JP2001054565A - 骨の欠損部等への充填材 - Google Patents
骨の欠損部等への充填材Info
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Abstract
とが容易で、更に骨形成能を促進し、骨に吸収置換され
る。 【解決手段】 生体内における適合性及び周囲の骨形成
が良好な水酸アパタイト等からなる第1無機化合物11
と生体内において毒性がなくかつ高い吸収性を有するピ
ロリン酸カルシウム等からなる第2無機化合物12とを
含み、その含有割合が第2無機化合物100体積%に対
して第1無機化合物1〜10000体積%である。第1
無機化合物が第2無機化合物内に分散するか、又は第1
無機化合物の粒子間の接触部に第2無機化合物が存在す
るか、又は第1無機化合物の粒子内に第2無機化合物が
存在する。
Description
骨の欠損部又は空隙部に充填して当該箇所を修復するた
めに用いられる充填材に関するものである。
分野で骨に欠損部等が生じた場合、高分子やセラミック
ス等種々の材料を用いた骨充填材が使用されている。セ
ラミックス材料のうち、アパタイトは生体適合性に優
れ、充填材の周囲に新生骨を形成し得る性質を有してい
る。
にわたり生体内に残存し、本来の骨とは物性等の異なる
ものとして存在する。従って、加工が容易に出来、充填
した材料が骨に吸収置換され得る充填材が望まれてい
る。一方、生体内で吸収性を有する高分子材料のポリ乳
酸(以下、PLAという。)が開発されている。しかし
このPLAは骨形成能に乏しいため、PLAに骨形成能
を有する骨形成蛋白を含ませることや、PLAにリン酸
カルシウムを混合する等の試みがなされている。しかし
前者の場合には、骨形成蛋白は極めて高価であるため、
この複合材料は実用的でない。また後者の場合には、P
LAの配合割合が高くなるほど骨形成能が低下すること
から問題がある。
合材料を作製するために、PLAを加熱変形させる方
法、PLAを溶媒等に溶解させこれにリン酸カルシウム
を添加する方法があるが、前者の方法では加熱によりP
LAの重合度が低くなり生体内において炎症性反応が生
じるおそれがある。また、後者の方法ではリン酸カルシ
ウムは有機質を吸着する性質があり使用した溶媒が複合
材に残存し、これが生体に悪影響を及ぼすおそれが高
く、それぞれに問題がある。
の形状に加工することが容易で、更に骨形成能を促進
し、骨に吸収置換し得る骨の欠損部等への充填材を提供
することにある。本発明の別の目的は、安価で実用的で
あって、充填した後、生体に悪影響を及さず、骨の欠損
部等への充填材を提供することにある。本発明の更に別
の目的は、溶出する化合物が新生骨形成に利用可能な成
分を有する骨の欠損部等への充填材を提供することにあ
る。
図1に示すように生体内における適合性及び周囲の骨形
成が良好な第1無機化合物11と生体内において毒性が
なくかつ高い吸収性を有する第2無機化合物12とを含
み、その含有割合が第2無機化合物100体積%に対し
て第1無機化合物1〜10000体積%であることを特
徴とする骨の欠損部等への充填材である。請求項2に係
る発明は、請求項1に係る発明であって、第1無機化合
物11が第2無機化合物12内に分散してなる骨の欠損
部等への充填材である。請求項3に係る発明は、請求項
1に係る発明であって、第1無機化合物11の粒子間の
接触部に第2無機化合物12が存在してなる骨の欠損部
等への充填材である。
明であって、第1無機化合物11の粒子内に第2無機化
合物12が存在してなる骨の欠損部等への充填材であ
る。この請求項1ないし4に係る発明では、充填材10
を骨欠損部14等へ充填すると、生体内において高い吸
収性を有する第2無機化合物12が生体内に溶出すると
ともに、生体内において低い吸収性を有する第1無機化
合物11は骨欠損部14内に残存し、その第1無機化合
物11周囲に骨13を形成しつつ、一部が生体内で溶解
するとともに生体内のマクロファージ及び破骨細胞に取
り込まれるか、若しくはこれらにより溶解され消失し、
徐々に骨13に吸収置換される。第1無機化合物11の
周囲に存在する第2無機化合物12が消失した後の粒径
は200μmを越えるとマクロファージ及び破骨細胞に
より取り込みが困難となり骨欠損部14内に残存する可
能性が高く、吸収置換の点から好ましくない。
いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。図1(b)に示すように本発明の充填材10は第
2無機化合物12の粉末又は顆粒に第1無機化合物11
の粉末又は顆粒が分散して構成され、多孔質の形状を有
する。第1無機化合物は第2無機化合物100体積%に
対して1〜10000体積%分散する。好ましくは5〜
5000体積%分散する。この下限値未満では新生骨の
形成が不十分であり、上限値を越えると骨13との吸収
置換においての不具合がある。第1無機化合物11は第
2無機化合物12より高い骨形成能を有し、第2無機化
合物12は第1無機化合物11より生体内において高い
吸収性を有する。
ち、第1無機化合物11は水酸アパタイト、水酸炭酸ア
パタイト、リン酸三カルシウム及びリン酸四カルシウム
等の骨形成能が高い化合物が挙げられる。これらの化合
物は第1無機化合物11中に1種又は2種以上含まれ
る。特に水酸アパタイト、水酸炭酸アパタイト及びリン
酸三カルシウムが骨形成に優れており好ましい。また、
第2無機化合物12はピロリン酸カルシウム、リン酸水
素カルシウム、炭酸カルシウム及び硫酸カルシウム等の
生体内において高い吸収性を有する化合物が挙げられ
る。これらの化合物は第2無機化合物12中に1種又は
2種以上含まれる。特にピロリン酸カルシウム、リン酸
水素カルシウム及び炭酸カルシウムはこれらが溶解して
できる無機イオンが生体内に存在するイオンでかつ骨の
形成に利用できる性質であるため好ましい。
とを混合する具体的な方法としては、カルシウムイオン
を含む化合物を水に懸濁し、この懸濁液にリン酸を添加
する方法、リン酸カルシウムに希釈したリン酸水溶液を
含ませる方法及びリン酸カルシウム顆粒を水で練った硫
酸カルシウムと混合する方法等がある。加工性を良好に
するには充填材10は多孔質にすることが好ましい。こ
の多孔質を有する充填材10を製造するときには、まず
第1無機化合物11と第2無機化合物12を混合、微粉
砕し、水を加えてスラリーとする。このスラリーを一定
容器に注入し、発泡材としてH2O2等の発泡源を加えス
ラリーを発泡させる。発泡させたスラリーを乾燥させ、
その後焼成して脱型する方法により製造できる。充填材
10を多孔質にすることにより所望の形状に加工するこ
とが容易で、施術中でも形状の補正を行うことができ
る。
では充填材10は多数の小さなブロック体10aからな
り、これらのブロック体10aを骨13の欠損部14の
形状に合うように詰め込んで充填する。充填材10の各
ブロック体10a間にできる隙間とブロック体10a内
の孔は新生骨17(図2)を形成する初期の骨細胞等が
入り込むための連通孔16となる。充填後、充填材10
中の第2無機化合物12は時間の経過とともに生体内へ
溶出する。この第2無機化合物12が溶け出すといまま
で第2無機化合物12があった部分も新たに連通孔16
となり、図2に示すようにこれらの連通孔16内にも骨
細胞等が入り込み、新生骨17が形成される。
化合物11は、図示しないが新生骨17が形成される過
程で新生骨を形成するとともに徐々に生体内のマクロフ
ァージ及び破骨細胞に取り込まれ、若しくは溶解され消
失し、骨13に吸収置換される。なお、上記実施の形態
では図1(a)に示すように骨欠損部14に多数のブロ
ック体10aを詰め込んだ例を説明したが、充填材10
を多孔体とし、充填前に骨欠損部14に相応した形状に
加工し、それをはめ込んでもよい。また、上記実施の形
態では充填材10を粒状として骨欠損部14に充填して
もよい。この場合、充填材10が骨欠損部14内から流
出するおそれがあるが骨欠損部14を骨膜18及び図示
しない骨膜や筋肉等で覆うことにより防止することがで
きる。
示すように第1無機化合物が第2無機化合物内に分散す
る例を説明したが、図3(a)に示すように、第1無機
化合物の粒子間の接触部に第2無機化合物が配置して構
成される形態でもよい。更に、図3(b)に示すように
第1無機化合物の粒子内に第2無機化合物が配置して構
成される形態でもよい。
体内において吸収性の異なる2種以上の無機化合物から
なり、粉末又は顆粒の第1無機化合物が粉末又は顆粒の
第2無機化合物内に分散するか、又は粉末又は顆粒の第
1無機化合物の粒子間の接触部に粉末又は顆粒の第2無
機化合物が配置して構成されるか、又は粉末又は顆粒の
第1無機化合物の粒子内に粉末又は顆粒の第2無機化合
物が配置して構成されるため、骨欠損部等に充填した
後、まず生体内において高い吸収性を有する第2無機化
