JP2001051260A - 反射型液晶表示素子 - Google Patents

反射型液晶表示素子

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JP2001051260A
JP2001051260A JP11215931A JP21593199A JP2001051260A JP 2001051260 A JP2001051260 A JP 2001051260A JP 11215931 A JP11215931 A JP 11215931A JP 21593199 A JP21593199 A JP 21593199A JP 2001051260 A JP2001051260 A JP 2001051260A
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liquid crystal
polymer
crystal layer
dispersed
layer
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JP11215931A
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Inventor
Hiroshi Kubota
浩史 久保田
Kenji Nakao
健次 中尾
Tsuyoshi Kamimura
強 上村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高輝度と高コントラストを実現し、表示品位
に優れた反射型の高分子分散型液晶表示素子を提供す
る。 【解決手段】 高分子111中に液晶滴112が分散さ
れた高分子分散型液晶層104と反射画素電極105を
有する反射型の高分子分散型液晶表示素子において、高
分子分散型液晶層104の厚みをd(μm)、高分子分
散型液晶層104の散乱ゲインをSGとした場合に、5
0exp(−0.4d)< SG < 360exp
(−0.47d)が成立つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高輝度、高コント
ラストな反射型ディスプレイ等に好適に実施することが
できる反射型の高分子分散型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子化合物と液晶組成物を非相
溶状態に分散させた高分子分散型の液晶パネルが注目さ
れている。高分子分散型パネルは、散乱モードを表示に
用いるため、偏光板が不要で高輝度の表示が容易に得ら
れるという特徴がある(S.Shikama et.al,Society for
information Display'95,PaGe 231-234)。
【0003】このような高分子分散型パネルを反射型デ
ィスプレイに適用する例が、特開平8−43849号公
報(以下、第1従来例と称する。)及び特開平7−49
50号公報(以下、第2従来例と称する。)に開示され
ている。
【0004】第1従来例は、液晶パネル背後に光吸収層
としての黒色吸収板を設け、ノーマリブラックモードで
駆動を行うことを特徴とするものである。
【0005】第2従来例は、反射板を鏡面とし、液晶と
複屈折を有する高分子とがパネル内部で互いに配向した
リバースモードの高分子分散層を用いて反射型パネルを
作成したことを特徴とするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記第1従来例では、
背後に黒色吸収板を設ける構成のため、散乱状態におい
て表示面側で吸収板の黒色がうってしまい白輝度が低く
なる課題があった。また、第2従来例では、液晶分率が
かなり大きいため、高分子のネットワーク構造が脆弱で
ヒステリシス等の表示不良が起こりやすいという課題が
あった。
【0007】本発明は、上記課題を解決し、液晶分率を
大きくすることなく、高コントラスト、高輝度の高分子
分散型液晶を使用した反射型液晶素子を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、鋭意研究開発した結果、ノーマリホワイト
モードの反射型の高分子分散型液晶表示素子の電圧・反
射率特性においてピーク値が存在することを見出した
(図3参照)。従って、このピーク値を白輝度とするこ
とで、高輝度化と高コントラスト化を図ることができ
る。
【0009】更に、このピーク値が高分子分散型液晶層
の散乱ゲインと相関関係にあり、より大きなピーク値を
得るためには最適な散乱ゲインの範囲があることを見出
した(図5参照)。更に、散乱ゲインはパネルギャッ
プ、液晶滴の粒径、及び液晶の屈折率異方性の大きさに
より決定されるものであるから、これらパネルギャッ
プ、液晶滴の粒径、及び液晶の屈折率異方性についても
最適値が存在することが認められる。そこで、最適な散
乱ゲインの範囲を得るためのパネルギャップ、液晶滴の
粒径、及び液晶の屈折率異方性の範囲を見出した。
【0010】本発明は、上記の現象及び事実に基づき完
成したものである。具体的な構成は、以下の通りであ
る。請求項1の発明は、一対の基板間に、高分子中に液
晶滴が分散された高分子分散型液晶層が配置され、前記
一対の基板のうち一方の基板に反射層が形成され、前記
高分子分散型液晶層間に電界を印加して、高分子分散型
液晶層の光散乱状態を変化させて表示を行なう反射型液
晶表示素子において、前記高分子分散型液晶層の厚みに
応じて、前記高分子分散型液晶層の散乱ゲインが設定さ
れていることを特徴とする。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
であって、前記散乱ゲインが、前記高分子分散型液晶層
を透過型パネルに形成した場合の透過光に対する散乱ゲ
インであることを特徴とする。
【0012】また、請求項3の発明は、請求項1の発明
であって、前記高分子分散型液晶層の厚みdが、3μm
以上、8μm以下であることを特徴とする。
【0013】また、請求項4の発明は、請求項1の発明
