JP2001077700A - 画像圧縮装置及び画像伸張装置 - Google Patents

画像圧縮装置及び画像伸張装置

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JP2001077700A
JP2001077700A JP25397799A JP25397799A JP2001077700A JP 2001077700 A JP2001077700 A JP 2001077700A JP 25397799 A JP25397799 A JP 25397799A JP 25397799 A JP25397799 A JP 25397799A JP 2001077700 A JP2001077700 A JP 2001077700A
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pixel
correlation
dpcm
pixels
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JP25397799A
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English (en)
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Shigetoshi Noda
重利 納田
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無損失圧縮における圧縮率を高める。 【解決手段】 デジタル画像信号を入力し、画素相関評
価手段110において、対象となる画素の周辺にある参
照可能な画素の個々の画素相関を計算して画素相関の評
価を行う。最適値算出手段120は、この画素相関の評
価に基づき、相関が最大になる組を選択し、最適適応処
理係数を算出する。DPCM符号化手段130は、算出
された最適適応処理係数と予測対象画素との差分を算出
し、差分値に基づいたDPCM符号化画像信号を生成す
る。エントロピー符号化手段200は、このDPCM符
号化画像信号をエントロピー符号化し、圧縮画像信号と
して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像圧縮装置に関
し、特に圧縮・伸張の過程を経てもとの情報が保存され
る無損失画像圧縮及び伸張を行う画像圧縮装置及び画像
伸張装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー静止画像の圧縮方式の国際
標準としてJPEGが普及している。JPEGには、圧
縮・伸張の過程を経てももとの情報が保存できる無損失
(Lossless)モードと、圧縮・伸張の過程でな
んらかの歪みが生じ完全にはもとどおりにならない損失
(Lossy)モードとがあり、一般には高い圧縮率を
得ることのできる後者が普及している。しかしながら、
医療用画像等、画質劣化が許されないアプリケーション
や、画像の高品位が要求されるアプリケーションにおい
ては、無損失圧縮が必須である。
【0003】従来の、JPEG無損失モードによる画像
圧縮装置について説明する。図4は、従来の無損失モー
ドにおける画像圧縮装置の構成図である。従来の画像圧
縮装置は、予測誤差を算出する適応係数制御式予測型D
PCM500と、予測誤差のエントロピー符号化を行う
エントロピー符号化圧縮器200とから構成される。適
応係数制御式予測型DPCM500は、デジタル画像信
号を入力し、スキャンした直前の周辺画素から予測され
る予測値と対象画素との差分信号である予測誤差を算出
する。また、エントロピー符号化圧縮器200は、適応
係数制御式予測型DPCM500で算出された予測誤差
について、ハフマン符号化または算術符号化により、可
変長の符号化を行い、圧縮されたコードを出力する。
【0004】適応係数制御式予測型DPCM500の行
うDPCM符号化について説明する。DPCM符号化で
は、対象画素x_iと、その周辺画素から予測した予測
値p_iと、からその差分信号d_iを算出する。具体
例で説明する。図5は、周辺画素と対象画素の配置の一
例を示した前置予測関係図である。周辺画素aは対象画
素xの左横、bは上、cは左斜めに位置する画素であ
る。従来、その予測値pとして、以下の式、
【0005】
