JP2001085963A - 圧電振動片の加工方法及び加工装置 - Google Patents

圧電振動片の加工方法及び加工装置

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JP2001085963A JP25908999A JP25908999A JP2001085963A JP 2001085963 A JP2001085963 A JP 2001085963A JP 25908999 A JP25908999 A JP 25908999A JP 25908999 A JP25908999 A JP 25908999A JP 2001085963 A JP2001085963 A JP 2001085963A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光による周波数調整の際の1工程にお
ける周波数の調整量を小さくして、精密に周波数調整で
き、高精度の圧電振動子等を提供すること。 【解決手段】 少なくとも一部が透光性材料でなるパッ
ケージ18内に圧電振動片13を収容し、外部より、前
記圧電振子片の所定の金属被覆部の金属被膜13bに対
して前記透光材料16を介してレーザ光を照射してトリ
ミング加工することにより周波数調整する方法であっ
て、光源からのレーザ光のパワーを調整するとともに、
前記レーザ光の波長を700nm以下に設定して、短焦
点の光集束手段により前記金属被膜に集光させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、圧電振動
片をパッケージに内蔵した圧電振動子の製造工程におけ
る周波数調整方法等に利用される圧電振動片の加工方法
及び加工装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、HDD(ハード・ディスク・ドラ
イブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等
の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、あるいは
ページングシステム等の移動体通信機器において装置の
小型薄型化がめざましく、それらに用いられる圧電振動
子等の圧電デバイスも小型薄型化が要求されている。ま
たそれとともに、装置の回路基板に両面実装が可能な表
面実装タイプの圧電振動子が求められている。
【0003】そこで、従来の圧電振動子の一例を、圧電
振動片に音叉型の水晶振動片を用いた図8(a),
(b)の構造図で示される低中周波水晶振動子を用いて
説明する。低中周波水晶振動子とは、代表的な時計用の
32.768KHz及びICカードやページャ等に用い
られる数KHz〜数百KHzの周波数を有する水晶振動
子である。
【0004】図8(a),(b)において、圧電振動片
2は、水晶基板から音叉型に形成され、その表面に駆動
用の金属電極を設けた水晶振動片として形成されてい
る。
【0005】この水晶振動片2は、セラミックの積層基
板で形成されたベース3の台座部4に導電性の接着剤5
等でマウント接合されている。そして、ベース3の内部
空間を上から塞ぐように、透明なガラス材で形成された
リッド6により真空雰囲気中で封止されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の圧電
振動子1では、上記のように、リッド6により真空封止
した後において、更にレーザ等によりガラス製のリッド
6越しにトリミング加工がされ、周波数の調整がされて
いる。ここでは、図9に示されているように、圧電振動
片2の先端に、電極の上に重ねて予め金属被覆により設
けられた周波数調整部2aに対して、リッド6を透過し
てレーザ光Lが照射されることにより、この金属被覆部
がレーザ光の集光スポットに対応した箇所で高温に加熱
され蒸散される。
【0007】これにより、圧電振動片2は、その分軽く
なり、周波数性能で、700ppm程度のずれ量から5
0ppmのずれ量程度まで調整される。
【0008】しかしながら、従来のレーザ光による周波
数調整では、図9に示すように、レーザ光による光ビー
ムLは、周波数調整部2aのみならず、透明な水晶材料
を透過して裏面側の金属被覆部2bまで加熱してしまう
場合があった。
【0009】これにより、裏面側の金属被覆部2bの金
属が飛散して、ベース3の内面に付着したり、これが衝
撃等により剥がれて絶縁されている電極部等の間に付着
したりしてショートの原因になったりする不都合があっ
た。
【0010】さらに、レーザ光による加工の際に1工程
