JP2001085077A - 光電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

光電変換素子およびその製造方法

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semiconductor electrode
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semiconductor
electrode
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Yoshiyuki Ono
好之 小野
Katsuhiro Sato
克洋 佐藤
Akira Imai
彰 今井
Hidekazu Hirose
英一 廣瀬
Hokuto Takada
北斗 高田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れ、効率よくエネルギーを変換す
る光電変換素子を提供する。 【解決手段】 半導体体電極がそれに接した電荷輸送層
を介して対抗電極と接続される光電変換素子において、
電荷輸送層が、使用状態で電子性キャリアを伝導可能な
液体である電荷輸送性液体材料から構成される。この電
荷輸送性液体材料は、特にベンゾチアゾール骨格を有す
る化合物が好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光化学電池、太陽
電池、光センサーなどの光電変換素子およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】化石燃料の燃焼による地球温暖化や、人
口の増加に伴うエネルギー需要の増大は、人類の存亡に
関わる大きな課題となっている。太陽光はいうまでもな
く、太古以来現在まで、地球の環境を育み、人類を含む
すべての生物のエネルギー源となってきた。最近、無限
でかつ有害物質を発生しないクリーンなエネルギー源と
して太陽光を利用することが検討されている。なかでも
太陽光の持つ光エネルギーを電気エネルギーに変換する
いわゆる太陽電池が有力な技術手段として注目されてい
る。
【0003】太陽電池用の光起電力材料としては、単結
晶、多結晶、アモルファスのシリコンや、CuInS
e,GaAs,CdSなどの化合物半導体が使用されて
いる。これらの無機半導体を用いた太陽電池は10%か
ら20%と比較的高いエネルギー変換効率を示すため、
遠隔地用の電源や携帯用小型電子機器の補助的な電源と
して実用化されている。しかしながら冒頭に述べた化石
燃料の消費を抑えて地球環境の悪化を防止するという目
的に照らすと、現時点では無機半導体を用いた太陽電池
は十分な効果を上げているとは言い難い。 その理由
は、これらの無機半導体を用いた太陽電池は、プラズマ
CVD法や高温結晶成長プロセスにより製造されてお
り、素子の作製に多くのエネルギーを必要とするためで
ある。また、Cd,As,Seなどの環境に有害な影響
を及ぼしかねない成分を含んでおり、素子の廃棄による
環境破壊の可能性も懸念されている。
【0004】この課題を解決する方法として、光半導体
(光照射によりキャリアが生成される半導体)と電荷輸
送性液体材料との界面でおきる光電気化学反応を利用し
た光電気化学的なエネルギー変換装置が期待されてい
る。藤嶋らは水溶液中の酸化チタン電極に紫外光を照射
すると、水が分解され酸素と水素が得られると同時に対
極である白金との間に光電流が流れることを見出した
(A.Fujishim、K.Honda, Nature, 238,37 (1972)).
【0005】上記の光電気化学的なエネルギー変換装置
は、太陽エネルギーから電気エネルギーを取り出すと同
時に、無尽蔵の天然資源である水からクリーンな燃料と
しての活用が期待できる水素を発生するものであり、注
目されている。しかしながら酸化チタンはそのバンドギ
ャップが3.0eVと大きく、太陽光のごく一部の紫外光の
みしか利用できず効率の高い光−電気エネルギー変換は
望めない。
【0006】そこで大きなバンドギャップを有する酸化
物半導体の表面に有機色素を吸着させて増感させること
が検討されている(H.Tsubomura, Bull.Chem. Soc.Jap.,
50,2533 (1977)。さらに光の利用効率を高める目的
で,大きな比表面積を有する酸化チタンを使用すること
が提案されている(特開平1−220380)。また増感色素の
吸着密度を高める目的で、複数の孔径度数分布が複数の
ピークを有する金属酸化物多孔質体を半導体電極に用い
ること、またそのような金属酸化物多孔質体を作製する
方法が提案されている(特開平11-144772)。
