JP2001062349A - サイクロン集塵機 - Google Patents

サイクロン集塵機

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JP2001062349A
JP2001062349A JP24451899A JP24451899A JP2001062349A JP 2001062349 A JP2001062349 A JP 2001062349A JP 24451899 A JP24451899 A JP 24451899A JP 24451899 A JP24451899 A JP 24451899A JP 2001062349 A JP2001062349 A JP 2001062349A
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cyclone
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cell body
dust discharge
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Koji Sano
孝治 佐野
Naoyuki Komatsu
尚行 小松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サイクロンセルの寿命が長く、また清掃を行な
う必要がないサイクロン集塵機を提供する。 【解決手段】 セル本体1の一方の端部の側面にダスト
を含有する未清浄ガスが導入されるガス導入口2を設け
ると共にダストが除去された清浄ガスが導出されるガス
導出口3をセル本体1のこの一方の端部に設け、未清浄
ガスから除去したダストを排出するダスト排出口4をセ
ル本体1の他方の端部に設けると共にこのダスト排出口
4を上下端が開口する縦のダスト排出筒5に接続してセ
ル本体1とダスト排出筒5からなるサイクロンセル6を
形成し、ダスト排出筒5の上端と下端を連結することに
よって上下に複数のサイクロンセル6を配設したサイク
ロン集塵機に関する。セル本体1をCrを25〜30
%、Niを0.7〜1.2%含有する鋳鉄で形成すると
共に、セル本体1を水平面に対して60°以上の角度で
立ちがるようにダスト排出筒5に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭粉などのダス
トを含むガスからダストを集塵して除去するマルチタイ
プのサイクロン集塵機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば石炭を燃料としてボイラーを燃焼
させ、暖房や給湯などを行なうようにしたシステムにお
いて、ボイラーから排出される高温の排ガスには石炭粉
などのダストが含有されている。そこで、この排ガスを
集塵機に通してダストを分離除去するようにしている。
【0003】この集塵機として、図8に示すようなマル
チタイプのサイクロン集塵機を設けた集塵装置が提供さ
れている。この集塵装置は内部に仕切り壁板15を設け
て未清浄ガス室16と清浄ガス室17に仕切り、未清浄
ガス室16の側においてセル本体1とダスト排出筒5か
らなるサイクロンセル6が設置してある。セル本体1は
一方の端部の側面にガス導入口2を設けると共に一方の
端部を仕切り壁板15に固定することによって支持され
るようにしてある。セル本体1の一方の端部内にはガイ
ド筒18が配置してあり、このガイド筒18の一方の端
部をガス導出口3として形成すると共に仕切り壁15に
設けた通気用孔19にこのガス導出口3を接続してあ
る。またセル本体1の他方の端部はダスト排出口4とし
て形成してあり、このダスト排出口4によってセル本体
1をダスト排出筒5に一体に接続してある。セル本体1
は水平面に対して30°程度の角度で斜め上方に立ち上
がるようにダスト排出筒5に接続されるものである。
【0004】またダスト排出筒5の上端部には径を広げ
た嵌合筒部20が形成してあり、この嵌合筒部20内に
他のダスト排出筒5の下端部を差込むことによって、上
下に複数のダスト排出筒5を連結し、ダスト排出筒5に
よって連結した複数のサイクロンセル6を上下に配設す
るようにしてある。下端に位置するサイクロンセル6の
ダスト排出筒5の下端はダスト排出樋21に接続してあ
り、ダスト排出樋21内にはダスト送り用のスクリュー
22が設けてある。図8において23はコイル状ワイヤ
で形成した清掃具であって、セル本体1内に挿入してあ
り、清掃具23の一端部はガス排出口3から清浄ガス室
17側へ突出させてある。この清掃具23の一端部は回
動駆動される回動軸24に設けたレバー25の先端部に
枢支連結してあり、回動軸24を往復回動させることに
よって、セル本体1内で清掃具23を前進後退させ、セ
ル本体1の内面の清掃を行なうことができるようにして
ある。
【0005】上記のように形成される集塵装置におい
て、ボイラー等から排出され石炭粉などのダストが含有
される未清浄ガスは未清浄ガス室16に送られ、この未
清浄ガスはガス導入口2から導入されてサイクロンセル
6のセル本体1内に流入する。このようにセル本体1内
に流入した未清浄ガスはセル本体1内で図9のaのよう
に渦巻き状に旋回し、未清浄ガス中に浮遊している比重
の重いダストは遠心力で未清浄ガスから分離される。ダ
ストが分離されて清浄化された清浄ガスはbのように逆
向きに旋回しながらガイド筒18内を通ってガス導出口
3から清浄ガス室17に送られる。清浄ガス室17に送
られた清浄ガスはボイラー等に返送される。一方、分離
されたダストはセル本体1の傾斜に沿ってダスト排出口
4からダスト排出筒5へ排出され、ダスト排出筒5内を
落下してダスト排出樋21に集められ、スクリュー22
によって送り出される。
【0006】ここで、上記のサイクロンセル6は鋳鉄の
鋳造で一体に製造されているが、従来はCが3.19〜
3.27%、Siが1.96〜2.00%、Mnが0.