(1ショット)で、5ppmないし10ppm程度周波
数が変動することから、封止後の全体のバラツキが50
ppmないし100ppmと大きくなってしまい、不良
品となることで歩留りが低下するという問題があった。
【0011】本発明の目的は、以上の課題を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、レ
ーザ光による周波数調整の際の1工程における周波数の
ずれ量を小さくして、精密に周波数調整でき、高精度の
圧電振動子等を得るための加工方法と加工装置を提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、請求項1記
載の発明にあっては、圧電振動片をパッケージ内に収納
し、前記圧電振動片の所定の金属被覆部の金属被膜に対
してレーザ光を照射してトリミング加工することにより
周波数調整する加工方法であって、レーザ光発生手段か
らの波長700nm以下のレーザパワーを調整するとと
もに、前記レーザ光を短焦点の光集束手段により前記金
属被膜に集光させる、圧電振動片の加工方法により、達
成される。
【0013】請求項1の構成によれば、パワー調整した
レーザ光を前記短焦点の光集束手段により、前記圧電振
動片の表面側の金属被膜に適切なスポット径にて集束さ
せることができる。これにより、圧電振動片の表面側だ
けにトリミング加工を行うことがことができる。
【0014】すなわち、光集束手段の焦点距離が長い
と、加工すべき圧電振動片の表面側のスポット径と、こ
の光ビームが圧電振動片の材料をその厚み方向に透過し
て裏側へぬける場合、この裏側のスポット径が表側のス
ポット径とがあまり変わらずに、同様のスポット径で集
光されてしまうために、表側と裏側が同時に加工されて
しまう。このため、請求項1の発明では、光集束手段を
短焦点とするとともに、レーザ光の波長を700nm以
下に設定することで、加工すべき圧電振動片の表面側に
適切な小さなビームスポットを形成することができる。
【0015】ここで、レーザ光は、その波長により、照
射された金属面における反射率が異なり、700nm以
下では、反射率が低下して、吸収されやすくなる。この
ため、加工すべき圧電振動片の表面側に小さなビームス
ポットを形成してもより多くのエネルギーが加工すべき
金属面に吸収されるので、有効に加工することが可能で
ある。
【0016】しかも、レーザ光のパワーを調整すること
で、加工すべき表側だけに、加工に必要なパワーを集光
させ、このレーザ光は、圧電振動片の裏側では、スポッ
ト径が大きく、かつパワーが小さくなるために、加工さ
れない。
【0017】このため、1回の加工による周波数の調整
量を小さくすることができ、精密な調整が可能となる。
しかも、圧電振動片の裏側の金属被膜は蒸散されないと
いう作用を発揮する。
【0018】請求項2の発明は請求項1の構成におい
て、前記レーザ光は、YAGレーザ,YVOレーザ
またはYLFレーザにより生成され、そのレーザ光の波
長は、前記YAGレーザ,YVOレーザまたはYL
Fレーザの高調波が利用されることを特徴とする。
【0019】請求項2の構成によれば、YAGレーザ,
YVOレーザまたはYLFレーザの高調波を用いれ
ば、短焦点で集束するレーザ光を容易に得ることができ
る。
【0020】請求項3の発明は、請求項1または2のい
ずれかの構成において、前記レーザ光のスポット径が、
圧電振動片に対する照射位置にて、ほぼ5μmであるこ
とを特徴とする。
【0021】請求項3の構成によれば、圧電振動片に対
する照射位置,すなわち、圧電振動片の表面側の金属被
膜に約5μmのスポット径にてレーザ光を照射すること
により、さらに水晶材料を透過した裏側では、スポット
径は大きくなり、圧電振動片の裏側の金属被膜は蒸散さ
れない。
【0022】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの構成において、前記レーザ光による加工中に少
なくとも加工部周辺を冷却することを特徴とする。
【0023】請求項4の構成によれば、レーザ光の集束
した加工箇所の高温が周辺に伝わることを防止でき、圧
電振動片が加工中に熱で周波数変化することを防止でき
る。
【0024】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかの構成において、前記圧電振動片の所定の金属被
膜に、短焦点の光集束手段により集束された、波長が7
00nm以下のレーザ光を第1のパワーにて照射し、前
記圧電振動片の表面の前記金属被膜を蒸散させるととも
