JP2001079706A - ガイドパッド付き回転切削工具 - Google Patents

ガイドパッド付き回転切削工具

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JP2001079706A
JP2001079706A JP25302099A JP25302099A JP2001079706A JP 2001079706 A JP2001079706 A JP 2001079706A JP 25302099 A JP25302099 A JP 25302099A JP 25302099 A JP25302099 A JP 25302099A JP 2001079706 A JP2001079706 A JP 2001079706A
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Japan
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guide pad
tool
rotary cutting
sintered body
cutting tool
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JP25302099A
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Shoji Ueda
丞司 植田
Toshiyuki Sahashi
稔之 佐橋
Yasuyuki Kaneda
泰幸 金田
Katsuyoshi Maruyama
勝義 丸山
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガイドパッドによるバニッシュ効果を低下さ
せずにガイド効果を高めて加工精度を向上させた、経済
性、耐久性にも優れるガイドパッド付き回転切削工具を
提供する。 【解決手段】 硬質焼結体から成る切れ刃を2乃至3枚
有する工具を改善の対象にし、その工具の本体2外周に
設けるガイドパッド7の数を2枚刃工具については4箇
所、3枚刃工具については3箇所とし、さらに、加工面
との接触部を硬質焼結体9で形成するこのガイドパッド
7の外周ランド幅aを0.1〜1.0mmの範囲にある
ように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドリル、リー
マ、エンドミルなどの回転切削工具、特に、本体の外周
に振れ止めのためのガイドパッドを設けた高精度加工用
のガイドパッド付き回転切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】先端に切れ刃を有し、外周にガイド部を
有する穴明け工具としては、例えば、図12及び図13
に示す2枚刃ガンリーマが知られている。この2枚刃ガ
ンリーマ1は、工具本体2の外周に本体先端から後方に
延びる切屑排出溝3を有しており、その切屑排出溝3の
工具回転方向Aを向く面に、超硬合金4と硬質焼結体5
から成る切刃チップを鑞付けしてこのチップの硬質焼結
体5に切れ刃6を形成している。また、工具本体2の2
箇所のランド部に、ガイドパッド7を取付けている。ガ
イドパッド7は、超硬合金8の外周に硬質焼結体9を鑞
付けして取付けたものであり、超硬合金8の部分を鑞付
けして工具本体2に取付けている。
【0003】この2枚刃ガンリーマは、ガイドパッド7
を加工穴の内周面に当接させて工具本体2をガイドし、
この状態で穴面の仕上げ切削を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の2枚刃ガンリー
マは、ガイドパッド7の加工面と接する外周ランドの幅
(以下、ガイド幅と言う)aが大きいため、純切削に対
する負荷(トルク)が増加する傾向にあり、その結果、
加工時の真直性が悪くなり、加工穴精度が安定しないと
言う問題を有していた。
【0005】また、ガイドパッドに利用される硬質焼結
体は超高圧発生容器を用いて製造されるダイヤモンド焼
結体やcBN(立方晶型窒化硼素)焼結体であるため、