であって、前記高分子分散型液晶層の厚みに応じて、前
記高分子分散型液晶層における液晶滴の粒径が設定され
ていることを特徴とする。
【0014】また、請求項5の発明は、一対の基板間
に、高分子中に液晶滴が分散された高分子分散型液晶層
が配置され、前記一対の基板のうち一方の基板に反射層
が形成され、前記高分子分散型液晶層間に電界を印加し
て、高分子分散型液晶層の光散乱状態を変化させて表示
を行なう反射型液晶表示素子において、前記高分子分散
型液晶層に含まれる液晶の屈折率異方性の大きさに応じ
て、前記高分子分散型液晶層の散乱ゲインが設定されて
いることを特徴とする。
【0015】また、請求項6の発明は、請求項5の発明
であって、前記液晶の屈折率異方性の大きさに応じて、
前記高分子分散型液晶層における液晶滴の粒径が設定さ
れていることを特徴とする。
【0016】また、請求項7の発明は、一対の基板間
に、高分子中に液晶滴が分散された高分子分散型液晶層
が配置され、前記一対の基板のうち一方の基板に反射層
が形成され、前記高分子分散型液晶層間に電界を印加し
て、高分子分散型液晶層の光散乱状態を変化させて表示
を行なう反射型液晶表示素子において、前記高分子分散
型液晶層の厚みと、前記高分子分散型液晶層に含まれる
液晶の屈折率異方性の大きさに応じて、前記高分子分散
型液晶層の散乱ゲインが設定されていることを特徴とす
る。
【0017】また、請求項8の発明は、一対の基板間
に、高分子中に液晶滴が分散された高分子分散型液晶層
が配置され、前記一対の基板のうち一方の基板に反射層
が形成され、前記高分子分散型液晶層間に電界を印加し
て、高分子分散型液晶層の光散乱状態を変化させて表示
を行なう反射型液晶表示素子において、前記高分子分散
型液晶層の厚みをd(μm)、前記高分子分散型液晶層
の散乱ゲインをSGとした場合に、 50exp(−0.4d)< SG < 360exp
(−0.47d) が成立つことを特徴とする。
【0018】また、請求項9の発明は、請求項8の発明
であって、前記散乱ゲインが、前記高分子分散型液晶層
を透過型パネルに形成した場合の透過光に対する散乱ゲ
インであることを特徴とする。
【0019】また、請求項10の発明は、請求項8の発
明であって、前記高分子分散型液晶層の厚みdが、3μ
m以上、8μm以下であることを特徴とする。
【0020】また、請求項11の発明は、請求項8の発
明であって、前記液晶層の散乱ゲインが、10以上、2
00以下であることを特徴とする。
【0021】また、請求項12の発明は、請求項11の
発明であって、前記液晶層の散乱ゲインが、液晶表示装
置の使用温度範囲内で、10以上、200以下であるこ
とを特徴とする。
【0022】また、請求項13の発明は、一対の基板間
に、高分子中に液晶滴が分散された高分子分散型液晶層
が配置され、前記一対の基板のうち一方の基板に反射層
が形成され、前記高分子分散型液晶層間に電界を印加し
て、高分子分散型液晶層の光散乱状態を変化させて表示
を行なう反射型液晶表示素子において、前記高分子分散
型液晶層の厚みをd(μm)、前記高分子分散型液晶層
の散乱ゲインをSGとした場合に、 50exp(−1.6Δn・d)< SG < 360
exp(−1.88Δn・d) が成立つことを特徴とする。
【0023】また、請求項14の発明は、請求項13の
発明であって、前記散乱ゲインが、前記高分子分散型液
晶層を透過型パネルに形成した場合の透過光に対する散
乱ゲインであることを特徴とする。
【0024】また、請求項15の発明は、請求項13の
発明であって、前記高分子分散型液晶層の厚みdが、3
μm以上、8μm以下であることを特徴とする。
【0025】また、請求項16の発明は、請求項13の
発明であって、前記液晶層の散乱ゲインが、10以上、
200以下であることを特徴とする。
【0026】また、請求項17の発明は、請求項16の
発明であって、前記液晶層の散乱ゲインが、液晶表示装
置の使用温度範囲内で、10以上、200以下であるこ
とを特徴とする。散乱ゲインとコントラストとの間に
は、図5に示す相関関係がある。この図5から明らかな
ように高分子分散型液晶層の厚み(パネルギャップに相
当する。)d毎に、最大コントラストとなる散乱ゲイン
が存在する。そこで、図5において、最大コントラスト
の70%以上の範囲を設定範囲とした場合に、図6に示
すパネルギャップdと散乱ゲインとの関係が得られる。
図6において、ラインP1は散乱ゲインの許容範囲の上
限を示し、ラインP3は散乱ゲインの許容範囲の下限を
示している。よって、このラインP1とラインP3との
範囲内で散乱ゲインを設定すれば、最大コントラストの
70%以上のコントラストが得られることになる。ここ
で、ラインP1はSG=360exp(−0.47d)
であり、ラインP3はSG=50exp(−0.4d)
である。よって、高分子分散型液晶層の散乱ゲインSG
が、 50exp(−0.4d)< SG < 360exp
(−0.47d) を満たすように作製しておけば、最大コントラストの7
0%以上のコントラストが得られ、高輝度及び高コント
ラストの反射型の高分子分散型液晶表示素子が実現され
る。
【0027】尚、「反射層」は、反射性を有する金属か
ら成る反射画素電極により反射層と電極を兼用した構成
であってもよく、また、画素電極として透明電極を使用
し、反射層は別途基板に形成するようにしてもよい。
【0028】また、高分子分散型液晶層の厚みdを規制
するのは、以下の理由による。厚みdが3μm未満であ
れば、均一に作ることが困難であり、厚みdが8μmを
超えると駆動電圧が大き過ぎることになるからである。
また、請求項18の発明は、一対の基板間に、高分子中
に液晶滴が分散された高分子分散型液晶層が配置され、
前記一対の基板のうちの一方の基板に反射層が形成さ
れ、前記高分子分散型液晶層間に電界を印加して、高分
子分散型液晶層の光散乱状態を変化させて表示を行なう
反射型液晶表示素子において、液晶の複屈折率と高分子
分散型液晶層の厚みの積が、0.6μm以上、2.2μ
