JP2001083031A - 圧力測定装置及びそれを用いた圧力測定システム - Google Patents

圧力測定装置及びそれを用いた圧力測定システム

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JP2001083031A
JP2001083031A JP25906899A JP25906899A JP2001083031A JP 2001083031 A JP2001083031 A JP 2001083031A JP 25906899 A JP25906899 A JP 25906899A JP 25906899 A JP25906899 A JP 25906899A JP 2001083031 A JP2001083031 A JP 2001083031A
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distortion
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temperature
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JP25906899A
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Yoshikazu Matsuda
美一 松田
Toshiki Sakamoto
俊貴 坂本
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置場所にかかわらず正確に圧力計に加わる
外部圧力を測定する。 【解決手段】 圧力計10内部を外部と密閉させるとと
もに、内部に外圧用FBG10aと温度用FBG10b
を設置し、温度用FBG10bの波長シフト量を外圧用
FBG10aの波長から差し引いて補正するとともに、
温度用FBG10bの波長シフト量から圧力計10の内
部圧力を検知し、上記補正された波長及び検知された内
部圧力に基づいて温度に影響を受けない水圧のみの波長
シフト値を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部から加わる圧
力を検出する圧力測定装置及びそれを用いた圧力測定シ
ステムに関する。
【0002】
【関連する背景技術】従来、この種の圧力測定装置で
は、上記圧力を検出する圧力計を有し、例えば図10に
示すように、下水道内の水位を測定する水位計として用
いられており、水位の変動に伴い圧力計にかかる圧力の
変化を測定するものがあった。このような圧力計では、
一般に大気圧補正のため検出部に大気圧を導入する方法
がとられている。例えば下水道における水位を測定する
場合には、圧力計10内部に大気圧を導入するため、図
10に示すように圧力計10のリードケーブル11内に
中空パイプ12を設け、そのリードケーブル11をマン
ホール13等から地上に出し、一端が測定室14内にて
大気圧に開放する構成がとられている。圧力計10から
の水位信号(圧力値を示す信号)は地上の測定室14に
送られ、リードケーブル11に接続された変換器15で
水位値に変換される。
【0003】圧力計10の受圧部は外部圧力として、水
の比重をρとすると大気圧P0とρ×Hの和、即ち、P0
+ρ×Hが加わる。受圧部の内部圧力を大気圧P0にす
れば、受圧部にρ×Hの圧力が加わることとなり、この
圧力から水位を求めることが可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記装置で
は、地上で大気圧導入を行うが、実際には道路や歩道等
に測定室を設けることが困難な場合が非常に多く、設置
場所に制約を受けるという問題点があった。また、上記
装置では、地上から下水道内の水位計内部に大気圧を導
入しているが、下水マンホール等の下水道内は地上とは
閉塞された空間であり、例えば下水道の水位変化に基づ
いてこの下水道内の大気圧と地上大気圧が異なる場合が
あり、このために測定された圧力に誤差が生じて水位を
正確に測定できないという問題点があった。