非常に高価である。従って、その硬質焼結体で形成され
るガイドパッドのサイズ(幅a及び長さb)が大きくな
ると当然に材料費が高くなる。また、パッドサイズが大
きくなるとそれを取付ける工具本体の剛性も低下し、鑞
付け時の熱で工具本体が変形する虞れもある。
【0006】さらに硬質焼結体は、ダイヤモンド粒子や
cBN粒子を多量に(通常50%以上)に含有してお
り、加工性が非常に悪い。ガイドパッドは、その加工性
の悪い硬質焼結体の平板を円筒研削加工して曲面形状に
整形するので、ガイド幅a、長さbが大きいと研削代が
増加し、加工費が大幅に上昇する。
【0007】このほか、2枚刃ガンリーマを始めとする
2枚刃リーマやドリルでは、ガイドパッドの設置数を一
般に2箇所としているため、加工穴の内面に対して均等
なバニッシュ力を与えることができず、純切削力をサポ
ートし、穴加工を安定させるガイドパッド本来の効果を
100%引き出すことが困難であった。
【0008】また、工具本体に対するガイドパッドの取
付けは、通常、高周波鑞付け法でなされるが、この手法
では、ガイドパッドの硬質焼結体は工具本体に接合され
ない。このため、図15のように、硬質焼結体9を工具
本体2内に完全に沈め込むと工具本体2との間に隙間G
が生じ、その隙間への切屑の噛み込みが起こって噛込ん
だ切屑が加工面を傷付ける。そこで、その不具合を回避
すべく硬質焼結体9を図14に示すように工具本体2の
外周に飛び出させているが、この形状では工具の外周研
削が断続加工となるために砥石の逃げが生じ、穴径精度
の確保に関して最も重要な工具の外周振れ精度の確保が
難しい。
【0009】この発明は、上記に鑑みてなされたもので
あって、ガイドパッドの大きさ、配置を工夫して加工精
度の飛躍的向上、工具寿命の向上、素材費及び加工費の
低減を実現したガイドパッド付き回転切削工具を提供す
ることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明では、先端に硬質焼結体から成る切れ刃を
2乃至3枚有し、外周にガイドパッドを有する回転切削
工具において、前記ガイドパッドの設置数を2枚刃工具
については4箇所、3枚刃工具については3箇所とし、
さらに、ガイドパッドの加工面との接触部を総て硬質焼
結体で形成し、かつ、このガイドパッドの外周ランド幅
を、a=0.1〜1.0mmの範囲に設定した。
【0011】この切削工具は、ガイドパッド用の硬質焼
結体として、平均粒径1〜60μmのダイヤモンド又は
cBN粒子を5〜95体積%含有し、さらに、Fe、C
o、Ni及び周期律表IVa、Va、VIa属の金属元
素又はそれ等の元素の炭化物、窒化物の中から選ばれた
物質の少なくともひとつを含むものを用いると好まし
い。
【0012】また、ガイドパッドの工具軸方向長さを切
れ刃長の1.0〜1.5倍に設定し、さらに、外周刃か
らのガイドパッドの半径方向飛出量を、−0.003〜
+0.003mmの範囲内に設定するとより好ましい。
【0013】ガイドパッドは、硬質焼結体の単体で形成
したもの、超硬合金に裏打ちされた硬質焼結体で形成し
たもののどちらであってもよい。超硬合金に裏打ちされ
た後者の硬質焼結体で形成したガイドパッドは、超硬合
金と硬質焼結体が工具回転方向に積層され、かつ硬質焼
結体が超硬合金よりも工具回転方向後方にある向きにし
て工具本体の外周部に埋設すると好ましい。
【0014】このガイドパッドの工具本体に対する取付
けは、Ti又はZrの1種もしくは2種とCuを含む活
性鑞材を用いて真空雰囲気中又は不活性雰囲気中で鑞付
けする方法で行うとよい。使用する活性鑞材は、残部が
Agと不可避不純物から成るものや、上記の元素のほか
に、In又はSnの1種又は2種を含むものが好まし
い。また、Ti、Zrの含有量は0.5〜65重量%、
Cuの含有量は10〜40重量%、In、Snの含有量
は5〜25重量%の範囲にあるものが好ましい。
【0015】
【作用】この発明では、ガイドパッドを2枚刃工具につ
いては4箇所、3枚刃工具については3箇所に設置した
ので、従来品に比べて多点でバランスよくバニッシュ力
を与えることが可能になり、加工穴径のばらつき、真円