【数1】 p=a、 p=b、 p=c、 p=a+b−c、 p=a+(b−c)/2、 p=b+(a−c)/2、 p=(a+b)/2 …(1) から最も誤差が小さいものが選ばれる。このとき選択さ
れた計算モードを表す特殊(適応)コードを付加する。
この特殊コードは、ある適当なスキャンブロック、例え
ばスキャンライン毎にヘッダー情報として付加される。
【0006】また予測化DPCM出力として、差分信号
d_iは、次の式で得られる。
【0007】
【数2】 d_i=x_i−p_i …(2) ここで、予測値p_iは、式(1)に示した式から適応
処理によって選択されたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記説明のよ
うな従来の無損失圧縮を行う画像圧縮装置は、圧縮率を
高くすることができないという問題がある。
【0009】上記説明の無損失圧縮では、ある適当なス
キャンブロック、例えばスキャンライン毎に計算モード
を可変にしている。このように、画素毎に適応処理をし
ていないため、適応処理としては不完全である。また、
同一スキャンブロックでは固定の計算モードとなるた
め、画素によっては差分信号が大きくなり予測精度がよ
くない場合が発生し、スキャンブロック単位の適応処理
では圧縮率の向上への寄与が少なくなる。
【0010】一方、画素毎に適応処理を行い各画素に特
殊コードを付加する場合、情報ビット数が増加して圧縮
率が必ずしも向上しない。このため、計算モードの選択
にある定型パターンを用いる予測処理を行うものもあ
る。例えば、上記説明の周辺画素a、b、cの値を比較
した結果に応じて、予測値pの計算モードを選択する手
法がある。一例を挙げる。周辺画素cと、周辺画素a、
bとを比較し、
【0011】
【数3】 もし、cが(a,b)より大ならば、p=min(a,b) もし、cが(a,b)より小ならば、p=max(a,b) それ以外、p=(a+b)/2 …(3) とし、予測値pを算出する。ここで、min(a,b)
は、a、bのうちの小さい方を、max(a,b)は、
a、bのうち大きい方を選択することを表す。このバリ
エーションは多々あり、何の評価に基づいて処理を決定
するかは様々であるが、実際の画像の特徴に応じた最適
処理ではないため、予測精度がよくない場合が発生す
る。
【0012】このように、従来の無損失圧縮では、予測
精度を向上させることができず、従って圧縮率を向上さ
せることが難しかった。さらに、特殊コードを付加しな
ければならい等、圧縮率の向上を図る上での障害があっ
た。
【0013】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、無損失圧縮において圧縮率を高めることの可
能な画像圧縮装置及びこの画像圧縮装置により圧縮され
た圧縮画像信号を伸張する画像伸張装置を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、圧縮・伸張の過程を経てもとの情報が保
存される無損失画像圧縮を行う画像圧縮装置において、
デジタル画像信号を入力し、予測対象画素の周辺にある
参照可能な画素の個々の相関関係を評価する画素相関評
価手段と、前記画素間の相関評価を最大ならしめるよう
な最適適応処理係数を算出する最適値算出手段と、前記
最適適応処理係数と予測対象画素とからDPCM符号化
画像信号を生成するDPCM符号化手段と、前記DPC
M符号化画像信号をエントロピー符号化するエントロピ
ー符号化手段と、を備えたことを特徴とする画像圧縮装
置、が提供される。
【0015】このような構成の画像圧縮装置は、画素相
関評価手段において、対象となる画素の周辺にある参照
可能な画素の個々の画素相関を計算して画素相関の評価
を行う。最適値算出手段は、この画素相関の評価に基づ
き、例えば、相関が最大になる組を選択し、最適適応処
理係数を算出する。DPCM符号化手段は、算出された
最適適応処理係数を用いて予測値と予測対象画素との差
分を算出し、差分値に基づいたDPCM符号化画像信号
を生成する。エントロピー符号化手段は、このDPCM
符号化画像信号をエントロピー符号化し、圧縮画像信号
として出力する。
【0016】また、圧縮・伸張の過程を経てもとの情報
が保存される無損失画像圧縮された圧縮画像信号を伸張
する画像伸張装置において、エントロピー符号化により
圧縮された前記圧縮画像信号をエントロピー復号化しD
