JP2001071986A

JP2001071986A - 自転車用自動変速装置

Info

Publication number: JP2001071986A
Application number: JP25087899A
Authority: JP
Inventors: Tetsuya Kawanabe; 哲也川鍋; Hideyuki Fujinami; 秀之藤波
Original assignee: Akebono Brake Industry Co Ltd
Current assignee: Akebono Brake Industry Co Ltd
Priority date: 1999-09-03
Filing date: 1999-09-03
Publication date: 2001-03-21

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】不検出状態を防止できると共に、万が一、不検
出状態になっても自動変速装置がストップ状態とならな
い自転車用自動変速装置を提供する。【解決手段】変速モードの切換位置検出部7c,32 と、軸
心方向の進退移動を与える駆動部４と、所望の変速モー
ドの切換え位置を検出した時、駆動部の進退移動を停止
させる制御部５とを備えた自転車用自動変速装置におい
て、切換位置検出部7c,32 は切換え位置に応じて所定幅
を有する接点を複数並べた位置検出基板32と、変速用ロ
ッドの進退移動に同期して位置検出基板上を摺動し、接
点の所定幅内で接触しているとき、制御部５に検出信号
を出力する検出端子7cとを有し、制御部５は検出端子7c
より検出信号の入力を開始してから所定時間経過後に駆
動部４の進退移動を停止させる。また、制御部５は検出
信号の入力ない場合、駆動部４を用いて変速用ロッド３
を基準モードの切換え位置まで進退移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自転車の車輪のハ
ブ体に内装された変速機の複数種の変速モードを自動的
に切り換える自転車用自動変速装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】自転車の車輪のハブ体に内装された変速
機の複数種の変速モードを自動的に適切なギア比に変え
る自転車用自動変速装置がある。かかる自転車用自動変
速装置は、図１０に示すように、自転車の後輪のハブ体
２に内装された内装式変速機５０を自動的に適切なギア
比に切り換えるものである。なお、変速モード（例えば
複数段の変速ギア）の切り換えは内装式変速機５０の軸
心部（車軸２ａ）内に延設された変速用ロッド（ロッド
ピン）３を進退移動させることによって行うようになっ
ている。例えば、内装式変速機５０が３段変速機であれ
ば、ロッドピン３の３段階の進退位置により３種類の変
速ギアを切り換えることで減速比を３段に変速できる。

【０００３】ロッドピン３はハブ体２に内装したコイル
スプリング（図示せず）によって常時進行方向に付勢さ
れている。この付勢によりロッドピン３が最大に進出す
ると３速ギアに変換され、高速ギア比となる。一方、ロ
ッドピン３が押圧され最大に退行すると１速ギアに変換
され、低速ギア比となる。そして、最大進出位置（３
速）と最大退行位置（１速）との中間にロッドピン３が
位置するように押圧されると２速ギアに変換され、中速
ギア比となる。

【０００４】これらロッドピン３の進退動作は駆動部４
がロッドピン３を軸方向に進退移動させることによって
行われる。また、駆動部４の進退移動は制御部５により
制御される。すなわち、制御部５は、駆動部４を用いて
ロッドピン３を進退移動させ、変速ギアが３速、２速、
あるいは１速の何れかに切り換わった時、すなわちロッ
ドピン３が切換え位置に到達した時を検出し、駆動部４
を停止させることで制御する。

【０００５】ロッドピン３が切換え位置に到達した時の
検出は、切換位置検出部で行う。切換位置検出部は３
速、２速、あるいは１速に対応して基板上に配置された
接点３２ａ，３２ｂ，３２ｃとこの接点３２ａ，３２
ｂ，３２ｃを検出する検出端子（接点バー）７ｃにより
構成される。接点３２ａ，３２ｂ，３２ｃは３速ギアの
位置を示す接点３２ａと、２速ギアを示す接点３２ｂ
と、１速ギアを示す接点３２ｃとを基板上に配置したも
のである。また、接点バー７ｃはロッドピン３と同期し
て基板上を摺動すると共に接点と接触した時に検出信号
を制御部５へ出力する。

