JP2001075735A - 座標入力装置及びその方法、コンピュータ可読メモリ - Google Patents

座標入力装置及びその方法、コンピュータ可読メモリ

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JP2001075735A JP25193399A JP25193399A JP2001075735A JP 2001075735 A JP2001075735 A JP 2001075735A JP 25193399 A JP25193399 A JP 25193399A JP 25193399 A JP25193399 A JP 25193399A JP 2001075735 A JP2001075735 A JP 2001075735A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大画面及び高分解能で、かつ精度良く座標を
入力することができる座標入力装置及びその方法、コン
ピュータ可読メモリを提供する。 【解決手段】 光スポットを検知する複数のリニアセン
サ20Xa、20Xb、20Ya、20Ybを備える。
次に、各々のリニアセンサ20Xa、20Xb、20Y
a、20Ybで検知されたデータを連結する。連結され
たデータに基づいて、光スポットに対応する座標値を座
標演算部32で出力する。また、リニアセンサ20X
a、20Xb、20Ya、20Ybの受光エリアは重複
部分を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指示具からの光を
座標入力画面の所定位置に照射して光スポットを生成
し、前記光スポットに対応した座標を生成する座標入力
装置及びその方法、コンピュータ可読メモリに関するも
のである。
【0002】
〔発明の詳細な説明〕
【発明の属する技術分野】本発明は、指示具からの光を
座標入力画面の所定位置に照射して光スポットを生成
し、前記光スポットに対応した座標を生成する座標入力
装置及びその方法、コンピュータ可読メモリに関するも
のである。
【0003】
【従来の技術】従来の座標入力装置としては、CCDエ
リアセンサやリニアセンサを用いて画面上の光スポット
を撮像し、重心座標あるいはパターンマッチングを用い
るなどの画像処理を行って、座標値を演算して出力する
ものや、PSDと呼ばれる位置検出素子(スポットの位
置に対応した出力電圧が得られるアナログデバイス)を
用いるものなどが知られている。
【0004】例えば、特公平7−76902号公報に
は、可視光の平行ビームによる光スポットをビデオカメ
ラで撮像して座標を検出し、同時に赤外拡散光で制御信
号を送受する装置について開示されている。また、特開
平6−274266号公報には、リニアCCDセンサと
特殊な光学マスクを用いて座標検出を行う装置が開示さ
れている。
【0005】一方、特許第2503182号には、PS
Dを用いた装置について、その構成と出力座標の補正方
法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、大画面ディスプ
レイは、明るさの改善と同時により大画面化、高解像度
化も進められている。このため、座標入力装置の分解能
も向上させる必要がある。
【0007】従来、この種の座標入力装置として、リン
グCCDを用い、外乱光に強く、小型、安価な装置が提
案されている。この座標入力装置では、CCDの画素を
計算により分割し、実際の画素数に対し、2のN乗倍の
分解能を有するようになっている。例えば、より大画面
に対応するため、64画素のCCDを用い、画面を10
24分割する場合、単純に一つの画素を16分割すれ
ば、原理的に大画面の座標入力装置を構成できる。しか
しながら、この場合、分解能が高くできる反面、指示具
からの入力光以外の外乱光等の影響を受けやすくなると
いう問題点があった。
【0008】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、大画面及び高分解能で、かつ精度良く座標を
入力することができる座標入力装置及びその方法、コン
ピュータ可読メモリを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による座標入力装置は以下の構成を備える。
即ち、指示具からの光を座標入力画面の所定位置に照射
して光スポットを生成し、前記光スポットに対応した座
標を生成する座標入力装置であって、少なくとも一座標
軸あたりに、前記光スポットを検知する複数の検知手段
と、前記複数の検知手段の各々の検知手段で検知された
データを連結する連結手段と、前記連結手段で連結され
たデータに基づいて、前記光スポットに対応する座標値
を出力する出力手段とを備え、前記複数の検知手段の受
光エリアは重複部分を有する。
【0010】また、好ましくは、前記連結手段は、前記
重複部分で検知される光スポットに対応する座標値を測
定する測定手段と、前記測定手段で測定された座標値を
基準座標値として記憶する記憶手段とを備える。
【0011】また、好ましくは、前記記憶手段で記憶さ
れた基準座標値に基づいて、前記連結手段は、前記複数
の検知手段の各々の検知手段で検知されたデータを連結
する。
【0012】また、好ましくは、前記連結手段は、更
に、前記複数の検知手段の内、第1検知手段に対する第
2検知手段の傾きと前記測定手段で測定された座標値に
基づいて、前記基準座標値を補正する補正手段とを備え
る。
【0013】また、好ましくは、前記検知手段は、直線
上に配列された複数の光電変換素子を有する。
【0014】また、好ましくは、前記出力手段は、前記
複数の光電変換素子に対応する画素数以上の分解能で前
記光スポットに対応する座標値を演算する演算手段とを
備える。
【0015】上記の目的を達成するための本発明による
座標入力方法は以下の構成を備える。即ち、指示具から
の光を座標入力画面の所定位置に照射して光スポットを
生成し、前記光スポットに対応した座標を生成する座標
入力方法であって、少なくとも一座標軸あたりに、前記
光スポットを検知する複数の検知部の各々で検知された
データを連結する連結工程と、前記連結工程で連結され
たデータに基づいて、前記光スポットに対応する座標値
を出力する出力工程とを備え、前記複数の検知部の受光
エリアは重複部分を有する。
【0016】上記の目的を達成するための本発明による
コンピュータ可読メモリは以下の構成を備える。即ち、
指示具からの光を座標入力画面の所定位置に照射して光
スポットを生成し、前記光スポットに対応した座標を生
成する座標入力のプログラムコードが格納されたコンピ
ュータ可読メモリであって、少なくとも一座標軸あたり
に、前記光スポットを検知する複数の検知部の各々で検
知されたデータを連結する連結工程のプログラムコード
と、前記連結工程で連結されたデータに基づいて、前記
光スポットに対応する座標値を出力する出力工程のプロ
