JP2001087651A - 低級アルコール酸化反応用触媒 - Google Patents

低級アルコール酸化反応用触媒

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JP2001087651A
JP2001087651A JP26947899A JP26947899A JP2001087651A JP 2001087651 A JP2001087651 A JP 2001087651A JP 26947899 A JP26947899 A JP 26947899A JP 26947899 A JP26947899 A JP 26947899A JP 2001087651 A JP2001087651 A JP 2001087651A
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catalyst
lower alcohol
oxide
oxidation reaction
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Yasuhiro Iwazawa
康裕 岩澤
Yushu En
友珠 袁
Takafumi Shito
貴文 紫藤
Okiaki Matsuzawa
興明 松沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタノール等の低級アルコールの直接酸化に
より選択的かつ効率よくジメトキシメタン等の低級アル
コール部分酸化物を製造することができる低級アルコー
ル酸化反応用触媒や、かかる低級アルコール酸化反応用
触媒を用いて低級アルコールから低級アルコール部分酸
化物を選択的かつ効率よく製造する方法や、高度に微分
散したアンチモン酸化物が多孔質酸化物に担持された担
体担持アンチモン触媒の製造方法を提供すること。 【解決手段】 高度に微分散したアンチモン酸化物がシ
リカ表面に結合した低級アルコール酸化反応用担体担持
アンチモン触媒の存在下、メタノール等の低級アルコー
ルを分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化させ、ジメ
トキシメタン等の低級アルコール部分酸化物を製造す
る。反応温度を300〜400℃とすることにより、ジ
メトキシメタンの高選択率を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度に微分散され
たアンチモン酸化物を活性成分とする低級アルコール酸
化反応用触媒や、高度に微分散されたアンチモン酸化物
が多孔質酸化物に担持された担体担持アンチモン触媒の
製造方法や、上記低級アルコール酸化反応用触媒を用い
たメタノール等の低級アルコールからジメトキシメタン
等の低級アルコール部分酸化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ジメトキシメタンは、メタノール
とホルムアルデヒドとを原料とし、酸性触媒を用いて水
溶液中で反応させることにより製造されており、これら
酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸などの鉱酸、F
eCl3、AlCl3などのルイス酸、強酸性陽イオン交
換樹脂、無機固体酸などが使用されていた(ドイツ特許
明細書第800399号、ドイツ特許明細書第1177
126号、ドイツ特許明細書第1155780号、特開
昭47−29309号公報及び特開昭58−16254
6号公報)。しかし、原料となるホルムアルデヒドは、
メタノールを酸化することにより調製されており、上記
方法は、このようにしてメタノールから調製されたホル
ムアルデヒドをメタノールと反応させる二段階プロセス
であるためその生産性に問題があった。
【0003】他方、原料としてホルムアルデヒドを用い
ることなく、メタノールから直接ジメトキシメタンを製
造する方法として、例えば、酸化銅を含む触媒を用いる
方法(特開平5−237387号公報)や、イオン伝導
体上に異なる二種類以上の金属種からなる金属及び/又
はこれらの金属化合物を存在させた触媒を用いる方法