【0005】本発明は,上記問題点に鑑みなされたもの
で、設置場所にかかわらず正確に圧力計に加わる外部圧
力を測定することができる圧力測定装置及びそれを用い
た圧力測定システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、外部から加わる圧力によって歪む外圧
用受圧素子と、該受圧素子に固定された外圧用検出素子
とを有する圧力計を備え、該受圧素子の歪みを検出する
ことにより、当該受圧素子に加わる圧力を測定する圧力
測定装置であって、前記圧力計の内部が前記外部と密閉
されており、該内部に設けられて温度変動に基づく前記
受圧素子の歪み量を検出する温度用検出手段と、前記外
圧用検出素子で検出された歪み量を、前記温度用検出素
子で検出された歪み量で補正する補正手段と、前記温度
用検出素子で検出された歪み量に基づいて前記圧力計の
内部圧力を検知する内部圧力検知手段と、前記補正され
た歪み量と前記検知された内部圧力に基づいて前記外部
から前記外圧用受圧素子に加わる圧力を補正して測定す
る測定手段とを備えた圧力測定装置が提供される。
【0007】すなわち、外部から加わる圧力によって歪
む外圧用受圧素子に外圧用検出素子を固定し、外圧用受
圧素子の歪みを検出することにより圧力測定を行い、圧
力計内部を外部と密閉させ、かつ内部に温度補正を行う
目的で温度用検出素子を取り付け、外圧用検出素子で検
出された歪み量を、前記温度用検出素子で検出された歪
み量で補正するとともに、温度用検出素子で検出された
歪み量に基づいて前記圧力計の内部圧力を検知し、補正
された歪み量と内部圧力に基づいて外圧用受圧素子に加
わる圧力を補正して、外部から加わる圧力を正確に測定
できるようにする。
【0008】請求項3では、前記圧力測定装置は、前記
圧力計と同じ空間内に設けられ、該圧力計内部に大気圧
を導入する大気圧導入部と、前記圧力計内部が外部と密
閉されるように前記大気圧導入部に取り付けられ、前記
大気圧導入部から加わる圧力によって歪む大気圧用受圧
素子と、前記受圧素子の歪み量を検出する大気圧用検出
素子とを備え、前記測定手段は、前記補正された歪み
量、前記検知された内部圧力及び前記検出された大気圧
に基づいて前記外部から前記外圧用受圧素子に加わる圧
力を補正して測定することで、温度補正とともに大気圧
変動に対する圧力補正を行い、外部から加わる圧力を正
確に測定できるようにする。
【0009】請求項6では、請求項1,3又は4のいず
れかからなる圧力測定装置と、前記圧力測定装置と信号
線を介して接続される情報検知部とを備え、前記情報検
知部は、圧力測定装置からの圧力情報を取り込み、該取
り込んだ圧力情報に基づいた2次情報を検知することに
より、圧力測定装置からの圧力情報から外部圧力を正確
に検知でき、それに基づく2次情報を的確に得ることが
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る圧力測定装置及び圧
力測定システムを図1乃至図9の図面に基づいて説明す
る。なお、以下の図においては、本発明に係る圧力測定
装置を例えば下水道内の水位測定に用いる場合について
説明するとともに、図10と同様の構成部分については
説明の都合上、同一符号を付記する。
【0011】図1は、本発明に係る圧力測定装置の構成
の第1実施例を示す構成図である。図において、本実施
例では、幹線光ケーブル20の途中に中継用で密閉構造
の接続箱21を設け、幹線光ケーブル20及び圧力計用
のリードケーブル22同士をその接続箱内で接続してケ
ーブルの交換や保守点検等を容易にしている。なお、幹
線光ケーブル20は、例えばポンプ場等の遠隔制御局3
0に設けられた光源31と接続される本発明の幹線ケー
ブルである。
【0012】本実施例の圧力測定装置は、光式圧力計1
0と、光式圧力計10からの圧力検出信号(圧力情報)
を光伝送する光ファイバ23を内部に有するリードケー
ブル22と、本発明の補正手段、内部圧力検知手段及び
測定手段を構成する遠隔制御局30とから構成されてい
る。光式圧力計10は、図2に示すように、例えば中空
の円筒形からなるケース10cと、ケース10c内の下
部に配設された本発明の外圧用受圧素子を構成するダイ