に、この圧電振動片を透過して裏面の前記金属被膜を蒸
散させ、次いで、前記レーザ光を第1のパワーより小さ
い第2のパワーにして前記圧電振動片の表面に照射し
て、この表面の前記金属被膜のみをさらに蒸散させるこ
とにより、微調整がおこなわれることを特徴とする。
【0025】先ず、圧電振動片の表裏両面をレーザ光に
より加工して、周波数を粗調整し、次いで、圧電振動片
の表面側の金属被膜だけ蒸散させて、精密に周波数を合
わせこむことができる。
【0026】また、上記目的は、請求項6記載の発明に
あっては、波長700nm以下のレーザ光を発生するレ
ーザ光発生手段と、前記レーザ光のパワーを調整する手
段と、前記レーザ光を圧電振動片の所定の照射位置に集
束するための短焦点の光集束手段とを備える、圧電振動
片の加工装置により、達成される。
【0027】請求項6の構成によれば、前記レーザ光発
生手段からの光ビームを、短焦点の光集束手段にて、前
記圧電振動片の表面側の金属被膜に適切なスポット径に
てレーザ光を集束させることができ、これにより、圧電
振動片の表面側だけにトリミング加工を行うことがこと
ができる。このため、1回の加工による周波数の調整量
を小さくすることができ、精密な調整を行うことができ
る。
【0028】請求項7の発明は請求項5または6の構成
において、前記光集束手段の前段に、光分割手段を配置
することにより複数本の光ビームを生成するようにした
ことを特徴とする。
【0029】請求項7の構成によれば、光分割手段に
て、光源からの前記波長のレーザ光を複数の光ビームに
分割することで、適切なパワーの複数本の光ビームを得
ることができ、各分割された光ビームを利用すること
で、ひとつの圧電振動片の複数の箇所を同時にトリミン
グ加工することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の圧電振
動子の実施の形態を説明する。
【0031】図1及び図2は、例えば圧電振動片とし
て、音叉型の水晶振動片を用いた、時計用の32.76
8KHz水晶振動子の例であり、図1は、その縦断面
図、図2は、平面図である。
【0032】これらの図に示すように、圧電振動子10
においては、3層のセラミック基板11a,11b,1
1cで内部空間Sを形成するようにベース11が設けら
れている。このうち、2層のセラミック基板11a,1
1bが積層されたベース11上の一端部に、金属でメタ
ライズされ表面にNi及びAuメッキが施された電極部
12a、12bが形成されている。このベース11の電
極部12a、12b上に、駆動用の金属電極が表面に形
成された圧電振動片としての例えば音叉型の水晶振動片
13の電極部(図示せず)を、アライメントしてマウン
トし、導電性の接着剤15,15で電気的に接続固定し
ている。ここで、水晶振動片13は、先端側で2つに分
かれた振動腕13a,13aを備えている。そして、振
動腕13aの先端部には、予め、スパッタリング等の手
法により、AuあるいはAg等の金属被膜部13bが形
成されている。
【0033】さらに、透光材料,例えばガラスで形成し
たリッド(蓋)16をベース11にアライメントして封
止材17を用いて、例えば加熱炉等により、封止材17
を溶かして第1の封止により封止固定されている。
【0034】このようにして、圧電振動片13はベース
11とリッド16でなるパッケージ18に封入されてい
る。
【0035】このベース11の底面には、図1に示され
ているように、パッケージ18の内部と、外部を連通す
る開口部19が形成されている。そして、後述する周波
数調整後に、この開口部19を用いて、第2の封止が行
われる。
【0036】図3は、上記第1の封止の次の加工工程で
ある周波数調整工程を示している。第1の封止が行われ
た圧電振動子10を図示のように配置し、その上に後述
する加工装置20を配置する。そして、この圧電振動子
10内に封止されている圧電振動片13の周波数調整部
(粗・微調部)である金属被膜部13bに対して、図示
のように加工用のレーザ光Lを照射して、高温によりこ
の金属被膜部13bの金属被膜をトリミング加工によ
り、蒸発させ、振動腕13aの重さを軽くして、周波数
が高くなる方向へ周波数調整する。
【0037】図4は、このような加工装置20の概略構
成を示す光学ブロック図である。
【0038】図において、加工装置20は、レーザ光発
生手段21と、このレーザ光発生手段21から出射され
る光ビームL1が入射するパワー減少手段22と、この
パワー減少手段22から出射する光ビームL2の光路を
変更する光路変換手段23と、光路変換手段23からの
光ビームが入射する光集束手段24とを備えている。レ
