JP2001080013A - 透明ポリカーボネート樹脂積層体 - Google Patents

透明ポリカーボネート樹脂積層体

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JP2001080013A
JP2001080013A JP26512999A JP26512999A JP2001080013A JP 2001080013 A JP2001080013 A JP 2001080013A JP 26512999 A JP26512999 A JP 26512999A JP 26512999 A JP26512999 A JP 26512999A JP 2001080013 A JP2001080013 A JP 2001080013A
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coating material
resin laminate
laminate
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English (en)
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Toshinori Kajiwara
俊典 梶原
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三波長形蛍光灯で光を反射させても干渉縞が
観察されない、透明性に優れたポリカーボネート樹脂積
層体を提供する。 【解決手段】 透明ポリカーボネート樹脂板の少なくと
も一面に、被覆材料を積層した2層以上の積層体であっ
て、観察者側から見て観察者に最も近い、屈折率の差が
0.01以上の隣接する2層において、その2層の境界
面の表面粗さが下記式(1)および下記式(2)を満足
することを特徴とする透明ポリカーボネート樹脂積層
体。 1.0≦Rmax≦8.0 ……(1) 0.50≦Ra≦1.30 ……(2) Rmax:最大高さ(μm) Ra :中心線平均粗さ(μm)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明材料により積
層されたポリカーボネート樹脂積層体に関するものであ
り、更に詳しくは三波長形蛍光灯下で干渉縞が観察され
ない透明性に優れたポリカーボネート樹脂積層体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱
性、耐湿熱性、加工性及び機械的強度等に優れており電
気部品、建材部品、自動車部品等に広く利用されている
が、反面、表面が軟らかく傷が付きやすいため、その解
決方法として一般的にポリカーボネート樹脂板の表面に
透明な被覆層を施す方法が用いられている。かかる透明
な被覆層を有するポリカーボネート樹脂板はヘルメット
シールド等の風防用途、道路側壁板や建物のフェンス等
に多量に使用されており、更にはフッ素化合物からなる
無反射コーティング剤、赤外線カット剤、電磁波シール
ド剤、防汚染加工剤等の被覆材料への添加が容易になさ
れるといった特徴から各種窓材や側壁板、メガネレンズ
やディスプレイ分野等に多く使用されている。近年で
は、プロジェクションテレビやプラズマディスプレイの
前面板の分野においても使用され始めている。
【0003】しかしながら、被覆層を有するポリカーボ
ネート樹脂積層体は、太陽光や室内の蛍光灯の光で膜表
面と基材表面の反射光が干渉を起こし、リング状や筋状
の虹色の干渉縞が見えることがあり、レンズやディスプ
レー用途では重大な障害となっていた。
【0004】特に、最近省電力に有効な三波長形蛍光灯
が普及してきており、かかる三波長形蛍光灯の光で透明
ポリカーボネート樹脂積層体の反射光を見ると青、緑、
赤の干渉縞がよりはっきりと認識され易く、三波長形蛍
光灯でも干渉縞が観察されない透明性の良好なポリカー
ボネート樹脂積層体が望まれている。
【0005】干渉縞を解消する方法については種々の提
案がされている。例えば微粒子を含有するエネルギー線
硬化型樹脂組成物の硬化被膜からなる凹凸を有する層を
フィルム上に塗布して、干渉縞を解消する方法(特開平
10−282312号公報)が提案されている。しかし
ながら、この方法ではヘーズ値が1%以上になり、光学
用途としての透明性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、三波長形
蛍光灯で光を反射させても干渉縞が観察されない透明性
の良好なポリカーボネート樹脂積層体を提供することを
目的として、鋭意研究を重ねた結果、干渉縞の発生が積
層体の表面と、屈折率の差がある隣接する2層の界面の
反射光とが干渉し合って発生していることに着目し、屈
折率の差がある特定の2層の境界面の表面を特定範囲の
表面粗さに制御することにより、上記目的を達成するこ
とを見出し本発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、透明ポリカーボネート樹脂板の少なくとも一面に、
被覆材料を積層した2層以上の積層体であって、観察者
側から見て観察者に最も近い、屈折率の差が0.01以