グラムコードとを備え、前記複数の検知部の受光エリア
は重複部分を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。
【0018】まず、本発明に係る光学式座標入力装置の
概略構成について、図1を用いて説明する。
【0019】図1は本実施形態の座標入力装置の概略構
成を示す図である。
【0020】本座標入力装置は大別して、座標入力面で
あるスクリーン10に対して光スポット5を形成する指
示具4と、光スポット5のスクリーン10上の位置座標
等を検出する座標検出器1とからなる。図1には、それ
らの構成と合わせて、出力装置としてスクリーン10
に、画像あるいは位置座標等を表示する投射型表示装置
8を示している。
【0021】座標検出器1は、座標検出センサ部2と、
この座標検出センサ部2の制御および座標演算などを行
うコントローラ3、受光素子6、信号処理部7とから構
成されている。光スポット5のスクリーン10上の座標
位置及び指示具4の後述する各スイッチの状態に対応す
る制御信号とを検出して、コントローラ3によって外部
接続装置(不図示)にその情報を通信するようにしてい
る。
【0022】投射型表示装置8は、ホストコンピュータ
(不図示)などの外部接続装置である表示信号源からの
画像信号が入力される画像信号処理部81と、これによ
り制御される液晶パネル82、ランプ83、ミラー8
4、コンデンサーレンズ85からなる照明光学系と、液
晶パネル82の像をスクリーン10上に投影する投影レ
ンズ86とからなり、所望の画像情報をスクリーン10
に表示することができる。スクリーン10は、投射画像
の観察範囲を広くするために適度な光拡散性を持たせて
あるので、指示具4から発射された光ビームも光スポッ
ト5の位置で拡散され、画面上の位置や光ビームの方向
によらず、光スポット5の位置で拡散された光の一部が
座標検出器1に入射するように構成されている。
【0023】このように構成することで、指示具4によ
りスクリーン10上で文字情報や線画情報を入力し、そ
の情報を投射型表示装置8で表示することにより、あた
かも『紙と鉛筆』のような関係で情報の入出力を可能と
する他、ボタン操作やアイコンの選択決定などの入力操
作を自由に行えるように構成したものである。 <指示具4の詳細説明>図2は本実施形態の指示具の詳
細構成を示す図である。
【0024】指示具4は、光ビームを発射する半導体レ
ーザ、あるいは赤外光を発射するLED等の発光素子4
1と、その発光を駆動制御する発光制御部42、電源部
44、操作用スイッチ43A〜43Dと、電池等の電源
部44、さらに発光素子41を覆う脱着可能な透光性部
材よりなるキャップ46とを内蔵している。発光制御部
42は、操作用スイッチ43A〜43Dの状態により、
発光のON(オン)/OFF(オフ)と、後述する変調
方法とによって、制御信号を重畳した発光制御を行う。
【0025】図3は本実施形態の指示具の動作モードを
示す図である。
【0026】スイッチA〜Dは、図2のスイッチ43A
〜43Dに対応している。尚、図3中、「発光」とは発
光信号(座標信号)に対応し、「ペンダウン」、「ペン
ボタン」とは制御信号に対応する。
【0027】操作者は、指示具4を握ってスクリーン1
0にその先端を向ける。このとき、スイッチ43Aは親
指が自然に触れる位置に配置されており、これを押すこ
とによって光ビーム45が発射される。これにより、ス
クリーン10上に光スポット5が生成され、所定の処理
によって座標信号が出力され始める。但し、この状態で
は、ペンダウン及びペンボタンの制御信号はOFFの状
態である。このため、スクリーン10上では、カーソル
の動きやボタンのハイライト切替などによる操作者への
指示位置の明示のみが行われる。
【0028】また、人差し指及び中指が自然に触れる位
置に配置されたスイッチ43C、43Dを押すことによ
って、図3に示すようにペンダウン及びペンボタンの制
御信号が、発光信号に重畳された信号となる。すなわ
ち、スイッチ43Cを押すことによってペンダウンの状
態となり、文字や線画の入力を開始したり、ボタンを選
択決定するなどの画面制御が実行できる。スイッチ43
Dを押すことによって、ペンボタンの状態となり、メニ
ューの呼び出しなどの別機能に対応させることができ
る。これにより、操作者は、片手でスクリーン10上の
任意の位置で、すばやく正確に文字や図形を描いたり、
ボタンやメニューを選択したりすることによって、軽快
に操作することができる。
【0029】また、指示具4の先端部には、スイッチ4
3Bが設けられていて、スクリーン10に指示具4を押
し付けることによって動作するスイッチである。操作者
が、指示具4を握り、指示具の先端部をスクリーン10
に押し付けることでペンダウン状態となるので、余分な
ボタン操作を行うことなしに自然なペン入力操作を行う
ことができる。
【0030】また、スイッチ43Aはペンボタンの役割
を持つ。もちろん画面に押し付けないでスイッチ43A
を押せば、カーソルのみを動かすこともできる。実際
上、文字や図形の入力は画面から離れて行うより、直接
画面に触れた方が遥かに操作性、正確性が良い。本実施
形態では、このように4個のスイッチを用いて画面から
離れていても、また、直前にいても、自然で快適な操作
が可能であり、場合によって使い分けることができるよ
うに構成されている。さらには、直接入力専用(ポイン
タとして使用しない)ならば、光ビームでなく拡散光源
でよいので、半導体レーザよりも安価で長寿命のLED
を用いることも可能である。
【0031】また、このように近接用、遠隔用の2種類
の指示具4を用いたり、同時に2人以上で操作する、あ
るいは色や太さなど属性の異なる複数の指示具4を用い
る場合のために、発光制御部42は、固有のID番号を
制御信号と共に送信するように設定されている。送信さ
れたID番号に対応して、描かれる線の太さや色などの
属性を外部接続機器側のソフトウェアなどで決定するよ
うになっており、スクリーン10上のボタンやメニュー
などで設定変更することができる。この操作は、指示具
4に別途操作ボタン等を設けて変更指示信号送信するよ
うにしてもよく、これらの設定については、指示具4内
部あるいは座標検出器1内に状態を保持するようにして
ID番号ではなく、属性情報を外部接続機器へ送信する
ように構成することも可能である。
【0032】また、このような追加の操作ボタンは、他
の機能、例えば、表示装置の点滅や信号源の切換、録画
装置などの操作などを行えるようにも設定可能である。
さらに、スイッチ43A、43Bのいずれか一方、また
は両方に圧力検出手段を設けることによって筆圧検出を
行い、この筆圧データを制御信号と共に送信するなど各
種の有用な信号を送信することが可能である。
【0033】指示具4のスイッチ43Aまたはスイッチ
43BがONになると発光が開始され、その発光信号は
比較的長い連続するパルス列からなるリーダ部と、これ
に続くコード(メーカーIDなど)とからなるヘッダ部
