JP2001094992A - 画像圧縮装置及び画像伸張装置 - Google Patents

画像圧縮装置及び画像伸張装置

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JP2001094992A
JP2001094992A JP27070799A JP27070799A JP2001094992A JP 2001094992 A JP2001094992 A JP 2001094992A JP 27070799 A JP27070799 A JP 27070799A JP 27070799 A JP27070799 A JP 27070799A JP 2001094992 A JP2001094992 A JP 2001094992A
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JP27070799A
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English (en)
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Shigetoshi Noda
重利 納田
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無損失サブバンド変換圧縮における圧縮率を
向上させる。 【解決手段】 無損失最適サブバンド変換器100で
は、画素相関評価手段110によって予測対象画素の周
辺にある所定の参照可能な画素個々の相関関係の評価を
行い、最適値算出手段120により画素間の相関を最大
とする画素の選択組または適当な最適関数を求めて最適
値を算出する。サブバンド変換手段130では、最適値
に基づいて前記デジタル画像信号を所定の帯域に分割し
たサブバンド変換符号化信号を生成する。エントロピー
符号化圧縮器200は、無損失最適サブバンド変換器1
00の出力であるサブバンド変換符号化信号にエントロ
ピー符号化を施し、無損失圧縮画像信号を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像圧縮装置及び画
像伸張装置に関し、特にサブバンド/ウエーブレット変
換を用いた圧縮・伸張の過程を経てもとの情報が保存さ
れる無損失画像圧縮を行う画像圧縮装置とその圧縮画像
信号の伸張を行う画像伸張装置に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今はマルチメディア分野が発展し、大
量の画像がネットワークに流れている。また、高解像度
のデジタルスチルカメラも普及し、画像コンテンツマー
ケットも膨大になってきた。これらの画像のアーカイ
ブ、流通、編集等において、特に放送局や医療分野等、
画質を劣化なしに圧縮することが求められている。この
ような圧縮・伸張の過程を経てももとの情報が保存でき
る無損失(Lossless)画像圧縮方法として、画
像の周波数成分を分割するサブバンド/ウエーブレット
変換を用いた画像圧縮装置がよく知られている。ウエー
ブレット変換はサブバンド変換の一部と見なせるため、
以下、サブバンド変換とする。
【0003】従来の無損失サブバンド変換方法について
説明する。図8は、従来の無損失サブバンド変換を行う
画像圧縮装置の構成図である。従来の無損失サブバンド
変換を行う画像圧縮装置は、デジタル画像信号を入力
し、画像の周波数分割を行う無損失サブバンド変換器5
00と、サブバンド変換された信号をエントロピー符号
化するエントロピー符号化圧縮器200と、から構成さ
れる。無損失サブバンド変換器500は、入力したデジ
タル画像信号の周波数成分を、画像の水平方向または垂
直方向について、低域成分と高域成分とに分割するサブ
バンド変換を行う。一般に、画像データは低域成分に情
報が集中する。
【0004】例として、S変換(Sequential
transform)について説明する。サブバンド
変換により符号化されたi番目の変換値のうち、低域成
分をL_i、高域成分をH_iとし、基の画素をx_2
i、x_(2i+1)とすると、低域変換は、
【0005】
【数1】 L_i=flor((x_2i+x_(2i+1)/2) ……(1) であり、
【0006】
【数2】 L_i=x_2i−floor((H_i+1)/2) ……(2) と表すことができる。ここで、floor()は、小数
部を切り捨てる関数である。また、高域変換は、
【0007】
【数3】 H_i=x_2i−x_(2i+1) ……(3) と表すことができる。低域成分と高域成分とに分割され
た画像信号の低域成分を、必要に応じてさらに低域成分
と高域成分とに分割する。このように、周波数分割処理
を何回か繰り返し、画像信号を階層的に分割していく。
低域成分と高域成分の一方、一般には低域成分を階層的
に分割したものは、片階層構造と呼ばれる。低域成分と
高域成分それぞれをさらに細かく階層的に分割する両階
層構造を生成する手法もある。
【0008】このようにして、片階層構造または両階層
構造に分割された画像信号は、エントロピー符号化圧縮
器200によりエントロピー符号化される。エントロピ
ー符号化処理では、ハフマン符号化または算術符号化に
より、可変長の符号化を行い、信号を圧縮し、圧縮コー
ドを出力する。
【0009】復号化、すなわち逆S変換は、基の画素x
_2iを次の式、
【0010】
【数4】 x_2i=L_i+floor((H_i+1)/2) ……(4) により行われる。また、基の画素x_(2i+1)の逆
S変換は次の式、
【0011】
【数5】 x_(2i+1)=x_2i−H_i ……(5) により行われる。
【0012】さらに、上記説明のx_2iがLとHから
既知なら、それを一つの既知レイヤーとする。適当な関