37〜0.63%、Crが0.26〜0.27%、残り
が主としてFeの組成の鋳鉄を用いて製造されている
(%は重量%、以下同じ)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の組成の鋳鉄を用
いて作製したサイクロンセル6においては、基地組織が
黒鉛+パーライト系で柔らかい組織であり、表面のチル
化している部分はセメンタイトで硬い層になっている。
そしてセル本体1に流入した未清浄ガスが旋回する際に
ダストによってセル本体1の内面は磨耗作用を受ける
が、表面のチル化した硬い層が磨り減って柔らかい基地
組織が露出すると、瞬く間に磨耗してセル本体1に孔が
開いてしまうものであり、例えばダストとして石炭粉を
除去するものでは、サイクロンセル6の寿命は平均して
1.2年程度と短いものであった。
【0008】また、上記の組成の鋳鉄を用いて作製した
サイクロンセル6においては、表面の粗さが200S前
後(JIS S 0601)と粗く、未清浄ガスから分
離されたダストがセル本体1の内面を滑り難くなって、
セル本体1の内面にダストが付着し易くなり、セル本体
1内が短時間でダストによって詰まってしまうおそれが
ある。このために、従来では上記のように清掃具23を
用いて定期的にセル本体1の内面の清掃を行なう必要が
あり、清掃具23を駆動する装置の設備コストがかかる
と共にそのメンテナンスが必要になるものであった。
【0009】また、上記のようにサイクロンセル6は上
下に複数個連結して設置されており、下のサイクロンセ
ル6のダスト排出筒5の上端部に設けた嵌合筒部20に
上のサイクロンセル6のダスト排出筒5の下端部を差込
むことによって、サイクロンセル6を上下に連結するよ
うにしている。従って、例えば一つのサイクロンセル6
を交換しようとする場合に、上下複数のサイクロンセル
6のうち一つだけを取り出すということができず、上下
複数のサイクロンセル6の総ての連結を外して一つのサ
イクロンセル6を交換し、再度連結して組み立てなおす
という必要があり、サイクロンセル6の交換に非常な手
間を要するものであった。
【0010】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、サイクロンセルの寿命が長く、また清掃を行なう
必要がないサイクロン集塵機を提供することを目的とす
るものであり、加えてサイクロンセルの交換が容易なサ
イクロン集塵機を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るサイクロン
集塵機は、一方の端部を大径に他方の端部を小径にして
筒状のセル本体1を形成し、セル本体1の一方の端部の
側面にダストを含有する未清浄ガスが導入されるガス導
入口2を設けると共にダストが除去された清浄ガスが導
出されるガス導出口3をセル本体1のこの一方の端部に
設け、未清浄ガスから除去したダストを排出するダスト
排出口4をセル本体1の他方の端部に設けると共にこの
ダスト排出口4を上下端が開口する縦のダスト排出筒5
に接続してセル本体1とダスト排出筒5からなるサイク
ロンセル6を形成し、ダスト排出筒5の上端と下端を連
結することによって上下に複数のサイクロンセル6を配
設したサイクロン集塵機において、セル本体1をCrを
25〜30%、Niを0.7〜1.2%含有する鋳鉄で
形成すると共に、セル本体1を水平面に対して60°以
上の角度で立ちがるようにダスト排出筒5に接続して成
ることを特徴とするものである。
【0012】また請求項2の発明は、ダスト排出筒5の
上端の開口内に連結用筒7をその上部がダスト排出筒5
の上端より突出するように差込むと共に、他のダスト排
出筒5の下端部をこの連結用筒7のダスト排出筒5より
突出する上部内に差し込むことによって、上下のダスト