をまず出力し、その後、ペンIDや制御信号などからな
る送信データ列が予め定義された順序と形式に従ってそ
の情報を順次出力する(図5、LSG信号参照)。
【0034】尚、本願実施形態では、各データビットに
おいて、“1”ビットは“0”ビットに対して2倍の間
隔をもつような変調形式で形成しているが、データの符
号化方式については種々のものが使用可能である。しか
しながら、後述する様に座標検出のためには、平均光量
が一定していること、また、PLLの同調を行うにはク
ロック成分が十分大きいこと等が望ましく、送信すべき
データ量から見て冗長度を比較的高くしても支障はない
等を勘案して、本実施形態においては、6ビット(64
個)のデータを10ビット長のコードのうち、1と0が
同数で、かつ、1あるいは0の連続数が3以下の108
個のコードに割り付ける方法で符号化している。このよ
うな符号化方式をとることによって、平均電力が一定に
なり、また十分なクロック成分が含まれるので、復調時
に容易に安定した同期信号を生成することができる。
【0035】また、前述したように、ペンダウンおよび
ペンボタンの制御信号は、2ビットであるがIDなどそ
の他の長いデータも送信しなければならない。そこで、
本実施形態では、24ビットを1ブロックとして、先頭
の2ビットは制御信号、次の2ビットは内容識別コード
(例えば、筆圧信号は00、IDは11等)、次の2ビ
ットはこれらのパリティ、その後に、16ビットのデー
タと2ビットのパリティとを並べて、1ブロックのデー
タとして構成する。このようなデータを前述したような
方式により符号化すると、40ビット長の信号になる。
その先頭に10ビット長のシンクコードを付加する。こ
のシンクコードは0が4個、1が5個連続する、あるい
はその反転パターン(直前のブロックの終わりが、1か
0かで切り替える)という特殊なコードを使用して、デ
ータワードとの識別が容易で、データ列の途中において
も確実にその位置を識別してデータの復元ができるよう
になっている。従って、1ブロックで50ビット長の伝
送信号となり、制御信号と16ビットのIDまたは筆圧
等のデータを送信していることになる。
【0036】本実施形態では、第1の周波数60kHz
の1/8の7.5kHzを第2の周波数としているが、
前述のような符号化方式を採用しているため、平均伝送
ビットレートは、この2/3の5kHzとなる。さら
に、1ブロックが50ビットなので、100Hzでは1
ブロック24ビットのデータを送信していることにな
る。従って、パリティを除いた実効ビットレートは、2
000ビット/秒である。このように冗長性は高いが、
誤検出を防止し、同期を容易にすることが非常に簡単な
構成で実現できる方式となっている。また、後述のセン
サ制御のための位相同期信号と、シンクコードの繰り返
し周期のチェックとを併用することによって、信号に短
いドロップアウトが発生した場合でも追従ができ、逆に
実際に、ペンアップやダブルタップのような素早い操作
を行った場合との識別は、ヘッダ信号の有無によって確
実に行えるようにもなっている。 <座標検出器1の詳細説明>図4は本実施形態の座標検
出器の詳細構成を示す図である。
【0037】この座標検出器1には、集光光学系によっ
て高感度に光量検出を行う受光素子6と、結像光学系に
よって光の到来方向を検出する4つのリニアセンサ20
Xa,20Xb,20Ya,20Ybとが設けられてい
る。そして、指示具4に内蔵された発光素子41からの
光ビームにより、スクリーン10上に生成された光スポ
ット5からの拡散光をそれぞれ受光する。 <集光光学系の動作説明>受光素子6には、集光光学系
としての集光レンズ6aが装着されており、スクリーン
10上の全範囲から高感度で所定波長の光量を検知す
る。この検知出力は、周波数検波部71によって検波さ
れた後、制御信号検出部72において制御信号(指示具
4の発光制御部42によって重畳された信号)などのデ
ータを含むデジタル信号に復調される。
【0038】この制御信号の復元動作におけるタイミン
グチャートについて、図5を用いて説明する。
【0039】図5は本実施形態の制御信号の復元動作に
おけるタイミングチャートである。
【0040】上述したようなビット列からなるデータ信
号は、受光素子6で光出力信号LSGとして検出され、
周波数検波部71で検波される。周波数検波部71は、
光出力信号LSGの中で最も高い第1の周波数のパルス
周期に同調するように構成され、光学的なフィルタと併
用することによって、外乱光の影響を受けることなく、
変調信号CMDを復調する。この検波方法は広く実用さ
れている赤外線リモートコントローラと同様であり、信
頼性の高い無線通信方式である。
【0041】本実施形態では、この第1の周波数として
は、一般に使用されている赤外線リモートコントローラ
より高い帯域である60KHzを用い、同時に使用して
も誤動作することの無いように構成したが、この第1の
周波数を一般に使用されている赤外線リモートコントロ
ーラと同じ帯域にすることも可能であり、このような場
合にはIDなどで識別することによって誤動作を防止す
る。
【0042】さて、周波数検波部71により検波された
変調信号CMDは、制御信号検出部72によってデジタ
ルデータとして解釈され、前述したペンダウンやペンボ
タンなどの制御信号が復元される。この復元された制御
信号は、通信制御部33に送られる。また、変調信号C
MDに含まれる第2の周波数であるコード変調の周期
は、センサ制御部31によって検出され、この信号によ
ってリニアセンサ20X、20Yを制御することにな
る。すなわち、センサ制御部31では、図5に示したヘ
ッダ部のタイミングでリセットし、その後、変調信号C
MDの立ち下がりに位相同期した信号LCKを生成す
る。
【0043】従って、この生成された信号LCKは、指
示具4の発光の有無に同期した一定周波数の信号とな
る。また、変調信号CMDからは、光入力の有無を示す
信号LONと、この信号LONによって起動されるセン
サリセット信号RCLとが生成される。このセンサリセ
ット信号RCLがハイレベルの間に2つのリニアセンサ
20X、20Yはリセットされ、信号LCKの立ち上が
りに同期したセンサリセット信号RCLの立ち下がりの
タイミングによって後述する同期積分動作が開始され
る。
【0044】一方、制御信号検出部72はヘッダ部を検
出し、他の機器やノイズではなく、指示具4からの入力
が開始されたことを確認すると、この確認を示す信号が
通信制御部33からセンサ制御部31に伝達され、リニ
アセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの動
作有効を示す信号CONがハイレベルにセットされ、座
標演算部32の動作が開始される。
【0045】図6は、光出力信号LSGが無くなり、一
連動作の終了時におけるタイミングチャートを示す。光
出力信号LSGから検波された変調信号CMDがローレ
ベルを一定時間以上続けると、光入力の有無を示す信号
