JP2001056922A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2001056922A
JP2001056922A JP2000107072A JP2000107072A JP2001056922A JP 2001056922 A JP2001056922 A JP 2001056922A JP 2000107072 A JP2000107072 A JP 2000107072A JP 2000107072 A JP2000107072 A JP 2000107072A JP 2001056922 A JP2001056922 A JP 2001056922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magnetic
recording medium
magnetic recording
ferromagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000107072A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3476740B2 (ja
Inventor
Hisateru Sato
久輝 佐藤
Yoshitake Kaizu
功剛 貝津
Abara Noel
アバラ ノエル
Iwao Okamoto
巌 岡本
Yoshibumi Mizoshita
義文 溝下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2000107072A priority Critical patent/JP3476740B2/ja
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to EP02028937A priority patent/EP1302932B1/en
Priority to EP02028938A priority patent/EP1302933B1/en
Priority to DE60006186T priority patent/DE60006186T2/de
Priority to DE60013651T priority patent/DE60013651T2/de
Priority to EP00304517A priority patent/EP1059629B1/en
Priority to EP02028936A priority patent/EP1302931A1/en
Priority to DE60014974T priority patent/DE60014974T2/de
Priority to US09/588,451 priority patent/US6689495B1/en
Priority to KR1020000031179A priority patent/KR100630583B1/ko
Publication of JP2001056922A publication Critical patent/JP2001056922A/ja
Priority to US10/308,119 priority patent/US20030082410A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3476740B2 publication Critical patent/JP3476740B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、書き込まれたビットの熱安定性を
向上し、媒体ノイズを低減し、磁気記録媒体の性能に悪
影響を及ぼすことなく信頼性の高い高密度記録を行える
磁気記録媒体を提供することを目的とする。 【解決手段】 少なくとも1つの交換層構造と該交換層
構造上に設けられた磁性層を備え、該交換層構造は強磁
性層と該強磁性層上に設けられた非磁性結合層を含む磁
気記録媒体であって、前記強磁性層及び磁性層の少なく
とも一方は、強磁性結晶粒子が非磁性母材中に一様に分
散したグラニュラー膜で形成されているように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体及び磁
気記憶装置に係り、特に高密度記録に適した磁気記録媒
体及び磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報処理技術の発達に伴い、磁気記録媒
体に対し高密度化の要求が高まっている。この要求を満
たすための磁気記録媒体に求められる特性は、例えばハ
ードディスクでは、低ノイズ、高保磁力、高残留磁化、
高分解能がある。
【0003】磁気ディスク等の水平磁気記録媒体の記録
密度は、媒体ノイズの低減及び磁気抵抗効果型ヘッド及
びスピンバルブヘッドの開発により、著しく増大した。
代表的な磁気記録媒体は、基板と、下地層と、磁性層
と、保護層とがこの順序で積層された構造を有する。下
地層は、Cr又はCr系合金からなり、磁性層は、Co
系合金からなる。
【0004】媒体ノイズを低減する方法は、今までに各
種提案されている。例えば、Okamoto et a
l. ,”Rigid Disk Medium For
5Gbit/ in2 Recording”,AB-
3,Intermag ’96 Digestには、C
rMoからなる適切な下地層を用いて磁性層の膜厚を減
少させることで、磁性層の粒子サイズ及びサイズ分布を
減少させることが提案されている。又、米国特許第5,
693,426号では、NiAlからなる下地層を用い
ることが提案されている。更に、Hosoe et a
l. , ”Experimental Study o
f Thermal Decay inHigh- De
nsity Magnetic Recording
Media”, IEEE Trans. Magn.
Vol. 33, 1528(1997)では、CrT
iからなる下地層を用いることが提案されている。上記
の如き下地層は、磁性層の面内配向を促し残留磁化及び
ビットの熱安定性を増加させる。磁性層の膜厚を減少さ
せて、解像度を高くする、或いは、書き込まれたビット
間の遷移幅を減少させることも提案されている。更に、
CoCr系合金からなる磁性層のCr偏析を促進させ、
粒子間の交換結合を減少させることも提案されている。
【0005】しかし、磁性層の粒子が小さくなり互いに
磁気的により孤立するにつれ、書き込まれたビットは、
線密度に応じて増加する減磁界と熱活性化とにより不安
定になる。Lu et al. , ”Thermal
Instability at 10 Gbit/ in
2 Magnetic Recording”, IE
EE Trans. Magn. Vol. 30, 4
230(1994)では、マイクロマグネティックシミ
ュレーションにより、直径が10nmで400kfci
ビットでKu V/ k T〜60なる比の各粒子の交換
結合を抑制された媒体では、大幅な熱的ディケイを受け
やすいことが発表されている。ここで、Ku は磁気異方
性の定数、Vは磁性粒子の平均体積、kはボルツマン
定数、Tは温度を示す。尚、Ku V/kTなる比は、
熱安定性係数とも呼ばれる。
【0006】Abarra et al. , ”The
rmal Stability of Narrow
Track Bits in a 5 Gbit/ in
2 Medium”, IEEE Trans. Mag
n. Vol. 33,2995(1997)では、粒子
間の交換相互作用の存在が書き込まれたビットを安定化
させることが、5Gbit/ in2 のCoCrPtTa
/ CrMo媒体のアニールされた200kfciビット
のMFM(磁気間力顕微鏡)解析により報告されてい
る。ところが、20Gbit/ in2 以上の記録密度で
は、更なる粒子間の磁気的結合の抑制が必須となる。
【0007】これに対する順当な解決策は、磁性層の磁
気異方性を増加させることであった。しかし、磁性層の
磁気異方性を増加させるには、ヘッドの書き込み磁界に
大きな負荷がかかってしまう。
【0008】又、熱的に不安定な磁気記録媒体の保磁力
は、He et al. ,”High Speed S
witching in Magnetic Reco
rding Media”, J. Magn. Ma
gn. Mater. Vol.155, 6(199
6)において磁気テープ媒体について、そして、J.