PCM符号化画像信号に復号するエントロピー復号化手
段と、対象画素の周辺にある参照可能な画素の個々の相
関関係を評価する画素相関評価手段と、前記画素間の相
関評価を最大ならしめるような最適適応処理係数を算出
する最適値算出手段と、前記最適適応処理係数と前記D
PCM符号化画像信号とから対象画素を復号するDPC
M復号化手段と、を備えたことを特徴とする画像伸張装
置、が提供される。
【0017】このような構成の画像伸張装置は、DPC
M符号化され、その後にエントロピー符号化された圧縮
画像信号を入力し、エントロピー復号化手段によりエン
トロピー復号化を行い、DPCM符号化信号に復号す
る。また、画素相関評価手段において、対象となる画素
の周辺にある参照可能な画素の個々の画素相関を計算し
て画素相関の評価を行う。最適値算出手段は、この画素
相関の評価に基づき、例えば、相関が最大になる組を選
択し、最適適応処理係数を算出する。DPCM復号化手
段は、算出された最適適応処理係数を用いて、DPCM
符号化画像信号から対象画素を復号する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態で
ある画像圧縮装置のブロック図である。
【0019】本発明に係る画像圧縮装置は、最適適応演
算予測を行ってデジタル画像信号をDPCM符号化する
最適適応演算予測型DPCM符号化器100と、DPC
M符号化された画像信号をエントロピー符号化するエン
トロピー符号化圧縮器200とから構成される。
【0020】最適適応演算予測型DPCM符号化器10
0は、デジタル画像信号を入力し、予測対象画素の周辺
の参照可能な画素間の相関関係を評価する画素相関評価
手段110と、画素相関評価手段110の画素相関評価
に基づき最適適応処理係数を算出する最適値算出手段1
20と、最適適応処理係数によって導かれる予測値と予
測対象画素との差分を算出しDPCM符号化するDPC
M符号化手段130と、から構成される。
【0021】画素相関評価手段110は、予測対象画素
の周辺にある参照可能な画素の個々の画素相関評価を計
算する。相関計算は、一般的な画素相関評価手法を用い
る。例えば、画素間の類似度や距離の計算を行う。類似
度の例として、集合論的類似度を選べば、予測対象画素
x_i(iは任意の整数。以下、同様とする。)の適当
な周辺画素をx_i_k(kは任意の整数。以下、同様
とする。)として、m組の類似度Smは、
【0022】
【数4】 Sm=(min{x_i_k})/(max{x_i_k})<= 1 ……(4) と評価することができる。これは、値が高いほど類似度
が高くなる。kは適当な選択番号であり、周辺画素は複
数の選択を許す。また、距離の例としてチェビシェフ距
離を選べば、
【0023】
【数5】 Dm=Σ|Δm{x_i_k}|>=0 ……(5) と評価することができる。ここで、Δm{}は、各画素
間のm組の差分値を得る関数であって、値が小さいほど
類似度が高くなる。
【0024】最適値算出手段120は、画素相関評価手
段110により算出された周辺画素間の画素相関評価値
が最大となる画素組を選択し、最適適応処理係数を得
る。まず、画素相関評価手段110の算出した周辺画素
間の画素相関評価のうち、相関関係が最も高い、すなわ
ち相関評価を最大とする周辺画素の組を選択する。当然
に、画素組に単一の画素を含む。例えば、上記説明の式
(4)で表される類似度の場合、最大相関は、max
{Sm}と表わし、式(5)で表される距離の場合、最
大相関はmin{Dm}と表わす。このように、相関を
最大とする周辺画素組を選択して、最適適応処理係数を
算出する。相関を最大とする最適な選択組SPは、類似
度の場合、
【0025】
【数6】 SP=Select{x_i_k}for max{Sm} ……(6) と表現することができる。また、距離の場合、
【0026】
【数7】 SP=Select{x_i_k}for min{Dm} ……(7) と表現する。ここで、Selectは、画素組の選択を
表す。完全選択なら、SPは、ただ一つの周辺画素を示
す。2次の場合には、2個の周辺画素が選択される。通
常は、相関が最大となる上位から選択するが、選択数及
び選択画素は任意であり、選択はこれに限定されない。
式(6)または式(7)で表される最適値から最適適応
処理係数を算出する。最適適応処理係数DPは、類似度
の場合、
【0027】