アフラム10dと、ダイアフラム10dと同じ材質で作
成されてダイアフラム10dを支持する台座10eと、
ケース10cの上部に載置された上部金具10fとを有
している。リードケーブル22は、上部金具10fを貫
通してケース10c内に挿入されており、光ファイバ2
3は、余長部分がケース10c内に納められている。ダ
イアフラム10dは、少なくとも外部からの圧力、周囲
温度の変動に伴う熱膨張及び圧力計内部の圧力のいずれ
によってもたわみ、歪みが生じる。本実施例の光式圧力
計10では、例えばケース10c上部とリードケーブル
22間及びケース10c下部と台座10e間にOリング
を設けてシールし、圧力計10内部の気密性を保ってい
る。
【0013】また、光式圧力計10は、上記余長部分で
ある光ファイバ23の光伝搬方向の一部に形成された本
発明の外圧用検出素子及び温度用検出素子を構成するフ
ァイバブラッググレーティング(以下、「FBG」とい
う)10a,10bとを有している。FBG10a,1
0bは、図示しない光源から幹線光ケーブル20内の光
ファイバ20aを伝搬してきた光のうちブラッグ波長と
呼ばれるある特定の波長領域の光を反射させ、その他の
波長領域の光を透過させる機能を持っている。
【0014】FBG10aは、ダイアフラム10dの歪
みを検出するための外圧用のFBGで、例えば圧力によ
ってたわむダイアフラム10d上の中央部に接着剤で貼
り付けられた構造になっている。従って、FBG10a
においては、ダイアフラム10cがたわんで歪みが生じ
ると、この歪みに応じて伸び縮みがFBG10aに発生
し、図3に示すようにFBG10aの反射特性が変化す
る。すなわち、このFBG10aに遠隔制御局30の光
源31から光が入射している時に、FBG10aが外部
からの圧力、温度変動に伴う熱膨張及び圧力計の内部圧
力のいずれかの変化を受けて歪むと、入射光に対してF
BG固有の波長が変化し、その反射光が光の入射側に戻
ることとなる。
【0015】FBG10bは、周囲温度を検出して温度
補正するための温度用FBGで、機械的な外力を受けな
いように、例えばケース10c内下部に固定されたダイ
アフラム10dと同一材質、例えば金属材質の台座10
e上に接着剤で貼り付けられた構造になっている。従っ
て、台座10eは、周囲温度の変動に伴って圧力計内部
の温度が変動すると、ダイアフラム10dと同様に熱膨
張によって歪み、この歪みに応じて伸び縮みがFBG1
0bに発生し、FBG10aと同様に反射特性が変化す
る。すなわち、このFBG10bに光源31から光が入
射している時に、FBG10bが温度変動を受けて歪む
と、入射光に対してFBG固有の波長が変化し、その反
射光が光の入射側に戻ることとなる。
【0016】本実施例の光式圧力計10を下水道の水位
計として用いた場合には、水位に応じた水圧をダイアフ
ラム10dで受圧することとなり、この水圧によるダイ
アフラム10dの歪みを外圧用FBG10aで検出す
る。FBG10aが歪むとFBG10aで反射される光
の波長がシフトし、この波長のシフトを上記遠隔制御局
30に設けられた光スペクトルアナライザ等の波長測定
器33及びパソコン等の情報処理部34で検出し、上記
波長シフト量から2次情報である水位値を求めることが
できる。
【0017】従って、予め水位計についての水位値とF
BG10aの波長シフト量の関係を求めておけば、FB
G10aの波長シフト量から水位値を求めることができ
る。図4は、水位値とFBGの波長シフト量の関係の一
例を示す水位較正曲線の図である。図において、横軸は
温度20℃、水位0mのFBG波長を基準にした波長シ
フト量で、縦軸は水位値を示しており、温度10〜30
℃の各温度について外圧用FBG10aの波長シフト量
に対する水位特性を測定した結果である。この曲線から
明らかなように、波長シフト量に対する水位特性には温
度依存性があり、温度が高くなる程、波長シフト量は、
プラス方向に大きくなる。なお、この曲線では、水位値
をH(m)、FBG10aの波長シフト量をΔλ(n
m)とすると、 H=3.5875(Δλ)3−6.4296(Δλ)2+9.68(Δλ) の関係となり、一般的な演算式としては、 H=f(Δλ) …(1) の圧力変動の関数として表される。
