JP2001073975A - ロータリー圧縮機 - Google Patents

ロータリー圧縮機

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JP2001073975A
JP2001073975A JP24743199A JP24743199A JP2001073975A JP 2001073975 A JP2001073975 A JP 2001073975A JP 24743199 A JP24743199 A JP 24743199A JP 24743199 A JP24743199 A JP 24743199A JP 2001073975 A JP2001073975 A JP 2001073975A
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JP
Japan
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vane
roller
rotary compressor
dead center
spring
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Application number
JP24743199A
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English (en)
Inventor
Hidenobu Shintaku
秀信 新宅
Mitsuhiro Ikoma
光博 生駒
Fumitoshi Nishiwaki
文俊 西脇
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C21/00Component parts, details or accessories not provided for in groups F01C1/00 - F01C20/00
    • F01C21/08Rotary pistons
    • F01C21/0809Construction of vanes or vane holders
    • F01C21/0818Vane tracking; control therefor
    • F01C21/0827Vane tracking; control therefor by mechanical means
    • F01C21/0845Vane tracking; control therefor by mechanical means comprising elastic means, e.g. springs

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、起動時に、ベーンがローラ外周あるい
はローラ溝と衝突することを繰り返すチャタリングが発
生していた。 【解決手段】 軸受部と偏心部を有するクランク軸2、
シリンダ5、ベーン26、およびシリンダ5内で偏心運
動するローラ27を有する圧縮機構部と、その圧縮機構
部を駆動する駆動部と、圧縮機構部と駆動部を収容する
密閉容器とを備え、圧縮機構部に、ローラ27の外側の
ローラ側連結部24とベーン26の先端部(ベーン側連
結部23)とを連結する連結ピン22をさらに設ける。
ベーン26とローラ27を連結する連結ピン22を設け
ることで、上死点から下死点へローラ27が移動する際
も追従してベーン26が移動するため、ローラ溝29か
らベーン26が外れることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば冷凍冷蔵
庫や空調機等に用いられるロータリー圧縮機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】代表的な回転式流体機械であるロータリ
ー圧縮機はそのコンパクト性や構造が簡単なことから、
冷凍冷蔵庫や空調機などに多く使用されている。圧縮機
の主要構成部品であるベーンやローラなどを有する圧縮
機構部は、例えば、川平著、密閉形冷凍機(平成5年、
日本冷凍協会)第14頁、図6.1に記載されている。
また、高効率化、高信頼性化のために、ローラ外周にベ
ーン先端を収容する凹状の溝を形成したローラ揺動タイ
プのものは、例えば、実開昭55−180989、特開
平2−23289などに記載されている。
【0003】以下に、図7および図8を用いて、従来の
揺動タイプのロータリー圧縮機の動作について説明す
る。
【0004】図7は従来のローラ揺動タイプのロータリ
ー圧縮機の縦断面図であり、図8(a)はそのA−A部
(シリンダ中央部)の横断面図で、ローラが下死点に位
置する状態を示したものである。
【0005】密閉容器1内に、偏心部を有するクランク
軸2とクランク軸2を支える主軸受3、副軸受4と、シ