数をf()で表して、
【0013】
【数6】 L_i=x_2i+floor(f(L,H)) ……(6)
【0014】
【数7】 H_i=x_(2i−1)−fllor(f(x_2i+x_(2(i−d) −3)) ……(7) と表現することができる。ここで、dは正の整数であ
る。つまり、x_2iのレイヤーとx_(2i−1)の
レイヤーに分割し、x_2iのレイヤーを常に既知とし
て変換する。H_iの計算は、既知な別のレイヤーと過
去画素からx_(2i+1)を予測した値との差分処理
である。このように、既知な周辺画素から予測する方式
をマルチレイヤー方式と呼ぶ。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の無損失
サブバンド変換による圧縮を行う画像圧縮装置は、圧縮
率が低く、実用的でないという問題がある。
【0016】従来の無損失サブバンド変換では、画像信
号を各帯域毎に階層的に分割するという定型処理を行っ
ており、個々の画素毎に最適適応処理は行われていな
い。このように定型処理を行っているため、圧縮率を高
めることが困難である。
【0017】圧縮率を高めるため、例えば、画像をブロ
ック毎に区切り、ブロック毎に適応処理を行う方法があ
る。これは、対象画素周辺の参照可能な画素から対象画
素の予測値を導く計算式のうち、最も誤差の小さい計算
式を選択し、画像ブロック毎に選択した計算式を示す特
殊コードを付加するという方法である。しかしながら、
特殊コードのためのビット数増加が避けられない。ま
た、同一スキャンブロックでは固定の計算モードとなる
ため、画素によっては差分信号が大きくなり予測精度が
よくない場合が発生する等、スキャンブロック単位の適
応処理では圧縮率の向上への寄与が少なくなる。
【0018】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、無損失サブバンド変換圧縮において圧縮率の
向上が可能な画像圧縮装置、及びこの画像圧縮装置によ
り圧縮された圧縮画像信号を伸張する画像伸張装置を提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、サブバンド/ウエーブレット変換を用い
た圧縮・伸張の過程を経てもとの情報が保存される無損
失画像圧縮を行う画像圧縮装置において、デジタル画像
信号を入力し、予測対象画素の周辺にある所定の参照可
能な画素個々の相関関係を評価する画素相関評価手段
と、前記相関評価に基づいて画素間の相関を最大ならし
めるような最適値を算出する最適値算出手段と、前記最
適値に基づいて前記デジタル画像信号を所定の帯域に分
割する最適サブバンド/ウエーブレット変換手段と、前
記最適サブバンド/ウエーブレット変換手段により帯域
分割されたサブバンド/ウエーブレット変換符号化信号
をエントロピー符号化するエントロピー符号化手段と、
を備えたことを特徴とする画像圧縮装置、が提供され
る。
【0020】このような構成の画像圧縮装置は、画素相
関評価手段によって予測対象画素の周辺にある所定の参
照可能な画素個々の相関関係の評価を行い、最適値算出
手段により画素間の相関を最大とする画素の選択組また
は適当な最適関数を求めて最適値を算出する。最適サブ
バンド/ウエーブレット変換手段では、最適値に基づい
て前記デジタル画像信号を所定の帯域に分割する。エン
トロピー符号化手段では、最適サブバンド/ウエーブレ
ット変換された信号にエントロピー符号化を施し、無損
失圧縮画像信号を生成する。
【0021】また、サブバンド/ウエーブレット変換を
用いた圧縮・伸張の過程を経てもとの情報が保存される
無損失画像圧縮された圧縮画像信号を伸張する画像伸張
装置において、最適サブバンド/ウエーブレット変換後
にエントロピー符号化された前記圧縮画像信号をエント
ロピー復号化するエントロピー復号化手段と、予測対象
画素の周辺にある所定の参照可能な画素個々の相関関係
を評価する画素相関評価手段と、前記相関評価に基づい
て画素間の相関を最大ならしめるような最適値を算出す
る最適値算出手段と、前記最適値に基づいて前記エント
ロピー復号化された圧縮画像信号を最適サブバンド/ウ
エーブレット逆変換により復号化する最適サブバンド/
ウエーブレット逆変換手段と、を備えたことを特徴とす
る画像伸張装置、が提供される。
【0022】このような構成の画像伸張装置は、エント
ロピー復号化手段により、圧縮画像信号のエントロピー
復号化が行われる。また、画素相関評価手段によって予
測対象画素の周辺にある所定の参照可能な画素個々の相
関関係の評価を行い、最適値算出手段により画素間の相
関を最大とする画素の選択組または適当な最適関数を求
めて最適値を算出する。最適サブバンド/ウエーブレッ
ト逆変換手段では、最適値に基づいてエントロピー復号
化された圧縮画像信号の最適サブバンド/ウエーブレッ
ト逆変換を行い、対象画素を復号する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態で
ある画像圧縮装置の構成図である。
【0024】本発明に係る画像圧縮装置は、最適適応演
算予測を行ってデジタル画像信号をサブバンド変換する
無損失最適サブバンド変換器100と無損失最適サブバ
ンド変換器100により生成されたサブバンド変換符号
化信号をエントロピー符号化するエントロピー符号化圧
縮器200とから構成される。
【0025】無損失最適サブバンド変換器100は、デ
ジタル画像信号を入力し、予測対象画素の周辺にある所
定の参照可能な画素間の相関関係を評価する画素相関評
価手段110と、画素相関評価手段110の画素相関評
価に基づき最適値を算出する最適値算出手段120と、
最適値に基づいてデジタル画像信号を所定の帯域に分割
するサブバンド変換手段130と、から構成される。
【0026】画素相関評価手段110は、予測対象画素