【0007】これらの素子においては、半導体電極は、
溶媒中に電解質を溶解させたいわゆる電荷輸送性液体材
料を介して対向電極と接続されている。この場合、長時
間使用すると、分極や電解質の偏在化により光電変換効
率が低くなることが懸念されている。このような欠点を
克服するため、光導電性ディスコティック液晶を電荷輸
送層に用いる方法(特開平8-236166)や、固体の有機ホー
ル輸送性材料を電荷輸送層に用いる方法(特開平11-1447
73)などが提案されている。しかしながら、液晶材料を
用いる場合、材料の選択幅が狭く光電変換効率に優れた
材料は見出されていない。また固体の有機ホール輸送性
材料を用いた場合、結晶化により半導体電極との電気的
な接続が阻害されるなどの原因により光電変換効率の低
いものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、耐久
性に優れ、効率よくエネルギーを変換する光電変換素子
を提供することにある。本発明の他の目的は、耐久性に
優れ、効率よくエネルギーを変換する光電変換素子を簡
便かつ効率よく製造することができる製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、耐久性に
優れ、効率よくエネルギーを変換する光電変換素子につ
いて、鋭意研究を重ねた結果、金属酸化物多孔質体の表
面に増感色素を担持させた半導体電極と対向電極とを、
それ自身電荷を輸送する能力を有した液体性材料で接続
することにより、電気的な特性を妨げることなく素子の
耐久性を上げられることを見出し、本発明を完成するに
至った。本発明の請求項1に係わる光電変換素子は、半
導体電極がそれに接した電荷輸送層を介して対向電極と
接続された光電変換素子において、前記電荷輸送層が素
子の使用状態において液体からなる電荷輸送性材料で構
成されることを特徴とする。本発明の請求項2に係わる
光電変換素子は、請求項1に係わる光電変換素子におい
て、前記電荷輸送性材料がベンゾチアゾール骨格を有す
る化合物であることを特徴とする。本発明の請求項3に
係わる光電変換素子は、請求項1または請求項2に記載
の光電変換素子において、前記半導体電極の半導体性材
料が、金属酸化物多孔質層とその微細孔表面に担持させ
た増感色素分子層とからなることを特徴とする。本発明
の請求項4に係わる光電変換素子の製造方法は、対向電
極と半導体電極とをはり合せたのち、両電極間に素子の
使用状態において液体からなる電荷輸送性材料を注入す
ることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光電変換素子は、半導体電極と対向電極を有
し、該半導体電極がそれに接し、素子の使用状態におい
て液体からなる電荷輸送性材料で構成される電荷輸送層
を介して対向電極と電気的に接続されていることを特徴
とする。
【0011】本発明で使用される半導体電極用の材料と
しては、特に限定されるものではなく、シリコン、ゲル
マニウムなどのIV族元素からなる半導体や,GaAs、In
P、CuInSe2などの化合物半導体、金属酸化物半導体など
公知のものが使用できる。なかでも光電気化学的な安定
性の観点から、金属酸化物半導体が好適なものとして挙
げられる。金属酸化物としては、特に限定されるもので
はないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、
酸化バナジウム、酸化スズ、酸化銅、チタン酸ストロン
チウム等が挙げられる。なかでも酸化チタン、チタン酸
ストロンチウム等が好ましいものとして挙げられる。対
向電極の材料としては、良導体であればいかなるもので
あっても使用することができるが、酸化・還元反応に対
する過電圧の低いもの、例えば白金、パラジウム、ロジ
ウム、ルテニウム、金等を好適なものとして挙げること
ができる。
【0012】電荷輸送層の材料には、素子の使用状態に
おいて液体からなる電荷輸送性材料(以下、電荷輸送性
液体材料という)が使用される。この電荷輸送性液体材
料は、液体それ自身が電荷を輸送する能力を有する材料
であり、電子性キャリアが伝導可能な液体である。この
電子性キャリアが伝導可能な液体とは、実質的にこのよ
うな作用を有するものであって、液体中に含有される水
分等の不純物によりイオン伝導がごく微量生じる場合も
包含される。
【0013】固体エレクトロニクス材料は広く知られて
いるが、液体エレクトロニクス材料なるものはこれまで
のところ広く実用に供されているとは言えない。液体を
主体に開発されたものとしては、電解質溶液を用いた電
池が代表的である。この場合液体材料は本来液体性であ
る溶媒に、電荷を運ぶ主体であるイオン源としての電解
質を溶解させたものである。この場合、先にも述べたよ