(特開平6−65123号公報)が知られているが、前
者の酸化銅を含む触媒を用いたジメトキシメタンの製造
方法では反応に要する時間が長く、その収率も必ずしも
満足しうるものではなく、後者の触媒を用いたジメトキ
シメタンの製造方法ではギ酸メチルの選択率は高いもの
のジメトキシメタンの選択率が7%と低く、いずれの方
法も実用面において解決すべき問題があるとされてい
た。
【0004】また、特開平5−271118号公報に
は、炭素モレキュラーシーブ材料をドーパントとしての
モリブデン酸化物、クロム酸化物、バナジウム酸化物あ
るいはマンガン酸化物等でドープした触媒を用い、気化
したエタノールを空気と混合して、230℃で20時間
酸化的脱水素を行って、エタノール転化率99%以上、
アセトアルデヒド選択率85%以上を達成したことが記
載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ジメトキシメタンは、
ホルムアルデヒドジメチルアセタールあるいはメチラー
ルとも呼ばれ、主として医薬品、香料、樹脂の原料とし
て用いられる有用化合物として知られている。かかる有
用化合物をメタノールの直接酸化により選択的かつ効率
よく製造することができる固体触媒は未だ知られていな
い。本発明の課題は、メタノール等の低級アルコールの
直接酸化により選択的かつ効率よくジメトキシメタン等
の低級アルコール部分酸化物を製造することができる低
級アルコール酸化反応用触媒や、かかる低級アルコール
酸化反応用触媒を用いてメタノール等の低級アルコール
からジメトキシメタン等の低級アルコール部分酸化物を
選択的かつ効率よく製造する方法や、高度に微分散され
たアンチモン酸化物が多孔質酸化物に担持された担体担
持アンチモン触媒の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、アンチモンエトキ
シドを化学蒸着(CVD)法でシリカ表面に導入するこ
とにより、高度に微分散されたアンチモン酸化物、特に
アンチモン酸化物クラスターがシリカ表面に担持された
触媒が、メタノール等の低級アルコールの酸化反応に優
れた触媒活性を示し、この担体担持アンチモン触媒を用
いるとジメトキシメタン等の低級アルコール部分酸化物
を選択的かつ効率よく製造しうることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、高度に微分散されたア
ンチモン酸化物を活性成分とすることを特徴とする低級
アルコール酸化反応用触媒(請求項1)や、高度に微分
散されたアンチモン酸化物が、アンチモン酸化物クラス
ターであることを特徴とする請求項1記載の低級アルコ
ール酸化反応用触媒(請求項2)や、アンチモン酸化物
クラスターが、アンチモン酸化物クラスター化合物又は
固定化アンチモン酸化物クラスターであることを特徴と
する請求項2記載の低級アルコール酸化反応用触媒(請
求項3)や、アンチモン酸化物クラスターが、担体に担
持されていることを特徴とする請求項2又は3記載の低
級アルコール酸化反応用触媒(請求項4)や、担体に担
持されているアンチモン酸化物クラスターが、多孔質酸
化物担体表面にアンチモン酸化物クラスター化合物を、
アンチモンと酸化物担体の格子酸素の結合を介して担持
されている固定化アンチモン酸化物クラスターであるこ
とを特徴とする請求項4記載の低級アルコール酸化反応
用触媒(請求項5)や、固定化アンチモン酸化物クラス
ターが、その中に1個のアンチモン原子を含む固定化ア
ンチモン酸化物クラスターであることを特徴とする請求
項3又は5記載の低級アルコール酸化反応用触媒(請求
項6)や、多孔質酸化物が、シリカであることを特徴と
する請求項5又は6記載の低級アルコール酸化反応用触
媒(請求項7)や、触媒活性成分の担体への担持が、化
学蒸着(CVD)法による担持であることを特徴とする
請求項4〜7のいずれか記載の低級アルコール酸化反応
用触媒(請求項8)や、化学蒸着(CVD)法による担
持が、アンチモンアルコキシドを用いる化学蒸着(CV
D)法による担持であることを特徴とする請求項8記載
の低級アルコール酸化反応用触媒(請求項9)や、アン
チモンアルコキシドが、アンチモンエトキシドであるこ