リンダ5と、ベーン6と、前記シリンダ5内で偏心回転
するローラ7とからなる圧縮機構部を構成している。
【0006】図8(a)に示すように、先端が円弧状の
ベーン6は、シリンダ5のベーン溝8内を往復運動し、
その先端部はローラ7外周に設けられた凹状のローラ溝
9に収容され、ベーンばね10によるばね力およびシリ
ンダ5の内外の圧力差による力によって、ローラ溝9に
押し付けられて、ローラ溝9と接触し揺動運動の摺動を
しながら、シリンダ5内を吸入室11と圧縮室12に分
割している。
【0007】図8(a)の点Oはシリンダ5とクランク
軸2の中心で、クランク軸2は中心Oから偏心量eだけ
偏心した点Pを中心とするクランクピン13を有し、ク
ランクピン13にはローラ7が嵌合されており、ステー
タ14およびロータ15からなる電動機によりクランク
軸2が矢印Bの方向に回転してローラ7がシリンダ5内
を公転することにより、冷媒ガスを吸入管16から吸い
込み、吐出口17に圧縮しながら送る。吐出口17にき
た冷媒ガスは吐出弁(図示せず)から密閉容器1内を通
り吐出管18から冷凍サイクル側に送られる。このよう
に冷媒ガスの圧縮作用を行うものである。
【0008】なお、図8(b)は(a)の下死点からク
ランク軸2が90°回転した状態をしめしたもので、ロ
ーラ7は、ローラ溝9でベーン先端部19により回転を
規制されながら、ベーン先端部19の円弧中心を中心に
揺動運動しながら、クランク軸2の中心の回りを公転す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、起動時に、比較的大きいチャタリング音
が数秒発生し、問題となっていた。このチャタリング音
の原因は、ベーン先端部19がローラ溝9の縁またはロ
ーラ7の外周面と衝突する際に生じる衝突音である。
【0010】起動時にベーン6の先端部がローラ溝9か
らはずれ衝突する様子を図9を用いて説明する。
【0011】図9(a)に示す下死点位置から、ローラ
溝9にベーン6の先端部が収容されている状態から、ク
ランク軸2の回転に伴いローラ7が上死点位置に向かっ
て回転する区間(図9(b)参照)では、ベーン6はク
ランク軸2の回転に伴いローラ7により図の上方に押し
上げられるので、ベーン6の先端部がローラ溝9から離
れることはない。
【0012】しかし、クランク軸2の回転に伴いローラ
7が上死点位置を過ぎ下死点に向かう区間では、ローラ
7は図の下方に下がるが、ガス圧力による力が作用しな
い起動時には、ベーン6を押し下げる力は、ベーンばね
10による押し付け力のみである。この力がベーン6と
ベーン溝8との間に働く粘性力とベーン6の慣性力に打
勝ちながら、ベーン6を下方に押し下げるが、ばね力が
大きくないとその押し下げる速度がローラ7の下がる速
度より遅くなり、図9(a)に示すようにベーン6の先
端がローラ溝9より離れる。さらにクランク軸2の回転
に伴い、ローラ7は矢印Bの方向に回転するためローラ
溝9は、ベーン6の先端から遠ざかっていき、下死点か
ら上死点に向かう区間で、ローラ7が上方へ押し上げら
れ、ベーンばね10により押し下げられてきたベーン6
の先端とローラ7の外周面が衝突する。その後、矢印B
方向に回転してきたローラ溝9がベーン6の先端と出く
わし、ローラ溝9の縁とベーン6の先端部が衝突する。
このようにして、衝突しチャタリング音が発生する。
【0013】この衝突が何度か繰り返され、少しずつ冷
媒ガスが圧縮されガス圧力があがり、ベーン6をローラ
7に押し付けるガス力が働くようになると、ローラ溝9
にベーン6の先端部がはまり収容され、衝突しなくなり
チャタリング音がしなくなる。
【0014】このようにして、ベーン6の先端部と、ロ
ーラ溝9またはローラ7の外周面が衝突し、その際発生
する音が、上述のチャタリング音となって発生し、揺動
タイプのロータリー圧縮機おいて騒音及び信頼性の観点
から問題となっていた。
【0015】本発明は、上述した従来の課題を考慮し、
起動時に発生するチャタリングを防止し、振動や騒音が
小さいロータリー圧縮機を提供することを目的とするも
のである。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の本発明(請求項1
に対応)は、軸受部と偏心部を有するクランク軸、シリ
ンダ、ベーン、および前記シリンダ内で偏心運動するロ
ーラを有する圧縮機構部と、その圧縮機構部を駆動する
駆動部と、前記圧縮機構部と前記駆動部を収容する密閉
容器とを備え、前記圧縮機構部が、前記ローラの所定の
一部と前記ベーンの所定の一部とを連結する連結手段を
さらに有することを特徴とするロータリー圧縮機であ
る。
【0017】第2の本発明(請求項5に対応)は、軸受
部と偏心部を有するクランク軸、シリンダ、ベーン、ベ
ーン溝、ベーンばね、および前記シリンダ内で偏心運動
するローラを有する圧縮機構部と、その圧縮機構部を駆
動する駆動部と、前記圧縮機構部と前記駆動部を収容す
