JP2001081502A - 抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法 - Google Patents

抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法

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JP2001081502A
JP2001081502A JP26018299A JP26018299A JP2001081502A JP 2001081502 A JP2001081502 A JP 2001081502A JP 26018299 A JP26018299 A JP 26018299A JP 26018299 A JP26018299 A JP 26018299A JP 2001081502 A JP2001081502 A JP 2001081502A
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Kazumasa Nishio
一政 西尾
Takekazu Yamaguchi
武和 山口
Katsuzo Kawada
勝三 川田
Yasuyuki Yoda
靖之 与田
Norikazu Nakamura
憲和 中村
Tatsuya Tokunaga
辰也 徳永
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KYUSHU FUKUGO ZAIRYO KENKYUSHO KK
Fukuoka Prefecture
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KYUSHU FUKUGO ZAIRYO KENKYUSHO KK
Fukuoka Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質材にあまり熱影響を与えることなく、金
属基板と硬質材との接合性を高め、しかも耐摩耗層、及
び金属基板を薄くすることで軽量化できる、抵抗加熱法
を用いた耐摩耗材の製造方法を提供する。 【解決手段】 金属基板12の一面側を金属薄板材11
で囲んで収納部11cを形成し、収納部11cに硬質材
14と金属基板12及び金属薄板材11より融点の低い
ろう材13との混合物17を充填した積層体15を、対
向するローラ電極16で加圧通電し、ろう材13を溶融
させて混合物17を金属基板12に接合し、金属基板1
2の一面側に耐摩耗層19を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、製鉄所、
発電所等の粉体輸送の内張り等に用いられる軽量性、耐
摩耗性に優れた抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、主として、製鉄所、発電所等の粉
体輸送の内張りに使用されてきた耐摩耗材は、その設置
場所が高所や、狭い所であること、そして、耐摩耗材の
重量が重いことから、設置するうえで作業性が非常に悪
かった。そこで、重量を軽くした耐摩耗材の製造方法と
して、摩耗する表面が耐摩耗性を有していれば良いた
め、金属基板上に粉体肉盛溶接する方法や、金属基板に
硬質材を溶射等で接合する方法があり、これによって、
耐摩耗材表面の耐摩耗性を高め、全体の軽量化を図れる
ようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
耐摩耗材の製造方法には以下の問題点がある。 (1)粉体肉盛溶接による方法は、金属基板の溶接しよ
うとする表面側の一部を溶かさなければならないため、
金属基板の厚みが6mm以上必要となり、耐摩耗材の重
量が重くなるので、運搬や作業性が悪くなる。 (2)溶射による方法は、金属基板全体の厚みを薄くで
きるが、金属基板と、溶射して形成した硬質材との接合
力が弱く、硬質材が容易に剥離する。更には、溶射中に
硬質材が熱によって溶け変質する場合もある。 本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、硬質材に
あまり熱影響を与えることなく、金属基板と硬質材との
接合力を高め、しかも耐摩耗層、及び金属基板を薄くす