とを特徴とする請求項9記載の低級アルコール酸化反応
用触媒(請求項10)や、低級アルコールが、メタノー
ルであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか記
載の低級アルコール酸化反応用触媒(請求項11)に関
する。
【0008】また本発明は、アンチモンアルコキシドを
化学蒸着(CVD)法を用いて多孔質酸化物に導入する
ことにより、多孔質酸化物担体表面に高度に微分散され
たアンチモン酸化物として担持させることを特徴とする
担体担持アンチモン触媒の製造方法(請求項12)や、
高度に微分散されたアンチモン酸化物が、固定化アンチ
モン酸化物クラスターであることを特徴とする請求項1
2記載の担体担持アンチモン触媒の製造方法(請求項1
3)や、アンチモンアルコキシドが、アンチモンエトキ
シドであることを特徴とする請求項12又は13記載の
担体担持アンチモン触媒の製造方法(請求項14)や、
多孔質酸化物が、シリカであることを特徴とする請求項
12〜14のいずれか記載の担体担持アンチモン触媒の
製造方法(請求項15)や、固定化アンチモン酸化物ク
ラスターが、その中にアンチモン原子を1個含むことを
特徴とする請求項13〜15のいずれか記載の担体担持
アンチモン触媒の製造方法(請求項16)に関する。
【0009】さらに本発明は、請求項1〜10のいずれ
か記載の低級アルコール酸化反応用触媒の存在下、低級
アルコールを分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化す
ることを特徴とする低級アルコール部分酸化物の製造方
法(請求項17)や、低級アルコールがメタノールであ
り、低級アルコール部分酸化物がジメトキシメタンであ
ることを特徴とする請求項17記載の低級アルコール部
分酸化物の製造方法(請求項18)や、気相接触酸化
が、300〜400℃の温度下で行われることを特徴と
する請求項18記載の低級アルコール部分酸化物の製造
方法(請求項19)に関する。
【00010】
【発明の実施の形態】本発明における高度に微分散した
アンチモン酸化物とは、酸化アンチモンが1〜数100
個含まれる分子状の化合物が反応系に微分散されている
状態のものをいい、例えば、超微粒子として担体に担持
されているものや、超微粒子そのものとして反応系に存
在しているものを挙げることができ、これらは通常クラ
スター状で存在する。かかる酸化アンチモンがクラスタ
ー状として存在するアンチモン酸化物クラスターとして
は、クラスター状超微粒子として反応系に存在するアン
チモン酸化物クラスター化合物やクラスター状超微粒子
として担体に担持されている固定化アンチモン酸化物ク
ラスターを例示することができる。そして、固定化アン
チモン酸化物クラスターとしては、例えばアンチモン酸
化物クラスター化合物がOL−Sbの結合(OLは酸化物
担体の格子酸素)を介して酸化物表面に結合したものを
具体的に例示することができる。したがって、高度に微
分散したアンチモン酸化物とはいえないSb23やSb
24は、本発明の低級アルコール酸化反応用触媒から除
かれる。
【0011】本発明の低級アルコール酸化反応用触媒
は、アンチモン酸化物クラスター等の高度に微分散した
アンチモン酸化物を活性成分とするものであればどのよ
うなものでもよいが、アンチモン酸化物クラスターが固
定化アンチモン酸化物クラスターの場合、固定化アンチ
モン酸化物クラスターの中にアンチモン原子を1個含む
もの、すなわちアンチモンを単原子状に高分散した状態
で含むものが好ましい。また、本発明の低級アルコール
酸化反応用触媒の形状としては、粉末状、顆粒状、ペレ
ット上、球状、ハニカム状等を例示することができる。
そしてまた、本発明の高度に微分散したアンチモン酸化
物を活性成分とする低級アルコール酸化反応用触媒に
は、かかる高度に微分散したアンチモン酸化物の他、そ
の低級アルコール酸化反応触媒活性を損じない範囲内
で、アンチモン以外の金属や金属酸化物等を含有させる
こともできる。
【0012】また、本発明のアンチモン酸化物クラスタ
ー等の高度に微分散したアンチモン酸化物を活性成分と
する低級アルコール酸化反応用触媒としては、担体に担