LONがローレベルになり、さらに、センサ動作有効を
示す信号CONもローレベルとなり、その結果、リニア
センサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybによる
座標の出力動作を終了する。 <結像光学系の動作説明>図7はリニアセンサ20X
a,20Xb,20Ya,20Ybの配置関係を示す図
である。
【0046】図7において、結像光学系としての円筒レ
ンズ90Xa,90Xb、90Ya,90Ybによって
光スポット5の像が、リニアセンサ20Xa,20X
b,20Ya,20Ybの各センサの感光部21Xa、
21Xb、21Ya、21Ybに線状に結像する。これ
らリニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Y
bを正確に直角に配置することによって、それぞれがX
座標、Y座標を反映した画素にピークを持つ出力が得ら
れる。
【0047】そして、これらリニアセンサ20Xa,2
0Xb,20Ya,20Ybは、センサ制御部31によ
って制御され、出力信号はセンサ制御部31に接続され
たAD変換部31Aによってデジタル信号として座標演
算部32に送られる。座標演算部32は、入力されたデ
ジタル信号より出力座標値を計算し、その計算結果を制
御信号検出部72からの制御信号などのデータと共に通
信制御部33を介して、所定の通信方法で外部制御装置
(不図示)に送出する。また、調整時など通常と異なる
動作(例えば、ユーザ校正値の設定)を行わせる場合
は、通信制御部33からセンサ制御部31、座標演算部
32へモード切換信号が送られる。
【0048】本発明では、光スポット5の像がリニアセ
ンサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの各セン
サの画素の数倍の像幅となるように焦点調節あるいは拡
散フィルム等を用いて、故意にボケを生じさせている。
直径1.5mmのプラスチック製の円筒レンズと画素ピ
ッチ約15μm、有効64画素のリニアCCD、赤外線
LEDを用いた実験によれば、最もシャープな結像をさ
せると、約40度の画角全面にわたって15μm以下の
像幅となる。このような状態では、画素間分割演算結果
が階段状に歪んでしまうことがわかった。そこで、像幅
が30から60μm程度となるように、レンズの位置を
調節すると、非常に滑らかな座標データが得られた。も
ちろん、大きくぼけさせると、ピークレベルが小さくな
ってしまうので、数画素程度の像幅が最適である。画素
数の少ないCCDと、適度にボケた光学系を用いること
が、本発明のポイントの一つであり、このような組み合
わせを用いることによって、演算データ量が少なく、小
さなセンサと光学系で非常に高分解能、高精度、高速で
かつ低コストな座標入力装置を実現できる。
【0049】アレイ状に配置されたX座標検出用リニア
センサ20Xa,20Xb,Y座標検出用リニアセンサ
20Ya,20Ybは同一の構成であり、その詳細構成
について、図8を用いて説明する。
【0050】図8は本実施形態のリニアセンサの詳細構
成を示す図である。
【0051】受光部であるセンサアレイ21はN個の画
素(本実施形態では、64画素)からなり、受光量に応
じた電荷が積分部22に貯えられる。積分部22は、N
個からなり、ゲートICGに電圧を加えることによって
リセットできるため、電子シャッタ動作が可能である。
この積分部22に貯えられた電荷は、電極STにパルス
電圧を加えることによって蓄積部23に転送される。こ
の蓄積部23は、2N個からなり、指示具4の発光タイ
ミングに同期したIRCLK信号のH(ハイレベル)と
L(ローレベル)とにそれぞれ対応して別々に電荷が蓄
積される。その後、光の点滅に同期して各々別々に蓄積
された電荷は、転送クロックを簡単にするために設けら
れた2N個からなるシフト部24を介して、2N個から
なるリニアCCD部25に転送される。
【0052】これにより、リニアCCD部25には、N
画素のセンサ出力の光の点滅に各々対応した電荷が隣接
して並んで記憶されることになる。これらリニアCCD
部25に並べられた電荷は、2N個からなるリングCC
D部26に順次転送される。このリングCCD26は、
CLR信号によってCLR部27で空にされた後、リニ
アCCD部25からの電荷を順次蓄積していく。
【0053】このようにして蓄積された電荷は、アンプ
29によって読み出される。このアンプ29は、非破壊
で蓄積電荷量に比例した電圧を出力するものであり、実
際には、隣接した電荷量の差分、すなわち、発光素子4
1の点灯時の電荷量から非点灯時の電荷量を差し引いた
分の値を増幅して出力する。
【0054】この時、得られるリニアセンサ20Xa,
20Xb,20Ya,20Ybの出力波形の一例につい
て、図9を用いて説明する。
【0055】図9は本実施形態のリニアセンサの出力波
形の一例を示す図である。
【0056】図9中、Bの波形は発光素子41の点灯時
の信号のみを読み出したときの波形であり、Aの波形は
非点灯時の波形、すなわち、外乱光のみの波形である
(図8に示したように、リングCCD26には、これら
A,Bの波形に対応する画素の電荷が隣接して並んでい
る)。アンプ29は、その隣接する電荷量の差分値(B
−Aの波形)を非破壊増幅して出力することになるが、
これにより、指示具4からの光のみの像の信号を得るこ
とができ、外乱光(ノイズ)の影響を受けることなく安
定した座標入力が可能となる。
【0057】また、図9に示したB−Aの波形の最大値
をPEAK値と定義すれば、光に対してリニアセンサ2
0Xa,20Xb,20Ya,20Ybの各リニアセン
サが機能する蓄積時間を増大させれば、その時間に応じ
てPEAK値は増大する。換言すれば、IRCLK信号
の1周期分の時間を単位蓄積時間とし、それを単位とし
て蓄積回数nを定義すれば、蓄積回数nを増大させるこ
とでPEAK値は増大する。そして、このPEAK値が
所定の大ささTH1に達したことを検出することで、常
に一定した品位の出力波形を得ることができる。
【0058】一方、外乱光が非常に強い場合、差分波形
B−Aのピークが十分な大きさになる前に、リングCC
D26の転送電荷が飽和してしまう恐れがある。このよ
うな場合を考慮して、リニアセンサ20Xa,20X
b,20Ya,20Ybの各リニアセンサにはスキム機
能を有するSKIM部28が付設されている。SKIM
部28は、非点灯信号のレベルを監視し、図10におい
て、n回目のAnで信号レベルが所定の値を超えている
場合(図中、一点鎖線)、一定量の電荷をA,Bの各画
素から抜き取るようにする。これにより、次のn+1回
目には、An+1に示すような波形となり、これを繰り
返すことによって、非常に強い外乱光があっても飽和す
ることなく、信号電荷の蓄積を続けることができる。
【0059】従って、指示具4からの点滅光の光量が微
弱であっても、多数回積分動作を継続することによっ
て、十分な大きさの信号波形を得ることが可能になる。