【０００６】例えば、制御部５が３速から２速に変速す
るように制御する場合、制御部５は駆動部４によりロッ
ドピン３を軸方向に移動させ、接点バー７ｃが２速ギア
を示す接点３２ｂと接触し検出信号（ＯＮ信号）を出力
すると、駆動部４を停止させロッドピン３を停止した位
置で保持する。なお、制御部５はロッドピン３が所定の
切換え位置にあることを接点バー７ｃの検出信号（ＯＮ
信号）が入力されている間だけ検出できる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ロッドピン
３はハブ体２に内装したコイルスプリング（図示せず）
によって常時進出方向に付勢されているので、走行中の
衝撃などでコイルスプリングに振動が発生すると、ロッ
ドピン３が移動してしまう場合がある。かかる場合にお
いて、従来の技術のように、制御部５が検出信号の入力
により接点と接点バーの接触が不十分な接触初期の状態
で駆動部４を停止してしまうと、走行中の衝撃で接点と
接点バー７ｃが離れて検出信号が制御部５に出力されず
に、制御部５が切換え位置を検出できないといった不検
出状態（いわゆる迷子状態）になってしまう。そして、
制御部５が不検出状態になると、次の動作が指示できな
いので自動変速装置はストップしてしまうといった問題
が生じる。

【０００８】以上から本発明は、前記問題点に鑑み創案
されたものであり、不検出状態を防止できる自転車用自
動変速装置を提供することを技術的課題とする。また、
本発明は万が一、不検出状態になっても自動変速装置が
ストップ状態とならない自転車用自動変速装置を提供す
ることを技術的課題とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明は以下の手段を採用した。すなわち、本発明
の自転車用自動変速装置は、自転車の車輪のハブ体に内
装され、複数種の変速モードを有する変速機と、この変
速機の軸心方向に進退移動可能に延出され、進退移動上
において予め定められた前記変速モードの切換え位置ま
で移動することで前記変速機をいずれかの変速モードに
切り換える変速用ロッドと、前記変速モード毎に前記変
速モードの切換え位置を検出する切換位置検出部と、前
記変速用ロッドに前記軸心方向の進退移動を与える駆動
部と、前記切換位置検出部が所望の変速モードの切換え
位置を検出した時、前記駆動部の進退移動を停止させる
制御部と、を備えた自転車用自動変速装置において、

【００１０】前記切換位置検出部は、前記切換え位置に
応じて所定幅を有する接点を前記変速モード毎に複数並
べた位置検出基板と、前記変速用ロッドの進退移動に同
期して前記位置検出基板上を摺動し、所望の変速モード
の切換え位置において前記接点の所定幅内で接触してい
るとき、前記制御部に検出信号を出力する検出端子と、
を有し、前記制御部は、前記検出端子より前記検出信号
の入力を開始してから所定時間経過後に前記駆動部の進
退移動を停止させることを特徴とする。

【００１１】本発明は、制御部が検出端子より検出信号
を入力してから所定時間経過後に駆動部の進退移動を停
止させるように構成したので、検出端子が接点の所定幅
内に確実に接触し、制御部が切換え位置を検出できない
といった不検出状態（いわゆる迷子状態）になることを
防止できる。なお、複数種の変速モードを有する変速機
は、無段変速機であっても、複数段の変速ギアを有する
変速機であってもよい。

【００１２】また、本発明の自転車用自動変速装置は、
自転車の車輪のハブ体に内装され、基準モードを含む複
数種の変速モードを有する変速機と、この変速機の軸心
方向に進退移動可能に延出され、進退移動上において予
め定められた前記変速モードの切換え位置まで移動する
ことで前記変速機をいずれかの変速モードに切り換える
変速用ロッドと、前記変速モード毎に前記変速モードの
切換え位置を検出する切換位置検出部と、前記変速用ロ
ッドに前記軸心方向の進退移動を与える駆動部と、前記
切換位置検出部が所望の変速モードの切換え位置を検出
した時、前記駆動部の進退移動を停止させる制御部と、
を備えた自転車用自動変速装置において、