の周辺にある所定の参照可能な画素の個々の画素相関評
価を計算する。所定の参照画素は、例えば、画像の方向
特徴によって決まる所定の幾何構造領域内にある画素
や、既知のレイヤーに属する画素や過去画素等がある。
相関計算は、一般的な画素相関評価手法を用いる。類似
度の例として、集合論的類似度を選ぶ。適当な整数n、
k、周辺画素をx_(n−k)と表すとすると、m組の
類似度Smは、
【0027】
【数8】 Sm=(min{x_(n−k)})/(max{x_(n−k)}} <=1 ……(8) と評価することができる。値が高いほど類似度が高くな
り、1で相関は最大となる。n−kは適当な選択番号で
あり、周辺画素は複数の選択を許す。
【0028】最適値算出手段120は、画素相関評価手
段110により算出された画素間の相関が最大となる選
択組または適当な最適関数を求めて最適値を算出する。
式(8)の類似度Smを用いると、最適値Pは、
【0029】
【数9】 P=AP{x_(n−k)}for max{Sm} …(9) と表現できる。AP{x_(n−k)}は、for以下
の条件のもとで最適な値を算出する最適関数である。
【0030】上記説明の最適適応処理は、例えば重み処
理を行う。これは、選択された画素の重み係数を、例え
ば適当な代表類似度から算出する処理である。適当な周
辺選択画素x_(n−k)と、その重み係数w_(n−
k)とから、予測値P_iは次のように表すことができ
る。
【0031】
【数10】 P_i=round{〔n,k〕Σw_(n−k)*x_(n−k)} ……(10) ここで、round{}は、ある関数の整数化を表す。
また、計算出力が画素と同じダイナミックレンジを持つ
ように、重み係数w_(n−k)は、正規化、
【0032】
【数11】 〔k〕Σw_(n−k) =1 ……(11) が行われている。また、重み係数を適当な属性によって
制限することもできる。属性には、周辺画素値への距離
の重み、周辺画素の幾何的重み等があるが、その種類は
特定しない。
【0033】サブバンド変換手段130は、算出された
最適値に基づき、デジタル画像信号を所定の帯域に分割
し、サブバンド変換符号化信号を生成する。サブバンド
変換により符号化されたn番目の変換値のうち、低域成
分L_nは、
【0034】
【数12】 L_n=floor{(x_2n+AP’{x_(2n−k,x_2n−1) })/2} ……(12) と表すことができる。ここで、AP’は、2変数組から
1変数組へ変換可能な構造を持つ最適関数とする。その
構造は多々あるが、ここでは最適値を出力する同様な全
ての関数変換であるとし、特定はしない。また、高域成
分H_nは、
【0035】
【数13】 H_n=x_2n−AP’{x_(2n−k),x_2n−1} ……(13) と表すことができる。式(9)からわかるように、A
P’{}は、適当な予測値である。参照画素や最適関数
AP’{}から適当な方法にてx_2nを正確に予測す
ることができれば、式(13)から明らかなように、H
_iは小さな値となり、エントロピーを減少させて圧縮
率を高めることができる。
【0036】エントロピー符号化圧縮器200は、無損
失最適サブバンド変換器100の出力であるサブバンド
変換符号化信号にエントロピー符号化処理を施し、無損
失圧縮画像信号を生成する。エントロピー符号化手法と
して、ハフマン符号、ゴロムライス符号、算術符号等が
知られている。本発明に係る画像圧縮装置では、これら
の手法を適便に選択する。
【0037】このような構成の画像圧縮装置の動作につ
いて説明する。無損失最適サブバンド変換器100にデ
ジタル画像信号が入力すると、画素相関評価手段110
により予測対象画素の周辺にある所定の参照画素個々の
相関評価が行われる。最適値算出手段120は、算出さ
れた相関評価を入力し、画素間の相関が最大となる選択
組または適当な最適関数を求めて、最適値を算出し、サ
ブバンド変換手段130に出力する。このように、入力
したデジタル画像信号から最適値を算出する処理を最適
適応処理とする。サブバンド変換手段130は、最適値
に基づきデジタル画像信号を所定の帯域に分割する。最
適適応処理によりサブバンド変換されたサブバンド変換
符号化信号のエントロピーは減少している。エントロピ
ーが減少したサブバンド変換符号化信号をエントロピー
符号化圧縮器200でエントロピー符号化することによ
り、高い圧縮率の無損失圧縮画像信号が生成される。
【0038】上記説明の無損失最適サブバンド変換器1
00による最適適応サブバンド変換を必要に応じて繰り
返すことによって、デジタル画像信号を所望の階層数に
分割することができる。図2は、本発明の一実施の形態
である無損失サブバンド変換階層構造を示している。こ
れは、片階層型の階層構造である。入力したデジタル画
像信号は、上記説明の手順の最適適応サブバンド変換を
行い、低域成分L1と、高域成分H1とに変換する。次
に、低域成分L1に上記説明の手順の最適適応サブバン
ド変換を行い、低域成分L2と、高域成分H2とに変換
する。続いて、この低域成分L2に上記説明の手順の最
適適応サブバンド変換を行い、低域成分L3、高域成分
H3とに変換する。さらに、必要に応じて上記説明の手
順の最適適応サブバンド変換を行う。上記説明では、低
域成分側のみ順次サブバンド変換を行う片階層とした
が、もちろん両階層であってもよい。
【0039】階層化について、さらに詳細に説明する。
図3は、本発明の一実施の形態である片階層型無損失サ
ブバンド変換圧縮階層の画像図である。図2と同じもの
には同じ番号を付す。第1段階(1)では、デジタル画
像信号は最適適応サブバンド変換により符号化され、低
域成分L1と、高域成分H1とに変換される。第1段階
(1)では、垂直方向に最適適応サブバンド変換が行わ
れ、低域成分L1は左側、高域成分H1は右側に納めら