特に、指示具4に可視光域の発光源を用いる場合、表示
画像の信号が重畳するので、前述したスキム機能と差分
出力を用いることによって、非常にノイズの少ないシャ
ープな波形を得ることが可能となる。
【0060】次に、リニアセンサ20Xa,20Xb,
20Ya,20Ybの動作制御について、図11を用い
て説明する。
【0061】図11は本実施形態のリニアセンサの動作
制御を示すフローチャートである。センサ制御部31が
センサ制御動作を開始すると、ステップS102におい
て、信号CONを監視する。そして、信号CONがハイ
レベルである場合(ステップS102でYES)、ステ
ップS103に進み、蓄積回数nを0にリセットする。
そして、ステップS104において、センサ出力のPE
AK値(ピークレベル)が所定値TH1より大きいか否
かを判定する。
【0062】PEAK値が所定値TH1未満である場合
(ステップS104でNO)、ステップS105におい
て、蓄積回数nが第1所定回数n0より大きいか否かを
判定する。蓄積回数nが第1所定回数n0未満である場
合(ステップS105でNO)、ステップS106に進
み、蓄積回数nを1インクリメントして、ステップS1
04に戻る。一方、PEAK値が所定値TH1より大き
い場合(ステップS104でYES)、あるいは蓄積回
数nが第1所定回数n0より大きい場合(ステップS1
05でYES)、ステップS107に進み、積分停止信
号RONがハイレベル(H)になって積分動作が停止さ
れる。そして、座標演算部32による座標値演算の処理
が開始される。
【0063】その後、ステップS108において、蓄積
回数nが第2所定回数n1より大きいか否かを判定す
る。蓄積回数nが第1所定回数n1未満である場合(ス
テップS108でNO)、ステップS109に進み、蓄
積回数nを1インクリメントして、ステップS108に
戻る。一方、蓄積回数nが第1所定回数n1より大きい
場合(ステップS105でYES)、ステップS110
に進み、積分停止信号RONがローレベルになり、同時
に、信号LCKの周期の数倍(図10では2倍)の間セ
ンサリセット信号RCLがハイレベルになる。次に、ス
テップS112において、信号CONを監視する。信号
CONがハイレベルである場合(ステップS112でY
ES)、ステップS103に進む。一方、信号CONが
ローレベルである場合(ステップS112でNO)、ス
テップS111に進み、処理1周期分待機する。
【0064】つまり、信号CONがハイレベルである間
はこの動作が繰り返され、所定回数n1で決まる周期ご
とに座標値演算が行われる。また、ごみなどの影響で、
信号CONがドロップしても、1回のみは状態を保持す
るように、ステップS111が設けられている。もし、
連続して2周期の間、信号CONがローレベルである場
合(ステップS102でNO)、ステップS113に進
み、フラグponが0にリセットされ、シンク信号待ち
の状態になって、初期状態に戻る。
【0065】このドロップアウト対策部分は、1周期で
なくもっと長くすることも可能であり、外乱が少なけれ
ば、逆に短くしてしまってもよいことは言うまでもな
い。尚、ここの1周期を前述のデータブロックの周期の
自然数倍として、シンクコードのタイミングと一致さ
せ、信号CONの代りにシンクコード検出信号を用いて
も同様の動作を行える。
【0066】また、座標検出器に到達する指示具4の光
は、指示具4に内蔵された電源(電池)44の消耗によ
り変動する他、指示具4の姿勢によっても変動する。特
に、スクリーン10の光拡散性が小さい場合、表示画像
の正面輝度は向上するが、この指示具4の姿勢によるセ
ンサへの入力光量の変動が大きくなってしまう。しかし
ながら、本発明では、このような場合であっても、積分
回数が自動的に追従して常に安定した出力信号を得るこ
とができるので、安定した座標検出が可能となる優れた
効果が得られる。また、ポインタとして光があまり散乱
されずにセンサに入射した場合は、かなり強い光が入る
ことになるが、このような場合であっても安定した座標
検出ができることは明らかである。
【0067】また、画面に直接接触させて使用するLE
Dを用いたペンとポインタとを併用する場合、LEDは
より大きな光量のものが使用可能であるので、前記図1
1に示した積分回数である第1所定回数n0,第2所定
回数n1をID信号によってペンかポインタかを判別し
て切替を行い、ペンの場合はサンプリングを高速に、ポ
インタの場合は低速にすることも可能である。実際、文
字入力のように繊細な描画作業はポインタでは不可能で
あり、むしろ低速サンプリングによって滑らかな線を描
けるほうが使い勝手がよく、このような切替を設けるこ
とも有効である。
【0068】以上説明したように、点滅光に高周波数の
キャリアを加え、そのキャリアを周波数検波して得た所
定周期の復調信号によって積分動作のタイミング制御を
行うようにしたので、指示具と搬像部とをコードレスで
同期させることができ、使い勝手の良い座標入力装置を
実現することができる。また、レーザービームを用いる
ことによって画面から離れた位置で容易に繰作すること
が可能となる優れた利点も得られる。また、積分部から
の差分信号中のピークレベルが所定レベルを超えことを
検出し、積分動作を停止させる積分制御手段を設けたの
で、光量が変化してもほぼ一定レベルの光スポット像の
信号を作成でき、これにより、常に安定した高分解能な
座標演算結果を得ることができる。 <座標値演算>座標演算部32における座標演算処理に
ついて説明する。
【0069】上述したようにして得られた4つのリニア
センサ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの出力
信号(アンプ29からの差分信号)は、センサ制御部3
1に設けられたAD変換部31Aでデジタル信号として
座標演算部32に送られ、座標値が演算される。座標値
の演算は、まず、X座標、Y座標の各方向の出力に対し
て求める。尚、演算処理は、X座標、Y座標同様である
ので、X座標値の演算についてのみ説明する。
【0070】リニアセンサ20Xa,20Xbはそれぞ
れ、図12に示すように、スクリーン10の縦半分の検
出領域として構成されており、その中央付近では、検出
領域が重複している。
【0071】リニアセンサ20Xaは、スクリーン10
のSXa領域に光スポットがある場合に光を検出し、リ
ニアセンサ20Xbはスクリーン10のSXb領域に光
スポットがある場合に光を検出する。重複領域では、両
センサで検出が行われる。
【0072】そして、本発明では、得られたリニアセン
サ20Xa,20Xb,20Ya,20Ybの出力のピ
ーク値に基づいて、座標値の判定を行う。
【0073】次に、本実施形態の座標演算処理の処理フ
ローについて、図13を用いて説明する。
【0074】図13は本実施形態の座標演算処理の処理
フローを示すフローチャートである。
【0075】尚、リニアセンサ20Xa,20Xbの各