上の隣接する2層において、その2層の境界面の表面粗
さが下記式(1)および下記式(2)を満足することを
特徴とする透明ポリカーボネート樹脂積層体が提供され
る。 1.0≦Rmax≦8.0 ……(1) 0.50≦Ra≦1.30 ……(2) Rmax:最大高さ(μm) Ra :中心線平均粗さ(μm)
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノ
ールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法または溶融
法で反応させて得られるポリカーボネート樹脂である。
二価フェノールの代表的な例としては2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノール
A]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン等が挙げられ、なかでもビスフェノー
ルAが好ましい。これらの二価フェノールは単独または
2種以上を混合して使用できる。
【0009】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0010】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法または溶融法によって反応させてポリカ
ーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触
媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用
してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の
多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネー
ト樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カル
ボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であ
ってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2
種以上を混合した混合物であってもよい。
【0011】ホスゲンを使用する界面重縮合法は、酸結
合剤及び有機溶媒の存在下で反応させる。酸結合剤とし
ては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物又はピリジン等のアミン化合物が用い
られ、溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進
のために例えば第三級アミン又は第四級アンモニウム塩
等の触媒を用いることもできる。反応温度は通常0〜4
0℃であり、反応時間は数分〜5時間である。
【0012】また、ジフェニルカーボネートを用いる溶
融法は、不活性ガス雰囲気下所定割合の二価フェノール
成分とジフェニルカーボネートとを加熱しながら攪拌し
て、生成するアルコール又はフェノール類を留出させる
方法により行われる。反応温度は生成するアルコール又
はフェノール類の沸点等により異なるが、通常120〜
300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして
生成するアルコール又はフェノール類を留出させながら
完結させる。また、反応を促進するために通常のエステ
ル交換反応用触媒を使用することもできる。
【0013】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量(M)で10,000〜50,000が好まし
く、15,000〜35,000がより好ましい。かか
る粘度平均分子量を有するポリカーボネート樹脂は、十
分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好で
あり好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチ
レン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20
℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿
入して求めたものである。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0014】かかるポリカーボネート樹脂を製造する際
に、必要に応じて亜燐酸エステル、燐酸エステル、ホス
ホン酸エステル等の安定剤、テトラブロムビスフェノー
ルA、テトラブロムビスフェノールAの低分子量ポリカ
ーボネート、デカブロモジフェノール等の難燃剤、着色
剤、滑剤等を添加することができる。
【0015】本発明においては、干渉縞の発生し易い三
波長形蛍光灯(青色の430nm付近、緑色の540n
m付近および赤色の605nm付近に前後12.5nm
の波長範囲を持ったピークを有する蛍光灯)の照射下に
