JP2001063730A - コードマーク付き缶 - Google Patents

コードマーク付き缶

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JP2001063730A
JP2001063730A JP24390899A JP24390899A JP2001063730A JP 2001063730 A JP2001063730 A JP 2001063730A JP 24390899 A JP24390899 A JP 24390899A JP 24390899 A JP24390899 A JP 24390899A JP 2001063730 A JP2001063730 A JP 2001063730A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外表面の構造に応じた好適なコードマークを
形成した缶を提供する。 【解決手段】 缶体の外面に透明塗膜4が形成された缶
であって、透明塗膜4の一部を、その透明塗膜4の下層
3に到らない範囲で、レーザ光で刻印したコードマーク
6が、缶胴の外表面に施されている缶。また、缶底部
に、缶体の基材の表面に直接形成した透明塗膜が設けら
れた缶であって、缶底部の透明塗膜の一部を、前記基材
に到らない範囲で、レーザ光で刻印したコードマーク
が、缶胴の底部に施されている缶。さらに、金属製缶胴
の少なくとも外周面に、透明な熱可塑性樹脂フィルムの
下面に印刷層と接着剤層とを形成しかつ他面に透明塗膜
が形成された装飾樹脂フイルムが接着剤を介して貼着さ
れたラミネート缶であって、透明フイルムを透過してレ
ーザ光を照射してその透明フイルムの下層の一部を加熱
・気化させて前記透明フイルムを透明塗膜とほぼ面一に
部分的に盛り上がらせてマークが形成されている缶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、品質管理や生産管
理などのために使用されるマーキングの施された缶に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】品質管理や生産管理などのために、金属
缶などの金属容器に、製造工場やロット番号、製造年月
日などの製造履歴マークを付けることが、従来、おこな
われている。そのマーキングのための方法として、コー
ドマークパンチ等を使用したマーキング方式、あるいは
熱硬化インクやUV(紫外線)硬化インク等を使用した
印刷もしくはインクジェットによる方式が一般的に採用
されているが、近年、レーザによる印字方式が注目され
てきている。その一例が、特開平2−41785号公
報、特開平8−175005号公報、特開平9−255
762号公報等に記載されている。
【0003】これらの公報のうち特開平2−41785
号公報にはレーザマーキング部材が記載されており、こ
れは、金属基板上に透明塗膜を形成し、その透明塗膜が
形成されている金属基板の面に、レーザ光によって変色
層を形成したものである。したがってその変色層が透明
塗膜を透過して見えるので、いわゆる「透かし文字」的
なマーキングとすることができるように構成されてい
る。また、特開平8−175005号公報にはレーザマ
ーキング付容器が記載されており、そのマークは、レー
ザマーカによって刻印されたものであって、缶胴や缶蓋
などの金属母材の表面に刻印されている。さらに、特開
平9−255762号公報にはレーザマーキング方法が
記載されており、これは、レーサーマーキング用エポキ
シ樹脂組成物を含有する塗布材料を所定の物品の表面に
塗布しておき、これにレーザ光を照射して発色させるこ
とにより、物品の表面にレーザマーキングを施す方法で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平2−41
785号公報に記載されたレーザマーキング部材では、
そのマークが「透かし文字」的な態様を成すので、マー
クの多様性もしくはオリジナル性に優れたものになるか