【0018】この波長シフト量Δλは、水圧による波長
シフト量ΔλP(nm)と温度による波長シフト量ΔλT
(nm)の和として、以下のように表され、 Δλ=ΔλP+ΔλT となる。なお、ΔλP(nm)は水位0mを基準とし、
ΔλTは温度20℃を基準として求めた波長シフト量で
ある。
【0019】このことから明らかなように、外圧用FB
G10aの波長シフト量は、圧力と温度の影響を受ける
事となり、例えば温度が上昇した場合、実際の水位は上
昇しなくても、この温度の影響によりダイアフラムが熱
膨張して見かけ上、水位が上昇することになる。従っ
て、上記の関係から水位を求めるためには、水圧による
波長シフト量ΔλPと温度による波長シフト量ΔλTを分
離して、水圧による波長シフト量だけを求めなければな
らない。
【0020】この水圧による波長シフト量のみを求める
ためには、本実施例のように温度用FBG10bを水圧
の影響を受けない、例えばダイアフラムの台座10eに
配置し、温度による波長シフト量を補正する必要があ
る。図5は、外圧用FBG10aと温度用FBG10b
の温度に対する波長シフト量の特性を示す図である。こ
の図5は、温度20℃の波長を基準として、温度が変化
した時の外圧用FBG10aと温度用FBG10bの波
長シフト量をプロットしたものである。波長のシフト量
は、FBGでの反射スペクトルを測定し、20℃の反射
スペクトルとの波長差を測定するため、外圧用FBG1
0aと温度用FBG10bの波長は、異なって設定され
ている。これは、上記波長が同一又は近接して設定され
ている場合、互いの波長が重なり合ってしまい、波長シ
フト量の測定ができなくなってしまうためである。
【0021】図5の結果に示す通り、外圧用FBG10
aと温度用FBG10bの温度に対する波長シフト量
は、ほぼ同一となっている。従って、温度に対しては、
外圧用FBG10aと温度用FBG10bの波長差は、
常に一定となる。そして、ダイアフラム10dに圧力が
加わると、FBG10aの反射スペクトルは、全体的に
波長シフトすることになる。この時、温度用FBG10
bは、ダイアフラム10dのたわみを受けない箇所に固
定されているので、FBG10aと10bの波長差は、
ダイアフラム10dに加わった圧力分だけずれてくる。
【0022】従って、温度用FBG10bの波長シフト
量を外圧用FBG10aの波長シフト量から差し引け
ば、温度に影響を受けない水圧のみの波長シフト値を求
めることができる。すなわち、温度補正された水位値H
は、(1)式に基づいて次式のように求められる。
【0023】H=f(ΔλP) …(2) ΔλT=λTM−λT20 ΔλP=λPM−λP20−ΔλT ここで、λTM:温度用FBG10bの検出波長(nm) λT20:20℃における温度用FBG10bの波長(n
m) λPM:外圧用FBG10aの検出波長(nm) λP20:20℃における外圧用FBG10aの波長(n
m) 本実施例では、この波長シフト量ΔλPからダイアフラ
ム10cに加わる水圧Hを、上記遠隔制御局30に設け
られた光スペクトルアナライザ等の波長測定器33及び
パソコン等の情報処理部34で求めることができる。な
お、32は、光を分配するためのカップラである。
【0024】ところで、光式圧力計10の周囲温度が一
定の場合には、密閉された上記圧力計の内部圧力が一定
であるので、ダイアフラム10dに加わる圧力は、外部
からの圧力のみとなるが、上記周囲温度が変動する場
合、ダイアフラム10dに加わる圧力には、上記温度変
動に伴って圧力計10の内部圧力の変動量が加わること
となる。
【0025】本実施例では、この温度用FBG10bを
利用して温度変動による圧力計10内部の空気の膨張又
は収縮による圧力補正が可能となる。図6は、内部圧力
変動量PaとFBG10bの波長シフト量ΔλTの関係の
一例を示す図である。図において、横軸は温度20℃を
基準にした波長シフト量で、縦軸は温度20℃を基準に
した内部圧力変動量を示している。本実施例では、この
図の関係から圧力変動の関数g(ΔλT)が、 g(ΔλT)=0.1183×ΔλT で表され、内部圧力の変動を補正する式は、(2)式に
