JP2001069661A - 保護リレーシステム - Google Patents

保護リレーシステム

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JP2001069661A
JP2001069661A JP24548899A JP24548899A JP2001069661A JP 2001069661 A JP2001069661 A JP 2001069661A JP 24548899 A JP24548899 A JP 24548899A JP 24548899 A JP24548899 A JP 24548899A JP 2001069661 A JP2001069661 A JP 2001069661A
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computer
protection relay
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time
lan
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JP24548899A
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Yuri Totsu
ユリ 戸津
Kenji Ito
健司 伊藤
Hideo Nakayama
日出男 中山
Kazushige Inoue
和茂 井上
Shinji Shimano
真司 嶋野
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Kansai Electric Power Co Inc
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 専用のハードウエア及び専用のソフトウエア
を用いて各種の保護盤を製作すれば、電力系統を保護で
きるが、専用のハードウエアや専用のソフトウエアを用
いて製作する必要があるため情報産業に代表される技術
革新に遅れを取りがちである。その結果、演算処理能力
の向上が限られ、しかも各メーカが独自に開発する関係
上、開発コストが嵩む課題があった。 【解決手段】 系統情報の入力処理とトリップ信号の出
力処理を実施する装置を汎用の計算機を用いて構成する
とともに、リレー演算を実行する装置を汎用の計算機を
用いて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力系統、配電
系統等の送配電系統における電力保護システムに係わ
り、特に、技術革新が進んでいる汎用技術を使用して、
大容量処理が可能で、低価格な保護リレーシステムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図22は従来の保護リレーシステムを示
す構成図であり、図において、21は送電線の情報量
3,4を入力して事故判定の演算処理を実施し、その演
算結果に基づいて送電線に繋がる遮断器にトリップ指令
を出力する送電線保護盤、22は変圧器の情報量5,9
を入力して事故判定の演算処理を実施し、その演算結果
に基づいて変圧器に繋がる遮断器にトリップ指令を出力
する変圧器保護盤、23は変圧器の情報量6,10を入
力して事故判定の演算処理を実施し、その演算結果に基
づいて変圧器に繋がる遮断器にトリップ指令を出力する
変圧器保護盤、24は母線の情報量1,2,7,8を入
力して事故判定の演算処理を実施し、その演算結果に基
づいて母線に繋がる遮断器にトリップ指令を出力する母
線保護盤、25は配電線の情報量11,12を入力して
事故判定の演算処理を実施し、その演算結果に基づいて
配電線に繋がる遮断器にトリップ指令を出力する配電線
保護盤である。
【0003】次に動作について説明する。計器用変流器
(以下、CTという)が送電線の情報量3,4を送電線
保護盤21に供給できるレベルに変成すると、その送電
線の情報量3,4を送電線保護盤21に供給する。送電
線保護盤21は、送電線の情報量3,4を受けると、予
め定められた判定基準に従って事故判定の演算処理を実
施し、その送電線に繋がる遮断器を開放する必要がある
場合には、その遮断器にトリップ指令を出力する。
【0004】また、CTが変圧器の情報量5,9を変圧
器保護盤22に供給できるレベルに変成すると、その変
圧器の情報量5,9を変圧器保護盤22に供給する。変
圧器保護盤22は、変圧器の情報量5,9を受けると、
予め定められた判定基準に従って事故判定の演算処理を
実施し、その変圧器に繋がる遮断器を開放する必要があ
る場合には、その遮断器にトリップ指令を出力する。
【0005】同様に、CTが送電線の情報量6,10を
変圧器保護盤23に供給できるレベルに変成すると、そ
の変圧器の情報量6,10を変圧器保護盤23に供給す
る。変圧器保護盤23は、変圧器の情報量6,10を受
けると、予め定められた判定基準に従って事故判定の演
算処理を実施し、その変圧器に繋がる遮断器を開放する
必要がある場合には、その遮断器にトリップ指令を出力
する。
【0006】さらに、CTが母線の情報量1,2,7,
8を母線保護盤24に供給できるレベルに変成すると、
その母線の情報量1,2,7,8を母線保護盤24に供
給する。母線保護盤24は、母線の情報量1,2,7,
8を受けると、予め定められた判定基準に従って事故判
定の演算処理を実施し、その母線に繋がる遮断器を開放
する必要がある場合には、その遮断器にトリップ指令を
出力する。
【0007】また、CTが配電線の情報量11,12を
配電線保護盤25に供給できるレベルに変成すると、そ
の配電線の情報量11,12を配電線保護盤25に供給
する。配電線保護盤25は、配電線線の情報量11,1
2を受けると、予め定められた判定基準に従って事故判
定の演算処理を実施し、その母線に繋がる遮断器を開放
する必要がある場合には、その遮断器にトリップ指令を
出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の保護リレーシス
テムは以上のように構成されているので、専用のハード
ウエア及び専用のソフトウエアを用いて各種の保護盤を
製作すれば、電力系統を保護できるが、専用のハードウ
エアや専用のソフトウエアを用いて製作する必要がある
ため情報産業に代表される技術革新に遅れを取りがちで
ある。その結果、演算処理能力の向上が限られ、しかも
各メーカが独自に開発する関係上、開発コストが嵩む課
題があった。なお、各メーカが専用ハードウエアや専用
ソフトウエアを用いて製作するため互換性がなく、運用
保守の習得に多くの時間を費やす必要がある課題もあっ
た。