m以下であることを特徴とする。散乱ゲインは、高分子
分散型液晶層の厚みd、液晶の複屈折率の大きさΔn、
及び液晶滴の粒径等により決定される。本発明者の実験
結果によれば、Δndとコントラストとの間には、図8
に示す相関関係があることが認められた。この図8によ
り、コントラスト30以上を設定範囲すると、Δndは
0.6μm以上、2.2μm以下の範囲となる。従来の
反射型液晶表示素子のコントラストは10程度であるた
め、コントラスト30以上を設定範囲とすれば、従来例
に比べて格段に高コントラスト化が図れる。また、請求
項19の発明は、請求項18の発明であって、前記液晶
滴の粒径が、0.7μm以上、2μm以下であることを
特徴とする。
【0029】また、請求項20の発明は、請求項18の
発明であって、前記液晶の複屈折率が、0.15以上、
0.27以下であることを特徴とする。
【0030】また、請求項21の発明は、請求項18の
発明であって、前記高分子分散型液晶層の厚みが、3μ
m以上、8μm以下であることを特徴とする。
【0031】また、請求項22の発明は、一対の基板間
に、高分子中に液晶滴が分散された高分子分散型液晶層
が配置され、前記一対の基板のうちの一方の基板に反射
層が形成され、前記高分子分散型液晶層間に電界を印加
して、高分子分散型液晶層の光散乱状態を変化させて表
示を行なう反射型液晶表示素子において、前記液晶滴の
うち一対の基板界面近傍に存在する液晶滴が、基板に大
円を接するほぼ半球状に形成され、かつ、前記半球状の
液晶滴内部の液晶が基板と平行な方向にほぼ一様に配向
していることを特徴とする。基板界面の液晶滴内部の液
晶分子が、基板に平行な方向にほぼ一様に配列している
ので、界面層での散乱が低減し、散乱ゲインが大きくな
る。よって、この半球状の大きさを調整することによ
り、散乱ゲインを最適に値に制御することができる。即
ち、基板界面の液晶を同一の方向に配向させることで、
液晶組成、液晶滴の粒径等を変えずにパネルの散乱ゲイ
ンを最適範囲に調整することが可能となる。また、請求
項23の発明は、請求項22の発明であって、前記一対
の基板のうち一方の基板界面に形成された前記半球状の
液晶滴内部の液晶の配向方位と、前記一対の基板のうち
の他方の基板界面に形成された前記半球状の液晶滴内部
の液晶の配向方位とは、互いにほぼ平行であることを特
徴とする。上記構成により、一対の基板界面間での散乱
ゲインが更に低減する作用がある。また、請求項24の
発明は、請求項22の発明であって、前記高分子分散型
液晶層の厚みが、3μm以上、8μm以下であることを
特徴とする。高分子分散型液晶層の厚みを規制するの
は、上記請求項3記載の発明において説明したのと同様
の理由による。また、請求項25の発明は、一対の基板
間に、高分子中に液晶滴が分散された高分子分散型液晶
層が配置され、前記一対の基板のうち一方の基板に反射
層が形成され、前記一方の基板または他方の基板の何れ
か一方にRGBカラーフィルタが形成され、前記高分子
分散型液晶層間に電界を印加して、高分子分散型液晶層
の光散乱状態を変化させて表示を行なう反射型液晶表示
素子において、前記高分子分散型液晶層の厚みをd(μ
m)、前記高分子分散型液晶層の緑色光に対する散乱ゲ
インのうち赤色画素領域の散乱ゲインをSGr、緑色画
素領域の散乱ゲインをSGg、青色画素領域の散乱ゲイ
ンをSGbとした場合に、緑色画素領域では、 50exp(−0.4d)< SGg < 360ex
p(−0.47d) が成り立ち、青色画素領域では、 50exp(−0.4d)< SGb < 360ex
p(−0.47d) が成り立ち、赤色画素領域では、 40exp(−0.3d)< SGr < 650ex
p(−0.4d) が成立つことを特徴とする。RGBカラーフィルタを用
いるとフルカラー表示が可能となる。このとき、高分子
分散型液晶層の散乱特性はRGBの波長で異なるため、
高コントラストを得るための最適な散乱ゲインの範囲は
RGBで異なる。我々は、実験結果から前記高分子分散
型液晶層の厚みをd(μm)、前記高分子分散型液晶層
の緑色光に対する散乱ゲインのうち赤色画素領域の散乱
ゲインをSGr、緑色画素領域の散乱ゲインをSGg、
青色画素領域の散乱ゲインをSGbとした場合に、各S
Gr、SGg、SGbを、上記範囲とすることで高コン
トラスト化が達成できることを見出した。なお、SG
r、SGg、SGbを、上記範囲とすることで高コント
ラスト化が達成できる理由は、請求項1記載の発明にお
いて説明したことと基本的には同じ原理による。また、
請求項26の発明は、請求項25の発明であって、前記
赤色画素領域の層厚をdR、前記緑色画素領域の層厚を
dG、前記青色画素領域の層厚をdBとしたときに、d
R>dG>dBであることを特徴とする。上記構成によ
り、製造の容易な液晶表示素子を構成できる。また、請
求項27の発明は、請求項25の発明であって、前記赤
色画素領域の液晶滴の粒径をrR、前記緑色画素領域の
液晶滴の粒径をrG、前記青色画素領域の液晶滴の粒径
をrBとしたときに、rR>rG>rBであることを特
徴とする。上記構成により、高コントラストの表示に加
えて、RGBの各画素間でほぼ均一な表示コントラスト
が得られることになる。また、請求項28の発明は、請
求項25の発明であって、前記カラーフィルタが前記反
射層上に形成され、前記高分子分散型液晶層が前記カラ
ーフィルタ上に形成されたことを特徴とする。
【0032】また、請求項29の発明は、請求項8の発
明であって、所定の観察方向から観察した場合に、液晶
層の散乱状態と透過状態との変化過程中に輝度レベルに
ピーク値が存在するような輝度−電圧特性を有し、前記
輝度−電圧特性における輝度レベルがピーク値となる電
圧値と、輝度レベルが略0レベルとなる電圧値との範囲
を、駆動電圧範囲とすることを特徴とする。
【0033】また、請求項30の発明は、請求項13の
発明であって、所定の観察方向から観察した場合に、液
晶層の散乱状態と透過状態との変化過程中に輝度レベル
にピーク値が存在するような輝度−電圧特性を有し、前