【００１３】前記切換位置検出部は、前記切換え位置に
応じて所定幅を有する接点を前記変速モード毎に複数並
べた位置検出基板と、前記変速用ロッドの進退移動に同
期して前記位置検出基板上を摺動し、所望の変速モード
の切換え位置において前記接点の所定幅内で接触してい
るとき、前記制御部に検出信号を出力する検出端子と、
を有し、前記制御部は、前記検出端子より前記検出信号
の入力を開始してから所定時間経過後、前記検出信号の
入力がない場合、前記駆動部を用いて前記変速用ロッド
を前記基準モードの切換え位置まで進退移動させること
を特徴とする。

【００１４】本発明は、検出信号が入力できない場合、
変速用ロッドを基準モードの切換え位置まで進退移動さ
せるように構成したので、万が一、制御部が切換え位置
を検出できないといった不検出状態になっても自動的に
検出できる位置（基準モードの切換え位置）まで戻るこ
とができ、自動変速装置がストップ状態とならない。

【００１５】なお、本発明の自転車用自動変速装置にお
いて、所定時間を前記検出端子が前記接点の端部から所
定幅の中間位置まで移動する時間とする構成のものも例
示できる。この例示によれば、検出端子が接点の所定幅
の中間位置で停止でき、より接触を確実のものとするこ
とができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る自転車用自動変速装置を図１〜図９に基づいて詳細に
説明する。この実施の形態に係る自転車用自動変速装置
は、自転車１（図１参照）の後輪３５のハブ体２に内装
された内装式変速機５０（図２参照）を適切なギア比に
自動的に切り換えるものである。この自転車用自動変速
装置は、内装式変速機５０を進退移動により切り換える
変速用ロッド３と、変速用ロッド３に進退移動を与える
駆動部４と、変速用ロッド３の切換え位置を検出する位
置検出基板３２及び検出端子７ｃと、検出した切換え位
置に基づき駆動部４を制御する制御部５とを備えてい
る。そして、駆動部４と制御部５と位置検出基板３２と
は筺体２０に取り付けられている。また、筺体２０には
電源２３、受信機５ａ、及び回転センサ２１も取り付け
られている。筺体２０は、保護ブラケット３３を介して
自転車１のチェーンステー１ａに取り付けられている。

【００１７】なお、この自転車用自動変速装置は、切り
換える変速モード（例えば、変速ギアの段数）を指定す
る際、自動的に指定することも、手動で指定することも
できる。すなわち、自動指定の場合、回転センサ２１を
用いて後輪３５の回転速度を検出し、この検出速度で走
行する適切な変速モードを制御部５が選択して指定す
る。また、手動指定の場合、運転者がハンドル３１に設
置された送信機３０のボタン操作により受信機５ａ（図
２参照）に変速指令を送信する。

【００１８】内装式変速機５０は、ハブ体２内部に設け
られた３段の変速ギアを切り換えることで減速比を変速
できるものである。なお、変速ギアの切り換えは内装式
変速機５０の軸心部（車軸２ａ）内に延設された変速用
ロッド（ロッドピン）３を進退移動させることによって
行うようになっている。

【００１９】ロッドピン３はハブ体２に内装したコイル
スプリング（図示せず）によって常時進行方向に付勢さ
れている。この付勢によりロッドピン３が最大に進行す
ると３速ギアに変換され、高速ギア比となる。一方、ロ
ッドピン３が押圧され最大に退行すると１速ギアに変換
され、低速ギア比となる。そして、最大進行位置（３
速）と最大退行位置（１速）との中間にロッドピン３が
位置するように押圧されると２速ギアに変換され、中速
ギア比となる。これらロッドピン３の進退動作は駆動部
４がロッドピン３に係合する蓄圧部８０を軸方向に進退
移動させることによって行われる。