排出筒5を連結して成ることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0014】図3はセル本体1とダスト排出筒5とから
なるサイクロンセル6の一例を示すものであり、セル本
体1は一方の端部が大きな径に、他方の端部が先端程縮
径して小さな径になる円筒状に形成してある。セル本体
1の一方の端部の側面には図3(b)のようにガス導入
口2が開口させてあり、このガス導入口2の一側縁には
セル本体1内へ向けてガイド片28が一体に延設してあ
る。セル本体1のこの一方の端部の端面には開口部29
が形成してあり、この開口部29から差込んでセル本体
1内に両端が開口する円筒状のガイド筒18を配設する
ようにしてある。このガイド筒18は後述のように仕切
り壁15に一端を固定することによってセル本体1内に
保持されるものであり、セル本体1の一部をなすもので
ある。そしてガイド筒18のこの一端の開口がセル本体
1のガス導出口3となるものである。またセル本体1の
他方の端部の開口がダスト排出口4となるものである。
【0015】ダスト排出筒5は上下両端が開口する円筒
状に形成されるものであり、鉛直方向に配置されるもの
である。ダスト排出筒5の上端の開口縁には径を広げた
連結筒部30が一体に形成してあり、ダスト排出筒5の
下端の外周には全周に渡って外方へ突出するフランジ片
31が一体に設けてある。ダスト排出筒5の下端のフラ
ンジ片31の外径は上端の連結筒部30の内径より小さ
くなるように形成してある。
【0016】セル本体1はダスト排出筒5の側面に斜め
上方へ突出するように、ダスト排出口4によって一体に
接続されているものであり、セル本体1のダスト排出口
4の上側の部分はダスト排出筒5内に突出させてある。
32はセル本体1とダスト排出筒5の間に一体に設けら
れる補強片である。セル本体1は水平面に対して60°
以上の角度θで立ちがるようにダスト排出筒5に接続さ
れるものであり、この角度θは大きい程好ましいが、製
造上、実質的な上限はθ=65°程度である。図の実施
形態ではθ=63°に設定してある。
【0017】上記のセル本体1とダスト排出筒5からな
るサイクロンセル6は鋳鋼の鋳造によって一体に形成し
てあるが(ガイド筒18は除く)、本発明では、Crを
25〜30%、Niを0.7〜1.2%含有するハイC
r組成の鋳鉄でサイクロンセル6を鋳造するようにして
いる。CrとNi以外の成分は、Cが2.70〜2.9
0%、Siが0.50〜1.00%、Mnが0.40〜
1.00、Pが0.022〜0.040%、Sが0.0
31〜0.040%、Moが0.30〜0.50%、残
がFeの組成のものが好ましい。このように従来よりも
Cr含有量の多い組成の鋳鋼を用いることによって、基
地組織がCrカーバイド系の硬いほぼ均一な組織でサイ
クロンセル6を鋳造することができるものである。また
表面の粗さも50S前後(JIS S 0601)と小
さくなり、サイクロンセル6の表面を平滑な面に形成す
ることができるものである。
【0018】図1及び図2において15は集塵装置のハ
ウジング内を仕切るように配置される仕切り壁板であ
り、この仕切り壁板15によってハウジング内を未清浄
ガス室16と清浄ガス室17に仕切るようにしてある。
仕切り壁板15には断面斜め逆L形に屈曲した屈曲片3
5を上下に連続するように複数段設けてあり、各屈曲片
35の傾斜する上片35aに円形の通気用孔19が穿設
してある。サイクロンセル6はセル本体1の開口部29
をこの連通用孔19に合致させるように未清浄ガス室1
6側に配置してあり、図5に示すように、セル本体1の
一方の端部の端面において開口部29の外周縁部に設け
た通孔36と、仕切り壁板15の上片35aの通気用孔
19の外周縁部に設けた通孔37にボルト38を通し、
ボルト38にナット39を螺結することによって、ボル
ト38及びナット39でセル本体1を仕切り壁板15に