記輝度−電圧特性における輝度レベルがピーク値となる
電圧値と、輝度レベルが略0レベルとなる電圧値との範
囲を、駆動電圧範囲とすることを特徴とする。
【0034】また、請求項31の発明は、請求項29の
発明であって、前記観察方向が、液晶層の透過状態時に
液晶層から前方側へ出射される光の出射方向と異なる方
向に設定されていることを特徴とする。
【0035】また、請求項32の発明は、請求項30の
発明であって、前記観察方向が、液晶層の透過状態時に
液晶層から前方側へ出射される光の出射方向と異なる方
向に設定されていることを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】実施の形態に基づいて本発明の内
容を具体的に説明する。
【0037】この実施の形態は、散乱ゲインや、液晶の
屈折率異方性の大きさと液晶層の厚さとの積などを適切
に設定することによって、高輝度化および高コントラス
ト化を図ることができるものである。(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る液晶表示素子101
の簡略化した断面図である。液晶表示素子101は、反
射型の液晶表示素子であり、ノーマリホワイトモードの
液晶表示素子である。液晶表示素子101は、アレイ基
板102と、アレイ基板102に対向して配置される対
向基板103と、アレイ基板102と対向基板103と
の間に配置された高分子分散型液晶層104とを有す
る。アレイ基板102及び対向基板103は、例えばガ
ラスから成る透明な基板である。このアレイ基板102
上には、ソースライン106、反射性を有する金属から
成る反射画素電極105、及び画素スイッチング素子と
しての薄膜トランジスタ(TFT)等が形成されてい
る。反射画素電極105は、アルミニウム(Al)ある
いはクロム(Cr)等から成る。これらソースライン1
06、反射画素電極105及びTFT等は、絶縁膜10
7により覆われている。前記対向基板103の内側面に
は、透明な対向電極109と、絶縁膜110とがこの順
序で積層状に形成されている。
【0038】また前記高分子分散型液晶層104は、高
分子111中に液晶滴112が分散された構造とされ、
液晶滴112内の液晶は誘電率異方性が正のものが用い
られている。
【0039】ここで、高分子分散型液晶層104は、そ
の散乱ゲインSGが、以下の第1式の関係を満たしてい
る。ここで、散乱ゲインSGは、SG=(パネル輝度/
パネル照度)×πで定義されるものであり、散乱ゲイン
が大きいと散乱性が小さく、散乱ゲインが小さいと散乱
性が大きいことを意味する。なお、散乱ゲインは、緑色
光に対する散乱ゲインを用いた。
【0040】 50exp(−0.4d)< SG < 360exp(−0.47d) …(1) dは高分子分散型液晶層104の層厚(以下、パネルギ
ャップと称する。)である。
【0041】上記のように高分子分散型液晶層104の
散乱ゲインが第1式を満たすように設定することによ
り、従来例に比べて格段に高輝度及び高コントラストの
反射型液晶表示素子を実現できる。なお、散乱ゲイン
は、例えば屈折率異方性の大きさΔnとパネルギャップ
dとの積Δndや、液晶滴の大きさなどにより設定する
ことができるが、これらに関しては後に詳述する。
【0042】また、上記第1式を満たすことによって高
輝度、高コントラストが得られるのは、液晶滴112内
の液晶における室温での屈折率異方性の大きさΔnが概
ね0.25の場合であるが、Δnの値が大幅に異なる場
合、例えば多く用いられる液晶材料のΔnの値(例えば
概ね0.15以上、0.27以下程度)の場合などで
も、下記第1’式を満たすように設定することによって
高輝度、高コントラストを得ることができる。
【0043】 50exp(−1.6Δn・d)< SG < 360exp(−1.88Δ n・d) …(1’) なお、上記第1式や第1’式を満たす散乱ゲインSGの
値は、一般的な液晶材料、パネルギャップなどのパネル
条件においては、例えば10℃以上、60℃以下の使用
温度範囲内では、概ね10以上、200以下程度であ
る。
【0044】以下に、本発明に係る液晶表示素子の動作
を説明しつつ、上記の理由を述べることにする。
【0045】図2は反射型液晶表示素子の表示動作を説
明するための図である。図2を参照して、表示動作を説
明すると、電圧OFF時においては、図2(a)に示す
ように、液晶滴112内の液晶は、配向軸が互いに3次
元ランダムな方位にあり、そのため、液晶と高分子11
3との屈折率差によりパネルは散乱状態を示す。このと
きパネルの入射光120は、散乱光121となり白表示
が得られる。一方、電圧ON時には、図2(b)に示す
ように、液晶滴112内の液晶は、ほぼパネルギャップ
方向に配向する。そのため、液晶と周囲の高分子113
との屈折率マッチングによりパネルは透明状態となる。
したがって、入射光120は散乱を受けず、反射画素電
極で反射されて正反射光122としてパネルから放出さ
れる。このとき、観察者125の方向には光が放出され
ずパネルは黒表示が得られる。
【0046】ところで、上記表示動作を有する高分子分
散型液晶表示素子の電圧・反射率特性は、図3に示され
ている。この図3の特性は、本発明者の実験結果により
得られたものである。尚、測定条件は、入射光の入射角
度θ1=30°、測定角度θ2=15°(図2(b)参
照)とした。この測定条件は、反射型液晶表示素子の標
準の見方に対応させたものである。
【0047】図3から明らかなように、印加電圧の増加
に従い、反射率は上昇していきピーク値に達した後、減
少する。即ち、反射型の高分子分散型液晶表示素子は、
その電圧・反射率特性においてピーク反射率が存在す
る。このようなピーク反射率の存在は、本発明者の実験
結果により初めて見出されたものである。
【0048】ここで、ピーク反射率が存在するのは、以
下の原理によると考えられる。図4を参照して、その原
理を説明する。図4において、電圧無印加時(図3のA
点に相当)のパネルの散乱状況を散乱方位分布130で
