JP2001061497A - ヒスタミンセンサ - Google Patents

ヒスタミンセンサ

Info

Publication number
JP2001061497A
JP2001061497A JP24082599A JP24082599A JP2001061497A JP 2001061497 A JP2001061497 A JP 2001061497A JP 24082599 A JP24082599 A JP 24082599A JP 24082599 A JP24082599 A JP 24082599A JP 2001061497 A JP2001061497 A JP 2001061497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
histamine
electrode
oxidase
immobilized
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24082599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3751480B2 (ja
Inventor
Katsuyoshi Hayashi
勝義 林
Osamu Niwa
修 丹羽
Tsutomu Horiuchi
勉 堀内
Keiichi Torimitsu
慶一 鳥光
Riyouji Kurita
僚二 栗田
Kazutaka Maeyama
一隆 前山
Katsuyuki Tanizawa
克行 谷澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP24082599A priority Critical patent/JP3751480B2/ja
Publication of JP2001061497A publication Critical patent/JP2001061497A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3751480B2 publication Critical patent/JP3751480B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/26Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving oxidoreductase

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】試料中のヒスタミン濃度を測定するための電気
化学センサであって、簡便な方法で、低い濃度まで高感
度に、選択性および再現性良く、ヒスタミン濃度を測定
するセンサを提供すること。 【解決手段】試料溶液が流れる流路中の反応器6の内部
にスタミン酸化酵素を固定化し、試料中のヒスタミンを
そのヒスタミン酸化酵素によってほとんど完全に酸化
し、その際に生成する過酸化水素を、フローセル7の内
部に配置され、過酸化水素を還元する性質を有する膜で
修飾された作用電極8の電極反応を介して還元し、その
際に作用電極8に流れる電流を計測することによって、
試料中のヒスタミン濃度を測定することを特徴とするヒ
スタミンセンサを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食肉、鮮魚などの
食品検査や、脳脊髄液などの生体試料の測定において試
料中に含まれるヒスタミンを高感度、かつ連続的に定量
分析するためのヒスタミンセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒスタミンは生体アミンの一種であり、
消化液の分泌やアレルギー反応に関係するのみならず、
脳内の伝達物質として働く分子である。また、魚介類や
食肉中のヒスチジンが微生物と反応することにより生じ
るため、食品衛生上、食品中の濃度を迅速に測定する方
法が求められている。
【0003】食品中のヒスタミンについては、北米食品
薬品局(FDA)が1982年に蛍光法によるヒスタミ
ンの測定法を定めている。蛍光法はヒスタミンとクロマ
トグラフィにおける誘導体化試薬としても良く使用され
ている蛍光試薬である o-フタルアルデヒドとの反応に
より蛍光物質を合成し、その蛍光強度より濃度を求める
ものである。しかしながら、蛍光法は妨害物質の影響を
受けやすく、前もって妨害物質を除去する必要があるこ
とや、蛍光試薬が必要であるなどといった問題があり、
試薬の反応時に正確な時間と温度の制御が必要である。
【0004】一方、液体クロマトグラフィによるヒスタ
ミンの定量方法も数多く報告されている。例えば、本願
発明者の内の1名は脳などの生体組織に含まれるヒスタ
ミンとメチルヒスタミンの濃度を高速液体クロマトグラ
フィにより感度良く検出している (K. Alam、M. Sasak
i、T. Watanabe and K.Maeyama、Analytical Biochemis
try、229巻、26-34頁 (1995年) 参照)。この方法では
カラムによって数種類のアミンを分離した後、ジアミン
酸化酵素が固定化された酵素カラムによりヒスタミンを
酸化して過酸化水素を発生させ、これに蛍光試薬である
ルミノールとフェリシアン化カリウムを混合して化学発
光を起こし、その発光強度から定量を行っている。
【0005】液体クロマトグラフィ法では極めて低い検
出限界(即ち高感度)が得られるが、分離プロセスのみ
で10分以上の時間がかかるため、汎用性、迅速性が損
なわれる。また、細胞からのヒスタミンの放出挙動な
ど、より短い時間分解能が必要な場合には不都合であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、酵素反応
と電気化学検出器あるいは酸素センサを組み合わせるこ
とによりヒスタミンを検出する方法が提案されている。
モノアミン酸化酵素膜を修飾した酸素電極を用いて溶存
酸素の変化よりヒスタミンを定量する方法が提案されて