固定し、仕切り壁板15によってサイクロンセル6の重
量を支持させるようにしてある。また連通用孔19から
開口部29を通してセル本体1内に挿入配置されるガイ
ド筒18は、その一方の端部の外周に張り出して設けた
フランジ片40の通孔41を上記のボルト38に被挿
し、ボルト38に押さえ金具42を被挿すると共にナッ
ト43をボルト38に螺結することによって、押さえ金
具42を介してボルト38及びナット43でガイド筒1
8を仕切り壁15に固定し、ガイド筒18をセル本体1
内に挿入した状態に保持するようにしてある。
【0019】上下に複数段配置される各サイクロンセル
6は上記のように仕切り壁板15に固定して保持されて
いるが、上下に隣り合うサイクロンセル6のダスト排出
筒5は図4に示すようにして接続されている。すなわ
ち、下端の全周に設けたフランジ片50の外径がダスト
排出筒5の上端の連結筒部30の内径よりやや小さく、
内径がダスト排出筒5の下端のフランジ片31の外径よ
りやや大きいクロム鋼製等の連結用筒7を用いる。そし
てまず上のサイクロンセル6のダスト排出筒5の外周に
連結用筒7を被挿した状態で、下のサイクロンセル6の
ダスト排出筒5の上端に上のダスト排出筒5の下端を対
向配置させる。次に連結用筒7を下げて下のダスト排出
筒5の連結筒部30の内周に連結用筒7を差し込む。こ
のとき、連結用筒7は高さ寸法を連結筒部30の深さ寸
法より大きく形成してあり、連結用筒7の上部は連結筒
部30より上方に突出しており、上のダスト排出筒5の
下端部は連結用筒7のこの突出する上部内に差込まれた
状態になっている。この後、フランジ片31の上側にお
いて上のダスト排出筒5の外周と連結用筒7の内周との
間、及びフランジ片50の上側において下のダスト排出
筒5の連結筒部30の内周と連結用筒7の外周の間に、
それぞれパッキン46を詰め込むと共に接着剤8を充填
して接着する。パッキン46としてはアスベストヤーン
などの耐熱性の高いものを用いるのが好ましい。また接
着剤としては、セラミック系の耐熱性の高いもの、例え
ば日本プライブリコ社製「プライラム サイクロンミッ
クス」(成分Al:90%、SiO:5%)を
用いることができる。
【0020】上記のようにしてサイクロンセル6を上下
に複数段連結して配置するにあたって、図1に示すよう
に、上端に位置するサイクロンセル6の連結筒部30に
蓋47を嵌めて上端の開口を閉じるようにしてある。ま
た下端に位置するサイクロンセル6の下端部はダスト排
出樋21に接続してある。そしてサイクロンセル6は上
記のように上下に複数段連結して配置されるが、この上
下に複数段連結したものを、横に複数列配列して配置す
ることによって、縦横多数のサイクロンセル6からなる
マルチタイプのサイクロン集塵機を形成することができ
るものである。
【0021】上記のように形成される集塵機にあって、
ボイラー等から排出され石炭粉などのダストが含有され
る未清浄ガスは未清浄ガス室16に送られる。そして、
この未清浄ガスはガス導入口2から導入されてサイクロ
ンセル6のセル本体1内に流入する。このようにセル本
体1内に流入した未清浄ガスはガイド片28とガイド筒
18にガイドされてセル本体1内で既述の図9のaのよ
うに渦巻き状に旋回する。この旋回運動の際の遠心力で
未清浄ガス中に浮遊している比重の重いダストは未清浄
ガスから分離される。分離されたダストはセル本体1の
傾斜に沿ってダスト排出口4からダスト排出筒5へ排出
され、ダスト排出筒5内を落下してダスト排出樋21に
から送り出される。一方、ダストが分離されて清浄化さ
れた清浄ガスは既述の図9のbのように逆向きに旋回し
ながらガイド筒18内を通ってガス導出口3から清浄ガ
ス室17に送られる。清浄ガス室17に送られた清浄ガ
スはボイラー等に返送される。
【0022】ここで、既述のように本発明では、Crを
25〜30%、Niを0.7〜1.2%含有するハイC
