸素の活性化、有機物からの脱水素反応等の一連の
過程で触媒活性を示して、燃焼促進に効果を示す。これ
により窒素を構成単位中に有する合成樹脂は、青酸の発
生が抑制されつつ分解される。
【0033】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。なお、青酸の発生量の測定、及び鉄化合物触媒の活
性評価は以下の手順によった。 <青酸の発生率分析方法>周囲を700℃に温調した石
英管(22mmφ×300mm)状炉内に、20mgの
サンプルを挿入すると共に、石英管の一端から100m
l/minの流量でエアーを供給する。ガラス管の他端
から排出されるガスを5分間にわたり、テドラーバッグ
に捕集する。捕集したガス中の青酸の濃度を検知管(ガ
ステック(株)製No.12M)を用いて測定する。
【0034】<鉄化合物触媒の活性評価>パルス式触媒
反応装置を使用して、鉄化合物触媒を800℃で15分
間処理した後、製粒して粒径が150〜200μmに分
級したものを、当該装置のカラム(石英ガラス製、直径
3mmφ)に2.8×10−4mol充填し、ヘリウム
ガスをキャリアーガスとして流しながら、カラムの温度
が250℃、SV=42400h−1の条件下で、試料
注入口から、6.1×10−7molの一酸化炭素を注
入して、カラム内で一酸化炭素を上記鉄化合物触媒に接
触させ、カラムから排出される一酸化炭素が酸化されて
生成する二酸化炭素をガスクロマトグラフで定量し、前
出の式1で表される転化率で評価する。
【0035】また、窒素を構成単位中に有する合成樹
脂、ならびに鉄化合物触媒として以下のものを用いた。 ・合成樹脂1:ポリアミド(東レ株式会社製 6ナイロ
ン アミランCM6041) ・合成樹脂2:ポリアクリロニトリル(三井化学株式会
社製 バレックス1000 ) ・合成樹脂3:熱可塑性ポリウレタンエラストマー(日
本ミラクトラン株式会社製 ミラクトランE885 ) ・鉄化合物触媒:紡錘状ゲータイト(戸田工業株式会社
製、平均粒径:0.25μm、BET比表面積:86m
/g、軸比:8、転化率:23%、リン含有量:0.
0004wt%、硫黄含有量:0.01wt%、ナトリ
ウム含有量:0.05wt%)
【0036】[比較例1〜3]合成樹脂1〜3をTダイ
を備えた押出成形機に供給し、厚み100μmにフィル
ム成形した。得られた各フィルムの燃焼時の青酸発生率
を上記した手順により測定した。この結果を表1に示
す。
【0037】[実施例1〜6]加圧ニーダーを用いて、
表1に示したごとくの割合で合成樹脂1〜3と鉄化合物
触媒を加熱溶融したのち造粒した。次いでTダイを備え
た押出成形機により厚み100μmにフィルム成形し
た。得られた各フィルムの燃焼時の青酸発生率を上記し
た手順により測定した。そして、用いた合成樹脂の種類
ごとに比較例1〜3で得られた結果と対比し、青酸ガス
発生抑止率(%)を算出した。この結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1より明らかなように、本発明によって
得られる樹脂組成物から成形された本発明のフィルム
は、酸化鉄粒子が配合されていない比較例に比べて、燃
焼発生ガス中の青酸の量が大幅に減少していることが明
らかである。
【0040】[比較例4]一酸化炭素の5.3%を二酸
化炭素に転化できる粒状ヘマタイト(戸田工業株式会社
製、平均粒径:0.55μm、BET比表面積:2.1
/g、リン含有量:0.01wt%、硫黄含有量:
0.04wt%、ナトリウム含有量:0.18wt%)
を実施例1と同ような手順でポリアミドに混練後フィル
ム化した。得られたフィルムの燃焼時の青酸発生率を前
記した手順により測定した。この結果、1200PPM
の青酸が発生し、比較例1との対比による青酸ガス発生
抑止率はわずか8%であった。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、窒素
を構成単位中に含むものであるにもかかわらず、燃焼時
において青酸の発生が抑制された樹脂組成物が提供され
る。また、本発明の樹脂組成物は、焼却炉中で他のごみ
と一緒に燃焼させた場合、鉄化合物触媒の助燃効果によ
り焼却炉から排出されるダイオキシン類の量を低減化で
きるという効果も有する。さらに鉄化合物触媒は、焼却
炉中に存在する亜鉛、銅、カドミウム等の重金属とフェ
ライト化する。このフェライトは磁性を有していること
により分離が容易であり、また有効利用が可能である。
このことにより焼却炉中の重金属が、残灰とともに水可
溶性の塩として環境中に排出されるのを防止できる。こ
のような特長を有する本発明の樹脂組成物は、各種成形
品、繊維、シート等に加工されて利用されるものであ
り、これらは、環境に優しいのみならず、火災時におい
ては青酸の発生が抑制されていることに由縁して、人命
に危害が及びにくいという効果も期待できる。
フロントページの続き (72)発明者 松井 敏樹 広島県大竹市明治新開1−4 戸田工業株 式会社大竹工場内 (72)発明者 今井 知之 広島県大竹市明治新開1−4 戸田工業株 式会社大竹工場内 Fターム(参考) 4J002 AA001 BG101 CK021 CL001 DE116 FD206

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)窒素を構成単位中に有する熱可塑
    性合成樹脂100重量部、(b)平均粒径が0.05〜
    2.0μmの酸化鉄粒子及び含水酸化第二鉄粒子から選
    ばれる一種以上の酸化鉄系化合物であり、下記の試験条
    件で測定した場合に、一酸化炭素の15%以上を二酸化
    炭素に転化できる活性を有する鉄化合物触媒0.1〜2
    0重量部、からなることを特徴とする樹脂組成物。 <試験条件> 1.試験装置:パルス式触媒反応装置 反応温度:250℃ SV=42400h−1 2.鉄化合物触媒 前処理:800℃で15分間熱処理 触媒量:2.8×10−4mol 3.パルス(一酸化炭素) パルス量:6.1×10−7mol 4.キャリアガス:ヘリウム
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