度、円筒度などに関する精度を更に向上させることがで
きる。
【0016】また、ガイドパッドのガイド幅を最適化し
たことにより切削トルクが軽減されて真直性が向上す
る。なお、ガイド幅が0.1mm以下のものは、ガイド
パッドによるバニッシュ効果が小さく、ガイド性能も不
充分になる。逆にガイド幅が1mm以上になると切削ト
ルクが増大し、真直性が低下する。
【0017】ガイドパッドの長さを制限することにも意
味がある。即ち、穴明け工具には、通常、バックテーパ
が付けられるので、ガイドパッドが有効に作用する長さ
には限界がある。例えば、深さ40mmの貫通穴の加工
において、ガイドパッドの長さを穴深さと同じ40mm
にしてもガイドパッド設置の効果は変わらず、むしろ、
材料費の高騰を招くだけである。
【0018】本来の効果を得るのに必要なガイドパッド
長さは、切れ刃長(硬質焼結体で形成される切れ刃の長
さ)の1.0〜1.5倍であることを確認した。ガイド
幅と長さを上記の範囲に規定してガイドパッドのサイズ
を小さくすると、高価な硬質焼結体の使用量(材料費)
と加工費を大幅に削減することができる。また、ガイド
パッドの小サイズ化は、工具本体の剛性維持の効果もも
たらし、鑞付け時の工具変形量を抑制することも可能に
なる。特に、小径工具においては、その効果(小サイズ
化の効果)が顕著に現れる。
【0019】ガイドパッドの素材は、切れ刃との寿命バ
ランスをとるために、従来の超高圧発生容器を用いて製
造されるダイヤモンド焼結体やcBN焼結体を用いる。
最近では、比較的低圧力でダイヤモンド粒子やcBN粒
子と、Fe、Co、Ni及び周期律表IVa、Va、V
Ia族金属元素もしくはそれ等の元素の炭化物、窒化物
の中から選ばれた少なくともひとつの物質とが焼結され
た複合焼結体も提供されており、このようなものを用い
てもよい。その硬質焼結体中の硬質粒子の平均粒径が6
0μmを越えると硬質粒子の脱落、工具精度の悪化など
の問題が発生し易くなる。従って、焼結可能な硬質焼結
体の平均粒子径が1μm以上である点を考慮すると、ガ
イドパッドを形成する硬質焼結体の平均粒子径は1〜6
0μmの範囲内にあるのが望ましい。
【0020】ここで、実開平6−57512号公報は、
ガイドパッドとマージンのバニッシュ力及びその力の作
用方向の違いが工具の直真性、加工精度に悪影響を及ぼ
すことから、外周刃からのガイドパッドの径方向飛び出
し量をマイナス値(0.005mm以上)に設定してガ
イドパッドによるバニッシュ力を軽減することを提案し
ているが、この方法は、工具製作上の問題を引き起こ
す。また、ガイドパッドによるガイド効果、バニッシュ
効果が低下する。
【0021】これに対し、本発明では、ガイドパッドの
ガイド幅を小さくしたことにより、被削材との接触面積
が減少してパッドの接触圧が小さくなり、そのため、ガ
イドパッドの逃がし量を小さくすることが可能になり、
工具の製作、加工性の悪化が生じない。ガイドパッドの
逃がし量はゼロでもよいし、逆にガイドパッドが外周刃
の位置から微小範囲で外側に飛び出していてもよい。こ
のことと、多点ガイドとしたことにより、ガイドパッド
によるバニッシュ効果を悪化させずに良好な真直性を維
持することが可能になる。なお、この効果を得るため
に、外周刃からのガイドパッドの半径方向飛び出し量
は、−0.003〜+0.003mmの範囲に納めてお
くのが好ましい。
【0022】次に、ガイドパッドは、高周波鑞付け法等
で工具本体に鑞付けして取付けるが、このときの鑞材と
して、0.5〜65重量%のTi又はZrの1種又は2
種とCuを含む活性鑞材を用いると、硬質焼結体自体の
接合が可能になるので、ガイドパッドを硬質焼結体の単
体で形成してパッドサイズを更に縮小したり、ガイドパ
ッドに裏打ち超硬合金を含ませてパッドの接合面積を増
加させたりすることができる。
【0023】上記の活性鑞材は、Cu含有量が10〜4
0重量%で残部Agから成るもの、或いは5〜25重量
%のIn又はSnの1種もしくは2種を更に加えた組成
のものを用いると、熱歪の抑制に有効な低温での鑞付け
が行えて好ましい。
【0024】このほか、超硬合金に裏打ちされた硬質焼
