JP2001059657A - 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム - Google Patents

水素吸蔵合金を利用した熱利用システム

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JP2001059657A
JP2001059657A JP23321399A JP23321399A JP2001059657A JP 2001059657 A JP2001059657 A JP 2001059657A JP 23321399 A JP23321399 A JP 23321399A JP 23321399 A JP23321399 A JP 23321399A JP 2001059657 A JP2001059657 A JP 2001059657A
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hydrogen
heat
chamber
temperature
hydrogen storage
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Tsutomu Maruhashi
勤 丸橋
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Rinnai Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素吸蔵用熱媒体や冷熱出力用熱媒体の供給
方法に別段工夫はなされておらず、並列供給することに
より、単位時間当りの水素移動量が少なくなってしまっ
ていた。 【解決手段】 水素吸蔵用熱媒体を冷熱出力部βに供給
した後に、水素駆動部αに供給するように直列接続し
た。これにより、冷熱出力部βの第1室S1 には、熱交
換開始時は温度の低い水素吸蔵用熱媒体が供給されると
ともに、熱交換終了時においても温度の上昇が抑えられ
る。これによって、冷熱出力部βでは高温合金と熱交換
する水素吸蔵用熱媒体の温度差が並列供給される場合よ
りも大きく保たれ、結果的に第1室S1 と第2室S2 と
の圧力差が大きく保たれることになり、第2室から第1
室への水素移動速度の低下が抑えられるため、単位時間
当りの水素移動量が多くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金の水
素の吸蔵と放出とを繰り返して行わせ、水素の放出時に
生じる吸熱作用を利用して冷熱出力を得る水素吸蔵合金
を利用した熱利用システムに関する。
【0002】
【発明の背景】水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
として、例えば、1サイクル中において冷熱出力を2回
得る2段サイクルが知られている。この2段サイクルの
概略を図12を用いて説明する。この2段サイクルは、
同一平衡水素圧で水素平衡温度が異なる高温度、中温
度、低温度水素吸蔵合金(以下、高、中、低温合金)の
うちの高温合金を封入する第1室S1 、中温合金を封入
する第2室S2 、低温合金を封入する第3室S3 を備
え、水素駆動部α’→第1冷熱出力部β1'→第2冷熱出
力部β2'を繰り返し行うものであり、1サイクル中にお
いて第1、第2冷熱出力部β1'、β2'で冷熱出力を得る
ものである。
【0003】なお、水素駆動部α’は、第1室S1 内の
高温合金と加熱用熱媒体とを熱交換して第1室S1 内の
高温合金の吸蔵する水素を放出させるとともに、第3室
S3内の低温合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して第
3室S3 内の低温合金に水素を吸蔵させるものである。
また、第1冷熱出力部β1'は、第2室S2 内の中温合金
と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して第2室S2内の中温
合金に水素を吸蔵させるとともに、第3室S3内の低温
合金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換して第3室S3 内の
低温合金の吸蔵する水素を放出させるものである。さら
に、第2冷熱出力部β2'は、第1室S1 内の高温合金と
水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して第1室S1内の高温合
金に水素を吸蔵させるとともに、第2室S2 内の中温合
金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換して第2室S2 内の中
温合金の吸蔵する水素を放出させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、水素吸
蔵用熱媒体は、水素駆動部α’、第1冷熱出力部β1'お
よび第2冷熱出力部β2'に供給されるものであるが、従
来では水素吸蔵用熱媒体の供給に別段の工夫がなされて
いない。同様に冷熱出力用熱媒体は、第1冷熱出力部β
1'および第2冷熱出力部β2'に供給されるものである
が、従来では冷熱出力用熱媒体の供給に別段の工夫がな
されていない。
【0005】ここで、例えば、図12に示すように、水
素吸蔵用熱媒体を水素駆動部α’、第1冷熱出力部β1'
および第2冷熱出力部β2'に並列供給するとともに、冷
熱出力用熱媒体を第1冷熱出力部β1'および第2冷熱出
力部β2'に並列供給する場合を具体的な数字を用いて説
明する。第1室S1 から第3室S3 へ水素を移動させる
水素駆動部α’では、加熱用熱媒体の温度は水素を放出
する高温合金に熱を奪われてしだいに低下(93℃→9
0℃)し、逆に水素吸蔵用熱媒体の温度は水素を吸蔵す
る低温合金に加熱されてしだいに上昇(32℃→35
℃)する。第3室S3 から第2室S2 へ水素を移動させ
る第1冷熱出力部β1'では、冷熱出力用熱媒体の温度は
水素を放出する低温合金に熱を奪われてしだいに低下
(13℃→7℃)し、逆に水素吸蔵用熱媒体の温度は水
素を吸蔵する中温合金に加熱されてしだいに上昇(32
℃→35℃)する。第2室S2 から第1室S1 へ水素を
移動させる第2冷熱出力部β2'では、冷熱出力用熱媒体
の温度は水素を放出する中温合金に熱を奪われてしだい
に低下(13℃→7℃)し、逆に水素吸蔵用熱媒体の温
度は水素を吸蔵する高温合金に加熱されてしだいに上昇
(32℃→35℃)する。
【0006】上記で示したように、第1冷熱出力部β1'
では、熱交換開始直後は、冷熱出力用熱媒体と水素吸蔵
用熱媒体の温度差が大きく、結果的に図8下段<β1'>
の実線で示すように、第2、第3室S2 、S3 内の圧力
差が大きく、素早く第3室S3 から第2室S2 へ水素移
動が行われる。しかし、熱交換開始後の時間経過ととも
に、冷熱出力用熱媒体と水素吸蔵用熱媒体の温度差が小
さくなり、結果的に図8下段<β1'>の破線で示すよう
に、第2、第3室S2 、S3 内の圧力差が小さくなり、