いる(I. Karube et al.、Enzyme Microb. Technol.、2
巻、117-120頁(1980年) 参照)。また、被測定液にヒス
タミン酸化酵素を混合し、被測定液の酸素消費量を測定
することによりヒスタミンを迅速に定量する方法が提案
されている(寄藤他、特開平5−236952号公報、
大橋他、特開平10−174599号公報参照)。
【0007】しかしながら、前者の方法では、大橋らに
より(大橋他、特開平10−174599号公報記載の
ように)修飾膜の作製法や反応温度により特性が変動す
ることなど多くの問題点が指摘されている。一方、後者
では被測定液に含まれるヒスタミン全量を酵素反応によ
り酸化するため、化学量論関係が成立し、測定精度が高
い。しかしながら、被測定液に高価な酵素を添加するた
め費用がかかること、近年、医学生理学の測定で要求さ
れている細胞レベルへのヒスタミンの測定などマイクロ
リットル、ナノリットルレベルの微少量試料の測定では
測定系の酸素濃度をコントロールするのが困難であり、
またヒスタミン濃度が低い場合には酸素のわずかな減少
量を測定する必要があり、酵素反応生成物を測定する方
式に較べて、低濃度での定量性に劣るなどの問題があっ
た。
【0008】一方、酵素反応生成物を測定する方法とし
て、ジアミン酸化酵素を修飾した白金電極を利用するア
ンペロメトリックなセンサも報告されている(例えば、
S.Tombelli et al.、Anal. Chim. Acta、358巻、3号、2
77-284頁、(1998年)参照)。この方法では、酸素濃度
が基質濃度より充分大きい場合、酵素反応生成物である
過酸化水素を再現性良く測定できる。特にヒスタミン濃
度が低い場合、酸素消費量が少ないため、試料内の酸素
濃度を調整する必要がなく、酸素減少量を測定する方法
に比べて簡便である。また、センサも容易に微小化でき
る。しかしながら、過酸化水素を酸化して測定を行うに
は白金電極の電位を 500 mV 以上(銀/塩化銀参照電極
に対して)にする必要があり、試料中に共存し電気化学
的に酸化されやすい L-アスコルビン酸、尿酸などの妨
害を受けやすい問題点があった。また、ジアミン酸化酵
素は多くのジアミン類と反応するため、ヒスタミンを選
択性良く測定することができなかった。一方、過酸化水
素を、ペルオキシダーゼ系の酵素を用い、電子伝導性の
膜を介して電極反応により還元する方法が提案されてい
る(例えば、M. Vreeke、R. Maidan、A. Heller、Analy
tical Chemistry、64巻、 3084-3090頁、(1998年)参
照)。発明者らはポリビニルピリジンのオスミウム錯体
に西洋ワサビペルオキシダーゼを結合した膜とヒスタミ
ン酸化酵素膜を2層に修飾した電極を用いることにより
0 V 付近の低い電位でヒスタミンを高感度に測定でき
ることを報告した(丹羽、栗田、堀内、鳥光、前山、谷
沢、日本分析化学会第47年会要旨集、51頁参照)。こ
の方法では低い検出限界が得られるものの、膜に固定さ
れた酵素の量や膜厚により信号の絶対値が変化する問題
があった。
【0009】本発明の目的は、試料中のヒスタミン濃度
を測定するための電気化学センサにおける上記課題を解
決し、簡便な方法で、低い濃度まで高感度に、選択性お
よび再現性良く、ヒスタミン濃度を測定するセンサを提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、試料液の流路中に固定化されたヒスタミ
ン酸化酵素を有し、その下流に、酵素と基質との反応生
成物である過酸化水素を電極反応を介して還元する性質
を有する物質が修飾された電極を有するヒスタミンセン
サを構成する。
【0011】この構成においては、ヒスタミンをほぼ完
全に酸化するために十分な量のヒスタミン酸化酵素を用
いることができるので、上記のポリビニルピリジンのオ
スミウム錯体に西洋ワサビペルオキシダーゼを結合した
膜とヒスタミン酸化酵素膜を2層に修飾した電極を用い
る場合における問題点、すなわち固定された酵素の量や
膜厚により信号の絶対値が変化する問題を解消すること
ができる。
【0012】この構成のヒスタミンセンサを用い、セン
サ内に導入されるヒスタミンを酵素反応によりほとんど
完全に酸化し、その酵素反応において生成した過酸化水
素を、電極反応を介し、低い電位で還元して、その時に
流れる電流を測定することにより、ヒスタミン濃度を、
高い精度と高い感度と良好な選択性で測定することがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に関わるヒスタミ
ンセンサの基本的な構造図である。センサはシリンジポ
ンプ1や高速液体クロマトグラフィに用いるプランジャ
ーポンプ2によりキャリア液3をヒスタミンセンサに送
液し、その途中で、インジェクター4により試料を一定
量のみ導入する。試料は前電解用電極5に接触した後に
ヒスタミン酸化酵素が固定化された反応器6に入る。前
電解用電極5の役割は、試料中に多量のL-アスコルビ
ン酸が含まれるような場合に、それを電極酸化して、ヒ
スタミンの定量に影響を与えないようにすることにあ
る。反応器6に導入された溶液に含まれるヒスタミン
は、反応器6内に固定化されたヒスタミン酸化酵素によ
ってほぼ完全に酸化され、この酸化反応によって生成し
た過酸化水素はフローセル7に入って、作用電極8上の
電極反応により検出される。フローセル7には、作用電
極8に対する対向電極9と参照電極10とが配置されて
いる。各電極への電圧の印加および電極電流の計測はポ
テンシオスタット11により行われ、計測の結果はレコ
ーダ12によって記録される。電極反応後の液は廃液1
3としてフローセル7外に排出される。
【0014】図2は図1におけるフローセル7の拡大断
面図を示す。図2に示したように、グラッシーカーボン
電極上に、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を含
有するオスミウムポリビニルピリジン誘導体の修飾膜
