JP2001064985A - 宅地等造成のための擁壁工事工法及び擁壁構造 - Google Patents

宅地等造成のための擁壁工事工法及び擁壁構造

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JP2001064985A
JP2001064985A JP24007099A JP24007099A JP2001064985A JP 2001064985 A JP2001064985 A JP 2001064985A JP 24007099 A JP24007099 A JP 24007099A JP 24007099 A JP24007099 A JP 24007099A JP 2001064985 A JP2001064985 A JP 2001064985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤に影響されずに、施工段階の掘削や埋め
戻しを極力少なくした。 【解決手段】 上部及び下部敷地1,2の隣接部から下
部敷地側に所定の幅離間位置に、形成すべき擁壁5の高
さより大なる深さを有するように穿設した複数個の孔6
をモルタル12により根固めすることによって建て込み
固定されたH形鋼製の基礎柱体7と、基礎柱体7の下部
敷地1側を、形成すべく擁壁5の深さに適合するまで、
掘削して地山4を形成しながら順次隣り合う基礎柱体7
の凹溝7a間に形成したコンクリート壁9と、コンクリ
ート壁9と上部敷地1との間に形成される空隙に充填し
た盛り砂層14と、コンクリート壁9及び基礎柱体7の
両上部に、底壁部101がコンクリート壁9に鉄筋にて
連結することによって載置されたL型壁と、該L型壁1
0の開口側10aと上部敷地1との間に形成される空隙
にL型壁10を転圧するように充填された砂等の転圧層
11とで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに隣接する宅
地等二つの敷地を階段状に配置させた場合に、該両敷地
の隣接部に形成される地山に山止めのための擁壁工事を
施す擁壁工事工法及び擁壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種擁壁工事としては、重力式
コンクリート擁壁、L型鉄筋コンクリート擁壁、逆T型
鉄筋コンクリート擁壁、バットレスタイプの擁壁、アン
カー型直立壁、もたれ壁等を施した工法が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】重力式コンクリート擁
壁による工法は、図22に示すように、縦断面略台形の
コンクリート壁aを形成し、下部側に重心を持った自重
にて地山Xの山止めを行なおうとするものであり、擁壁
としては非常に安定していることで知られているが、コ
ンクリート壁aを支えるための下の地盤がよくないと、
反ってコンクリート壁aの自重により自身が傾いてしま
うことを考えなければならないと共に、コンクリート壁
aが占める体積或いはコンクリート壁aを形成するため
の作業用掘削容積を大きくとるために、大きく掘削し、
大きく埋め戻しせざるを得ない問題点がある。
【0004】L型鉄筋コンクリート擁壁は、図23に示
すように、縦断面L字型を呈するコンクリート壁bを形
成し、下部側の水平辺部bbによってコンクリート壁b
の倒れ込みを防止するものであり、図示はしないが、逆
T型鉄筋コンクリート擁壁は縦断面T字型を呈するコン
クリート壁を形成し、下部側の水平辺部によってコンク
リート壁の倒れ込みを防止しようとするものであり、
又、バットレスタイプの擁壁は、図23に示すL型鉄筋
コンクリート擁壁のコンクリート壁bに上部側を頂点と
する三角片部(二点鎖線示部分参照)を付設したもの
で、下部側の水平辺部bb及び三角片部bbbによって
コンクリート壁bの倒れ込みを防止するものである。
【0005】しかし、L型鉄筋コンクリート擁壁、逆T
型鉄筋コンクリート擁壁及びバットレスタイプによる擁
壁は、いずれも、コンクリート壁bを形成するための作
業用掘削容積をとるために、大きく掘削し、大きく埋め
戻しせざるを得ない問題点がある。
【0006】アンカー型直立壁は、図示しないが、直立
のコンクリート壁によって構成するもので、この直立の
コンクリート壁の転倒を地山側にアンカーを水平又は下
向きに敷設して引張ることによって防止しようとするも
のであるが、アンカーを敷設するための作業用掘削容積
をとるために、大きく掘削し、大きく埋め戻しせざるを
得ず、又、将来的にアンカーが何らかの原因で切断して
しまうことをも考慮しなければならないという問題点が
ある。
【0007】もたれ壁(間知ブロック、石積み、石垣
等)は、図24に示すように、複数個の石(或いはブロ
ック)cを互いに段違いに積み上げて形成されるもので
あるが、力学的に未解明の部分もあって、高い擁壁には
採用できないという問題がある。
【0008】そこで、本発明は、上記従来の問題を解決
するもので、造成すべき敷地の地盤に影響されず、又、
施工段階での掘削や埋め戻しを極力少なくして、しか
も、より高い擁壁により地山の山止めを可能とした宅地
等造成のための擁壁工事工法及び擁壁構造を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による宅地等造成のための擁壁工事工法は、
互いに隣接する二つの敷地を階段状に配置させた場合
に、該両敷地の隣接部に形成される地山に擁壁工事を施
す擁壁工事工法であって、前記両敷地の隣接部におい
て、該隣接部に沿うように互いに適宜の間隙を置いて、
前記形成すべき擁壁の高さより大なる深さを有する孔を