第3室S3 から第2室S2 への水素移動速度が極めて遅
くなってしまう。
【0007】このことを、図9<β1 >のグラフで説明
すると、実線Bで示すように、熱交換開始直後は水素の
移動速度が速いが、時間経過とともに水素の移動速度が
遅くなってしまい、結果的に所定時間内における第3室
S3 から第2室S2 への水素移動量が少なくなってしま
う不具合が生じる。
【0008】上記と同様、第2冷熱出力部β2'では、熱
交換開始直後は、冷熱出力用熱媒体と水素吸蔵用熱媒体
の温度差が大きく、結果的に図8下段<β2'>の実線で
示すように、第1、第2室S1 、S2 内の圧力差が大き
く、素早く第2室S2 から第1室S1 へ水素移動が行わ
れる。しかし、熱交換開始後の時間経過とともに、冷熱
出力用熱媒体と水素吸蔵用熱媒体の温度差が小さくな
り、結果的に図8下段<β2'>の破線で示すように、第
1、第2室S1 、S2 内の圧力差が小さくなり、第2室
S2 から第1室S1 への水素移動速度が極めて遅くなっ
てしまう。
【0009】このことを、図9<β2 >のグラフで説明
すると、実線Bで示すように、熱交換開始直後は水素の
移動速度が速いが、時間経過とともに水素の移動速度が
遅くなってしまい、結果的に所定時間内における第2室
S2 から第1室S1 への水素移動量が少なくなってしま
う不具合が生じる。
【0010】本願発明者は、上記で示したように、従来
では水素吸蔵用熱媒体や冷熱出力用熱媒体の供給方法に
別段の工夫がなされておらず、温度差のある出力をえる
ために、同一のプロセスを実行し、複数のセルを用いる
場合に水素吸蔵用熱媒体や冷熱出力用熱媒体を並列供給
することによって、第1冷熱出力部β1'における第3室
S3 から第2室S2 への水素移動量、および第2冷熱出
力部β2'における第2室S2 から第1室S1 への水素移
動量が少なくなってしまう不具合が生じるのを見出し
た。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、冷熱出力部において所定時間内
における水素移動量を多くできる水素吸蔵合金を利用し
た熱利用システムの提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】〔請求項1の手段〕水素
吸蔵合金を利用した熱利用システムは、同一平衡水素圧
で水素平衡温度が高い高温度水素吸蔵合金を封入する第
1室を備えるとともに、同一平衡水素圧で水素平衡温度
が低い低温度水素吸蔵合金を封入する第2室を備え、前
記第1室内の高温度水素吸蔵合金と加熱用熱媒体とを熱
交換して前記第1室内の高温度水素吸蔵合金の吸蔵する
水素を放出させるとともに、前記第2室内の低温度水素
吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して前記第2室
内の低温度水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる水素駆動部
と、前記第1室内の高温度水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱
媒体とを熱交換して前記第1室内の高温度水素吸蔵合金
に水素を吸蔵させるとともに、前記第2室内の低温度水
素吸蔵合金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換して前記第2
室内の低温度水素吸蔵合金の吸蔵する水素を放出させる
冷熱出力部と、を行って冷熱出力を得るものであって、
前記水素吸蔵用熱媒体は、前記冷熱出力部に供給された
後に、前記水素駆動部に供給されるように直列的に接続
されたことを特徴とする。
【0013】〔請求項2の手段〕水素吸蔵合金を利用し
た熱利用システムは、同一平衡水素圧で水素平衡温度が
異なる高温度、中温度、低温度水素吸蔵合金のうちの高
温度水素吸蔵合金を封入する第1室、中温度水素吸蔵合
金を封入する第2室、低温度水素吸蔵合金を封入する第
3室を備え、前記第1室内の高温度水素吸蔵合金と加熱
用熱媒体とを熱交換して前記第1室内の高温度水素吸蔵
合金の吸蔵する水素を放出させるとともに、前記第3室
内の低温度水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換
して前記第3室内の低温度水素吸蔵合金に水素を吸蔵さ
せる水素駆動部と、前記第2室内の中温度水素吸蔵合金
と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して前記第2室内の中温
度水素吸蔵合金に水素を吸蔵させるとともに、前記第3
室内の低温度水素吸蔵合金と冷熱出力用熱媒体とを熱交
換して前記第3室内の低温度水素吸蔵合金の吸蔵する水
素を放出させる第1冷熱出力部と、前記第1室内の高温
度水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して前記
第1内の高温度水素吸蔵合金に水素を吸蔵させるととも
に、前記第2室内の中温度水素吸蔵合金と冷熱出力用熱
媒体とを熱交換して前記第2室内の中温度水素吸蔵合金
の吸蔵する水素を放出させる第2冷熱出力部と、を行っ
て冷熱出力を得るものであって、前記水素吸蔵用熱媒体
は、前記第2冷熱出力部に供給された後に、前記第1冷
熱出力部に供給され、その後に前記水素駆動部に供給さ
れるように直列的に接続されることを特徴とする。
【0014】〔請求項3の手段〕請求項2の水素吸蔵合
金を利用した熱利用システムにおいて、前記冷熱出力用
熱媒体は、前記第1冷熱出力部に供給された後に、前記
第2冷熱出力部に供給されるように直列的に接続される
ことを特徴とする。
【0015】〔請求項4の手段〕水素吸蔵合金を利用し
た熱利用システムは、同一平衡水素圧で水素平衡温度が
異なる高温度、中温度、低温度水素吸蔵合金のうちの高
温度水素吸蔵合金を封入する第1室、中温度水素吸蔵合
金を封入する第2室、低温度水素吸蔵合金を封入する第
3室を備え、前記第1室内の高温度水素吸蔵合金と加熱
用熱媒体とを熱交換して前記第1室内の高温度水素吸蔵
合金の吸蔵する水素を放出させるとともに、前記第3室
内の低温度水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換
して前記第3室内の低温度水素吸蔵合金に水素を吸蔵さ
せる水素駆動部と、前記第2室内の中温度水素吸蔵合金
と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して前記第2内の中温度
水素吸蔵合金に水素を吸蔵させるとともに、前記第3室
内の低温度水素吸蔵合金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換
して前記第3室内の低温度水素吸蔵合金の吸蔵する水素
を放出させる第1冷熱出力部と、前記第1室内の高温度
水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して前記第
1内の高温度水素吸蔵合金に水素を吸蔵させるととも