持された形態のものが酸化反応の容易さ等からして好ま
しく、かかる担体としては、通常触媒活性成分を担持さ
せる場合に用いられる担体であれば特に制限されるもの
ではなく、活性炭、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミ
ナ、ゼオライト、ベントナイト等の粘土鉱物や、マグネ
シア、シリカ−マグネシア、チタニア、ジルコニア等の
無機質担体や、イオン交換樹脂、キレート樹脂等の有機
質担体を例示することができるが、かかる担体の中で
も、アンチモン酸化物クラスター化合物をOL−Sbの
結合を介してその表面に担持させ、前記固定化アンチモ
ン酸化物クラスターを得ることができる点で、シリカ、
アルミナ、チタニア等の酸化物、特に多孔質酸化物が好
ましい。また、多孔質酸化物の中でも、特にシリカが、
固定化アンチモン酸化物クラスターの中にアンチモン原
子を1個存在させる、すなわちアンチモン酸化物を高度
に微分散した状態で保持する性質に優れている点で好ま
しい。
【0013】また、アンチモン酸化物クラスター等の高
度に微分散したアンチモン酸化物を担体に担持する方法
としては、通常触媒活性成分を担体に担持させる場合に
用いられる方法であれば特に制限されないが、例えば、
沈殿法、蒸留法、含浸法、イオン交換法、混練法、化学
蒸着(CVD)法等の方法を例示することができ、かか
る担持方法の中でも、アンチモンエトキシド等のアンチ
モンアルコキシドを用いた化学蒸着(CVD)法が高度
に微分散したアンチモン酸化物、すなわちその中に1個
のアンチモン原子を含む固定化アンチモン酸化物クラス
ターを調製することができる点で好ましい。触媒活性成
分の担持量としては、ジメトキシメタン等の目的とする
メタノール部分酸化物の生成効率を低下させない範囲で
あれば特に制限されることはないが、例えば担体100
重量部に対して、0.1〜200重量部、好ましくは1
〜100重量部、特に好ましくは5〜80重量部から選
択することができる。
【0014】本発明の担体担持アンチモン触媒の製造方
法は、化学蒸着(CVD)法を用いて、アンチモンアル
コキシドを多孔質酸化物に導入することにより、多孔質
酸化物担体表面に、高度に微分散したアンチモン酸化
物、例えばアンチモンと酸化物担体の格子酸素の結合を
介してアンチモン酸化物クラスター化合物を固定化アン
チモン酸化物クラスターとして担持させることを特徴と
し、本発明の担体担持アンチモン触媒の製造方法による
と、通常のアンチモン酸化物とは異なり、単原子状でシ
リカ等の表面に高分散されているアンチモン、すなわち
その中に1個のアンチモン原子を含む固定化アンチモン
酸化物クラスターを調製することができ、このことは、
例えば、XAFSでの構造解析により確認することがで
きる。
【0015】また本発明の担体担持アンチモン触媒の製
造方法に用いられるアンチモンアルコキシドとしては、
アンチモンメトキシド、アンチモンエトキシド、アンチ
モンプロポキシド、アンチモンブトキシド等を例示する
ことができ、多孔質酸化物がシリカの場合には、アンチ
モンアルコキシドとしてアンチモンエトキシドを用いる
ことが、アンチモン酸化物を高度に微分散した状態で安
定に保持する上で好ましい。
【0016】本発明の低級アルコール部分酸化物の製造
方法は、アンチモン酸化物クラスター等の高度に微分散
したアンチモン酸化物を活性成分とする前記低級アルコ
ール酸化反応用触媒、好ましくはアンチモン酸化物クラ
スターが多孔質酸化物に担持されている低級アルコール
酸化反応用触媒の存在下、低級アルコールを分子状酸素
含有ガスにより気相接触酸化することを特徴とし、ここ
で低級アルコールとは、C1〜4のアルコール、すなわ
ちメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール
をいい、これらの中でも特にメタノールがアルコール高
転化率の点で好ましい。また、本発明の低級アルコール
部分酸化物の製造方法における低級アルコール部分酸化
物としては、例えば、ジメトキシメタン等のジアルコキ
シメタンや、ジメチルエーテル等のジアルキルエーテル
や、アセトアルデヒド等のアルデヒド類を例示すること
ができる。