うに電荷を運ぶには電子に比較して体積も質量も圧倒的
に大きなイオンという物質の移動を伴うため、長時間使
用するとイオンの偏在等により分極が起こり、光電変換
効率が低下してしまう。また古くはやはり電解質溶液を
用いたダイオード素子やトランジスタ素子の検討なども
行われたが、本質的にイオン伝導によるところの課題は
同様であり、シリコン半導体素子の出現により実用的な
意義を失い、その後めだった研究は行われていない。
【0014】ところが、近年液体中の電子の振る舞いが
詳しく調べられるに従い、ある種の液体では電子がかな
り速い速度で自由に動き回っていることがわかってき
た。半導体電極、特に多孔質半導体電極と対向電極とを
電荷輸送層で接合した光電変換素子の電荷輸送層材料
に、前記電荷輸送性液体材料の利用は非常に有効であ
る。電荷輸送性液体材料は、液体であるため多孔質体の
細孔のすみずみまで浸透でき確実な電気的接合がはかれ
るのに加え、半導体電極と対向電極とをはり合せた後、
電荷輸送性液体材料を注入するという簡便な方法で素子
が作製できるという利点も有している。通常多くの液体
は絶縁体とみなされており、コンデンサの誘電材料とし
ても用いられている。液体が絶縁性を示すのは、多くの
液体とくに有機化合物はバンドギャップに相当するエネ
ルギー、すなわち電子を熱的に励起状態に励起し内因性
のキャリアを生み出すのに必要なエネルギーが8eV以上
と大きくキャリア密度が極端に少ないためである。実
際、電極からのキャリアの注入や紫外線の照射、光電子
放出などの手段でキャリアを外的に作り出せば、そのキ
ャリアの移動度は必ずしも小さくない。
【0015】本発明においては、キャリアは光電極にお
いて生成され、電荷輸送層へと注入するため外因性のキ
ャリアが移動できる液体であれば、電荷輸送性液体材料
として使用できる。このような電荷輸送性液体材料とし
て、例えば、アニリン、チオフェン、ピロール、ピリジ
ン、ネオヘキサン(2、2ジメチルブタン)、ネオペンタン
(2、2ジメチルプロパン)、ベンゾチアゾール、テトラメ
チルシラン、テトラメチルゲルマニウムなどの化合物が
例示できる。中でもベンゾチアゾール、アニリンは可視
光用増感色素との酸化還元準位のマッチングがとりやす
く好ましい化合物である。これらのまた、特殊な液体と
して、良導体に近い伝導性を示すものもあり、これらの
電荷輸送性液体に対して、伝導度をあげる目的でドーパ
ントを添加してもよい。好ましいドーパントとしては、
ベンゾキノン、テトラシアノキノジメタン、テトラシア
ノエチレン、クロラニル、トリニトロベンゼン、無水マ
レイン酸、よう素などが挙げられる。
【0016】また、電荷輸送性液体材料の例として、熱
溶融状態の導電性高分子が挙げられる。これらは共役系
が発達しているためπ電子が比局在化しており、比較的
小さなエネルギーで伝導状態に励起される。例えばポリ
(3-アルキルチオフェン)などが代表的なものである。こ
の導電性高分子は、熱溶融状態で液体状を呈するのでこ
れを素子に使用する場合、導電性高分子を加熱した状態
で使用する必要がある。さらにアルカリ金属を含む液体
アンモニアも電子的に良導体である液体であり、本発明
における電荷輸送性液体材料として使用することができ
る。
【0017】また、半導体電極に増感色素を担持させる
ことによって光吸収効率を増大させることができる。増
感色素としては、増感作用をもたらすものであれば如何
なるものでも使用できるが、ローダミンB、ローズベン
ガル、エオシン、エリスロシン等のキサンテン系色素、
キノシアニン、クリプトシアニン等のシアニン系色素、
フェノサフラニン、チオシン、メチレンブルー等の塩基
性染料、クロロフィル、亜鉛ポルフィリン、マグネシウ
ムポルフィリン等のポリフィリン化合物、アゾ染料、フ
タロシアニン化合物、Ruトリスビピリジル等の錯化合
物、アントラキノン系色素、多環キノン系色素、チオニ
ン系色素等が挙げられる。
【0018】光電気化学反応は、半導体電極と電荷輸送
性液体材料との界面での酸化還元反応により引き起こさ
れる。目的とする光電変換機能を効率よく達成するに
は、金属酸化物半導体電極と電荷輸送性液体材料との界
面を増やすことが有効な手段となる。電極を多孔質化さ
せて比表面積を増大させることで、金属酸化物半導体電
極と電荷輸送性液体材料との界面を飛躍的に増やすこと
ができる。また多孔質化された金属酸化物半導体電極の
表面に増感色素を担持させることにより光の吸収効率も
増大させることができる。金属酸化物多孔質層は、細孔
径が小さいミクロ孔とそれに比較して大きな細孔径のマ
クロ孔が存在し、二山以上の度数分布を持つ。細孔径が
小さいミクロ孔を高密度にもたせることで、比表面積を
増大させることができる。しかしながら、半導体電極内