【００２０】駆動部４は、図３の分解側面図に示すよう
に、モータ取付け板４ａに固定されたギアドモータ６で
ある。このギアドモータ６は電動機の回転子先端に減速
歯車装置を取り付けた電動機であり、減速歯車装置によ
って電動機の回転数を所定の回転数まで減速させる。ギ
アドモータ６の出力軸端には雄ネジ部を有するネジ棒６
ａが連設されている。このネジ棒６ａは蓄圧部８０と螺
合関係にあり、ギアドモータ６の回転に同期してネジ棒
６ａが回転すると、蓄圧部８０は軸方向に進退移動する
ように構成されている。そして、ネジ棒６ａと蓄圧部８
０は共にロッドピン３の軸線上に配置されている。

【００２１】蓄圧部８０は、図４に示すように、スライ
ダ７とスプリング８と押圧部９とを備えている。スライ
ダ７は有底筒状に形成され、スライダ７側壁の中位置に
は棒状のガイドピン７ａが垂設されている。また、図５
に示すように、開口側の側壁には軸方向に沿ってスライ
ド溝７ｂが形成されている。更に、有底部にはギアドモ
ータ６のネジ棒６ａと螺合する雌ネジ部７ｄ（図４参
照）を有している。このガイドピン７ａはモータ取付け
板４ａ（図６参照）に形成されたガイド溝４ｂ内に係合
し、ガイド溝４ｂによって回転方向の移動を規制されて
軸方向のみ摺動自在となっている。

【００２２】そして、スライダ７は、図４に示すよう
に、ネジ棒６ａ（ギアドモータ６）の正回転（時計回
り）によってギアドモータ６側に移動し、逆回転（反時
計回り）によってロッドピン３側に移動する。また、ス
ライダ７の内部にはスプリング８を介して押圧部９が摺
動可能に内嵌されている。この押圧部９は円柱状に形成
され、円柱胴部にはピン９ａが垂設されている。このピ
ン９ａはスライダ７のスライド溝７ｂ内に係合し、スラ
イド溝７ｂによって回転方向の移動を規制されて軸方向
のみ摺動自在となっている。なお、スライド溝７ｂは、
図５に示すように、ピン９ａを有する押圧部９をスライ
ダ７筒内に装着する作業を容易にするめに、便宜上スラ
イド７開口端と繋がるカギ型溝となっている。

【００２３】更に、スプリング８はスライダ７の円筒内
にあってスライダ７の開口側に押圧部９を付勢するもの
であるが、スプリング８の付勢力はハブ体２内にあって
ロッドピン３を付勢するコイルスプリングの付勢力より
大きいものとする。そして、蓄圧部８０は駆動部４の押
出動作に同期してロッドピン３をハブ体側に退行させ、
駆動部４の引き込み動作に同期して引き込むことで前記
コイルスプリングの付勢によりロッドピン３を進行させ
る。

【００２４】更にまた、ガイドピン７ａには検出端子
（接点バー）７ｃが設けられており（図２および図３参
照）、この接点バー７ｃの端子は位置検出基板３２上を
摺動自在に接触するようになっている。なお、接点バー
７ｃと位置検出基板３２で切換位置検出部を構成する。
位置検出基板３２は、図７に示すように、基板上に所定
幅ｗの接点３２ａ、接点３２ｂ、接点３２ｃが順に配列
されている。すなわち、位置検出基板３２の上端には３
速ギアを示す接点３２ａが設けられ、下端には基準ギア
である１速ギアを示す接点３２ｃが設けられ、接点３２
ａと接点３２ｃとの中間位置には２速ギアを示す接点３
２ｂが設けられている。そして、接点３２ａと接点３２
ｂ間には不感帯３２ｄが設けられ、接点３２ｂと接点３
２ｃとの間には不感帯３２ｅが設けられている。