ることで軽量化できる、抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の
製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法は、金
属基板の一面側を金属薄板材で囲んで収納部を形成し、
収納部に硬質材と金属基板及び金属薄板材より融点の低
いろう材との混合物を充填した積層体を、対向するロー
ラ電極で加圧通電し、ろう材を溶融させて混合物を金属
基板に接合し、金属基板の一面側に耐摩耗層を形成して
いる。これにより、大気中で硬質材及び金属基板を溶か
すことなくろう材のみを溶かすことが可能となるため、
硬質材の硬度を維持したまま、容易に硬質材を金属基板
に密着させることが可能となる。
【0005】ここで、第1の発明に係る抵抗加熱法を用
いた耐摩耗材の製造方法において、硬質材はタングステ
ンカーバイト、クロム炭化物、その他セラミックスの1
又は2以上の粉又は粒あるいはこれらの混合物からなる
粉粒状物を使用するのが好ましく、ろう材はニッケル系
のろう材をそれぞれ用いることが好ましい。これによ
り、硬質材はタングステンカーバイト、クロム炭化物、
その他セラミックスの1又は2以上の粉又は粒あるいは
これらの混合物がニッケル系のろう材によって金属基板
の表面に固着される。前記目的に沿う第2の発明に係る
抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法は、金属基板の
一面側を金属薄板材で囲んで収納部を形成し、収納部に
金属基板及び金属薄板材より融点の低い導電性硬質材
(粒、粉又はこれらの混合物からなる粉粒状物を使用す
るのが好ましい)を充填した積層体を、対向するローラ
電極で加圧通電し、導電性硬質材を溶融させて導電性硬
質材を金属基板に接合し、金属基板の一面側に耐摩耗層
を形成する。これにより、ろう材を用いることなく、金
属基板表面に導電性硬質材のみを形成することができ
る。
【0006】ここで、第1、第2の発明に係る抵抗加熱
法を用いた耐摩耗材の製造方法において、金属基板及び
金属薄板材は、鋼板、ステンレス鋼板又は非鉄金属板か
らなって、金属基板は、例えば厚みが2〜15mm、幅
が5〜100mmで、収納部の底面を形成し、金属薄板
材は例えば、厚みが0.1〜2mmとなって、収納部の
厚みは1〜20mmとすることが好ましい。これによ
り、耐摩耗材の使用環境や、コスト、作業性等を考慮に
入れた、最適な金属基板及び金属薄板材を選択すること
が可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1(A)、(B)、(C)は本発
明の一実施の形態に係る抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の
製造方法の説明図、図2は耐摩耗層を形成した耐摩耗材
の一体化方法の説明図、図3(A)、(B)、(C)は
それぞれ本発明の一実施の形態に係る抵抗加熱法を用い
た耐摩耗材の製造方法の変形例に係る耐摩耗層形成方法
の説明図、図4は摩耗試験実施後の各材料の摩耗量の比
較図である。
【0008】図1に示すように、本発明の一実施の形態
に係る抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法は、造
管、詰込み、及び耐摩耗層形成の各工程を有しており、
金属薄板材の一例である厚みtが0.1〜2mmの薄鋼
板11と、金属基板の一例である厚みTが2〜15m
m、幅Wが5〜100mmの鋼板12を使用する。ま
た、ろう材には、薄鋼板11と鋼板12より融点の低い
ニッケル系のろう材13を、そして硬質材には、クロム
炭化物14をそれぞれ使用する。
【0009】図1(A)を参照して造管工程について説
明する。まず、薄鋼板11を、プレス(曲げ加工)する
ことで両側部を曲げ、溝状(樋状)の溝形薄鋼板11b
を成形し、鋼板12の一面側を、溝形薄鋼板11bで囲
み、鋼板12の一面を底面とする厚みaが1〜20mm
の収納部11cを形成するように配置する。次に、溝形
薄鋼板11bと、鋼板12との接触線上を、TIG(t
ungsten inert−gas)溶接で、タング
ステン電極と溝形薄鋼板11b、鋼板12の接触線部分