【0009】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、技術革新が進む汎用技術を適用し
て、開発コストを低減することができる保護リレーシス
テムを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る保護リレ
ーシステムは、系統情報の入力処理とトリップ信号の出
力処理を実施する装置を汎用の計算機を用いて構成する
とともに、リレー演算を実行する装置を汎用の計算機を
用いて構成し、LANを介して各汎用の計算機間を接続
するようにしたものである。また、入出力処理用計算機
及び保護リレー演算用計算機が取り扱う時刻の同期を図
るようにしたものである。
【0011】この発明に係る保護リレーシステムは、保
護リレー演算用計算機をLANと直接接続せずに共有メ
モリと接続し、その共有メモリをLAN端末と接続する
ようにしたものである。
【0012】この発明に係る保護リレーシステムは、L
ANを介して接続されている入出力処理用計算機と保護
リレー演算用計算機の立ち上げ時に時刻の同期を図ると
ともに、システムの運用中にオンライン状態で時刻の同
期を図るようにしたものである。
【0013】この発明に係る保護リレーシステムは、入
出力処理用計算機と保護リレー演算用計算機間のデータ
通信方式として、送信タイミングのタイムスケジュール
を組むスケジューリング方式を採用するようにしたもの
である。
【0014】この発明に係る保護リレーシステムは、入
出力処理用計算機と保護リレー演算用計算機間のデータ
通信方式として、順番性でデータ通信を行う送信権方式
を採用するようにしたものである。
【0015】この発明に係る保護リレーシステムは、系
統情報の入力処理とトリップ信号の出力処理を実施する
装置を汎用の計算機を用いて構成するとともに、リレー
演算を実行する装置を汎用の計算機を用いて構成し、共
有メモリを介して各汎用の計算機間を接続するようにし
たものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による保
護リレーシステムを示す構成図であり、図において、3
0は電力系統の状態を示す系統情報を入力して、その系
統情報をLAN50に出力する一方、そのLAN50か
らトリップ信号を入力して、遮断器のトリップ回路にト
リップ信号を出力する汎用の入出力処理用計算機であ
り、取り込む電力系統情報を保護対象に関係なく集約し
たものである。40は例えば送電線保護用入出力処理端
末である入出力処理用計算機30がLAN50に系統情
報を出力すると、そのLAN50から系統情報を入力し
てリレー演算を実行し、電力系統の遮断器を開放する必
要がある場合にはトリップ信号をLAN50に出力する
汎用の保護リレー演算用計算機であり、複数の保護対象
を集約したものである。50は各種の計算機を相互に接
続する汎用のLANであり、イーサネットとUDP/I
Pを用いてブロードキャスト送信を実施し、全端末一斉
送信を行うものである。
【0017】図2は入出力処理用計算機30及び保護リ
レー演算用計算機40の詳細構成を示す構成図であり、
図において、61は入力変換器、62はアナログフィル
ター、63はA/D変換部、64は伝送制御部、65は
タイマLSI、66は割込LSI、67はデジタル入出
力部、68はバス、69は伝送制御部、70はリレー演
算部、71はタイマLSI、72は割込LSI、73は
バス、74はトリップ回路である。なお、複数の系統情
報を入力対象とする保護リレー演算では、電力系統の各
情報量のサンプリングタイミングが同じタイミングであ
る必要があるので、各計算機の伝送制御部64,69が
時刻同期手段を構成して、各計算機間の時刻同期制御を
ソフトウエア処理にて実施する。また、確実なデータの
送受信を行うため、データの送信タイミングをソフトウ
エア処理にて制御する。
【0018】図3はLAN50にイーサネットとUDP
/IPを採用した場合のソフトウエアのメイン処理を示
すフローチャートであり、図4は図3のメイン処理に割
り込むIR0割込ハンドラの処理を示すフローチャート
である。
【0019】次に動作について説明する。最初に、保護
リレーシステム全体の動作を総括的に説明する。CTが
電力系統の情報量1〜12のレベル変換を実行すると、
電力系統の情報量1〜12は、入力変換器61によって
入出力処理用計算機30に適した信号レベルに変換さ
れ、アナログフィルター62に入力される。
【0020】アナログフィルター62は、入力変換器6
1が情報量の信号レベルを変換すると、その情報量から
不要な高調波成分を除去してA/D変換部63に出力す
る。A/D変換部63は、アナログフィルター62によ
って処理された情報量(アナログ信号)を所定のサンプ
リング周期毎にサンプリングして、そのアナログ信号を
デジタル信号に変換する。
【0021】伝送制御部64は、A/D変換部63によ
りA/D変換された電力系統の瞬時値データ(デジタル
の情報量)を所定の伝送フォーマットに加工してLAN
50に出力する。LAN50は、入出力処理用計算機3
0の伝送制御部64が電力系統の瞬時値データを出力す
ると、その瞬時値データを全端末一斉送信する。
【0022】保護リレー演算用計算機40の伝送制御部
69は、入出力処理用計算機30から伝送された電力系
統の瞬時値データを取り込み、その瞬時値データのうち
演算に必要なデータをリレー演算部70に出力する。リ
レー演算部70は、デジタルフィルター処理、リレー単
体演算処理、シーケンス処理などの所定のリレー演算ア
ルゴリズムに従ってリレー動作判定を実施する。その判
定の結果、電力系統の遮断器を開放する必要がある場合
には、トリップ信号を伝送制御部69に出力する。
【0023】そして、伝送制御部69は、リレー演算部
70からトリップ信号を受け取ると、そのトリップ信号
を所定の伝送フォーマットに加工してLAN50に出力
する。LAN50は、保護リレー演算用計算機40の伝
送制御部69がトリップ信号を出力すると、全端末一斉
送信する。
【0024】入出力処理用計算機30の伝送制御部64
は、保護リレー演算用計算機40から伝送されたトリッ
プ信号を取り込み、そのトリップ信号のうち対象とする
遮断器に関するトリップ信号のみをデジタル入出力部6
7に出力する。デジタル入出力部67は、伝送制御部6
4からトリップ信号を受けると、そのトリップ信号をト
リップ回路74に出力する。
【0025】そして、トリップ回路74は、入出力処理
用計算機30のデジタル入出力部67からトリップ信号
を受けると、ハードウエア処理を実行して、電力系統に
おける当該遮断器を開放する。
【0026】以上が保護リレーシステム全体の総括的な
動作である。次に、イーサネットとUDP/IPを使用
