JP2001071306A - 背割りなし芯持ち材の干割れ防止キャップ - Google Patents
背割りなし芯持ち材の干割れ防止キャップInfo
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- JP2001071306A JP2001071306A JP29145199A JP29145199A JP2001071306A JP 2001071306 A JP2001071306 A JP 2001071306A JP 29145199 A JP29145199 A JP 29145199A JP 29145199 A JP29145199 A JP 29145199A JP 2001071306 A JP2001071306 A JP 2001071306A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スギ・ヒノキ等の芯持ち材において樹皮付き
丸太から製材加工・丸棒加工・丸太皮剥ぎ等の直後に背
割りを入れない場合、樹種や個々の木材の含水率で異な
るが、僅か数時間から数日の自然乾燥により、干割れが
木口や材面の不特定な箇所に多数発生してしまう。背割
りなし芯持ち材の乾燥において、自然乾燥により発生す
る干割れを防止する簡便な手段を提供する。 【解決手段】 木材の木口からの水分の蒸発を防止する
ため、木口断面の寸法形状に応じた口径をもつポリエチ
レン製等の水分を通さない袋状のキャップを木材の両木
口へそれぞれ装着する。キャップの袋口と木材の材面が
密着するように、袋口には予め伸縮性のある輪ゴムを取
り付け一体化しておき、ワンタッチでキャップの脱着が
できるようにする。
丸太から製材加工・丸棒加工・丸太皮剥ぎ等の直後に背
割りを入れない場合、樹種や個々の木材の含水率で異な
るが、僅か数時間から数日の自然乾燥により、干割れが
木口や材面の不特定な箇所に多数発生してしまう。背割
りなし芯持ち材の乾燥において、自然乾燥により発生す
る干割れを防止する簡便な手段を提供する。 【解決手段】 木材の木口からの水分の蒸発を防止する
ため、木口断面の寸法形状に応じた口径をもつポリエチ
レン製等の水分を通さない袋状のキャップを木材の両木
口へそれぞれ装着する。キャップの袋口と木材の材面が
密着するように、袋口には予め伸縮性のある輪ゴムを取
り付け一体化しておき、ワンタッチでキャップの脱着が
できるようにする。
Description
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、スギ・ヒノキ等背割り
なし芯持ち材の自然乾燥時に発生する木口や材面の干割
れを簡便に防止する方法に関するものである。
なし芯持ち材の自然乾燥時に発生する木口や材面の干割
れを簡便に防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木材を建築用材として利用する場合、背
割りを入れた芯持ち材の短所として、湿度環境により背
割り幅が増減し木材の寸法安定性が欠けるという点は元
来明らかであるが、スギ・ヒノキ等の丸太を芯持ちの製
材や丸棒に加工する場合、季節や樹種に拘わらず、丸鋸
を用いて木材表面から木口断面の中央部の芯までの深さ
で元口から末口まで一直線に背割りを入れる。
割りを入れた芯持ち材の短所として、湿度環境により背
割り幅が増減し木材の寸法安定性が欠けるという点は元
来明らかであるが、スギ・ヒノキ等の丸太を芯持ちの製
材や丸棒に加工する場合、季節や樹種に拘わらず、丸鋸
を用いて木材表面から木口断面の中央部の芯までの深さ
で元口から末口まで一直線に背割りを入れる。
【0003】背割りを入れない場合、その直後から自然
乾燥により数時間から数日で木口割れや材面割れといっ
た干割れが不特定な箇所に多数発生してしまい、木材の
商品価値を著しく損なう。このため芯持ち材の乾燥で
は、製材あるいは丸棒加工等の直後に敢えて背割りを入
れ、その箇所以外の割れを防止している。多くの製材工
場では丸鋸による自動背割装置が設備されているのが現
状である。
乾燥により数時間から数日で木口割れや材面割れといっ
た干割れが不特定な箇所に多数発生してしまい、木材の
商品価値を著しく損なう。このため芯持ち材の乾燥で
は、製材あるいは丸棒加工等の直後に敢えて背割りを入
れ、その箇所以外の割れを防止している。多くの製材工
場では丸鋸による自動背割装置が設備されているのが現
状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】極めて最近ではある
が、寸法安定性の高い、背割りなし芯持ち乾燥材の供給
が余儀なくされ、新たな人工乾燥法が急速に開発されつ
つある。しかし、如何に優れた新たな背割りなし芯持ち
材の乾燥法でも、本来の乾燥処理工程前の製材直後の数