g(ΔλT)を加えた次式 H=f(ΔλP)+g(ΔλT) ΔλT=λTM−λT20 ΔλP=λPM−λP20−ΔλT で表される。
【0026】このように、本実施例では、光式圧力計の
周囲温度の変動により、この圧力計の内部圧力が変化し
ても、FBG10aで検出される圧力から温度変動によ
る圧力の変化分を差し引くことで補正し、外部から加わ
る圧力を測定することができる。これにより、本実施例
において測定される圧力は、周囲温度の影響を受けない
安定したものとなり、図4に示すように、波長シフト量
と水位の関係から精度良く水位を求めることができる。
【0027】また、本実施例では、接続箱及び圧力計が
密閉構造になっているので、例え下水道内が満水状態に
なっても精度良く水圧を測定することができる。なお、
本発明の外圧用検出素子、温度用検出素子としては、例
えば歪みゲージ等を用いることも可能である。図7は、
本発明に係る圧力測定装置の構成の第2実施例を示す構
成図である。図7において、第1実施例と異なる点は、
水位の温度補正を行うとともに、大気圧変動による圧力
補正を行うものである。つまり、下水道内では、水位の
変動に伴って下水道内の大気圧が大きく変動するので、
ダイアフラム10dにも外部からの圧力とともに、変動
する大気圧が加わることになる。
【0028】本実施例では、接続箱21とリードケーブ
ル22内に本発明の大気圧導入部を構成する中空の大気
導入パイプ24を設け、大気導入パイプ24の一端部
は、接続箱21側で大気導入が可能のように開放され、
他端部は、光式圧力計10の内部に挿入され、かつ上記
内部が外部と密閉されるように、本発明の大気圧用受圧
素子であるダイアフラム10gが取り付けられている。
また、ダイアフラム10gの圧力計内部側には、光ファ
イバ23の光伝搬方向の一部に形成された本発明の大気
圧用検出素子を構成する大気圧用のFBG10hが接着
剤で貼り付けられた構造になっている。なお、3つのF
BG10a,10b,10hは、光ファイバ23の1芯
で直列に融着接続することで構成することができる。
【0029】大気導入パイプには、大気が導かれるの
で、ダイアフラム10gは、外部からの大気圧P0と内
部圧力P1の差圧(P0−P1)に応じて歪み、FBG1
0hは、この差圧に応じた歪みを検出する。FBG10
hは、上記歪みを受けるとその中心波長がシフトするの
で、情報処理部34は、FBGの波長シフト量から外部
大気と圧力計内部の差圧を検知することができ、この差
圧を補正すれば大気圧の変動と、温度変動による内部圧
力の変動に影響を受けることなく、正確な圧力測定が可
能となる。
【0030】すなわち、下水道内の大気圧P0と光式圧
力計10の内部圧力P1との差圧(P0−P1)と、大気
圧用FBG10hの波長シフト量ΔλPAの関係から求め
た差圧の関数g(ΔλPA)を(2)式に加えた大気圧の
変動を補正する式は、 H=f(ΔλP)+g(ΔλPA) …(3) ΔλT=λTM−λT20 ΔλP=λPM−λP20−ΔλT ΔλPA=λPMA−λP20A−ΔλT ここで、λPMA:大気圧用FBG10hの検出波長 λP20A:20℃における大気圧用FBG10hの波長 で表され、本実施例では、この差圧分を補正することに
より、温度変動による内部圧力の変動、大気圧の変動の
影響を受けることなく、FBG10aに加わる水圧Hを
正確に測定することができる。
【0031】なお、大気圧用のFBG10hを圧力計1
0内部に設けたのは、FBG10hも温度による影響を
受けるため、温度補正をして正確な圧力差を求める必要
がある。また、温度補正は、温度用のFBG10bを利
用できるが、FBG10hと離れていると温度差が生じ
る場合がある。これらを考慮して、大気圧用のFBG1
0hを圧力計10内部に設置すれば、圧力計10内部の
温度はほとんど同一のため、正確な温度補正が可能とな
るためである。
【0032】このように、本実施例では、密閉されてい
る圧力計内部に温度用のFBGと大気圧用のFBGを配
置したので、湿気や水等の侵入が一切なく、かつ大気圧
変動や温度による圧力計内部の圧力変動による影響を受