【００２５】そして、接点３２ａ，３２ｂ，３２ｃは接
点バー７ｃの端子が何れかの接点に接触すると、ＯＮ状
態を示す検出信号を出力する。すなわち、接点バー７ｃ
の端子が３速ギアを示す接点３２ａに接触すると検出信
号ｏを制御部５へ出力し、２速ギアを示す接点３２ｂに
接触すると検出信号ｐを制御部５へ出力し、１速ギアを
示す接点３２ｃに接触すると検出信号ｑを制御部５へ出
力する。なお、制御部５はそれぞれの検出信号を受信す
ることで、変速ギアの位置を確認する。一方、不感帯３
２ｄ，３２ｅは接点バー７ｃの端子が接触してもＯＦＦ
状態であり、制御部５へ検出信号を出力しない。

【００２６】制御部５は、図８に示すように、切換位置
検出部（位置検出基板３２及び接点バー７ｃ）と接続
し、接点バー７ｃが出力する検出信号ｏ，ｐ，ｑにより
変速ギアの切換え位置を検出する。また、制御部５は回
転センサ２１と接続し、回転センサ２１の回転数信号に
基づき自転車１の速度（時速）を演算する。更に、制御
部５は中央処理装置であるＣＰＵ５１と制御プログラム
を記憶しているＲＯＭ５２と書き換え可能なメモリであ
るＲＡＭ５３を有している。

【００２７】ＲＡＭ５３は速度／変速ギア対応テーブル
ＴＢや現在変速ギアデータＤａや速度対応ギアデータＤ
ｂを記憶している。速度／変速ギア対応テーブルＴＢは
自転車１の速度範囲と変速ギアとを対応させ記憶させた
テーブルである。この速度／変速ギア対応テーブルＴＢ
には、速度範囲Ａ（０〜８ｋｍ／ｈ未満）とこの速度範
囲Ａで走行するのに適した１速ギアαが対応して記憶さ
れ、速度範囲Ｂ（８ｋｍ／ｈ以上１５ｋｍ／ｈ未満）と
この速度範囲Ｂで走行するのに適した２速ギアβが対応
して記憶され、速度範囲Ｃ（１５ｋｍ／ｈ以上）とこの
速度範囲Ｃで走行するのに適した３速ギアγが対応して
記憶されている。

【００２８】現在変速ギアデータＤａは、内装式変速機
５０が現在走行に使用している変速ギアをいう。この現
在変速ギアデータＤａは変速ギアが切り換えられると切
り換えられた変速ギアに更新される。速度対応ギアデー
タＤｂは、自転車１が走行している速度ｖから速度／変
速ギア対応テーブルＴＢに基づき求められた最適な変速
ギアをいう。この速度対応ギアデータＤｂはＣＰＵ５１
が速度ｖと速度／変速ギア対応テーブルＴＢに基づき選
択した情報が記憶される。

【００２９】次に、この実施の形態の自転車用自動変速
装置の自動変速処理を図９の流れ図に基づき説明する。
処理がスタートすると、ＣＰＵ５１は後輪３５に設置さ
れた回転センサ２１を用いて現在の回転速度ｖを検出
し、この回転速度ｖに該当する変速ギアの速度範囲を速
度／変速ギア対応テーブルＴＢより求める。

【００３０】すなわち、ＣＰＵ５１は回転センサ２１か
ら得られた回転数から速度ｖを演算し、演算した速度ｖ
が含まれる速度範囲を速度／変速ギア対応テーブルＴＢ
を参照して求めると共に対応する変速ギアを選択する。
ＣＰＵ５１は選択した変速ギアを速度対応ギアデータＤ
ｂとしてＲＡＭ５３に記憶する。例えば、演算した速度
ｖが１４ｋｍ／ｈであれば、ＣＰＵ５１は速度／変速ギ
ア対応テーブルＴＢを参照して１４ｋｍ／ｈが含まれる
速度範囲Ｂを求め、次に、速度範囲Ｂに対応する２速ギ
アβを選択し、２速ギアβを速度対応ギアデータＤｂと
してＲＡＭ５３に記憶する（ステップ１０１）。