H. Richter, ”Dynamic Coer
civity Effects in Thin Fi
lm Media”, IEEE Trans.Mag
n. Vol.34, 1540(1997)において
磁気ディスク媒体について報告されているように、スイ
ッチ時間の減少に応じて急激に増加する。このため、デ
ータ速度に悪影響が生じてしまう。つまり、磁性層にど
れくらい速くデータを書き込めるか、及び、磁性粒子の
磁化を反転させるのに必要なヘッドの磁界強度が、スイ
ッチ時間の減少に応じて急激に増加する。
【0009】他方、熱安定性を向上させる他の方法とし
て、磁性層の下の基板に適切なテクスチャ処理を施すこ
とにより、磁性層の配向率を増加させる方法も提案され
ている。例えば、発行中のAkimoto et a
l. , ”MagneticRelaxation i
n Thin Film Media as a Fu
nction of Orientation”,
J. Magn. Magn. Mater. (19
99)では、マイクロマグネティックシミュレーション
により、実効的なKu V/ kB T値が配向率の僅かな増
加により増大することが報告されている。この結果、A
barra et al., ”TheEffect
of Orientation Ratio on t
he Dynamic Coercivity of
Media for >15Gbit/ in2 Rec
ording”, EB- 02, Intermag
’99,Koreaにおいて報告されているように、
磁気記録媒体のオーバーライト性能を向上する保磁力の
時間依存性をより弱めることができる。
【0010】更に、熱安定性を向上するための、キーパ
磁気記録媒体も提案されている。キーパ層は、磁性層と
平行な軟磁性層からなる。この軟磁性層は、磁性層の上
又は下に配置される。多くの場合、Cr磁気絶縁層が軟
磁性層と磁性層との間に設けられる。軟磁性層は、磁性
層に書き込まれたビットの減磁界を減少させる。しか
し、磁性記録層と連続的に交換結合する軟磁性層の結合
により、磁性層の粒子の減結合という目的が達成されな
くなってしまう。その結果、媒体ノイズが増大する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】熱安定性を向上し、媒
体ノイズを低減する方法は、様々なものが提案されてい
る。しかし、提案されている方法では、書き込まれたビ
ットの熱安定性を大幅に向上することはできず、このた
め、媒体ノイズを大幅に減少させることは難しいという
問題があった。更に、提案方法によっては、媒体ノイズ
を低減するための対策のために、磁気記録媒体の性能に
悪影響を及ぼしてしまうという問題もあった。
【0012】具体的には、熱安定性の高い磁気記録媒体
を得るためには、(i)磁気異方性定数Ku を増加させ
る、(ii)温度Tを減少させる、又は、(iii)磁
性層の粒子体積Vを増加させる等の対策が考えられる。
しかし、対策(i)では保磁力が増加してしまい、磁性
層に情報を書き込むことがより難しくなってしまう。他
方、対策(ii)は、例えばディスクドライブ等の動作
温度が60℃を超えることがあることを考えると、非実
用的である。更に、対策(iii)は、前記の如く媒体
ノイズを増加させてしまう。又、対策(iii)に代わ
って、磁性層の膜厚を増加させることも考えられるが、
この方法では解像度が低下してしまう。
【0013】そこで、本発明は、書き込まれたビットの
熱安定性を向上し、媒体ノイズを低減し、磁気記録媒体
の性能に悪影響を及ぼすことなく信頼性の高い高密度記
録を行える磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、少なくと
も1つの交換層構造と該交換層構造上に設けられた磁性
層を備え、該交換層構造は強磁性層と該強磁性層上に設
けられた非磁性結合層を含む磁気記録媒体であって、前
記強磁性層及び磁性層の少なくとも一方は、強磁性結晶
粒子が非磁性母材中に一様に分散したグラニュラー膜で
形成されている、磁気記録媒体により達成できる。
【0015】本発明によれば、書き込まれたビットの熱
安定性を向上し、媒体ノイズを低減し、磁気記録媒体の
性能に悪影響を及ぼすことなく信頼性の高い高密度記録
を行える磁気記録媒体を実現できる。交換層構造の強磁
性層及び交換層構造の上に設けられる磁性層の少なくと
も一方に低ノイズ性に優れたグラニュラー膜を用いるこ
とで、書き込まれたビットの熱安定性を向上しつつ、さ
らに媒体ノイズの低減化を図ることができる。
【0016】ここでグラニュラー膜とは、例えば本出願
人にかかる特開平10−92637号公報にあるよう
に、強磁性結晶粒子が非磁性母材中に一様に分散した構
造を有する磁性膜である。このグラニュラー膜を磁気記
録装置の記憶媒体に応用したのがグラニュラー媒体であ
る。CoCr系の磁性材料を記録用の磁性層に用いる従
来の記録媒体では、CoとCrの偏析作用を応用し、磁