(図中、Os-gel-HRPフィルムと表示)を形成し
たものである。作用電極と対向電極との間の間隔はガス
ケットによって一定に保たれ、両電極間の間隙が流路の
一部となって、液中の過酸化水素はここで電極反応によ
って還元される。
【0015】本発明に関わるヒスタミンセンサを用いて
ヒスタミンを測定する際の反応式を次に示す。
【0016】
【化1】
【0017】ヒスタミンは、酵素反応器に固定化された
ヒスタミン酸化酵素により、式1に示すように酸化さ
れ、1分子のヒスタミンから1分子の過酸化水素(H2
2)が生成する。生成した過酸化水素は電極上のペル
オキシダーゼ(HRP)により還元されるが、その際に
ペルオキシダーゼ自身は酸化体となり、電極とペルオキ
シダーゼとの間の電子移動を仲介する膜を酸化する(式
2)。その後、膜が、式3に示すように、電極により還
元されることにより電極に電流(還元電流)が流れ、そ
れがポテンシオスタットによって測定される。これらの
反応式から明らかなように、酸化されたヒスタミンの量
と、電極より供給される電子の量とは比例するために、
電極を流れる還元電流値を時間について積分して電子の
量を求めることによりヒスタミンを定量することができ
る。
【0018】ペルオキシダーゼの膜を介した還元反応
は、銀/塩化銀参照電極に対して 0 mV 以下の低い電位
で行うことができる。このように、電極反応に還元反応
を用いることにより、妨害物質の影響の少ない低い電位
での測定が可能になる。一方、培養細胞から放出される
試料を連続的に測定する場合においては、センサの廃液
側をシリンジポンプなどで吸引して試料を導入すること
もできる。また、試料量を減らすために反応器と検出器
を集積化した微小化センサをマイクロマシン技術を用い
てガラスやシリコン基板に作製して用いることもでき
る。
【0019】本発明に関わるセンサの製造工程において
は、まず、ヒスタミン酸化酵素の流路への固定化を行
う。
【0020】図3はヒスタミン酸化酵素の固定化の方法
を説明する図である。すなわち、ヒスタミン酸化酵素の
固定化の方法としてはビーズに酵素を固定化し、それを
直接あるいは、図3(a)に示すように、カラムに充填
した形で反応器内に設置する方法や、図3(b)に示す
ように、流路の内壁へ酵素を固定化して中空の反応器を
作製する方法等をあげることができる。なお、酵素を固
定化する方法としては、後述の実施例1におけるよう
に、共有結合による固定化方法、あるいは、後述の実施
例4におけるように、高分子膜内に取り込む形で固定化
する方法などがある。
【0021】一方、検出用のフローセルは、高速液体ク
ロマトグラフィやフローインジェクション分析に用いる
市販の電気化学フローセルを使用する方法やホトリソグ
ラフィとスパッタ、蒸着、CVD(化学気相堆積法)な
どの薄膜形成技術を用いて作製した電極と流路を組みあ
わせることにより得られる。電極の上には過酸化水素を
還元し電極から電子を受け取る性質を有する膜を形成す
る。具体的には例えば導電性高分子に過酸化水素を還元
するペルオキシダーゼを複合した膜などが利用可能であ
る。
【0022】更に、試料溶液にL-アスコルビン酸など
の電気化学測定の妨害となる物質を含む場合は、膜中に
更にL-アスコルビン酸酸化酵素を複合するか、あるい
は、最上層にアニオン性の高分子膜を修飾し、膜の静電
的な反発作用によりL-アスコルビン酸等の妨害物質の
影響を除くことができる。
【0023】導電性高分子膜としては、ポリピロールや
その誘導体、ポリアニリンやその誘導体が挙げられる。
これらの膜はペルオキシダーゼ、あるいはペルオキシダ
ーゼとそれぞれの高分子のモノマーを塩化カリウムなど
の電解質と共に溶解させた水溶液にセンサ用の電極を参
照電極、対向電極と共に浸した後、各電極をポテンシオ
スタットの対応する端子に繋ぎ、センサ用の電極に電位
を印加することにより酵素を取り込んだ膜を形成するこ
とができる。あるいはペルオキシダーゼを含むポリビニ
ルフェロセン膜やオスミウム-ポリビニルピリジン膜な
どの酸化還元性の高分子も使用することができる。最上
層へ修飾するアニオン性の膜としてはナフィオン等をあ
げることができる。
【0024】すでに述べたように、本発明に関わるヒス
タミンセンサにおいては、電極還元反応を、銀/塩化銀
参照電極に対して 0 mV 以下の低い電位で行う。このた
め、肥満細胞や脳神経細胞のヒスタミンを計測する際に
共存する電気化学的に活性なL-アスコルビン酸が電極
で直接酸化されない電位で測定を行うことができ、高い
選択性を実現することができる。一方、ペルオキシダー
ゼが過酸化水素を還元する際に、多量のL-アスコルビ
ン酸が存在すると、酸化状態にあるペルオキシダーゼや
導電性高分子がL-アスコルビン酸により還元される(
R. Maidan andA. Heller、Amalytical Chemistry、64
巻、2889-2896頁、(1992年) 参照)。このため、ヒスタ
ミンが酸化されて生成する過酸化水素の量が一定の場合
でも、L-アスコルビン酸の膜内濃度が増加すると、電
極上で観測される還元電流は減少する。この反応は、修
飾電極最上部にナフィオンなどのアニオン性の膜をコー
ティングするか、あるいは酵素反応器の上流に電極(図
1の前電解用電極5)を組み込み、前電解により試料に
含まれるL-アスコルビン酸をほとんど酸化することに
より防ぐことができる。
【0025】以下に、本発明の実施の形態について、実
施例を用いて、更に詳しく説明する。
【0026】(実施例1)上記において説明した本願発
明の電気化学検出器を用いて次のような実験を行った。
【0027】図4に、ヒスタミン酸化酵素をガラスビー
ズに固定化する工程を示す。
【0028】(a)ガラスビーズ(直径 20μm)を約
1g、3-アミノプロピルトリエトキシシラン 1%を溶解
させたアセトン中にけん濁させ、70℃で3時間反応させ
た。この反応(シランとビーズ表面との反応)により、
ビーズの表面が末端にアミノ基(−NH2)をもつ分子
で修飾される。
【0029】(b)反応後、ガラスビーズが沈降するの