れる。次の第2段階(2)では、低域成分L1につい
て、水平方向に最適適応サブバンド変換を行い、低域成
分L2、高域成分H2とに分割する。続く第3段階
(3)では、第2段階での低域成分L2について、垂直
方向に最適適応サブバンド変換を行い、低域成分L3、
高域成分H3とに分割する。
【0040】次に、上記説明の画像圧縮装置により圧縮
された圧縮画像信号を伸張する画像伸張装置について説
明する。図4は、本発明の一実施の形態である画像伸張
装置の構成図である。
【0041】本発明に係る画像伸張装置は、上記説明の
画像圧縮装置により圧縮された圧縮画像信号にエントロ
ピー復号化処理を施す、エントロピー復号化伸張器40
0と、エントロピー復号化伸張器400の出力信号を入
力し、これを最適適応演算によりサブバンド逆変換を行
い復号化する無損失最適逆サブバンド変換器300とか
ら構成される。
【0042】エントロピー復号化伸張器400は、上記
説明の画像圧縮装置により圧縮された圧縮画像信号を入
力し、これにエントロピー復号化処理を施す。エントロ
ピー復号化処理は、上記説明の画像圧縮装置のエントロ
ピー符号化手段によりエントロピー符号化された信号を
もとに戻す処理である。
【0043】無損失最適逆サブバンド変換器300は、
予測対象画素の周辺にある所定の参照可能な画素個々の
相関関係を評価する画素相関評価手段310と、画素相
関評価手段310の画素相関評価に基づき最適値を算出
する最適値算出手段320と、最適値を用いてエントロ
ピー復号化伸張器400の出力信号から対象画素を復号
化する逆サブバンド変換手段330と、から構成され
る。
【0044】画素相関評価手段310は、予測対象画素
の周辺にある所定の参照可能な要素個々の画素相関評価
を計算する。画素相関の評価は、上記説明の画像圧縮装
置の画素相関評価手段110と同様の処理を行う。これ
により画像圧縮装置と同じ評価結果を得る。また、一般
に、画像の枠近辺では存在する参照画素が制約されるた
め、最適処理をしない処理等で代用する。最適値算出手
段320は、この画素相関の評価に基づき相関が最大に
なる組を選択し、最適値を算出する。最適適応処理係数
の算出は、上記説明の画像圧縮装置の最適値算出手段1
20と同様の処理を行う。これにより画像圧縮装置と同
じ評価結果を得る。このように、本発明に係る画像伸張
装置の画素相関評価手段310と最適値算出手段320
の行う最適適応演算処理は、本発明に係る画像圧縮装置
の画素相関評価手段110と最適値算出手段120の行
う最適適応演算処理と同様の処理を行う。
【0045】逆サブバンド変換手段330は、エントロ
ピー復号化伸張器400の出力信号と、最適値算出手段
320で算出した最適値とから、逆サブバンド変換を行
い、対象画素を復号化する。
【0046】このような構成の画像伸張装置の動作につ
いて説明する。圧縮画像信号を入力し、エントロピー復
号化伸張器400でエントロピー復号化を行いサブバン
ド変換符号化信号を復号する。また、画素相関評価手段
310により予測対象画素の周辺にある所定の参照可能
な画素個々の相関関係を評価し、最適値算出手段320
で最適値を算出する。この最適適応処理は、上記説明の
画像圧縮装置で行う処理と同一であり、同一の結果が得
られる。逆サブバンド変換手段330では、得られた最
適値と、エントロピー復号化伸張器400でエントロピ
ー復号化がされたサブバンド変換符号化信号とから、対
象画素を復号する。
【0047】一般に画像信号は、ラインスキャン構造を
持つ。このため、最初のラインでは、最適演算参照画素
は上側には存在せず、横方向の画素しか参照することが
できない。このように、画像の枠近辺では、存在する参
照画素のみにて、最適演算処理を行わなければならな
い。また、復号化時、予測計算のために参照可能な画素
は、復号化完了した画素(過去画素、直前画素、後方画
素)のみである。従って、符号化のときにもこの制限が
適用される。
【0048】上記説明の最適適応サブバンド変換を具体
的な実施例で説明する。第1の最適適応サブバンド変換
として、最適適応処理により算出された最適値に基づい
て、画像信号を既知レイヤーと、既知レイヤーに属さな
い参照可能な画素から予測した予測値と予測対象画素と
の差分から成るレイヤーとに分割するマルチレイヤー逆
凹構造型最適サブバンド変換処理がある。また、第2の
最適適応サブバンド変換として、画像の方向特徴によっ
て決まる所定の幾何構造領域(以下、ファン領域とす
る)内にある要素を参照可能な画素として最適サブバン
ド変換を行うファン最適サブバンド変換処理がある。さ
らに、第3の最適適応サブバンド変換として、第1と第
2の処理を組み合わせたマルチレイヤー逆凹構造型ファ
ン最適サブバンド変換処理がある。上記第1から第3の
最適適応サブバンド変換について順次説明する。
【0049】まず、第1のマルチレイヤー逆凹構造型最
適サブバンド変換処理について説明する。図5は、マル
チレイヤー逆凹構造型最適サブバンド変換処理を行う画
素配列の一例である。マルチレイヤー逆凹構造型最適サ
ブバンド変換処理では、サブバンド変換手段130によ
る最適サブバンド変換により、画素をストライプ状に2
分割する。ここで、2分割されたストライプ構造のレイ
ヤーのうち、黒丸で示した画素が属するレイヤーを既知
レイヤーとし、予測対象画素pの最適予測を行う。既知
レイヤーに属する画素は、最適予測時に参照可能な画素
となる。ラインスキャンを1ライン毎に上方から行うと
すると、対象画素pの上方、×で示した画素は前方画素
となり参照可能である。このように、図に示したマルチ
レイヤー逆凹構造型最適サブバンド変換処理において
は、対象画素pの周辺にある逆凹構造型を構成する7画
素が参照可能な画素となる。
【0050】画素相関評価手段110では、逆凹構造に
おける参照可能な周辺画素m組の2次元画素相関度Cm
(x_2n+d,k)を求める。dは、ストライプ構造
から決まるd系列における最適処理に関する適当なサン
プルを示す適当な整数として一般化したものである。ま
た、kは、逆凹構造によって決まる適当な画素を示す整
数である。図5に示した最も簡素な7点逆凹構造の場
合、kは×印の画素であるが、一般には過去のプロセス
全ての画素から適便に選択される。相関は、例えば、類
似度Smの場合、
【0051】
【数14】 Sm=(min{x_2n+d,k})/(max{x_2n+d,k}) <=1 ……(14) また、距離Dmの場合、
【0052】
【数15】 Dm=Σ|Δm{x_2n+d,k}|>=0 ……(15) と表すことができる。類似度Smは評価値が高いほど相
関は高くなり、距離Dmは評価値が小さいほど相関は高
くなる。画素相関評価手段110では、類似度、距離を
含む相関を評価する手法のいずれかを用いて、相関度C
mを算出する。もちろん、画像伸張装置の画素相関評価
手段310も同様である。
【0053】最適値算出手段120では、相関Cmを最
大とする最適値Pを算出する。最適値Pは、相関を最大
とする周辺画素組を選択する処理によって得られ、
【0054】
【数16】 P=round{BP{x_(2n+d,k)}for max{Cm}} ……(16) と表すことができる。ここで、BP{}は、for以下
の条件のもとで最適な値を算出する最適関数である。ま
た、round{f(x)}は、ある関数f(x)の整
数化を表す。また、この処理は最適選択のみならず、画
素毎に処理が連続可変することも含まれる。これは、一
般に最適参照する近傍画素w_pに、最適重みw_pを
乗じた総和として、
【0055】
【数17】 BP(w_p,x_p)=[parameter p]Σw_p*x_p ……(17) と表すこともできる。ここで、重みw_pは、
【0056】
【数18】 [parameter p]Σw_p=1 ……(18) となるように、正規化されている。w_pの計算方法に
は、いろいろな手法があり、そのうちのいずれかを適宜
用いることとする。
【0057】サブバンド変換手段130では、上記最適
適応手法により算出された最適値に基づいてサブバンド
変換を行う。サブバンド変換符号化は、
【0058】
【数19】 L_n=x_2n+d ……(19)
【0059】
【数20】 H_n=x_(2n−1+d)−round{BP{x_(2n+d,k)} for max{Cm}} ……(20) と表すことができる。この処理の繰り返しによって、2
次元画像が階層的に分割されていく。このマルチレイヤ
ー逆凹構造型は、画像をストライプ構造によってマルチ
レイヤーへ分割し、他方のレイヤー情報とプロセス情
報、すなわち先に処理が完了した情報の両方から最適処
理を行うという構造を持つ。図6は、マルチレイヤー逆
凹構造型最適サブバンド変換の符号化構造を示してい
る。最適サブバンド変換により2つのレイヤー(U、
V)へ分解し、そしてプロセス情報Wとの3つの情報
(U、V、W)から画素毎に連続可変最適重み係数計算
される最適処理を行っている。
【0060】また、画像伸張装置の逆サブバンド変換手
段330による逆サブバンド変換復号化は、
【0061】
【数21】 x_2n+d=L_n ……(21)
【0062】
【数22】 x_(2n−1+d)=H_n+round{BP{x_(2n+d,k)} for max{Cm}} ……(22) と表現することができる。マルチレイヤー逆凹構造型最
適サブバンド変換では、最適処理によって、サブバンド
変換後のエントロピーは減少していることが期待でき
る。従って、エントロピー符号化によって、従来に比べ
高い圧縮率が期待できる。また、従来のダイヤモンド構
造等と比較して近傍周辺画素が多いため、的確な最適処
理が期待でき、さらに高い圧縮率が可能となる。
【0063】次に、第2のファン最適サブバンド変換処
理について説明する。まず、ファン領域について説明す
る。図7は、ファン領域の概念図である。ファン領域と
は、画像の複数の方向特徴によって一意に決定され、そ
の方向によって決まる幾何構造領域であり、複数のファ
ン領域は互いに干渉しない。すなわち、任意のファン領
域は独立している。これが近似的に成り立つ場合を近似
的ファンといい、通常の応用においては、近似的ファン
を取り扱う。以下の説明では、ファン領域は近似的ファ
ンを含めたものを指す。
【0064】ファンを特徴づける適当な変数Aをファン
方向特徴とする。ファンは、この特有の方向特徴(A)
によって決定される。また、ある方向Aによるファン領
域にある要素、画素x、または適当な変換変数x’の集
まりをファン集合、
【0065】
【数23】 SetF(A,x or x’)={x or x’| Fan(A,x)} ……(23) と定義する。Fan(A,x)は、ファン集合を導く適
当なファン関数を表している。図7に示した(1)リニ
アーファンは、点対称なファン枠領域の最も簡単な例で
ある。(1)の斜線部が、リニアーファンの領域、すな
わちファン集合を示している。また、(2)は、一般化
ファンの概念図であり、(1)と同様斜線部がファン領
域を表している。
【0066】ファン方向特徴Aは、周辺画素から計算さ
れる。この計算方法には、いろいろな方法があり、本発
明ではそのいずれかを用いる。画像の幾何的方向特徴
は、直交変換した座標でも方向特徴を持ち、幾何的に直
交関係を成す。点対称な幾何図形の特徴を持つファン集
合は、直交変換後も同じ幾何特徴を持つ。
【0067】マルチレイヤーにおけるH階層Sステージ
のファン集合SetF、
【0068】
【数24】 SetF(A−hs,x_hs)=[x_hs|Fan(A_hs,x_hs )] ……(24) を得るファン関数をFan(A_hs,x_hs)とす
る。Fan(A_hs,x_hs)は、画像の方向特徴