おいて、ポリカーボネート樹脂積層体に干渉縞が観察さ
れないことおよび透明性に優れることを目的としてい
る。干渉縞は反射光の色の連続的な変化によって生じ、
この干渉縞が観察されなくするとともに、ポリカーボネ
ート樹脂積層体の透明性を保持するためには、透明ポリ
カーボネート樹脂積層体において、観察者側から見て観
察者に最も近い屈折率の差が0.01以上の隣接する2
層の境界面の表面粗さが下記式(1)および下記式
(2)を満足する必要のあることが分かった。 1.0≦Rmax≦8.0 ……(1) 0.50≦Ra≦1.30 ……(2) Rmax:最大高さ(μm) Ra :中心線平均粗さ(μm)
【0016】干渉縞は、層の表面の反射光と該層と屈折
率の異なる層との境界面での反射光とが干渉し合って発
生しており、本発明において、2層の境界面に凹凸を付
与する事により境界面での反射光が乱反射し、表面との
反射光と干渉を起こさなくなり、干渉縞が観察され難く
なるものと考えられる。また、境界面の凹凸を前記特定
の表面粗さの範囲にすることにより、被覆材料を積層す
る際に、塗料が凹凸にスムーズに入りこみ凹凸による透
明性の低下を防ぐものと思われる。ここで、観察者側と
は、光干渉を起こす光源側、すなわち、ポリカーボネー
ト樹脂積層体に太陽光や蛍光灯(殊に三波長形蛍光灯)
が照射される側で、観察者が干渉縞を観察する側であ
り、例えばプロジェクションテレビなどのディスプレイ
の前面板においては、ディスプレイの内側ではなく、外
側(画像を見る方向)を意味する。
【0017】前記境界面の最大高さRmaxは、1.0以
上、好ましくは3.0以上であり、8.0以下、好まし
くは7.8以下である。また、中心線平均粗さRaは、
0.50以上、好ましくは0.55以上であり、1.3
0以下、好ましくは1.20以下である。最大高さRma
xが1.0未満または中心線平均粗さRaが0.50未満
になると、境界面の乱反射が少なく、干渉縞が観察され
易くなり好ましくない。また最大高さRmaxが8.0を
超えるかまたは中心線平均粗さRaが1.30を超える
と、塗料が凹凸にスムーズに入りこめず、透明性が低下
し易くなり好ましくない。
【0018】ポリカーボネート樹脂積層体の透明性はヘ
ーズ値(%)によって示すことができる。本発明におい
て、ポリカーボネート樹脂積層体のヘーズ値は1.0%
以下が好ましく、0.8%以下がより好ましく、0.5
%以下が特に好ましい。ここでヘーズ値は、ヘーズメー
ター[日本電色工業(株)製NDH−100DP]を用
いてJIS K 7105の方法に従って測定した値で
ある。
【0019】本発明を具体的な態様で説明すると、図1
(または図2)のように、ポリカーボネート樹脂板1の
片面(または両面)に、ポリカーボネート樹脂と屈折率
の差が0.01以上である被覆材料2を積層した場合、
図1(または図2)の上側(白抜きの矢印)の方向か
ら、三波長形蛍光灯を当て、この方向から観察者が観察
すると、境界面3の(ポリカーボネート樹脂板1の)表
面粗さが、前記式(1)および(2)を満足していると
干渉縞は観察されず、透明性も保持される。
【0020】また、図3(または図4)のように、ポリ
カーボネート樹脂板4の片面(または両面)に、被覆材
料5を積層し、その上に被覆材料6、さらにその上に被
覆材料7を積層し、被覆材料7の層と被覆材料6の層と
の屈折率の差が0.01以上である場合、図3(または
図4)の上側(白抜きの矢印)の方向から、三波長形蛍
光灯を当て、この方向から観察者が観察すると、境界面
10の(被覆材料6の層の)表面粗さが、前記式(1)
および(2)を満足していると干渉縞は観察されず、透
明性も保持される。
【0021】さらに、図3(または図4)で、被覆材料
7の層と被覆材料6の層との屈折率の差が0.01未満
であり、被覆材料6の層と被覆材料5の層との屈折率の
差が0.01以上である場合、図3(または図4)の上
側(白抜きの矢印)の方向から、三波長形蛍光灯を当
て、この方向から観察者が観察すると、境界面10の表
面粗さに関係なく、境界面9の(被覆材料5の層の)表
面粗さが、前記式(1)および(2)を満足していると
干渉縞は観察されず、透明性も保持される。
【0022】また、ポリカーボネート樹脂板の両面に被
覆材料を積層する場合は、観察者側に最も近い屈折率の
差が0.01以上の隣接する2層の境界面の表面粗さ
が、前記式(1)および(2)を満足するだけでなく、
さらに、観察者側とは逆の面についても最も外側にある
屈折率の差が0.01以上の隣接する2層の境界面の表
面粗さが、前記式(1)および(2)を満足すること
で、より干渉縞は観察され難くなり有利に採用される。
【0023】本発明で使用されるポリカーボネート樹脂
板は、前記ポリカーボネート樹脂を用いて、通常溶融押
出法で製造される。本発明において使用されるポリカー
ボネート樹脂板の厚さは1〜10mmの範囲が好まし
い。かかる範囲内では、撓みの発生がなく、強度が十分
であり好ましい。
【0024】本発明で使用される被覆材料の少なくとも
1つは、ポリカーボネート樹脂の屈折率と屈折率の差が
0.01以上であり、好ましくは屈折率の差が0.01
〜0.5の範囲である。ポリカーボネート樹脂の屈折率