示し、反射率が最大となるとき(図3のB点に相当)の
散乱状況を散乱方位分布131で示し、さらに電圧を印
加した場合(図3のC点に相当)の散乱状況を散乱方位
分布132で示した。ノーマリホワイトモードの高分子
分散型パネルの場合、電圧印加に伴い散乱は弱くなり入
射光の正反射方向に散乱方位分布が伸びる。このとき、
図4の観察者125の位置からは、散乱方位分布130
より散乱方位分布131の方が反射率が高い。また、さ
らに電圧を印加すると、ほぼ正反射方向に収束した散乱
方位分布132となり、観察者125方向の反射率は減
少する。このため電圧・反射率特性の反射率にピークが
発生する。本発明者は、かかる電圧・反射率特性に着目
して、ピーク反射率での輝度レベルを白輝度とすること
で、すなわち、輝度レベルがピークとなる電圧値と、輝
度レベルがほぼ0レベルとなる電圧値との範囲、または
輝度が上記ピークから単調減少する電圧値の範囲を駆動
電圧範囲とすることにより、高輝度化及び高コントラス
ト化を図ることができることを見出した。
【0049】なお、従来、電圧・反射率特性においてピ
ーク反射率が存在するようなモードは知られていなかっ
た。これは、斜め方向からの入射光に対して、パネル正
面に反射する光を測定して、電圧・反射率特性を得てい
たこと、更には、透過型の場合に散乱ゲインSGは1〜
2程度に設定されていたことから、反射型についても散
乱ゲインは同程度の散乱ゲインのものが使用されてお
り、そのためピーク反射率が小さく、ピーク反射率の存
在が認識され得るものではなかったものと考えられる。
【0050】ここで、図3を参照して、散乱ゲインと電
圧・反射率特性の関係について説明する。従来の黒色吸
収板を用いる反射型の液晶表示素子では、散乱ゲインS
Gは1〜2程度である。これは、一般に透過型液晶表示
素子においては、散乱状態(初期状態)において完全散
乱を得るために、SG=1程度に設定されており、反射
型の液晶表示素子においても、完全散乱を得ることによ
り高輝度及び高コントラストが実現できるものとの考え
により、散乱ゲインがSG=1程度に設定されているの
が実情である。ところが、本発明者の実験結果によれ
ば、上記したように電圧・反射率特性において、ピーク
反射率(ピーク輝度に相当)が存在しており、SG=1
の場合の電圧・反射率特性は、図3のラインM1で示さ
れる。従って、SG=1に設定されている従来例では、
実際には、電圧無印加状態(印加電圧0Vの場合)より
も、輝度レベルが大きい場合が存在する。なお、SG=
1の場合、液晶分子が基板に対して垂直状態となって
も、斜め光については、高分子と液晶の屈折率が異なる
ことから、反射率が0%からかなり離れた値に収束す
る。このような状態であっても、黒色吸収板を用いるの
で、黒レベルでは黒色吸収板の黒が写るので、反射率は
0%でなくても十分な黒レベルが得られる。しかしなが
ら、コントラストが高くない。
【0051】一方、他の条件にもよるが、例えばパネル
ギャップが比較的大きい場合において、SG=100の
場合の電圧・反射率特性は、図3のラインM2で示され
る。即ち、電圧増加に従って、反射率は初期状態から若
干上昇した後、減少していき、ほぼ0%に収束する。こ
れは、散乱ゲインが大きい場合(即ち、散乱性が小さい
場合)には、斜めからの光に対しても散乱性の変化は小
さいと考えられる。従って、ピーク反射率も小さくなる
と考えられる。一方、散乱性が本来的に小さいので、電
圧上昇により反射率がほぼ0%に収束する。こうして、
散乱ゲインは小さくても、大きすぎても、高輝度及び高
コントラストが得られない。高輝度化及び高コントラス
ト化を達成するためには、最適な散乱ゲインが存在する
ことが認められる。本発明者の実験結果によれば、約1
0〜20程度の散乱ゲインが最適値である。従って、そ
のような最適な散乱ゲインに設定することにより、図3
のラインM3で示される特性が得られ、高輝度化及び高
コントラスト化を達成できる。
【0052】一方、所定のコントラストが得られる散乱
ゲインは、パネルギャップと相関関係があり、最適な散
乱ゲインを得るためには、パネルギャップの値を考慮す
る必要がある。そこで、具体的に最適な散乱ゲインを求
めるため、様々な散乱性能を有する高分子分散型液晶パ
ネルの評価を行い、その結果、図5に示す散乱ゲインと
コントラストとの関係を得た。なお、散乱ゲインは、透
過型パネルで測定した散乱ゲインを用いた。また、コン
トラストは上記電圧・反射率特性の場合と同様の測定条
件(入射光の入射角度θ1=30°、測定角度θ2=1
5°)で測定した結果を用いた。図5から明らかなよう
に、コントラストが最大となる散乱ゲインが存在し、し
かも該散乱ゲインはパネルギャップで異なることが認め
られる。このことは、パネルギャップを或る値に設定す
れば、最大コントラストを得るための散乱ゲインが決定
されることを意味する。ここで、本発明に係る液晶表示
素子としては、最大コントラストの70%以上のコント
ラストが得られることが望ましく、最大コントラストの
70%以上のコントラストを得る散乱ゲインの範囲を求
めることにした。尚、従来例の反射型パネルのコントラ
ストは、通常10程度であり、大きい場合でも15程度
である。従って、最大コントラストの70%以上であれ
ば、従来例に比べて格段に高コントラスト化が実現でき
ることになる。
【0053】最大コントラストの70%以上のコントラ
ストを得る散乱ゲインの範囲は、具体的には以下の手順
で求めた。即ち、各パネルギャップdに関する散乱ゲイ
ン−コントラスト特性(図5において、d=4.5μm
の場合の特性を参照符号L1で、d=7μmの場合の特
性を参照符号L2で、d=10μmの場合の特性を参照
符号L3で示している。)において、最大コントラスト
の70%のコントラスト(図5においてラインm1、m
2、m3がd=4.5μm、7μm、10μmの場合の
最大コントラストの70%のラインを示している)を得
る散乱ゲインを求め、この値を順次プロットすることに
より図6に示すパネルギャップと散乱ゲインとの関係を
得た。具体的に説明すれば、図5の点A1,A2,A