結体製のガイドパッドを採用するときには、硬質焼結体
が超硬合金よりも工具回転方向後方にある状態にしてガ
イドパッドを工具本体の外周に埋設すると、工具本体と
硬質焼結体との間に隙間ができたときにも、その隙間の
入口がパッド接触部の後方にくるので、切屑の噛み込み
が起こり難い。また、この形状では硬質焼結体の厚み=
パッドのガイド幅となるので、ガイド幅の制御がし易
く、加工面に接触しない部分の逃がし加工も楽になる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1乃至図3に、この発明の実施
形態を示す。図は2枚刃リーマへの適用例である。この
リーマ10は、工具本体2の外周に切屑排出溝3を設
け、その切屑排出溝3の工具回転方向Aを向く面に超硬
合金4と硬質焼結体5から成る切刃チップを鑞付けして
このチップの硬質焼結体5に切れ刃6を形成しており、
この点は図12、図13の従来リーマと変わるところが
ない。
【0026】即ち、例示のリーマ10は、工具本体2の
2箇所のランド部にガイドパッド7をそれぞれ2個取付
けてガイドパッド7の総数を4にしており、この点が従
来品と異なる。
【0027】また、ガイドパッドの有効ガイド幅aを
0.1〜1.0mm、長さbを切れ刃長L(硬質切れ刃
の長さ)の1.0〜1.5倍にしており、これも従来品
と異なる。
【0028】さらに、ここでは、超硬合金8に裏打ちさ
れた硬質焼結体9を、工具回転方向に見て超硬合金8が
前、硬質焼結体9が後ろにある向きにして工具本体2の
外周の座ぐり部11に鑞付けして取付けており、この点
も従来品と異なる。
【0029】ガイドパッド7は、活性鑞材を用いて鑞付
けすると、図3に示すように、硬質焼結体9も接合層1
2を介して工具本体2に接合される。通常の鑞材を使用
してもよく、そのときには、図4に示すように、硬質焼
結体9が工具本体2に接合されず、両者の界面に隙間が
生じることがあるが、その隙間は、入口が被削材に接す
るパッドの外周ランド部よりも工具回転方向後方にある
ので、切屑の噛み込みは殆ど起こらない。
【0030】図5〜図7は、第2実施形態である。これ
は、硬質焼結体9の単体から成るガイドパッド7を工具
本体2に活性鑞材を用いて接合したものであって、ガイ
ドパッド7のサイズが小さくなるため座ぐり部11が小
さくてよく、工具本体2の剛性低下が少ない。
【0031】なお、活性鑞材を用いると、切刃チップも
硬質焼結体5の単体から成るものを使用できる。この第
2実施形態の工具のその他の構成は、図1、図2に示す
ものと同じである。
【0032】図には示していないが、3枚刃の工具につ
いては、3箇所のランド部にガイドパッドを各1個設け
る。
【0033】以下に、より詳細な実施例を挙げる。
【0034】−実施例1− 表1に示すサンプル(1) 〜(8) の工具を作ってガイドパ
ッドの設置数とガイド幅が切削性能に及ぼす影響を調べ
た。サンプル工具は刃先直径10mmの2枚刃リーマで
あり、切れ刃はcBN焼結体で、ガイドパッドはダイヤ
モンド焼結体で各々形成し、それ等を60重量%Ag−
24重量%Cu−14重量%In−2重量%Tiの成分
を有する鑞材を用いて750℃の真空雰囲気下で工具本
体に接合した。ガイドパッドは切れ刃長10mmに対し
てその長さを13mmとし、さらに、外周刃からの径方
向飛び出し量を+0.002mmに設定した。
【0035】
【表1】
【0036】上記のサンプルを用いてねずみ鋳鉄にあけ
た下穴の仕上げ加工を行い、加工後の穴精度を評価し
た。切削条件は、切削速度V=150m/min、送り
f=0.2mm/rev、取り代d=0.4mm、加工
深さ40mmであり、切削油は水溶性のものを使用し、
切削油圧70kg/cm2 の内部給油とした。結果を表
2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】・総評 ガイドパッド数が2個のサンプル(1) 〜(4) は、加工穴
の内周面に作用するバニッシュ力のバランスが悪く、穴
精度が安定していない。
【0039】また、サンプル(5) は、ガイドパッド数の
増加でガイドバランスが向上して真円度のばらつきがサ