と屈折率の差が0.01未満の被覆材料のみを被覆した
ポリカーボネート樹脂積層体は干渉縞が観察され難い。
被覆材料として、具体的にはメラミン系樹脂、シリコン
系樹脂、アクリル系樹脂およびフッ素系樹脂が好まし
く、なかでもメラミン系樹脂、シリコン系樹脂およびア
クリル系樹脂が好ましく採用される。メラミン系樹脂と
しては、例えばメチルエーテル化メチロールメラミンに
ジオールを架橋させたものが挙げられる。シリコン系樹
脂としては、例えばアルコキシシランを加水分解縮合さ
せたものが挙げられる。アクリル系樹脂としては、例え
ばポリアルキルアクリレートを溶剤に溶解し、加熱乾燥
させたものが挙げられる。フッ素系樹脂としては、例え
ば各種フルオロオレフィンを共重合させたものが挙げら
れる。
【0025】これらの被覆材料の被覆方法としては、デ
ィッピング法、フローコート法、スピンコート法、蒸着
法等通常用いられている各種の被覆方法が採用でき、な
かでもフローコート法およびディッピング法が好まし
い。かかる被覆方法の被覆条件は、被覆材料や溶剤の種
類、塗料の固形分濃度、粘度、表面張力、溶剤の蒸発速
度、塗料とポリカーボネート樹脂板との濡れ性等により
異なり、一概には決められないが、例えば、メラミン樹
脂塗料としてメチルエーテル化メチロールメラミンにジ
オール成分を架橋させる塗料を用いる場合、フローコー
ト法においては、塗料の固形分濃度が10〜30重量%
のものを使用することが好ましく、また、ディッピング
法においては、塗料の固形分濃度が20〜40重量%の
ものを使用して、ポリカーボネート樹脂板の引き上げ速
度が10〜250mm/minの範囲とすることが好ま
しく、さらに、塗布後の乾燥温度が80〜140℃、乾
燥時間が30〜120分の範囲で被覆する方法が膜厚差
を制御し易く好ましく採用される。
【0026】また、被覆材料に各種の添加剤、例えば紫
外線吸収剤、赤外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤、帯
電防止剤、無機粒子等が配合されたものを使用してもよ
い。
【0027】層の表面に本発明で規定する範囲の表面粗
さを付与する方法としては、ポリカーボネート樹脂板を
溶融押出時にエンボス模様のロールで挟持する方法また
は透明ポリカーボネート樹脂板を共押出で透明層を積層
する時にエンボス模様のロールで挟持する方法があり、
また、サンドブラスト、予め凹凸を施したガラス基板等
のプレスによるエンボス処理等の物理的粗面化処理、薬
品処理やスパッタエッチング、プラズマエッチング等の
化学的処理などの方法により層の表面を加工することが
できる。また、塗料に無機、高分子化合物微粒子等を添
加し表面に凹凸を付与する方法等も採用することができ
る。
【0028】本発明において得られるポリカーボネート
樹脂積層体は、透明性に優れ、干渉縞が観察されず、プ
ロジェクションテレビやプラズマディスプレイなどのデ
ィスプレイ前面板およびメガネレンズに好適に使用され
る。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
また、干渉縞の有無、屈折率、表面粗さ、ヘーズ値は下
記の方法に従い測定した。
【0030】(1)干渉縞の有無:外光を遮断し、天井
に三波長形蛍光灯を6本取りつけた部屋で、天井から2
m下の場所で、三波長形蛍光灯の光を観察者側から透明
被覆ポリカーボネート樹脂板に当て、干渉縞の有無を目
視にて判定した。
【0031】(2)屈折率:ポリカーボネート樹脂積層
体をアタゴ(株)製アッベ屈折計を用い、α−ブロモナ
フタレンを接触液として25℃で測定した。
【0032】(3)表面粗さ:ポリカーボネート樹脂積
層体の表面を、表面粗さ測定器[KOSAKA La
b.ltd.サーフコーダSE−1100]を用いてJ
IS B0601の方法に従って測定した。
【0033】(4)ヘーズ値:ポリカーボネート樹脂積
層体をヘーズメーター[日本電色工業(株)製NDH−
100DP]を用いてJIS K 7105の方法に従
って測定した。
【0034】 [参照例1] メラミン樹脂塗料を以下の組成で調整した。 (イ)メチルエーテル化メチロールメラミン 100重量部 (三井サイアミド(株)製サイメル350) (ロ)1,6−ヘキサンジオール 70重量部 (ハ)マレイン酸 5重量部 (ニ)イソプロピルアルコール 150重量部 (ホ)イソブチルアルコール 320重量部 (ヘ)エチレングリコールモノブチルエーテル 25重量部
【0035】[実施例1]厚さ2mm、幅200mm、
長さ200mmで屈折率nが1.58のポリカーボネー
ト樹脂板(帝人化成(株)製パンライトシートPC−1
111、平均分子量25,000)に、塗膜の屈折率が
1.48のUV硬化のアクリル樹脂塗料をバーコート法
で塗布し、その上から表面に微細な凹凸を有するガラス
基板の凹凸面を1kg/cm2の圧力で押し当て、ガラ
スの上から紫外線を3000mJ/cm2で照射して硬
化させ、ガラスを剥ぎ取る事により表面に凹凸を持たせ
た樹脂積層体(表面粗さRmax=7.73、Ra=1.1
2)を作成した。さらに、その上に参照例1で調整した
メラミン樹脂塗料(塗料の固形分濃度25重量%)をフ
ローコート法で塗布し、10分間室温に放置した後、1