【数8】 DP=round{AP(x_i_k)for max{Sm}} …(8) と表現される。また、距離の場合、
【0028】
【数9】 DP=round{AP(x_i_k)for min{Dm}} …(9) と表現できる。round{f(x)}は、ある関数f
(x)の整数化、すなわち、Integer{[f
(x)+1]/2}を表す。AP(x_i_k)は、f
or以下の条件のもとで最適な値を算出する最適関数で
ある。
【0029】上記説明の最適適応処理は、例えば重み
(適応係数)処理を行う。これは、選択された画素の重
み係数を適当な代表類似度(距離の場合は距離)から算
出する処理である。予測対象画素x_iの選択画素x_
i_kと、その重み係数w_i_kとから、予測値p_
iは次のように表すことができる。
【0030】
【数10】 p_i=round{〔i,k〕Σw_i_k*x_i_k} ……(10) ここで、roundは上記説明と同様である。また、計
算出力が画素と同じダイナミックレンジを持つように、
重み係数w_i_kは、正規化、
【0031】
【数11】 〔k〕Σw_i_k=1 ……(11) が行われている。
【0032】DPCM符号化手段130は、最適値算出
手段120の算出した予測値p_iと、予測対象画素x
_iとの差分信号d_iを算出して符号化を行う。差分
信号d_iは、エントロピー符号化圧縮器200に出力
される。この符号化は、式(2)に示したDPCM符号
化と同様、次の式で表すことができる。
【0033】
【数12】 d_i=x_i−p_i ……(12) エントロピー符号化圧縮器200は、DPCM符号化手
段130の生成したDPCM符号化画像信号を入力し、
これを適当なエントロピー符号器で符号化することによ
り、画像信号を圧縮する。エントロピー符号器として
は、ハフマン符号や算術符号等がよく知られており、本
発明ではこれらのうちのいずれかの手法を適用するが、
その手法の特定は行わない。
【0034】このような構成の画像圧縮装置の動作につ
いて説明する。図2は、本発明の一実施の形態である画
像圧縮装置の予測対象画素と周辺画素との配置の一例を
示した図である。xは、予測対象画素であり、xn、y
n、zn(nは任意の整数)は、その周辺画素である。
この周辺画素xn、yn、znの個々の相関関係を、画
素相関評価手段110により評価する。例えば、簡単な
例として、2点間(x1,x2)の類似度での画素相関
評価について説明する。類似度Sは、
【0035】
【数13】 S=min(x1,x2)/max(x1,x2) ……(13) で算出できる。このように、候補となる画素の固有の相
関関係を評価する類似度を計算し、画素相関評価を行
う。距離の場合も同様に画素相関評価を行う。最適値算
出手段120は、画素相関評価手段110で算出された
画素相関評価に基づき、相関が最大となる組を選択す
る。以下、2次の処理の例として、x1とy0が選択さ
れた場合で説明する。選択参照する画素(x1,y0)
の周辺画素からM組の垂直類似度Sv_mと水平類似度
Sh_mを算出する。垂直類似度は、
【0036】
【数14】 Sv_m=min(x_i_k_m)/max(x_i_k_m) …(14) で算出され、水平類似度は、
【0037】
【数15】 Sh_m=min(x_i_k_m)/max(x_i_k_m) …(15) で算出される。このM組から、適当な代表類似度を選択
し、それぞれSh,Svとする。重み係数は、Sh、S
vから適当な関数変換f(Sh、Sv)をすればよい。
重み係数Wh、Wvは次の式で表すことができる。
【0038】
【数16】 Wh=f(Sh、Sv)、Wv=f(Sh、Sv) ただし、Wh+Wv=1 …(16) 式(16)の重み係数Wh、Wvを式(10)に適用す
ると、予測値p_iは、
【0039】
【数17】 p_i=round{Wh*x1+Wv*y0} …(17) と表すことができる。上記の説明は、類似度に基づいて
重み係数処理を行った場合についてであったが、距離に
基づいて重み係数処理を行う場合には、逆関係の重みに
なる。
【0040】また、上記説明の重み係数Wh、Wvを生
成する関数変換fは、適当な近傍周辺画素の画素相関か
ら適当な重み係数を算出する計算手法のいずれであって
もよい。この発明では、重み係数を算出する計算手法に
ついては、特定しない。例えば、式(14)で算出した
垂直類似度Svと、式(15)で算出した水平類似度S
hをそのまま重み係数とすることもできる。ただし、計