したデータ伝送(伝送制御部のメイン処理)について説
明する。まず、入出力処理用計算機30及び保護リレー
演算用計算機40の伝送制御部64,69は、タイマL
SI65,71のスピーカ用カウンタであるカウンタ
(2)を時間計測用に用いるため初期化する(ステップ
ST1)。
【0027】次に、入出力処理用計算機30の伝送制御
部64は、各入出力処理用計算機30内のA/D変換部
63のサンプリングタイミング等を合わせるため、A/
D変換部63の初期化を実施する(ステップST2,ス
テップST3)。そして、伝送制御部64,69は、電
力系統の各情報量のサンプリングタイミングを合わせる
ため、初期同期制御処理を実施し、全計算機の時刻を合
わせる(ステップST4)。初期同期制御処理の詳細は
後述する。
【0028】次に、伝送制御部64,69は、割込LS
I66,72を初期化して(ステップST5)、その
後、割込LSI66,72の割込カウンタに変化がある
か否かを判定する(ステップST6)。割込LSI66
の割込カウンタに変化がある場合は、入出力処理用計算
機30のA/D変換部63は、例えば、電気角30度
(1389μ秒)毎にサンプリングして、電力系統のア
ナログの情報量をデジタルの情報量に変換する(ステッ
プST7,ステップST8)。また、入出力処理用計算
機30のデジタル入出力部67は、保護リレー演算用計
算機40からトリップ信号を受けると、そのトリップ信
号をトリップ回路74に出力する(ステップST9)。
【0029】割込LSI72の割込カウンタに変化があ
る場合は、保護リレー演算用計算機40のリレー演算部
70がデジタルフィルター処理、リレー単体演算処理、
シーケンス処理などの所定のリレー演算アルゴリズムに
従ってリレーの動作判定を実施し、必要に応じてトリッ
プ信号を入出力処理用計算機30に出力する(ステップ
ST7,ステップST10)。
【0030】次に、伝送制御部のメイン処理(図3の処
理)に割り込むIR0割込ハンドラの処理を説明する。
まず、入出力処理用計算機30及び保護リレー演算用計
算機40の伝送制御部64,69は、処理フラグの値が
“0”であるか否かを判定する(ステップST11)。
【0031】伝送制御部64,69は、処理フラグの値
が“0”である場合には、割込LSI66,72の割込
カウンタをインクリメント、即ち、カウンタ値を1増や
す処理を実行する(ステップST12)。これにより、
図3のステップST6において、割込カウンタの変化が
検出され、ステップST7の処理に移行することにな
る。
【0032】伝送制御部64,69は、割込カウンタを
インクリメントすると、入出力処理用計算機30及び保
護リレー演算用計算機40の起動と共に、時間計測を開
始する(ステップST13)。そして、伝送制御部6
4,69は、後述するステップST26の送信処理を開
始するため、次回の割込時間を設定する(ステップST
14)。即ち、後述するステップST20のオンライン
同期制御処理を確保する時間200μ秒と、1回の送信
処理及び受信処理を確保する時間120μ秒を考慮し
て、次回の割込時間を現時刻から(200+120×
i)μ秒後に設定する。なお、変数iは計算機番号を示
し、全計算機台数をnとすると、変数iは0から(n−
1)までの値である。
【0033】次に、伝送制御部64,69は、ステップ
ST26の送信処理に備えるため、処理フラグに“1”
を代入する(ステップST15)。そして、入出力処理
用計算機30の伝送制御部64は、A/D変換部63に
対してサンプリング開始指令を出力する(ステップST
16,ステップST17)。
【0034】次に、伝送制御部64,69は、割込終了
を通知して(ステップST18)、割込禁止を解除する
(ステップST19)。そして、伝送制御部64,69
は、システム運用中に各計算機の時刻同期が外れないよ
うにするため、オンライン同期制御処理を実施する(ス
テップST20)。オンライン同期制御処理の詳細は後
述する。
【0035】伝送制御部64,69は、処理フラグの値
が“0”でない場合には、処理フラグの値が“1”であ
るか否かを判断する(ステップST21)。伝送制御部
64,69は、処理フラグの値が“1”である場合に
は、起動開始から1200μ秒後にステップST31の
受信処理でデータを受信するため、次回の割込時間を設
定する(ステップST22)。即ち、ステップST20
のオンライン同期制御処理を確保する時間200μ秒
と、1回の送信処理及び受信処理を確保する時間120
μ秒を考慮して、次回の割込時間を現時刻から(120
0−(200+120×i))μ秒後に設定する。
【0036】次に、伝送制御部64,69は、ステップ
ST31の受信処理に備えるため、処理フラグに“2”
を代入する(ステップST23)。そして、伝送制御部
64,69は、割込終了を通知して(ステップST2
4)、割込禁止を解除する(ステップST25)。
【0037】次に、伝送制御部64,69は、送信処理
を実施する(ステップST26)。即ち、入出力処理用
計算機30の伝送制御部64は、全ての保護リレー演算
用計算機40に対して送信データをブロードキャスト送
信し、保護リレー演算用計算機40の伝送制御部69
は、全ての入出力処理用計算機30に対して送信データ
をブロードキャスト送信する。
【0038】伝送制御部64,69は、処理フラグの値
が“1”でない場合には、次周期における起動の開始を
確保するため、次回の割込時間を設定する(ステップS
T27)。即ち、サンプリング周期の電気角30度(1
389μ秒)を考慮して、次回の割込時間を現時刻から
(1389−1200)μ秒後に設定する。
【0039】次に、伝送制御部64,69は、ステップ
ST20における次周期のオンライン同期制御処理に備
えるため、処理フラグに“0”を代入する(ステップS
T28)。そして、伝送制御部64,69は、割込終了
を通知して(ステップST29)、割込禁止を解除する
(ステップST30)。
【0040】次に、伝送制御部64,69は、受信処理
を実施する(ステップST31)。即ち、入出力処理用
計算機30の伝送制御部64は、保護リレー演算用計算
機40が送信するデータを受信し、保護リレー演算用計
算機40の伝送制御部69は、入出力処理用計算機30
が送信するデータを受信する。
【0041】図3のステップST4における初期同期制
御処理の処理内容を説明する。図5は初期同期制御処理
の概念を示す概念図であり、図において、100は親端
末、200は子端末である。ここで、親端末とは、全て
の入出力処理用計算機30と全ての保護リレー演算用計
算機40の中で、任意に設定された1台の計算機をい
い、子端末とは、親端末以外の全ての計算機をいうもの
とする。なお、説明の便宜上、以下、単に「親端末」と