r組成の鋳鉄でサイクロンセル6を鋳造して作製してお
り、セル本体1の表面は平滑な面に形成されている。し
かもセル本体1は水平面に対して60°以上の角度で傾
斜して立ちがるようにダスト排出筒5に接続されてい
る。このため、未清浄ガスから分離されたダストはセル
本体1の表面に付着し難く、セル本体1の急な傾斜に沿
ってダスト排出口4へと移動し、ダスト排出筒5に排出
されるものであり、セル本体1内がダストで詰まるよう
なことがなくなる。従って、従来のような清掃具を用い
てセル本体1の内面の清掃を行なう必要がなくなり、清
掃具を駆動するための装置の設備コストが不要になると
共にそのメンテナンスも不要になるものである。上記の
組成範囲を外れる鋳鉄でサイクロンセル6を作製し、ま
たセル本体1の傾斜角度が60°未満であると、ダスト
をスムーズにダスト排出口4からダスト排出筒5へと排
出することができなくなり、このような効果を期待する
ことができない。
【0023】また、サイクロンセル6を、Crを25〜
30%、Niを0.7〜1.2%含有するハイCr組成
の鋳鉄を鋳造して作製することによって、既述のよう
に、基地組織がCrカーバイド系の硬いほぼ均一な組織
でサイクロンセル6を鋳造することができる。従って、
セル本体1に流入した未清浄ガスが旋回する際にダスト
によってセル本体1の内面が磨耗作用を受けても、セル
本体1の内面の摩滅の速度は遅く、長期間の使用に耐え
ることができるものである。上記の組成範囲を外れる鋳
鉄でサイクロンセル6を作製した場合には、硬い均一な
組織に形成することができず、このような効果を期待す
ることはできない。
【0024】ここで、上記の効果を確認するために、C
r:27.73%、Ni:1.03%、C:2.83
%、Si:0.79%、Mn:0.89、P:0.02
2%、S:0.034%、Mo:0.38%、残がFe
のハイCr組成の鋳鉄を用いて、セル本体1の傾斜角度
θ=63°のサイクロンセル6を鋳造した。このように
作製したサイクロンセル6を実機に図1及び図2のよう
に組み込み、ダストとして石炭粉を含むボイラーから排
出される排ガスの集塵を行なった。この実機は、従来の
Cが3.19〜3.27%、Siが1.96〜2.00
%、Mnが0.37〜0.63%、Crが0.26〜
0.27%、残りが主としてFeの組成の鋳鉄を用いて
製造された図8のサイクロンセル6を組み込んで使用さ
れた実績のあるものであり、図8のサイクロンセル6で
はセル本体1に平均1.2年で孔が開き、清掃具23を
用いないとセル本体1がダストで詰まるものであった。
【0025】そして、このハイCr組成鋳鉄のサイクロ
ンセル6のセル本体1を図3のイ−イ線の個所で切断し
て、切断面のヴィッカース硬度Hvを測定した。その結
果を図6(a)に示す。比較のために従来の図10のサ
イクロンセル6のセル本体1の個所での切断面のヴィッ
カース硬度Hvを測定し、その結果を図6(b)に示
す。図6(a)(b)の横軸は、切断面でのセル本体1
の内面からの距離を示すものであり、図6(a)にみら
れるように、本発明の組成の鋳鉄で作製したセル本体1
はほぼ均一な高い硬度を示すが、従来の組成の鋳鉄で作
製したセル本体1は表層部の硬度はやや高いが内部の硬
度は低いものであった。
【0026】また、上記の実機による試験は、平成8年
5月21日に開始し、その際にセル本体1の図3の及
びの個所の肉厚を測定し、次に平成8年12月31日
にセル本体1の同じ個所の肉厚を測定した。そして図7
は縦軸にセル本体1の肉厚を、横軸に時間をとったもの
であり、一回目測定の肉厚の点と二回目測定の肉厚の点
とを直線で結ぶことによって、セル本体1の磨耗の速度
がわかる。また上記の図6(a)のようにセル本体1の
硬度は肉厚内においてほぼ均一なので、この直線を延長
することによって、将来の磨耗の度合いを予測すること