算出力が同じダイナミックレンジを持つためには、正規
化する必要があるため、予測値p_iは、式
【0041】
【数18】 p_i=round{Sh/(Sh+Sv)*x1+Sv/(Sh+Sv)* y0} …(18) で算出することができる。
【0042】さらに、重み係数を適当な属性によって制
限することもできる。属性には、周辺画素値への距離の
重み、周辺画素の幾何的重み等があるが、本発明では、
その種類は特定しない。例えば、簡単な例として、式
(16)によって算出された重み係数Wh、Wvに対し
て、水平方向に所定の重みαをかけた重み係数をW
h’、Wv’とすると、予測値p_iは、式
【0043】
【数19】 p_i=round{Wh’*x1+Wv’*y0} …(19) で算出することができる。ここで、Wh’、Wv’は、
【0044】
【数20】 Wh’=f(α*Sh、Sv) …(20)
【0045】
【数21】 Wv’=f(α*Sh、Sv) …(21) を満たす。また、
【0046】
【数22】 Wh’+Wv’=1 …(22) となるように、正規化されている。
【0047】次に、DPCM符号化手段にてDPCM符
号化を行う。符号化は、上記説明の予測値p_iを、式
(12)に適用することによって行うことができる。続
いて、このDPCM符号化画像信号をエントロピー符号
化手段により符号化し、圧縮画像信号を出力する。上記
説明の最適適応処理により、最適化されてDPCM符号
化された画像信号は、画像のエントロピーが減少してい
る。このため、DPCM符号化画像信号を適当なエント
ロピー符号化手段により符号化すれば、この画像信号は
圧縮される。
【0048】上記の説明は、2次の水平・垂直方向の場
合についてであったが、本発明はこれに限定されない。
例えば、2次の場合、水平・垂直方向ばかりでなく、右
斜めと左斜めというような画素組を取ることもできる。
また、1次であっても、2次以上でもあってもよい。2
次以上の多次の場合も同様に、適当な近傍周辺画素の画
素相関に基づく適当な重み係数を算出して行う。また、
本発明では選択画素は任意であるが、存在する参照画素
のみが選択可能である。一般に、画像信号はラインスキ
ャン構造を持つ。このため、最初のラインでは上側に参
照画素は存在せず、横方向の画素だけで最適適応処理を
行う必要がある。
【0049】次に、上記説明の画像圧縮装置により圧縮
された圧縮画像信号を伸張する画像伸張装置について説
明する。図3は、本発明の一実施の形態である画像伸張
装置の構成図である。
【0050】本発明に係る画像伸張装置は、上記説明の
画像圧縮装置により圧縮された圧縮画像信号にエントロ
ピー復号化処理を施す、エントロピー復号化伸張器40
0と、エントロピー復号化伸張器400の出力信号を入
力し、これを最適適応演算によりDPCM復号化する最
適適応演算予測型DPCM復号化器300とから構成さ
れる。
【0051】最適適応演算予測型DPCM復号化器30
0は、対象画素周辺の参照可能な画素間の相関関係を評
価する画素相関評価手段310と、画素相関評価手段3
10の画素相関評価に基づき最適適応処理係数を算出す
る最適値算出手段320と、最適適応処理係数を用いて
エントロピー復号化伸張器400の出力信号から対象画
素を再生するDPCM復号化手段330と、から構成さ
れる。
【0052】エントロピー復号化伸張器400は、上記
説明の画像圧縮装置により圧縮された圧縮画像信号を入
力し、これにエントロピー復号化処理を施す。エントロ
ピー復号化処理は、上記説明の画像圧縮装置のエントロ
ピー符号化手段によりエントロピー符号化された信号を
もとにもどす処理であり、対象画素x_iと対象画素周
辺の参照可能な画素から算出された予測値p_iとの差
分信号d_iを再生する。
【0053】画素相関評価手段310は、対象画素の周
辺にある参照可能な画素の個々の画素相関を計算して画
素相関の評価を行う。画素相関の評価は、上記説明の画
像圧縮装置の画素相関評価手段と同様に、式(4)また
は式(5)を用いて行う。最適値算出手段320は、こ
の画素相関の評価に基づき、例えば、相関が最大になる
組を選択し、最適適応処理係数を算出する。最適適応処
理係数の算出は、上記説明の画像圧縮装置の最適値算出
手段と同様に、式(8)または式(9)を用いて行う。
さらに、算出された最適適応処理係数から、対象画素の
予測値を上記説明の画像圧縮装置の最適値算出手段と同