を待ち、上澄み液を捨て、再度アセトンを加えてその操
作を3回くり返すことにより洗浄した。アセトンを蒸発
させた後、今度は 2%のグルタルアルデヒド水溶液にビ
ーズをけん濁させ1時間反応させた。この反応により、
ビーズの表面が末端にアルデヒド基(−CHO)をもつ
分子で修飾された形になる。
【0030】(c)反応後、ビーズをフィルターにより
ろ過回収し、水洗を行って未反応のグルタルアルデヒド
を完全に除いた。次にヒスタミン酸化酵素を溶解させた
100mMリン酸緩衝溶液(pH 7.0、酵素濃度:10 ユ
ニット/mリットル)にビーズを溶解させ、3時間以上
放置し酵素をビーズ上のグルタルアルデヒドと反応させ
て、酵素をビーズに固定化した。図中、酵素を、Eと表
示した正方形で示す。
【0031】(d)酵素固定化後、 1%グリシン水溶液
で洗浄して未反応のアルデヒド残基をグリシンと反応さ
せて、分子の末端を化学的に比較的安定なカルボキシル
基(−COOH)とし、ヒスタミン酸化酵素の固定化工
程を終了した。
【0032】次に高速液体クロマトグラフイの配管に使
用するピークチューブ(内径 0.5mm、長さ 4cm)の
一方の出口に円筒型のフェルト(外径 0.5mm、長さ 3
mm)を挿入し、フィルタとした。次にもう一方の出口
よりシリンジを用いて緩衝溶液にけん濁させた酵素固定
化ビーズを充填した。充填後、もう一方の出口も円筒型
のフェルトで塞ぎ、酵素反応器を得た。
【0033】次にグラッシーカーボン電極(直径 6m
m:ビーエ一エス社製)上に西洋ワサビペルオキシダー
ゼ(HRP)を含むオスミウムポリビニルピリジン誘導
体溶液(Bioanalytical Systems 社製)を 2μリットル
塗布し乾燥させて高分子膜を形成した。この電極をフロ
ーセル中にセットし、上流側にヒスタミン酸化酵素を固
定化したビーズを充填したカラムを挿入し、ポンプや前
電解用電極をセットして図1に示したセンサを構成し
た。
【0034】センサの作用電極(図1の8)、前電解用
の白金円管電極(図1の5)、銀/塩化銀参照電極(図
1の10)および対向電極(ステンレスブロック製、図
1の9)をポテンシオスタットLC4C(Bioanalytica
l Systems 社製、図1のポテンシオスタット11)のそ
れぞれに対応する端子に接続した。またセンサは高速液
体クロマトグラフィ用のポンプを用いて送液し、ヒスタ
ミン酸化酵素固定化カラム(図1の反応器6)とポンプ
の間にはサンプルインジェクター(図1の4)を組み込
んだ。
【0035】センサの作用電極の電位を銀/塩化銀参照
電極に対して 0Vに保持し、ポンプにより流速 10μリ
ットル/分で送液しながらサンプルインジェクターより
一定量のサンプルを注入した。その結果を図5に示す。
【0036】濃度 1μMのヒスタミン溶液を 10μリッ
トル注入すると 25nAのピークが得られた。一方、メ
チルヒスタミンを濃度 1μMで注入すると、電流値は
3.5nA程度であった。一方、ジアミンであるプトレシ
ンやカダベリンを加えると応答は数百分の1となり、高
い選択性が得られることが分かった。
【0037】図6にヒスタミン濃度と電流の関係を示
す。図が示すように、きわめて広いヒスタミン濃度範囲
において、濃度と電流値の直線関係が得られていること
が分かる。このような実用上好ましい直線関係が得られ
る理由は、本発明に関わるヒスタミンセンサにおいて、
試料中のヒスタミンがヒスタミン酸化酵素によってほと
んど完全に酸化されていることにある。この酸化が不完
全であると、特にヒスタミン濃度が高い範囲において、
電流値が比例計算で求められる値よりも小さくなり、そ
の分だけ測定誤差を生じる。また、ヒスタミンの濃度を
10nMまで減らしても測定を行うことができ、低い検
出限界を達成することができた。一方、図4のピークを
時間に関して積分すると、最も高濃度である 100μMの
ヒスタミンを 10μリットル注入した場合、1.9×10-4
の電荷が観測され、化学量論的数値計算によって、注入
したヒスタミンがほぼ 100%反応していることが分かっ
た。次に、電極電位を -50mV(銀/塩化銀参照電極に
対して)にしてL-アスコルビン酸(10μM、10μリッ
トル)を注入すると、0.4nAの酸化電流が観測される
のみであり、L-アスコルビン酸単独ではほとんど電流
が流れないことが分かった。しかしながら、1μMのヒ
スタミンとL-アスコルビン酸を両方含む溶液を 10μリ
ットル注入すると、還元電流は 4.7nAに減少した。こ
れは、ヒスタミン酸化酵素の反応で発生した過酸化水素
がHRPで還元されHRPにオスミウム-ポリビニルピ
リジン膜を通して電極から電子が供給される際に、HR
Pや高分子がL-アスコルビン酸により還元され、電極
から供給される電子が減少するためである。そこで、図
1に示した前電解用電極5に 700mVの電位を印加し、
L-アスコルビン酸が反応器6に入る前に酸化されるよ
うな処置を講じてから、同一の試料を注入すると、電流
値は 24.3nAまで回復し、L-アスコルビン酸の影響を
ほぼ完全に除去できることが分かった。
【0038】試料として、常温で5日間放置したハマチ
切り身と解凍直後のハマチの切り身をホモジナイザーで
すり潰し、ろ過した液を各 10μリットルずつセンサに
注入した。その結果、前者では 21(±0.5、n = 5)n
A、後者では 0.02nAのピークが得られ、鮮度の測定
に十分便用可能であることが分かった。ここに、n = 5
は、データの個数が5であることを示している。
【0039】(実施例2)実施例1と同様な方法で作製
した電極をセットしたフローセルと、ヒスタミンを固定
化したビーズを充填したカラムを用いた測定系を図7に
示す。図7において、フローセルの廃液側をシリンジポ
ンプに接続し、カラムをテフロン細管を介して、先端を
熱で延伸したキャピラリーに接続した。センサの作用、
参照、対向電極を実施例1と同じポテンシオスタットに
接続し、作用電極に銀/塩化銀対向電極に対して -50m
Vの電位を印加した。ガラス管を顕微鏡用のマイクロポ
ジショナーに取り付けた。顕微鏡観察下にラットRBL