【0017】また、本発明において分子状酸素含有ガス
としては、純酸素ガス、空気等酸素含有ガスを挙げるこ
とができ、本発明の低級アルコール酸化反応用触媒の存
在下における気相接触酸化は、例えばメタノール等の低
級アルコールに分子状酸素含有ガスと希釈ガスを添加し
た混合ガスからなる原料ガスを前記触媒が収納された固
定床反応器内に導入することにより行うことができる。
希釈ガスとしては、窒素や、二酸化炭素や、ヘリウム、
アルゴン等の希ガスや、水蒸気等の不活性ガス及びこれ
らの混合ガスを例示することができる。
【0018】また、本発明の低級アルコール酸化反応用
触媒を用いたメタノール等の低級アルコールの酸化反応
におけるメタノール等の低級アルコール濃度や酸素濃度
は、ジメトキシメタン等の目的とする低級アルコール部
分酸化物の生成効率を低下させない範囲であれば特に制
限されることはない。また、酸化反応における反応温度
は、原料低級アルコールの種類や、目的とする低級アル
コール部分酸化物の種類によって異なるが、例えばメタ
ノールを部分酸化してジメトキシメタンを製造する場合
は、300〜400℃で55%近い選択率を達成するこ
とができる。
【0019】
【実施例】以下、メタノール酸化による各種生成物を例
にとって本発明をより具体的に説明するが、本発明の技
術的範囲はかかる実施例により限定されるものではな
い。なお、実施例における転化率、選択率を説明する
と、これらはそれぞれ以下の式で表される。 メタノール転化率=(反応したメタノールのモル数)/
(供給したメタノールのモル数)×100 ジメトキシメタン選択率=(生成したジメトキシメタン
のモル数)/(反応したメタノールのモル数)×3×1
00 ホルムアルデヒド選択率=(生成したホルムアルデヒド
のモル数)/(反応したメタノールのモル数)×100 ジメチルエーテル選択率=(生成したジメチルエーテル
のモル数)/(反応したメタノールのモル数)×2×1
00 ギ酸メチル選択率=(生成したギ酸メチルのモル数)/
(反応したメタノールのモル数)×2×100 ギ酸選択率=(生成したギ酸のモル数)/(反応したメ
タノールのモル数)×100 一酸化炭素選択率=(生成した一酸化炭素のモル数)/
(反応したメタノールのモル数)×100 二酸化炭素選択率=(生成した二酸化炭素のモル数)/
(反応したメタノールのモル数)×100
【0020】実施例1(触媒の調製) 0.2gのアンチモンエトキシド(Strem社製)を、ガ
ラス製真空装置を用いて化学蒸着(CVD)法により
2.0gのシリカ(日本エアロジル社製「エアロジル2
00」)に313K(80℃)にて導入し、シリカ担持
アンチモン触媒(SbOx/SiO2触媒)を調製した。
得られたシリカ担持アンチモン触媒(SbOx/SiO2
触媒)をXAFSを用いてその表面構造を解析したとこ
ろ、アンチモンが単原子状でシリカ等の表面に高分散さ
れている、すなわちその中に1個のアンチモン原子を含
む固定化アンチモン酸化物クラスターであることがわか
った。
【0021】実施例2(SbOx/SiO2触媒によるメ
タノール酸化反応) 実施例1で調製したメタノール酸化反応用触媒0.2g
を石英製反応管に充填し、触媒をHe/O2混合ガスに
て前処理した後、前記反応管へメタノール5容量%、酸
素10容量%、ヘリウム85容量%からなる混合ガスを
34ml/min(GHSV=10,000/h)の流
速で導入し、メタノールの酸化反応を行わせた。この流
通系反応装置を用いるメタノール酸化反応は、図1に示
す500〜673Kにおける各種反応温度で実施した。
原料のメタノールと反応生成物のうちのジメチルエーテ
ル、ジメトキシメタン、ホルムアルデヒド及びギ酸メチ
ルの分離定量にはPolapack-N(2.5m)を、反応生成
物のうちのCO及びCO2の分離定量にはUnibeads C
(2m)をそれぞれガスクロマトグラフィー用カラムと
して用い、カラム温度413K(140℃)にて分析し
た。
【0022】上記反応生成物等の分析結果から前記式に
よりそれぞれの温度によるメタノールの転化率(●)
と、ジメトキシメタン(◎)、ジメチルエーテル
(▲)、ホルムアルデヒド(■)、ギ酸メチル(□)、
ギ酸(◇)、一酸化炭素(○)及び二酸化炭素(◆)の