も知れないが、そのマークは、常時目視できるように構
成される。これに対して、品質管理や生産管理などのた
めに使用されるマークは、一般には、製品の外観の装飾
もしくは模様としては適さない。したがって管理用マー
クが「透かし文字」的に常時、外観に現れるとすれば、
製品の外観が損なわれるおそれが多分にあり、そのた
め、上記の特開平2−41785号公報に記載されたマ
ーキングを管理用マークに使用するとすれば、製品の外
観を可及的に損なわないようにするために、極めて小さ
い文字とする必要が生じ、また、そのマーキングの位置
が、製品の陳列や使用の際に消費者の目に触れにくい位
置に限定され、結局は、マーキングの文字数などの情報
量が制約される不都合がある。
【0005】また、上記の特開平8−175005号公
報に記載されたレーザマーキング付容器では、そのレー
ザマーキングを母材に刻印しているので、色彩のある模
様を付してある箇所では、その模様が損なわれるおそれ
があり、また、透明塗装を施してある箇所では、その透
明塗装を透かして外観に現れる。そのため、上記の特開
平2−41785号公報に記載されている部材と同様
に、製品の外観を損なわないようにするために、マーキ
ングの文字数などの情報量が制約される不都合がある。
これら加え、母材にマーキングすることにより、その表
面側の樹脂層が除去され、母材が外表面に露出すると、
その母材の耐食性が低下する不都合がある。
【0006】さらに、上記の特開平9−255762号
公報に記載された方法は、レーザ光によって発色させる
方法であるから、得られるレーザマークは常時外観に現
れるものとなり、結局は、上記の各公報に記載された発
明と同様に、製品の外観を損なわないようにするため
に、マーキングの文字数などの情報量が制約される不都
合がある。
【0007】ところで、飲料や食品の包装用容器として
使用される金属缶には、装飾や内容物の表示などのため
に外表面に何らかの色彩が施されているのが通常であ
り、最近では、印刷による手法に加え、印刷を施した樹
脂フイルムを缶胴の表面に貼着することにより色彩を施
す手法が採用されるようになってきている。前者をいわ
ゆる印刷缶と称し、また後者をラミネート缶と称してい
るが、それぞれ外表面の装飾層の構造が異なっているの
で、レーザマーキングを施すにも、各装飾層の構造に適
した手法が必要になる。しかしながら、従来では、上述
のようにレーザマークそのものの位置や発色方法などが
検討されているが、缶体の外表面の装飾層の構造を考慮
したレーザマークが開発されていないのが実情である。
【0008】本発明は、上記の技術的課題に着目してな
されたものであり、缶体の外表面の層構造に適したコー
ドマークを備えた缶を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、請求項1の発明は、缶体の外面に
透明塗膜が形成された缶において、前記透明塗膜の一部
を、その透明塗膜を突き抜けない深さの範囲で、レーザ
光によって刻み取って刻印したコードマークが、前記缶
体の外面に施されていることを特徴とする缶である。
【0010】したがって請求項1の発明では、缶体の最
も外側の表面を形成している透明塗膜にコードマークを
刻み込んだ構造となる。そのコードマークを刻み込んだ
部分では、透明塗膜に僅かながら窪みが形成されるの
で、その部分での光学的な特性が変化することになる
が、レーザ光による刻印は極めて微細におこなうことが
できるので、透明塗膜のみへの刻印であることと相俟っ
て、通常の状態では視認することのできない隠しマーク
とすることができる。なお、その隠しマークを見る場合
には、その部分に適宜の水性インク等を塗布した後、布
などでインクを払拭する。こうすることにより、刻印さ
れたコードマークとして形成された窪みの内部にインク
が残留し、その残留したインクによってコードマークが
視認可能な状態になる。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1の構成