ーザ光発生手段21は、レーザ光源を有している。この
場合レーザ光源としては、例えばYAG(yttriu
m aluninum garnet)レーザやYVO
レーザまたはYLFレーザ等が利用される。
【0039】ここで、YAGレーザは、YAl
12の母体結晶にネオジウムイオンや、ホロニウムイ
オンをドープしたYAGレーザロッド等を用いた固体レ
ーザとして広く使用されており、通常、発振波長は10
64nmである。本実施形態では、特に、この波長をそ
のまま用いることなく、好適には、このYAGレーザの
第2高調波を用いる。
【0040】すなわち、例えばレーザ光発生手段21
は、上記YAGレーザの第2高調波を発生する手段を内
蔵している。ここで、所定のパワー密度を有するレーザ
光は、透明な媒質を通過する際に、数次の高調波を発生
する。この性質を利用して、レーザ光発生手段21に
は、位相整合可能な2次の非線形媒質,例えば、KDP
やLiNbO3等を波長変換素子とした公知の2次高調
波発生手段SHG(second homonic g
enerater)が備えられている。
【0041】これにより、例えばレーザ光発生手段21
から出射される光ビームL1は、YAGレーザの第2高
調波として、532nmの波長に波長変換されている。
ここで、加工に利用されるレーザ光は、YAGレーザの
第2高調波だけでなく、波長700nm以下であれば、
本実施形態の方法に使用することができるが、このよう
にYAGレーザの第2高調波を利用することによって、
加工に適した波長の光ビームを比較的容易に得ることが
できる。
【0042】パワー減少手段22は、例えばアッテネー
タが用いられ、パワー調整して10〜20mW(ミリワ
ット)の光ビームL2を出射する。
【0043】そして、光路変換手段23は、例えば反射
ミラーを利用した光路折り曲げミラーが使用され、光ビ
ームL2の光路を90度折り曲げることによって、装置
全体の構成を小さくすることができる。
【0044】そして、光ビームL2が入射する光集束手
段24は、例えば図5のように構成される。
【0045】光集束手段24は、特に短焦点のものが利
用されており、好適には、その焦点距離は、50mm以
下である。光集束手段24の焦点距離fが長いと、加工
すべき圧電振動片13の振動腕13aの表面側の金属被
膜13bに集光するスポット径と、この光ビームL3が
圧電振動片13の材料をその厚み方向に透過して裏側へ
ぬける場合、この裏側の金属被膜13cにおけるスポッ
ト径が表側のスポット径とがあまり変わらずに、同様に
集光されてしまうために、表側と裏側が同時に加工され
てしまうからである。この点、圧電振動片13の材料の
厚みは、100μm程度であることから、この焦点距離
を短く設定することは特に重要である。光集束手段24
は、この実施形態では、例えば、短焦点の凸レンズが使
用されている。光集束手段24は、光ビームL2を圧電
振動片13の振動腕13aに形成した金属被膜13bに
集束させる機能を果たせば、他の光学素子,例えばホロ
グラム素子等適宜利用することが可能である。
【0046】この場合、上記凸レンズ24は、レンズ形
D=16mm、焦点距離=100mm、そして、入射す
る光ビームL2の波長λ=532nmとした時に、スポ
ット径d=5μmとすることができ、光ビームL2とし
て好適な加工用スポットを得ることができた。この時の
レーザ光発生手段21によるレーザパワーは、パルス発
振の繰り返し数が3kHzのとき、ほぼ10mWないし
15mWで、1ショットに60ns程度の時間を設定し
た。
【0047】ここで、光集束手段24から出射する光ビ
ームL3の波長は、上述のようにλ=532nmで、7
00nm以下に設定されている。このように設定したの
は、レーザ光が、その波長により、照射された金属面に
おける反射率が異なり、700nm以下では、反射率が
低下して、吸収されやすく、また、小さなビームスポッ
トを形成することができるからである。このため、加工
すべき圧電振動片13の表面側の金属被膜13bに小さ
なビームスポットを形成しても有効に加工することがで
きる。
【0048】かくして、上述のような加工装置20を用
いて、図3に示したようにレーザ光による周波数調整を
行うことにより、圧電振動片13の表面側の金属被膜1
3bだけを蒸散させることができ、裏側の金属被膜13
cは加工されない。
【0049】これにより、1ショットの加工で、0.1
ppm程度の周波数調整が可能で、真空中により、図1
の開口部19を塞いだ第2の封止後の性能においても、
周波数性能のばらつきをプラスマイナス2ppm程度に
おさめることができ、精密な周波数調整を実現すること