合物が溶け出し、残った第1無機化合物は骨形成能を促
進させる。その後、第1無機化合物は細分化され、細分
化された第1無機化合物は、ミクロファージや破骨細胞
により取り込まれ、若しくは溶解され徐々に消失する。
この結果、充填材が全て骨と吸収置換されるので生体適
合性に優れ、本来の骨組織が骨欠損部に形成され骨欠損
部の物性を骨欠損前の物性と同一になるまで回復し得る
効果を奏する。
状態の模式図。 (b) 図1(a)A部の拡大図。
に残っている状態の模式図。 (b) 図2(a)A部の拡大図。
と第2無機化合物の別の形態を示す模式図。 (b) 本実施の形態における第1無機化合物と第2無
機化合物の更に別の形態を示す模式図。
Claims (5)
- 【請求項1】 生体内における適合性及び周囲の骨形成
が良好な第1無機化合物(11)と生体内において毒性がな
くかつ高い吸収性を有する第2無機化合物(12)とを含
み、その含有割合が第2無機化合物100体積%に対し
て第1無機化合物1〜10000体積%であることを特
徴とする骨の欠損部等への充填材。 - 【請求項2】 第1無機化合物(11)が第2無機化合物(1
2)内に分散してなる請求項1記載の骨の欠損部等への充
填材。 - 【請求項3】 第1無機化合物(11)の粒子間の接触部に
第2無機化合物(12)が存在してなる請求項1記載の骨の
欠損部等への充填材。 - 【請求項4】 第1無機化合物(11)の粒子内に第2無機
化合物(12)が存在してなる請求項1記載の骨の欠損部等
への充填材。 - 【請求項5】 第1無機化合物(11)が水酸アパタイト、
水酸炭酸アパタイト、リン酸三カルシウム及びリン酸四
カルシウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の
化合物であり、第2無機化合物(12)がピロリン酸カルシ
ウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム及び硫酸
カルシウムからなる群より選ばれた1種又は2種以上の
化合物である請求項1ないし4いずれか記載の骨の欠損
部等への充填材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11233393A JP2001054565A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | 骨の欠損部等への充填材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11233393A JP2001054565A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | 骨の欠損部等への充填材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001054565A true JP2001054565A (ja) | 2001-02-27 |
Family
ID=16954394
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11233393A Withdrawn JP2001054565A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | 骨の欠損部等への充填材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001054565A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007528234A (ja) * | 2003-06-26 | 2007-10-11 | クラサン アーゲー | 骨形成剤および製造方法 |
JP2015531263A (ja) * | 2012-09-06 | 2015-11-02 | シンセス・ゲーエムベーハーSynthes GmbH | 三次元足場を形成するための生体吸収性セミラック組成物 |
-
1999
- 1999-08-20 JP JP11233393A patent/JP2001054565A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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