部の界面のすみずみまで増感色素や電荷輸送性液体材料
が浸透しなければいくら比表面積が大きくても意味をも
たない。本発明における細孔径が小さいミクロ孔は主に
比表面積の増大において効果的であり、それに比較して
大きな細孔径のマクロ孔は増感色素や電荷輸送性液体材
料が浸透を促進するうえで効果的である。なお、ここで
いう微細孔の孔径とは、金属酸化物層の切断面におい
て、孔となっている部分の面積と同一の面積の円におけ
る半径(円相当半径)のことを示す。
【0019】微細孔が、ミクロ孔であるのかマクロ孔で
あるのかの臨界径は約100Åである。したがって、ミク
ロ孔の半径は10以上100Å未満の範囲が、マクロ孔の半
径は100Å以上1.0×104Å以下の範囲が好ましい。最も
好ましい範囲は、担持される機能分子の大きさによって
異なるので、これに限定されるものではない。多孔質体
の細孔分布は、公知の方法により求めることができる。
半径1000Å以下の細孔の分布は窒素、クリプトンなどの
吸着等温線よりもとめる気体吸着法が、半径1000Å以上
の細孔の分布はポロシメーターを用いる水銀圧入法によ
り測定できる。
【0020】金属酸化物微粒子が複数個凝集した相と金
属酸化物微粒子が無い空隙相とに分離した相分離状構造
を形成している。金属酸化物多孔質体膜として自立する
ために、金属酸化物微粒子が凝集した相は3次元的に連
続したネットワーク状の連続相を呈している。このよう
な構造をとることにより、微粒子同士の間に体積の小さ
な空隙、金属酸化物微粒子凝集相同士の間にそれよりも
大きい空隙が生ずる。先に述べたように、大きな比表面
積を有する金属酸化物多孔質体を形成する方法として金
属酸化物微粒子を堆積する方法は有効であるが、空隙の
大きさは微粒子の径以下であるため、比表面積は大きい
ものの機能分子や電荷輸送性液体材料が膜の内部にまで
浸透しにくく、結果的には膜厚が厚くなるに従い、多孔
質化したことによる光吸収増大の効果や界面増加による
光電変換効率の向上の効果は小さくなってしまう。
【0021】本発明では、金属酸化物微粒子が凝集した
相と金属酸化物微粒子が無い空隙相とに分離した相分離
状構造を形成することにより、体積の大きな空隙が生ず
るため増感色素や電荷輸送性液体材料が膜の奥深くまで
浸透するため膜厚を大きくしても多孔質化による光吸収
増大の効果や界面増加による光電変換効率の向上の効果
が維持される。
【0022】本発明の金属酸化物多孔質体の製造方法
は、金属酸化物前駆体を含むゲル中で該金属酸化物前駆
体を反応させることにより、金属酸化物微粒子を生成せ
しめ、さらに反応によりゾル化させた金属酸化物微粒子
コロイド分散ゾルを塗布することを特徴とする。この方
法では、拡散が規制されたゲル中で金属酸化物微粒子の
形成反応が進行するため粗大粒の形成や、粒子の沈降が
おこらず粒径の小さな超微粒子が均一に分散したコロイ
ド溶液を得ることができる。金属酸化物前駆体を含むゲ
ルを生成する方法としては、金属酸化物前駆体と相互作
用する官能基を複数含む化合物を加える方法が一例とし
て挙げられる。いわゆるゾルゲル法では、金属酸化物前
駆体である金属アルコキシド同士が、加水分解、脱水縮
合反応することでゲル化するが、この場合ゲルは-M-O-M
-の化学的に強固な3次元ネットワークにより形成されて
おり再びゾル化させることはできず、一旦ゲル化すると
塗布等の手段による加工ができない。これに対して、金
属酸化物前駆体と相互作用する官能基を含む化合物との
反応により金属酸化物前駆体を含むゲルを生成する方法
では、その相互作用の性質を利用することで再びゾル化
させ、優れた加工性をもたせることが可能となる。金属
酸化物前駆体と相互作用する官能基としては、カルボキ
シル基、アミノ基、ヒドロキシル基などがあげられる。
金属酸化物前駆体と相互作用する官能基を含む化合物と
しては、これらの官能基を複数以上ふくむ化合物であ
り、これらの官能基を含む高分子化合物がその適例とし
てあげられる。また、アミド酸のように前記官能基を複
数種含むものであってもよい。このような化合物とし
て、ジカルボン酸、ジアミン、ジオール、ジアミド酸等
の低分子化合物や、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロ
キシル基、アミド酸構造を主鎖、または側鎖に有する高
分子化合物がある。
【0023】高分子化合物の主鎖構造としては特に限定
されるものではないが、ポリエチレン系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタクリレ
ート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系
樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、ビニル系重
合体、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂等、またはそれら
の共重合体構造等の任意の構造を有するものが挙げら
れ、それら主鎖構造を有する高分子の側鎖または架橋部
分に少なくとも一つ以上のカルボキシル基、アミノ基、
ヒドロキシル基、アミド酸構造を有するものの中から選
択される。これらの高分子化化合物のなかでも、側鎖に
カルボキシル基を有するポリアクリル酸は、金属酸化物
前駆体と相互作用の形態が適当であり好適なものとして
挙げられる。また、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロ
キシル基、アミド酸構造を有していない上記と同様の主
鎖構造を有する高分子との共重合体等の構造を有してい
てもよい。また、目的に応じて、これらの2種以上の混
合系、またはカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル
基、アミド酸構造を有していない上記と同様の主鎖構造
を有する高分子との混合系で使用しても良い。
【0024】本発明で用いる金属酸化物前駆体として
は、金属ハロゲン化物、金属錯化合物、金属アルコキシ
ド、金属カルボン酸塩或いはキレート化合物等の金属化
合物を用いることができる。使用する溶媒に可溶ならば
よく、特に限定されるものではないが、具体例として以
下の化合物があげられる。例えば、TiCl4、ZnCl2、WC
l6、SnCl2、SrCl6などの金属ハロゲン化物、Ti(NO3)4
Zn(NO3)2、Sr(NO3)2などの硝酸塩、V(CH3COO)2、Zn(CH3
COO)2、Sn(CH3COO)4などのカルボン酸塩や、一般式M(O
R)nで表される金属アルコキシドが利用できる。ここ
で、Mは金属元素、Rはアルキル基、nは金属元素の酸化
数である。例えば、亜鉛ジエトキシド、タングステンヘ
キサエトキシド、バナジルジエトキシド、すずテトライ
ソプロポキシド、ストロンチウムジイソプロポキシドな
どが挙げられる。また、チタン酸ストロンチウムなどの
複合酸化物の微粒子薄膜を形成するのであれば、その成
分の金属を2種、あるいは多種同時に分子中にふくむダ
ブルアルコキシドも使用できる。酸化チタン微粒子薄膜
を形成する場合、チタニウムテトライソプロポキシド、
チタニウムテトラノルマルプロポキシド、チタニウムテ
トラエトキシド、チタニウムテトラノルマルブトキシ
ド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムテト
ラターシャリーブトキシドなどが使用できる。
【0025】本発明において使用される溶媒は、特に限
定されるものではないが、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類が主に
用いることができる。このほかホルムアミド、ジメチル
ホルムアミド、ジオキサン、ベンゼンなど金属アルコキ
シドを溶解し、かつ金属アルコキシドと反応しないもの
であれば使用できる。
【0026】次に本発明の金属酸化物多孔質薄膜の作製
手順を具体例により説明する。まず金属アルコキシドを
アルコールなどの有機溶媒に加えて混合溶液をつくる。
次にこの溶液に、加水分解に必要な水、触媒として塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸などを加える。使用する金属酸化
物前駆体の加水分解のしやすさにより、加える水および
酸の量は異なる。チタニウムイソプロポキシドを用い
て、酸化チタン多孔質膜を形成する場合、水はチタニウ
ムイソプロポキシドに対して0.05倍モルから4倍モル程
度、好ましくは0.1倍モルから等モル程度、酸はチタニ
ウムイソプロポキシドに対して0.02倍モルから2倍モル
程度、好ましくは0.05倍モルから0.5倍モル程度加える
のが好ましい。金属アルコキシド-アルコール-水-酸の
混合溶液を室温〜150 ℃、好ましくは室温〜100℃で撹
拌しながら乾燥窒素気流下で還流する。還流温度および
時間もやはり使用する金属酸化物前駆体の加水分解のし
やすさにより異なるが、チタニウムイソプロポキシドを
用いる場合、80℃で30分〜3時間程度が好ましい。この
還流操作の結果、金属アルコキシドは加水分解される
が、加える水の量がアルコキシ基を加水分解するには不
十分なため、M(OR)nのOR基の一部が加水分解されるにと
どまる部分的加水分解状態となる。重縮合反応は進行し
ておらず-M-O-M-のチェーンはできているとしてもオリ
ゴマー状態であり、この状態では溶液は無色透明で粘度
の上昇もほとんどない。