いうときは親端末の伝送制御部を示し、単に「子端末」
というときは子端末の伝送制御部を示すものとする。
【0042】まず、親端末100と子端末200間の伝
送遅延時間を測定するために、親端末100から各子端
末200に対して、複数回通信時間計測用のデータ送信
して、その応答データを受信することにより、片道通信
時間の平均値biを計測し、その片道通信時間の平均値
biを各子端末200に送信する。
【0043】データ通信には必ず通信時間のばらつきが
生じるが、複数回の通信時間を平均化することにより、
同期制御にばらつきの影響がでないようにする。LAN
の長さ等により各端末間の通信時間が異なるため、子端
末200の数だけ通信時間の測定を実施する。通信時間
の測定が終了すると、親端末100は基準時間Cの計測
を開始するとともに、同期タイミングデータを全部の子
端末200にブロードキャスト送信する。
【0044】子端末200は同期タイミングデータの受
信と同時に、(基準時間C−片道通信時間の平均値b
i)の時間計測を実施する。親端末100は基準時間C
の経過後直ちに、マザーボードのシステム時間を初期化
し、子端末200は同期タイミングデータ受信からの経
過時間がC−bi以上になると、マザーボードのシステ
ム時間を初期化する。
【0045】次に、初期同期制御処理を具体的に説明す
る。図6及び図7は初期同期制御処理の処理内容を示す
フローチャートである。最初に親端末の処理内容を説明
する。まず、親端末は、端末台数分のソケット接続を実
施し、そのポート番号をそれぞれ(8000+i)とし
て接続する。また、ポート番号(8000+自端末番号
i)へのブロードキャストアドレスの設定を実施する
(ステップST41)。なお、変数iは端末番号を示
し、全端末台数をnとすると、変数iは0から(n−
1)までの値である。
【0046】次に、親端末は、システム時間を取得して
(ステップST42)、変数iに“0”を代入し(ステ
ップST43)、さらに、変数iを“1”だけインクリ
メントする(ステップST44)。そして、親端末は、
第i端末用のデータ、即ち、通信時間計測用のデータを
作成する(ステップST45)。
【0047】次に、親端末は、時間計測の回数を示す変
数jに“0”を代入して(ステップST46)、時間計
測を開始する準備を行う(ステップST47)。そし
て、親端末は、ステップST45において作成した第i
端末用のデータを第i端末(子端末)に送信し、親端末
と第i端末間のデータ通信時間の計測を開始する(ステ
ップST48)。
【0048】そして、第i端末から送信される第i端末
データの受信待ちを実施し(ステップST49)、第i
端末データを受信すると、親端末と第i端末間通信の1
往復時間の計測を終了し(ステップST50)、親端末
と第i端末間通信のj回の往復時間の合計値を算出する
(ステップST51)。なお、j回の往復時間の合計値
を算出するため、ステップST52で変数jをインクリ
メントし、ステップST53で変数jが予め定めたテス
ト回数に到達したか否かを判定し、変数jが予め定めた
テスト回数に満たない場合、再度、ステップST47〜
ステップST52の処理を繰り返すものとする。
【0049】親端末は、j回の往復時間の合計値を算出
すると、その合計値を変数jで除算して、1往復に要す
る通信時間の平均値を算出するとともに(ステップST
54)、1往復時間の平均値を2で除算して片道の通信
時間bを算出する(ステップST55)。このようにし
て、片道の通信時間bを算出すると、親端末は、親端末
のシステム時間と片道の通信時間bを第i端末に送信す
る(ステップST56)。そして、変数iが子端末台数
以上であるか否かを判定し(ステップST57)、子端
末台数以上であれば、ステップST58に進み、子端末
台数未満であれば、ステップST44に戻る。
【0050】次に、親端末は、子端末が受信待ちとなる
程度の一定時間を待機し(ステップST58)、その
後、基準時間の時間計測を開始する(ステップST5
9)。そして、親端末は、同期タイミングデータを子端
末に送信し(ステップST60)、時間計測の開始から
の経過時間を取得する(ステップST61)。
【0051】親端末は、予め定めた基準時間Cと経過時
間を比較し(ステップST62)、その経過時間が基準
時間Cを超えると、システム時間の設定を行う(ステッ
プST63)。なお、システム時間の設定は、子端末に
おいても実施し(ステップST83)、親端末と子端末
の設定タイミングは同時である。これにより、マザーボ
ードのシステム時間が全端末同一のデータに書き換えら
れる。
【0052】次に、子端末の処理内容を説明する。ま
ず、子端末は、親端末と同様に、端末台数分のソケット
接続を実施し、そのポート番号をそれぞれ(8000+
i)として接続する。また、ポート番号(8000+自
端末番号i)へのブロードキャストアドレスの設定を実
施する(ステップST71)。
【0053】次に、子端末は、親端末の呼びかけに応答
する応答データを作成し(ステップST72)、親端末
から送信されるデータの受信待ちを行う(ステップST
73)。そして、親端末からデータが送信されると、そ
のデータが自端末のデータであるか否かを判定し(ステ
ップST74)、自端末のデータであれば、そのデータ
が通信時間計測用のデータであるか否かを判定する(ス
テップST75)。
【0054】子端末は、親端末から受信したデータが通
信時間計測用のデータである場合、ステップST72で
作成した応答データを親端末に送信する(ステップST
76)。一方、子端末は、親端末から受信したデータが
親端末のシステム時間と片道の通信時間bであれば、そ
のシステム時間と片道の通信時間bを取得して(ステッ
プST77)、親端末から送信される同期タイミングデ
ータの受信待ちを行う(ステップST78)。
【0055】そして、子端末は、親端末から同期タイミ
ングデータを受信すると(ステップST79)、親端末
と時刻を合わせるための時間計測を開始し(ステップS
T80)、時間計測開始からの経過時間を取得する(ス
テップST81)。
【0056】子端末は、予め定めた基準時間Cから片道
通信時間bを引いた時間と経過時間を比較し(ステップ
ST82)、その経過時間がその引いた時間を超える
と、システム時間の設定を行う(ステップST83)。
なお、システム時間の設定は、親端末と同時に実施する
ため、マザーボードのシステム時間が全端末同一のデー
タに書き換えられる。
【0057】図4のステップST20におけるオンライ
ン同期制御処理の処理内容を説明する。図8はオンライ
ン同期制御処理の概念を示すタイムチャートであり、図
において、301は親端末の起動から送信までの処理を
示し、302は親端末と時刻同期が取れている子端末の