【００３１】ＣＰＵ５１は現在変速ギアデータＤａと速
度対応ギアデータＤｂとを比較し、記憶された変速ギア
が異なる場合は変速ギアの変換処理を行う。この変換処
理はギアドモータ６を回転させ、蓄圧部８０を介してロ
ッドピン３を進退移動させることによって行う。そこ
で、ＣＰＵ５１は回転指示をギアドモータ６に対し出力
する。すなわち、現在変速ギアデータＤａと速度対応ギ
アデータＤｂとを比較して変速ギアが異なった場合、Ｃ
ＰＵ５１は高速ギアへの変換か、あるいは低速ギアへの
変換かを判別する。判別の結果、高速ギアへの変換であ
れば、ギアドモータ６を正回転（時計回り）させる回転
指示を出力する。一方、判別の結果、低速ギアへの変換
であれば、ギアドモータ６を逆回転（反時計回り）させ
る回転指示を出力する（ステップ１０２）。

【００３２】例えば、現在変速ギアデータＤａに３速ギ
アγ（速度範囲Ｃ，１５ｋｍ／ｈ以上）が記憶されてお
り、速度対応ギアデータＤｂに２速ギアβ（速度範囲
Ｂ，８ｋｍ／ｈ以上１５ｋｍ／ｈ未満）が記憶されてい
れば、ＣＰＵ５１は３速ギアγから２速ギアβへの低速
ギアへの変換と判別し、ギアドモータ６に逆回転させる
ための回転指示を出力する。すると、ギアドモータ６が
逆回転し、ギアドモータ６のネジ棒６ａと螺合している
スライダ７がハブ側（Ｇ方向）へ直進移動する。

【００３３】このとき、スライダ７へ垂設されたガイド
ピン７ａがガイド溝４ａに規制されてＧ方向へ移動する
と共に、ガイドピン７ａに連結された接点バー７ｃの端
子も位置検出基板３２上を３速ギアを示す接点３２ａか
らＧ方向の２速ギアを示す接点３２ｂへ摺動する。そし
て、接点バー７ｃの端子が２速ギアを示す接点３２ｂに
接触すると検出信号ｐをＣＰＵ５１へ出力する（ステッ
プ１０３）。そして、ＣＰＵ５１は検出信号ｐにより２
速ギアを示す接点３２ｂがＯＮ状態であることを確認す
ると共にスライダ７が押圧するロッドピン３が２速ギア
の変換可能位置にあることを検知する。

【００３４】次に、接点バー７ｃの端子と接点との接触
によりＯＮ信号が出力されると、ＣＰＵ５１はタイマー
Ｔをスタートさせる。そして、タイマーＴが所定時間
（例えば、０．３秒）経過すると、ステップ１０２の処
理にて指示されたギアドモータ６の回転を停止する（ス
テップ１０４）。なお、この所定時間は位置検出基板３
２上の２速ギア用接点３２ｂの幅ｗを接点バー７ｃの端
子が横断するのに要する時間の１／２の時間を言い、こ
の実施の形態ではギアドモータ６の回転により接点バー
７ｃの端子が２速ギア用接点３２ｂを横断するのに要す
る時間が「０．６秒」かかるのでその１／２の時間
「０．３秒」を所定時間とした。

【００３５】ところで、自動変速処理は自転車１走行中
に行うので、凸凹な路面を走行した時などの衝撃で接点
バー７ｃの端子がずれることがあり得る。そこで、ＣＰ
Ｕ５１はギアドモータ６が停止すると、位置検出基板３
２上において接点バー７ｃの端子がステップ１０１の処
理で変速指示した変速ギアを示す接点とＯＮ状態にある
か（接触しているか）どうかを判断する（ステップ１０
５）。すなわち、ＣＰＵ５１は接点バー７ｃの端子より
出力される検出信号が速度対応ギアデータＤｂに記憶さ
れている変速ギアを示す検出信号と一致するかどうか、
あるいは検出信号が出力されておらず不検出状態にある
かどうかを判断する。例えば、速度対応ギアデータＤｂ
に「２速ギア」が記憶されている場合、ＣＰＵ５１は２
速ギアの検出信号ｐが出力されているか（ＯＮ状態であ
るか）どうかを判断する。そして、２速ギアの検出信号
ｐが出力されていれば、変速指示した変速ギアを示す接
点とＯＮ状態にあると判定し（ステップ１０５：ｙｅ
ｓ）、ＣＰＵ５１はステップ１０６の処理へ移行する。
一方、２速ギアの検出信号ｐが出力されていなければ、
接点バー７ｃの端子が不検出状態にあると判定し（ステ
ップ１０５：ｎｏ）、ＣＰＵ５１はステップ１０７の処
理へ移行する。