3;B1,B2,B3;C1,C2,C3を図6にプロ
ットした。次いで、図6のパネルギャップと散乱ゲイン
との関係から最適な散乱ゲインの範囲を算出した。
【0054】ここで、図6のラインP1は許容範囲上限
を示し、ラインP2は最適コントラストの範囲を示し、
ラインP3は許容範囲下限を示す。従って、図6の特性
より、最適な散乱ゲインSGの範囲は、ラインP1とラ
インP3の範囲にあればよいことが認められる。ここ
で、ラインP1を関数表示すれば、SG=360exp
(−0.47d)であり、ラインP3を関数表示すれ
ば、SG=50exp(−0.4d)である。よって、
最適な散乱ゲインSGの範囲は、 50exp(−0.4d)< SG < 360exp
(−0.47d) を満たせばよいことが理解される。
【0055】なお、ラインP2を関数表示すれば、SG
=265exp(−0.5d)である。よって、散乱ゲ
インSGを265exp(−0.5d)に設定すれば、
そのパネルギャップにおける最大コントラストが得られ
ることになる。
【0056】また、本発明者の実験により、最大コント
ラストとパネルギャップとの間には、図7に示す関係が
あることが認められた。この図7より、パネルギャップ
が小さいほど最大コントラストは高い。しかしながら、
パネルギャップが3μm未満の場合には、実際に均一に
作製することが困難である。一方、パネルギャップが8
μmを超えると、駆動電圧が増加するため、反射型パネ
ルとしては不適切である。よって、パネルギャップdは
3μm以上、8μm以下に設定するのが望ましい。 (実施の形態1のより具体的な例)上記実施の形態1の
より具体的な例について説明する。
【0057】図1に示す液晶表示素子101を以下の方
法で作製した。ガラスから成る透明基板上に、TFT素
子、ソースライン106、アルミニウムから成る反射画
素電極105等を形成してアレイ基板102とした。こ
のとき、反射画素電極105は平坦な鏡面反射板とし
た。また、対向基板103上に透明な対向電極109等
を形成した。次いで、上下の基板102,103をパネ
ルギャップ5μmで貼り合わせた。次に基板102,1
03間に高分子分散型液晶材料(商品名:PNM20
1、大日本インキ化学工業製)を真空注入した。そし
て、高分子分散型液晶材料が真空注入されたパネルに、
紫外線を照射し材料を重合させて高分子分散型液晶パネ
ルを作成した。
【0058】形成したパネルの電圧・反射率特性を測定
しパネル評価を行った。これにより図3の特性が得られ
た。次に液晶粒径とパネルギャップを変えたパネルを多
数作成し、散乱ゲインとコントラストの関係を評価し
た。これにより図5の特性が得られた。なお、このとき
反射型パネルの場合と同材料を用いて、同粒径、同パネ
ルギャップの高分子分散液晶層を透過型パネルで別途作
成し、散乱ゲインをパネル透過光から評価した。ここ
で、コントラストは極角30°方向から光を入射したと
きの極角15°方向のピーク反射率の値と最大印加電圧
時の輝度から求めた。
【0059】また、図5から図6に示す最適な散乱ゲイ
ンの範囲とパネルギャップの関係を得た。このときの最
適範囲は、最大コントラストの70%以上が実現できる
範囲である。図5より散乱ゲインSGが、 50exp(−0.4d)< SG < 360exp
(−0.47d) を満たすときに高コントラストが得られることが解る。
このときのd(μm)はパネルギャップである。また、
SG=265exp(−0.5d)を満たすとコントラ
ストを最大とすることができる。具体的には、パネルギ
ャップが4.5μmの場合、最適な散乱ゲインは10〜
40程度の範囲に存在する。またゲイン25でコントラ
ストは最大55程度が得られた。また、図7に示すよう
にコントラストの最大値はパネルギャップで異なり、3
μm以上、8μm以下であればコントラスト30以上と
極めて良好な表示が得られる。
【0060】なお、上記の例では、散乱ゲインの最適な
範囲を求めるためのコントラストを最大コントラストの
70%以上としたが、これは必要に応じて、例えば最大
コントラストの50%以上など所定のコントラストを用
いてもよい。最大コントラストの50%以上の場合に
は、散乱ゲインの最適な範囲は、前記70%以上の場合
と同様に図5より、 37exp(−0.37d)< SG < 275ex
p(−0.31d)、 または 37exp(−1.48Δn・d)< SG < 27
5exp(−1.24Δn・d) となる。
【0061】また、最大コントラストの90%の場合に
は、 177exp(−0.52d)< SG < 229e
xp(−0.41d)、または 177exp(−2.08Δn・d)< SG < 2
29exp(−1.64Δn・d) となる。
【0062】さらに具体的には、例えばパネルギャップ
が3μmで最大コントラストの70%以上の場合は、最
適な散乱ゲインの範囲は、15以上、108以下で、最
適な散乱ゲインは80である。 (実施の形態2)実施の形態2に係る液晶表示素子は、
基本的には実施の形態1とほぼ同様の構成を有する。但
し、液晶滴内の液晶の屈折率異方性の大きさΔnとパネ
ルギャップdの積Δndが、0.6μm以上、2.2μ
m以下とすることを特徴とする。このような構成によっ
てもまた、高輝度及び高コントラストの反射型の高分子
分散型液晶表示素子を実現できる。
【0063】以下に、その理由について説明する。散乱
ゲインは、液晶の屈折率異方性の大きさ、パネルギャッ
プ、及び液晶滴の粒径等により決定される。(なお、こ
れらのパラメータは独立に変えることができるため、同
じ散乱ゲインでも、パラメータの組み合わせは多々存在
する。)従って、液晶の屈折率異方性の大きさΔnとパ
ネルギャップdの積Δndにより、散乱ゲインを規定す
ることもできる。このような考えの下、本発明者の実験
により、図8に示すΔndとコントラストとの関係が得
られた。ここで、実施の形態2では、30以上のコント
ラストに設定した。図8において、30以上のコントラ
ストの範囲に対応するΔndは、0.6μm以上、2.