起動から受信までの処理を示し、303は親端末より遅
れている子端末の起動から受信までの処理を示し、30
4は親端末より進んでいる子端末の起動から受信までの
処理を示している。
【0058】親端末は起動から送信処理までの時間デー
タaを各子端末にブロードキャスト送信する。各子端末
は起動から受信までの時間xiを計測する。同期制御
は、a,bi,xiの関係式を以下の3パターンに分け
て行う。 ・x≒a+biのとき、同期制御は実施しない。 ・x<a+biのとき、子端末の起動が遅れていると判
断し、起動を進めるよう、例えば、15μ秒進める等の
微調整をする。 ・x>a+biのとき、子端末の起動が進んでいると判
断し、例えば、次回割込時間設定を200μ秒から(a
+bi)を引いた時間に再設定する。
【0059】次に、オンライン同期制御処理を具体的に
説明する。図9はオンライン同期制御処理の処理内容を
示すフローチャートである。最初に親端末の処理内容を
説明する。まず、親端末は、図4のステップST13に
おいて開始した経過時間の計測を終了して、その計測時
間を時間データaとする(ステップST91)。ここ
で、時間データaは親端末が起動してからデータの送信
処理を行うまでの時間を示すものである。そして、親端
末は、その時間データaを子端末に送信する(ステップ
ST92)。
【0060】次に、子端末の処理内容を説明する。ま
ず、子端末は、親端末から送信される時間データaの受
信待ちを実施し(ステップST101)、その時間デー
タaを受信すると、図4のステップST13において開
始した経過時間の計測を終了して、その計測時間を時間
データxとする(ステップST102)。ここで、時間
データxは子端末が起動してから親端末が送信したデー
タの受信処理が完了するまでの時間を示すものである。
【0061】次に、子端末は、ステップST101で受
信された時間データaを取得して(ステップST10
3)、その時間データaと、図6のステップST56で
親端末から送信された片道通信時間bとを足し合わせ
て、その累計値を算出する(ステップST104)。
【0062】また、子端末は、ステップST102で取
得した時間データxの累計値を算出し(ステップST1
05)、累計回数のインクリメントを行う(ステップS
T106)。そして、子端末は、累計回数が予め設定さ
れた回数である32回に到達したか否かを判定する(ス
テップST107)。
【0063】子端末は、累計回数が32回である場合、
a+bの累計値からa+bの平均値を算出するとともに
(ステップST108)、xの累計値からxの平均値を
算出する(ステップST109)。ここで、a+bの平
均値をAとし、xの平均値をXとする。
【0064】次に、子端末は、上記の平均値Aから平均
値Xを引いた値(A−X)が、例えば、10μ秒よりも
大きいか否かを判断する(ステップST110)。子端
末は、(A−X)が10μ秒よりも大きい場合、子端末
の起動が親端末の起動よりも遅れているため、子端末の
起動を例えば15μ秒進めることとし、次回の割込時間
を図4のステップST14で設定した時間から(A+1
5)μ秒差し引いた時間に再設定し(ステップST11
1)、上記の累計値を全てクリアする(ステップST1
12)。即ち、次回の割込時間を現時刻から(200+
120×i−(A+15))μ秒後に再設定する。
【0065】子端末は、(A−X)が10μ秒よりも大
きくない場合、上記の平均値Aから平均値Xを引いた値
(A−X)が、例えば、−10μ秒よりも小さいか否か
を判断する(ステップST113)。子端末は、(A−
X)が−10μ秒よりも小さい場合、子端末の起動が親
端末の起動よりも進んでいるため、子端末の起動を親端
末の起動に合わせることとし、次回の割込時間を図4の
ステップST14で設定した時間からAμ秒差し引いた
時間に再設定し(ステップST114)、上記の累計値
を全てクリアする(ステップST112)。即ち、次回
の割込時間を現時刻から(200+120×i−A)μ
秒後に再設定する。
【0066】図10は図4のステップST26における
送信処理の処理内容を示すフローチャートである。伝送
制御部64,69は、系統情報等のデータをポート番号
(8000+自端末番号i)に対してブロードキャスト
送信することにより、送信処理を実施する(ステップS
T121)。
【0067】図11は図4のステップST31における
受信処理の処理内容を示すフローチャートである。ま
ず、伝送制御部64,69は、変数iに0を代入して
(ステップST131)、変数iが自端末番号と一致す
るか否か判定する(ステップST132)。
【0068】変数iが自端末番号と一致する場合には、
ステップST134の処理に進むが、変数iが自端末番
号と一致しない場合には、UDP/IPドライバが受信
済みの系統情報データをポート番号8000から順番に
8000+(n−1)まで取り出す処理を実施し(ステ
ップST133)、変数iをインクリメントする(ステ
ップST134)。そして、変数iが全端末台数nに一
致するか否かを判定し(ステップST135)、一致す
れば、受信処理を終了する。
【0069】以上で明らかなように、この実施の形態1
によれば、系統情報の入力処理とトリップ信号の出力処
理を実施する装置を汎用の計算機を用いて構成するとと
もに、リレー演算を実行する装置を汎用の計算機を用い
て構成し、LAN50を介して各汎用の計算機間を接続
するので、技術革新が進む汎用技術を適用して、開発コ
ストを低減することができる効果を奏する。また、入出
力処理用計算機30は電力系統の現場機器近傍に設置
し、保護リレー演算用計算機40はLAN50を経由し
て配電盤室に設置する場合には、現場機器から入出力用
計算機30までの距離が短くなるため、制御ケーブルの
大幅な削減につながり、トータルコストの低減を図るこ
とができる効果を奏する。
【0070】さらに、複数の系統情報を入力対象とする
保護リレー演算では、電力系統の各情報量のサンプリン
グタイミングが同じタイミングである必要があるが、各
計算機間の時刻同期制御をLAN50経由で実施するの
で、保護リレーの演算精度を高めることができる効果を
奏する。また、各計算機間の時刻同期制御を実施するに
際し、GPS等の外部信号を用いることなく実施できる
ので、装置構成を簡略化することもできる。また、一定
の周期で処理を行っている保護リレーシステムにイーサ
ネットを適用する場合、データの衝突による応答時間の
不確定さが問題となるが、一定の周期で各計算機の起動
をかけて、送信タイミングのタイムスケジュールを組む
ことにより、端末番号順でデータ送信を実施するためデ
ータの衝突が発生せず、時間的な正確さを確保すること
ができる効果を奏する。また、UDP/IPを用いたブ