性粒子の孤立化を促進させて、低ノイズ化を図ってい
る。しかし、従来においては磁性粒子を所望の孤立化状
態を得るのが困難であった。
【0017】一方、本発明で採用するグラニュラー媒体
では、強磁性結晶粒子(金属)を例えばSiO等(セ
ラミックス材料)中に均一に分散させることで強磁性結
晶粒子の積極的な孤立化を図ることで、極めて低いノイ
ズ性を実現できる。
【0018】前記強磁性結晶粒子は、Co、Ni、F
e、Ni系合金、Fe系合金、CoCrTa、CoCr
Pt、及びCoCrPt−Mを含むCo系合金からなる
グル−プから選択された材料からなり、M=B、Mo、
Nb、Ta、W、Cuとすることができる。この強磁性
結晶粒子は2〜30nmの範囲内で選定された粒子径を
有することが好ましい。
【0019】前記非磁性母材は、セラミック材料又は酸
化物とすることができる。例えばSiO、Al
、MgO等のセラミック材料や、NiOに代表さ
れる反強磁性の酸化物をとすることができる。なお、グ
ラニュラー構造は、強磁性結晶粒子と非磁性母材の凝集
エネルギー、表面エネルギー、弾性ひずみエネルギー
等、基本的物理定数により、構造形態が変化する。した
がって、強磁性結晶粒子に用いる磁性材料と、非磁性母
材に用いるセラミック材料もしくは酸化物の組み合わせ
は非常に多数存在するので、所望に応じて適宜調整すれ
ばよい。
【0020】前記非磁性結合層に用いる材料は、Ru、
Rh、Ir、Ru系合金、Rh系合金、及びIr系合金
からなるグループから選択された材料とすることができ
る。前記非磁性結合層にセラミック材料又は酸化物を添
加するとエピタキシャル成長を促進させることができ
る。
【0021】前記強磁性層の磁化方向と前記磁性層の磁
化方向は、前記非磁性結合層の膜厚により互いに反平行
或いは平行とすることができるがそのどちらの状態でも
よい。
【0022】前記強磁性層の磁化方向と前記磁性層の磁
化方向とを反平行にするには、前記非磁性結合層がR
u、Rh、Ir、Ru系合金、Rh系合金及びIr系合
金からなるグループから選択された材料で形成される場
合には0.4から1.0nmの範囲内で選定された膜厚
を有する構成が好ましい。
【0023】また、前記強磁性層の磁化方向と前記磁性
層の磁化方向とを平行にするには、前記非磁性結合層が
Ru、Rh、Ir、Ru系合金、Rh系合金及びIr系
合金からなるグループから選択された材料で形成される
場合には0.2から0.4nm及び1.0から1.7n
mの範囲から選定された膜厚を有する構成が好ましい。
非磁性結合層としてRuを用いることが推奨される。
【0024】さらに、基板の上方に設けられた下地層
と、該下地層上にグラニュラー膜で形成した強磁性層
と、該下地層と強磁性層との間に設けられた非磁性中間
層を更に備え、該非磁性中間層は、CoCr−Mからな
るグループから選択されたhcp構造の合金からなり、
1〜5nmの範囲で選定された膜厚を有し、M=B、M
o、Nb、Ta、W、Cu又はこれらの合金である構成
としてもよい。
【0025】前記基板と前記下地層との間に設けられた
NiP層を更に備え、前記NiP層はテクスチャ処理又
は酸化処理が施されている構成としてもよい。
【0026】前記下地層は、NiAl及びFeAlから
なるグループから選択されたB2構造を有する合金から
なる構成としてもよい。
【0027】前記強磁性層は、2〜10nmの範囲内で
選定された膜厚を有しても良い。前記磁性記録層は、5
〜30nmの範囲内で選定された膜厚を有しても良い。
【0028】前記磁気記録媒体において、少なくとも第
1の交換層構造と該第1の交換層構造と該磁性層との間
に設けられた第2の交換層構造を備え、前記第1の交換
層構造及び第2の交換層構造の強磁性層はグラニュラー
膜で形成され、前記第2の交換層構造のグラニュラー膜
の磁気異方性は該第1の交換層構造のグラニュラー膜の
磁気異方性より弱く、該第1及び第2の交換層構造のグ
ラニュラー膜は互いに磁化方向が反平行である構成とし
てもよい。
【0029】前記磁気記録媒体において、少なくとも第
1の交換層構造と該第1の交換層構造と該磁性層との間
に設けられた第2の交換層構造を備え、前記第1の交換
層構造及び第2の交換層構造の強磁性層はグラニュラー
膜で形成され、前記第2の交換層構造のグラニュラー膜
の残留磁化と膜厚との積は、該第1の交換層構造のグラ
ニュラー膜の残留磁化と膜厚との積より小さく、該第1
及び第2の交換層構造のグラニュラー膜は互いに磁化方
向が反平行である構成としてもよい。
【0030】上記の課題は、上記のいずれかの磁気記録
媒体を少なくとも1つ備えた磁気記憶装置によっても達
成できる。本発明によれば、書き込まれたビットの熱安
定性を向上させつつ、媒体ノイズをより確実に低減し、
磁気記録媒体の性能に悪影響を及ぼすことなく信頼性の
高い高密度記録を行える磁気記憶装置を実現できる。
【発明の実施の形態】先ず、本発明の動作原理を説明す
る。
【0031】本発明は、互いに反平行である磁化構造を
有する複数の層を用いるものである。例えば、S.S.