選択率とをそれぞれ算出した。結果を図1に示す。これ
らの結果から、550K(277℃)以下の反応温度で
はメタノールの転化率は低く(5%以下)、ジメチルエ
ーテルが主生成物であることがわかった。また、550
K(277℃)より高い反応温度では、メタノール転化
率及びジメトキシメタンの選択率が増加し、ジメチルエ
ーテルの選択率が減少し、また、反応温度623K(3
50℃)より高い温度ではジメトキシメタンの選択率は
減少し、二酸化炭素及び一酸化炭素の生成量が増加する
ことがわかった。
【0023】実施例3(SbOx/SiO2触媒によるメ
タノール酸化反応) 触媒をヘリウムガスにて300℃で1時間前処理し、反
応を320℃及び350℃で行う以外は実施例2と同様
にメタノールの酸化反応を行い、メタノールの転化率
と、ジメトキシメタン、ホルムアルデヒド、ジメチルエ
ーテル、ギ酸メチル、ギ酸、二酸化炭素及び一酸化炭素
の選択率とをそれぞれ算出した。結果を表1に示す。ま
た比較例として、各0.2gのSb23とSb24をそ
れぞれ用い、反応を320℃で実施する以外は同様に行
ったところ、本発明のSbOx/SiO2触媒と異なり、
Sb23やSb24を用いた場合はいずれも殆ど反応が
進行せず、メタノール酸化反応は高度に微分散したアン
チモン酸化物担持触媒、特にアンチモン酸化物クラスタ
ー担持触媒に特異的な反応であることがわかった。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明のアンチモン酸化物クラスター等
の高度に微分散したアンチモン酸化物を活性成分とする
新規な低級アルコール酸化反応用触媒を用いることによ
り、メタノール等の低級アルコールからジメトキシメタ
ン等の低級アルコール部分酸化物を選択的かつ効率よく
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の担持SbOx/SiO2触媒を用いたメ
タノール酸化反応におけるメタノールの転化率と、ジメ
トキシメタン等の各種生成物の選択率に及ぼす反応温度
の影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 43/317 C07C 43/317 C23C 16/40 C23C 16/40 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 松沢 興明 東京都台東区谷中2−1−11ベルシティ根 津202号 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA02A BA02B CB07 EB10 FB03 4H006 AA02 AC43 BA13 BA30 BA55 BA56 BA81 BA82 BC10 BC13 BE30 4H039 CA61 CC40 4K030 AA11 BA15 BA42 CA05 LA11

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高度に微分散されたアンチモン酸化物を
    活性成分とすることを特徴とする低級アルコール酸化反
    応用触媒。
  2. 【請求項2】 高度に微分散されたアンチモン酸化物
    が、アンチモン酸化物クラスターであることを特徴とす
    る請求項1記載の低級アルコール酸化反応用触媒。
  3. 【請求項3】 アンチモン酸化物クラスターが、アンチ
    モン酸化物クラスター化合物又は固定化アンチモン酸化
    物クラスターであることを特徴とする請求項2記載の低
    級アルコール酸化反応用触媒。
  4. 【請求項4】 アンチモン酸化物クラスターが、担体に
    担持されていることを特徴とする請求項2又は3記載の
    低級アルコール酸化反応用触媒。
  5. 【請求項5】 担体に担持されているアンチモン酸化物
    クラスターが、多孔質酸化物担体表面にアンチモン酸化
    物クラスター化合物を、アンチモンと酸化物担体の格子
    酸素の結合を介して担持されている固定化アンチモン酸
    化物クラスターであることを特徴とする請求項4記載の
    低級アルコール酸化反応用触媒。