にアークを発生させ溶接する。これによって、鋼板12
の片側表面に溝形薄鋼板11bによって形成される収納
部11cが形成される。続いて、図1(B)を参照して
詰込み方法について説明する。まず、ニッケル系のろう
材13(チップ状でも粉状でもよい)と、クロム炭化物
14とを用意する。クロム炭化物14は10〜1000
μm(より好ましくは30〜300μm)程度の粉粒状
物からなっている。ろう材13とクロム炭化物14と
を、ポットミルで混合して粉粒状の混合物17を生成
し、前記した造管方法で製造した鋼板12の一面側と、
溝形薄鋼板11bとで形成される収納部11cに、この
混合物17を充填して、積層体15を製造する。なお、
混合物17には、クロム炭化物14が10〜90重量%
(より好ましくは40〜70重量%)含まれている。更
に、図1(C)を参照して耐摩耗層を形成する方法につ
いて説明する。前記した詰込み方法で製造した積層体1
5を、対向するローラ電極16で加圧通電し、ニッケル
系のろう材13のみを溶融させる。これにより、ニッケ
ル系のろう材13とクロム炭化物14との混合物17を
鋼板12上に接合し、鋼板12の一面側に耐摩耗層19
を形成する。
【0010】鋼板12の一面側に、収納部11cを形成
しているので、その厚みを調整することにより、容易に
使用用途に応じた厚みを持つ耐摩耗層19を形成するこ
とが可能となる。また、ニッケル系のろう材13とクロ
ム炭化物14との混合物17をこぼすことなく、収納部
11c内に充填することができる。そして、ニッケル系
のろう材13とクロム炭化物14とを、容易に種々の割
合で混合することが可能となるので、様々な用途に見合
った耐摩耗材18を製造することができ、使用用途や、
使用環境、そして、製造コスト等を考慮に入れた耐摩耗
材18を製造することが可能となる。
【0011】本実施の形態では、ニッケル系のろう材1
3とクロム炭化物14とを、ポットミルを用いて混合し
たが、ニッケル系のろう材13とクロム炭化物14とが
均一に混合できるものであればよいため、例えばボール
ミルや、他の混合方法を用いることも可能である。な
お、この混合方法に関しては、2種類以上の材料を均一
に混合するという考え方で実施しているが、ボールミル
には、混合物を粉砕する特性も有しているので、ニッケ
ル系のろう材とクロム炭化物の粉体粒度の分布を、それ
ぞれ小さな範囲に抑えることができ、硬度のばらつきが
ない耐摩耗材を製造することが可能となる。しかし、硬
度のばらつきを厳密にしなくて良い場合には、粒度分布
の大きいクロム炭化物を、ニッケル系のろう材と共に収
納部11cに充填することも可能である。これにより、
製造コストを抑えることができ、安価で耐摩耗性に優れ
た耐摩耗材を製造することが可能となる。
【0012】更に、図2に示すように、本実施の形態で
製造した複数の耐摩耗材18を、所要の形状に配置し、
隣り合う耐摩耗材18の鋼板12側の接触部分を溶接す
ることで一体化することができる。また、帯状の耐摩耗
材18を製造した後に、この耐摩耗材18を任意に切断
することも可能である。このように、耐摩耗材18を一
体化や切断することで、耐摩耗材18の長さと幅を使用
用途に見合った形状に組替え、配置することが可能とな
る。
【0013】続いて、鋼板12の厚みT、及び幅W、そ
して薄鋼板11の厚みt、及び、収納部11cの厚みa
のそれぞれについて、上限値、及び下限値を設定した理
由について以下に示す。まず、鋼板12については、耐
摩耗材18の軽量化、及び強度を考慮に入れることで、
鋼板12の厚みTの下限値を2mm、一方、上限値を1
5mmとした。また、幅Wは、耐摩耗材18の使用用途
や、ローラ電極16でニッケル系のろう材13とクロム
炭化物14との混合物17を、鋼板12に接合する際、
場所による硬度の違いが発生しないこと、そして、製造
コストを低減することを考慮に入れ、下限値を5mm、
上限値を100mmとした。
【0014】薄鋼板11については、混合物17がこぼ
れることなく、収納部11cに納まることや、ローラ電
極16による加圧通電時に、混合物17に電気が流れる
程度にかかる圧力に対して、壊れない程度の強度があれ
ばよいため、薄鋼板11の厚みtの下限値を0.1m
m、上限値を2mmとした。また、収納部11cの厚み
aは、耐摩耗性が必要とされる使用環境を考慮すること