る密閉容器とを備え、前記ローラの外周には、前記ベー
ン先端が当接収容される凹状の溝部が設けられており、
前記ベーンばねのばね荷重、および前記ローラの回転加
速度が、少なくとも1回目に前記ローラが上死点から下
死点に移動するさい、前記ベーンがチャタリングを発生
させないような数値に設定されていることを特徴とする
ロータリー圧縮機である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のいくつかの実施
の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】本発明の実施の形態のロータリー圧縮機の
構成は、ベーン溝部及びローラ溝部などの一部を除いて
図7〜9で説明した従来例と概略同様な構成であり、本
発明の実施の形態において、前述の従来例について説明
した構成部分と同様な部分については、同一符合を付
し、その説明を省略する。
【0020】尚、本実施の形態におけるロータリー圧縮
機の説明は、HFC134aやR410A、ハイドロカ
ーボン(HC)等の塩素を含まない冷媒や、二酸化炭素
などの冷媒を、冷凍及び空調サイクル装置などに用いた
場合のものを主にしているが、従来の冷媒HCFC22
などにも同様に適用可能である。
【0021】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
ついて、図1、図2を用いて説明する。
【0022】図1は本発明の実施の形態1におけるロー
タリー圧縮機の主要部の横断面図である。図2は主要部
品の斜視図である。
【0023】図1、図2に示すように、本実施の形態で
は、ベーン26に、座ぐり部23aと連結穴23bを有
するベーン側連結部23を、主軸受、副軸受と接する
面、すなわち図2のベーン側面26a、26b側で吸入
室側の側面26cに寄ったベーン26先端付近に設けて
いる。同様に、ローラ27に、座ぐり部24aと連結穴
24bを有するローラ側連結部24を、主軸受、副軸受
と接する面、すなわち図2のローラ端面27a、27b
の外周面付近でローラ溝29の吸入室側に設けている。
両連結部23、24を連結する連結ピン22は、両連結
穴23b、24bに各々挿入されるピン部22a、22
bと、両ピン部22aおよび22bを支持するピン支持
部22cを有している。
【0024】また、図1、2に示すように、座ぐり部2
3a、24a及び連結ピン逃げ部25は、ローラ27が
公転運動運動する際、ピン支持部22cを可動自在にす
る空間を確保するために設けている。この空間が圧縮室
12側にあるとデッドボリュームとなり性能低下に影響
するが、図1に示すようにこの空間を吸入室11側に設
けることで性能へ影響しないようにしている。当然、座
ぐり部23a、24aは、吸入室11と吐出室(圧縮
室)12を連通させないために吐出側に出ないよう形成
されている。このピン逃げ部25はできるだけ小さくも
しくはなくすためや、連結ピン22を小さくするため
に、ベーン側及びローラ側連結部23、24は、なるだ
けベーン26先端部付近に設けられている。
【0025】ピン部22a、22bは円形状であり、ベ
ーン側連結穴23bはローラ27が揺動運動するため
に、長穴形状としている。ローラ側連結穴24bは、ピ
ン部22bより少し大きい円形状として、回転可能にし
ている。
【0026】この構成によれば、クランク軸2の回転に
よりローラ27が上死点位置から下死点まで矢印B方向
に公転し移動する際も、ベーン26は連結ピン22を介
して、ローラ27の移動と共に下死点まで下方に移動す
る。なお、この際、ローラ27は常にクランク軸2の方
向に回転する力が作用しているためベーン26の先端部
はローラ溝29に接触する方向の力を受けながらローラ
27とともに下死点まで移動する。したがって、ベーン
26の先端部がローラ溝29よりはずれることがなく、
問題となっていたチャタリング発生を防止することがで
きる。
【0027】なお、図1の例では、従来同様にベーンば
ね30を用いた構成を示したが、ベーンばね30を用い
ない構成でも十分効果が得られることは言うまでもな
く、さらにはベーンばね30が収容される穴の加工が必
要なくるため、シリンダ5の加工が減り生産性を向上で
きるほか、ベーン溝28のシール長を長くできベーン溝
28からの冷媒ガスの漏れも減少でき効率も向上でき
る。
【0028】また、連結ピン22のピン支持部22cを
ばねで構成しても同様の効果が得られるとともに、ベー
ン26側のピン穴(連結穴)23bが円形でもローラ2
7の揺動運動に追従することができ、加工が容易とな
る。
【0029】なお、上述した実施の形態1では、ベーン
26とローラ27とを連結するために、ベーン側連結穴
部23と、ローラ側連結部24とを設けるとしたが、ベ
ーン側連結穴部23およびローラ側連結部24は、必ず
しも設ける必要はない。要するに、起動時にベーン26
がローラ27から離れないようにするための連結手段に