複数個穿設し、該孔内をモルタルにより根固めすること
によってH形鋼製の基礎柱体を、その凹溝側が互いに向
かい合うように建て込み固定し、次に、前記基礎柱体の
下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適合するまで、
掘削して地山を形成しながら順次隣り合う前記基礎柱体
の前記向かい合う凹溝間にコンクリートパネルを添設す
るように差し込んでコンクリート壁を形成し、その後、
該コンクリート壁の前記上部敷地側に砂、砂利、再生砂
或いは再生砂利を充填して盛り砂層を形成し、次に、前
記コンクリート壁及び基礎柱体の両上部にL型壁をその
開口側が前記上部敷地側に対向するように設置すると共
に該L型壁と前記コンクリート壁とを鉄筋にて連結し、
次に、該L型壁の開口側上に砂、砂利、再生砂又は再生
砂利を充填して、該砂、砂利、再生砂又は再生砂利によ
って前記L型壁を転圧する転圧層を形成したことを特徴
とするものである。
【0010】又、本発明による宅地造成のための擁壁工
事工法は、互いに隣接する二つの敷地を階段状に配置さ
せた場合に、該両敷地の隣接部に形成される地山に擁壁
工事を施す擁壁工事工法であって、前記両敷地の隣接部
において、該隣接部に沿うように互いに適宜の間隙を置
いて、前記形成すべき擁壁の高さより大なる深さを有す
る孔を複数個穿設し、該孔内をモルタルにより根固めす
ることによってH形鋼製の基礎柱体を、その凹溝側が互
いに向かい合うように建て込み固定し、次に、前記基礎
柱体の下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適合する
まで、掘削して地山を形成しながら順次隣り合う前記基
礎柱体の前記向かい合う凹溝間にコンクリートパネルを
添設するように差し込んでコンクリート壁を形成し、そ
の後、該コンクリート壁の前記上部敷地側に砂、砂利、
再生砂或いは再生砂利を充填して盛り砂層を形成し、次
に、前記コンクリート壁及び基礎柱体の両上部に、これ
を被覆するように現場打ちにより形成する鉄筋コンクリ
ート笠木を設置し、該鉄筋コンクリート笠木に設けたア
ンカーボルトにて、前記鉄筋コンクリート笠木の上部に
コンクリート二次製品のL型壁を、該L型壁の開口側が
前記上部敷地側に対向するように据え付け、次に、該L
型壁の開口側上に砂、砂利、再生砂又は再生砂利を充填
して、該砂、砂利、再生砂又は再生砂利によって前記L
型壁を転圧する転圧層を形成したことを特徴とする。
【0011】又、本発明による宅地造成のための擁壁工
事工法は、互いに隣接する二つの敷地を階段状に配置さ
せた場合に、該両敷地の隣接部に形成される地山に擁壁
工事を施す擁壁工事工法であって、前記両敷地の隣接部
において、該隣接部に沿うように互いに適宜の間隙を置
いて、前記形成すべき擁壁の高さより大なる深さを有す
る孔を複数個穿設し、該孔内をモルタルにより根固めす
ることによってH形鋼製の基礎柱体を、その凹溝側が互
いに向かい合うように建て込み固定し、次に、前記基礎
柱体の下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適合する
まで、掘削して地山を形成しながら順次隣り合う前記基
礎柱体の前記上部敷地側に矢板を添設すると共に、前記
下部敷地側に型枠を添設して、該型枠及び矢板と前記基
礎柱体とが形成する空間部にコンクリートを流し込んで
コンクリート壁を形成し、その後、前記型枠を取外し、
且つ前記矢板の前記上部敷地側に砂、砂利、再生砂或い
は再生砂利を充填して盛り砂層を形成し、次に、前記矢
板及びコンクリート壁の上部と前記基礎柱体の上部とに
L型壁をその開口側が前記上部敷地側に沿うように設置
すると共に該L型壁と前記コンクリート壁とを鉄筋にて
連結し、次に、該L型壁の開口側上に、砂利、再生砂又
は再生砂利を充填して、該砂、砂利、再生砂又は再生砂
利によって前記L型壁を転圧する転圧層を形成したこと
を特徴とする。
【0012】又、本発明による宅地造成のための擁壁工
事工法は、互いに隣接する二つの敷地を階段状に配置さ
せた場合に、該両敷地の隣接部に形成される地山に擁壁
工事を施す擁壁工事工法であって、前記両敷地の隣接部
において、該隣接部に沿うように互いに適宜の間隙を置
いて、前記形成すべき擁壁の高さより大なる深さを有す
る孔を複数個穿設し、該孔内をモルタルにより根固めす
ることによってH形鋼製の基礎柱体を、その凹溝側が互
いに向かい合うように建て込み固定し、次に、前記基礎
柱体の下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適合する
まで、掘削して地山を形成しながら順次隣り合う前記基
礎柱体の前記上部敷地側に矢板を添設すると共に、前記
下部敷地側に型枠を添設して、該型枠及び矢板と前記基
礎柱体とが形成する空間部にコンクリートを流し込んで
コンクリート壁を形成し、その後、前記型枠を取外し、
且つ前記矢板の前記上部敷地側に砂、砂利、再生砂或い
は再生砂利を充填して盛り砂層を形成し、次に、前記矢
板及びコンクリート壁の上部と前記基礎柱体の上部と
に、現場打ちにより形成する鉄筋コンクリート笠木を設
置し、該鉄筋コンクリート笠木に設けたアンカーボルト
にて、前記鉄筋コンクリート笠木の上部にコンクリート
二次製品のL型壁を、該L型壁の開口側が前記上部敷地
側に対向するように据え付け、次に、該L型壁の開口側
上に砂、砂利、再生砂又は再生砂利を充填して、該砂、
砂利、再生砂又は再生砂利によって前記L型壁を転圧す
る転圧層を形成したことを特徴とする。
【0013】更に又、本発明による宅地造成のための擁
壁構造は、互いに隣接する二つの敷地を階段状に配置さ
せた場合に、該両敷地の隣接部に形成される地山に擁壁