P. Parkin, ”Systematic Va
riation of the Strength a
nd Oscillation Period of
Indirect Magnetic Exchang
e Coupling though the 3d,
4d, and 5d Transition Me
tals”, Phys. Rev. Lett. V
ol.67, 3598(1991)においては、R
u,Rh等の薄い非磁性中間層を介して磁性層に結合す
るCo,Fe,Ni等の磁気遷移金属が説明されてい
る。他方、米国特許第5,701,223号公報には、
センサの安定化のために、上記の如き層を積層されたピ
ニング層として用いるスピンバルブが提案されている。
【0032】2つの強磁性層の間に設けられたRu又は
Rh層が特定の膜厚を有する場合、強磁性層の磁化方向
を互いに平行又は反平行にすることができる。例えば、
互いに異なる膜厚で磁化方向が反平行である2つの強磁
性層からなる構造の場合、磁気記録媒体の有効粒子サイ
ズは、解像度に実質的な影響を及ぼすことなく増加させ
ることができる。このような磁気記録媒体から再生され
た信号振幅は、逆方向の磁化により減少するが、これに
対しては、積層磁性層構造の下に、適切な膜厚及び磁化
方向の層を更に設けることで、1つの層による影響を打
ち消すことができる。この結果、磁気記録媒体から再生
される信号振幅を増大させ、且つ、実効粒子体積を増大
させることができる。従って、熱安定性の高い書き込ま
れたビットを実現することができる。
【0033】本発明は、磁性層を他の強磁性層と逆の磁
化方向で交換結合させるか、或いは、積層フェリ磁性構
造を用いることにより、書き込まれたビットの熱安定性
を向上させる。強磁性層又は積層フェリ磁性構造は、交
換−減結合された粒子からなる磁性層からなる。つま
り、本発明は、磁気記録媒体の熱安定性の性能を向上さ
せるために、交換ピニング強磁性層又はフェリ磁性多層
構造を用いる。
【0034】図1は、本発明になる磁気記録媒体の第1
実施例の要部を示す断面図である。磁気記録媒体は、非
磁性基板1、第1のシード層2、NiP層3、第2のシ
ード層4、下地層5、非磁性中間層6、強磁性層7、非
磁性結合層8、磁性層9、保護層10及び潤滑層11
が、図1に示すようにこの順序で積層された構造を有す
る。
【0035】例えば、非磁性基板1は、Al、Al合金
又はガラスからなる。この非磁性基板1は、テクスチャ
処理を施されていても、施されていなくても良い。第1
のシード層2は、特に非磁性基板1がガラスからなる場
合には、例えばNiPからなる。NiP層3は、テクス
チャ処理又は酸化処理を施されていても、施されていな
くても良い。第2のシード層4は、下地層5にNiA
l、FeAl等のB2構造の合金を用いた場合の下地層
5の(001)面又は(112)面の配向を良好にする
ために設けられている。第2のシード層4は、第1のシ
ード層2と同様な適切な材料からなる。
【0036】磁気記録媒体が磁気ディスクの場合、非磁
性基板1又はNiP層3に施されるテクスチャ処理は、
ディスクの周方向、即ち、ディスク上のトラックが延在
する方向に沿って行われる。
【0037】非磁性中間層6は、磁性層9のエピタキシ
ャル成長、粒子分布幅の減少、及び磁気記録媒体の記録
面と平行な面に沿った磁性層9の異方性軸(磁化容易
軸)の配向を促進するために設けられている。この非磁
性中間層6は、CoCr−M等のhcp構造を有する合
金からなり、1〜5nmの範囲に選定された膜厚を有す
る。ここで、M=B、Mo、Nb、Ta、W、Cu又は
これらの合金である。
【0038】強磁性層7は、Co、Ni、Fe、Co系
合金、Ni系合金、Fe系合金等からなる。つまり、C
oCrTa、CoCrPt、CoCrPt- Mを含むC
o系合金を、強磁性層7に用いることができる。ここ
で、M=B、Mo、Nb、Ta、W、Cu又はこれらの
合金である。この強磁性層7は、2〜10nmの範囲に
選定された膜厚を有する。非磁性結合層8は、Ru、R
h、Ir、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金等から
なる。例えば、この非磁性結合層8は、0.4〜1.0
nmの範囲に選定された膜厚を有し、好ましくは約0.
8nmの膜厚を有する。非磁性結合層8の膜厚をこのよ
うな範囲に選定することにより、強磁性層7及び磁性層
9の磁化方向が互いに反平行となる。強磁性層7及び非
磁性結合層8は、交換層構造を構成する。
【0039】磁性層9は、Co又はCoCrTa、Co
CrPt、CoCrPt- Mを含むCo系合金等からな
る。ここで、M=B,Mo,Nb,Ta,W、Cu又は
これらの合金である。磁性層9は、5〜30nmの範囲
に選定された膜厚を有する。勿論、磁性層9は、単一層
構造のものに限定されず、多層構造からなる構成であっ
ても良いことは、言うまでもない。
【0040】保護層10は、例えばCからなる。又、潤
滑層11は、磁気記録媒体を例えばスピンバルブヘッド
等の磁気トランスデューサと使用するための、有機物潤
滑剤からなる。保護層10及び潤滑層11は、磁気記録
媒体上の保護層構造を構成する。
【0041】交換層構造の下に設けられる層構造は、勿
論図1に示すものに限定されない。例えば、下地層5
は、Cr又はCr系合金からなり、基板1上に5〜40
nmの範囲に選定された膜厚に形成し、交換層構造は、
このような下地層5上に設けても良い。
【0042】次に、本発明になる磁気記録媒体の第2実
施例を説明する。
【0043】図2は、本発明になる磁気記録媒体の第2
実施例の要部を示す断面図である。同図中、図1と同一
部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0044】この磁気記録媒体の第2実施例では、交換
層構造が、フェリ磁性多層構造を構成する、2つの非磁
性結合層8,8- 1及び2つの強磁性層7,7- 1から
なる。このような構造を用いることにより、2つの非磁
性結合層8,8- 1の磁化は、磁性層9の一部を打ち消
すことなく、互いに打ち消し合うので、実効磁化及び信
号を増大することが可能となる。この結果、磁性層9の
粒子体積及び磁化の熱安定性が効果的に増大される。記
録層の磁化容易軸の配向が好ましく保たれる限り、強磁
性層と非磁性層の対からなる追加される2層構造によ
り、実効的な粒子体積の増大を図ることができる。
【0045】強磁性層7- 1は、強磁性層7と同様の材
料からなり、膜厚も強磁性層7と同様の範囲に選定され
る。又、非磁性結合層8- 1は、非磁性結合層8と同様
の材料からなり、膜厚も非磁性結合層8と同様の範囲に
選定される。強磁性層7,7-1間では、c軸は実質的
に面内方向に沿っており、粒子は柱状に成長する。
【0046】本実施例では、強磁性層7- 1の磁気異方
性は、強磁性層7の磁気異方性より強く設定されてい
る。しかし、強磁性層7−1の磁気異方性は、磁性層9
の磁気異方性より強く、又は、同じに設定されていても
良い。
【0047】又、強磁性層7の残留磁化と膜厚との積
は、強磁性層7- 1の残留磁化と膜厚との積より小さく
設定されている。
【0048】図3は、Si基板上に形成された膜厚10
nmの単一のCoPt層の面内磁気特性を示す図であ
る。図3中、縦軸は磁化(emu)、横軸は保磁力(O
e)を示す。従来の磁気記録媒体は、図3に示す如き特
性を示す。
【0049】図4は、上記記録媒体の第1実施例の如
く、膜厚が0. 8nmのRu層で分離された2つのCo
Pt層の面内磁気特性を示す図である。図4中、縦軸は
残留磁化(Gauss)、横軸は保磁力(Oe)を示
す。図4からもわかるように、ループは保磁力近傍でシ