ロードキャスト送信を実施することにより、全端末一斉
送信を実施できるため伝送効率が向上する効果も奏す
る。
【0071】因みに、従来の保護リレーシステムの開発
コストは、ハードウエア費用が占める割合が極めて高い
が、この実施の形態1では、市販の計算機及びLANを
使用するため、ハードウエア費用が割安になる。ソフト
ウエア費用として、LAN制御用ソフトの開発費が発生
するが、ソフトウエアはハードウエアと異なり、数が出
ればコピー効果により価格が低下するため、ハードウエ
ア費用減少分以下の価格に押さえることができる。従っ
て、従来の保護リレーシステムよりも安く構築すること
ができる。
【0072】実施の形態2.上記実施の形態1では、保
護リレー演算用計算機40をLAN50に直接接続する
ものについて示したが、図12に示すように、保護リレ
ー演算用計算機40をLAN50と直接接続せずに共有
メモリ90と接続し、その共有メモリ90をLAN端末
80と接続するようにしてもよい。
【0073】図13は共有メモリ90を用いる場合のソ
フトウエアのメイン処理を示すフローチャートであり、
図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示
している。ステップST141では、共有メモリ90を
用いる場合、保護リレー演算用計算機40が入出力処理
用計算機30とデータ通信を実施する際、LAN端末8
0及び保護リレー演算用計算機40が共有メモリ90を
アクセスし、LAN端末80と保護リレー演算用計算機
40間のデータ転送を実施するようにする。
【0074】図14はLAN端末80及び保護リレー演
算用計算機40が共有メモリ90をアクセスする場合の
ソフトウエア処理を示すフローチャートである。LAN
端末80は、入出力処理用計算機30から系統情報等が
送信されると、その系統情報などのデータを共有メモリ
90に書き込む処理を実施する(ステップ151)。
【0075】そして、LAN端末80は、入力フラグに
“1”を代入して演算フラグを全て0クリアし(ステッ
プST152)、iに“0”を代入する(ステップST
153)。次に、LAN端末80は、保護リレー演算用
計算機40が演算結果を共有メモリ90に書き込むと、
演算フラグ[i]に“1”を代入するので、演算フラグ
[i]が“1”であるか否かを判定する(ステップST
154)。
【0076】LAN端末80は、演算フラグ[i]が
“1”であれば、変数iをインクリメントし(ステップ
ST155)、変数iが端末台数に一致するか否かを判
定し(ステップST156)、一致すれば、RETUR
Nを返す。
【0077】保護リレー演算用計算機40は、入力フラ
グが“1”であるか否かを判定する(ステップST16
1)。入力フラグが“1”である場合、LAN端末80
がデータを共有メモリ90に書き込んでいるので、保護
リレー演算用計算機40は、共有メモリ90から保護リ
レー演算に必要なデータを取得する(ステップST16
2)。また、保護リレー演算用計算機40は、1つ前の
演算周期において保護リレー演算を実施したときの演算
結果を共有メモリ90に書き込む処理を実施する(ステ
ップST163)。
【0078】そして、保護リレー演算用計算機40は、
演算結果を共有メモリ90に書き込むと、演算フラグ
[i]に“1”を代入して(ステップST164)、入
力フラグに“0”を代入する(ステップST165)。
次に、保護リレー演算用計算機40は、ステップST1
62で取得したデータに基づいて保護リレー演算を実施
する(ステップST166)。
【0079】これにより、共有メモリ90に複数台の保
護リレー演算用計算機40を繋げることができるため、
LAN50に繋がる計算機台数が限度を越えた場合にも
共有メモリ90を使用することで、保護リレーシステム
を拡張することができるようになり、大規模変電所であ
っても、1システムで対応することができる。また、共
有メモリ90を介することにより、保護リレー演算用計
算機40は伝送制御部69でLAN制御を実施する必要
が無くなるため、データの送受信処理にかかる時間をリ
レー演算に費やすことができる。
【0080】さらに、保護リレー演算用計算機40はL
AN50に直接繋がっていないため、システムを停止す
ることなく、保護リレー演算用計算機40の加入や離脱
を行うことができる。そのため、リレー動作条件を調整
する機構である整定部を変更したり、リレーの動作状態
を表示する機構である表示部の状態を見たり、リレー動
作時のアナログ入力量やリレー演算結果などの詳細デー
タを保存する機構であるデータ保存部からデータを取り
出す等の作業を行うことができる。
【0081】実施の形態3.上記実施の形態2では、入
出力処理用計算機30と保護リレー演算用計算機40間
のデータ通信方式として、スケジューリング方式を採用
する場合において、保護リレー演算用計算機40を共有
メモリ90と接続するものについて示したが、順番性で
データ通信を行う送信権方式を採用する場合にも保護リ
レー演算用計算機40を共有メモリ90と接続するよう
にしてもよい。
【0082】図15は送信権方式でデータ通信を実施す
る場合のソフトウエア処理を示すフローチャートであ
り、図において、図13及び図4と同一符号は同一また
は相当部分を示している。ステップST171では、ス
テップST20のオンライン同期制御処理を確保する時
間200μ秒を考慮して、次回の割込時間を現時刻から
200μ秒後に設定する。
【0083】ステップST172では、起動周期がサン
プリング周期の電気角30度(1389μ秒)に相当す
ることと、オンライン同期制御処理を確保する時間が2
00μ秒であることを考慮して、次回の割込時間を現時
刻から1189μ秒(1389−200μ秒)後に設定
する。ステップST173では、後述する送信権通信制
御処理を実施し、データが衝突しないよう順番性で送信
する。
【0084】図16及び図17は送信権方式でデータ通
信を実施する場合の初期同期制御処理のソフトウエア処
理を示すフローチャートであり、図において、図6及び
図7と同一符号は同一または相当部分を示している。ス
テップST181では、親端末がポート番号8000の
ソケット接続のみを実施し、ブロードキャストのアドレ
ス設定を実施する。ステップST182では、子端末が
ポート番号8000のソケット接続のみを実施し、ブロ
ードキャストのアドレス設定を実施する。
【0085】図18は図15のステップST173にお
ける送信権通信制御処理の処理内容を示すフローチャー
トである。まず、伝送制御部64,69は、送信権通信
制御処理を実施するに際し、端末の番号を意味する変数
iに0を代入する(ステップST191)。
【0086】伝送制御部64,69は、自端末の番号が
変数iと一致するか否かを判断する(ステップST19