工事を施す宅地等造成のための擁壁構造であって、前記
両敷地の隣接部から下部敷地側ににおいて、前記隣接部
に沿うように互いに適宜の間隙を置いて、前記形成すべ
き擁壁の高さより大なる深さを有するように穿設された
複数個の孔内にモルタルにより根固めすることによって
建て込み固定されたH形鋼製の基礎柱体と、該基礎柱体
の下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適合するま
で、掘削して地山を形成しながら順次隣り合う前記基礎
柱体の前記向かい合う凹溝間に形成されたコンクリート
壁と、該コンクリート壁に対して前記上部敷地側に形成
される砂、砂利、再生砂或いは再生砂利を充填すること
により形成された盛り砂層と、該盛り砂層と前記コンク
リート壁及び基礎柱体の両上部とに、開口側が前記上部
敷地側に向かうように設置すると共に前記コンクリート
壁に鉄筋にて連結されるL型壁と、該L型壁の開口側に
該L型壁を転圧するように充填された砂、砂利、再生砂
又は再生砂利により形成した転圧層と、から構成したこ
とを特徴とする。
【0014】このように構成する本発明によれば、上下
敷地間に形成される地山は、基礎柱体の凹溝内に入り込
んで形成されたコンクリート壁と該コンクリート壁に鉄
筋にて連結されたL型壁とで形成された擁壁によって山
止めされることになり、しかも、基礎柱体は前記L型壁
の開口側に砂、砂利、再生砂或いは再生砂利を充填転圧
したために、地山側に回転する安定モーメントが与えら
れることになって、地山側から土が押されてくる土圧に
よる転倒モーメントに対抗して、下部敷地側への倒れこ
みが防止されて、前記擁壁を非常に堅固なものとする。
【0015】又、前記L型壁は、予め建て込んだ基礎柱
体の間に形成されるので、地山の掘削を最小限度に止め
ることができ、このために、施工段階の掘削面積及び施
工後の埋め戻し土を非常に少なくすることができる。
【0016】更には、基礎柱体の長さを選択することに
よって、山止めを行う擁壁の高さを調整することがで
き、しかも、基礎柱体のアンカー部がモルタルによる根
固めが施されて入ることから、比較的高い擁壁をも形成
することができる。
【0017】又、本発明は、前記コンクリート壁が、現
場打ち鉄筋コンクリート製のコンクリート壁であっても
よく、この場合、擁壁は、L型壁及びコンクリート壁が
基礎柱体の凹部内に入り込んで、基礎柱体と一体の擁壁
として構成することになり、基礎柱体は、予め建て込ん
でだとしても、現場打ち鉄筋コンクリート製のコンクリ
ート壁で被覆されることになって、表面にはすべて鉄筋
コンクリートのみが表れる擁壁を形成することができ
る。
【0018】更に、本発明は、前記コンクリート壁及び
L型壁に水抜き穴を設けると共に、該水抜き穴における
前記上部敷地側にフィルターを設けて構成してもよく、
この場合には、前記コンクリート壁及びL型壁の上部敷
地側に地下水及び雨水が溜まることがなく、しかも、上
部敷地側の土砂がフィルターの存在により下部敷地側に
地下水或いは雨水と共に流れ出ることがない。この結
果、擁壁は、地山側からの水圧によって発生する転倒モ
ーメント及び土砂が押し寄せて来ることによって発生す
る土圧による転倒モーメントが発生することを防止で
き、より安定した擁壁であるといえる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態1に係
る宅地等造成のための山止め工事工法を、図1乃至図1
0を用いて、順次説明する。
【0020】先ず、図1は、本発明の実施の形態1にお
ける宅地等造成のための山止め工事工法を用いて造成し
た宅地等敷地を示す一部断面斜視図であり、全体敷地X
は例えば上側から敷地A,敷地B及び敷地Cを階段状に
三段配置させて構成している。
【0021】そして、敷地Aを上部敷地1とすると、敷
地Bが下部敷地2を構成し、又、敷地Bを上部敷地3と
すると、敷地Cが下部敷地2を構成する関係となってお
り、上部敷地1と下部敷地2との隣接部3に形成された
地山4は、本実施の形態による擁壁工事工法により形成
された擁壁5により山止めされている。
【0022】擁壁5は、上部敷地1と下部敷地2との隣
接部3において、隣接部3に沿うように互いに適宜の間
隙を置いて、形成すべき擁壁5の高さより大なる深さを
有する孔6を複数個穿設し、孔6内をモルタル12によ
り根固めすることによって建て込み固定されたH形鋼製
の基礎柱体7と、基礎柱体7の下部敷地2側を形成すべ
く擁壁5の深さに適合するまで、掘削して地山4を形成
しながら順次隣り合う基礎柱体7の向かい合う凹溝間に
コンクリートパネル8を添設するように差し込んで形成
したコンクリート壁9と、コンクリート壁9の上部敷地
1側に砂、砂利、再生砂或いは再生砂利を充填して形成
した盛り砂層14(通常断面三角形状を呈する)、コン
クリート壁9及び基礎柱体7の両上部に、開口側10a
が上部敷地1側に沿うように設置すると共にコンクリー
ト壁9に鉄筋にて連結することによってコンクリート壁
9及び基礎柱体7の上部を被覆するL型壁10と、L型
壁10の開口側10a上にL型壁10を転圧するように
充填された砂、砂利、再生砂又は再生砂利により形成し
た転圧層11(通常断面三角形状を呈する)とから構成
している。
【0023】次に、図2乃至図10を用いて、実施の形
態1による宅地等造成のための擁壁造成工法による手順
を説明する。
【0024】先ず、図2に示すように、上部敷地1及び
下部敷地2の隣接部3上に、この隣接部3に沿うように
互いに適宜の間隙を置いて、形成すべく擁壁5の高さよ
り大なる深さを有する孔6を複数個穿設する。
【0025】次に、図3に示すように、孔6内にモルタ