フトを生じ、反強磁性結合が発生していることがわか
る。図5は、膜厚が1. 4nmのRu層で分離された2
つのCoPt層の面内磁気特性を示す図である。図5
中、縦軸は残留磁化(emu)、横軸は保磁力(Oe)
を示す。図5からもわかるように、2つのCoPt層の
磁化方向は平行である。図6は、上記第2実施例の如
く、膜厚が0. 8nmのRu層で分離された2つのCo
CrPt層の面内磁気特性を示す図である。図6中、縦
軸は残留磁化(emu/ cc)、横軸は保磁力(Oe)
を示す。図6からもわかるように、ループは保磁力近傍
でシフトを生じ、反強磁性結合が発生していることがわ
かる。
【0050】図3及び図4より、交換層構造を設けるこ
とにより、反平行結合を得られることがわかる。又、図
5を、図4及び図6と比較することでわかるように、非
磁性結合層8の膜厚は、反平行結合を得るためには、好
ましくは0. 4〜0. 9nmの範囲に選定される。
【0051】従って、磁気記録媒体の第1及び第2実施
例によれば、磁性層と強磁性層との間の非磁性結合層を
介した交換結合により、解像度を犠牲にすることなく、
実効粒子体積を増大させることができる。つまり、熱安
定性の良い媒体を実現できるように、粒子体積から見る
と、磁性層の見かけ上の膜厚を増加させることができ
る。又、実際の磁性層の膜厚は増加しないので、磁性層
の増加した見かけ上の膜厚により、解像度が影響される
ことはない。この結果、媒体ノイズが低減され、且つ、
熱安定性の向上された磁気記録媒体を得ることができ
る。
【0052】次に、本発明の第3実施例を示す。本発明
になる第3実施例は前述の第1、第2実施例において説
明した強磁性層及び磁性層の内の少なくとも一方に、グ
ラニュラー膜を採用した構造を有する。本実施例で用い
るグラニュラー膜は非磁性母材中に強磁性結晶粒子を均
一に分散させているので、磁性粒子の孤立化がより実現
されている。よって、交換層構造により熱安定性を向上
させつつ、さらなる低ノイズ化が可能である。
【0053】強磁性層及び磁性層の両層をグラニュラー
膜で形成した場合には、その間に設けられたRu等から
なる非磁性結合層の膜厚を所定膜厚とすると、グラニュ
ラー膜の磁化方向を互いに平行又は反平行とすることが
できる点は上記第1、第2実施例と同様である。この結
果、実効体積を増大させることができ、熱安定性の高い
書き込まれたビットを実現することができ、合わせてノ
イズ低減性が向上する。
【0054】なお、強磁性層及び磁性層の両層共にグラ
ニュラー膜を用いることは必須ではなく、いずれか一方
に用いてもよい。いずれか一方にグラニュラー膜を用い
るときには記録層となる磁性層側に用いることが奨励さ
れる。
【0055】本実施例では、グラニュラー膜を他のグラ
ニュラー膜或いはCoCr系の磁性材料と逆の磁化向き
(反平行)に磁気的に交換結合させることにより、書き
込まれたビットの熱安定怯を向上させる。つまり、本実
施例は、磁気記録媒体の熱安定性の性能を向上させるた
めに交換ピニング構造を備え、さらに低ノイズ化させる
ためにグラニュラー膜を備えた構成となっている。
【0056】図7は、本発明になる磁気記録媒体の第3
実施例の要部を示す断面図である。磁気記録媒体は、非
磁性基板101、第1のシード層102、NiP層10
3、第2のシード層104、下地層105、非磁性中間
層106、強磁性層107、非磁性結合層108、磁性
層109、保護層110及び潤滑層111が、図7に示
すようにこの順序で積層された構造を有する。
【0057】例えば、非磁性基板101は、Al、Al
合金又はガラスからなる。この非磁性基板101は、テ
クスチャ処理が施されていても、施されていなくてもよ
い。第1のシード層102は、特に非磁性基板101が
ガラスからなる場合には、例えばNiPからなる。Ni
P層103は、テクスチャ処理又は酸化処理が施されて
いても、施きれていなくてもよい。第2のシード層10
4は、下地層105にNiAl、FeAl等のB2構造
の合金を用いた場合の下地層105の(001)面又は
(112)面の配向を良好にするために設けられてい
る。第2のシード層104は、第1のシード層102と
同様な適切な材料からなる。
【0058】本磁気記録媒体が磁気ディスクの場合、非
磁性基板101又はNiP層103に施されるテクスチ
ャ処理は、ディスクの周方向、即ち、ディスク上のトラ
ックが延在する方向に沿って行われるのは前述実施例と
同様である。
【0059】非磁性中間層106は、磁性層109のエ
ピタキシャル成長、粒子分布幅の減少、及び磁気記録媒
体の記録面と平行な面に沿った磁性層109の異方性軸
(磁化容易軸)の配向を促進するために設けられている
が必須の層ではない。この非磁性中間層106は、Co
Cr−M等のhcp構造を有する合金からなり、1〜5
nmの範囲に選定された膜厚を有する。ここで、M=
B、Mo、Nb、Ta、W、Cu又はこれらの合金であ
る。
【0060】前記強磁性層107は、Co、Ni、F
e、Ni系合金、Fe系合金、CoCrTa、CoCr
Pt、及びCoCrPt−Mを含むCo系合金からなる
グル−プから選択された材料等からなる強磁性結晶粒子
を、SiO、A1等のセラミック材料、もしく
はNiOなどの酸化物等からなる非磁性母材中に分散さ
せたグラニュラー膜を用いてもよいし、従来のようにC
oCr系の磁性材料を用いてもよい。
【0061】グラニュラー膜は磁性層109に優先的に
用いることが奨励され、強磁性層107にはCoCr系
の磁性材料を用いてもよい。非磁性結合層108による
交換結合作用により、ノイズ低減に主に寄与するのは最
上段の磁性層109だからである。
【0062】前記強磁性層107及び磁性層109は、
単一層構造のものに限定されず、多層構造からなる構成
であってもよいことは言うまでもない。
【0063】前記非磁性結合層108は、Ru、Rh、
Ir、Ru系合金、Rh系合金、及びIr系合金からな
るグループから選択された材料が好ましい。この非磁性
結合層108に、例えば特開平10−149526号公
報に記載されるグラニュラー膜に用いるセラミック材料
SiO2、Al2O3等、或いは酸化物材料NiO等を
添加してもよい。このようにセラミックス等を添加する
ことで非磁性結合層108と磁性層109のエピタキシ
ャル成長が促進されるので更にS/Nを向上させること
ができる。
【0064】前記保護層110及び潤滑層111は、前
記第1、第2実施例と同様に形成することができる。
【0065】上記グラニュラー膜を有する交換層構造は
1層に限定されるものではなく、第2実施例に示される
構造に順じて第1、第2の交換層構造としてもよい。こ
の場合には、第2の交換層構造のグラニュラー膜の磁気
異方性は第1の交換層構造のグラニュラー膜の磁気異方
性より弱く設定することが推奨される。また、第2の交
換層構造のグラニュラー膜の残留磁化と膜厚との積は、
第1の交換層構造のグラニュラー膜の残留磁化と膜厚と
の積より小さく設定することが推奨される。
【0066】次に、本発明になる磁気記憶装置の一実施
例を、図8及び図9と共に説明する。図8は、磁気記憶
装置の一実施例の要部を示す断面図であり、図9は、磁
気記憶装置の一実施例の要部を示す平面図である。
【0067】図8及び図9に示すように、磁気記憶装置
は大略ハウジング13からなる。ハウジング13内に
は、モータ14、ハブ15、複数の磁気記録媒体16、
複数の記録再生ヘッド17、複数のサスペンション1
8、複数のアーム19及びアクチュエータユニット20
が設けられている。磁気記録媒体16は、モータ14に
より回転されるハブ15に取り付けられている。記録再
生ヘッド17は、MRヘッドやGMRヘッド等の再生ヘ
