JP2001059201A - バラスト及びバラスト道床 - Google Patents

バラスト及びバラスト道床

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JP2001059201A
JP2001059201A JP11235394A JP23539499A JP2001059201A JP 2001059201 A JP2001059201 A JP 2001059201A JP 11235394 A JP11235394 A JP 11235394A JP 23539499 A JP23539499 A JP 23539499A JP 2001059201 A JP2001059201 A JP 2001059201A
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Japan
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ballast
based ceramic
ceramics
alumina
ceramic
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JP11235394A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nagato
博 長戸
Hideaki Matsubara
秀彰 松原
Masaji Aoki
正司 青木
Hiroaki Yanagida
博明 柳田
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Japan Fine Ceramics Center
Central Japan Railway Co
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Japan Fine Ceramics Center
Central Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細粒化しにくいバラストを提供する。 【解決手段】 例えばアルミナ系セラミックス、ムライ
ト系セラミックス、窒化ケイ素系セラミックス等のセラ
ミックスを素材とするバラスト。セラミックスは自然の
岩石に比べて強度や耐損傷性が大きいため、列車荷重や
MTTの締め固め作業等に対して十分耐久力があり、細
粒化しにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道軌道で用いら
れるバラスト及びバラスト道床に関し、特に、セラミッ
クスを用いたバラスト及びバラスト道床に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道軌道の構造は、路盤上に形成した道
床にまくら木を並べ、その上に二本のレールを一定間隔
に平行に取り付けたものが一般的である。このような有
道床軌道を構成する道床には、バラスト、スラブなどが
あり、路線の様々な条件を考慮して選定されている。そ
の中でも、例えば図4に示すような、砂利・砕石等のバ
ラスト43を用いたバラスト道床軌道41は、従来から
最もよく知られている。バラスト43を用いた道床42
は、その性質上、重い車両の走行を合理的に支え、かつ
経済的にも優れていることから、長年採用されてきてい
る。砂利・砕石等のバラスト43は、まくら木44をし
っかり保持し、列車からレール45,45、まくら木4
4を経て伝わる荷重を路盤46へ均等に分散させ、軌道
に弾性を持たせるとともに、つき固め等の保守作業が容
易に行えることや、軌道の排水をよくし噴泥や雑草の発
生を防ぐなどの機能を持っている。
【0003】一般に、バラスト43の条件としては、材
料が強固であって摩損や風化に対して強いことや、適当
な粒形と粒度をもち、締め固めその他の作業が容易であ
ること等が要求される。従来のバラスト43の材料に
は、主として安山岩、硬砂岩、花崗岩等の自然の岩石が
用いられており、これらの岩石をクラッシャーで適当な
粒径に破砕して用いている。ただし、自然の岩石はその
成因や風化の程度により、同一岩石であっても物理的性
質にはかなり差があるので、各種の試験(単位容積重
量、吸水率、摩損率、硬度、吸水耐圧強度、圧縮粉砕
率)を実施して基準に合格するものを採用している。
【0004】基準に合格した、各種の粒度(粒径)を有
するバラスト43は、適当に混合されて道床42として
使用される。道床42におけるバラスト43の粒度は、
例えば表1の通り定められている。
【0005】
【表1】
【0006】表1において、通過重量百分率は、五種類
の網ふるいを呼び寸法の小さいものから大きいものへ順
次重ね合わせ、この上に炉乾燥させた試料(バラスト)
を投入し網ふるいを振動させてふるい分け、各網ふるい
に残留した粒子の質量を測り、それぞれについて試料の
全重量に対する百分率を求めたものであり、バラスト4
3の粒度分布を示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バラス
ト43は、列車走行の繰り返し荷重やMTT(マルチプ
ル・タイ・タンパ)による締め固め作業等による外力に
よって、摩損及び破砕が徐々に進み、経年と共に細粒化
する。バラスト43が細粒化すると、土砂の混入とあい
まって排水不良となる。この結果、雨水等により噴泥に
至って、道床42が沈下しやすくなり、浮きまくら木
(まくら木下部の道床が沈下してまくら木が浮いた状態
になること)等による軌道狂いの発生を助長させる。ま