が可能である。
【0050】ここで、少なくとも圧電振動片13の先端
近傍に、開口部19を利用して窒素等を吹きつけなが
ら、上記レーザ加工を行うと、さらに好ましい。これに
より、レーザ光の集束した加工箇所の高温が周辺に伝わ
ることを防止でき、圧電振動片が加工中に熱で周波数変
化することを防止できる。
【0051】図6は、加工装置20の変形例の要部を示
す図であり、この場合、光源からの光ビームL4は、図
4の場合と同じく、例えば、YAGレーザやYVO
レーザまたはYLFレーザの高調波等を使用することが
できる。
【0052】この光ビームL4は、光路上に配置された
1/2波長板25に入射され、1/2波長板25から出
射された光は、その後段の光分離手段,例えば偏光分離
手段としての偏光ビームスプリッタ26に入射され、こ
の偏光ビームスプリッタ26から出射された光ビームL
6が、図4の光集束手段24に入射されるようになって
いる。
【0053】上記1/2波長板25は、レーザ光L4の
直線偏光に関して、P偏光成分とS偏光成分との比率を
変換する。
【0054】偏光ビームスプリッタ26は、例えば、2
つの三角プリズムの突き合わされた各斜辺の間に誘電体
多層膜でなる偏光分離膜26aを有するキュービック状
のビームスプリッタである。これにより、直線偏光の光
ビームL5が、所定の角度で偏光分離膜26aに入射さ
れることにより、その光学作用によって、直線偏光成分
のうちのP偏光成分とS偏光成分とが所定の割合で偏光
分離される。すなわち、偏光分離膜26aに関して、予
め設計された透過,反射特性に基づいて、適当なパワー
の波長700nm以下の偏光成分が偏光分離膜26aを
透過(もしくは反射)されて取り出される。この偏光成
分でなる光ビームL6は、偏光分離膜26aの機能によ
り、偏光分離されることによって、パワーが減少されて
いる。
【0055】このように,この変形例では、1/2波長
板25及び偏光ビームスプリッタ26が、光源からのレ
ーザ光のパワーを減少させる手段を構成している。
【0056】したがって、この光ビームL6を、図3で
説明したように、圧電振動子10の金属被膜13bに照
射することにより、図4の周波数調整装置を同等の機能
を発揮する。
【0057】尚、偏光ビームスプリッタ26の代わり
に、同等の機能を備える偏光性ホログラム素子等の偏光
分離手段を用いてもよい。また、1/2波長板25及び
偏光ビームスプリッタ26の代わりに、例えば、ウォラ
ストンプリズム等を用いて、光源からの光ビームL4を
常光と異常光とに光分離して、同等の機能を発揮するよ
うに構成してもよい。
【0058】図7は、図4の加工装置20のさらに異な
る変形例を示している。
【0059】図において、光集束手段24の前段には、
光分割手段27が配置された構成が示されている。
【0060】すなわち、図7のように光集束手段24の
前段に配置された光分割手段27には、レーザ光発生手
段21から、波長700nm以下の光ビームL1が入射
される。光分割手段27は、例えば位相格子(回折格子
−グレーティング)であり、上記レーザ光L1を回折さ
れない0次光と回折作用により位相がずれた回折光とに
分割し、光集束手段24により集束される光ビームが複
数本,図では、少なくとも3本の光ビームとなるように
することができる。
【0061】これにより、3本の光ビームL8,L8,
L8は、その分レーザ光L1よりもパワーが小さくなっ
ている。しかも、3本の光ビームL8,L8,L8は、
同時に3箇所S1,S2,S3の照射位置にて、圧電振
動片の3つの箇所を加工することが可能となり、その分
加工効率が向上する。
【0062】尚、この場合、光分割手段27としては、
回折格子だけでなく、所定の回折作用により光ビームを
分割できる例えばホログラム素子等を利用するようにし
てもよい。
【0063】さらに、上述の加工方法において、圧電振
動片13に対して、最初は、デフォーカスしたり、レー
ザ照射時間を長くしたりして、従来と同じレーザ加工を
行い、次いで、レーザ光を圧電振動片の表面に照射し
て、表面の金属被覆のみをさらに蒸散させることによ
り、微調整を行うようにしてもよい。
【0064】これにより、圧電振動片13の表裏両面を
レーザ光により加工して、周波数を粗調整し、次いで、
圧電振動片13の表面側の金属被膜13bだけ蒸散させ
て、精密に周波数を合わせこむことができる。
【0065】本発明は上述の実施形態や各変形例の個別
の態様に限定されず、その構成は任意に組み合わせるこ
とができる。
【0066】また、圧電振動子に限らず、パッケージに
発振回路等を有するICチップと水晶振動子を内蔵した