2μm以下であることが認められる。よって、Δnd
が、0.6μm以上、2.2μm以下となるような液晶
材料の選択及びパネルギャップの設定により、高輝度及
び高コントラストの反射型の高分子分散型液晶表示素子
を実現できることになる。
【0064】なお、パネルギャップdは、実施の形態1
と同様な理由により、3μm以上、8μm以下とするの
が望ましい。また、液晶の屈折率異方性Δnは、0.1
5以上、0.27以下とするのが望ましく、液晶滴の粒
径は、0.7μm以上、2μm以下とするのが望まし
い。尚、パネルギャップd、液晶の屈折率異方性Δn及
び液晶滴の粒径は、上記のそれぞれの範囲内で適宜選択
して組み合わせて、Δndを0.6μm以上、2.2μ
m以下の範囲内に設定すればよい。ここで、散乱ゲイン
が最適範囲であれば、粒径、Δn、およびパネルギャッ
プの組み合わせは、上記の範囲内で任意でよい。 (実施の形態2のより具体的な例)上記実施の形態2の
より具体的な例について説明する。
【0065】実施の形態1とほぼ同様の構成において、
液晶の屈折率異方性の大きさΔn、パネルギャップd、
及び液晶滴の粒径Rが異なるパネルを多数作成し、電圧
・反射率特性を測定した。特性は、極角30°から光を
入射し、極角15°の反射光を測定した。測定結果によ
り、図8に示すパネルコントラストと積Δndの相関が
得られた。図8から明らかなようにコントラストはΔn
dに対しピーク値を有した。また、Δndが、0.6μ
m以上、2.2μm以下のときにコントラストは30以
上となり良好な表示が得られた。このときの液晶の複屈
折率は0.15以上、0.27以下とした。また、パネ
ルギャップを、3μm以上、8μm以下とするために
は、散乱性の観点から液晶滴の粒径は0.7μm以上、
2μm以下とする必要があった。液晶の屈折率異方性
と、パネルギャップ、及び粒径の組み合わせは、上記の
範囲で任意の組み合わせを取れる。特に駆動電圧の低減
の観点からパネルギャップを8μm以下に設定する場
合、液晶滴の粒径は0.5μm以上、2μm以下とする
必要がある。 (実施の形態3)図9は本発明の実施の形態3に係わる
液晶表示素子101Bの簡略化した断面図である。本実
施の形態において、実施の形態1に対応する部分には同
一の参照符号を付して説明は省略する。本実施の形態で
は、高分子分散型液晶層104Aが、高分子111と、
2種類の液晶滴112A,112Bとから構成されてい
る。液晶滴112Aは高分子分散型液晶層104A内部
に存在し、実施の形態1の高分子分散型液晶における液
晶滴112と同様な形状である。一方、液晶滴112B
は基板102,103界面にほぼ半球状に存在する。液
晶滴112B内の液晶は、基板102,103に沿って
ほぼ一様の方向に配向し、液晶滴112A内の液晶は、
液晶の配向軸が3次元的にランダムな方向に配向してい
る。
【0066】なお、液晶滴112Bを形成すべく、基板
102,103上には、配向膜140,141が形成さ
れており、この配向膜140,141に対する濡れ性
が、液晶材料の方が高分子材料よりも大きくなるように
材料が選定されている。また、配向膜140,141
は、ラビング処理により水平配向処理がなされている。
【0067】上記構成の如く、液晶滴112Bを形成す
ることにより、基板界面層での散乱を減少させて、散乱
ゲインを大きくする作用が生じる。よって、液晶滴11
2Bの大きさを調整することにより、液晶組成や液晶滴
の粒径等を変えずに、かつ、液晶分率を大きくすること
なく、パネルの散乱ゲインを最適範囲に調整して、高輝
度化及び高コントラスト化を図ることができる。
【0068】尚、配向膜140と配向膜141のラビン
グ方向は、同一方向としてもよく、また相互に異なる方
向としてもよい。但し、同一方向とすれば、基板10
2,103の各界面間での散乱がさらに低減する効果が
ある。またパネルギャップdは、3μm以上、8μm以
下とする。これは、実施の形態1においてパネルギャッ
プdを規制したのと同様の理由による。 (実施の形態3のより具体的な例)上記実施の形態3の
より具体的な例について説明する。
【0069】実施の形態3に係る液晶表示素子101B
を、以下の方法で作製した。先ず、ガラスから成る透明
基板上に、TFT素子、ソースライン106、アルミニ
ウムから成る反射画素電極105等を形成してアレイ基
板102とした。このとき、反射画素電極105は平坦
な鏡面反射板とした。また、対向基板103上に、透明
な対向電極109等を形成した。次に上下の基板10
2,103に配向膜140,141(商品名:AL54
17、日本合成ゴム製)を形成した後、配向膜140,
141にラビング処理を施した。ラビング処理の方向
は、上下の基板102,103を貼り合わせた後に互い
に平行になるようにした。次に、上下の基板102,1
03をパネルギャップ5μmで貼り合わせた。次に基板
102,103間に高分子分散型液晶材料(商品名:P
NM201、大日本インキ化学工業製)を真空注入し
た。その後、パネルに紫外線を照射し材料を重合させて
実施の形態3に係る高分子分散型パネルを作成した。ま
た、実施の形態3に係る高分子分散型パネルとは別に、
配向膜140,141を形成しないこと以外は上記と同
様にして評価用の高分子分散型パネルを作成した。本評
価パネルの散乱ゲインは30であり、ラビング処理を施
さない場合の15より大きかった。また、評価用のパネ
ルの基板を剥離し、画像処理装置を用いて界面を観察し
たところ界面には半球状の液晶滴が形成されていた。こ
のようにラビング処理を施した基板を用いてパネルを作
成することで、界面の液晶がラビング方向に沿ってほぼ
一様に配向し、界面での散乱を低減することができる。
これにより、散乱ゲインを任意に調整することが可能と
なり、散乱ゲインを高コントラストが実現できる例えば
25近辺に設定できる。
【0070】尚、基板に形成する配向膜は上記以外でも
良く、高分子/液晶の相分離時に、基板上に液晶滴が半
球状に析出するものなら良い。このとき、配向膜に対す
る濡れ性を、液晶材料の方が高分子材料より大きくすれ
ば良い。また、ラビング方向は任意で良いが、上下基板
の方向を合わせた方が散乱が小さくなる。これは散乱度
に応じて上下で方向を変えても良い。 (実施の形態4)図10は本発明の実施の形態4に係わ
る液晶表示素子101Cの簡略化した断面図である。本
実施の形態において、実施の形態1に対応する部分には
同一の参照符号を付して説明は省略する。本実施の形態
に係わる液晶表示素子101Cは、赤色(R)カラーフ
ィルタ部161、緑色(G)カラーフィルタ部162、
青色(B)カラーフィルタ部163から成るカラーフィ
ルタ160を備えた反射型の液晶表示素子である。な
お、図中、165はR用反射画素電極105aに接続さ
れるTFT素子であり、166はG用反射画素電極10