Aによって一意に決定される。この方向特徴は、各階層
各ステージにて周辺画素から計算する。ファン最適サブ
バンド変換処理では、ファン集合による方向特徴を予測
画素演算に利用し、階層構造のH階層に適用している。
例えば、簡素なファン線形予測手法では、H階層のSス
テージにて、例えば、予測演算、
【0069】
【数25】 SP_hs=w1_hs*x1_hs+w2_hs*x2_hs……(25) により予測が可能である。ここで、H階層Sステージの
ファン枠要素(x1_hs、w2_hs)とし、w1_
hs、w2_hsは、正規化、
【0070】
【数26】 w1_hs+w2_hs=1 ……(26) が行われているとする。このように、各階層ステージに
てファン特徴からファン重み係数を算出して予測計算を
行うことが可能である。階層構造は、画像の基本的構造
を保存しているので、ファン特徴も大部分が保存されて
いる。この特徴を利用して、低階層のファン演算に、高
階層のファン特徴を利用することも可能である。
【0071】画素相関評価手段110は、上記説明のフ
ァン領域内にある要素個々の画素相関評価を計算する。
ファン領域内にある要素、すなわちファン集合要素の相
関評価を、ファン類似度Fm、またはファン距離Dmに
よって計算する。ファン類似度の一例として、集合論的
類似度を選べば、適当なファン構造の周辺要素をx
n’、yn’、zn’、その他、として、m組のファン
類似度Fmは、
【0072】
【数27】 Fm=(min{xn’,yn’,zn’,,,})/(max{xn’,y n’,zn’,,,})<=1 ……(27) と評価することができる。これは、値が高いほど相関が
高くなる。n’は適当な選択された番号であり、x
n’、yn’、zn’等、周辺要素は複数の選択を許
す。また、距離の例としてチェビシェフ距離を選べば、
【0073】
【数28】 Dm=Σ|Δm{xn’,yn’,zn’,,,}|>=0 ……(28) と評価することができる。ここで、Δm{}は、各画素
間のm組の差分値を得る関数であって、値が小さいほど
相関は高くなる。
【0074】最適値算出手段120は、画素相関評価手
段110により算出された周辺要素間の相関が最大とな
る要素組を選択し、最適値を算出する。ファン周辺要素
xn’、yn’、zn’は、近傍画素の取りうる方向を
示す変数であり、それぞれの画素位置に対応している。
そのために、ファン特徴が最大になる選択によってファ
ン特徴を最大にする複数の周辺画素が選択されたことに
なる。類似度最大となるファン評価は、max{Fm}
で表す。複数のFmの中で、max{Fm}となるもの
を選択することによって、最適なファン領域が確定され
る。ファン距離Dmの場合、相関最大となるファン評価
はmin{Dm}で表され、類似度と同様に、この選択
により最適なファン領域が確定される。以下、類似度の
場合で説明する。最適値は、ファン評価を最大とする周
辺要素組xn、yn、zn、その他、に基づいて算出さ
れる。選択型の場合、最適値FPは、
【0075】
【数29】 FP=Select{xn,yn,zn,,,}for max{Fm} ……(29) と表現する。ここで、Selectは、要素組の選択を
表す。また、演算型の場合の最適値FP’は、
【0076】
【数30】 FP’=round[f(Select{xn,yn,zn,,,})for max{Fm}] ……(30) と表すことができる。多くの場合、f()は決定された
複数周辺画素x_pとそのファン特徴重みw_pの線形
結合として取り扱うことができる。この場合、最適値F
P’は、
【0077】
【数31】 FP’=round([parameter:p]Σw_p*x_p) ……(31) と表現される。式(31)は、ファン方向特徴に応じて
重みw_pが可変になっている。通常、w_pは、ファ
ン特徴に応じて画素毎に連続的に変化する。ここで、重
みw_pは、
【0078】
【数32】 [parameter:p]Σw_p=1 ……(32) となるように、正規化されている。
【0079】サブバンド変換手段130では、上記最適
適応手法により算出された最適値に基づいてサブバンド
変換を行う。サブバンド変換符号化は、
【0080】
【数33】 L_n=x_2n ……(33)
【0081】
【数34】 H_n=x_(2n+1)−FP{x_(2n−k)} ……(34) と表現することができる。演算型の場合、FPを式(3
0)に示したFP’とすればよい。また、これを一般型
処理へ拡張すると、整数関数floor{}を用いて、
【0082】
【数35】 L_n=floor{(x_2n+FP’’{x_(2n−k,x_2n−1 )}/2)} ……(35)
【0083】
【数36】 H_n=x_2n−FP’’{x_(2n−k)} ……(36) と表すことができる。ここで、FP’’は、適当な2変
数組から1変数組へ変換可能な構造を持つファン最適関
数とする。ここでは、ファン最適値を出力する同様な全
ての関数変換を指すとする。
【0084】また、画像伸張装置の逆サブバンド変換手
段330による逆サブバンド変換復号化は、式(3
3)、(34)に対応して、
【0085】
【数37】 x_2n=L_n ……(37)
【0086】
【数38】 x_(2n+1)=H_n+FP{x_(2n−k)} ……(38) と表される。演算型の場合、FPをFP’とすればよ
い。また、これを一般型処理へ拡張すると、整数関数f
loor{}を用いて、
【0087】
【数39】 x_2n=L_n+floor{H_n/2} ……(39)
【0088】
【数40】 x_(2n−1)=H_n+FP’’{x_(2n−k)} ……(40) と表現することができる。ファン最適サブバンド変換で
は、最適処理によって、サブバンド変換後のエントロピ
ーは減少していることが期待できる。従って、エントロ