に、前記第2室内の中温度水素吸蔵合金と冷熱出力用熱
媒体とを熱交換して前記第2室内の中温度水素吸蔵合金
の吸蔵する水素を放出させる第2冷熱出力部と、を行っ
て冷熱出力を得るものであって、前記水素吸蔵用熱媒体
は、前記第1冷熱出力部に供給された後に、前記第2冷
熱出力部に供給され、その後に前記水素駆動部に供給さ
れるように直列的に接続されることを特徴とする。
【0016】〔請求項5の手段〕請求項4の水素吸蔵合
金を利用した熱利用システムにおいて、前記冷熱出力用
熱媒体は、前記第2冷熱出力部に供給された後に、前記
第1冷熱出力部に供給されるように直列的に接続される
ことを特徴とする。
【0017】
【発明の作用】〔請求項1の作用および効果〕水素吸蔵
用熱媒体は、冷熱出力部に供給された後に、水素駆動部
に供給されるように直列的に接続される。これにより、
冷熱出力部には、熱交換開始時は温度の低い全ての水素
吸蔵用熱媒体が供給されるために、熱交換終了時におい
て、水素吸蔵用熱媒体の温度上昇度合が抑えられる。こ
れによって、冷熱出力部では、熱交換開始後、時間経過
しても、高温合金と熱交換する水素吸蔵用熱媒体の温度
と、低温合金と熱交換する冷熱出力用熱媒体の温度との
温度差は大きく、結果的に第1室と第2室との圧力差が
大きく保たれることになり、第2室から第1室への水素
移動速度はあまり遅くならない。これによって、冷熱出
力部における単位時間あたりの水素移動量が従来に比較
して多くなり、冷熱出力部における冷熱出力を高くでき
る。
【0018】なお、水素駆動部には、冷熱出力部でやや
温められた水素吸蔵用熱媒体が供給されるとともに、熱
交換終了時においては水素吸蔵用熱媒体の温度が上昇す
るが、水素駆動部において高温合金と熱交換される加熱
用熱媒体は他の熱媒体に比較して容易に温度を高くでき
る。このため、水素駆動部では、時間経過しても、高温
合金と熱交換する加熱用熱媒体の温度と、低温合金と熱
交換する水素吸蔵用熱媒体の温度との温度差を大きくで
き、結果的に第1室と第2室との圧力差を大きく保つこ
とができ、第1室から第2室への水素移動速度の低下を
抑えることができる。これによって、水素駆動部におけ
る単位時間あたりの水素移動量の低下を抑えることがで
き、水素駆動部における水素駆動能力を高く維持でき
る。
【0019】〔請求項2の作用および効果〕水素吸蔵用
熱媒体は、第2冷熱出力部に供給された後に、第1冷熱
出力部に供給され、その後に水素駆動部に供給されるよ
うに直列的に接続される。これにより、第2冷熱出力部
には、熱交換開始時は温度の低い全ての水素吸蔵用熱媒
体が供給されるために、熱交換終了時において、水素吸
蔵用熱媒体の温度上昇度合が抑えられる。これによっ
て、第2冷熱出力部における熱交換開始後、時間経過し
ても、高温合金と熱交換する水素吸蔵用熱媒体の温度
と、中温合金と熱交換する冷熱出力用熱媒体の温度との
温度差は大きく、結果的に第1室と第2室との圧力差が
大きく保たれ、第2室から第1室への水素移動速度はあ
まり遅くならない。これによって、第2冷熱出力部にお
ける単位時間あたりの水素移動量が従来に比較して多く
なり、冷熱出力部における冷熱出力を高くできる。
【0020】一方、第1冷熱出力部には、第2冷熱出力
部で少量温められた水素吸蔵用熱媒体が供給されるため
に、熱交換終了時において、水素吸蔵用熱媒体の温度上
昇が従来に比較して抑えられる。これによって、第1冷
熱出力部における熱交換開始後、時間経過しても、中温
合金と熱交換する水素吸蔵用熱媒体の温度と、低温合金
と熱交換する冷熱出力用熱媒体の温度との温度差は大き
く、結果的に第2室と第3室との圧力差が大きく保た
れ、第3室から第2室への水素移動速度はあまり遅くな
らない。これによって、第1冷熱出力部における単位時
間あたりの水素移動量が従来に比較して多くなり、冷熱
出力部における冷熱出力を高くできる。
【0021】なお、水素駆動部には、第1冷熱出力部で
温められた水素吸蔵用熱媒体が供給されるために、熱交
換終了時においては水素吸蔵用熱媒体の温度は上昇する
が、水素駆動部において高温合金と熱交換される加熱用
熱媒体は他の熱媒体に比較して容易に温度を高くでき
る。このため、水素駆動部では、時間経過しても、高温
合金と熱交換する加熱用熱媒体の温度と、低温合金と熱
交換する水素吸蔵用熱媒体の温度との温度差を大きくで
き、結果的に第1室と第3室との圧力差を大きく保つこ
とができ、第1室から第3室への水素移動速度の低下を
抑えることができる。これによって、水素駆動部におけ
る単位時間あたりの水素移動量の低下を抑えることがで
き、水素駆動部における水素駆動能力を高く維持でき
る。
【0022】〔請求項3の作用および効果〕請求項2の
水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、冷熱
出力用熱媒体は、第1冷熱出力部に供給された後に、第
2冷熱出力部に供給されるように直列的に接続されたこ
とにより、第1冷熱出力部では、熱交換開始時は温度の
高い全ての冷熱出力用熱媒体が供給されるために、熱交
換終了時において、冷熱出力用熱媒体の温度低下度合が
抑えられる。これによって、第1冷熱出力部における熱
交換開始後、時間経過しても、中温合金と熱交換する水
素吸蔵用熱媒体の温度と、低温合金と熱交換する冷熱出
力用熱媒体の温度との温度差が大きく、結果的に第2室
と第3室との圧力差が大きく保たれ、第3室から第2室
への水素移動速度を速く維持できる。これによって、第
1冷熱出力部における単位時間あたりの水素移動量が多
くなり、第1冷熱出力部における冷熱出力を高くでき
る。
【0023】〔請求項4の作用および効果〕水素吸蔵用
熱媒体は、第1冷熱出力部に供給された後に、第2冷熱
出力部に供給され、その後に水素駆動部に供給されるよ
うに直列的に接続される。これにより、第1冷熱出力部
には、熱交換開始時は温度の低い全ての水素吸蔵用熱媒
体が供給されるために、熱交換終了時において、水素吸
蔵用熱媒体の温度上昇度合が抑えられる。これによっ
て、第1冷熱出力部における熱交換開始後、時間経過し
ても、中温合金と熱交換する水素吸蔵用熱媒体の温度
と、低温合金と熱交換する冷熱出力用熱媒体の温度との
温度差は大きく、結果的に第2室と第3室との圧力差が
大きく保たれ、第3室から第2室への水素移動速度はあ
まり遅くならない。これによって、第1冷熱出力部にお
ける単位時間あたりの水素移動量が従来に比較して多く
なり、第1冷熱出力部における冷熱出力を高くできる。
【0024】一方、第2冷熱出力部には、第1冷熱出力
部で少量温められた水素吸蔵用熱媒体が供給されるため
に、熱交換終了時においても、水素吸蔵用熱媒体の温度
上昇が従来に比較して抑えられる。これによって、第2
冷熱出力部における熱交換開始後、時間経過しても、高
温合金と熱交換する水素吸蔵用熱媒体の温度と、中温合
金と熱交換する冷熱出力用熱媒体の温度との温度差は大
きく、結果的に第1室と第2室との圧力差が大きく保た
れ、第2室から第1室への水素移動速度はあまり遅くな