-2H3培養細胞を入れたシャーレを置き、顕微鏡観察
下でガラス管の先端を細胞のコロニーに 1μmの距離ま
で近接させた。RBL-2H3セルはあらかじめ10時
間前に培養液中にイムノグロブリンE(IgE)を加え
て置いたものを使用した。細胞近傍液を流速4μリット
ル/分で吸引しながら、細胞を牛血清アルブミンにジニ
トロフェノールを結合させたもの(BSA-DNP)を
含む緩衝溶液を加えると、還元電流の増加が観測され
た。一方、BSA-DNPを含んでいない溶液では電流
値の増加は全く観測されず、抗原抗体反応に伴うヒスタ
ミン放出をセンサによりリアルタイム検出することがで
きた。
【0040】(実施例3)図8は、本発明に関わるヒス
タミンセンサの一実施例におけるセンサの構造を示す。
図8において、81はシリンジポンプ、82はHRPを
含オスミウム-ポリビニルピリジン膜を修飾した作用電
極、83は銀参照電極、84は対向電極、85は前電解
用電極、86はヒスタミン酸化酵素を充填した微少量反
応器、87はサンプリング用ガラスキャピラリー、88
は電極が形成された基板、89は微小流路が形成された
基板、90は微小流路である。ここで、電極が形成され
た基板88は絶縁性基板であり、その上に各電極が薄膜
電極の形で形成されている。
【0041】図8において、サンプリング用ガラスキャ
ピラリー87より連続的に採取されたヒスタミンは微少
量反応器86中で酵素反応し、生成した過酸化水素は作
用電極82上でHRPを含むオスミウム-ポリビニルピ
リジン膜を介して電極還元される。
【0042】センサは微小流路が形成された基板89と
電極が形成された基板88とを貼り合わせて作製されて
いる。このセンサの作製工程を以下に示す。
【0043】まず、微小な矩形断面の流路を有する基板
を次のようにして作製した。すなわち、パイレックスガ
ラスウェハ(3インチ)上にポリイミド(東レ製)を厚
さ20μmになるようスピンコート(回転塗布)した。次
に、シリコン系反応性イオンエッチング(RIE)用フ
ォトレジスト(NTT-AT社製)をスピナー(回転塗
布機、ミカサ社製)により 2000回転/分で回転塗布し
た。その後、流路パタンが描かれたフォトマスクをウェ
ハに重ね、マスクアライナーPLA-501(キヤノン
製)を用いて流路のパタンを露光した。露光後、アルカ
リ現像液中で現像を行い、水洗、乾燥してレジストパタ
ンを形成した。現像後のウェハでは流路以外の部分がシ
リコン系レジストパタンに覆われているので、このレジ
スト付き基板を反応性イオンエッチング装置(DEM-
451、アネルバ製)に入れ、シリコン系レジストパタ
ンをマスクにして酸素プラズマによりレジストに覆われ
ていない部分のポリイミド膜を除去した。エッチング条
件は、圧力 5Pa、パワー 100W、酸素流量 100SCC
Mで時間は 110分とした。ポリイミドパタンを形成後、
基板を別の反応性イオンエッチング装置(DEM-45
1、アネルバ製)に入れ、ポリイミドをマスクにしてC
26ガスのプラズマによりガラスをエッチングした。条
件は圧力 2Pa、パワー 500W、流量 100SCCM、時
間 120分とし、深さを 22μmとした。ガラス流路を形
成後、酸素の反応性イオンエッチング装置により、残っ
たポリイミド膜を取り除きガラス流路を得た。その後、
流路の両端から約 7mm程ダイシングソー(ディスコ社
製)により、端から 1mmが400μmの深さになるよう
に、幅 400μmカットしキャピラリー接続用の溝とし
た。
【0044】一方、薄膜電極を有する基板を次のように
して作製した。すなわち、まず、3インチのパイレック
スガラスウェハを用い、熱CVD法により炭素薄膜(膜
厚:100 nm)を形成した。CVD法は、石英基板をガ
ラス管内において 1000℃に加熱し、出発物質としてフ
タロシアニンを用い、400℃で昇華、ウェハ上で熱分解
させる方法を用いた。炭素膜が形成されたウェハ上にシ
リコン系反応性イオンエッチング(RIE)用フォトレ
ジスト(NTT-AT社製)をスピナー(ミカサ社製)
により 4000回転/分で回転塗布した。その後、電極パ
タンが描かれたフォトマスクをウェハに重ね、マスクア
ライナーPLA-501(キヤノン製)を用いて4電極
のパタンを露光した。露光後、アルカリ現像液中で現像
を行い、水洗、乾燥してレジストパタンを形成した。現
像後のウェハでは電極パタンの部分のみがレジストパタ
ンに覆われているので、このレジスト付き基板を反応性
イオンエッチング装置(DEM-451、アネルバ製)
に入れ、レジストパタンをマスクにして酸素プラズマに
よりレジストに覆われていない部分の炭素膜を除去し
た。エッチング条件は、パワー70W、圧力 2Pa、酸素
流量 100SCCMとした。その後、アセトン中で、レジ
ストを剥離し電極パタンを得た。電極はサンプリング用
のキャピラリーが接続されている側から前電解用電極、
作用電極、参照電極、対向電極として用いた。作用電極
上にはHRPを含むオスミウムポリビニルピリジン誘導
体溶液(Bioanalytical Systems 社製)を塗布し、膜を
形成した。また、参照電極用基板上には参照物質として
銀ペーストを薄く塗布した。
【0045】その後、キャピラリーを接続した矩形断面
流路が形成された基板と酵素/高分子修飾薄膜電極が形
成された基板とを両方の流路が向かい合うように押しあ
て位置合わせ後、光硬化性の接着剤を周りから浸み込ま
せた。接着剤が浸みこんだ後、高圧水銀ランプを用いて
光を照射し、基板を接着し、センサチップを完成させ
た。
【0046】図9は上記のようにして作製したヒスタミ
ンセンサの流路の上からの見取り図である。流路は酵素
を充填するための幅の広い部分とその下流側に酵素を押
さえるためのグレーティング状のフィルターが形成され
た構造を有している。溶融石英キャピラリー(サイズ、
外径 375μm、内径 150μm、GLサイエンス社製)を
フィルタを挟んで幅の広い流路がある反対側の出口(図
9における右側斜線部分)に埋め込み接着剤により固定
し、その末端をシリンジポンプに接続した。実施例1で