けずに、正確に外部から加わる圧力を測定して水位を求
めることができる。なお、本実施例では、大気圧用のF
BGを圧力計内部に設けたが、圧力計と接続箱内部の温
度差が少ない場合には、上記大気圧用のFBGを接続箱
内部に設けることも可能である。この場合には、接続箱
21内部が外部と密閉されるように、ダイアフラム10
gを接続箱21に設けることで、大気導入パイプを省く
ことができ、部品点数及び製作コストを削減できる。
【0033】また、本発明では、周囲温度が一定(例え
ば20℃)の場合には、温度変動を考慮する必要性がな
いので、図8に示すように温度用FBG10bが不要と
なり、情報処理部34は、大気圧の変動を示す波長シフ
ト量ΔλPA=λPMAのみから、外圧用FBG10aに加
わる圧力を補正することができる。すなわち、(3)式
は、本実施例では、 H=f(ΔλP)+g(ΔλPA) ΔλPA=λPMA で表され、本実施例では、この差圧分を補正することに
より、大気圧の変動の影響を受けることなく、FBG1
0aに加わる水圧Hを正確に測定することができる。
【0034】また、これら実施例の圧力計は、電源が不
要で設置場所を選ぶことがない、さらに電気がなく発火
の恐れがないことから、例えば処理場の貯留槽等のガス
発生箇所にも用いることができる。次に、本発明の圧力
測定装置を用いた圧力測定システムを図9のシステム構
成図に基づいて説明する。なお、この圧力測定システム
では、図1、図7又は図8に示した圧力測定装置のいず
れを用いることも可能であるが、本実施例では、代表し
て図1に示した圧力測定装置を用いた場合の一実施例を
示す。
【0035】図において、本実施例では、3台の圧力測
定装置2〜4が光伝送用の幹線である光ケーブル20を
介して直列に接続され、地上とは閉塞された下水道5内
の所定位置に配設されている。各圧力測定装置2〜4
は、外圧用FBG10aと温度用FBG10bをそれぞ
れ有し、温度変動の影響を受けることなく、水位の測定
を可能にしている。
【0036】本発明の信号線を構成する光ケーブル20
の基端には、本発明の情報検知部を構成する遠隔制御局
30が接続されており、遠隔制御局30は、光ケーブル
20の基端に光を出力する光源31と、カップラ32
と、カップラ32を介して光ケーブル20の基端と接続
されて反射光の波長を測定する波長測定器33と、上記
測定された波長に基づいて水位を求める情報処理部34
と、図示しないポンプの動作制御を行うポンプ制御部3
5等から構成されている。また、光ケーブル20の終端
には、無反射終端部28が設けられ、各圧力測定装置を
通過してきた光が終端で反射して、遠隔制御局30へ戻
るのを防いでいる。
【0037】情報処理部34は、波長測定器33で測定
された温度用FBG10bの波長シフト量を外圧用FB
G10aの波長から差し引いて水圧のみによる水位を求
める。このような水位測定を可能とするため、本実施例
では、各圧力測定装置に取り付けられているFBG10
aの中心周波数を、圧力がない状態で所定の間隔に予め
ずらして設定する。つまり、FBG固有の波長は、水位
「0」から接続箱25の位置までの範囲の水位に対して
変動するので、この変動範囲に応じた反射光の中心波長
変動幅を考慮して設定される。これにより、情報処理部
34では、反射光の中心波長がこの設定されたどの変動
幅の範囲にあるか判断することで、どの圧力測定装置か
らの信号であるか認識することができる。
【0038】このようなシステムにおいて、光源31か
らの光がカップラ32及び光ケーブル1を介して各圧力
測定装置2〜4のFBG10aに伝搬される。各圧力測
定装置2〜4は、水位に基づく水圧をダイアフラムで受
圧し、上記ダイアフラムは上記水圧により歪み、この歪
みをFBG10aで検出する。FBG10aが歪むと、
FBGで反射される光の波長はシフトし、この波長のシ
フトを情報処理部34で検出し、情報処理部34は検出
した波長シフト量から本発明の2次情報である水位を求
める。さらに、情報処理部34は求めた水位から、例え
ばポンプ場の雨水ポンプを駆動制御するポンプ制御部3
5に、ポンプ制御の指示を行うことが可能となる。