2)。伝送制御部64,69は、自端末の番号が変数i
と一致しない場合、他端末から送信されるデータの受信
待ちを実施し(ステップST193)、他端末からデー
タを受信すると、変数iをインクリメントする(ステッ
プST194)。
【0087】一方、自端末の番号が変数iと一致する場
合、自端末にデータの送信権があるので、他端末に系統
情報等のデータをブロードキャスト送信し(ステップS
T196)、変数iをインクリメントする(ステップS
T194)。そして、伝送制御部64,69は、変数i
が全端末台数と一致するか否かを判断し、一致すれば、
RETURNを返す(ステップST195)。
【0088】ここで、図19は上記実施の形態1,2に
代表されるスケジューリング方式のデータ通信概念と、
この実施の形態3における送信権方式のデータ通信概念
とを示し、端末台数が3台の場合の送受信関係を示す説
明図である。スケジューリング方式では、微妙なタイミ
ングで割込を発生させる必要があるため、データ送信タ
イミング間にマージンを設ける必要がある。これに対し
て、送信権方式では送信順を決め、データの受信後、即
送信する方式を採用しているので、データ送受信のタイ
ミングに間隔を開ける必要がない。
【0089】送信権方式ではデータ送受信のタイミング
に間隔を開ける必要がないので、送受信に要する処理時
間がスケジューリング方式に比べて短く、多くの端末を
接続することができる。また、微妙なタイミングで割込
を発生させるスケジューリング方式に比べて送信権方式
の通信制御は容易である。
【0090】実施の形態4.上記実施の形態1では、L
AN50を介して入出力処理用計算機30と保護リレー
演算用計算機40を接続するものについて示したが、図
20に示すように、共有メモリ90を介して入出力処理
用計算機30と保護リレー演算用計算機40を接続する
ようにしてもよい。ただし、この場合、入出力処理用計
算機30は、共有メモリ90に1台しか接続できず、2
台以上接続する場合は、入出力処理用計算機30間でサ
ンプリング同期が取れるように、外部からサンプリング
クロックを与える必要がある。
【0091】図21は共有メモリ90を介して入出力処
理用計算機30と保護リレー演算用計算機40を接続す
る場合のソフトウエア処理を示すフローチャートであ
り、図において、図15と同一符号は同一または相当部
分を示している。ステップST201では、サンプリン
グ周期である電気角30度(1389μ秒)の周期で割
込が入るようにタイマLSI65,71の設定を実施し
ている。
【0092】これにより、共有メモリ90を介して入出
力処理用計算機30と保護リレー演算用計算機40を接
続してマルチCPU構成とすると、1端末では処理でき
ない保護対象に対しても、LAN50を使用することな
く対応できるため、伝送制御部64が不要となり、その
結果、複雑な通信制御を実施する必要が無くなりソフト
製作が容易になる効果を奏する。
【0093】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、系統
情報の入力処理とトリップ信号の出力処理を実施する装
置を汎用の計算機を用いて構成するとともに、リレー演
算を実行する装置を汎用の計算機を用いて構成し、LA
Nを介して各汎用の計算機間を接続するように構成した
ので、技術革新が進む汎用技術を適用して、開発コスト
を低減することができる効果がある。また、入出力処理
用計算機は電力系統の現場機器近傍に設置し、保護リレ
ー演算用計算機はLANを経由して配電盤室に設置する
場合には、現場機器から入出力用計算機までの距離が短
くなるため、制御ケーブルの大幅な削減につながり、ト
ータルコストの削減を図ることができる効果がある。さ
らに、入出力処理用計算機及び保護リレー演算用計算機
が取り扱う時刻の同期を図るように構成したので、保護
リレーの演算精度を高めることができる効果がある。ま
た、各計算機間の時刻同期制御を実施するに際し、GP
S等の外部信号を用いることなく実施できるので、装置
構成を簡略化することもできる。
【0094】この発明によれば、保護リレー演算用計算
機をLANと直接接続せずに共有メモリと接続し、その
共有メモリをLAN端末と接続するように構成したの
で、共有メモリに複数台の保護リレー演算用計算機を繋
げることができる関係上、LANに繋がる計算機台数が
限度を越えた場合にも共有メモリを使用することで、保
護リレーシステムを拡張することができるようになり、
大規模変電所であっても、1システムで対応することが
できる効果がある。また、共有メモリを介することによ
り、保護リレー演算用計算機は伝送制御部でLAN制御
を実施する必要が無くなるため、データの送受信処理に
かかる時間をリレー演算に費やすことができる効果があ
る。さらに、保護リレー演算用計算機はLANに直接繋
がっていないため、システムを停止することなく、保護
リレー演算用計算機の加入や離脱を行うことができる。
そのため、リレー動作条件を調整する機構である整定部
を変更したり、リレーの動作状態を表示する機構である
表示部の状態を見たり、リレー動作時のアナログ入力量
やリレー演算結果などの詳細データを保存する機構であ
るデータ保存部からデータを取り出す等の作業を行うこ
とができる効果がある。
【0095】この発明によれば、LANを介して接続さ
れている入出力処理用計算機と保護リレー演算用計算機
の立ち上げ時に時刻の同期を図るとともに、システムの
運用中にオンライン状態で時刻の同期を図るように構成
したので、2以上の系統情報を入力対象とする保護リレ
ー演算を実施する場合でも、精度よく保護リレー演算を
実施することができる効果がある。
【0096】この発明によれば、入出力処理用計算機と
保護リレー演算用計算機間のデータ通信方式として、送
信タイミングのタイムスケジュールを組むスケジューリ
ング方式を採用するように構成したので、一定の周期で
処理を行っている保護リレーシステムにイーサネットを
適用する場合、データの衝突による応答時間の不確定さ
が問題となるが、端末番号順でデータ送信を実施するた
めデータの衝突が発生せず、時間的な正確さを確保する
ことができる効果がある。
【0097】この発明によれば、入出力処理用計算機と
保護リレー演算用計算機間のデータ通信方式として、順
番性でデータ通信を行う送信権方式を採用するように構
成したので、送受信に要する処理時間がスケジューリン
グ方式に比べて短く、多くの端末を接続することができ
る効果がある。また、微妙なタイミングで割込を発生さ
せるスケジューリング方式に比べて、通信制御が容易に
なる効果もある。
【0098】この発明によれば、系統情報の入力処理と
トリップ信号の出力処理を実施する装置を汎用の計算機