水晶発振器や、リアルタイムクロックオシレータ、加速
度センサ等にも上述の加工方法を適用することができ
る。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、レ
ーザ光による周波数調整の際の1工程における周波数の
調整量を小さくして、精密に周波数調整でき、高精度の
圧電振動子等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る加工方法が適用される
圧電振動子の縦断面図。
【図2】本発明の実施形態に係る加工方法が適用される
圧電振動子の平面図。
【図3】図1及び図2の圧電振動子のレーザ加工工程を
示す概略図。
【図4】本発明の実施形態に係る加工方法に使用される
加工装置の光学系の概略構成を示すブロック図。
【図5】図4の加工装置に使用される光集束手段の一例
を示す説明図。
【図6】図4の加工装置の変形例の要部を示す説明図。
【図7】図4の加工装置の他の変形例の要部を示す説明
図。
【図8】圧電振動子の一例を示すの構造図であり、
(a)はその平面図、(b)はその概略側断面図。
【図9】図8の圧電振動子の圧電振動片を加工する様子
を示す要部拡大図。
【符号の説明】
10 圧電振動子 11 ベース 13 圧電振動片 13b 金属被膜(粗・微調部) 13c 金属被膜(裏面/粗調部) 16 リッド(蓋) 21 レーザ光発生手段 22 パワー減少手段 23 光路変換手段 24 光集束手段 25 1/2波長板 26 偏光分離手段 27 位相格子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅津 一成 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 5J108 NA03 NB05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動片をパッケージ内に収納し、前
    記圧電振子片の所定の金属被覆部の金属被膜に対してレ
    ーザ光を照射してトリミング加工することにより周波数
    調整する加工方法であって、 レーザ光発生手段からの波長700nm以下のレーザパ
    ワーを調整するとともに、前記レーザ光を短焦点の光集
    束手段により前記金属被膜に集光させることを特徴とす
    る圧電振動片の加工方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザ光は、YAGレーザ,YVO
    レーザまたはYLFレーザにより生成され、そのレ
    ーザ光の波長は、前記YAGレーザ,YVOレーザ
    またはYLFレーザの高調波が利用される請求項1に記
    載の圧電振動片の加工方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光のスポット径が、圧電振動
    片に対する照射位置にて、ほぼ5μmである、請求項1
    または2のいずれかに記載の圧電振動片の加工方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光による加工中に少なくとも
    加工部周辺を冷却する請求項1ないし3のいずれかに記
    載の圧電振動片の加工方法。
  5. 【請求項5】 前記圧電振動片の所定の金属被膜に、短
    焦点の光集束手段により集束された、波長が700nm
    以下のレーザ光を第1のパワーにて照射し、前記圧電振
    動片の表面の前記金属被膜を蒸散させるとともに、この
    圧電振動片を透過して裏面の前記金属被膜を蒸散させ、 次いで、前記レーザ光を第1のパワーより小さい第2の
    パワーにして前記圧電振動片の表面に照射して、この表
    面の前記金属被膜のみをさらに蒸散させることにより、
    微調整がおこなわれる請求項1ないし4のいずれかに記
    載の圧電振動片の加工方法。
  6. 【請求項6】 波長700nm以下のレーザ光を発生す
    るレーザ光発生手段と、 前記レーザ光のパワーを調整する手段と、 前記レーザ光を圧電振動片の所定の照射位置に集束する
    ための短焦点の光集束手段とを備えることを特徴とす
    る、圧電振動片の加工装置。
  7. 【請求項7】 前記光集束手段の前段に、光分割手段を
    配置することにより複数本の光ビームを生成するように
    した請求項5または6に記載した圧電振動片の加工装
    置。
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