ッドと、インダクティブヘッド等の記録ヘッドとからな
る。各記録再生ヘッド17は、対応するアーム19の先
端にサスペンション18を介して取り付けられている。
アーム19はアクチュエータユニット20により駆動さ
れる。この磁気記憶装置の基本構成自体は周知であり、
その詳細な説明は本明細書では省略する。
【0068】磁気記憶装置の本実施例は、磁気記録媒体
16に特徴がある。各磁気記録媒体16は、図1、図2
及び図7と共に説明した、上記磁気記録媒体の第1実施
例から第3実施例の構造を有する。勿論、磁気記録媒体
16の数は3枚に限定されず、1枚でも、2枚又は4枚
以上であっても良い。
【0069】磁気記憶装置の基本構成は、図8及び図9
に示すものに限定されるものではない。又、本発明で用
いる磁気記録媒体は、磁気ディスクに限定されない。
【0070】以上、本発明を実施例により説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の
変形及び改良が可能であることは、言うまでもない。
【0071】なお、前述した発明に関して、さらに以下
の付記を示す。
【0072】(付記1) 少なくとも1つの交換層構造
と該交換層構造上に設けられた磁性層を備え、該交換層
構造は強磁性層と該強磁性層上に設けられた非磁性結合
層を含む磁気記録媒体であって、前記強磁性層及び磁性
層の少なくとも一方は、強磁性結晶粒子が非磁性母材中
に一様に分散したグラニュラー膜で形成されている、磁
気記録媒体。
【0073】(付記2) 前記強磁性結晶粒子は、C
o、Ni、Fe、Ni系合金、Fe系合金、CoCrT
a、CoCrPt及びCoCrPt−Mを含むCo系合
金からなるグル−プから選択された材料からなり、M=
B、Mo、Nb、Ta、W、Cuであることを特徴とす
る付記1記載の磁気記録媒体。
【0074】(付記3) 前記非磁性母材は、セラミッ
ク材料又は酸化物からなることを特徴とする付記1又は
2記載の磁気記録媒体。
【0075】(付記4) 付記1から3のいずれかに記
載の磁気記録媒体において、前記非磁性結合層は、R
u、Rh、Ir、Ru系合金、Rh系合金及びIr系合
金からなるグループから選択された材料からなることを
特徴とする付記1から3のいずれかに記載の磁気記録媒
体。
【0076】(付記5) 前記強磁性層の磁化方向と前
記磁性層の磁化方向とは互いに反平行であることを特徴
とする付記1から4のいずれかに記載の磁気記録媒体。
【0077】(付記6) 前記非磁性結合層はRu、R
h、Ir、Ru系合金、Rh系合金及びIr系合金から
なるグループから選択された材料で形成され、0.4か
ら1.0nmの範囲内で選定された膜厚を有することを
特徴とする付記5記載の磁気記録媒体。
【0078】(付記7) 前記強磁性層の磁化方向と前
記磁性層の磁化方向とは互いに平行であることを特徴と
する付記1から4のいずれかに記載の磁気記録媒体。
【0079】(付記8) 前記非磁性結合層はRu、R
h、Ir、Ru系合金、Rh系合金及びIr系合金から
なるグループから選択された材料で形成され、0.2か
ら0.4nm及び1.0から1.7nmの範囲から選定
された膜厚を有することを特徴とする付記7記載の磁気
記録媒体。
【0080】(付記9) 前記非磁性結合層に、セラミ
ック材料又は酸化物を添加することを特徴とする付記1
から8のいずれかに記載の磁気記録媒体。
【0081】(付記10) 基板の上方に設けられた下
地層と、該下地層上にグラニュラー膜で形成した強磁性
層と、該下地層と強磁性層との間に設けられた非磁性中
間層を更に備え、該非磁性中間層は、CoCr−Mから
なるグループから選択されたhcp構造の合金からな
り、1〜5nmの範囲で選定された膜厚を有し、M=
B、Mo、Nb、Ta、W、Cu又はこれらの合金であ
ることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の磁
気記録媒体。
【0082】(付記11) 前記基板と前記下地層との
間に設けられたNiP層を更に備え、前記NiP層はテ
クスチャ処理又は酸化処理が施されていることを特徴と
する付記1から10のいずれかに記載の磁気記録媒体。
【0083】(付記12) 前記下地層は、NiAl及
びFeAlからなるグループから選択されたB2構造を
有する合金からなることを特徴とする付記1から11の
いずれかに記載の磁気記録媒体。
【0084】(付記13) 付記1から12のいずれか
に記載の磁気記録媒体において、少なくとも第1の交換
層構造と該第1の交換層構造と該磁性層との間に設けら
れた第2の交換層構造を備え、前記第1の交換層構造及
び第2の交換層構造の強磁性層はグラニュラー膜で形成
され、前記第2の交換層構造のグラニュラー膜の磁気異
方性は該第1の交換層構造のグラニュラー膜の磁気異方
性より弱く、該第1及び第2の交換層構造のグラニュラ
ー膜は互いに磁化方向が反平行であることを特徴とする
磁気記録媒体。
【0085】(付記14) 付記1から12のいずれか
に記載の磁気記録媒体において、少なくとも第1の交換
層構造と該第1の交換層構造と該磁性層との間に設けら
れた第2の交換層構造を備え、前記第1の交換層構造及
び第2の交換層構造の強磁性層はグラニュラー膜で形成
され、前記第2の交換層構造のグラニュラー膜の残留磁
化と膜厚との積は、該第1の交換層構造のグラニュラー
膜の残留磁化と膜厚との積より小さく、該第1及び第2
の交換層構造のグラニュラー膜は互いに磁化方向が反平
行であることを特徴とする磁気記録媒体。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなよう
に、本発明によれば交換層構造を有すると共にグラニュ
ラー膜を用いているので、書き込まれたビットの熱安定
性を向上を図りつつ、更に媒体ノイズを低減し、磁気記
録媒体の性能に悪影響を及ぼすことなく信頼性の高い高
密度記録を行える磁気記録媒体を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる磁気記録媒体の第1実施例の要部
を示す断面図である。
【図2】本発明になる磁気記録媒体の第2実施例の要部
を示す断面図である。
【図3】Si基板上に形成された膜厚10nmの単一の
CoPt層の面内磁気特性を示す図である。
【図4】膜厚が0. 8nmのRu層で分離された2つの
CoPt層の面内磁気特性を示す図である。
【図5】膜厚が1. 4nmのRu層で分離された2つの
CoPt層の面内磁気特性を示す図である。
【図6】膜厚が0. 8nmのRu層で分離された2つの
CoCrPt層の面内磁気特性を示す図である。
【図7】本発明になる磁気記録媒体の第3実施例の要部
を示す断面図である。
【図8】本発明になる磁気記憶装置の一実施例の要部を
示す断面図である。
【図9】磁気記憶装置の一実施例の要部を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 第1のシード層 3 NiP層 4 第2のシード層 5 下地層 6 非磁性中間層 7、7- 1 強磁性層 8、8- 1 非磁性結合層 9 磁性層 10 保護層 11 潤滑層 13 ハウジング 16 磁気記録媒体 17 記録再生ヘッド 101 基板 102 第1のシード層 103 NiP層 104 第2のシード層 105 下地層 106 非磁性中間層 107 強磁性層 108 非磁性層結合層 109 磁性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/26 H01F 10/26 (72)発明者 ノエル アバラ 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 岡本 巌 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 溝下 義文 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 4J038 AA011 HA061 HA066 HA161 HA561 KA07 KA20 NA22 PB11 5D006 BB01 BB07 BB08 BB09 CA01 CA04 CA05 5E049 AA01 AA04 AA07 AA09 AC05 BA06 DB02 DB04 DB12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの交換層構造と該交換層