らない。これによって、第2冷熱出力部における単位時
間あたりの水素移動量が従来に比較して多くなり、第2
冷熱出力部における冷熱出力を高くできる。
【0025】なお、水素駆動部には、第2冷熱出力部で
温められた水素吸蔵用熱媒体が供給されるために、熱交
換終了時においては水素吸蔵用熱媒体の温度は上昇する
が、水素駆動部において高温合金と熱交換される加熱用
熱媒体は他の熱媒体に比較して容易に温度を高くでき
る。このため、水素駆動部では、時間経過しても、高温
合金と熱交換する加熱用熱媒体の温度と、低温合金と熱
交換する水素吸蔵用熱媒体の温度との温度差を大きくで
き、結果的に第1室と第3室との圧力差を大きく保つこ
とができ、第1室から第3室への水素移動速度の低下を
抑えることができる。これによって、水素駆動部におけ
る単位時間あたりの水素移動量の低下を抑えることがで
き、水素駆動部における水素駆動能力を高く維持でき
る。
【0026】〔請求項5の作用および効果〕請求項4の
水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、冷熱
出力用熱媒体は、第2冷熱出力部に供給された後に、第
1冷熱出力部に供給されるように直列的に接続されたこ
とにより、第2冷熱出力部では、熱交換開始時は温度の
高い全ての冷熱出力用熱媒体が供給されるために、熱交
換終了時において、冷熱出力用熱媒体の温度低下度合が
抑えられる。これによって、第2冷熱出力部における熱
交換開始後、時間経過しても、高温合金と熱交換する水
素吸蔵用熱媒体の温度と、中温合金と熱交換する冷熱出
力用熱媒体の温度との温度差が大きく、結果的に第1室
と第2室との圧力差が大きく保たれ、第2室から第1室
への水素移動速度を速く維持できる。これによって、第
2冷熱出力部における単位時間あたりの水素移動量が多
くなり、第2冷熱出力部における冷熱出力を高くでき
る。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、3
つの実施例と変形例に基づき説明する。 〔第1実施例〕この第1実施例は1サイクルにおける2
行程中の1行程で冷熱出力を得る1段サイクルを示すも
ので、この1段サイクルを図1〜図3を用いて説明す
る。なお、図1は熱媒体の接続を示す説明図、図2は水
素放出側と水素吸蔵側との圧力変化を示すグラフ、図3
は水素の移動速度の変化を示すグラフである。
【0028】1段サイクルを構成する水素吸蔵合金を利
用した熱利用システムは、同一平衡水素圧で水素平衡温
度が高い高温合金を封入する第1室S1 と、同一平衡水
素圧で水素平衡温度が低い低温合金を封入する第2室S
2 とを備えるもので、第1室S1 と第2室S2 とは図示
しない手段によって水素移動が可能に設けられている。
【0029】1段サイクルの水素吸蔵合金を利用した熱
利用システムは、第1室S1 の高温合金を加熱して、高
温合金の吸蔵する水素を第2室S2 の低温合金へ吸蔵さ
せる水素駆動部αと、第1室S1 の高温合金を冷却し
て、低温合金の吸蔵する水素を第1室S1 の高温合金へ
吸蔵させる冷熱出力部βとを繰り返して行うものであ
る。
【0030】具体的に、水素駆動部αは、第1室S1 内
の高温合金と加熱用熱媒体(例えば、燃焼装置等の加熱
手段で加熱された熱水)とを熱交換して第1室S1 内の
高温合金の吸蔵する水素を放出させるとともに、第2室
S2 内の低温合金と水素吸蔵用熱媒体(例えば、クーリ
ングタワー等の放熱手段で冷却された水)とを熱交換し
て第2室S2 内の低温合金に水素を吸蔵させるものであ
る。また、冷熱出力部βは、第1室S1 内の高温合金と
水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して第1室S1 内の高温合
金に水素を吸蔵させるとともに、第2室S2 内の低温合
金と冷熱出力用熱媒体(例えば、水、不凍液、オイル
等)とを熱交換して第2室S2 内の低温合金の吸蔵する
水素を放出させるものである。
【0031】この冷熱出力部βでは、低温合金が水素を
放出する際に吸熱作用が生じ、この吸熱作用によって低
温合金と熱交換される冷熱出力用熱媒体が冷却される。
そして、この冷却された冷熱出力用熱媒体によって、室
内の冷房や、冷蔵、冷凍等を行うものである。
【0032】上記で示した水素駆動部α、冷熱出力部β
は、第1室S1 の高温合金および第2室S2 の低温合金
と熱交換される熱媒体を切り替えることによって実行さ
れるものであり、熱媒体の切替は、図示しない分配器に
よって成される。この図示しない分配器による各熱媒体
は、図1に示すように供給される。つまり、水素駆動部
αでは、第1室S1 に加熱用熱媒体を供給するととも
に、第2室S2 に水素吸蔵用熱媒体を供給する。また、
冷熱出力部βでは、第1室S1 に水素吸蔵用熱媒体を供
給するとともに、第2室S2 に冷熱出力用熱媒体を供給
する。このとき、水素吸蔵用熱媒体は、図1に示すよう
に、冷熱出力部βに供給された後に、水素駆動部αに供
給されるように直列的に接続されている。
【0033】図1のように、各熱媒体の供給が行われる
ことにより、各熱媒体は次に示すような温度変化が表れ
る。水素駆動部αの第1室S1 には、加熱手段で加熱さ
れた加熱用熱媒体(例えば、93℃)が供給される。し
かし、熱交換が開始されると、第1室S1 内の高温合金
が水素を放出する際の吸熱作用によって加熱用熱媒体の
温度が低下する(例えば、93℃)。つまり、水素駆動
部αの第1室S1 に供給される加熱用熱媒体は、93℃
→90℃に変化する。一方、水素駆動部αの第2室S2
には、冷熱出力部βの第1室S1 で熱交換されてやや温
められた水素吸蔵用熱媒体(例えば、33℃)が供給さ
れる。しかし、熱交換が開始されると、第2室S2 内の
低温合金が水素を吸蔵する際の放熱作用によって水素吸
蔵用熱媒体の温度が上昇する(例えば、34℃)。つま
り、水素駆動部αの第2室S2 に供給される加熱用熱媒
体は、33℃→34℃に変化する。
【0034】冷熱出力部βの第1室S1 には、クーリン
グタワー等で冷却された水素吸蔵用熱媒体(例えば、3
2℃)が供給される。しかし、熱交換が開始されると、
第1室S1 内の高温合金が水素を吸蔵する際の放熱作用
によって水素吸蔵用熱媒体の温度が上昇する(例えば、
33℃)。つまり、冷熱出力部βの第1室S1 に供給さ
れる加熱用熱媒体は、32℃→33℃に変化する。一
方、冷熱出力部βの第2室S2 には、例えば冷熱出力後
のやや温められた冷熱出力用熱媒体(例えば、13℃)
が供給される。しかし、熱交換が開始されると、第2室
S2 内の低温合金が水素を放出する際の吸熱作用によっ
て冷熱出力用熱媒体の温度が低下する(例えば、10
℃)。つまり、冷熱出力部βの第2室S2 に供給される
冷熱出力用熱媒体は、13℃→10℃に変化する。
【0035】上記水素駆動部α、冷熱出力部βの水素移
動の概略を、図2を用いて説明する。水素駆動部αにお
いては、第1室S1 に93℃から90℃に変化する加熱
用熱媒体が供給されるとともに、第2室S2 に33℃か
ら34℃に変化する水素吸蔵用熱媒体が供給されること
になり、熱交換開始直後(実線)から所定時間経過後
(破線)に至るまで加熱用熱媒体と水素吸蔵用熱媒体と
の温度差は大きく保たれ、結果的に図2<α>に示すよ
うに両室内の圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度は
あまり遅くならない。
【0036】このことを、図3<α>のグラフで説明す
ると、実線Aで示すように、熱交換開始直後は従来(実
線B)に比較して水素の移動速度がやや遅いが、時間が
経過しても圧力差が大きく保たれる。この結果、従来に
比較して水素駆動部αにおける所定時間内での水素移動
量は、従来に比較してやや低下する。しかし、加熱手段
で加熱される加熱用熱媒体の温度は充分に高く、水素駆
動部αに要求される水素移動量は充分確保され、性能低
下を招かない。
【0037】冷熱出力部βにおいては、第1室S1 に3
2℃から33℃に変化する水素吸蔵用熱媒体が供給され
るとともに、第2室S2 に13℃から10℃に変化する
冷熱出力用熱媒体が供給されることになり、熱交換開始
直後(実線)から所定時間経過後(破線)に至るまで水
素吸蔵用熱媒体と冷熱出力用熱媒体との温度差は大きく
保たれ、結果的に図2<β>に示すように両室内の圧力
差が大きく保たれ、水素の移動速度はあまり遅くならな
い。
【0038】このことを、図3<β>のグラフで説明す
ると、実線Aで示すように、熱交換開始直後は従来(実
線B)に比較して水素の移動速度がやや遅いが、時間が
経過しても圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度はあ
まり低下しない。この結果、従来に比較して冷熱出力部
βにおける所定時間内での水素移動量は結果的に多くな
り、水素吸蔵合金を利用した熱利用システムによる冷却
効率が上昇する。
【0039】なお、図2下段の<α’>、<β’>は水
素吸蔵用熱媒体を水素駆動部αと冷熱出力部βの両方に
並列に供給した場合における熱交換開始直後(実線)か
ら所定時間経過後(破線)に至るまで両室内の圧力差を
示すものである。
【0040】〔第2実施例〕この第2実施例は1サイク
ルにおける3行程中の2行程で冷熱出力を得る2段サイ
クルを示すもので、この2段サイクルを図4〜図6を用
いて説明する。なお、図4は熱媒体の接続を示す説明
図、図5は水素放出側と水素吸蔵側との圧力変化を示す
グラフ、図6は水素の移動速度の変化を示すグラフであ
る。
【0041】2段サイクルの水素吸蔵合金を利用した熱
利用システムは、同一平衡水素圧で水素平衡温度が異な
る高温、中温、低温合金のうちの高温合金を封入する第
1室S1 、中温合金を封入する第2室S2 、低温合金を
封入する第3室S3 を備えるもので、第1室S1 、第2
室S2 および第3室S3 は図示しない手段によって水素
移動が可能に設けられている。
【0042】2段サイクルの水素吸蔵合金を利用した熱
利用システムは、第1室S1 の高温合金を加熱して、高
温合金の吸蔵する水素を第3室S3 の低温合金へ吸蔵さ
せる水素駆動部αと、第2室S2 の中温合金を冷却し
て、低温合金の吸蔵する水素を第2室S2 の中温合金へ
吸蔵させる第1冷熱出力部β1 と、第1室S1 の高温合
金を冷却して、中温合金の吸蔵する水素を第1室S1 の
高温合金へ吸蔵させる第2冷熱出力部β2 とを繰り返し
て行うものである。
【0043】具体的に、水素駆動部αは、第1室S1 内
の高温合金と加熱用熱媒体とを熱交換して第1室S1 内
の高温合金の吸蔵する水素を放出させるとともに、第3
室S3 内の低温合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して
第3室S3 内の低温合金に水素を吸蔵させるものであ
る。第1冷熱出力部β1 は、第2室S2 内の中温合金と
水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して第2室S2 内の中温合
金に水素を吸蔵させるとともに、第3室S3 内の低温合
金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換して第3室S3 内の低
温合金の吸蔵する水素を放出させるものである。第2冷
熱出力部β2 は、第1室S1 内の高温合金と水素吸蔵用
熱媒体とを熱交換して第1室S1 内の高温合金に水素を
吸蔵させるとともに、第2室S2 内の中温合金と冷熱出
力用熱媒体とを熱交換して第2室S2 内の中温合金の吸
蔵する水素を放出させるものである。
【0044】上記第1、第2冷熱出力部β1 、β2 で
は、低温合金や中温合金が水素を放出する際に吸熱作用
が生じ、この吸熱作用によって低温合金や中温合金と熱
交換される冷熱出力用熱媒体が冷却される。そして、こ
の冷却された冷熱出力用熱媒体によって、室内の冷房
や、冷蔵、冷凍等を行うものである。
【0045】上記で示した水素駆動部α、第1冷熱出力
部β1 、第2冷熱出力部β2 は、第1室S1 の高温合
金、第2室S2 の中温合金、第3室S3 の低温合金と熱
交換される熱媒体を切り替えることによって実行される
ものであり、熱媒体の切替は、図示しない分配器によっ
て成される。この図示しない分配器による各熱媒体は、
図4に示すように供給される。つまり、水素駆動部αで
は、第1室S1 に加熱用熱媒体を供給するとともに、第
2室S2 に昇圧用熱媒体(水素の吸蔵および放出を停止
する熱媒体)を供給し、第3室S3 に水素吸蔵用熱媒体
を供給する。第1冷熱出力部β1 では、第1室S1 に昇
圧用熱媒体を供給するとともに、第2室S2 に水素吸蔵
用熱媒体を供給し、第3室S3 に冷熱出力用熱媒体を供
給する。第2冷熱出力部β2 では、第1室S1に水素吸
蔵用熱媒体を供給し、第2室S2 に冷熱出力用熱媒体を
供給する。なお、この実施例では、昇圧用熱媒体は、加
熱用熱媒体の一部を使用し、絞り手段1で流速を遅くし
て用いる例を示す。
【0046】水素吸蔵用熱媒体は、図4に示すように、
第2冷熱出力部β2 に供給された後に、第1冷熱出力部
β1 に供給され、その後に水素駆動部αに供給されるよ
うに直列的に接続されている。また、この実施例の冷熱
出力用熱媒体は、第1冷熱出力部β1 および第2冷熱出
力部β2 に分流して供給されるように並列的に接続され
ている。
【0047】図4のように、各熱媒体の供給が行われる
ことにより、各熱媒体は次に示すような温度変化が表れ
る。水素駆動部αの第1室S1 には、加熱手段で加熱さ
れた加熱用熱媒体(例えば、93℃)が供給される。し
かし、熱交換が開始されると、第1室S1 内の高温合金
が水素を放出する際の吸熱作用によって加熱用熱媒体の
温度が低下する(例えば、90℃)。つまり、水素駆動
部αの第1室S1 に供給される加熱用熱媒体は、93℃
→90℃に変化する。一方、水素駆動部αの第3室S3
には、第1、第2冷熱出力部β1 、β2 で温められた水
素吸蔵用熱媒体(例えば、34℃)が供給される。しか
し、熱交換が開始されると、第3室S3 内の低温合金が
水素を吸蔵する際の放熱作用によって水素吸蔵用熱媒体
の温度が上昇する(例えば、35℃)。つまり、水素駆
動部αの第3室S3 に供給される加熱用熱媒体は、34
℃→35℃に変化する。
【0048】第1冷熱出力部β1 の第2室S2 には、第
2冷熱出力部β2 でやや温められた水素吸蔵用熱媒体
(例えば、33℃)が供給される。しかし、熱交換が開
始されると、第2室S2内の中温合金が水素を吸蔵する
際の放熱作用によって水素吸蔵用熱媒体の温度が上昇す
る(例えば、34℃)。つまり、第1冷熱出力部β1 の
第2室S2 に供給される加熱用熱媒体は、33℃→34
℃に変化する。一方、第1冷熱出力部β1 の第3室S3
には、例えば室内熱交換器で室内空気と熱交換されて温
められた冷熱出力用熱媒体(例えば、13℃)が供給さ
れる。しかし、熱交換が開始されると、第3室S3 内の
低温合金が水素を放出する際の吸熱作用によって冷熱出
力用熱媒体の温度が低下する(例えば、7℃)。つま
り、第1冷熱出力部β1 の第3室S3 に供給される冷熱
出力用熱媒体は、13℃→7℃に変化する。
【0049】第2冷熱出力部β2 の第1室S1 には、ク
ーリングタワー等で冷却された水素吸蔵用熱媒体(例え
ば、32℃)が供給される。しかし、熱交換が開始され
ると、第1室S1 内の高温合金が水素を吸蔵する際の放
熱作用によって水素吸蔵用熱媒体の温度が上昇する(例
えば、33℃)。つまり、第2冷熱出力部β2 の第1室
S1 に供給される加熱用熱媒体は、32℃→33℃に変
化する。一方、第2冷熱出力部β2 の第2室S2 には、
例えば室内熱交換器で室内空気と熱交換されて温められ
た冷熱出力用熱媒体(例えば、13℃)が供給される。
しかし、熱交換が開始されると、第2室S2 内の中温合
金が水素を放出する際の吸熱作用によって冷熱出力用熱
媒体の温度が低下する(例えば、7℃)。つまり、第2
冷熱出力部β2 の第2室S2 に供給される冷熱出力用熱
媒体は、13℃→7℃に変化する。
【0050】上記水素駆動部α、第1冷熱出力部β1 、
第2冷熱出力部β2 の水素移動の概略を、図5を用いて
説明する。水素駆動部αにおいては、第1室S1 に93
℃から90℃に変化する加熱用熱媒体が供給されるとと
もに、第3室S3に34℃から35℃に変化する水素吸
蔵用熱媒体が供給されることになり、熱交換開始直後
(実線)から所定時間経過後(破線)に至るまで加熱用
熱媒体と水素吸蔵用熱媒体との温度差は大きく保たれ、
結果的に図5<α>に示すように両室内の圧力差が大き
く保たれ、水素の移動速度はあまり遅くならない。
【0051】このことを、図6<α>のグラフで説明す
ると、実線Aで示すように、熱交換開始直後は従来(実
線B)に比較して水素の移動速度がやや遅いが、時間が
経過しても圧力差が大きく保たれる。この結果、従来に
比較して水素駆動部αにおける所定時間内での水素移動
量は、従来に比較してやや低下する。しかし、加熱手段
で加熱される加熱用熱媒体の温度は充分に高く、水素駆
動部αに要求される水素移動量は充分確保され、性能低
下を招かない。
【0052】第1冷熱出力部β1 においては、第2室S
2 に33℃から34℃に変化する水素吸蔵用熱媒体が供
給されるとともに、第3室S3 に13℃から7℃に変化
する冷熱出力用熱媒体が供給されることになり、熱交換
開始直後(実線)から所定時間経過後(破線)に至るま
で水素吸蔵用熱媒体と冷熱出力用熱媒体との温度差は大
きく保たれ、結果的に図5<β1 >に示すように両室内
の圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度はあまり遅く
ならない。
【0053】このことを、図6<β1 >のグラフで説明
すると、実線Aで示すように、熱交換開始直後は従来
(実線B)に比較して水素の移動速度がやや遅いが、時
間が経過しても圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度
はあまり低下しない。この結果、従来に比較して冷熱出
力部βにおける所定時間内での水素移動量は結果的に多
くなり、水素吸蔵合金を利用した熱利用システムによる
冷却効率が上昇する。
【0054】第2冷熱出力部β2 においては、第1室S
1 に32℃から33℃に変化する水素吸蔵用熱媒体が供
給されるとともに、第2室S2 に13℃から7℃に変化
する冷熱出力用熱媒体が供給されることになり、熱交換
開始直後(実線)から所定時間経過後(破線)に至るま
で水素吸蔵用熱媒体と冷熱出力用熱媒体との温度差は大
きく保たれ、結果的に図5<β2 >に示すように両室内
の圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度はあまり遅く
ならない。
【0055】このことを、図6<β2 >のグラフで説明
すると、実線Aで示すように、熱交換開始直後は従来
(実線B)と同じく水素の移動速度が速い。そして時間
が経過しても圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度は
あまり低下しない。この結果、従来に比較して冷熱出力
部βにおける所定時間内での水素移動量は多くなり、水
素吸蔵合金を利用した熱利用システムによる冷却効率が
上昇する。
【0056】なお、図5下段の<α’>、<β1'>、<
β2'>は水素吸蔵用熱媒体を水素駆動部α、第1冷熱出
力部β1 、第2冷熱出力部β2 の3つに並列に供給する
とともに、冷熱出力用熱媒体を第1冷熱出力部β1 、第
2冷熱出力部β2 の両方に並列に供給した場合における
熱交換開始直後(実線)から所定時間経過後(破線)に
至るまで両室内の圧力差を示すものである。
【0057】〔第3実施例〕この第3実施例も第2実施
例と同様、2段サイクルを示すもので、この2段サイク
ルを図7〜図9を用いて説明する。なお、図7は熱媒体
の接続を示す説明図、図8は水素放出側と水素吸蔵側と
の圧力変化を示すグラフ、図9は水素の移動速度の変化
を示すグラフである。
【0058】上記の第2実施例では、冷熱出力用熱媒体
が第1冷熱出力部β1 および第2冷熱出力部β2 に分流
して供給されるように並列的に接続した例を示したが、
この実施例では、図7に示すように、冷熱出力用熱媒体
を第1冷熱出力部β1 に供給した後に、第2冷熱出力部
β2 に供給されるように直列的に接続したものである。
【0059】図7のように、各熱媒体の供給が行われる
ことにより、各熱媒体は次に示すような温度変化が表れ
る。水素駆動部αでは、第2実施例と同様、第1室S1
に供給される加熱用熱媒体は、93℃→90℃に変化
し、第3室S3 に供給される加熱用熱媒体は、34℃→
35℃に変化する。
【0060】第1冷熱出力部β1 の第2室S2 に供給さ
れる水素吸蔵用熱媒体は、第2実施例と同様、33℃→
34℃に変化する。一方、第1冷熱出力部β1 の第3室
S3 には、例えば室内熱交換器で室内空気と熱交換され
て温められた冷熱出力用熱媒体(例えば、13℃)が供
給される。しかし、熱交換が開始されると、第3室S3
内の低温合金が水素を放出する際の吸熱作用によって冷
熱出力用熱媒体の温度が低下する(例えば、10℃)。
つまり、第1冷熱出力部β1 の第3室S3 に供給される
冷熱出力用熱媒体は、13℃→10℃に変化する。
【0061】第2冷熱出力部β2 の第1室S1 に供給さ
れる水素吸蔵用熱媒体は、第2実施例と同様、32℃→
33℃に変化する。一方、第2冷熱出力部β2 の第2室
S2 には、第1冷熱出力部β1 でやや冷却された冷熱出
力用熱媒体(例えば、10℃)が供給される。しかし、
熱交換が開始されると、第2室S2 内の中温合金が水素
を放出する際の吸熱作用によって冷熱出力用熱媒体の温
度が低下する(例えば、7℃)。つまり、第2冷熱出力
部β2 の第2室S2 に供給される冷熱出力用熱媒体は、
10℃→7℃に変化する。
【0062】上記水素駆動部α、第1冷熱出力部β1 、
第2冷熱出力部β2 の水素移動の概略を、図8を用いて
説明する。水素駆動部αにおいては、第2実施例と同様
であり、図8<α>に示すように熱交換開始(実線)か
ら所定時間経過後(破線)に至るまで両室内の圧力差が
大きく保たれ、水素の移動速度はあまり遅くならない。
この水素駆動部αの作動を図9<α>のグラフで説明す
ると、実線Aで示すように、熱交換開始直後は従来(実
線B)に比較して水素の移動速度がやや遅いが、時間が
経過しても圧力差が大きく保たれる。この結果、従来に
比較して水素駆動部αにおける所定時間内での水素移動
量は、従来に比較してやや低下する。しかし、加熱手段
で加熱される加熱用熱媒体の温度は充分に高く、水素駆
動部αに要求される水素移動量は充分確保され、性能低
下を招かない。
【0063】第1冷熱出力部β1 においては、第2室S
2 に33℃から34℃に変化する水素吸蔵用熱媒体が供
給されるとともに、第3室S3 に13℃から10℃に変
化する冷熱出力用熱媒体が供給されることになり、熱交
換開始直後(実線)から所定時間経過後(破線)に至る
まで水素吸蔵用熱媒体と冷熱出力用熱媒体との温度差は
大きく保たれ、結果的に図8<β1 >に示すように両室
内の圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度はあまり遅
くならない。
【0064】このことを、図9<β1 >のグラフで説明
すると、実線Aで示すように、熱交換開始直後は従来
(実線B)に比較して水素の移動速度がやや遅いが、時
間が経過しても圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度
はあまり低下しない。この結果、従来に比較して冷熱出
力部βにおける所定時間内での水素移動量は結果的に多
くなり、水素吸蔵合金を利用した熱利用システムによる
冷却効率が上昇する。
【0065】第2冷熱出力部β2 においては、第1室S
1 に32℃から33℃に変化する水素吸蔵用熱媒体が供
給されるとともに、第2室S2 に10℃から7℃に変化
する冷熱出力用熱媒体が供給されることになり、熱交換
開始直後(実線)から所定時間経過後(破線)に至るま
で水素吸蔵用熱媒体と冷熱出力用熱媒体との温度差は大
きく保たれ、結果的に図8<β2 >に示すように両室内
の圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度はあまり遅く
ならない。
【0066】このことを、図9<β2 >のグラフで説明
すると、実線Aで示すように、熱交換開始直後は従来
(実線B)に比較して水素の移動速度がやや遅いが、時
間が経過しても圧力差が大きく保たれ、水素の移動速度
はあまり低下しない。この結果、従来に比較して冷熱出
力部βにおける所定時間内での水素移動量は結果的に多
くなり、水素吸蔵合金を利用した熱利用システムによる
冷却効率が上昇する。
【0067】なお、図8下段の<α’>、<β1'>、<
β2'>は、第2実施例の図5下段と同様、水素吸蔵用熱
媒体を水素駆動部α、第1冷熱出力部β1 、第2冷熱出
力部β2 の3つに並列に供給するとともに、冷熱出力用
熱媒体を第1冷熱出力部β1、第2冷熱出力部β2 の両
方に並列に供給した場合における熱交換開始直後(実
線)から所定時間経過後(破線)に至るまで両室内の圧
力差を示すものである。
【0068】〔変形例〕上記の第2実施例では、水素吸
蔵用熱媒体を第2冷熱出力部β2 →第1冷熱出力部β1
の順で直列供給する例を示したが、第1冷熱出力部β1
→第2冷熱出力部β2 の順で直列供給するように設けて
も良い。このように、水素吸蔵用熱媒体を第1冷熱出力
部β1 →第2冷熱出力部β2 の順で直列供給する場合、
冷熱出力用熱媒体を第2冷熱出力部β2 →第1冷熱出力
部β1 の順で直列供給するように設けても良い。
【0069】上記の第2、第3実施例では、第2冷熱出
力部β2 の第3室S3 を作動から切り離して説明した
が、第2冷熱出力部β2 の第3室S3 に冷熱出力用熱媒
体を供給して第2冷熱出力部β2 の第3室S3 からも冷
熱を得るように設けても良い。その場合における冷熱出
力用熱媒体の供給の一例を、図10、図11に示す。上
記の実施例では、1段サイクルと2段サイクルを例に示
したが、3段以上のサイクルに本発明を適用しても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱媒体の接続を示す説明図である(第1実施
例)。
【図2】水素放出側と水素吸蔵側との圧力変化を示すグ
ラフである(第1実施例)。
【図3】水素の移動速度の変化を示すグラフである(第
1実施例)。
【図4】熱媒体の接続を示す説明図である(第2実施
例)。
【図5】水素放出側と水素吸蔵側との圧力変化を示すグ
ラフである(第2実施例)。
【図6】水素の移動速度の変化を示すグラフである(第
2実施例)。
【図7】熱媒体の接続を示す説明図である(第3実施
例)。
【図8】水素放出側と水素吸蔵側との圧力変化を示すグ
ラフである(第3実施例)。
【図9】水素の移動速度の変化を示すグラフである(第
3実施例)。
【図10】熱媒体の接続を示す説明図である(変形
例)。
【図11】熱媒体の接続を示す説明図である(変形
例)。
【図12】熱媒体の接続を示す説明図である(従来
例)。
【符号の説明】
S1 第1室 S2 第2室 S3 第3室 α 水素駆動部 β 冷熱出力部 β1 第1冷熱出力部 β2 第2冷熱出力部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一平衡水素圧で水素平衡温度が高い高温
    度水素吸蔵合金を封入する第1室を備えるとともに、同
    一平衡水素圧で水素平衡温度が低い低温度水素吸蔵合金
    を封入する第2室を備え、 前記第1室内の高温度水素吸蔵合金と加熱用熱媒体とを
    熱交換して前記第1室内の高温度水素吸蔵合金の吸蔵す
    る水素を放出させるとともに、前記第2室内の低温度水
    素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して前記第2
    室内の低温度水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる水素駆動
    部と、 前記第1室内の高温度水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体
    とを熱交換して前記第1室内の高温度水素吸蔵合金に水
    素を吸蔵させるとともに、前記第2室内の低温度水素吸
    蔵合金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換して前記第2室内
    の低温度水素吸蔵合金の吸蔵する水素を放出させる冷熱
    出力部と、を行って冷熱出力を得る水素吸蔵合金を利用
    した熱利用システムであって、 前記水素吸蔵用熱媒体は、前記冷熱出力部に供給された
    後に、前記水素駆動部に供給されるように直列的に接続
    されたことを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用
    システム。
  2. 【請求項2】同一平衡水素圧で水素平衡温度が異なる高
    温度、中温度、低温度水素吸蔵合金のうちの高温度水素
    吸蔵合金を封入する第1室、中温度水素吸蔵合金を封入
    する第2室、低温度水素吸蔵合金を封入する第3室を備
    え、 前記第1室内の高温度水素吸蔵合金と加熱用熱媒体とを
    熱交換して前記第1室内の高温度水素吸蔵合金の吸蔵す
    る水素を放出させるとともに、前記第3室内の低温度水
    素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して前記第3
    室内の低温度水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる水素駆動
    部と、 前記第2室内の中温度水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体
    とを熱交換して前記第2室内の中温度水素吸蔵合金に水
    素を吸蔵させるとともに、前記第3室内の低温度水素吸
    蔵合金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換して前記第3室内
    の低温度水素吸蔵合金の吸蔵する水素を放出させる第1
    冷熱出力部と、 前記第1室内の高温度水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体
    とを熱交換して前記第1内の高温度水素吸蔵合金に水素
    を吸蔵させるとともに、前記第2室内の中温度水素吸蔵
    合金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換して前記第2室内の
    中温度水素吸蔵合金の吸蔵する水素を放出させる第2冷
    熱出力部と、を行って冷熱出力を得る水素吸蔵合金を利
    用した熱利用システムであって、 前記水素吸蔵用熱媒体は、前記第2冷熱出力部に供給さ
    れた後に、前記第1冷熱出力部に供給され、その後に前
    記水素駆動部に供給されるように直列的に接続されるこ
    とを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システ
    ム。
  3. 【請求項3】請求項2の水素吸蔵合金を利用した熱利用
    システムにおいて、 前記冷熱出力用熱媒体は、前記第1冷熱出力部に供給さ
    れた後に、前記第2冷熱出力部に供給されるように直列
    的に接続されることを特徴とする水素吸蔵合金を利用し
    た熱利用システム。
  4. 【請求項4】同一平衡水素圧で水素平衡温度が異なる高
    温度、中温度、低温度水素吸蔵合金のうちの高温度水素
    吸蔵合金を封入する第1室、中温度水素吸蔵合金を封入
    する第2室、低温度水素吸蔵合金を封入する第3室を備
    え、 前記第1室内の高温度水素吸蔵合金と加熱用熱媒体とを
    熱交換して前記第1室内の高温度水素吸蔵合金の吸蔵す
    る水素を放出させるとともに、前記第3室内の低温度水
    素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体とを熱交換して前記第3
    室内の低温度水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる水素駆動
    部と、 前記第2室内の中温度水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体
    とを熱交換して前記第2内の中温度水素吸蔵合金に水素
    を吸蔵させるとともに、前記第3室内の低温度水素吸蔵
    合金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換して前記第3室内の
    低温度水素吸蔵合金の吸蔵する水素を放出させる第1冷
    熱出力部と、 前記第1室内の高温度水素吸蔵合金と水素吸蔵用熱媒体
    とを熱交換して前記第1内の高温度水素吸蔵合金に水素
    を吸蔵させるとともに、前記第2室内の中温度水素吸蔵
    合金と冷熱出力用熱媒体とを熱交換して前記第2室内の
    中温度水素吸蔵合金の吸蔵する水素を放出させる第2冷
    熱出力部と、を行って冷熱出力を得る水素吸蔵合金を利
    用した熱利用システムであって、 前記水素吸蔵用熱媒体は、前記第1冷熱出力部に供給さ
    れた後に、前記第2冷熱出力部に供給され、その後に前
    記水素駆動部に供給されるように直列的に接続されるこ
    とを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システ
    ム。
  5. 【請求項5】請求項4の水素吸蔵合金を利用した熱利用
    システムにおいて、 前記冷熱出力用熱媒体は、前記第2冷熱出力部に供給さ
    れた後に、前記第1冷熱出力部に供給されるように直列
    的に接続されることを特徴とする水素吸蔵合金を利用し
    た熱利用システム。
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US7022684B2 (en) 2000-05-24 2006-04-04 Pfizer Inc. Treatment of rumen acidosis with α-amylase inhibitors

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7022684B2 (en) 2000-05-24 2006-04-04 Pfizer Inc. Treatment of rumen acidosis with α-amylase inhibitors
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