リングCCD26の出力をDXa、DXbとする。この
値は、先に説明したように、AD変換された値であるか
ら、リングCCD26の各画素ごとの光検出量に応じた
電圧値である。そこで、各データの最大値をもって、ピ
ークレベルを決定することができる。
【0076】また、リニアセンサ20Xa,20Xbで
検出される座標を、それぞれCCDXa、CCDXbと
する。
【0077】まず、ステップS201で、任意の座標入
力点での各画素の差分信号である差分データDXa
(n)(本実施形態の場合、画素数n=64)が読み込
まれ、バッファメモリ(不図示)に貯えられる。ステッ
プS202で、あらかじめ設定しておいた閾値Vと比較
し、閾値以上のデータ値Exa(n)を算出する。この
データ値Exa(n)を用いて、ステップS204で、
リニアセンサ20Xa上の座標CCDXaを算出する。
本実施形態では、重心法により出力データの重心を算出
しているが、出力データExa(n)のピーク値を求め
る方法(例えば、微分法による)等、計算の方法はこれ
に限定されないことは言うまでもない。
【0078】同様にして、リニアセンサ20Xb上の座
標CCDXbも算出する。
【0079】これら算出された座標値は、リニアセンサ
20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26上で
の画素に対応した座標である。そのため、これらの座標
値を連結することで一つのリニアセンサ20Xa,20
Xb上での座標値として扱えるようになる。
【0080】そこで、リニアセンサ20Xa,20Xb
のそれぞれのリニアCCD26上での画素に対応した座
標値を連結するための基準座標を定義する。
【0081】この基準座標の定義について、図14を用
いて説明する。
【0082】図14は本実施形態の基準座標の定義を説
明するための図である。
【0083】図14は、リニアセンサ20Xa,20X
bのそれぞれのリニアCCD26の座標を概念的に配置
した構成を示している。リニアセンサ20Xa,20X
bの検出領域は、先に説明したように重複部分を有して
いるため、その座標位置を重ねると、同図のようにな
る。
【0084】この時、リニアセンサ20Xa,20Xb
のそれぞれのリニアCCD26が共に測定可能な領域
で、基準点をあらかじめ定義する。つまり、スクリーン
10上の重複部分に入力を行い、座標CCDXa,CC
DXb(CCDXa_org,CCDXb_org)と
して読み込む。これらの値を、基準点データ(基準座
標)として、EEPROM等の不揮発性メモリ(不図
示)に記憶しておき、通常の使用時にはこの値を読み出
して、座標値演算を行う。
【0085】以下、これらの基準点データを用いて、リ
ニアセンサ20Xa,20XbのそれぞれのリニアCC
D26上での画素に対応した座標値を連結した連結座標
CCDXの算出処理について、図15を用いて説明す
る。
【0086】図15は本実施形態の連結座標CCDXの
算出処理の処理フローを示すフローチャートである。
【0087】まず、ステップS207で、リニアセンサ
20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26の基
準点データ(CCDXa_org,CCDXb_or
g)をメモリから読み込む。ステップS208で、指示
具4からの入力がなされた時に計算されるCCDXa、
CCDXbの値と、基準点データの差分を算出する。こ
れにより、図14の中央付近にある直線L1の点を原点
としたリニアCCD上の座標に変換される。
【0088】次に、ステップS209で、CCDXaが
0より大きいか否かを判定する。本実施形態では、Xa
を基準として、CCDXaの値が0より大きい場合、つ
まり、L1より左側の値がある場合には、連結CCD座
標CCDXとして、CCDXaの値を採用する。一方、
0未満の場合には、連結CCD座標CCDXとして、C
CDXbの値を採用することで、L1を境にリニアセン
サ20Xa,20XbのそれぞれのリニアCCD26の
座標値を連結できる。
【0089】尚、この連結のための判定は、CCDXa
の値で行っているが、これに限定されるものでなく、C
CDXbの値、また両者を用いても良い。
【0090】具体的には、CCDXaが0より大きい場
合(ステップS209でYES)、ステップS210に
進み、CCDX=CCDXaとして、ステップS212
に進む。一方、CCDXaが0未満である場合(ステッ
プS209でNO)、ステップS211に進み、CCD
X=CCDXbとして、ステップS212に進む。
【0091】そして、ステップS212で、上記の処理
で得られたCCDXから、スクリーン10上の座標値X
への変換を行う。座標値Xの変換は、あらかじめ測定さ
れ、不揮発メモリ等に記憶された倍率αとオフセットβ
を用いて、以下の式を用いて行う。
【0092】X = CCDX・α+β 尚、倍率α及びオフセットβは、基準点データと同様
に、あらかじめ、既知の複数点での入力作業を行いその
時のCCDX座標値とスクリーン10上の座標値から換
算すれば良い。
【0093】以上の処理は、X座標について説明を行っ
たが、同様にして、Y座標についても行う。
【0094】上述したように、リニアセンサ20Xa,
20XbがそれぞれリニアCCDを有するような複数の
リニアCCD26を用いて座標算出を行う場合には、リ
ニアCCDに重複部分を設け、その部分で基準となる基
準座標(基準点データ)点を設定することで、あたかも
一つのリニアCCDのように扱うことができる。また、
取り付けのばらつきをも吸収できるため、分解能等の低
下を招くことなく、より大きな領域の座標入力を可能に
する。
【0095】そして、上述のような演算処理によって算
出した座標値(X,Y)を示すデータ信号は、座標演算
部32から通信制御部33に送られる。この通信制御部
33には、そのデータ信号と、制御信号検出部72から
の制御信号とが入力される。そして、これらデータ信号
および制御信号は、ともに所定の形式の通信信号に変換
され、外部の表示制御装置に送出される。これにより、
スクリーン10上のカーソルやメニュー、文字や線画の
入力などの各種操作を行うことができる。
【0096】また、リニアセンサをエリアセンサとして
構成し、分解能を2倍にする場合には、4倍の画素数と
演算データとが必要となるのに対して、リニアセンサと
して構成する場合には、X座標、Y座標各々2倍の画素
数と演算データにするだけで済む。従って、画素数を増
やしてさらに高分解能にすることも容易にできる。
【0097】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、指示具により所定の周期で点滅する光スポットの点
灯時と非点灯時との信号を別々に積分して、それらの差
分信号を算出する。これにより、ピークレベルの画素の
位置を精度よく算出することができる。また、複数のリ
ニアCCDをそれらの検出領域が重複するように配置
し、その検出領域内で座標の基準点を設定することによ