    構造上に設けられた磁性層を備え、該交換層構造は強磁
    性層と該強磁性層上に設けられた非磁性結合層を含む磁
    気記録媒体であって、 前記強磁性層及び磁性層の少なくとも一方は、強磁性結
    晶粒子が非磁性母材中に一様に分散したグラニュラー膜
    で形成されている、磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記強磁性結晶粒子は、Co、Ni、F
    e、Ni系合金、Fe系合金、CoCrTa、CoCr
    Pt及びCoCrPt−Mを含むCo系合金からなるグ
    ル−プから選択された材料からなり、M=B、Mo、N
    b、Ta、W、Cuであることを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記非磁性母材は、セラミック材料又は
    酸化物からなることを特徴とする請求項1又は2記載の
    磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記強磁性層の磁化方向と前記磁性層の
    磁化方向とは互いに反平行であることを特徴とする請求
    項1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記非磁性結合層はRu、Rh、Ir、
    Ru系合金、Rh系合金及びIr系合金からなるグルー
    プから選択された材料で形成され、0.4から1.0n
    mの範囲内で選定された膜厚を有することを特徴とする
    請求項4記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記強磁性層の磁化方向と前記磁性層の
    磁化方向とは互いに平行であることを特徴とする請求項
    1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記非磁性結合層はRu、Rh、Ir、
    Ru系合金、Rh系合金及びIr系合金からなるグルー
    プから選択された材料で形成され、0.2から0.4n
    m及び1.0から1.7nmの範囲から選定された膜厚
    を有することを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 前記非磁性結合層に、セラミック材料又
    は酸化物を添加することを特徴とする請求項1から7の
    いずれかに記載の磁気記録媒体。
JP2000107072A 1999-06-08 2000-04-07 磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP3476740B2 (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000107072A JP3476740B2 (ja) 1999-06-08 2000-04-07 磁気記録媒体
DE60014974T DE60014974T2 (de) 1999-06-08 2000-05-26 Magnetisches Aufzeichnungsmittel
DE60006186T DE60006186T2 (de) 1999-06-08 2000-05-26 Magnetaufzeichnungsmedium, Magnetspeichergerät, -aufzeichnungsmethode und Magnetaufzeichnungsmedium-Herstellungsverfahren
DE60013651T DE60013651T2 (de) 1999-06-08 2000-05-26 Magnetisches Aufzeichnungsmittel
EP00304517A EP1059629B1 (en) 1999-06-08 2000-05-26 Magnetic recording medium, magnetic storage apparatus, recording method and method of producing magnetic recording medium
EP02028936A EP1302931A1 (en) 1999-06-08 2000-05-26 Magnetic recording medium
EP02028937A EP1302932B1 (en) 1999-06-08 2000-05-26 Magnetic recording medium
EP02028938A EP1302933B1 (en) 1999-06-08 2000-05-26 Magnetic recording medium
US09/588,451 US6689495B1 (en) 1999-06-08 2000-06-06 Magnetic recording medium and magnetic storage apparatus
KR1020000031179A KR100630583B1 (ko) 1999-06-08 2000-06-07 자기 기록 매체
US10/308,119 US20030082410A1 (en) 1999-06-08 2002-12-02 Magnetic recording medium and magnetic storage apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-161329 1999-06-08
JP16132999 1999-06-08
JP2000107072A JP3476740B2 (ja) 1999-06-08 2000-04-07 磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001056922A true JP2001056922A (ja) 2001-02-27
JP3476740B2 JP3476740B2 (ja) 2003-12-10

Family

ID=26487497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000107072A Expired - Fee Related JP3476740B2 (ja) 1999-06-08 2000-04-07 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3476740B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6906877B2 (en) 2001-06-08 2005-06-14 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic transfer method for a high-density magnetic recording medium