における前記コードマークが、缶体基材の底部表面に直
接形成した透明塗膜に施されていることを特徴とする缶
である。
【0012】したがって請求項2の発明では、缶底を形
成している基材の表面に直接透明塗膜が形成され、透明
塗膜にレーザ光によるコードマークが刻印されている。
そのコードマークの深さは、基材に到らない範囲のもの
であるから、コードマークを付した部分においても、基
材の表面に透明塗膜が残っており、その結果、基材が直
接外表面に露出することがないので耐食性が維持され
る。また、そのコードマークは微細なものとすることが
できるうえに、透明塗膜の一部のみを刻み取ったもので
あるから、通常の状態では視認することのできない隠し
マークとすることができる。さらに、缶底部分は搬送過
程などにおいて、缶底の接地部分を除き周囲の物体に直
接当接する可能性が低いので、コードマークが直接外表
面に現れているとしても、その損傷を防止することがで
きる。なお、その隠しマークを見る場合には、その部分
に適宜の水性インク等を塗布した後、布などでインクを
払拭する。こうすることにより、刻印されたコードマー
クの内部にインクが残留し、その残留したインクによっ
てコードマークが視認可能な状態になる。
【0013】さらに、請求項3の発明は、フイルムの片
面に印刷層と接着剤層とを形成し、他面に透明塗膜が形
成された熱可塑性樹脂フイルムが、前記接着剤層を介し
て金属製缶胴の外周面に貼着されたラミネート缶におい
て、前記透明塗膜にレーザ光を照射して、その透明塗膜
の少なくとも一部をレーザ光により刻み取るとともに、
前記熱可塑性樹脂フイルムを透過してレーザ光により印
刷層の一部を加熱気化させ、前記熱可塑性樹脂フイルム
を実質上、前記透明塗膜と面一状態まで盛り上がらせて
マークが形成されていることを特徴とするコードマーク
付き缶である。
【0014】したがって、請求項3の発明では、熱可塑
性樹脂フイルムの一部が盛り上がって、実質上、透明塗
膜面と面一状態でマークが形成されており、またそのマ
ークが微細なものであるから、通常の状態では視認の困
難ないわゆる隠しマークとすることができる。また、熱
可塑性樹脂フイルムは部分的に盛り上がっているのみで
あって破断していないので、印刷層や接着剤層が損傷を
受けることを防止することができる。なお、その隠しマ
ークを見る場合には、その部分に適宜の水性インク等を
塗布した後、布などでインクを払拭する。こうすること
により、透明塗膜から露出した熱可塑性樹脂フイルムに
インクが密着し、着色されたインクによってコードマー
クが視認可能な状態になる。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに本発明を具体例に基づいて
説明する。本発明で対象とする缶は、筒状の缶胴の上下
両端部に上蓋(トップエンド)と底蓋(ボトムエンド)
とを取り付けたスリーピース缶、および缶胴と缶底とを
一体に成形し、その上端部に缶蓋を取り付けたツーピー
ス缶のいずれであってもよい。また、外表面の装飾を印
刷によって施した印刷缶、および印刷を施した装飾フイ
ルムを缶胴の外表面に貼着したラミネート缶のいずれで
あってもよい。印刷缶とラミネート缶とでは、その外表
面の構造が異なっているので、レーザ光によってその外
表面に形成されるコードマークの構造が相違している。
【0016】先ず、ツーピース印刷缶の一例について説
明すると、その外面印刷は、缶をマンドレルに1缶ずつ
差し込み、多色ドライオフセット印刷機で印刷し、その
上に仕上げクリヤー(透明塗料)を塗布した後、オーブ
ンで焼き付けておこなわれる。印刷デザインの関係でホ
ワイトコートの下地が必要なときは、印刷工程の前で全
面塗装が施され、焼き付けられる。スチール缶は防錆の
ため缶底外面全体にスプレー塗装が施され、アルミ缶は
通常、缶底の滑り性をよくするために、接地部のみ塗装
されるが、レトルト殺菌する内容物を充填する場合は全
面にスプレー塗装が施される。
【0017】したがって装飾層1は、図1に示すよう
に、金属基材2に直接接触している印刷層3と、その上