ル12により根固めすることによってH形鋼製の基礎柱
体7を、その凹溝7a側が互いに向かい合うように建て
込み固定する。
【0026】次に、図4及び図5に示すように、基礎柱
体7間を含む下部敷地側2を、形成すべき擁壁5の高さ
に適合するまで掘削して、地山4を形成しながら、順次
隣り合う基礎柱体7の凹溝7a間に、コンクリートパネ
ル8を地山4に添うように差し込んで行って、基礎柱体
7を下部敷地2の地表に露出させると共に、コンクリー
トパネル8によって、コンクリート壁9を形成して行
く。
【0027】なお、各コンクリートパネル8の上下端に
は、それぞれ、凸状部8a及び凹状部8bが形成され
て、これら凸状部8a及び凹状部8bの嵌合により、組
合されて、コンクリート壁9を形成している。又、コン
クリートパネル8例えば最下端側のコンクリートパネル
8には、適宜パイプ21が埋め込まれており(後述の図
10参照)、水抜き穴22が形成されており、水抜き穴
22は、上部敷地1側の地下水等を下部敷地2側に排出
するようになっている。
【0028】このとき、基礎柱体7の上部は、上部敷地
1側に適宜の幅突出しており、この突出部9aと上部敷
地1とによって形成される断面三角状部13内に、砂、
砂利、再生砂或いは再生砂利を埋めて、盛り砂層14を
形成して、略平坦部15を作っておく(図6に示す状
態)。
【0029】この状態では、基礎柱体7の先端部7a
は、上部敷地1側の略平坦部15より、所定幅地表より
突出させてある。
【0030】次に、図7に示すように、基礎柱体7の上
部7aにおける下部敷地2側に、型枠16を添設すると
共に、この型枠16に対して、上部敷地1側の略平坦部
15上において、一定の間隙を置いて、型枠17を立設
しておく。
【0031】そして、両型枠16、17間における略平
坦部15上に、所定の鉄筋量を敷設して現場打ちによる
コンクリートを流し込んで、L型壁10を構成する底壁
部101を形成すると共に、底壁部101におけるコン
クリート壁9に対向する位置に、所定間隙を置いて、鉄
筋18が立ち上がっており、鉄筋18の上部は底壁部1
01に対して、適宜の長さ突出している。その後、底壁
部101が固化すれば、両型枠16、17は取外すこと
になる。
【0032】次に、図8に示すように、底壁部101に
おける下部敷地2側端部に、型枠19を添設すると共
に、この型枠19に対向するように、所定間隙(底壁部
101の厚さに対して等しいかそれ以上あることが望ま
しい)を置いて、型枠20を上部敷地1側の底壁部10
1上に立設する。型枠20の下端部は、若干(例えば、
約45度)上部敷地1側に折曲20aされていることが
望ましい。又、型枠19及び20の間における間隙部
に、前記鉄筋18における底壁部101から突出した上
部が位置している。
【0033】次に、型枠19及び20と底壁部101と
が形成する空間部内に、所定の鉄筋を敷設して現場打ち
によるコンクリートを流し込んで、鉄筋18を埋設した
立ち壁部102を形成して、この立ち壁部102は、鉄
筋18により底壁部101に連結されることになり、立
ち壁部102の固化後、型枠19及び20を取外すこと
によって、底壁部101と共に、図9及び図10に示す
ようにL型壁10を構成することになる。そして、型枠
20における折曲部20aによって、立ち壁部102に
は、上部敷地1側に若干張出すように、底壁部101上
に、袴部102aが形成されていることになる。
【0034】また、型枠19及び20の間に挟合したパ
イプ21は、下部敷地2側に立ち壁部102より突出し
ている突出部分を切除して、水抜き穴23を形成してい
る。
【0035】次に、L型壁10の底壁部101と立ち壁
102とが上部敷地1側に形成する開口側に、砂、砂
利、再生砂或いは再生砂利を上部敷地1の地表と平らに
なるように埋設して、L型壁10を転圧する転圧層11
を形成する。これにより、宅地造成のための擁壁5が完
成する。
【0036】上記のように構成する擁壁5は、上部敷地
1と下部敷地2との間に形成される地山4は、基礎柱体
7の凹溝7a内に入り込んで形成されたコンクリート壁
9とコンクリート壁9に鉄筋18にて連結されたL型壁
10とで形成されることになり、しかも、基礎柱体7は
L型壁10の開口側10aに砂、砂利、再生砂或いは再
生砂利により形成された転圧層11によって転圧されて
いるため、地山4側に回転する安定モーメントが与えら
れることになって、地山4側から土が押されてくる土圧
による転倒モーメントに対抗して、下部敷地2側への倒
れこみが防止されて、擁壁5を非常に堅固なものとす
る。
【0037】又、L型壁10は、予め建て込んだ基礎柱
体7の間にコンクリートパネル8を順次挿入して形成さ
れるので、地山4の掘削を最小限度に止めることがで
き、このために、施工段階の掘削面積及び施行後の埋め
戻し土を非常に少なくすることができる。
【0038】更には、基礎柱体7の長さを選択すること
によって、山止めを行う擁壁の高さを調整することがで
き、しかも、基礎柱体7のアンカー部がモルタル12に
よる根固めが施されて入ることから、比較的高い擁壁を
も形成することができる。
【0039】更にまた、コンクリート壁9及びL型壁1
0に水抜き穴22,23を設けると共に、図10に示す
ように、水抜き穴22,23における上部敷地1側にフ
ィルター24を設けて構成してもよく、この場合には、
コンクリート壁9及びL型壁10の上部敷地1側に地下
水及び雨水が溜まることがなく、しかも、上部敷地1側
の土砂がフィルター24の存在により下部敷地2側に地
下水或いは雨水と共に流れ出ることがない。この結果、
擁壁5は、地山4側からの水圧によって発生する転倒モ
ーメント及び土砂が押し寄せて来ることによって発生す