よって、ベーン26をローラ27から離さないようにし
さえすればよく、そのようにすれば、起動時にチャタリ
ングを発生させることはない。したがって、騒音や振動
が小さくなる。また、起動時にチャタリングを発生させ
ないようにするためには、連結手段で、ベーン26のど
の部分とローラ27のどの部分とを連結してもよい。
【0030】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2について、図3〜図4を用いて説明する。尚、本実
施の形態のロータリー圧縮機の主要な構成で、従来例と
同様なものは、同一の番号を用い説明する。
【0031】本実施の形態の特徴は、一定速で通常運転
されるロータリー圧縮機において上死点近傍でのベーン
ばね荷重を所定の値以上に設定できる特性を有するベー
ンばね10を用いた点である。
【0032】図3は、本発明の実施も形態2におけるベ
ーンばね10の荷重とばね縮み長さ(以後ばね縮長)の
関係を示した特性図である。インバータを用いた可変速
機では回転加速度を変えられるが通常一定速のロータリ
ー圧縮機の場合、起動時の回転加速度は約100〜40
0Hz/sにほぼ含まれる。図4は、起動時のローラ7
の回転加速度が実質上100Hz/sであるときの、単
位ばね荷重とチャタリング発生率の関係を示した図であ
る。ここで、単位ばね荷重は、上死点位置でのベーン6
の先端部を除く側面(図2に示す、26a、26b、2
6c、26d)に対応する部分であって、シリンダ5と
上軸受、下軸受で構成されるベーン溝8との摺動面とな
る接触面積Sと、上死点位置でのベーンばね10の荷重
Fとの比F/Sで示している。
【0033】チャタリング発生を防止するためには、上
死点から下死点へローラ7が移動する際、ベーン6がロ
ーラ7に追従して下死点に移動しなければならない。そ
のために、ベーン6がベーン溝8との間に介在するオイ
ルによる粘性力やベーン溝8との摩擦力などに打ち勝つ
力をベーンばね10で与える必要がある。チャタリング
は、オイル温度が低い時の起動時に発生しやすく、オイ
ル粘度が高いことが要因となっているため、その起動時
のベーン6の挙動にはオイル粘性力が支配的に影響して
いる。
【0034】そこで、上死点位置での単位ばね荷重(F
/S)とチャタリング発生率の関係をみると図4の傾向
を示し、単位ばね荷重が矢印Xで示す約0.3(kgf
/cm2)以上でチャタリング発生率が0%となること
がわかった。この結果をもとに、ベーンばね10の上死
点位置での荷重を上記値となる様に設定することで、チ
ャタリング発生を防止することができる。
【0035】なお、ベーン6の大きさや形状により、そ
の慣性力や摩擦力などの影響も無視できなくなるが、家
庭用の冷凍機、空調機用の圧縮機を対象とする従来の一
定速のロータリー圧縮機の範囲では、回転加速度が10
0〜400Hz/sの間にほぼある為、図4の場合より
回転加速度が低い範囲では単位ばね荷重が0.3kgf
/cm2より低い値でもチャタリングが生じず、ほぼ上
記の結果が適用できる。
【0036】図3は、本発明に適用可能なベーンばね1
0の特性を示したもので、SP−aが従来のベーンバネ
の特性で、上死点、下死点位置では荷重P2a、P2b
を示す。前述のように、チャタリング防止のため、単位
ばね荷重F/Sが約0.3(kgf/cm2)以上とな
るように、上死点位置での荷重をP2bまで増加させた
ベーンばね特性を、SP−b、SP−cに示す。SP−
bはベーンばね特性が線形の場合であり、下死点位置で
の荷重P1bも従来の荷重P1aより増加するが、その
性能への影響は小さい。SP−cは、ベーンバネ特性が
非線型(下死点付近より、上死点付近でのばね定数が大
きくなる特性)の場合で、下死点での荷重P1cを従来
より減少させることが可能であり、ベーン6先端での摺
動損失を低減できるものである。このような特性を有す
るバーンばねには、タケノコばねや、不等ピッチコイル
ばね、二重コイルばねなどを用いるとよい。
【0037】上述のようなベーンバネ特性を有する構成
によれば、実施の形態1のように新たに部品を追加する
ことなく、上死点位置での単位ベーンばね荷重を0.3
(kgf/cm2)以上に設定できるため、容易にまた
安価にチャタリングを防止することができる。
【0038】(実施の形態3)次に、本発明の実施の形
態3について、図5〜図6を用いて説明する。尚、本実
施の形態のロータリー圧縮機の主要な構成で、従来例と
同様なものは、同一の番号を用い説明する。
【0039】本実施の形態の特徴は、起動時、クランク
軸2を所定の回転加速度(角加速度に相当)で起動させ
る点である。
【0040】図5は、クランク軸2の起動からの経過時
間に対する回転速度の変化の様子である加速特性を示し
たものである。従来のロータリー圧縮機のベーンばねの
単位ばね荷重は0.08〜0.2kgf/cm2の範囲
にあり、図6は、実施の形態2で説明した単位ばね荷重
が実質上0.08kgf/cm2であるときの、起動時
のローラ7の回転加速度に対するチャタリング発生率を
示したものである。
【0041】チャタリングの発生を防止するためには、
上死点から下死点へローラ7が移動する際、ベーン6が
ローラ7に追従して下死点に移動しなければならない。
スペース制約のため実施の形態2で示したように、べー
んばね10を設計できない場合には、設計可能なべーん
ばね10を用いるとともに、ベーン6が上死点から下死
点へ移動する速度にあわせてローラ7が移動するよう
に、クランク軸2の回転加速度を設定し回転速度を加速
していくことで、ベーン6がローラ溝9から飛び出さな
いようにできる。
【0042】そこで、その回転加速度を変えてチャタリ
ング発生率をみると、図6の傾向を示し、回転加速度が
矢印Yでしめす約30(Hz/s)以下にするとチャタ
リング発生率が0%となることがわかった。この結果を
もとに、従来のベーンばねの単位ばね荷重が0.08よ
り高い場合は、所定の回転速度Nsでの回転加速度を3
0(Hz/s)以下とすることで、チャタリングを防止
することができる。
【0043】なお、ベーン6の大きさや形状により、そ
の慣性力や摩擦力などの影響も無視できなくなるが、家
庭用の冷凍機、空調機用の圧縮機を対象とする範囲で
は、ほぼ上記の結果が適用できる。
【0044】図5で、本実施の形態に用いた加速特性に
ついて説明する。従来の加速特性をしめす直線SP−1
は、回転加速度α1で経過時間0からT1間で回転速度
Nsまで加速している。本実施の形態に用いた加速特性
は直線SP2であって、その直線SP2では、設定回転
速度Nsまでは、上述の30(Hz/s)となる一定回
転加速度α2の直線としている。これによりチャタリン
グを防止することができる。また、起動時の回転加速度
をより低くするため曲線SP4で示すような加速特性に
しても同様の効果が得られることは、いうまでもない。
【0045】以上説明したように、あらたな部品を追加
することもなく、さらに従来のベーンばねを用いても、
安価にまた容易に起動時のチャタリング発生を防止でき
る。
【0046】上記実施の形態1〜3の構成とすること
で、運転条件が10MPa程度の高圧力となる二酸化炭
素を冷媒に用いる場合でも、チャタリング発生を防止す
ることができるため、騒音、振動を低減することがで
き、信頼性をも向上することができる。
【0047】尚、本発明のロータリー圧縮機において取
り扱う流体は、上述した第1〜第3の実施の形態におい
ては、HFC134a等の塩素を含まない冷媒や二酸化
炭素などの冷媒であるとして説明したが、これに限るも
のではない。
【0048】また、上記実施の形態1〜3をいずれかを
併用した構成にしてもよく、同等以上の効果があること
はいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明は、起動時に発生するチャタリングを防止
し、振動や騒音が小さいロータリー圧縮機を提供するこ
とを目的とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるロータリー圧縮
機の断面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるベーンとローラ
主要部の斜視図
【図3】本発明の実施の形態2の説明に用いるベーンば
ねの特性図
【図4】本発明の実施の形態2において、起動時のロー
ラ7の回転加速度が実質上400Hz/sであるとき
の、単位ばね荷重とチャタリング発生率の関係を示した
【図5】本発明の実施の形態3の説明に用いるクランク
軸の加速特性図
【図6】本発明の実施の形態3において、単位ばね荷重
がが実質上0.08kgf/cm2であるときの、起動
時のローラ7の回転加速度に対するチャタリング発生率
を示した図
【図7】従来のロータリー圧縮機の縦断面図
【図8】図7のA−A部の横断面図 (a):ローラ7が下死点に位置する状態を示した図 (b):ローラ7が下死点に位置していた状態からクラ
ンク軸2が90°回転した状態を示した図
【図9】チャタリング発生の説明に用いる図
【符号の説明】
2 クランク軸 5 シリンダ 6、26 ベーン 7、27 ローラ 8、28 ベーン溝 9、29 ローラ溝 10、30 ベーンばね 11 吸入室 12 圧縮室 22 連結ピン 23 ベーン側連結部 24 ローラ側連結部 25 連結ピン逃げ部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04C 18/356 F04C 18/356 Q W B (72)発明者 西脇 文俊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長谷川 寛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受部と偏心部を有するクランク軸、シ