使用したヒスタミン酸化酵素を固定化したビーズをけん
濁させた液に、センサチップのキャピラリーを接続して
いない側(図9における左側斜線部分)を浸し、液をマ
グネットスターラで撹拌しながら、シリンジで吸引する
とビーズが流路内に導入され、反応器部分に充填され
た。その後、先端を熱で延伸して細くしたキャピラリー
(図8中の87)をセンサの流路(図9における左側斜
線部分)に挿入し、光硬化性樹脂により接着した。
【0047】センサの前電解用電極、ヒスタミンを測定
するための作用電極、参照及び対向電極(それぞれ、図
8中の85、82、83及び84)をポテンシオスタッ
トLC4Cのそれぞれに対応する端子に接続した。測定
はシリンジポンプを用いてサンプリング用のキャピラリ
ーから溶液を吸引しながら、作用電極に -50mVの電位
を印加して行った。流速 1μリットル/分で溶液を吸引
し、試料として 1μMのヒスタミンを吸引すると 5.2n
Aの還元電流が観測され、吸引されたヒスタミンがほぼ
100%反応していることが分かった。
【0048】一方、同一濃度のメチルヒスタミンを測定
すると 0.8nAの還元電流が観測された。また、ジアミ
ンであるプトレシンやカダベリンを加えると応答は数百
分の1であり、高い選択性が確認された。ヒスタミン濃
度を下げていくと、20nMの試料を注入してもS/N比
が2以上で電流値の増加を観測することができた。ま
た、流速 8μリットル/分で測定を行うと、試料導入開
始後、約 20秒以内に定常状態に達し、これまで提案さ
れているヒスタミンの酵素反応に伴う酸素消費を測定す
る方法に比較して優れた応答性が確認された。応答性は
流速を上げると更に向上させることができた。
【0049】センサをマニピュレータに接続し、培養し
たラットRBL-2H3セルのコロニー(直径 100μm
以下)に、顕微鏡観察下で、センサのサンプリングキャ
ピラリー先端を 1μmまで近接させた。RBL-2H3
セルはあらかじめ10時間まえに培養液中にイムノグロ
ブリンE(IgE)を加えて置いたものを使用した。細
胞近傍液を流速 1μリットル/分で吸引しながら、細胞
を牛血清アルブミンにジニトロフェノールを結合させた
もの(BSA-DNP)を加えると、図10に示すよう
に還元電流が増加し、僅かな量の細胞試料からのヒスタ
ミンの放出をリアルタイムに近い形で高感度に測定する
ことができた。
【0050】(実施例4)実施例3と同様な方法によ
り、微小流路が加工されたガラス基板と、炭素薄膜電極
が形成された基板を作製した。微小流路が加工された基
板の流路両端には実施例3と同様に2本の溶融石英キャ
ピラリーを接続した。両基板の見取り図を図11に示
す。図中、作用電極を、銀/塩化銀参照電極、対向電極
と共にポテンシオスタットBAS100B(Bioanalyti
cal Systems 社製)に接続し、80000ユニット/リット
ルの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、0.05Mの
塩化カリウム、0.05Mのピロールを含む水溶液を入れた
容器に浸した。銀/塩化銀電極に対して 1Vの電位を 2
0秒間印加してポリピロール/酵素複合膜で修飾された
電極を得た。更にこの電極をアニオン性高分子であるナ
フィオンを3%含む溶液(アルドリッチ社製)に一瞬浸
漬した後乾燥しヒスタミンセンサを作製した。次にヒス
タミン酸化酵素 2重量%、牛血清アルブミン 2%、グル
タルアルデヒド 0.2%含む水溶液を微小流路が加工さ
れた基板の流路幅が太い部分と、電極が形成された基板
の、前電解用電極とポリピロール/HRP複合膜の間に
塗布し、乾燥させた。乾燥後、両基板を位置合わせをし
た後、紫外線硬化樹脂により張り合わせ、センサを得
た。このセンサを実施例3と同様にヒスタミン溶液(濃
度 1μM)を連続的に吸引注入すると、流速 8μリット
ル/分では 18.0nA(±1.7nA、n = 5)の還元電流
が得られ、反応率が約70%で、くり返し測定における
ばらつきも大きかった。
【0051】一方、流速 4μリットル/分で測定を行う
と、12.7nA(±0.5nA、n = 5)の値が得られ、セン
サに導入されたヒスタミンが全て反応していることが分
かった。また、100%反応時ではくり返し測定によるデ
ータのばらつきが小さいことが分かった。一方、作用電
極上がアニオン性高分子であるナフィオン膜により被覆
されているため、前電解電極に電位を印加せずとも、L
-アスコルビン酸の影響を抑制することができた。同様
の効果は、ヒスタミン酸化酵素と共にL-アスコルビン
酸酸化酵素を固定化した時や、電極上のポリピロール膜
に、L-アスコルビン酸酸化酵素をHRPと共に固定化
した時にも観測された。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は下記の効
果を有する。すなわち、 1.試料より不純物などを分離することなく、直接、ヒ
スタミンの測定を行うことができる。
【0053】2.基質であるヒスタミンを完全に酵素反
応させ、それによって生成する過酸化水素を完全に電極
反応させることにより、高い測定精度でヒスタミンの測
定を行うことができる。
【0054】3.細胞から放出されるヒスタミンなどの
マイクロリットル以下の微少量試料中のヒスタミンの測
定に使用することができる。
【0055】4.極めて感度が高く、20nM(0.01mg
/1000g)以下の検出限界が得られる。
【0056】5.微細化が容易なため、応答性が極めて
速いセンサが得られ、30秒以下で応答を得ることができ
る。
【0057】本発明に関わるヒスタミンセンサは、上記
の優れた特徴を有するので、従来、ヒスタミンセンサの
有力な応用分野とされてきた食肉、鮮魚などの食品検査
の分野のみならず、上記の優れた特徴を活かして、細胞
計測など医学や生理学分野においても応用される可能性
が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を説明する図である。
【図2】本発明に関わるヒスタミンセンサのフローセル