を覆っている透明塗膜層(クリヤーコート)4とによっ
て構成されている。その厚さは、一例として、印刷層3
が2μm〜3μm程度、透明塗膜層4が2μm〜3μm
程度である。この装飾層1が図2に示すように、缶胴5
の外面に形成されており、その缶胴5の外面の所定位置
にコードマーク6が形成されている。
【0018】このコードマーク6は、レーザマーカ(図
示せず)から照射したレーザ光によって形成したもので
あって、特殊な処理もしくは操作をおこなわない通常の
状態では、実質的に視認できない文字もしくは記号であ
り、数桁の文字もしくは記号によって構成され、各桁が
製造工場、製造年月日などの製造日時、製造ライン又は
ヘッド番号、ロットなどを表すようになっている。な
お、図3に示す例は、7桁のコードマークの例であっ
て、製造日時のみならず、2分毎の製造時分をも表すこ
とができる。また、このコードマーク6は、図4に部分
拡大断面図で示してあるように、缶の金属基材2の表面
側に形成してある透明塗膜層4のみの一部をレーザ光に
よって線状もしくは点状に刻み取った凹部7によって構
成されている。その幅Wは80μm〜120μm、深さ
Dは0.5μm〜2.0μmの範囲である。前述したよ
うに、透明塗膜層4の厚さが、乾燥時において2μm〜
3μmであるから、上記のコードマーク6を刻印して
も、その下側すなわち印刷層3の表面に透明塗膜層4が
わずか残っており、印刷層3や金属基材2が直接、外面
に露出することはなく、しかも印刷層3の変色も殆ど生
じない。
【0019】ここで、上記のコードマーク6を刻印する
ためのレーザマーカについて説明すると、波長が10.
6μm程度のCO2 レーザを出力するレーザマーカを使
用することができる。上記の幅および深さのコードマー
ク6を透明塗膜層4に形成するための条件は実験的に求
めることが最も容易であり、その一例を示すと、12W
のCO2 レーザマーカを使用した場合、光源からワーク
までの距離を189mm、スキャン速度を缶の搬送速度
を80〜100m/分とした場合で750〜1000m
m/s、レーザ出力範囲を80%〜95%とすればよ
い。また、コードマークは、印刷缶であれば、内面塗装
工程後、フイルムラミネート缶であれば、フイルム貼着
工程前のフイルム単体、又は貼着工程後の排出コンベア
上で缶体の所定箇所に施される。
【0020】上記のコードマーク6は、透明塗膜層4の
みの一部を刻み取って形成したものであって缶胴5の外
面に変色を生じさせず、しかも幅Wおよび深さDが微細
であるから、そのままの状態では実質的に消費者には視
認できず、いわゆる隠しマークとなっている。したがっ
て、コードマーク6が缶の外観を毀損し、もしくは悪影
響を与えることがない。このコードマーク6を視認する
場合、これを塗りつぶすように適宜の水性インク等を塗
布し、その後、そのインクを布などで払拭すればよく、
こうすることにより、コードマーク6を構成している凹
部7の内部にインクが残留し、その文字もしくは記号に
色彩が付された状態となってこれを視認できる状態にな
る。特に、上述したコードマーク6は、深さDが0.5
μm以上であるから、インクを確実に残留させることが
でき、その視認性が良好になる。なお、コードマーク6
を構成している文字もしくは記号の1つの大きさを、通
常状態での視認が殆ど不可能な0.3mm×0.3mm
程度の小さいものとすることができ、また同時に情報量
を多くすることができる。
【0021】なお、コードマーク6を刻印する位置は、
缶胴5の外面以外に、例えば図5に示すように、缶底8
の適宜の箇所であってもよい。その場合、缶底8にスプ
レー塗装によって透明塗膜層4が形成されている場合に
は、図6に示すように、基材2に到らない範囲で透明塗
膜層4のみの一部をレーザ光によって刻み取ってコード
マーク6を施す。なお、そのレーザマーキングをおこな
う際の出力などの条件は、上述した缶胴5にコードマー
ク6を形成する際の条件と同様とすればよい。
【0022】このように缶底8の透明塗膜層4にコード
マーク6を施した場合であっても、透明塗膜層4の一部