ができる。図7(a)はの個所の肉厚の変化を、図7
(b)はの個所の肉厚の変化を示し、また破線はこれ
以上肉厚が薄くなると孔が開くおそれがあるという肉厚
限界を示す。図7(a)(b)にみられるように、3年
以上経っても、肉厚限界まで磨耗せず、セル本体1の寿
命は3年以上であることが確認される。また、二回目測
定の時点でセル本体1内にダストの付着は殆どみられ
ず、将来に亘っても清掃は不要であることが予測され
た。
【0027】次に、上記のように上下に複数段連結して
使用されるサイクロンセル6のうち一つを交換するとき
の作業について説明する。まず取り外そうとするサイク
ロンセル6と仕切り壁板15との結合を外し、次いで衝
撃等を加えて、ダスト排出筒5の外周と連結用筒7の内
周との間に充填されている接着剤8を剥がして除去す
る。次に連結用筒7を上方へ引き上げることによって、
連結筒部30から連結用筒7を抜くことによって、上下
のダスト排出筒5の連結を外すことができる。取り外そ
うとするサイクロンセル6のダスト排出筒5の上端と下
端でこの作業を行なうことによって、このサイクロンセ
ル6の上下のサイクロンセル6への連結を外すことがで
きるので、このサイクロンセル6を取り外すことができ
る。このとき、サイクロンセル6のダスト排出筒5は上
下のダスト排出筒5に嵌め合わされていないので、この
サイクロンセル6を横に移動させるだけで容易に取り外
すことができる。この後、新たなサイクロンセル6を取
り外した個所に配置し、既述したようにこの新たなサイ
クロンセル6を仕切り壁板15に結合させた後、既述し
たようにこのサイクロンセル6のダスト排出筒5の上下
端部を連結用筒7で上下のサイクロンセル6のダスト排
出筒5に連結することによって、この新たなサイクロン
セル6に交換する作業を終えることができるものであ
る。このようにして、上下に複数段連結したサイクロン
セル6の総ての連結を外すような必要なく、サイクロン
セル6の交換を容易に行なうことができるものである。
【0028】
【発明の効果】上記のように本発明は、一方の端部を大
径に他方の端部を小径にして筒状のセル本体を形成し、
セル本体の一方の端部の側面にダストを含有する未清浄
ガスが導入されるガス導入口を設けると共にダストが除
去された清浄ガスが導出されるガス導出口をセル本体の
この一方の端部に設け、未清浄ガスから除去したダスト
を排出するダスト排出口をセル本体の他方の端部に設け
ると共にこのダスト排出口を上下端が開口する縦のダス
ト排出筒に接続してセル本体とダスト排出筒からなるサ
イクロンセルを形成し、ダスト排出筒の上端と下端を連
結することによって上下に複数のサイクロンセルを配設
したサイクロン集塵機において、セル本体をCrを25
〜30%、Niを0.7〜1.2%含有する鋳鉄で形成
すると共に、セル本体を水平面に対して60°以上の角
度で立ちがるようにダスト排出筒に接続したので、基地
組織がCrカーバイド系の硬いほぼ均一な組織にセル本
体を形成することができ、セル本体に流入した未清浄ガ
スが旋回する際にダストによってセル本体の内面が磨耗
作用を受けても、セル本体の内面の摩滅の速度は遅く、
長期間の使用に耐えることができるものであり、またセ
ル本体の表面は平滑な面に形成されていると共にセル本
体は急な角度で傾斜して立ち上がっており、未清浄ガス
から分離されたダストはセル本体の表面に付着し難くい
と共にセル本体の急な傾斜に沿ってダスト排出口へと移
動し易く、ダスト排出筒に確実に排出されるものであ
り、セル本体内がダストで詰まるようなことがなくなっ
て、清掃具を用いてセル本体の内面の清掃を行なう必要
がなくなるものである。
【0029】また、請求項2の発明は、ダスト排出筒の
上端の開口内に連結用筒をその上部がダスト排出筒の上
端より突出するように差込むと共に、他のダスト排出筒
の下端部をこの連結用筒のダスト排出筒より突出する上