た、乾燥すると道床42が固結して弾力性を失うなど、
軌道の支承体としての安定性に欠け、道床42本来の機
能を果たさなくなる。
【0008】このため有道床軌道では、細粒化したバラ
スト43を全く新しいバラスト43と入れ替える道床更
換や、道床42内に混入した土砂のみをふるって排除
し、体積減少分を新しいバラスト43で埋め戻す道床ふ
るい分け作業等の保守作業を永続的に実施しなければな
らない。また、上記の通りバラスト43の材料は自然の
岩石であり、近い将来バラスト資源の枯渇化も予想され
る。従って、作業面、経済面、及び環境面から、バラス
ト43の長寿命化や保守作業を低減させることが望まれ
ていた。
【0009】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、細粒化しにくいバラストを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段、発明の実施の形態及び発
明の効果】本発明者らは、上記課題を解決するために、
自然の岩石以外の素材のものをバラストとして使用する
ことに着目し、セラミックスを素材とするバラストが、
強度及び耐損傷性の点で自然の岩石によるバラストより
も著しく優れることをはじめて明らかにした。
【0011】すなわち、上記目的を達成するためになさ
れた請求項1記載のバラストは、素材がセラミックスで
あることを特徴とする。セラミックスとしては、例えば
アルミナ系セラミックス(アルミナを主成分とするセラ
ミックス、以下同様)、ムライト系セラミックス、窒化
ケイ素系セラミックス、ジルコニア系セラミックス、炭
化ケイ素系セラミックス、窒化アルミニウム系セラミッ
クス、マグネシア系セラミックス、シリカ系セラミック
ス等を用いる。このような構成のバラストは、自然の岩
石を用いたバラストに比べて強度や耐損傷性が大きいた
め、列車荷重やMTTの締め固め作業等に対して十分耐
久力があり、細粒化しにくい。
【0012】また、請求項2記載のバラストは、請求項
1記載のバラストであって、前記セラミックスは、アル
ミナ系セラミックス、ムライト系セラミックス、又は窒
化ケイ素系セラミックスであることを特徴とする。アル
ミナ系セラミックス、ムライト系セラミックス、窒化ケ
イ素系セラミックスは、他のセラミックスに比べて圧縮
強度が大きい。従って、このような構成のバラストは、
より細粒化しにくくなる。特に、アルミナ系セラミック
スは、上記三者のセラミックスの中で最も低コストであ
るため、経済面を考慮するとより好ましい。
【0013】請求項3記載のバラスト道床は、請求項1
又は2に記載のバラストで構成されていることを特徴と
する。バラスト道床を構成するバラストは、例えば表1
に示したような、所定の粒度分布を有する必要があるた
め、請求項1又は2に記載のセラミックスを素材とする
バラストを、表1と同様の粒度分布になるようにふるい
分ける。このようにしてふるい分け、混合されたバラス
トを、図4に示したバラスト43として使用すればよ
い。このような構成のバラスト道床によれば、バラスト
の圧縮強度が非常に大きいため、構造的に強固な有道床
軌道の構築が可能となり、列車走行時の荷重やMTTに
よる締め固め作業で道床が沈下しにくく、道床の保守工
事を低減できる。また、従来のバラストと比較して供用
期間が長くなり、ライフサイクルコストも安くなる。さ
らに、自然の岩石を使用しないため、環境面からは省資
源にもつながる。
【0014】なお、本発明のバラスト道床では、全ての
バラストをセラミックスを素材とするバラストで構成せ
ず、自然の岩石によるバラストと混合して使用してもよ
い。例えば、本発明のバラストと自然の岩石によるバラ
ストとを、各粒度ごとに重量比が10:90〜90:1
0の範囲になるように混合してもよいし、ある範囲の粒
径のバラストのみを本発明のバラストとし、それ以外の
バラストを自然の岩石によるバラストにしてもよく、本
発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得るこ
とはいうまでもない。
【0015】
【実施例】本発明の特徴とするところをより一層明確に
するため、各種試験を行った結果を、以下に示す。 [曲げ強度試験及び圧縮強度試験]自然の岩石によるバ
ラストと本発明のバラストとの物理的性質を比較するた
め、曲げ強度試験及び圧縮強度試験を行った。試験方法
は、曲げ強度試験においてはJIS R 1601(ファ
インセラミックスの曲げ強さ試験方法)に規定の4点曲
げ強さ試験方法により行い、圧縮強度試験においてはJ
IS R 1608(ファインセラミックスの圧縮強さ試
験方法)に規定の方法により行った。試験片は、自然の
岩石によるバラストとして豊橋輝緑岩(豊橋地区で採取
された輝緑岩、以下同様)、名古屋砂岩、三島安山岩、
静岡玄武岩の四種の岩石を用い、本発明のバラストとし
ては、アルミナ系セラミックス((財)ファインセラミ
ックスセンター製、リファセラムAL1)、窒化ケイ素
系セラミックス((財)ファインセラミックスセンター
製、リファセラムSN1)の二種のセラミックスを用い
た。その結果を、表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2より、曲げ強度及び圧縮強度のいずれ
もセラミックスが自然の岩石よりも著しく優れるという
結果が得られた。特に曲げ強度は、窒化ケイ素系セラミ
ックスがアルミナ系セラミックスよりさらに優れる。 [圧縮・摩擦ミニチュア試験]本発明のセラミックスを
素材とするバラストを用いたバラスト道床の圧縮・摩擦
に関する評価試験を、1/10スケールのミニチュア版