ンプル(1) 〜(4) よりも小さくなっているが、パッドの
ガイド幅が小さ過ぎるためバニッシュ効果が低下し、加
工径寸法のばらつきがサンプル(4) よりも大きくなって
いる。
【0040】サンプル(8) も発明品と同じ多点ガイドで
あるが、パッドのガイド幅が大き過ぎるため、必要以上
のバニッシュ力が働き、そのためにパッドの摩耗が助長
され、早いうちに穴径寸法が縮小ぎみになる。
【0041】一方、発明品(6) 、(7) は、4箇所のガイ
ドパッドにより安定したガイドがなされており、また、
ガイド幅が適切な寸法になっていることから良好な穴精
度が得られている。
【0042】−実施例2− 表3に示すサンプル(9) 〜(15)の工具を作ってガイドパ
ッドの接合法、取付け方が切削性能に及ぼす影響を調査
した。各サンプル工具は刃先直径20mmの3枚刃リー
マであり、外周の3箇所のマージン部にそれぞれガイド
パッドを取付けている。切れ刃とガイドパッドの硬質焼
結体は共にダイヤモンド焼結体である。
【0043】サンプル(12)〜(15)は、表3に示す組成の
活性鑞材を用い、760℃のAr雰囲気下でガイドパッ
ドの鑞付けを行った。また、サンプル(9) 〜(11)につい
ては、表3 の組成の鑞材を用い、750℃の大気雰囲気
中で鑞付けを行った。さらに、ガイドパッドは切れ刃長
15mmに対し、その長さを20mmとし、さらに外周
刃からの径方向飛び出し量を+0. 002mmに設定し
た。
【0044】
【表3】
【0045】上記のサンプルを用いてアルミ合金にあけ
た下穴の仕上げ加工を行った。切削条件は、切削速度V
=200m/min、送りf=0.12mm/rev、
取り代d=0.2mm、加工深さ35mmであり、切削
油は水溶性で外部給油とした。切削後の評価結果を表4
に示す。
【0046】
【表4】
【0047】・総評 サンプル(9) 、(10)はダイヤモンド焼結体が工具本体に
鑞付けされず、ガイドパッドと工具本体との間に生じる
隙間に切屑が詰まってその切屑による仕上面の面粗さの
悪化が生じた。
【0048】サンプル(11)もダイヤモンド焼結体が鑞付
けされずガイドパッドと工具本体との間に隙間ができる
が、その隙間が図10に示すように、パッド7の外周ラ
ンドよりも工具の回転方向後方にあるため、仕上面には
大して影響が出ていない。
【0049】また、サンプル(12)〜(15)は、図8〜図1
0に示すガイドパッド7と工具本体2との間の隙間が鑞
材によって埋めつくされ、切屑詰まりが皆無となる。こ
のほか、サンプル(15)は、ガイドパッドのサイズが小さ
く、工具本体の剛性低下が小さかった。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の切削工具
は、ガイドパッドの数を増加させ、さらに、そのパッド
のガイド幅を適切な値に設定したので、バニッシュ効果
を低下させずにガイド効果を高めることができ、また、
高価な硬質焼結体の使用量を減らして材料費、加工費を
削減することもでき、加工精度、工具寿命の向上とコス
ト削減が図れる。
【0051】ガイドパッドを活性鑞材を用いて工具本体
に鑞付けしたものは、ガイドパッドの更なる縮小化によ
る材料費の削減、工具本体の剛性維持、切屑詰まり防止
の効果がより高まる。また、使用する活性鑞材がAgや
In、Snを含有したものであると、ガイドパッド鑞付
け時の工具本体の熱歪も小さく抑えられる。
【0052】このほか、裏打ち超硬合金を含むガイドパ
ッドを硬質焼結体が超硬合金よりも工具回転方向後方に
ある姿勢にして取付けたものは、硬質焼結体が鑞付けさ
れないときにも切屑詰まりが減少して面精度の悪化が抑
制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の切削工具の実施形態を示す正面図
【図2】同上の工具の要部を示す側面図
【図3】図2のX−X線部の拡大断面図
【図4】図2のX−X線部における他の例の拡大断面図
【図5】他の実施形態の正面図
【図6】図5の工具の要部を示す側面図
【図7】図6のY−Y線部の拡大断面図
【図8】ガイドパッドの取付け方の一例を示す図
【図9】ガイドパッドの取付け方の他の例を示す図