って、高精度、高分解能の座標値を得ることができ、さ
らには外乱光の影響を抑制し、小型、軽量、低コストな
装置を実現することができる。
【0098】尚、上記実施形態では、X座標、Y座標の
各座標とも2つのリニアセンサを構成して座標を算出す
るように構成していたが、これに限定されない。より巨
大なエリアに対応するために、さらにリニアセンサの数
を増やす場合でも、隣り合うリニアセンサに重複部分を
設け、その重複部分に基準点を設定することで、本発明
が適用可能であり、実施形態中の数に限定されるもので
はない。
【0099】工業製品においては、取り付け位置、部品
公差等のいわゆるばらつきと呼ばれる誤差を含んでい
る。
【0100】上述のように、複数のリニアCCDの出力
を連結させる際に、各々のばらつきにより、誤差を生じ
ることがある。
【0101】例えば、上記実施形態において、リニアセ
ンサ20Xa,20Xbが同じ軸上にあれば良いが、図
16に示すように、片方のリニアセンサ20Xaに対し
て、もう片方のリニアセンサ20Xbがθ傾いている場
合、接続点で、誤差が生じることになる。この場合、図
17に示すように、接続点で、段差が生じ、座標の進み
や戻り、つまり、左から右に直線を引くような場合にX
座標値が前後するような不連続が生じることになる。
【0102】このような誤差を軽減するために、図17
のCCDXa座標切替点の端点の入力に対する各々の座
標を測定する。
【0103】上端のX座標をXau、Xbu、下端のX
座標をXad、Xbd、上端基準点から下端基準点まで
の距離をYdistとすれば、補正すべきセンサ座標量
ΔXはy座標を用いて ΔX=y・Ydist/((Xau−Xbu)−(Xa
d−Xbd)) で算出される。
【0104】また、上端のY座標をXar、Xbr、下
端のX座標をXa1、Xb1、上端基準点から下端基準
点までの距離をXYdistとすれば、補正すべきセン
サ座標量ΔYはx座標を用いて ΔY=x・Xdist/((Yar−Ybr)−(Ya
1−Xb1)) で算出される。
【0105】このΔX、ΔYを用いて、例えば、CCD
Xb座標を補正し、切替を行えば、座標の不連続を生じ
ることは無い。
【0106】この場合、画面全体の傾きなどには対処し
ていない。あくまで、リニアセンサ20Xaセンサ等、
一方のセンサ出力を基準として、もう一方のセンサ出力
を補正する方法であり、座標系の変形等は別途補正する
必要がある。
【0107】これについては、上記補正後にいわゆる、
2次元座標変換を行えば、解決可能である。
【0108】他のばらつき要因として、レンズとCCD
間の距離のバラツキによるスケールのバラツキがある。
【0109】ある点から等距離の点の座標をCCDX
a,CCDXb双方の座標で比べた場合に、その大きさ
が異なる時がある。このような時には、例えば、リニア
センサ20Xaの大きさに合わせるように、リニアセン
サ20Xbのセンサ出力を補正すれば良い。例えば、基
準点から、等距離の点でのリニアセンサ20Xaのセン
サ出力をMXa,リニアセンサ20Xbのセンサ出力が
MXbである時には、補正係数κ=MXa/MXbなる
数値を持ち、CCDXb座標に乗ずることで補正可能に
なる。このような補正を行うことにより、複数のCCD
を用い、分解能を向上させるとともに、精度も保証可能
になる。
【0110】尚、本発明は、複数の機器(例えばホスト
コンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタ
など)から構成されるシステムに適用しても、一つの機
器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置な
ど)に適用してもよい。
【0111】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0112】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0113】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD
−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMな
どを用いることができる。
【0114】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0115】更に、記憶媒体から読出されたプログラム
コードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードや
コンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメ
モリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基
づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わる
CPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その
処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合
も含まれることは言うまでもない。
【0116】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明した図11、図13、図15
に示すフローチャートに対応するプログラムコードが格
納されることになる。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大画面及び高分解能で、かつ精度良く座標を入力するこ
とができる座標入力装置及びその方法、コンピュータ可
読メモリを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の座標入力装置の概略構成を示す図
である。
【図2】本実施形態の指示具の詳細構成を示す図であ
る。
【図3】本実施形態の指示具の動作モードを示す図であ
る。
【図4】本実施形態の座標検出器の詳細構成を示す図で
ある。
【図5】本実施形態の制御信号の復元動作におけるタイ
ミングチャートである。
【図6】本実施形態で扱われる信号のタイミングチャー
トである。
【図7】リニアセンサ20Xa,20Xb,20Ya,
20Ybの配置関係を示す図である。
【図8】本実施形態のリニアセンサの詳細構成を示す図
である。
【図9】本実施形態のリニアセンサの出力波形の一例を
示す図である。
【図10】本実施形態のリニアセンサのスキム動作を説
明するための出力波形の一例を示す図である。
【図11】本実施形態のリニアセンサの動作制御を示す
フローチャートである。
【図12】本実施形態のリニアセンサの構成を示す図で
ある。
【図13】本実施形態の座標演算処理の処理フローを示
すフローチャートである。
【図14】本実施形態の基準座標の定義を説明するため