る土圧による転倒モーメントが発生することを防止で
き、より安定した擁壁であるといえる。
【0040】図11乃至図14は、本発明における実施
の形態2を示しており、上記実施の形態1に対して、図
11及び図12に示すように、コンクリート壁9及び基
礎柱体7の両上部に、現場打ちにより形成された鉄筋コ
ンクリート笠木25を設置して、鉄筋コンクリート笠木
25の上に、現場打ちによるコンクリート出も良いが、
この場合、工場等で予め作成した二次製品であるL型壁
10を設置して構成している点、特徴としている。
【0041】そして、鉄筋コンクリート笠木25には、
アンカーボルト26が突出植設されており、アンカーボ
ルト26をL型壁10の底壁部101の上部敷地1側先
端部に形成した取付け孔に嵌合し、ナット27を螺合す
ることにより、L型壁10は、鉄筋コンクリート笠木2
5に固着されている。
【0042】又、鉄筋コンクリート笠木25は、図13
に示すように、互いに隣り合う基礎柱体7の凹溝7aに
コンクリートパネル8を嵌合することによってコンクリ
ート壁9を形成した後に、コンクリート壁9の上部9a
における下部敷地2側に、型枠28を添設すると共に、
この型枠28に対して、上部敷地1側の略平坦部15上
において、一定の間隙を置いて、型枠29を立設し、両
型枠28、29間における略平坦部15上に、コンクリ
ートを流し込んで、形成されるものである。鉄筋コンク
リート笠木15は、コンクリートの現場打ちにより形成
される結果、基礎柱体7及びコンクリート壁9と一体化
することになる。従って、更にこの一体化を強固にする
ために、型枠28をコンクリート壁9に対して若干下部
敷2側に張出すようにすると共に、型枠28の下端部
を、上部敷地1側に折曲28aして、その先端をコンク
リート壁9に当接させるようにして、鉄筋コンクリート
笠木25を形成することになる。
【0043】次に、図14に示すように、アンカーボル
ト26をL型壁10の底壁部101に形成した取付け孔
に突出嵌合し、ナット27を螺合して、L型壁10を鉄
筋コンクリート笠木25に固着するのである。
【0044】上記の構成によれば、L型壁10は、二次
製品を使用することにより、運搬コストは若干上昇する
も、擁壁5に施行工期を短縮することができる。
【0045】図15乃至図20は、本発明による実施の
形態3を示しており、この実施の形態では、基礎柱体7
間に形成されるコンクリート壁9及びL型壁10は、図
15に示すように、共にコンクリートの現場打ちにより
形成されることを特徴としている。
【0046】図16乃至図22を用いて、実施の形態3
による宅地等造成のための擁壁造成工法による手順を説
明する。
【0047】先ず、図16及び図17に示すように、前
述の実施の形態1と同様、基礎柱体7を複数本建て込み
固定しておく。
【0048】次に、基礎柱体7の上部敷地1側に、地山
を掘削しながら、複数枚の矢板(この実施の形態では、
横矢板を使用している)30を順次添設する(図18の
状態)。このとき、基礎柱体7の上端部は、矢板30よ
り上方に突出する部分を残してあり、また、複数枚の矢
板30のうち、一部に貫通孔31を穿設しておき、この
貫通孔31に先端にフィルター24付きのパイプ21を
下部敷地2側に突出嵌合しておく。更に、矢板30と上
部敷地1との間に形成される空隙(通常断面略三角状)に
砂、砂利、再生砂或いは再生砂利を充填して、盛り砂層
14を形成して、状部敷地1側に所定幅の略平坦部15
を形成している(図18参照)。
【0049】次に、図19に示すように、基礎柱体7の
下部敷地2側に、基礎柱体7より若干下部敷地2側にず
らして、複数の型枠32を添設し、この結果、型枠3
2、基礎柱体7及び矢板30によって形成される空間部
に、現場打ちによりコンクリートを充填して、コンクリ
ート壁9を形成する。
【0050】この時、コンクリート壁9の上面部は、略
平坦部15とほぼ同じ高さになって折り、また、基礎柱
体7の上端部が所定幅突出している。更に、コンクリー
ト壁9には、前記コンクリート充填時に、鉄筋18が垂
直方向に植設されており、鉄筋18の先端部は、基礎柱
体7より上方に突出するような所定幅コンクリート壁9
の上面部より突出している。
【0051】そして、コンクリート壁9の形成時に、予
め、例えば最下端部の型枠32に穿設された貫通孔にパ
イプ21の下部敷地2側を嵌合しておくことによって、
水抜き穴22を形成しており、パイプ21が、コンクリ
ート壁9より下部敷地2側に突出している部分は後に切
除される。
【0052】次に、図20に示すように、コンクリート
壁9を形成した型枠32を取外すと共に、コンクリート
壁9の上部における下部敷地2側に、型枠16を添設す
ると共に、この型枠16に対して、上部敷地1側の略平
坦部15上において、一定の間隙を置いて、型枠17を
立設しておく。
【0053】そして、両型枠16、17間における略平
坦部15上に、コンクリートを流し込んで、L型壁10
を構成する底壁部101を形成する。この時、基礎柱体
7は、底壁部101によって被覆されているが、鉄筋1
8は底壁部101より上方に突出している。その後、底
壁部101が固化すれば、両型枠16、17は取外すこ
とになる。
【0054】次に、図21に示すように、底壁部101
における下部敷地2側端部に、型枠19を添設すると共
に、この型枠19に対向するように、所定間隙(底壁部
101の厚さに対して等しいかそれ以上あることが望ま
しい)を置いて、型枠20を上部敷地1側の底壁部10
1上に立設する。型枠20の下端部は、若干上部敷地1
側に折曲20aされていることが望ましい。又、型枠1
9及び20の間における間隙の略中央部に、前記鉄筋1
8における底壁部101から突出した上部が位置してい
る。更に、型枠19及び20には、適宜間隙を置いて互
いに対向するように、それぞれ貫通孔が穿設されてお
り、この貫通孔21aにパイプ21が突出嵌合してい
る。
【0055】次に、型枠19及び20と底壁部101と
が形成する空間部内に、コンクリートを流し込んで、鉄
筋18を埋設した立ち壁部102を形成して、この立ち
壁部102は、鉄筋18により底壁部101に連結され
ることになり、立ち壁部102の固化後、型枠19及び
20を取外すことによって、底壁部101と共に、図1
5に示すようにL型壁10を構成することになる。そし
て、型枠20における折曲部20aによって、立ち壁部
102には、上部敷地1側に若干張出すように、底壁部
101上に、袴部102aが形成されていることにな
る。
【0056】また、型枠19及び20の各貫通孔に嵌合
したパイプ21は、下部敷地2側に立ち壁部102より
突出している突出部分を切除して、水抜き穴23を形成
している。
【0057】次に、L型壁10の底壁部101と立ち壁
102とが上部敷地1側に形成する開口側に、砂、砂
利、再生砂或いは再生砂利を上部敷地1の地表と平らに
なるように埋設して、L型壁10を転圧する転圧層11
を形成する。これにより、宅地造成のための擁壁5が完
成する。
【0058】上記の構成によれば、前述の2つの実施の
形態に対して、コンクリート壁9が、現場打ち鉄筋コン
クリート製のコンクリート壁であることから、擁壁5
は、L型壁10及びコンクリート壁9が基礎柱体7の凹
部内に入り込んで、基礎柱体7と一体の擁壁として構成
することになり、基礎柱体7は予め建て込んでだとして
も、現場打ち鉄筋コンクリート製のコンクリート壁9で
被覆されることになって、表面にはすべて鉄筋コンクリ
ートのみが表れる擁壁を形成することができる点、特に
特徴としている。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、上下敷
地間に形成される地山は、基礎柱体の凹溝内に入り込ん
で形成されたコンクリート壁と該コンクリート壁に鉄筋
にて連結されたL型壁とで形成された擁壁によって山止
めされることになり、しかも、基礎柱体は前記L型壁の
開口側に砂、砂利、再生砂或いは再生砂利を充填転圧し
たために、地山側に回転する安定モーメントが与えられ
ることになって、地山側から土が押されてくる土圧によ
る転倒モーメントに対抗して、下部敷地側への倒れこみ
が防止されて、前記擁壁を非常に堅固なものとする。
【0060】又、本発明のL型壁は、予め建て込んだ基
礎柱体の間に形成されるので、地山の掘削を最小限度に
止めることができ、このために、施工段階の掘削面積及
び施行後の埋め戻し土を非常に少なくすることができ
る。
【0061】更には、本発明は、基礎柱体の長さを選択
することによって、山止めを行う擁壁の高さを調整する
ことができ、しかも、基礎柱体のアンカー部がモルタル
による根固めが施されて入ることから、比較的高い擁壁
をも形成することができる。
【0062】又、本発明は、前記コンクリート壁が、現
場打ち鉄筋コンクリート製のコンクリート壁であっても
よく、この場合、擁壁は、L型壁及びコンクリート壁が
基礎柱体の凹部内に入り込んで、基礎柱体と一体の擁壁
として構成することになり、基礎柱体は、予め建て込ん
でだとしても、現場打ち鉄筋コンクリート製のコンクリ
ート壁で被覆されることになって、表面にはすべて鉄筋
コンクリートのみが表れる擁壁を形成することができ
る。
【0063】更に、本発明は、前記コンクリート壁及び
L型壁に水抜き穴を設けると共に、該水抜き穴における
前記上部敷地側にフィルターを設けて構成してもよく、
この場合には、前記コンクリート壁及びL型壁の上部敷
地側に地下水及び雨水が溜まることがなく、しかも、上
部敷地側の土砂がフィルターの存在により下部敷地側に
地下水或いは雨水と共に流れ出ることがない。この結
果、擁壁は、地山側からの水圧によって発生する転倒モ
ーメント及び土砂が押し寄せて来ることによって発生す
る土圧による転倒モーメントが発生することを防止で
き、より安定した擁壁であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施の形態1による宅地造成の
ための擁壁構造を示す一部断面斜視図である。
【図2】図1における孔を掘削する工程の説明図であ
る。
【図3】図2における孔に基礎柱体を建て込む工程の説
明図である。
【図4】図3において基礎柱体を建て込んだ後のコンク
リートパネルを差し込んで、コンクリート壁を形成する
中途工程の説明図である。
【図5】同じく、コンクリート壁の形成が完了し、盛り
砂層を形成する工程の説明図である。
【図6】同じく、コンクリート壁の形成が完了し、盛り
砂層を形成する工程の一部断面斜視図である。
【図7】同じく、L型壁を構成する底壁部を形成する工
程を説明するための一部断面斜視図である。
【図8】同じく、L型壁を構成する立ち壁部を形成する
工程を説明するための一部断面斜視図である。
【図9】同じく、L型壁が完成し、このL型壁の上に転
圧層を形成する工程を示す一部断面斜視図である。
【図10】同じく、L型壁が完成し、このL型壁の上に
転圧層を形成する工程を示す縦断面図である。
【図11】本発明における実施の形態2による宅地造成
のための擁壁構造を示す一部断面斜視図である。
【図12】同じく、縦断面図である。
【図13】同じく、基礎柱体及びコンクリート壁の上に
鉄筋コンクリート笠木を形成する工程を説明するための
一部断面斜視図である。
【図14】同じく、鉄筋コンクリート笠木及び盛り砂層
の上に二次製品であるL型壁を敷設する工程を説明する
ための一部断面斜視図である。
【図15】本発明における実施の形態3による宅地造成
のための擁壁構造を示す一部断面斜視図である。
【図16】同じく、基礎柱体を建て込みすると共に矢板
を敷設する中途工程の説明図である。
【図17】同じく、基礎柱体の建て込み及び矢板の敷設
が完了し、盛り砂層を形成する工程の説明図である。
【図18】同じく、基礎柱体の建て込み及び矢板の敷設
が完了し、盛り砂層を形成する工程を説明するための一
部断面斜視図である。
【図19】同じく、コンクリート壁を形成する工程を説
明するための一部断面斜視図である。
【図20】同じく、L型壁を構成する底壁部を形成する
工程を説明するための一部断面斜視図である。
【図21】同じく、L型壁を構成する立ち壁部を形成す
る工程を説明するための一部断面斜視図である。
【図22】従来の重力式コンクリート擁壁の一部断面斜
視図である。
【図23】従来のL型鉄筋コンクリート擁壁の一部断面
斜視図である。
【図24】従来のもたれ壁の一例を示す一部断面斜視図
である。
【符号の説明】
1 上部敷地 2 下部敷地 3 隣接地 4 地山 5 擁壁 6 孔 7 基礎柱体 7a 凹溝 8 コンクリートパネル 9 コンクリート壁 10 L型壁 10a 開口側 101 底壁部 102 立ち壁部 11 転圧層 12 モルタル 14 盛り砂層 15 略平坦部 18 鉄筋 22,23 水抜き穴 24 フィルター 25 鉄筋コンクリート笠木 30 矢板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに隣接する二つの敷地を階段状に配
    置させた場合に、該両敷地の隣接部に形成される地山に
    擁壁工事を施す擁壁工事工法であって、前記両敷地の隣
    接部において、該隣接部に沿うように互いに適宜の間隙
    を置いて、前記形成すべき擁壁の高さより大なる深さを
    有する孔を複数個穿設し、該孔内をモルタルにより根固
    めすることによってH形鋼製の基礎柱体を、その凹溝側
    が互いに向かい合うように建て込み固定し、次に、前記
    基礎柱体の下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適合
    するまで、掘削して地山を形成しながら順次隣り合う前
    記基礎柱体の前記向かい合う凹溝間にコンクリートパネ
    ルを添設するように差し込んでコンクリート壁を形成
    し、その後、該コンクリート壁の前記上部敷地側に砂、
    砂利、再生砂或いは再生砂利を充填して盛り砂層を形成
    し、次に、前記コンクリート壁及び基礎柱体の両上部に
    L型壁をその開口側が前記上部敷地側に対向するように
    設置すると共に該L型壁と前記コンクリート壁とを鉄筋
    にて連結し、次に、該L型壁の開口側上に砂、砂利、再
    生砂又は再生砂利を充填して、該砂、砂利、再生砂又は
    再生砂利によって前記L型壁を転圧する転圧層を形成し
    たことを特徴とする宅地等造成のための擁壁工事工法。
  2. 【請求項2】 互いに隣接する二つの敷地を階段状に配
    置させた場合に、該両敷地の隣接部に形成される地山に
    擁壁工事を施す擁壁工事工法であって、前記両敷地の隣
    接部において、該隣接部に沿うように互いに適宜の間隙
    を置いて、前記形成すべき擁壁の高さより大なる深さを
    有する孔を複数個穿設し、該孔内をモルタルにより根固
    めすることによってH形鋼製の基礎柱体を、その凹溝側
    が互いに向かい合うように建て込み固定し、次に、前記
    基礎柱体の下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適合
    するまで、掘削して地山を形成しながら順次隣り合う前
    記基礎柱体の前記向かい合う凹溝間にコンクリートパネ
    ルを添設するように差し込んでコンクリート壁を形成
    し、その後、該コンクリート壁の前記上部敷地側に砂、
    砂利、再生砂或いは再生砂利を充填して盛り砂層を形成
    し、次に、前記コンクリート壁及び基礎柱体の両上部
    に、これを被覆するように現場打ちにより形成する鉄筋
    コンクリート笠木を設置し、該鉄筋コンクリート笠木に
    設けたアンカーボルトにて、前記鉄筋コンクリート笠木
    の上部にコンクリート二次製品のL型壁を、該L型壁の
    開口側が前記上部敷地側に対向するように据え付け、次
    に、該L型壁の開口側上に砂、砂利、再生砂又は再生砂
    利を充填して、該砂、砂利、再生砂又は再生砂利によっ
    て前記L型壁を転圧する転圧層を形成したことを特徴と
    する宅地等造成のための擁壁工事工法。
  3. 【請求項3】 互いに隣接する二つの敷地を階段状に配
    置させた場合に、該両敷地の隣接部に形成される地山に
    擁壁工事を施す擁壁工事工法であって、前記両敷地の隣
    接部において、該隣接部に沿うように互いに適宜の間隙
    を置いて、前記形成すべき擁壁の高さより大なる深さを
    有する孔を複数個穿設し、該孔内をモルタルにより根固
    めすることによってH形鋼製の基礎柱体を、その凹溝側
    が互いに向かい合うように建て込み固定し、次に、前記
    基礎柱体の下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適合
    するまで、掘削して地山を形成しながら順次隣り合う前
    記基礎柱体の前記上部敷地側に矢板を添設すると共に、
    前記下部敷地側に型枠を添設して、該型枠及び矢板と前
    記基礎柱体とが形成する空間部にコンクリートを流し込
    んでコンクリート壁を形成し、その後、前記型枠を取外
    し、且つ前記矢板の前記上部敷地側に砂、砂利、再生砂
    或いは再生砂利を充填して盛り砂層を形成し、次に、前
    記矢板及びコンクリート壁の上部と前記基礎柱体の上部
    とにL型壁をその開口側が前記上部敷地側に沿うように
    設置すると共に該L型壁と前記コンクリート壁とを鉄筋
    にて連結し、次に、該L型壁の開口側上に、砂利、再生
    砂又は再生砂利を充填して、該砂、砂利、再生砂又は再
    生砂利によって前記L型壁を転圧する転圧層を形成した
    ことを特徴とする宅地等造成のための擁壁工事工法。
  4. 【請求項4】 互いに隣接する二つの敷地を階段状に配
    置させた場合に、該両敷地の隣接部に形成される地山に
    擁壁工事を施す擁壁工事工法であって、前記両敷地の隣
    接部において、該隣接部に沿うように互いに適宜の間隙
    を置いて、前記形成すべき擁壁の高さより大なる深さを
    有する孔を複数個穿設し、該孔内をモルタルにより根固
    めすることによってH形鋼製の基礎柱体を、その凹溝側
    が互いに向かい合うように建て込み固定し、次に、前記
    基礎柱体の下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適合
    するまで、掘削して地山を形成しながら順次隣り合う前
    記基礎柱体の前記上部敷地側に矢板を添設すると共に、
    前記下部敷地側に型枠を添設して、該型枠及び矢板と前
    記基礎柱体とが形成する空間部にコンクリートを流し込
    んでコンクリート壁を形成し、その後、前記型枠を取外
    し、且つ前記矢板の前記上部敷地側に砂、砂利、再生砂
    或いは再生砂利を充填して盛り砂層を形成し、次に、前
    記矢板及びコンクリート壁の上部と前記基礎柱体の上部
    とに、現場打ちにより形成する鉄筋コンクリート笠木を
    設置し、該鉄筋コンクリート笠木に設けたアンカーボル
    トにて、前記鉄筋コンクリート笠木の上部にコンクリー
    ト二次製品のL型壁を、該L型壁の開口側が前記上部敷
    地側に対向するように据え付け、次に、該L型壁の開口
    側上に砂、砂利、再生砂又は再生砂利を充填して、該
    砂、砂利、再生砂又は再生砂利によって前記L型壁を転
    圧する転圧層を形成したことを特徴とする宅地等造成の
    ための擁壁工事工法。
  5. 【請求項5】 前記コンクリート壁が、現場打ち鉄筋コ
    ンクリート製のコンクリート壁であることを特徴とする
    請求項1乃至4に記載の宅地等造成のための擁壁工事工
    法。
  6. 【請求項6】 前記コンクリート壁及びL型壁に、前記
    上下敷地側にそれぞれ開口する水抜き穴を設けると共
    に、該水抜き穴における前記上部敷地側にフィルターを
    設けたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の宅地等
    造成のための擁壁工事工法。
  7. 【請求項7】 互いに隣接する二つの敷地を階段状に配
    置させた場合に、該両敷地の隣接部に形成される地山に
    擁壁工事を施す宅地等造成のための擁壁構造であって、 前記両敷地の隣接部から下部敷地側ににおいて、前記隣
    接部に沿うように互いに適宜の間隙を置いて、前記形成
    すべき擁壁の高さより大なる深さを有するように穿設さ
    れた複数個の孔内にモルタルにより根固めすることによ
    って建て込み固定されたH形鋼製の基礎柱体と、 該基礎柱体の下部敷地側を、形成すべく擁壁の深さに適
    合するまで、掘削して地山を形成しながら順次隣り合う
    前記基礎柱体の前記向かい合う凹溝間に形成されたコン
    クリート壁と、 該コンクリート壁に対して前記上部敷地側に形成される
    砂、砂利、再生砂或いは再生砂利を充填することにより
    形成された盛り砂層と、 該盛り砂層と前記コンクリート壁及び基礎柱体の両上部
    とに、開口側が前記上部敷地側に向かうように設置する
    と共に前記コンクリート壁に鉄筋にて連結されるL型壁
    と、 該L型壁の開口側に該L型壁を転圧するように充填され
    た砂、砂利、再生砂又は再生砂利により形成した転圧層
    と、から構成したことを特徴とする宅地等造成のための
    擁壁構造。
  8. 【請求項8】 前記コンクリート壁が、現場打ち鉄筋コ
    ンクリート製のコンクリート壁であることを特徴とする
    請求項5に記載の宅地等造成のための擁壁構造。
  9. 【請求項9】 前記コンクリート壁及びL型壁に、前記
    上下敷地側にそれぞれ開口する水抜き穴を設けると共
    に、該水抜き穴における前記上部敷地側にフィルターを
    設けたことを特徴とする請求項5又は6に記載の宅地等
    造成のための擁壁構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113897984A (zh) * 2021-09-29 2022-01-07 浙江华东工程建设管理有限公司 一种防渗墙混凝土盖帽与土工膜连接型式及其施工方法
AU2017200508B2 (en) * 2016-01-29 2022-09-15 Ezibuild Pty Ltd Apparatus for aligning posts of a retaining wall
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