【0027】次にこの溶液を室温にまで温度を下げて、
ポリアクリル酸を加える。ポリアクリル酸は水溶性の高
分子化合物であり、上に挙げたアルコールなどの有機溶
媒には不溶であるが、アルコール中で金属アルコキシド
が部分的に加水分解させた溶液には容易に溶解し均一な
溶液を得ることができる。これは、ポリアクリル酸のカ
ルボキシル基と金属アルコキシドが塩形成反応により結
合し、高分子錯体状の化合物が形成されるためである。
この混合溶液にさらに過剰量の水を加えて、室温〜150
℃、好ましくは室温〜100℃に保持すると数分から1時間
程度でゲル化し、ポリアクリル酸と金属アルコキシドが
架橋状構造をとった複合ゲルが形成される。この複合ゲ
ルを80℃程度の温度で5〜50時間保持すると、ゲルは再
び溶解し半透明なゾルが得られる。これは金属アルコキ
シドの加水分解、および重縮合が進行するとともに、ポ
リアクリル酸と金属アルコキシドの塩構造が分解するた
めである。
【0028】こうして得られたゾル溶液を、ディップコ
ーティング法やスピンコーティング法、ワイヤーバー
法、スプレーコーティング法などによって、適当な基板
に塗布する。さらに、300℃以上、好ましくは400℃以上
の高温に加熱すると金属酸化物微粒子の結晶化と金属酸
化物微粒子同士の焼結が進行すると同時に高分子相が熱
分解して、金属酸化物微粒子が相分離状に凝集した金属
酸化物多孔質薄膜が形成される。
【0029】この方法では、拡散が規制されたゲル中で
金属酸化物微粒子の形成反応が進行するため粗大粒の形
成や、粒子の沈降による凝集がおこらず粒径の小さな超
微粒子が均一に分散したコロイド溶液を得ることができ
る。また、この加水分解/脱水縮合反応の過程を通し
て、高分子錯体状の均一相であったものが、高分子相と
金属酸化物ネットワーク相に分離し、ミクロ相分離構造
が形成され、個々の微粒子間に形成されるミクロ孔と微
粒子凝集相間に形成されるマクロ孔が形成される。この
ようにして、前述した細孔径が二山の度数分布をもつ金
属酸化物多孔質体薄膜が形成される。
【0030】本発明における半導体電極の金属酸化物微
粒子の大きさ、およびその凝集構造の周期と凝集相と空
隙相の体積比は、金属アルコキシドに対するポリアクリ
ル酸の添加量と、金属アルコキシドとポリアクリル酸を
合わせた固形成分の溶液全体に対する割合で制御でき
る。すなわち、ポリアクリル酸の添加量を増すと空隙相
の体積比が増す。金属アルコキシドとポリアクリル酸を
合わせた固形成分の溶液全体に対する割合を減らすと、
凝集構造の周期は小さくなり空隙相の密度は増すが、微
粒子そのものの大きさは大きくなる。金属アルコキシド
に対するポリアクリル酸の量は重量比で0.1〜1.0程度、
更に好ましくは0.3〜0.7程度がよい。金属アルコキシド
に対するポリアクリル酸の量を下げるとマクロ孔が少な
い緻密な金属酸化物多孔質体を得ることができるが0.3
以下では-M-O-M-の3次元ネットワークが成長してしまう
ためゲルは再溶解しにくく、また0.7以上では比較的大
きな空隙が生じ不透明な膜になる傾向がある。固形成分
の溶液全体に対する割合は、0.5wt%〜20wt%、更に好ま
しくは1wt%〜10wt%程度がよい。1wt%以下では、ゲル化
反応の進行が遅く、流動性の高いゾル状態で金属酸化物
微粒子が形成され比較的大きな微粒子が形成される傾向
がある。10wt%以上ではゾルからゲルへの進行がはやく
均一なゲルが得られにくくなる。
【0031】金属酸化物多孔質膜の微細孔表面に、増感
色素を担持させる方法は、特に制限するものではなく公
知の技術を使用できる。例えば、真空蒸着法などのドラ
イプロセス、スピンコートなどの塗布法、電界析出法、
電界重合法や担持させる化合物の溶液に浸す自然吸着法
などの方法を適宜選ぶことができる。中でも自然吸着法
は、金属酸化物多孔質膜の微細孔のすみずみにまでむら
なく確実に機能分子を担持させうる、特別な装置を必要
としない、多くの場合は単分子層程度であり必要以上に
余分な量がつかないなどの多くの利点を有しており好ま
しい方法である。また、前記増感色素と化学反応基を有
する化合物(例えば、シラン化合物、チオール化合物な
どの自己組織化分子)とを反応させて増感色素を半導体
表面に化学結合させてもよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 (実施例1)チタニウムテトライソプロポキシド6.41g
をエタノール20mlで希釈し、撹拌しながら比重1.38の硝
酸を0.514g、水を0.2mlを加えた。以上の混合操作は乾
燥窒素気流下で行った。この混合液を80℃に昇温し、乾
燥窒素気流下で2時間還流して、無色透明のゾル液を得
た。このゾル液を室温に冷却したのち、ゾル液2gに対し