時間から数日内に発生してしまう自然乾燥による干割れ
を解消することは不可能であり、その干割れが人工乾燥
後のクラック発生の基因となっている。
が、寸法安定性の高い、背割りなし芯持ち乾燥材の供給
が余儀なくされ、新たな人工乾燥法が急速に開発されつ
つある。しかし、如何に優れた新たな背割りなし芯持ち
材の乾燥法でも、本来の乾燥処理工程前の製材直後の数
時間から数日内に発生してしまう自然乾燥による干割れ
を解消することは不可能であり、その干割れが人工乾燥
後のクラック発生の基因となっている。
【0005】従来から木工芸の分野では一部高級木など
の干割れ防止には、木工ボンドや割れ止め用溶剤を塗布
する湿式法が用いられているが、スギ・ヒノキ等の大量
乾燥を前提とする場合、これらの湿式法では割れ止め用
溶剤の塗布作業時間や除去作業時間を多く要することか
ら不適合である。
の干割れ防止には、木工ボンドや割れ止め用溶剤を塗布
する湿式法が用いられているが、スギ・ヒノキ等の大量
乾燥を前提とする場合、これらの湿式法では割れ止め用
溶剤の塗布作業時間や除去作業時間を多く要することか
ら不適合である。
【0006】工場の生産規模、乾燥方法や乾燥機の保有
台数等により当然異なるが、製材加工あるいは丸棒加工
から次の人工乾燥工程までの時間は、数時間から数日を
要する。芯持ち材に背割りを入れず、この僅かな期間の
自然乾燥により忽ち発生する干割れを防止することはか
なり困難とされている。
台数等により当然異なるが、製材加工あるいは丸棒加工
から次の人工乾燥工程までの時間は、数時間から数日を
要する。芯持ち材に背割りを入れず、この僅かな期間の
自然乾燥により忽ち発生する干割れを防止することはか
なり困難とされている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、背割りなし芯
持ち材の自然乾燥による干割れを防止するために、木材
断面の寸法形状に応じた口径でポリエチレン製等の水分
を通さない袋状キャップを木材の両木口に装着する方法
である。木口から蒸発する水分でキャップ内を飽和状態
とさせ、キャップの袋口から木口までの木材表面からの
水分蒸発を抑制し、背割りなし芯持ち材の製材直後より
人工乾燥開始までの数時間から数日間における木口や材
面の干割れを防止する。
持ち材の自然乾燥による干割れを防止するために、木材
断面の寸法形状に応じた口径でポリエチレン製等の水分
を通さない袋状キャップを木材の両木口に装着する方法
である。木口から蒸発する水分でキャップ内を飽和状態
とさせ、キャップの袋口から木口までの木材表面からの
水分蒸発を抑制し、背割りなし芯持ち材の製材直後より
人工乾燥開始までの数時間から数日間における木口や材
面の干割れを防止する。
【0008】また予めキャップの袋口に伸縮性のある輪
ゴムを取り付けることで袋口を木材の材面に密着固定さ
せキャップの密封効果を高めるととともに、キャップの
脱着作業をワンタッチで迅速に行えるようにする。
ゴムを取り付けることで袋口を木材の材面に密着固定さ
せキャップの密封効果を高めるととともに、キャップの
脱着作業をワンタッチで迅速に行えるようにする。
【0009】
【実施例】一辺が11.5cm、長さ3mのスギ製材を
10本用意した。スギ材の含水率のバラツキを考慮し、
含水率指標として重量を測定し、軽い順に交互に番号を
付し、キャップを装着する5本と装着しない5本のグル
ープに分けた。これらを室内でほぼ同じ温湿度となる場
所に設定し、木口や材面の干割れの発生程度を観察し
た。
10本用意した。スギ材の含水率のバラツキを考慮し、
含水率指標として重量を測定し、軽い順に交互に番号を
付し、キャップを装着する5本と装着しない5本のグル
ープに分けた。これらを室内でほぼ同じ温湿度となる場
所に設定し、木口や材面の干割れの発生程度を観察し
た。
【0010】経過日数に伴う干割れの発生状況について
表1及び表2に示す。
表1及び表2に示す。
【表1】
【表2】
【0011】表1及び表2に示す事例は、5月下旬から
6月初旬の湿度の高い季節に行ったものである。また観
察日の2日目から4日目までは雨天が続き、木材の乾燥
防止にとっては好条件であった。2日目まではいずれの
グループにも木口や材面に干割れは発生していない。3
日目にはキャップなしグループのみに干割れが発生し
た。5本中2本に4箇所の木口割れと2箇所の材面割れ
が発生した。6日後ではキャップなしグループのみに木
口割れ及び材面割れともに箇所数が増加し、その割れ長
さが拡大した。5本中4本に13箇所の木口割れと9箇
所の材面割れが発生した。木口割れの長さは平均30c
m程度であった。材面割れの長さは平均70cm程度で
あった。
6月初旬の湿度の高い季節に行ったものである。また観
察日の2日目から4日目までは雨天が続き、木材の乾燥
防止にとっては好条件であった。2日目まではいずれの