様に、式(10)を用いて行う。上記説明のように、本
発明に係る画像伸張装置の画素相関評価手段310と最
適値算出手段320の行う最適適応演算処理は、本発明
に係る画像圧縮装置の画素相関評価手段と最適値算出手
段の行う最適適応演算処理と同様の処理を行う。
【0054】DPCM復号化手段330は、エントロピ
ー復号化伸張器400の出力信号である差分信号d_i
と、最適値算出手段320における最適適応演算処理に
より得られる予測値p_iとから、対象画素x_iを復
号化する。その演算処理は、次の式で表すことができ
る。
【0055】
【数23】 x_i=d_i+p_i …(23) なお、復号化時、予測計算のために参照可能な画素は、
復号化完了した画素(過去画素、直前画素、後方画素)
のみである。従って、符号化のときにもこの制限が適用
される。
【0056】このような構成の画像伸張装置の動作につ
いて説明する。圧縮画像信号を入力し、エントロピー復
号化伸張器400でエントロピー復号化を行いDPCM
符号化信号を復号する。また、画素相関評価手段310
により対象画素の周辺の参照可能な画素間の画素相関を
評価し、最適値算出手段320で最適適応処理係数を算
出する。この最適適応処理は、上記説明の画像圧縮装置
で行う処理と同一であり、同一の結果が得られる。DP
CM復号化手段330では、得られた最適適応処理係数
と、エントロピー復号化伸張器400でエントロピー復
号化がされたDPCM符号化信号とから、対象画素を復
号する。
【0057】なお、上記の処理機能は、コンピュータに
よって実現することができる。その場合、画像圧縮装置
及び画像伸張装置が有すべき機能の処理内容は、コンピ
ュータで読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラ
ムに記述しておく。そして、このプログラムをコンピュ
ータで実行することにより、上記処理がコンピュータで
実現される。コンピュータで読み取り可能な記録媒体と
しては、磁気記録装置や半導体メモリ等がある。市場を
流通させる場合には、CD−ROM(Compact Disc Read
Only Memory)やフロッピーディスク等の可搬型記録媒
体にプログラムを格納して流通させたり、ネットワーク
を介して接続されたコンピュータの記憶装置に格納して
おき、ネットワークを通じて他のコンピュータに転送す
ることもできる。コンピュータで実行する際には、コン
ピュータ内のハードディスク装置等にプログラムを格納
しておき、メインメモリにロードして実行する。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、対象と
なる画素の周辺にある参照可能な画素の個々の画素相関
を計算して画素相関を評価し、最適適応処理係数を算出
する。この最適適応処理係数から導かれる予測値と対象
画素との差分を算出し、差分値に基づいたDPCM符号
化画像信号を生成し、これをエントロピー符号化して圧
縮画像信号として出力する。
【0059】このように画素毎に最適画素値を算出して
いるため、DPCMの予測精度を上げることができる。
DPCMの予測精度が上がることによりDPCM符号の
エントロピーが減少し、エントロピー符号化時に、より
圧縮されたコードが出力されることになる。また、適応
処理するための特殊コードを付加する必要がない。この
結果、画像のリバーシブル圧縮率が向上する。特に、自
然画、文字、CG画像等が合成混合された画像に対して
有効である。
【0060】また、本発明の画像伸張装置は、上記画像
圧縮装置により圧縮された圧縮画像信号を入力し、エン
トロピー復号化を行うとともに、参照可能な画素個々の
画素相関の評価を行い、最適適応処理係数を算出する。
算出された最適適応処理係数と、エントロピー復号化さ
れた圧縮画像信号とから対象画素を再生する。
【0061】このように、画素毎に算出される最適画素
値は、ここに画素毎に一定の値となるため、画像伸張装
置において算出することができ、適応処理するための特
殊コードを付加する必要がない。この結果、画像のリバ
ーシブル圧縮率が向上する。特に、自然画、文字、CG
画像等が合成混合された画像に対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である画像圧縮装置の構
成図である。
【図2】本発明の一実施の形態である画像圧縮装置の予