【0039】このように、本実施例の圧力測定システム
では、1本の光ファイバに温度用のFBGを有する複数
の圧力測定装置をシリアルに取り付け、広域及び多地点
の水位情報を正確に収集し、下水道管渠内の水位を瞬時
に測定できて管渠内水位を監視できる。このため、本実
施例では、例えば集中豪雨などの突発的な降雨に対して
も、上記収集した水位情報に基づいて雨水ポンプの最適
な駆動が可能になる。
【0040】本発明は、これら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形
実施が可能である。例えば、本発明は、下水道内の水位
測定に用いる場合に限らず、例えばLNGタンクや石油
タンク等の液位測定、河川等の水位測定、湾岸等での潮
位測定及び汚水処理場等での汚泥検知に用いることが可
能である。
【0041】また、本発明の受圧素子10d,10g
は、ダイアフラムに限らず、例えばベローズやブルドン
管等の素子を用いることも可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、外部
から加わる圧力によって歪む外圧用受圧素子と、該受圧
素子に固定された外圧用検出素子とを有する圧力計を備
え、該受圧素子の歪み量を検出することにより、当該受
圧素子に加わる圧力を測定する圧力測定装置であって、
前記圧力計の内部が前記外部と密閉されており、該内部
に設けられて温度変動に基づく前記受圧素子の歪み量を
検出する温度用検出素子と、前記外圧用検出素子で検出
された歪み量を、前記温度用検出素子で検出された歪み
量で補正する補正手段と、前記温度用検出素子で検出さ
れた歪み量に基づいて前記圧力計の内部圧力を検知する
内部圧力検知手段と、前記補正された歪み量と前記検知
された内部圧力に基づいて前記外部から前記外圧用受圧
素子に加わる圧力を補正して測定する測定手段とを備
え、周囲温度変動による圧力変化を考慮して外部から加
わる圧力を補正して測定するので、設置場所にかかわら
ず正確に圧力計に加わる外部圧力を測定することができ
る。
【0043】請求項6では、請求項1,3又は4のいず
れかからなる圧力測定装置と、前記圧力測定装置と信号
線を介して接続される情報検知部とを備え、前記情報検
知部が圧力測定装置からの圧力情報を取り込み、該取り
込んだ圧力情報に基づいた2次情報を検知するので、圧
力測定装置からの圧力情報から外部圧力を正確に検知で
き、それに基づく2次情報を的確に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力測定装置の構成の第1実施例
を示す構成図である。
【図2】図1に示した圧力計の構成の一例の断面図であ
る。
【図3】図2に示した圧力計の反射特性を示す特性図で
ある。
【図4】水位値と外圧用FBGの波長シフト量の関係の
一例を示す水位較正曲線の図である。
【図5】外圧用FBGと温度用FBGの温度に対する波
長シフト量の特性を示す図である。
【図6】内部圧力変動量PaとFBG10bの波長シフ
ト量ΔλTの関係の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る圧力測定装置の構成の第2実施例
を示す構成図である。
【図8】同じく、圧力測定装置の構成の第3実施例を示
す構成図である。
【図9】図1に示した圧力測定装置を用いた圧力測定シ
ステムの一実施例である。
【図10】従来の圧力測定装置の構成を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
2〜4 圧力測定装置 5 下水道 10 光式圧力計 10a,10b,10h FBG 10c ケース 10d,10g ダイアフラム 10e 台座 10f 上部金具 11,22 リードケーブル 12 中空パイプ 13 マンホール 14 測定室 15 変換器 20 幹線の光ケーブル 21 接続箱 23 光ファイバ 24 大気導入パイプ 30 遠隔制御局 31 光源 32 カップラ 33 波長測定器 34 情報処理部 35 ポンプ制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F014 AA04 AB01 AC00 BA03 FA00 2F055 AA39 BB03 CC02 EE31 FF02 GG32 GG35 GG49 2F073 AA03 AA16 AB08 AB12 BB06 BC04 CC02 CD04 DD04 EF03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部から加わる圧力によって歪む外圧用