て撹拌しながらポリアクリル酸0.1gを加えたところ、ポ
リアクリル酸は完全に溶解し無色透明のゾル液が得られ
た。このゾル液にさらに2mlの水を加えて無色透明で均
一なゾル液を得た。このゾル液をガラス容器に密閉して
80℃に昇温した。ゾル液は5分ほどでゲル化し、ほぼ透
明な均一なゲルが得られる。80℃でさらに15時間保持す
るとゲルは再び溶解してやや白っぽい半透明のゾル液が
得られた。このゾル液を用いてスピンコート法でガラス
基板の上に塗布し薄膜を得た。この薄膜を450℃に昇温
し20分保持して焼成し、無色透明な膜を得た。この塗布
/焼成の工程を繰り返して膜厚の異なる膜を作製した。
得られた膜の結晶構造をX線回折により調べた結果、ア
ナターゼ型の酸化チタンが形成されていることが確認さ
れた。前述のゾル液を用いて、ディップコーティング法
によりアルミシート上に塗布し薄膜を得た。この薄膜を
450 ℃に昇温し20分保持して焼成し、無色透明な膜を得
た。このアルミシートを短冊状に切り、定容法によるガ
ス吸着法(吸着ガスとしてクリプトンを使用)で、多孔質
膜の細孔分布を測定した。その結果、径が5nm以下のミ
クロ孔と径が50nm程度のマクロ孔の2つの度数分布を持
つことが確認された。前述のゾル液を用いて、スピンコ
ート法によりITOガラス基板上に塗布し薄膜を得た。こ
の薄膜を450℃に昇温し20分保持して焼成した。この塗
布/焼成の工程を繰り返し、ITOガラス基板上に膜厚が1
μmの無色透明な酸化チタン多孔質薄膜を形成した。表
面に多孔質薄膜が形成された基板を、下記の構造式(1)
に示したRu錯体のエタノール溶液(濃度10-3mol/l)に浸
漬し増感色素吸着処理を行い半導体電極を得た。この半
導体電極と対向電極として白金の薄層をスパッタ法によ
り設けたITOガラスとをはり合せた後、両電極間にベン
ゾチアゾールを毛細管現象を利用して注入し光電変換素
子を作製した。このセルに片側から、照度1mW/cm2のキ
セノンランプ白色光を照射したところ、半導体電極と対
向電極との間に55μA/cm2の絡電流が流れた。この素子
に、100時間連続して白色光を照射したところ短絡電流
は45μA/cm2になった。
【0033】
【化1】
【0034】(比較例1)実施例1と同様にして酸化チ
タン多孔質膜とその表面に構造式(1)の増感色素を吸着
させた半導体電極を作製した。この半導体電極と対向電
極として白金の薄層をスパッタ法により設けたITOガラ
スとをはり合せた後、両電極間に電解質溶液を毛細管現
象を利用して注入し光電変換素子を作製した。電解質溶
液としては、エチレンカーボネートとアセトニトリルの
混合溶液(体積比でそれぞれ4:1の割合)10ml中にテトラ
プロピルアンモニウムアイオダイド1.44gとヨウ素0.076
gを溶解させたものを使用した。実施例1と同様に、半
導体電極の基板側から照度1mW/cm2のキセノンランプ白
色光を照射したところ、半導体電極と対向電極との間に
75μA/cm2の短絡電流が流れた。この素子に100時間連続
して白色光を照射したところ短絡電流は25μA/cm2にな
った。
【0035】(実施例2)タングステンヘキサエトキシ
ド11.36gをエタノール20mlで希釈し、撹拌しながら比重
1.38の硝酸を0.514g、水を0.2mlを加えた。以上の混合
操作は乾燥窒素気流下で行った。この混合液を80℃に昇
温し、乾燥窒素気流下で2時間還流して、無色透明のゾ
ル液を得た。このゾル液を室温に冷却したのち、ゾル液
2gに対して撹拌しながらポリアクリル酸0.1gを加えたと
ころ、ポリアクリル酸は完全に溶解し無色透明のゾル液
が得られた。このゾル液にさらに2mlの水を加えて無色
透明で均一なゾル液を得た。このゾル液をガラス容器に
密閉して80℃に昇温した。ゾル液は20分ほどでゲル化
し、ほぼ透明な均一なゲルが得られる。80℃でさらに20
時間保持するとゲルは再び溶解してやや白っぽい半透明
のゾル液が得られた。このゾル液を用いてスピンコート
法でITO基板の上に塗布し薄膜を得た。この薄膜を450
℃に昇温し20分保持して焼成し、無色透明な膜(膜厚1.4
ミクロン)を得た。膜の微細構造をSEM観察により調べた
ところ、相分離状の凝集組織が形成されていた。凝集相
のさらに微細な構造をTEM観察により調べたところ、こ
の凝集相は直径約15nmの微粒子が凝集しているこが確認
された。また、実施例1と同様にして細孔分布を求めた
ところ、径10nm以下のミクロ孔と径100nm以上のマクロ
孔の存在が確認できた。得られた膜を、構造式(1)に示
したRu錯体溶液のエタノール溶液(濃度10-3mol/l)に
浸漬し、増感色素吸着処理を行い半導体電極を得た。次
に実施例1と同様にして半導体電極と対向電極として白
金の薄層をスパッタ法により設けたITOガラスとをはり