で、鋼板12上に形成する耐摩耗層19の厚みを決定
し、また、製造コストを考慮に入れ、下限値を1mm、
上限値を20mmとした。
【0015】次に、変形例に係る耐摩耗層形成方法につ
いて説明する。図3(A)に示すように、金属基板の一
例である鋼板21の一面側に、筒状の四角柱の角パイプ
22を、ニッケル系のろう材23を介して配置する。そ
して、この角パイプ22内に形成される収納部に、ニッ
ケル系のろう材とクロム炭化物からなる硬質材との混合
物24を充填し、対向するローラ電極で加圧通電し、ニ
ッケル系のろう材23を溶融させることで耐摩耗材を製
造する。また、図3(B)に示すように、金属基板の一
例である鋼板31の一面側に、環状の丸パイプ32を配
置する。そして、この丸パイプ32の中に形成された収
納部に、ニッケル系のろう材とクロム炭化物からなる硬
質材との混合物33を充填し、対向するローラ電極で加
圧通電することで、耐摩耗材を製造することも可能であ
る。更に、図3(C)に示すように、筒状の四角柱の角
パイプ42内に、金属基板の一例である鋼板41を配置
し、その一面側と角パイプ42で囲まれた収納部に、ニ
ッケル系のろう材とクロム炭化物からなる硬質材との混
合物43を充填し、対向するローラ電極で加圧通電する
ことで、耐摩耗材を製造することも可能である。これに
より、作業性が良好で簡単に耐摩耗材を製造できるの
で、製造コストを削減できる。ここでは、角パイプ、丸
パイプに、それぞれ軟鋼を使用したが、収納部に入れる
ろう材よりも融点が高い材料であれば、炭素鋼、ステン
レス鋼、又は非鉄金属等にすることも可能である。
【0016】
【実施例】続いて、耐摩耗材の製造方法の実施例につい
て示す。耐摩耗材の製造において、鋼板、及び薄鋼板に
は、それぞれ軟鋼(SS400)を用いた。ここで、鋼
板の厚みは3.2mm、幅は25mmである。一方、薄
鋼板の厚みは0.5mmである。この鋼板の一面側を薄
鋼板で囲み、収納部を形成するように、鋼板と薄鋼板と
の接触線上をTIG溶接を用いて接合した。この収納部
に、硬質材としてクロム炭化物の粉末と、ろう材として
ニクロブレーズとを混合したものを充填した。なお、こ
の混合比率としては、クロム炭化物50重量%、ニクロ
ブレーズ50重量%の場合と、クロム炭化物60重量
%、ニクロブレーズ40重量%の場合との2種類につい
て作製した。これを本発明材とする。この本発明材を溶
接条件0.8m/min、電流2〜3万Aで、単相交流
を電源として用いた抵抗シーム溶接機を用いてクラッド
化し、以下の試験を実施した。
【0017】鋼板と耐摩耗層との接合性については曲げ
試験で、耐摩耗性についてはASTM規格に準拠するラ
バーホイル式摩耗試験(回転数3000回、回転速度1
20rpm、荷重8.8kgf、ケイ砂6号、落下量3
00g/min)で、それぞれ評価した。この本発明材
の鋼板と耐摩耗層との接合部分の硬さは、ビッカース硬
度でHv900であった。次に曲げ半径R21でローラ
曲げ試験を行ったところ、鋼板と耐摩耗層との接合部分
での剥離は認められず、接合強度が高いことが分かっ
た。
【0018】更に、図4に示すように、ラバーホイル式
摩耗試験の試験結果より、鋼板と耐摩耗層との接合部分
の摩耗量は、本発明材の混合物の混合比率をクロム炭化
物50重量%、ニクロブレーズ50重量%としたとき、
168mgとなり、更に混合比率をクロム炭化物60重
量%、ニクロブレーズ40重量%としたとき、116m
gとなった。このとき、軟鋼の摩耗量が1500mgで
あるため、軟鋼に対して本発明材は、約13倍の優れた
耐摩耗性を有し、硬度の高い高クロム鋳鉄と略同等の数
値が得られることが分かった。なお、このときの本発明
材の厚みは従来品の約半分にできたため、非常に軽量と
することができた。また、耐摩耗性を評価するラバーホ
イル式摩耗試験は、前記した丸パイプを使用した場合に
ついても行った。丸パイプを使用した場合、混合比率を
クロム炭化物50重量%、ニクロブレーズ50重量%と
することで、軟鋼とクロム炭化物との接合部分の摩耗量
は、軟鋼の摩耗量に対して、約3倍の優れた耐摩耗特性
を有し、ステライトと略同等の数値が得られることが分
かった。
【0019】前記実施の形態において、金属薄板材、及
び、金属基板としては、薄鋼板11、鋼板12をそれぞ
れ使用したが、収納部11cに入れるろう材の融点より