のみを微細に刻み取って非発色状態で形成されているの
で、コードマーク6は通常の状態では視認できない隠し
マークとなり、缶の外観を損なう要因とならない。ま
た、コードマーク6を形成しても金属基材2が直接外部
に露出しないので、レトルト処理等を受けた場合でもそ
の耐食性を良好な状態に維持することができる。さらに
缶底8にレーザマーキングによってコードマーク6を形
成した場合、缶底8が図5に示すようにドーム状に湾曲
していてこの部分が搬送中や陳列中に周囲の物と接触す
ることが少ないので、コードマーク6が損傷を受けるこ
とを防止できる。なお、図5および図6に示すコードマ
ーク6も透明塗膜層4にレーザ光によって施したもので
あるから、適宜の水性インクで塗りつぶした後に、その
水性インクを拭き取ることにより、コードマーク6を成
形している凹部にインクを残留させて、コードマーク6
の視認が可能になる。
【0023】つぎにラミネート缶について説明する。ラ
ミネート缶は、缶胴の外周面に塗装印刷被膜に替えて熱
可塑性樹脂フイルムからなる装飾フイルムを貼付した缶
であり、その缶胴の外表面の構造を断面図で示せば、図
7のとおりである。すなわち装飾フイルム10は、ポリ
エチレンテレフタレート等からなる透明な熱可塑性樹脂
フイルム11の一方の面に、印刷層12と接着剤層13
とが順に形成され、また他方の面に透明塗膜層(クリヤ
ー塗膜層)14が形成されたフイルムであり、その接着
剤層13によって缶胴の基材(金属板)15に貼着され
ている。
【0024】その装飾フイルム10の一部にコードマー
ク16が形成されている。このコードマーク16は、缶
胴の外表面側からレーザ光を照射することにより形成さ
れたものであって、透明塗膜層の少なくとも一部をレー
ザ光により刻み取るとともに、透明な熱可塑性樹脂フイ
ルムを透過したレーザ光によって印刷層の一部が加熱、
気化されて、それに伴って生じるガスもしくは蒸気ある
いは印刷層自体の体積膨張によって線状もしくは点状の
凸部17が生じ、その凸部17がコードマーク16を構
成している。その凸部17の高さすなわち熱可塑性樹脂
フイルム11の盛り上がり量Hは、実質上、透明塗膜層
14の外表面とほぼ面一になるように設定されている。
すなわちコードマーク16は熱可塑性樹脂フイルム11
が破断しない範囲で盛り上がらせて形成され、缶胴の表
面から識別して読み取りができない程度の盛り上がり
量、つまり凸部17の高さを、表面塗膜層の外表面に対
して+5.0μmまでの範囲に形成されている。また、
凸部17の幅Wは、100μm〜140μmである。
【0025】上述したようにラミネート缶におけるコー
ドマーク16は、装飾フイルム10の一部をレーザ光で
加熱して盛り上がられて形成されるので、その際に必要
とするレーザマーカの出力は、熱可塑性樹脂フイルム1
1でのレーザ光の反射率あるいは吸収率および印刷層1
2あるいは接着剤層13の組成などに関係し、これらの
要因が異なれば、必要とするレーザ光の出力も相違す
る。したがって最適なレーザマーキング条件は実験的に
定めることが好ましい。
【0026】このようにして形成されるラミネート缶に
おけるコードマーク16は、熱可塑性樹脂フイルム11
が微細な線もしくは点として凸変形して透明塗膜層14
とほぼ面一に形成されたものであって変色によって生じ
させたものではないから、通常の状態では視認の困難な
いわゆる隠しマークとすることができ、その結果、缶の
外観が損なわれることがない。また、熱可塑性樹脂フイ
ルム11が破断していないので、印刷層12や接着剤層
13が確実に保護されて損傷を受けることが防止され
る。
【0027】さらに、本発明におけるコードマークは、
1列に文字もしくは記号が並んだものに限定されず、複
数列もしくは複数段に文字もしくは記号を配列したコー
ドマークであってもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、缶体の最も外側の表面を形成している透明塗膜
にコードマークを刻み込んだ構造となるとともに、レー