の構成を説明する断面図である。
【図3】本発明に関わるヒスタミンセンサにおけるヒス
タミン酸化酵素の固定化の方法を説明する図である。
【図4】本発明に関わるヒスタミンセンサの構成要素で
あるヒスタミン酸化酵素固定化ビーズの作製工程を説明
する図である。
【図5】実施例1における測定結果を示す図である。
【図6】実施例1における測定結果を示す図である。
【図7】本発明の実施例2に示したヒスタミンセンサの
構造と使用方法とを説明する模式図である。
【図8】実施例3におけるヒスタミンセンサの構造を説
明する模式図である。
【図9】実施例3におけるヒスタミンセンサの流路の上
からの見取り図である。
【図10】実施例3における測定結果を示す図である。
【図11】実施例4におけるヒスタミンセンサの構成を
説明する図である。
【符号の説明】
1…シリンジポンプ、2…プランジャポンプ、3…キャ
リア液、4…インジェクタ、5…前電解用電極、6…反
応器、7…フローセル、8…作用電極、9…対向電極、
10参照電極、11…ポテンシオスタット、12…レコ
ーダ、13…廃液、81…シリンジポンプ、82…作用
電極、83…銀参照電極、84…対向電極、85…前電
解用電極、86…微少量反応器、87…サンプリング用
ガラスキャピラリー、88…電極が形成された基板、8
9…微小流路が形成された基板、90…微小流路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 勉 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 鳥光 慶一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 栗田 僚二 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会 (72)発明者 前山 一隆 愛媛県松山市湯の山3丁目1番地7 (72)発明者 谷澤 克行 大阪府豊能郡豊能町希望ケ丘2−30−2 Fターム(参考) 4B063 QA01 QQ16 QQ61 QR02 QR03 QR83 QS20 QX05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料溶液が流れる流路の一部分に、固定化
    されたヒスタミン酸化酵素を有し、前記流路の前記固定
    化されたヒスタミン酸化酵素の位置よりも下流部分に、
    電極反応を介して過酸化水素を還元する性質を有する膜
    で修飾された電極を有していることを特徴とするヒスタ
    ミンセンサ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のヒスタミンセンサにおい
    て、前記電極が絶縁性基板上に形成された薄膜電極であ
    ることを特徴とするヒスタミンセンサ。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のヒスタミンセンサ
    において、前記固定化されたヒスタミン酸化酵素がビー
    ズに固定化されたヒスタミン酸化酵素であることを特徴
    とするヒスタミンセンサ。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載のヒスタミンセンサ
    において、前記固定化されたヒスタミン酸化酵素が前記
    流路の内壁に、共有結合によって固定化されるかあるい
    は高分子膜内に取り込まれた形で固定化されたヒスタミ
    ン酸化酵素であることを特徴とするヒスタミンセンサ。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載のヒスタミンセンサに
    おいて、前記過酸化水素を電極反応を介して還元する性
    質を有する膜がペルオキシダーゼ系の酵素を含有する膜
    であることを特徴とするヒスタミンセンサ。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5記載のヒスタミンセンサに
    おいて、前記電極反応を介して過酸化水素を還元する性
    質を有する膜で修飾された電極が、更に、アニオン性の
    高分子膜、あるいはL-アスコルビン酸酸化酵素を含有
    する膜で修飾されていることを特徴とするヒスタミンセ
    ンサ。
  7. 【請求項7】請求項1乃至5記載のヒスタミンセンサに
    おいて、前記流路の前記固定化されたヒスタミン酸化酵
    素の位置よりも上流部分に、L-アスコルビン酸酸化酵
    素を含有する膜を有することを特徴とするヒスタミンセ
    ンサ。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7記載のヒスタミンセンサに
    おいて、前記流路の前記固定化されたヒスタミン酸化酵
    素の位置よりも上流部分に、電気化学的に酸化されやす
    い物質を酸化するための電極を有することを特徴とする
    ヒスタミンセンサ。
JP24082599A 1999-08-27 1999-08-27 ヒスタミンセンサ Expired - Lifetime JP3751480B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24082599A JP3751480B2 (ja) 1999-08-27 1999-08-27 ヒスタミンセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24082599A JP3751480B2 (ja) 1999-08-27 1999-08-27 ヒスタミンセンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001061497A true JP2001061497A (ja) 2001-03-13
JP3751480B2 JP3751480B2 (ja) 2006-03-01