測対象画素と周辺画素との配置の一例を示した図であ
る。
【図3】本発明の一実施の形態である画像伸張装置の構
成図である。
【図4】従来の無損失モードにおける画像圧縮装置の構
成図である。
【図5】周辺画素と対象画素の配置の一例を示した前置
予測関係図である。
【符号の説明】
100…最適適応演算予測型DPCM符号化器、110
…画素相関評価手段、120…最適値算出手段、130
…DPCM符号化手段、200…エントロピー符号化圧
縮器、300…最適適応演算予測型DPCM復号化器、
310…画素相関評価手段、320…最適値算出手段、
330…DPCM復号化手段、400…エントロピー復
号化伸張器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮・伸張の過程を経てもとの情報が保
    存される無損失画像圧縮を行う画像圧縮装置において、 デジタル画像信号を入力し、予測対象画素の周辺にある
    参照可能な画素の個々の相関関係を評価する画素相関評
    価手段と、 前記画素間の相関評価を最大ならしめるような最適適応
    処理係数を算出する最適値算出手段と、 前記最適適応処理係数と予測対象画素とからDPCM符
    号化画像信号を生成するDPCM符号化手段と、 前記DPCM符号化画像信号をエントロピー符号化する
    エントロピー符号化手段と、 を備えたことを特徴とする画像圧縮装置。
  2. 【請求項2】 前記最適値算出手段は、前記画素間の相
    関評価を最大とする画素組を選択し、この画素組を最適
    化する最適関数から最適適応処理係数を算出することを
    特徴とする請求項1記載の画像圧縮装置。
  3. 【請求項3】 前記最適値算出手段の最適適応処理係数
    は、前記選択された画素組の重み係数を適当な近傍周辺
    画素の代表相関から算出する処理であることを特徴とす
    る請求項2記載の画像圧縮装置。
  4. 【請求項4】 前記最適値算出手段は、さらに、前記最
    適適応処理係数を所定の属性によって制限することを特
    徴とする請求項2記載の画像圧縮装置。
  5. 【請求項5】 前記画素評価手段は、前記画素間の類似
    度により画素相関を評価することを特徴とする請求項1
    記載の画像圧縮装置。
  6. 【請求項6】 前記画素評価手段は、前記画素間の距離
    により画素相関を評価することを特徴とする請求項1記
    載の画像圧縮装置。
  7. 【請求項7】 圧縮・伸張の過程を経てもとの情報が保
    存される無損失画像圧縮された圧縮画像信号を伸張する
    画像伸張装置において、 エントロピー符号化により圧縮された前記圧縮画像信号
    をエントロピー復号化しDPCM符号化画像信号に復号
    するエントロピー復号化手段と、 対象画素の周辺にある参照可能な画素の個々の相関関係
    を評価する画素相関評価手段と、 前記画素間の相関評価を最大ならしめるような最適適応
    処理係数を算出する最適値算出手段と、 前記最適適応処理係数と前記DPCM符号化画像信号と
    から対象画素を復号するDPCM復号化手段と、 を備えたことを特徴とする画像伸張装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7738714B2 (en) 2005-09-16 2010-06-15 Industry-Academia Coorperation Group Of Sejong University Method of and apparatus for lossless video encoding and decoding
US9031130B2 (en) 2007-04-09 2015-05-12 Ntt Docomo, Inc. Image prediction/encoding device, image prediction/encoding method, image prediction/encoding program, image prediction/decoding device, image prediction/decoding method, and image prediction decoding program

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