グループにも木口や材面に干割れは発生していない。3
日目にはキャップなしグループのみに干割れが発生し
た。5本中2本に4箇所の木口割れと2箇所の材面割れ
が発生した。6日後ではキャップなしグループのみに木
口割れ及び材面割れともに箇所数が増加し、その割れ長
さが拡大した。5本中4本に13箇所の木口割れと9箇
所の材面割れが発生した。木口割れの長さは平均30c
m程度であった。材面割れの長さは平均70cm程度で
あった。
【0012】表2に示したNo2、No4、No6に干
割れが多数発生していることから、比較的に重量の軽い
材に本発明が特に有効である。なお、一般的に製材直後
に背割りを入れない場合、スギ材よりもヒノキ材におい
て干割れが早く発生し、製材直後の数時間で木口割れが
発生する場合が少なくない。
割れが多数発生していることから、比較的に重量の軽い
材に本発明が特に有効である。なお、一般的に製材直後
に背割りを入れない場合、スギ材よりもヒノキ材におい
て干割れが早く発生し、製材直後の数時間で木口割れが
発生する場合が少なくない。
【0013】
【発明の効果】本発明は、樹種や木材個々の生物資源固
有のバラツキにも拘わらず、背割りなし芯持ち材の製材
加工等の直後より数時間から数日で確実に発生する自然
乾燥による干割れを防止し、現在開発されつつある背割
りなし芯持ち材の新たな人工乾燥法の本領発揮に資す
る。
有のバラツキにも拘わらず、背割りなし芯持ち材の製材
加工等の直後より数時間から数日で確実に発生する自然
乾燥による干割れを防止し、現在開発されつつある背割
りなし芯持ち材の新たな人工乾燥法の本領発揮に資す
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 スギ・ヒノキ等背割りなし芯持ち材にお
いて、ポリエチレン製等で水分を通さない袋状でその袋
口に予め輪ゴムを取り付けたキャップを木材の両木口へ
ワンタッチで装着し、自然乾燥により木材の木口や材面
に発生する干割れを防止する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29145199A JP2001071306A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | 背割りなし芯持ち材の干割れ防止キャップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29145199A JP2001071306A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | 背割りなし芯持ち材の干割れ防止キャップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001071306A true JP2001071306A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17769046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29145199A Pending JP2001071306A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | 背割りなし芯持ち材の干割れ防止キャップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001071306A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010115888A (ja) * | 2008-11-14 | 2010-05-27 | Sekisui House Ltd | 木材の干割れ防止加工方法 |
JP2011143670A (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-28 | Sumitomo Forestry Co Ltd | 木材の乾燥方法 |
-
1999
- 1999-09-06 JP JP29145199A patent/JP2001071306A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010115888A (ja) * | 2008-11-14 | 2010-05-27 | Sekisui House Ltd | 木材の干割れ防止加工方法 |
JP2011143670A (ja) * | 2010-01-18 | 2011-07-28 | Sumitomo Forestry Co Ltd | 木材の乾燥方法 |
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