    受圧素子と、該受圧素子に固定された外圧用検出素子と
    を有する圧力計を備え、該受圧素子の歪み量を検出する
    ことにより、当該受圧素子に加わる圧力を測定する圧力
    測定装置であって、 前記圧力計の内部が前記外部と密閉されており、 該内部に設けられて温度変動に基づく前記受圧素子の歪
    み量を検出する温度用検出素子と、 前記外圧用検出素子で検出された歪み量を、前記温度用
    検出素子で検出された歪み量で補正する補正手段と、 前記温度用検出素子で検出された歪み量に基づいて前記
    圧力計の内部圧力を検知する内部圧力検知手段と、 前記補正された歪み量と前記検知された内部圧力に基づ
    いて前記外部から前記外圧用受圧素子に加わる圧力を補
    正して測定する測定手段とを備えたことを特徴とする圧
    力測定装置。
  2. 【請求項2】 前記温度用検出素子は、検出値が前記外
    圧用受圧素子の歪みによって変化しないように設置され
    ることを特徴とする請求項1に記載の圧力測定装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力測定装置は、前記圧力計と同じ
    空間内に設けられ、該圧力計内部に大気圧を導入する大
    気圧導入部と、 前記圧力計内部が外部と密閉されるように前記大気圧導
    入部に取り付けられ、前記大気圧導入部から加わる圧力
    によって歪む大気圧用受圧素子と、 前記大気圧用受圧素子の歪み量を検出する大気圧用検出
    素子とを備え、前記測定手段は、前記補正された歪み
    量、前記検知された内部圧力及び前記検出された大気圧
    に基づいて前記外部から前記外圧用受圧素子に加わる圧
    力を補正して測定することを特徴とする請求項1に記載
    の圧力測定装置。
  4. 【請求項4】 外部から加わる圧力によって歪む外圧用
    受圧素子と、該受圧素子に固定された外圧用検出素子と
    を有する圧力計を備え、該受圧素子の歪み量を検出する
    ことにより、当該受圧素子に加わる圧力を測定する圧力
    測定装置であって、 前記圧力計の内部が前記外部と密閉されており、 前記圧力計内部に大気圧を導入する大気圧導入部と、 前記圧力計内部が外部と密閉されるように前記大気圧導
    入部に取り付けられ、前記大気圧導入部から加わる圧力
    によって歪む大気圧用受圧素子と、 前記大気圧用受圧素子の歪み量を検出する大気圧用検出
    素子と、 前記検出された大気圧に基づいて前記外部から前記外圧
    用受圧素子に加わる圧力を補正して測定する測定手段を
    備えたことを特徴とする圧力測定装置。
  5. 【請求項5】 前記外圧用検出素子、温度用検出素子、
    大気圧用検出素子のうちの少なくとも1つは、ファイバ
    ブラッググレーティング部を有し、グレーティングによ
    る光のグレーティング特性が,前記受圧素子の歪み量に
    基づいて変化することを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれかに記載の圧力測定装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,3又は4のいずれかからなる
    圧力測定装置と、 前記圧力測定装置と信号線を介して接続される情報検知
    部とを備え、 前記情報検知部は、圧力測定装置からの圧力情報を取り
    込み、該取り込んだ圧力情報に基づいた2次情報を検知
    することを特徴とする圧力測定システム。
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