ザ光によって施された微細なコードマークとなるので、
透明塗膜のみへの刻印であることと相俟って、通常の状
態では視認することのできない隠しマークとすることが
でき、その結果、缶の外観を損なわないコードマークの
ある缶を得ることができる。
【0029】また、請求項2の発明によれば、缶底を形
成している基材の表面に形成された透明塗膜にレーザ光
によるコードマークを、基材に到らない範囲で刻印して
あるから、コードマークを付した部分においても、基材
の表面に透明塗膜が残っており、その結果、基材が直接
外表面に露出することがないので耐食性を維持すること
ができ、また、そのコードマークを微細なものとするこ
とができるうえに、透明塗膜の一部のみを刻み取ったも
のであるから、通常の状態では非発色状態で視認するこ
とのできない隠しマークとすることができる。さらに、
缶底部分は搬送過程などにおいて、周囲の物体に直接当
接する可能性が低いので、コードマークが直接外表面に
現れているとしても、その損傷を防止することができ
る。
【0030】さらに、請求項3の発明によれば、缶胴に
貼着された装飾フイルムのうちの透明塗膜の少なくとも
一部を刻み取り、熱可塑性樹脂フィルムを透過したレー
ザ光を印刷層に部分的に照射してそのフイルムを透明塗
膜とほぼ面一に盛り上がらせてコードマークを形成し、
しかもそのコードマークが微細なものであるから、通常
の状態では視認の困難ないわゆる隠しマークとすること
ができる。また、熱可塑性樹脂フイルムは部分的に盛り
上がっているのみであって破断していないので、印刷層
や接着剤層が損傷を受けることを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で対象とする印刷缶の表面層の構造を
模式的に示す断面図である。
【図2】 その印刷缶に付されているコードマークの位
置を示すための印刷缶の外観図である。
【図3】 そのコードマークの拡大図である。
【図4】 図3のIV−IV線に沿う部分拡大断面図であ
る。
【図5】 コードマークを缶底に形成した缶の斜視図で
ある。
【図6】 そのコードマークの部分の拡大断面図であ
る。
【図7】 コードマークを形成したラミネート缶のコー
ドマークの部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…印刷層、 2…基材、 4…透明塗膜層、 5…缶
胴、 6,16…コードマーク、 7…凹部、 8…缶
底、 10…装飾フイルム、 11…熱可塑性樹脂フイ
ルム、 12…印刷層、 13…接着剤層、 14…透
明塗膜層、 15…基材、 17…凸部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶体の外面に透明塗膜が形成された缶に
    おいて、 前記透明塗膜の一部を、その透明塗膜を突き抜けない深
    さの範囲で、レーザ光によって刻み取って刻印したコー
    ドマークが、前記缶体の外面に施されていることを特徴
    とするコードマーク付き缶。
  2. 【請求項2】 前記コードマークが、缶体基材の底部表
    面に直接形成した透明塗膜に施されていることを特徴と
    する請求項1に記載のコードマーク付き缶。
  3. 【請求項3】 フイルムの片面に印刷層と接着剤層とを
    形成し、他面に透明塗膜が形成された熱可塑性樹脂フイ
    ルムが、前記接着剤層を介して金属製缶胴の外周面に貼
    着されたラミネート缶において、 前記透明塗膜にレーザ光を照射して、その透明塗膜の少
    なくとも一部をレーザ光により刻み取るとともに、前記
    熱可塑性樹脂フイルムを透過してレーザ光により印刷層
    の一部を加熱気化させ、前記熱可塑性樹脂フイルムを実
    質上、前記透明塗膜面と面一状態まで盛り上がらせてマ
    ークが形成されていることを特徴とするコードマーク付
    き缶。
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