の図である。
【図15】本実施形態の連結座標CCDXの算出処理の
処理フローを示すフローチャートである。
【図16】リニアセンサの傾きを説明するための図であ
る。
【図17】リニアセンサに傾きがある場合の座標切替点
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 座標検出器 2 座標検出センサ部 3 コントローラ 4 指示具 5 光スポット 6 受光素子 6a 集光レンズ 7 信号処理部 8 投射型表示装置 81 画像信号処理部 82 液晶パネル 83 ランプ 84 ミラー 85 コンデンサーレンズ 86 投影レンズ 20Xa、20Xb、20Ya、20Yb リニアセン
サ 21 センサアレイ 22 積分部 23 シフト部 24 蓄積部 25 リニアCCD 26 リングCCD 27 クリア部 28 スキム部 29 アンプ 31 センサ制御部 31A AD変換部 32 座標演算部 33 通信制御部 71 周波数検波部 72 制御信号検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 克行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小林 究 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長谷川 勝英 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金鋪 正明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5B068 AA01 AA04 AA21 AA36 BC03 BD09 BE08 BE12 DD11 5B087 AA00 AA02 AD01 AD02 AE03 BC32 CC26 CC33 DJ01

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指示具からの光を座標入力画面の所定位
    置に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに対
    応した座標を生成する座標入力装置であって、 少なくとも一座標軸あたりに、前記光スポットを検知す
    る複数の検知手段と、 前記複数の検知手段の各々の検知手段で検知されたデー
    タを連結する連結手段と、 前記連結手段で連結されたデータに基づいて、前記光ス
    ポットに対応する座標値を出力する出力手段とを備え、 前記複数の検知手段の受光エリアは重複部分を有するこ
    とを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 前記連結手段は、前記重複部分で検知さ
    れる光スポットに対応する座標値を測定する測定手段
    と、 前記測定手段で測定された座標値を基準座標値として記
    憶する記憶手段とを備えることを特徴とする請求項1に
    記載の座標入力装置
  3. 【請求項3】 前記記憶手段で記憶された基準座標値に
    基づいて、前記連結手段は、前記複数の検知手段の各々
    の検知手段で検知されたデータを連結することを特徴と
    する請求項2に記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】 前記連結手段は、更に、前記複数の検知
    手段の内、第1検知手段に対する第2検知手段の傾きと
    前記測定手段で測定された座標値に基づいて、前記基準
    座標値を補正する補正手段とを備えることを特徴とする
    請求項2に記載の座標入力装置。
  5. 【請求項5】 前記検知手段は、直線上に配列された複
    数の光電変換素子を有することを特徴とする請求項1に
    記載の座標入力装置。
  6. 【請求項6】 前記出力手段は、前記複数の光電変換素
    子に対応する画素数以上の分解能で前記光スポットに対
    応する座標値を演算する演算手段とを備えることを特徴
    とする請求項5に記載の座標入力装置。
  7. 【請求項7】 指示具からの光を座標入力画面の所定位
    置に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに対
    応した座標を生成する座標入力方法であって、 少なくとも一座標軸あたりに、前記光スポットを検知す
    る複数の検知部の各々で検知されたデータを連結する連
    結工程と、 前記連結工程で連結されたデータに基づいて、前記光ス
    ポットに対応する座標値を出力する出力工程とを備え、 前記複数の検知部の受光エリアは重複部分を有すること
    を特徴とする座標入力方法。
  8. 【請求項8】 前記連結工程は、前記重複部分で検知さ
    れる光スポットに対応する座標値を測定する測定工程
    と、 前記測定工程で測定された座標値を基準座標値として記
    憶媒体に記憶する記憶工程とを備えることを特徴とする
    請求項7に記載の座標入力装置
  9. 【請求項9】 前記記憶工程で前記記憶媒体に記憶され
    た基準座標値に基づいて、前記連結工程は、前記複数の
    検知部の各々で検知されたデータを連結することを特徴
    とする請求項8に記載の座標入力方法。
  10. 【請求項10】 前記連結工程は、更に、前記複数の検
    知部の内、第1検知部に対する第2検知部の傾きと前記
    測定工程で測定された座標値に基づいて、前記基準座標
    値を補正する補正手段とを備えることを特徴とする請求
    項8に記載の座標入力方法。
  11. 【請求項11】 前記検知部は、直線上に配列された複
    数の光電変換素子を有することを特徴とする請求項7に
    記載の座標入力方法。
  12. 【請求項12】 前記出力工程は、前記複数の光電変換
    素子に対応する画素数以上の分解能で前記光スポットに
    対応する座標値を演算する演算工程とを備えることを特
    徴とする請求項11に記載の座標入力方法。
  13. 【請求項13】 指示具からの光を座標入力画面の所定
    位置に照射して光スポットを生成し、前記光スポットに
    対応した座標を生成する座標入力のプログラムコードが
    格納されたコンピュータ可読メモリであって、 少なくとも一座標軸あたりに、前記光スポットを検知す
    る複数の検知部の各々で検知されたデータを連結する連
    結工程のプログラムコードと、 前記連結工程で連結されたデータに基づいて、前記光ス
    ポットに対応する座標値を出力する出力工程のプログラ
    ムコードとを備え、 前記複数の検知部の受光エリアは重複部分を有すること
    を特徴とするコンピュータ可読メモリ。
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