Family

ID=17065271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24082599A Expired - Lifetime JP3751480B2 (ja) 1999-08-27 1999-08-27 ヒスタミンセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3751480B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006516721A (ja) * 2003-01-14 2006-07-06 ディアグノスイス ソシエテ アノニム 多孔質層上に試薬を含む複層化された電気化学系微小流体センサー
WO2008115044A1 (en) * 2007-03-21 2008-09-25 Universiti Putra Malaysia Amperometric biosensor for histamine determination
JP2014048220A (ja) * 2012-09-03 2014-03-17 Meidensha Corp 亜硝酸性窒素濃度測定方法及びその装置
JP6841468B1 (ja) * 2019-11-28 2021-03-10 フジデノロ株式会社 定量方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06197792A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Nippon Kayaku Co Ltd バイオリアクター及びそれを用いた微量成分の検出方法
JPH1038844A (ja) * 1996-07-29 1998-02-13 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> オンラインバイオセンサー
JP2000266717A (ja) * 1999-03-19 2000-09-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ヒスタミン計測用微小電極およびヒスタミン計測用センサ
JP2003503728A (ja) * 1999-07-06 2003-01-28 フォルスカーパテント イー エスイーデー アーベー バイオセンサー

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06197792A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Nippon Kayaku Co Ltd バイオリアクター及びそれを用いた微量成分の検出方法
JPH1038844A (ja) * 1996-07-29 1998-02-13 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> オンラインバイオセンサー
JP2000266717A (ja) * 1999-03-19 2000-09-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> ヒスタミン計測用微小電極およびヒスタミン計測用センサ
JP2003503728A (ja) * 1999-07-06 2003-01-28 フォルスカーパテント イー エスイーデー アーベー バイオセンサー

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006516721A (ja) * 2003-01-14 2006-07-06 ディアグノスイス ソシエテ アノニム 多孔質層上に試薬を含む複層化された電気化学系微小流体センサー
WO2008115044A1 (en) * 2007-03-21 2008-09-25 Universiti Putra Malaysia Amperometric biosensor for histamine determination
US8551309B2 (en) 2007-03-21 2013-10-08 Universiti Putra Malaysia Amperometric biosensor for histamine determination
JP2014048220A (ja) * 2012-09-03 2014-03-17 Meidensha Corp 亜硝酸性窒素濃度測定方法及びその装置
JP6841468B1 (ja) * 2019-11-28 2021-03-10 フジデノロ株式会社 定量方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3751480B2 (ja) 2006-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5520787A (en) Diagnostic flow cell device
Suzuki Advances in the microfabrication of electrochemical sensors and systems
Kurita et al. Microfluidic device integrated with pre-reactor and dual enzyme-modified microelectrodes for monitoring in vivo glucose and lactate
EP0359831A1 (en) Biosensor and process for its production
Liu et al. Miniaturized Tris (2, 2 ‘-bipyridyl) ruthenium (II) Electrochemiluminescence Detection Cell for Capillary Electrophoresis and Flow Injection Analysis
Kissinger Biomedical applications of liquid chromatography-electrochemistry
JP3499767B2 (ja) ヒスタミン計測用微小電極およびヒスタミン計測用センサ
Urban et al. Performance of integrated glucose and lactate thin-film microbiosensors for clinical analysers
Özbek et al. Recent advances in potentiometric analysis: Paper–based devices
Mizuguchi et al. Track-etched membrane-based dual-electrode coulometric detector for microbore/capillary high-performance liquid chromatography
JP3515908B2 (ja) 微少量オンラインバイオセンサー及びその製造方法
Battilotti et al. Characterization of biosensors based on membranes containing a conducting polymer
JP3751480B2 (ja) ヒスタミンセンサ
Abad-Villar et al. Flow injection electrochemical enzyme immunoassay based on the use of gold bands
JP4015561B2 (ja) 電気化学オンライン型バイオセンサ
Wang et al. A microchip-based flow injection-amperometry system with mercaptopropionic acid modified electroless gold microelectrode for the selective determination of dopamine
JP3462418B2 (ja) 集積型バイオセンサおよびその製造方法
Nam et al. Micropotentiometric sensors
JPH06507479A (ja) センサデバイス
Zhu et al. An overview of Si-based biosensors
JPH102875A (ja) 酵素反応センサー及びその製造方法
JPS63101743A (ja) 機能性電極
JP2002221508A (ja) バイオセンサ
Bazzana et al. Electrochemical Biosensors in Agricultural and Veterinary Applications
JP2928588B2 (ja) アルコール測定方法及び測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3751480

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091216

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111216

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111216

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121216

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121216

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131216

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term