も高い材料であれば、例えば、炭素鋼板、ステンレス鋼
板又は非鉄金属板にすることも可能である。これによ
り、使用する環境等を考慮に入れた耐摩耗材を製造する
ことが可能となる。なお、この場合の溶接方法として
は、各材料に応じた溶接方法を実施する。また、前記実
施の形態においては、ろう材はニッケル系のろう材13
を使用したが、ろう材は金属薄板材、及び、金属基板よ
り融点が低ければ良いため、他のろう材を使用すること
も可能である。前記実施の形態においては、硬質材はク
ロム炭化物14を使用したが、他の硬質材、タングステ
ンカーバイトや、クロム炭化物、その他セラミックス
(例えばAl23 、Si34 、SiC)の1又は2
以上を使用することも可能である。
【0020】そして、前記実施の形態においては、収納
部11cに、クロム炭化物14とニッケル系のろう材1
3との混合物17を充填したが、金属基板、及び金属薄
板材より、融点の低い導電性硬質材(例えば高カーボン
高クロム鋳鉄の粉体)を、収納部11cに充填して積層
体を形成し、ローラ電極で加圧通電し、導電性硬質材を
溶融させて、耐摩耗層を形成することもできる。これに
より、導電性硬質材のみを金属基板12の一面側に接合
することが可能となる。また、ニッケル系のろう材13
とクロム炭化物14との混合物17を、金属基板12に
接合するとき、ローラ電極16の圧力によって接合を行
うわけではないため、鋼板12と混合物17に電気が流
れる程度の圧力がありさえすればよい。よって、ローラ
電極16での加圧通電時に、高い圧力を必要としない。
【0021】
【発明の効果】請求項1及びこれに従属する請求項2、
4に記載の抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法にお
いては、金属基板の一面側を金属薄板材で囲んで収納部
を形成し、収納部に硬質材と金属基板及び金属薄板材よ
り融点の低いろう材との混合物を充填した積層体を、対
向するローラ電極で加圧通電し、ろう材を溶融させて混
合物を金属基板に接合し、金属基板の一面側に耐摩耗層
を形成するので、大気中で硬質材及び金属基板を溶かす
ことなくろう材のみを溶かすことが可能となる。これに
より、真空炉や還元炉を使用しなくてよいため、設備は
単純化でき、作業の標準化も容易となる。そして、硬質
材の厚みや幅、また耐摩耗材の大きさは、使用環境や使
用用途に応じて変化させることができるため、軽量で、
省コストにできる耐摩耗材を製造することが可能とな
る。
【0022】特に、請求項2記載の抵抗加熱法を用いた
耐摩耗材の製造方法においては、硬質材はタングステン
カーバイト、クロム炭化物、その他セラミックスの1又
は2以上を、ろう材はニッケル系のろう材をそれぞれ用
いるので、硬質材とろう材との融点の差を大きくするこ
とが可能となる。これにより、硬質材を溶かすことな
く、ろう材のみを溶かすことができるので、硬質材に大
きな熱影響を与えることはない。よって、硬さが安定し
た耐摩耗材を製造することができる。請求項3及びこれ
に従属する請求項4に記載の抵抗加熱法を用いた耐摩耗
材の製造方法においては、収納部に金属基板及び金属薄
板材より融点の低い導電性硬質材を充填するので、ろう
材を用いることなく、金属基板表面に導電性硬質材のみ
を形成することが可能となる。これにより、ろう材と均
一に混合する作業が不要となるため、容易に、また短時
間に耐摩耗材を製造することが可能となる。
【0023】ここで、請求項4記載の抵抗加熱法を用い
た耐摩耗材の製造方法においては、金属基板及び金属薄
板材は、炭素鋼板、ステンレス鋼板又は非鉄金属板から
なって、金属基板は厚みが2〜15mm、幅が5〜10
0mmで、収納部の底面を形成し、金属薄板材は厚みが
0.1〜2mmとなって、収納部の厚みは1〜20mm
となっているので、様々な使用環境に応じた材料を選択
できる。これにより、軽量で省コストにできる耐摩耗材
を製造することが可能となり、しかも、設備も単純にで
き、作業の標準化も容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)、(C)は本発明の一実施の形
態に係る抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法の説明