【００３６】なお、不検出状態とは、接点バー７ｃの端
子が位置検出基板３２上においていずれの接点３２ａ，
３２ｂ，３２ｃとも接触しておらず、不感帯３２ｄ，３
２ｅ上にあることを言うが、変速指示した接点と異なる
接点上にある場合も含む。ステップ１０６において、Ｃ
ＰＵ５１は現在変速ギアデータＤａの内容を速度対応ギ
アデータＤｂに記憶されている変速ギア（例えば、２速
ギア）に更新し、更新後における走行速度が更新した速
度範囲（２速ギアであれば８ｋｍ／ｈ以上１５ｋｍ／ｈ
未満）を逸脱するかどうかを監視し、逸脱した場合は、
ステップ１０１以降の処理を繰り返す。

【００３７】一方、ステップ１０７において、ＣＰＵ５
１はギアドモータ６に１速ギア（基準ギア）に戻すため
の回転指示を行う。すなわち、ＣＰＵ５１は１速ギア
（基準ギア）へ低速変換させるために、ギアドモータ６
を逆回転させる回転指示を出力する。この逆回転指示は
接点バー７ｃの端子が１速の接点３２ｃとＯＮ状態とな
り、ＣＰＵ５１が検出信号αを入力するまで継続され
る。すなわち、ＣＰＵ５１はギアドモータ６を逆回転さ
せて、ネジ棒６ａと螺合しているスライダ７をハブ側
（Ｇ方向）へ直進移動させてロッドピン３を押圧し、１
速ギアに切り換える。

【００３８】そして、接点バー７ｃの端子が１速の接点
３２ｃに接触し検出信号αが入力されれば、ＣＰＵ５１
は現在変速ギアデータＤａを１速ギアに更新し、更新後
における走行速度を監視し、ステップ１０１以降の処理
を繰り返す。この実施の形態によれば、制御部５が接点
バー７ｃより検出信号を入力してから所定時間経過後に
駆動部４の進退移動を停止させるように構成したので、
接点バー７ｃの端子が接点の所定幅ｗ内に確実に接触
し、制御部５が切換位置を検出できないといった不検出
状態になることを防止できる。

【００３９】また、この実施の形態によれば、検出信号
が入力できない場合、ロッドピン３を１速ギア（基準ギ
ア）の切換位置まで進退移動させるように構成したの
で、万が一、制御部５が切換位置を検出できないといっ
た不検出状態になっても自動的に検出できる位置（基準
ギアの切換位置）まで戻ることができ、自動変速装置が
ストップ状態とならない。

【００４０】なお、この実施の形態では、複数種の変速
モードを有する変速機を複数段の変速ギアを有する変速
機として説明したが、無段変速機であってもよい。ま
た、この実施の形態では、基準モードを最低速の１速ギ
アとしたが、基準モードは最低速モードに限定されるも
のではなく、普段使用される２速モードとしてもよい。

【００４１】

【発明の効果】以上本発明によれば、制御部が検出端子
より検出信号を入力してから所定時間経過後に駆動部の
進退移動を停止させるように構成したので、検出端子が
接点の所定幅内に確実に接触し、制御部が切換位置を検
出できないといった不検出状態になることを防止でき
る。

【００４２】また、本発明によれば、検出信号が入力で
きない場合、変速用ロッドを基準ギアの切換位置まで進
退移動させるように構成したので、万が一、制御部が切
換位置を検出できないといった不検出状態になっても自
動的に検出できる位置（基準ギアの切換位置）まで戻る
ことができ、自動変速装置がストップ状態とならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態である自転車用自動変速装
置を装着した自転車の側面図である。