ピー符号化によって、従来に比べ高い圧縮率が期待でき
る。
【0089】次に、第3のマルチレイヤー逆凹構造型フ
ァン最適サブバンド変換処理について説明する。マルチ
レイヤー逆凹構造型ファン最適サブバンド変換処理で
は、ファン最適サブバンド変換処理で説明したファン集
合による方向特徴を予測画素演算に利用し、マルチレイ
ヤー逆凹構造階層構造のH階層の演算に適用する。予測
参照画素は、第1のマルチレイヤー逆凹構造型最適サブ
バンド変換処理と同様に、逆凹型構造を持つ。
【0090】マルチレイヤー逆凹構造H階層sステージ
のファン集合は、第2のファン最適サブバウンド変換処
理方法と同様、式(24)で表すことができる。画素相
関評価手段110では、逆凹構造における参照可能な周
辺画素m組の2次元画素のファン評価を算出する。例え
ば階層別ファン類似度の一例として、集合論的類似度F
m(x_2n+d,k)を求める。dは、ストライプ構
造から決まるd系列における最適処理に関する適当なサ
ンプルを示す適当な整数として一般化したものである。
また、kは、逆凹構造によって決まる適当な画素を示す
整数である。類似度Fmは式(27)により、また距離
は式(28)により算出することができる。最適値算出
手段320は、最大ファンによる最適値FPを求める。
最適値FPは、式(29)または(30)と同様に算出
することができる。
【0091】サブバンド変換手段130による符号化処
理は、式(33)、(34)と同様に、
【0092】
【数41】 L_n=x_(2n+d) ……(41)
【0093】
【数42】 H_n=x_(2n+1+d)−FP{x_(2n+d、k)} ……(42) と表現することができる。また、演算型の場合、式(4
2)は、ファン最適演算関数をFP{}として、
【0094】
【数43】 H_n=x_(2n+1+d)−round{FP{x_(2n+d、k)} } ……(43) と表すことができる。
【0095】逆サブバンド変換手段330による復号化
処理は、式(37)、(38)と同様に、
【0096】
【数44】 x_2n=Ln ……(44)
【0097】
【数45】 x_(2n+1+d)=H_n+round{FP{x_(2n+d、k)} } ……(45) と表すことができる。以上のようにファン最適適応処理
をマルチレイヤー逆凹構造型に適用したマルチレイヤー
逆凹構造型ファン最適適応処理では、最適処理によっ
て、サブバンド変換後のエントロピーは減少しているこ
とが期待できる。従って、エントロピー符号化によっ
て、従来に比べ高い圧縮率が期待できる。
【0098】なお、上記の処理機能は、コンピュータに
よって実現することができる。その場合、画像圧縮装置
及び画像伸張装置が有すべき機能の処理内容は、コンピ
ュータで読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラ
ムに記述しておく。そして、このプログラムをコンピュ
ータで実行することにより、上記処理がコンピュータで
実現される。コンピュータで読み取り可能な記録媒体と
しては、磁気記録装置や半導体メモリ等がある。市場を
流通させる場合には、CD−ROM(Compact Disc Read
Only Memory)やフロッピーディスク等の可搬型記録媒
体にプログラムを格納して流通させたり、ネットワーク
を介して接続されたコンピュータの記憶装置に格納して
おき、ネットワークを通じて他のコンピュータに転送す
ることもできる。コンピュータで実行する際には、コン
ピュータ内のハードディスク装置等にプログラムを格納
しておき、メインメモリにロードして実行する。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、予測対
象画素の周辺にある所定の参照可能な画素個々の相関関
係の評価を行い、相関を最大とする最適値を算出し、最
適値に基づいてデジタル画像信号を所定の帯域に分割す
る。変換された信号にエントロピー符号化を施し、無損
失圧縮画像信号を生成する。
【0100】このように相関を最大とする最適値を算出
しているため、予測値の予測精度を上げることができ
る。予測精度が上がることによりサブバンド/ウエーブ
レット変換符号化信号のエントロピーが減少し、エント
ロピー符号化時に、より圧縮されたコードが出力される
ことになる。また、適応処理するための特殊コードを付
加する必要がない。この結果、画像の無損失圧縮率が向
上する。特に、自然画、文字、CG画像等が合成混合さ
れた画像に対して有効である。
【0101】また、本発明の画像伸張装置は、上記画像
圧縮装置により圧縮された圧縮画像信号を入力し、エン
トロピー復号化を行うとともに、予測対象画素の周辺に
ある所定の参照可能な画素個々の相関関係の評価を行
い、画素間の相関を最大とする最適値を算出する。算出
された最適値に基づいてエントロピー復号化された圧縮
画像信号の復号化を行う。
【0102】このように、画像圧縮装置と同様の処理で
算出された最適値は、一定の値となるため、適応処理の
ための特殊コードが付加されていなくても、画像伸張装
置で算出することができる。特殊コードを付加する必要
がないため、画像の無損失圧縮率をさらに向上させるこ
とができる。特に、自然画、文字、CG画像等が合成混
合された画像に対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である画像圧縮装置の構
成図である。
【図2】本発明の一実施の形態である無損失サブバンド
変換階層構造を示している。
【図3】本発明の一実施の形態である片階層型無損失サ
ブバンド変換圧縮階層の画像図である。
【図4】本発明の一実施の形態である画像伸張装置の構
成図である。
【図5】マルチレイヤー逆凹構造型最適サブバンド変換
処理を行う画素配列の一例である。
【図6】マルチレイヤー逆凹構造型最適サブバンド変換
の符号化構造を示している。
【図7】ファン領域の概念図である。
【図8】従来の無損失サブバンド変換を行う画像圧縮装
置の構成図である。
【符号の説明】
100…無損失最適サブバンド変換器、110…画素相
関評価手段、120…最適値算出手段、130…サブバ
ンド変換手段、200…エントロピー符号化圧縮器、3
00…無損失最適逆サブバンド変換器、310…画素相
関評価手段、320…最適値算出手段、330…逆サブ
バンド変換手段、400…エントロピー復号化伸張器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サブバンド/ウエーブレット変換を用い
    た圧縮・伸張の過程を経てもとの情報が保存される無損
    失画像圧縮を行う画像圧縮装置において、 デジタル画像信号を入力し、予測対象画素の周辺にある
    所定の参照可能な画素個々の相関関係を評価する画素相
    関評価手段と、 前記相関評価に基づいて画素間の相関を最大ならしめる
    ような最適値を算出する最適値算出手段と、 前記最適値に基づいて前記デジタル画像信号を所定の帯
    域に分割する最適サブバンド/ウエーブレット変換手段
    と、 前記最適サブバンド/ウエーブレット変換手段により帯
    域分割されたサブバンド/ウエーブレット変換符号化信
    号をエントロピー符号化するエントロピー符号化手段
    と、 を備えたことを特徴とする画像圧縮装置。
  2. 【請求項2】 前記画素相関評価手段は、画像の方向特
    徴によって決まる所定の幾何構造領域内にある要素個々
    の相関関係を評価することを特徴とする請求項1記載の
    画像圧縮装置。
  3. 【請求項3】 前記画素相関評価手段の所定の幾何構造
    領域は、点対称な任意の形を持つ幾何構造領域であっ
    て、前記幾何構造領域は互いに干渉しないことを特徴と
    する請求項2記載の画像圧縮装置。
  4. 【請求項4】 前記最適サブバンド/ウエーブレット変
    換手段は、前記画像信号を前記最適値に基づいて既知レ
    イヤーと、前記既知レイヤーと前記既知レイヤーに属さ
    ない参照可能な画素から予測した予測値と予測対象画素
    との差分から成るレイヤーとに分割することを特徴とす
    る請求項1記載の画像圧縮装置。
  5. 【請求項5】 前記画素相関評価手段は、前記既知レイ
    ヤーと前記既知レイヤーに属さない過去画素とを前記参
    照可能な画素として画素個々の相関関係を評価すること
    を特徴とする請求項4記載の画像圧縮装置。
  6. 【請求項6】 前記参照可能な画素は前記予測対象画素
    の周りを取り囲む逆凹型を形成することを特徴とする請
    求項5記載の画像圧縮装置。
  7. 【請求項7】 前記画素相関評価手段は、前記既知レイ
    ヤーと前記既知レイヤーに属さない過去画素のうち、画
    像の方向特徴によって決まる所定の幾何構造領域内にあ
    る画素個々の相関関係を評価することを特徴とする請求
    項4記載の画像圧縮装置。
  8. 【請求項8】 前記最適値算出手段は、前記要素間の相
    関を最大とする要素組を選択し、この選択組を最適値と
    することを特徴とする請求項1記載の画像圧縮装置。
  9. 【請求項9】 前記最適値算出手段は、さらに、前記選
    択組を最適化する最適関数を算出することを特徴とする
    請求項8記載の画像圧縮装置。
  10. 【請求項10】 前記最適値算出手段は、前記選択組の
    重み係数を適当な近傍周辺画素の代表相関から前記最適
    関数を求めることを特徴とする請求項9記載の画像圧縮
    装置。
  11. 【請求項11】 前記最適値算出手段は、さらに、前記
    最適関数を所定の属性によって制限することを特徴とす
    る請求項8記載の画像圧縮装置。
  12. 【請求項12】 サブバンド/ウエーブレット変換を用
    いた圧縮・伸張の過程を経てもとの情報が保存される無
    損失画像圧縮された圧縮画像信号を伸張する画像伸張装
    置において、 最適サブバンド/ウエーブレット変換後にエントロピー
    符号化された前記圧縮画像信号をエントロピー復号化す
    るエントロピー復号化手段と、 予測対象画素の周辺にある所定の参照可能な画素個々の
    相関関係を評価する画素相関評価手段と、 前記相関評価に基づいて画素間の相関を最大ならしめる
    ような最適値を算出する最適値算出手段と、 前記最適値に基づいて前記エントロピー復号化された圧
    縮画像信号を最適サブバンド/ウエーブレット逆変換に
    より復号化する最適サブバンド/ウエーブレット逆変換
    手段と、 を備えたことを特徴とする画像伸張装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7676102B2 (en) 2006-04-24 2010-03-09 Fujitsu Limited Image compression apparatus, image compression program and image compression method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7676102B2 (en) 2006-04-24 2010-03-09 Fujitsu Limited Image compression apparatus, image compression program and image compression method

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