US7054082B2 (en) 2001-06-08 2006-05-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic transfer method for a high-density magnetic recording medium
CN1329887C (zh) * 2004-03-25 2007-08-01 株式会社东芝 磁记录媒体、记录媒体的制造方法和磁记录装置
CN1333387C (zh) * 2004-03-25 2007-08-22 株式会社东芝 磁记录媒体、记录媒体的制造方法和磁记录装置
JP2007257679A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記憶装置
JP2008065879A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Fuji Electric Holdings Co Ltd 垂直磁気記録媒体
US7622204B2 (en) 2004-03-25 2009-11-24 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6906877B2 (en) 2001-06-08 2005-06-14 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic transfer method for a high-density magnetic recording medium
US7054082B2 (en) 2001-06-08 2006-05-30 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic transfer method for a high-density magnetic recording medium
CN1329887C (zh) * 2004-03-25 2007-08-01 株式会社东芝 磁记录媒体、记录媒体的制造方法和磁记录装置
CN1333387C (zh) * 2004-03-25 2007-08-22 株式会社东芝 磁记录媒体、记录媒体的制造方法和磁记录装置
US7416794B2 (en) 2004-03-25 2008-08-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording medium, method for manufacturing recording medium and magnetic recording apparatus
US7622204B2 (en) 2004-03-25 2009-11-24 Kabushiki Kaisha Toshiba Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus
JP2007257679A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Fujitsu Ltd 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記憶装置
JP2008065879A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Fuji Electric Holdings Co Ltd 垂直磁気記録媒体
JP4623594B2 (ja) * 2006-09-05 2011-02-02 富士電機ホールディングス株式会社 垂直磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3476740B2 (ja) 2003-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6602612B2 (en) Magnetic recording medium and magnetic storage apparatus
US6689495B1 (en) Magnetic recording medium and magnetic storage apparatus
EP1302933B1 (en) Magnetic recording medium
US7327528B2 (en) Magnetic recording medium and magnetic storage apparatus
US6645646B1 (en) Magnetic recording medium and magnetic storage apparatus
US6821652B1 (en) Magnetic recording medium and magnetic storage apparatus
JP3848079B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置
JP3421632B2 (ja) 磁気記録媒体、磁気記憶装置、記録方法及び磁気記録媒体の製造方法
JP3848072B2 (ja) 磁気記録媒体及びこれを用いた磁気記憶装置
US6753101B1 (en) Magnetic recording medium, magnetic storage apparatus, recording method and method of producing magnetic recording medium
JP3476740B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3476739B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3476741B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置
EP1359570A1 (en) Magnetic recording medium and magnetic storage device
JP3679095B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
EP1598813A1 (en) Magnetic recording medium and magnetic storage apparatus
JP2005228476A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記憶装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030916

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080926

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080926

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090926

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090926

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100926

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100926

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees