JP2001073801A - ガスタービン燃焼器の冷却蒸気制御方法 - Google Patents

ガスタービン燃焼器の冷却蒸気制御方法

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JP2001073801A
JP2001073801A JP24834099A JP24834099A JP2001073801A JP 2001073801 A JP2001073801 A JP 2001073801A JP 24834099 A JP24834099 A JP 24834099A JP 24834099 A JP24834099 A JP 24834099A JP 2001073801 A JP2001073801 A JP 2001073801A
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Kunio Ouchi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービン燃焼器の冷却蒸気制御方法に関
し、冷却蒸気の洩れを防止し、燃焼用空気への蒸気の混
入を少なくする。 【解決手段】 制御装置1には冷却蒸気供給系の圧力検
出器6、燃焼器12、出口蒸気温度検出器7、冷却通路
14の蒸気圧力の検出器8の各検出信号が入力される。
起動中、負荷運転中には制御装置1は、蒸気圧力検出器
8からの信号にバイアス値を加え、蒸気圧力が車室内空
気圧力よりも若干高くするように、流量制御弁4で冷却
通路14へ流入する蒸気量を、流量制御弁2で供給する
蒸気圧力を制御する。制御装置1はガスタービン停止後
は、開閉弁5を開き、乾燥空気を蒸気冷却系に流入し、
ドレンの発生を防止する。これにより起動中、昇速中に
燃焼空気への蒸気洩れによる混入を最小限に抑え、燃焼
の不安定をなくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービン燃焼器
の冷却蒸気制御方法に関し、冷却蒸気の洩れ量を少なく
し、燃焼空気への蒸気の混入を最小限に抑え、燃焼器の
起動から定常運転にわたって燃焼の安定性を確保するよ
うに蒸気の流量、温度、圧力を制御するようにしたもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年のガスタービンの高温化に伴い、ガ
スタービンの燃焼器を蒸気で冷却する方式が採用され始
めており、図2はその概略構成図である。10はガスタ
ービン、11は圧縮機、12は燃焼器であり圧縮機11
からの圧縮空気を導き、燃料を燃焼させて高温の燃焼ガ
スを発生させ、ガスタービン10に導き、ガスタービン
10のロータを回転させ、ガスタービンロータに接続し
た発電機を回転させる。燃焼器12は高温のガスを発生
させるために、壁内部に冷却通路14を設け、これに蒸
気を導いて蒸気で冷却することが行なわれている。冷却
用蒸気は蒸気タービンのボトミング系から抽気され、配
管15、開閉弁(遮断弁)13を経由して燃焼器12の
冷却通路14へ導かれ、燃焼器12壁面を冷却して回収
され、蒸気タービン側で有効利用される。このような蒸
気冷却方式においては、ガスタービン起動時から定常運
転時に必要とされる最大の圧力、流量の蒸気が冷却蒸気
通路14に供給されており、現状では特に蒸気流量や圧
力は運転中に制御されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、ガスタ
ービン燃焼器の冷却蒸気系統は、車室外部配管から外部
車室を貫通して車室内の冷却蒸気ヘッダーに導かれ、燃
焼器へ供給され、回収蒸気は逆に車室内から車室外へ導
かれる。この車室内の蒸気ルート途上では、各部の熱膨
張を緩和するためにシールリングが用いられており、こ
れらシールリングからの蒸気の洩れが発生し、あるいは
燃焼器壁内の冷却用通路に微少な傷があると、蒸気が燃
焼器の冷却用通路から洩れる可能性がある。
【0004】ガスタービンの起動、昇速途中、あるいは
低負荷域で上記のような蒸気洩れが発生していると、燃
焼用空気中に蒸気が混入することになり、燃焼が不安定
になり、洩れ蒸気量が多くなると、失火を起こす可能性
もある。又、このような蒸気冷却方式においては、高温
の燃焼ガスが逆に蒸気配管側に侵入しないように、蒸気
圧力は、通常燃焼ガス圧力(車室側燃焼用空気圧力)よ
り高い状態としており、蒸気が燃焼器側に洩れやすい状
況にある。
【0005】そこで本発明では、起動中から高出力域に
おいて蒸気圧力、流量を制御することにより蒸気圧力と
車室内圧力とのバランスを取り、蒸気圧力が最適な圧
力、流量となるようにして、蒸気の洩れ量を最小限に抑
えるような状態で冷却用蒸気を供給するガスタービン燃
焼器の冷却蒸気制御方法を提供することを課題としてな
されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために、次の(1)〜(3)の手段を提供する。
【0007】(1)ガスタービン燃焼器の冷却通路へ冷
却蒸気を導き、同燃焼器を冷却する方法であって、運転
中に冷却蒸気圧力と車室内圧力とを比較し、前記冷却蒸
気圧力が前記車室内圧力よりも所定の微少圧力だけ高く
なるように制御することを特徴とするガスタービン燃焼
器の冷却蒸気制御方法。
【0008】(2)ガスタービン燃焼器の冷却通路へ冷
却蒸気を導き、同燃焼器を冷却する方法であって、車室
内圧力に所定の微少圧力値だけ加えた圧力値を目標値と
して設定し、運転中に前記冷却蒸気の圧力を前記目標値
に近づくように制御することを特徴とするガスタービン
燃焼器の冷却蒸気制御方法。
【0009】(3)ガスタービン燃焼器の冷却通路へ冷
却蒸気を導き、同燃焼器を冷却する方法であって、前記
冷却蒸気の圧力を、運転中に燃料注入量又は回転数に応
じて増減させると共に、同冷却蒸気圧力が車室内圧力よ
りも所定の微少圧力だけ高くなるように制御することを
特徴とするガスタービン燃焼器の冷却蒸気制御方法。
【0010】本発明の(1)の方法は、燃焼器の冷却通
路へ導かれる蒸気圧力は車室内圧力より若干高めに設定
されるので、蒸気圧力と車室内圧力の差圧を小さくする
ことができる。洩れ蒸気量は、この差圧によって決ま
り、差圧が大きい程、洩れ蒸気量は多くなるので、昇速
中あるいは低出力域における蒸気洩れ量をできる限り少
なくするために、この差圧を小さくする必要がある。こ
のために、燃焼器へ供給される蒸気圧力を車室圧力+
「逆流防止最小差圧」に制御することにより、燃焼用空
気中への蒸気の洩れによる混入を最小限に抑えることが
でき、特に昇速中、あるいは低負荷域での燃焼への影響
を最小限として燃焼の不安定、失火を防止することがで
きる。
【0011】本発明の(2)の方法では、車室内圧力に
微少圧力、即ち「逆流防止最小差圧」を加えた圧力値を
目標値として設定し、冷却蒸気の圧力を目標値に近づけ
るように制御するので、上記(1)の発明と同様に、燃
焼用空気中への蒸気の洩れによる混入を最小限に抑える
ことができ、特に昇速中、あるいは低負荷域での燃焼へ
の影響を最小限にして燃焼の不安定、失火を防止するこ
とができる。
【0012】本発明の(3)では、冷却蒸気圧力を燃料
注入量又は回転数に応じて増減させ、かつ車室内圧力よ
りも「逆流防止最小差圧」の微少圧力だけ高くなるよう
に制御するので、上記(1)と(2)の発明と同様に、
燃焼用空気中への蒸気の洩れによる混入を最小限に抑え
ることができ、特に昇速中、あるいは低負荷域での燃焼
への影響を最小限にして燃焼の不安定、失火を防止する
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実
施の一形態に係るガスタービン燃焼器の冷却蒸気制御方
法を適用する制御系統図である。図において、15は冷
却蒸気が導かれる配管で、蒸気は蒸気タービンのボトミ
ング系から抽気して導かれる。2は流量制御弁であり、
燃焼器12の冷却蒸気をバイパスさせて、燃焼器12の
冷却通路14への蒸気の供給圧力を制御する。3は遮断
弁であり、燃焼器12への供給蒸気を開閉する。4は流
量制御弁であり、燃焼器12の冷却通路14への蒸気流
量を制御する。5は開閉弁であり、ドレン排出用の乾燥
空気の導入を開閉する。
【0014】6は圧力検出器で蒸気供給配管の蒸気圧力
を検出する。7は温度検出器であり、燃焼器12の冷却
通路14の出口蒸気の温度を検出する。8は圧力検出器
であり、冷却通路14内の蒸気圧力を検出し、車室内空
気圧力と比較するためのものである。
【0015】制御装置1には、上記の圧力検出器6、温
度検出器7、圧力検出器8からの検出信号がそれぞれ入
力され、後述するように蒸気供給側の供給圧力を調整す
る流量制御弁2、燃焼器冷却系の遮断弁3、燃焼器12
へ蒸気を供給する流量制御弁4、ドレン系の開閉弁5を
それぞれ制御するものである。
【0016】上記構成において、冷却蒸気系統の配管1
5には約300℃程度の冷却蒸気が導かれ、遮断弁3を
開き、流量制御弁4を経由して蒸気が燃焼器12の冷却
通路14へ導かれ、燃焼器12を冷却し冷却により温度
が約500℃以上となり、回収される。まず、起動前に
は、蒸気系統をウォーミングアップするため、遮断弁3
を微開として流量制御弁を開き、蒸気を冷却系統に流し
ウォーミングを行い、温度検出器7が所定の温度となる
まで行う。
【0017】起動時には、冷却蒸気の流量は少量で良
く、制御装置1により流量制御弁2を所定量開き、入口
側の流量制御弁4を制御して蒸気を燃焼器12へ流す。
蒸気圧力は圧力検出器8の圧力を参照し、車室内圧力よ
りわずかに高い圧力に設定する。制御装置1は、車室内
圧力を圧力検出器8で検出し、この圧力値に「蒸気の逆
流を防止する最小差圧」となるバイアスを加えて設定値
とし、この設定値となるように流量制御弁2、流量制御
弁4の開度を制御する。
【0018】負荷運転中では、制御装置1は出口の蒸気
温度を温度検出器7で検出し、出口蒸気温度が予め定め
られた負荷対設定温度となるように制御すると共に、出
口温度の上限値を超えないように流量制御弁4で蒸気流
量を調整することにより制御する。この場合の蒸気の供
給圧力は、供給系の配管15をバイパスする配管16に
設けられた流量制御弁2を調節し、圧力検出器6で検出
した圧力が予め定められた圧力となるように制御し、冷
却通路14へ流入する蒸気圧力が車室内圧力よりも高く
なるように制御する。
【0019】ガスタービンの停止時には、制御装置1
は、蒸気系統に蒸気の滞留によるドレン発生を防止する
ため、ガスタービン停止信号(又は回転数信号)により
開閉弁5を所定時間開き、乾燥空気を投入する。
【0020】上記に説明のように、制御装置1は、ウォ
ーミング、起動時、負荷運転時に、それぞれ圧力検出器
6、温度検出器7、圧力検出器8の各検出器からの検出
信号を取込み、流量制御弁2、遮断弁3、流量制御弁
4、開閉弁5をそれぞれ制御し、蒸気圧力を車室内圧力
よりも若干高い適正な圧力に制御し、蒸気の洩れを防
ぎ、安定した燃焼性を確保する。
【0021】上記の起動から負荷運転までの具体的な制
御例について説明すると、ガスタービン着火回転数を定
速の約20%速度とした場合、着火状態は約35%回転
数で安定する。従って、第1の制御方法は、35%回転
数以下では、流量制御弁4をできるだけ絞って供給蒸気
圧力を(車室圧力)+(逆流防止最小差圧)に制御し、
燃焼用空気中への蒸気の洩れによる混入を最小限とし、
昇速中、あるいは低負荷域での燃焼への影響を少なくし
て燃焼不安定、失火を防止する。35%回転以上では、
流量制御弁4の開度を次第に増加させる。
【0022】第2の制御方法としては、蒸気の圧力を圧
力検出器8で検出し、(車室圧力)+0.05〜0.1
μPa )を制御目標値に設定し、流量制御弁2,4の開
度を制御して燃焼器12の冷却通路14への蒸気の圧力
と流量を制御し、目標値に近づけるようにする。又、第
3の制御方法としては、燃料注入量に応じて、上記と同
様に冷却蒸気の圧力、流量を制御し、燃料注入量が多い
時には蒸気量も多く、注入量が少ないと蒸気量も少なく
するように比例制御し、かつ、蒸気圧力が車室内圧力よ
りもわずかに高くなるように制御する。又、燃料注入量
の代わりに回転数に比例させても良い。
【0023】上記のように冷却蒸気圧力を車室内圧力よ
りもわずかに高めに設定し、適正に制御することによ
り、特にガスタービンの昇速中と低出力域において、燃
焼用空気中への蒸気の洩れによる混入を最小限にするこ
とができ、燃焼器の不安定な燃焼が防止され、失火も防
止できる。
【0024】
【発明の効果】本発明のガスタービン燃焼器の冷却蒸気
制御方法は、(1)ガスタービン燃焼器の冷却通路へ冷
却蒸気を導き、同燃焼器を冷却する方法であって、運転
中に冷却蒸気圧力と車室内圧力とを比較し、前記冷却蒸
気圧力が前記車室内圧力よりも所定の微少圧力だけ高く
なるように制御し、又、(2)の発明では車室内圧力に
所定の微少圧力値だけ加えた圧力値を目標値として設定
し、運転中に前記冷却蒸気の圧力を前記目標値に近づく
ように制御し、更に(3)の発明では、冷却蒸気の圧力
を、運転中に燃料注入量又は回転数に応じて増減させる
と共に、同冷却蒸気圧力が車室内圧力よりも所定の微少
圧力だけ高くなるように制御することを特徴としてい
る。このような(1),(2),(3)の方法によれ
ば、燃焼用空気中への蒸気の洩れによる混入を最小限に
抑えることができ、特に、昇速中、あるいは低負荷域で
の燃焼への影響を最小限にして燃焼の不安定、失火を防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るガスタービン燃焼
器の冷却蒸気制御方法を適用する系統図である。
【図2】従来のガスタービン燃焼器の冷却蒸気システム
の構成図である。
【符号の説明】
1 制御装置 2,4 流量制御弁 3 遮断弁 5 開閉弁 6,8 圧力検出器 7 温度検出器 10 ガスタービン 12 燃焼器 15,16 配管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービン燃焼器の冷却通路へ冷却蒸
    気を導き、同燃焼器を冷却する方法であって、運転中に
    冷却蒸気圧力と車室内圧力とを比較し、前記冷却蒸気圧
    力が前記車室内圧力よりも所定の微少圧力だけ高くなる
    ように制御することを特徴とするガスタービン燃焼器の
    冷却蒸気制御方法。
  2. 【請求項2】 ガスタービン燃焼器の冷却通路へ冷却蒸
    気を導き、同燃焼器を冷却する方法であって、車室内圧
    力に所定の微少圧力値だけ加えた圧力値を目標値として
    設定し、運転中に前記冷却蒸気の圧力を前記目標値に近
    づくように制御することを特徴とするガスタービン燃焼
    器の冷却蒸気制御方法。
  3. 【請求項3】 ガスタービン燃焼器の冷却通路へ冷却蒸
    気を導き、同燃焼器を冷却する方法であって、前記冷却
    蒸気の圧力を、運転中に燃料注入量又は回転数に応じて
    増減させると共に、同冷却蒸気圧力が車室内圧力よりも
    所定の微少圧力だけ高くなるように制御することを特徴
    とするガスタービン燃焼器の冷却蒸気制御方法。
JP24834099A 1999-09-02 1999-09-02 ガスタービン燃焼器の冷却蒸気制御方法 Expired - Lifetime JP4354052B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6651440B2 (en) * 2000-11-28 2003-11-25 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Steam cooling apparatus for gas turbine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6651440B2 (en) * 2000-11-28 2003-11-25 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Steam cooling apparatus for gas turbine

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