合せた後、両電極間にベンゾチアゾールを毛細管現象を
利用して注入し光電変換素子を作製し、照度1mW/cm2
キセノンランプ白色光を照射したところ、半導体電極と
対向電極との間に50μA/cm2の短絡電流が流れた。この
素子に100時間連続して白色光を照射したところ短絡電
流は30μA/cm2になった。
【0036】(実施例3)実施例1と同様にして酸化チ
タン多孔質膜からなる半導体電極を作製した。半導体電
極に構造式(1)の増感色素を吸着させた半導体電極を作
製した。また残りの1枚を利用して下記の構造式(2)に示
したポルフィリン化合物を増感色素として吸着させた半
導体電極を作製した。それぞれの半導体電極について実
施例1と同様にして半導体電極と対向電極として白金の
薄層をスパッタ法により設けたITOガラスとをはり合せ
た後、両電極間にベンゾチアゾールを毛細管現象を利用
して注入し光電変換素子を作製し、照度1mW/cm2のキセ
ノンランプ白色光を照射したところ、いずれも半導体電
極と対向電極との間に50μA/cm2の短絡電流が流れた。
この素子に100時間連続して白色光を照射したところ短
絡電流は35μA/cm2になった。
【0037】
【化2】
【0038】(比較例2)実施例1と同様にして酸化チ
タン多孔質膜とその表面に構造式(2)の増感色素を吸着
させた半導体電極を作製した。この半導体電極と対向電
極として白金の薄層をスパッタ法により設けたITOガラ
スとをはり合せた後、両電極間に比較例1で用いた電解
質溶液を毛細管現象を利用して光電変換素子を作製し
た。照度1mW/cm2のキセノンランプ白色光を照射したと
ころ、半導体電極と対向電極との間に65μA/cm2の短絡
電流が流れた。この素子に100時間連続して白色光を照
射したところ短絡電流は20μA/cm2になった。
【0039】(実施例4)実施例1と同様にして酸化チ
タン多孔質膜とその表面に構造式(1)の増感色素を吸着
させた半導体電極を作製した。この半導体電極と対向電
極として白金の薄層をスパッタ法により設けたITOガラ
スとをはり合せた後、この半導体電極と対向電極として
白金の薄層をスパッタ法により設けたITOガラスとをは
り合せた後、両電極間にアニリンを毛細管現象を利用し
て注入し光電変換素子を作製した。このセルに片側か
ら、照度1mW/cm2のキセノンランプ白色光を照射したと
ころ、半導体電極と対向電極との間に50μA/cm2の短絡
電流が流れた。この素子に100時間連続して白色光を照
射したところ短絡電流は40μA/cm2になった。
【0040】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、光電
変換素子は光の連続照射時での特性劣化の少ない。請求
項4に記載の本発明によれば、光の連続照射時での特性
劣化の少ない光電変換素子を簡便な作製手段で実現でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 彰 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 廣瀬 英一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 高田 北斗 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 5F088 AA20 AB11 FA20 5H032 AA06 AS16 BB10 EE02 EE16 EE20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体電極がそれに接した電荷輸送層を
    介して対向電極と接続された光電変換素子において、前
    記電荷輸送層が素子の使用状態において液体からなる電
    荷輸送性材料で構成されることを特徴とする光電変換素
    子。
  2. 【請求項2】 前記電荷輸送性材料がベンゾチアゾール
    骨格を有する化合物であることを特徴とする請求項1に
    記載の光電変換素子。
  3. 【請求項3】 前記半導体電極の半導体性材料が、金属
    酸化物多孔質層とその微細孔表面に担持させた増感色素
    分子層とからなることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の光電変換素子。
  4. 【請求項4】 対向電極と半導体電極とをはり合せたの
    ち、両電極間に素子の使用状態において液体からなる電
    荷輸送性材料を注入することを特徴とする光電変換素子
    の製造方法。
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