を用いて構成するとともに、リレー演算を実行する装置
を汎用の計算機を用いて構成し、共有メモリを介して各
汎用の計算機間を接続するように構成したので、1端末
では処理できない保護対象に対しても、LANを使用す
ることなく対応できる。従って、伝送制御部が不要にな
るため、複雑な通信制御を実施する必要が無くなり、ソ
フト製作が容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による保護リレーシ
ステムを示す構成図である。
【図2】 入出力処理用計算機及び保護リレー演算用計
算機の詳細構成を示す構成図である。
【図3】 LANにイーサネットとUDP/IPを採用
した場合のソフトウエアのメイン処理を示すフローチャ
ートである。
【図4】 図3のメイン処理に割り込むIR0割込ハン
ドラの処理を示すフローチャートである。
【図5】 初期同期制御処理の概念を示す概念図であ
る。
【図6】 初期同期制御処理の処理内容を示すフローチ
ャートである。
【図7】 初期同期制御処理の処理内容を示すフローチ
ャートである。
【図8】 オンライン同期制御処理の概念を示すタイム
チャートである。
【図9】 オンライン同期制御処理の処理内容を示すフ
ローチャートである。
【図10】 図4のステップST26における送信処理
の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】 図4のステップST31における受信処理
の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態2による保護リレー
システムを示す構成図である。
【図13】 共有メモリを用いる場合のソフトウエアの
メイン処理を示すフローチャートである。
【図14】 LAN端末及び保護リレー演算用計算機4
0が共有メモリ90をアクセスする場合のソフトウエア
処理を示すフローチャートである。
【図15】 送信権方式でデータ通信を実施する場合の
ソフトウエア処理を示すフローチャートである。
【図16】 送信権方式でデータ通信を実施する場合の
初期同期制御処理のソフトウエア処理を示すフローチャ
ートである。
【図17】 送信権方式でデータ通信を実施する場合の
初期同期制御処理のソフトウエア処理を示すフローチャ
ートである。
【図18】 図15のステップST173における送信
権通信制御処理の処理内容を示すフローチャートであ
る。
【図19】 各種データ通信の概念を示す説明図であ
る。
【図20】 この発明の実施の形態4による保護リレー
システムを示す構成図である。
【図21】 共有メモリを介して入出力処理用計算機3
0と保護リレー演算用計算機を接続する場合のソフトウ
エア処理を示すフローチャートである。
【図22】 従来の保護リレーシステムを示す構成図で
ある。
【符号の説明】
30 入出力処理用計算機、40 保護リレー演算用計
算機、50 LAN、61 入力変換器、62 アナロ
グフィルター、63 A/D変換部、64 伝送制御部
(時刻同期手段)、65 タイマLSI、66 割込L
SI、67 デジタル入出力部、68 バス、69 伝
送制御部(時刻同期手段)、70 リレー演算部、71
タイマLSI、72 割込LSI、73 バス、74
トリップ回路、80 LAN端末、90 共用メモ
リ、100 親端末、200 子端末。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 健司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 中山 日出男 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1丁目1番2 号 メルコ・パワーシステムズ株式会社内 (72)発明者 井上 和茂 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 嶋野 真司 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の状態量を示す系統情報を入力
    して、その系統情報をLANに出力する一方、そのLA
    Nからトリップ信号を入力して、遮断器のトリップ回路
    にトリップ信号を出力する入出力処理用計算機と、上記
    入出力処理用計算機がLANに系統情報を出力すると、
    そのLANから系統情報を入力してリレー演算を実行
    し、電力系統の遮断器を開放する必要がある場合にはト
    リップ信号をLANに出力する保護リレー演算用計算機
    と、上記入出力処理用計算機及び保護リレー演算用計算
    機が取り扱う時刻の同期を図る時刻同期手段とを備えた
    保護リレーシステム。
  2. 【請求項2】 保護リレー演算用計算機をLANと直接
    接続せずに共有メモリと接続し、その共有メモリをLA
    N端末と接続することを特徴とする請求項1記載の保護
    リレーシステム。
  3. 【請求項3】 時刻同期手段は、入出力処理用計算機及
    び保護リレー演算用計算機の立ち上げ時に時刻の同期を
    図るとともに、システムの運用中にオンライン状態で時
    刻の同期を図ることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の保護リレーシステム。
  4. 【請求項4】 入出力処理用計算機と保護リレー演算用
    計算機間のデータ通信方式として、送信タイミングのタ
    イムスケジュールを組むスケジューリング方式を採用す
    ることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいず
    れか1項記載の保護リレーシステム。
  5. 【請求項5】 入出力処理用計算機と保護リレー演算用
    計算機間のデータ通信方式として、順番性でデータ通信
    を行う送信権方式を採用することを特徴とする請求項2
    記載の保護リレーシステム。
  6. 【請求項6】 電力系統の状態量を示す系統情報を入力
    して、その系統情報を共有メモリに出力する一方、その
    共有メモリからトリップ信号を入力して、遮断器のトリ
    ップ回路にトリップ信号を出力する入出力処理用計算機
    と、上記入出力処理用計算機が共有メモリに系統情報を
    出力すると、その共有メモリから系統情報を入力してリ
    レー演算を実行し、電力系統の遮断器を開放する必要が
    ある場合にはトリップ信号を共有メモリに出力する保護
    リレー演算用計算機とを備えた保護リレーシステム。
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