20℃の熱風循環乾燥機中で60分間加熱乾燥して、屈
折率nが1.55のメラミン硬化層を被覆したポリカー
ボネート樹脂積層体を得た。得られたポリカーボネート
樹脂積層体の被覆層の膜厚は5.2〜8.0μmであっ
た。また、三波長形蛍光灯の下で干渉縞は観察されず、
ヘーズは0.1%であった。これらの結果を表1に示し
た。
【0036】[実施例2]実施例1において使用した凹
凸を有するガラス基板の押し当ての圧力を0.5kg/
cm2にした以外は実施例1と同様の方法で行いポリカ
ーボネート樹脂積層体を得た。その評価結果を表1に示
した。
【0037】[実施例3]実施例1において使用した凹
凸を有するガラス基板の押し当ての圧力を0.2kg/
cm2にした以外は実施例1と同様の方法で行いポリカ
ーボネート樹脂積層体を得た。その評価結果を表1に示
した。
【0038】[実施例4]実施例1において、微細な凹
凸を有するアクリル樹脂層を被覆したポリカーボネート
樹脂積層体に、メラミン樹脂塗料の代わりにシリコン樹
脂塗料(東芝シリコン(株)製トスガード510、固形
分濃度20.5重量%)をフローコート法で塗布し、1
0分間室温に放置した後、120℃の熱風循環乾燥機中
で60分間加熱乾燥して、アクリル樹脂層の上に屈折率
nが1.43のシリコン樹脂層を被覆したポリカーボネ
ート樹脂積層体を得た。その評価結果を表1に示した。
【0039】[比較例1]実施例1において、使用した
凹凸を有するガラス基板の押し当ての圧力を5kg/c
2にした以外は実施例1と同様の方法で行いポリカー
ボネート樹脂積層体を得た。その評価結果を表1に示し
た。
【0040】[比較例2]実施例1において、使用した
凹凸を有するガラス基板の押し当ての圧力を0kg/c
2(自重のみ)にした以外は実施例1と同様の方法で
行いポリカーボネート樹脂積層体を得た。その評価結果
を表1に示した。
【0041】[比較例3]実施例1において、表面粗さ
がより粗い種類の凹凸を有するガラス基板を使用した以
外は実施例1と同様の方法で行いポリカーボネート樹脂
積層体を得た。その評価結果を表1に示した。
【0042】[比較例4]比較例3において、凹凸を有
するガラス基板の押し当ての圧力を0.5kg/cm2
にした以外は比較例3と同様の方法で行いポリカーボネ
ート樹脂積層体を得た。その評価結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、三波長形蛍光灯の反射
光でも干渉縞が観察されず、プロジェクションテレビ、
プラズマディスプレイ、パソコンなどのディスプレイの
前面板およびメガネレンズ等の分野に有用な外観の優れ
た透明性の良好なポリカーボネート樹脂積層体の提供が
可能になり、その奏する工業的効果は格別なものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明ポリカーボネート樹脂積層体の一
態様である。
【図2】本発明の透明ポリカーボネート樹脂積層体の一
態様である。
【図3】本発明の透明ポリカーボネート樹脂積層体の一
態様である。
【図4】本発明の透明ポリカーボネート樹脂積層体の一
態様である。
【符号の説明】
1.ポリカーボネート樹脂板 2.被覆層 3.ポリカーボネート樹脂板と被覆層2との境界面 4.ポリカーボネート樹脂板 5.被覆層 6.被覆層 7.被覆層 8.ポリカーボネート樹脂板と被覆層5との境界面 9.被覆層5と被覆層6との境界面 10.被覆層6と被覆層7との境界面
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK17B AK17C AK25B AK25C AK36B AK36C AK45A AK52B AK52C BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C GB41 GB90 JK15A JK15B JK15C JN01A JN30 YY00A YY00B YY00C 4J038 CD091 CG141 DA161 DL031 NA01 NA17 PB05 PB07 PB09 PC08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明ポリカーボネート樹脂板の少なくと
    も一面に、被覆材料を積層した2層以上の積層体であっ
    て、観察者側から見て観察者に最も近い、屈折率の差が
    0.01以上の隣接する2層において、その2層の境界
    面の表面粗さが下記式(1)および下記式(2)を満足
    することを特徴とする透明ポリカーボネート樹脂積層
    体。 1.0≦Rmax≦8.0 ……(1) 0.50≦Ra≦1.30 ……(2) Rmax:最大高さ(μm) Ra :中心線平均粗さ(μm)
  2. 【請求項2】 被覆材料が、メラミン系樹脂、シリコン
    系樹脂、アクリル系樹脂およびフッ素系樹脂からなる群
    より選ばれる少なくとも1種の被覆材料である請求項1
    記載の透明ポリカーボネート樹脂積層体。
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