バラストとして行い、自然の岩石によるバラスト道床と
の比較を行った。
【0018】試験用のバラストは、自然の岩石によるバ
ラストとして豊橋輝緑岩、三島安山岩を用い、本発明の
バラストとしては、アルミナ系セラミックス(ニッカト
ー製、SSA-H)を用いた。それぞれの試験用バラス
トの粒度分布は、表3に示すように、表1に示した正規
の粒度分布のほぼ1/10の尺度に設定した。
【0019】
【表3】
【0020】次に、上記粒度を有するバラストを用いた
試験の方法について、図1に基づいて説明する。バラス
ト容器11は、四角柱状にくり抜いた中空部11aを有
する、鋼製の円柱形状部材であり、支持台12の上に設
置されている。中空部11aのサイズは30mm×40
mm×30mm(深さ)である。次に、この中空部11
aの中に、上記表3に示した粒度を有するバラスト13
を、深さ25.5mmまで(中空部11aの容積の約8
5%)入れ、バラスト13の表面が平らになるようにな
らす。その後、中空部11aとほぼ同じサイズの四角柱
状の加圧柱14を、バラスト13の表面と当接するまで
中空部11a内に挿入し、バラスト13の表面と当接し
た位置(深さ)を基準位置とする。そして、加圧柱14
によってバラスト13に少しずつ負荷をかけていき、最
大2tの荷重をかける。負荷を2tまでかけた後は、負
荷を開放する。
【0021】試験用の各バラスト13について上記のよ
うな方法で試験を行い、負荷を2tまでかけたときの加
圧柱14の変位量によって細粒化の程度を確認した。そ
の結果を、図2に示す。2t付加時の加圧柱の変位量
は、豊橋輝緑岩が約5.5mm、三島安山岩が約7.5
mmであるのに対し、アルミナ系セラミックスは約2.
5mmであった。すなわち、アルミナ系セラミックスの
荷重による変位量は自然の岩石の場合に比べて著しく小
さい。
【0022】次に、各バラスト13の粒度分布を2t負
荷加圧の前後で比較することにより、2tの負荷加圧に
よってどれだけバラスト13が粉砕されているか調べた
結果を、図3に示す。図3は、試験前後の各バラスト1
3を、目開き2mm及び1mmの各ふるいにかけたとき
の通過重量百分率を示している。自然の岩石、アルミナ
系セラミックスのいずれも、試験後の通過重量百分率は
増加、すなわち細粒化しているが、目開き2mmのふる
いの場合、アルミナ系セラミックスは豊橋輝緑岩の約1
/2、三島安山岩の約1/3である。また、目開き1m
mのふるいの場合も、アルミナ系セラミックスは豊橋輝
緑岩の1/3以下、三島安山岩の1/6以下であり、ア
ルミナ系セラミックスの損傷(粉砕)の程度は自然の岩
石に比べて非常に小さい。従って、自然の岩石によるバ
ラストに比べ、アルミナ系セラミックスの方が圧縮強度
が強く、細粒化しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 圧縮・摩擦ミニチュア試験の要領を示す説明
図である。
【図2】 圧縮・摩擦試験の結果(変位量)を示す説明
図である。
【図3】 圧縮・摩擦試験の結果(試験前後のふるい通
過重量百分率)を示す説明図である。
【図4】 従来のバラスト道床軌道の断面図である。
【符号の説明】
11・・・バラスト容器 11a・・・中空部 12・・・支持台 13・・・バラスト 14・・・加圧柱 41・・・バラスト道床軌道 42・・・道床 43・・・バラスト 44・・・まくら木 45・・・レール 46・・・路盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 秀彰 愛知県名古屋市熱田区六野二丁目4番1号 財団法人ファインセラミックスセンター 内 (72)発明者 青木 正司 愛知県名古屋市熱田区六野二丁目4番1号 財団法人ファインセラミックスセンター 内 (72)発明者 柳田 博明 愛知県名古屋市熱田区六野二丁目4番1号 財団法人ファインセラミックスセンター 内 Fターム(参考) 2D056 AA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材がセラミックスであることを特徴と
    するバラスト。
  2. 【請求項2】 前記セラミックスは、アルミナ系セラミ
    ックス、ムライト系セラミックス、又は窒化ケイ素系セ
    ラミックスであることを特徴とする請求項1記載のバラ
    スト。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のバラストで構成
    されていることを特徴とするバラスト道床。
JP11235394A 1999-08-23 1999-08-23 バラスト及びバラスト道床 Pending JP2001059201A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007186910A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Japan Fine Ceramics Center セラミックス系焼結体、バラスト、及びバラスト道床
JP2009052320A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Railway Technical Res Inst 単粒度骨材からなる構造物の基礎及びその施工方法
CN101798784A (zh) * 2010-03-15 2010-08-11 同济大学 稳定铁路道床道碴的装置及其方法

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