部内に差し込むことによって、上下のダスト排出筒を連
結するようにしたので、上下のダスト排出筒は相互に嵌
め合わせることなく連結用筒によって連結されており、
連結用筒をダスト排出筒の上端の開口から抜くことによ
ってこのダスト排出筒と上のダスト排出筒の連結を外す
ことができるものであり、上下に複数段連結したサイク
ロンセルの総ての連結を外すような必要なく、サイクロ
ンセルの交換を容易に行なうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す一部を省略し
た断面図である。
【図2】同上の実施の形態の一例の縮小した側面図であ
る。
【図3】同上に使用されるサイクロンセルの一例を示す
ものであり、(a)は断面図、(b)は(a)のA−A
線断面図である。
【図4】同上のサイクロンセルを上下に接続する部分の
断面図である。
【図5】同上のサイクロンセルを仕切り壁板に固定する
部分の断面図である。
【図6】セル本体の断面のヴィッカース硬度を示すグラ
フであり、(a)は本発明のセル本体のグラフ、(b)
は従来のセル本体のグラフである。
【図7】セル本体の肉厚の変化を示すグラフであり、
(a)は図3のの個所のグラフ、(b)は図3のの
個所のグラフである。
【図8】従来例の一部を破断した斜視図である。
【図9】サイクロンのセル本体でのガスの清浄化の作用
を説明する一部破断した斜視図である。
【符号の説明】
1 セル本体 2 ガス導入口 3 ガス導出口 4 ダスト排出口 5 ダスト排出筒 6 サイクロンセル 7 連結用筒 8 接着剤
フロントページの続き (72)発明者 小松 尚行 山形県酒田市大字漆曽根字腰廻220 Fターム(参考) 4D053 AA03 AB01 BA04 BB02 BC01 BD05 CA12 CB18 CC02 DA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の端部を大径に他方の端部を小径に
    して筒状のセル本体を形成し、セル本体の一方の端部の
    側面にダストを含有する未清浄ガスが導入されるガス導
    入口を設けると共にダストが除去された清浄ガスが導出
    されるガス導出口をセル本体のこの一方の端部に設け、
    未清浄ガスから除去したダストを排出するダスト排出口
    をセル本体の他方の端部に設けると共にこのダスト排出
    口を上下端が開口する縦のダスト排出筒に接続してセル
    本体とダスト排出筒からなるサイクロンセルを形成し、
    ダスト排出筒の上端と下端を連結することによって上下
    に複数のサイクロンセルを配設したサイクロン集塵機に
    おいて、セル本体をCrを25〜30%、Niを0.7
    〜1.2%含有する鋳鉄で形成すると共に、セル本体を
    水平面に対して60°以上の角度で立ちがるようにダス
    ト排出筒に接続して成ることを特徴とするサイクロン集
    塵機。
  2. 【請求項2】 ダスト排出筒の上端の開口内に連結用筒
    をその上部がダスト排出筒の上端より突出するように差
    込むと共に、他のダスト排出筒の下端部をこの連結用筒
    のダスト排出筒より突出する上部内に差し込むことによ
    って、上下のダスト排出筒を連結して成ることを特徴と
    する請求項1に記載のサイクロン集塵機。
JP24451899A 1999-08-31 1999-08-31 サイクロン集塵機 Pending JP2001062349A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015033647A (ja) * 2009-11-16 2015-02-19 ダイソン テクノロジー リミテッド 表面掃除機

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