    リンダ、ベーン、および前記シリンダ内で偏心運動する
    ローラを有する圧縮機構部と、その圧縮機構部を駆動す
    る駆動部と、前記圧縮機構部と前記駆動部を収容する密
    閉容器とを備え、 前記圧縮機構部は、前記ローラの所定の一部と前記ベー
    ンの所定の一部とを連結する連結手段をさらに有するこ
    とを特徴とするロータリー圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記連結手段によって連結される前記ロ
    ーラの所定の一部は、前記ローラの外側の所定の一部で
    あって、 前記連結手段によって連結される前記ベーンの所定の一
    部は、前記ベーンの先端部であることを特徴とする請求
    項1記載のロータリー圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記ローラの外側の所定の一部は、前記
    ローラの一方または両方の端面側に設けられたローラ側
    座グリ部と、そのローラ側座グリ部に設けられたローラ
    側連結穴とを有し、 前記ベーンの先端部は、前記ローラの一方または両方の
    端面に対応する面側に設けられたベーン側座グリ部と、
    そのベーン側座グリ部に設けられたベーン側連結穴とを
    有し、 前記連結手段は、前記ローラ側連結穴と嵌合する第1嵌
    合ピンと、前記ベーン側連結穴と嵌合する第2嵌合ピン
    と、前記第1嵌合ピンおよび前記第2嵌合ピンを支持す
    る支持部とを有することを特徴とする請求項2記載のロ
    ータリー圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記ローラと前記ベーンは、前記シリン
    ダ内部を、所定の流体が供給される吸入室と、前記流体
    が外部に吐出される側の吐出室とに分割し、 前記ローラ側座グリ部および前記ベーン側座グリ部は、
    前記吸入室側に設けられることを特徴とする請求項3記
    載のロータリー圧縮機。
  5. 【請求項5】 軸受部と偏心部を有するクランク軸、シ
    リンダ、ベーン、ベーン溝、ベーンばね、および前記シ
    リンダ内で偏心運動するローラを有する圧縮機構部と、
    その圧縮機構部を駆動する駆動部と、前記圧縮機構部と
    前記駆動部を収容する密閉容器とを備え、 前記ローラの外周には、前記ベーン先端が当接収容され
    る凹状の溝部が設けられており、 前記ベーンばねのばね荷重、および前記ローラの回転加
    速度は、少なくとも1回目に前記ローラが上死点から下
    死点に移動するさい、前記ベーンがチャタリングを発生
    させないような数値に設定されていることを特徴とする
    ロータリー圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記ローラが起動し始めたときの前記ロ
    ーラの回転加速度は実質上100〜400Hz/sであ
    って、 前記ローラが上死点に位置するときの前記ベーンばねの
    ばね荷重をFとし、前記ベーンと前記ベーン溝との接触
    面積をSとした場合、前記Fに対する前記Sの比F/S
    は、0.3kgf/cm2以上であることを特徴とする
    請求項5記載のロータリー圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記ベーンばねのばね定数は、前記ロー
    ラが下死点に位置するときよりも、前記ローラが上死点
    に位置するときの方が大きいことを特徴とする請求項5
    または6記載のロータリー圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記ローラが上死点に位置するときの前
    記ベーンばねのばね荷重をFとし、前記ベーンと前記ベ
    ーン溝との接触面積をSとした場合、前記Fに対する前
    記Sの比F/Sは実質上0.08〜0.2kgf/cm
    2であって、 前記駆動部は、前記ローラが起動し始めてから前記クラ
    ンク軸が所定の回転速度になるまでは、前記ローラの回
    転加速度の大きさを30Hz/s以下に制御することを
    特徴とする請求項5記載のロータリー圧縮機。
  9. 【請求項9】 塩素を含まない冷媒が流体として用いら
    れることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載
    のロータリー圧縮機。
  10. 【請求項10】 二酸化炭素を主成分とする冷媒が流体
    として用いられることを特徴とする請求項1から8のい
    ずれかに記載のロータリー圧縮機。
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