【図10】ガイドパッドの取付け方の好ましい例を示す
【図11】ガイドパッドの取付け方の他の好ましい例を
示す図
【図12】従来のガイドパッド付き2枚刃ガンリーマの
正面図
【図13】図12のリーマの側面図
【図14】図13のZ−Z線部の拡大断面図
【図15】ガイドパッドを工具本体内に没入させたとき
の断面図
【符号の説明】 2 工具本体 3 切屑排出溝 4 超硬合金 5 硬質焼結体 6 切れ刃 7 ガイドパッド 8 超硬合金製チップ 9 硬質焼結体 10 リーマ 11 座ぐり部 12 接合層
フロントページの続き (72)発明者 金田 泰幸 伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電気工 業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 丸山 勝義 伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電気工 業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 3C037 AA01 DD03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に硬質焼結体から成る切れ刃を2乃
    至3枚有し、外周にガイドパッドを有する回転切削工具
    において、前記ガイドパッドの設置数を2枚刃工具につ
    いては4箇所、3枚刃工具については3箇所とし、さら
    に、ガイドパッドの加工面との接触部を総て硬質焼結体
    で形成し、かつ、このガイドパッドの外周ランド幅を、
    a=0.1〜1.0mmの範囲に設定したことを特徴と
    するガイドパッド付き回転切削工具。
  2. 【請求項2】 ガイドパッド用の硬質焼結体として、平
    均粒径1〜60μmのダイヤモンド又はcBN粒子を5
    〜95体積%含有し、さらに、Fe、Co、Ni及び周
    期律表IVa、Va、VIa属の金属元素又はそれ等の
    元素の炭化物、窒化物の中から選ばれた物質の少なくと
    もひとつを含むものを用いた請求項1記載のガイドパッ
    ド付き回転切削工具。
  3. 【請求項3】 ガイドパッドの工具軸方向長さを切れ刃
    長の1.0〜1.5倍に設定し、さらに、外周刃からの
    ガイドパッドの半径方向飛出量を、−0.003〜+
    0.003mmの範囲内に設定した請求項1又は2記載
    のガイドパッド付き回転切削工具。
  4. 【請求項4】 Ti又はZrの1種もしくは2種を0.
    5〜65重量%含み、さらに、Cuを含む鑞材を用いて
    ガイドパッドを工具本体に鑞付け接合した請求項1乃至
    3のいずれかに記載のガイドパッド付き回転切削工具。
  5. 【請求項5】 前記鑞材として、残部がAgと不可避不
    純物から成り、かつCu含有量が10〜40重量%の範
    囲にあるものを用いた請求項4記載のガイドパッド付き
    回転切削工具。
  6. 【請求項6】 前記鑞材として、前記成分の他に更に5
    〜25重量%のIn又はSnの1種又は2種を含むもの
    を用いた請求項4又は5に記載のガイドパッド付き回転
    切削工具。
  7. 【請求項7】 前記ガイドパッドを超硬合金に裏打ちさ
    れた硬質焼結体で形成し、このガイドパッドを、超硬合
    金と硬質焼結体が工具回転方向に積層され、かつ硬質焼
    結体が超硬合金よりも工具回転方向後方にある向きにし
    て工具本体の外周部に埋設した請求項1乃至6のいずれ
    かに記載のガイドパッド付き回転切削工具。
  8. 【請求項8】 ガイドパッドを単体の硬質焼結体で形成
    した請求項1乃至6のいずれかに記載のガイドパッド付
    き回転切削工具。
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Cited By (5)

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