【図２】本発明の一実施形態である自転車用自動変速装
置の要部の平面図である。

【図３】本発明の一実施形態である自転車用自動変速装
置の要部の分解側面図である。

【図４】蓄圧部の分解側面図である。

【図５】蓄圧部の平面図である。

【図６】駆動部の側面図である。

【図７】位置検出基板の平面図である。

【図８】制御部のブロック図である。

【図９】本発明の一実施形態である自転車用自動変速装
置の自動変速処理の流れ図である。

【図１０】従来の自転車用自動変速装置の要部の平面図
である。

【符号の説明】

１…自転車２…ハブ体３…ロッドピン（変速用ロッド）４…駆動部５…制御部６…ギアドモータ７…スライダ７ｃ…接点バー（検出端子）８…スプリング９…押圧部２１…回転センサ３２…位置検出基板５０…内装式変速機５１…ＣＰＵ５２…ＲＯＭ５３…ＲＡＭ８０…蓄圧部ＴＢ…速度／変速ギア対応テーブルＤａ…現在変速ギアデータＤｂ…速度対応ギアデータ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】自転車の車輪のハブ体に内装され、複数種
の変速モードを有する変速機と、この変速機の軸心方向に進退移動可能に延出され、進退
移動上において予め定められた前記変速モードの切換え
位置まで移動することで前記変速機をいずれかの変速モ
ードに切り換える変速用ロッドと、前記変速モード毎に前記変速モードの切換え位置を検出
する切換位置検出部と、前記変速用ロッドに前記軸心方向の進退移動を与える駆
動部と、前記切換位置検出部が所望の変速モードの切換え位置を
検出した時、前記駆動部の進退移動を停止させる制御部
と、を備えた自転車用自動変速装置において、前記切換位置検出部は、前記切換え位置に応じて所定幅を有する接点を前記変速
モード毎に複数並べた位置検出基板と、前記変速用ロッドの進退移動に同期して前記位置検出基
板上を摺動し、所望の変速モードの切換え位置において
前記接点の所定幅内で接触しているとき、前記制御部に
検出信号を出力する検出端子と、を有し、前記制御部は、前記検出端子より前記検出信号の入力を開始してから所
定時間経過後に前記駆動部の進退移動を停止させること
を特徴とする自転車用自動変速装置。
【請求項２】自転車の車輪のハブ体に内装され、基準モ
ードを含む複数種の変速モードを有する変速機と、この変速機の軸心方向に進退移動可能に延出され、進退
移動上において予め定められた前記変速モードの切換え
位置まで移動することで前記変速機をいずれかの変速モ
ードに切り換える変速用ロッドと、前記変速モード毎に前記変速モードの切換え位置を検出
する切換位置検出部と、前記変速用ロッドに前記軸心方向の進退移動を与える駆
動部と、前記切換位置検出部が所望の変速モードの切換え位置を
検出した時、前記駆動部の進退移動を停止させる制御部
と、を備えた自転車用自動変速装置において、前記切換位置検出部は、前記切換え位置に応じて所定幅を有する接点を前記変速
モード毎に複数並べた位置検出基板と、前記変速用ロッドの進退移動に同期して前記位置検出基
板上を摺動し、所望の変速モードの切換え位置において
前記接点の所定幅内で接触しているとき、前記制御部に
検出信号を出力する検出端子と、を有し、前記制御部は、前記検出端子より前記検出信号の入力を開始してから所
定時間経過後、前記検出信号の入力がない場合、前記駆
動部を用いて前記変速用ロッドを前記基準モードの切換
え位置まで進退移動させることを特徴とする自転車用自
動変速装置。
【請求項３】前記所定時間を、前記検出端子が前記接点
の端部から所定幅の中間位置まで摺動する時間とする請
求項１または２記載の自転車用自動変速装置。