図である。
【図2】耐摩耗層を形成した耐摩耗材の一体化方法の説
明図である。
【図3】(A)、(B)、(C)はそれぞれ本発明の一
実施の形態に係る抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方
法の変形例に係る耐摩耗層形成方法の説明図である。
【図4】摩耗試験実施後の各材料の摩耗量の比較図であ
る。
【符号の説明】
11:薄鋼板(金属薄板材)、11b:溝形薄鋼板、1
1c:収納部、12:鋼板(金属基板)、13:ニッケ
ル系のろう材、14:クロム炭化物(硬質材)、15:
積層体、16:ローラ電極、17:混合物、18:耐摩
耗材、19:耐摩耗層、21:鋼板、22:角パイプ、
23:ニッケル系のろう材、24:混合物、31:鋼
板、32:丸パイプ、33:混合物、41:鋼板、4
2:角パイプ、43:混合物
フロントページの続き (72)発明者 西尾 一政 福岡県北九州市戸畑区仙水町1番1号 九 州工業大学工学部 物質工学科内 (72)発明者 山口 武和 福岡県北九州市八幡西区紅梅2−5−1 有限会社九州複合材料研究所内 (72)発明者 川田 勝三 福岡県北九州市八幡東区大谷1丁目3番1 号 株式会社アステック入江内 (72)発明者 与田 靖之 福岡県北九州市小倉南区新曽根8番21号 株式会社戸畑製作所内 (72)発明者 中村 憲和 福岡県北九州市八幡西区則松3丁目6−1 福岡県工業技術センター 機械電子研究 所内 (72)発明者 徳永 辰也 福岡県北九州市八幡西区則松3丁目6−1 福岡県工業技術センター 機械電子研究 所内 Fターム(参考) 4K018 AA07 AB01 AB02 AB03 AB04 BA04 BA11 BD09 DA19 DA25 EA06 JA32 JA38 KA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基板の一面側を金属薄板材で囲んで
    収納部を形成し、該収納部に硬質材と前記金属基板及び
    前記金属薄板材より融点の低いろう材との混合物を充填
    した積層体を、対向するローラ電極で加圧通電し、前記
    ろう材を溶融させて前記混合物を前記金属基板に接合
    し、該金属基板の一面側に耐摩耗層を形成することを特
    徴とする抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の抵抗加熱法を用いた耐摩
    耗材の製造方法において、前記硬質材はタングステンカ
    ーバイト、クロム炭化物、その他セラミックスの1又は
    2以上を、前記ろう材はニッケル系のろう材をそれぞれ
    用いたことを特徴とする抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 金属基板の一面側を金属薄板材で囲んで
    収納部を形成し、該収納部に前記金属基板及び前記金属
    薄板材より融点の低い導電性硬質材を充填した積層体
    を、対向するローラ電極で加圧通電し、前記導電性硬質
    材を溶融させて該導電性硬質材を前記金属基板に接合
    し、該金属基板の一面側に耐摩耗層を形成することを特
    徴とする抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の抵
    抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方法において、前記金
    属基板及び前記金属薄板材は、炭素鋼板、ステンレス鋼
    板又は非鉄金属板からなって、前記金属基板は厚みが2
    〜15mm、幅が5〜100mmで、前記収納部の底面
    を形成し、前記金属薄板材は厚みが0.1〜2mmとな
    って、前記収納部の厚みは1〜20mmとなっているこ
    とを特徴とする抵抗加熱法を用いた耐摩耗材の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007224414A (ja) * 2006-01-03 2007-09-06 General Electric Co <Ge> 機械部品並びに製造及び補修法

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