  6. 【請求項6】 固定化アンチモン酸化物クラスターが、
    その中に1個のアンチモン原子を含む固定化アンチモン
    酸化物クラスターであることを特徴とする請求項3又は
    5記載の低級アルコール酸化反応用触媒。
  7. 【請求項7】 多孔質酸化物が、シリカであることを特
    徴とする請求項5又は6記載の低級アルコール酸化反応
    用触媒。
  8. 【請求項8】 触媒活性成分の担体への担持が、化学蒸
    着(CVD)法による担持であることを特徴とする請求
    項4〜7のいずれか記載の低級アルコール酸化反応用触
    媒。
  9. 【請求項9】 化学蒸着(CVD)法による担持が、ア
    ンチモンアルコキシドを用いる化学蒸着(CVD)法に
    よる担持であることを特徴とする請求項8記載の低級ア
    ルコール酸化反応用触媒。
  10. 【請求項10】 アンチモンアルコキシドが、アンチモ
    ンエトキシドであることを特徴とする請求項9記載の低
    級アルコール酸化反応用触媒。
  11. 【請求項11】 低級アルコールが、メタノールである
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載の低級
    アルコール酸化反応用触媒。
  12. 【請求項12】 アンチモンアルコキシドを化学蒸着
    (CVD)法を用いて多孔質酸化物に導入することによ
    り、多孔質酸化物担体表面に高度に微分散されたアンチ
    モン酸化物として担持させることを特徴とする担体担持
    アンチモン触媒の製造方法。
  13. 【請求項13】 高度に微分散されたアンチモン酸化物
    が、固定化アンチモン酸化物クラスターであることを特
    徴とする請求項12記載の担体担持アンチモン触媒の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 アンチモンアルコキシドが、アンチモ
    ンエトキシドであることを特徴とする請求項12又は1
    3記載の担体担持アンチモン触媒の製造方法。
  15. 【請求項15】 多孔質酸化物が、シリカであることを
    特徴とする請求項12〜14のいずれか記載の担体担持
    アンチモン触媒の製造方法。
  16. 【請求項16】 固定化アンチモン酸化物クラスター
    が、その中にアンチモン原子を1個含むことを特徴とす
    る請求項13〜15のいずれか記載の担体担持アンチモ
    ン触媒の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜10のいずれか記載の低級
    アルコール酸化反応用触媒の存在下、低級アルコールを
    分子状酸素含有ガスにより気相接触酸化することを特徴
    とする低級アルコール部分酸化物の製造方法。
  18. 【請求項18】 低級アルコールがメタノールであり、
    低級アルコール部分酸化物がジメトキシメタンであるこ
    とを特徴とする請求項17記載の低級アルコール部分酸
    化物の製造方法。
  19. 【請求項19】 気相接触酸化が、300〜400℃の
    温度下で行われることを特徴とする請求項18記載の低
    級アルコール部分酸化物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009508685A (ja) * 2005-09-20 2009-03-05 アルケマ フランス 低級アルコールの直接酸化による低級アルコールの部分酸化生成物を調製する方法、およびこの方法において使用する触媒
JP2009249290A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 National Institute Of Advanced Industrial & Technology アセタールの製造方法
CN102627985A (zh) * 2011-04-18 2012-08-08 田强 汽、柴油添加剂组合物及其制备方法和用途

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