5bに接続されるTFT素子であり、167はB用反射
画素電極105cに接続されるTFT素子である。ま
た、164は絶縁層であり、168はブラックマトリク
スである。また、104Gは高分子分散型液晶層104
のうちのG画素領域であり、104Bは高分子分散型液
晶層104のうちのB画素領域であり、104Rは高分
子分散型液晶層104のうちのR画素領域である。
【0071】上記実施の形態1〜3では、カラーフィル
タを備えない液晶表示素子であったけれども、本実施の
形態では、カラーフィルタ160を備えたフルカラー表
示の液晶表示素子である。かかるフルカラー表示の液晶
表示素子の場合には、散乱ゲインの最適範囲についてR
・G・B各々について考慮する必要がある。なぜなら、
高分子分散型液晶層の散乱特性は赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)の波長で異なるからである。そこ
で、本実施の形態では、R・G・B毎の散乱ゲインの最
適範囲を求め、R・G・Bそれぞれを最適散乱ゲインと
なるように構成して高コントラストの液晶表示素子を得
るようにしたものである。
【0072】具体的には、高分子分散型液晶層の厚みを
d(μm)、 高分子分散型液晶層の緑色光に対する散
乱ゲインのうち赤色(R)画素領域4Rの散乱ゲインを
SGr、緑色(G)画素領域4Gの散乱ゲインをSG
g、青色(B)画素領域4Bの散乱ゲインをSGbとし
た場合に、G画素領域104Gでは、 50exp(−0.4d)< SGg < 360exp(−0.47d) …(2) を満たし、B画素領域104Bでは、 50exp(−0.4d)< SGb < 360exp(−0.47d) …(3) を満たし、R画素領域104Rでは、 40exp(−0.3d)< SGr < 650exp(−0.4d) …(4) を満たしている。
【0073】上記の範囲が、最大コントラストの70%
以上を実現できる散乱ゲインの最適範囲である。以下に
その理由について説明する。先ず、G画素領域104G
での散乱ゲインの最適範囲は、上記実施の形態1の第1
式より、上記第2式の範囲となる。
【0074】B画素領域104Bでは、散乱ゲインの最
適範囲は厳密にはG画素領域104Gの散乱ゲインの最
適範囲と異なる。しかしながら、本発明者の実験結果に
よれば、B画素領域104Bにおいても、G画素領域1
04Gと同様の上記第3式の範囲で十分な最適値となっ
た。
【0075】R画素領域104Rでは、散乱ゲインとパ
ネルギャップとの関係を示す図11から最適範囲として
上記第4式を求めたものである。なお、図11は上記実
施の形態1と同様な方法により求めたものであり、図6
に対応するものである。
【0076】従って、上記第2式〜第4式を満たす範囲
の散乱ゲインに各画素領域104R,104G,104
Bを設定することにより、高コントラストのフルカラー
表示の反射型液晶表示素子が得られることになる。
【0077】また、本実施の形態では、R画素領域10
4Rの液晶滴112Rの粒径をrR、G画素領域104
Gの液晶滴112Gの粒径をrG、B画素領域104B
の液晶滴112Bの粒径をrBとすると、rR>rG>
rBを満たしている。このような構成にすれば、上記第
2式〜第4式を満たす液晶表示素子の製造が容易にな
る。以下にその理由について述べる。
【0078】RGBの液晶滴の粒径と散乱ゲインとは、
パネルギャップ、および屈折率異方性の大きさが同じ場
合、図12に示す関係を有していることが知られてい
る。ここで、例えば、R画素領域104Rの散乱ゲイン
をN1(N1は上記第4式の範囲内の値である。)と
し、G画素領域104Gの散乱ゲインをN2(N2は上
記第2式の範囲内の値である。)とし、B画素領域10
4Bの散乱ゲインをN3(N3は上記第3式の範囲内の
値である。)とした場合を想定する。この場合、粒径r
Rは、rR1とrR2のいずれであってもよい。同様に
粒径rGについても、rG1とrG2のいずれであって
もよく、また、粒径rBについても、rB1とrB2の
いずれであってもよい。従って、上記第2式〜第4式を
満たす液晶表示素子としては、RGBの液晶滴の大小
は、複数の組み合わせが可能である。そのうち、rR>
rG>rBを満たすように構成する場合(例えばrR2
>rG2>rB2場合)には、その他の組み合わせに比
べて製造が容易である。すなわち、紫外線をカラーフィ
ルタ160側から照射すればよく、そのようにすれば、
カラーフィルタ160により紫外線の強度がRカラーフ
ィルタ部161、Gカラーフィルタ部162、Bカラー
フィルタ部163の順序で弱まり、rR>rG>rBを
満たすように液晶層が形成されるからである。上記以外
の組み合わせの場合には、例えばRGBそれぞれ個別に
マスクを介して紫外線照射する等の方法を行う必要があ
り、製造が面倒である。 (実施の形態4のより具体的な例)上記実施の形態4の
より具体的な例について説明する。
【0079】図10に示す液晶表示素子101Cを以下
の方法で作製した。即ち、対向側の対向基板103にカ
ラーフィルタ160を形成したことを除けば、基本的に
は実施の形態1と同様の方法で作製した。
【0080】次いで、RGBのそれぞれの画素領域に対
して高コントラストが得られる最適な散乱ゲインの範囲
とパネルギャップの関係を実施の形態1と同様の手法で
解析した。このときの最適範囲は、最大コントラストの
70%以上が実現できる範囲とした。この結果、前記の
ように、G画素領域104Gでは、 50exp(−0.4d)< SGg < 360exp(−0.47d) …(2) を満たすときに高コントラストが得られることが解っ
た。
【0081】B画素領域104Bでは、 50exp(−0.4d)< SGb < 360exp(−0.47d) …(3) を満たすときに高コントラストが得られることが解っ
た。
【0082】また、R画素領域104Rでは、図12に
示す特性が得られ、これにより、 40exp(−0.3d)< SGr < 650exp(−0.4d) …(4) を満たすときに高コントラストが得られることが解っ
た。このとき、SGr=100exp(−0.27d)
でコントラストが最大となる。
【0083】なお、実施の形態1と同様に、G画素領域
104Gでは、SGg=265exp(−0.5d)で
コントラストが最大となり、B画素領域104Bでは、
SGb=265exp(−0.5d)でコントラストが
最大となる。
【0084】また、このとき液晶滴の粒径をRGBで変
えることでゲインの最適化を行なった。具体的には、R
画素領域104Rの液晶滴の粒径をrR、G画素領域1
04Gの液晶滴の粒径をrG、B画素領域104Bの液
晶滴の粒径をrBとすると、rR>rG>rBを満たす
ようにRGB各画素領域の液晶滴を形成した。なお、R
GB光の波長は、Bが430nm、Gが540nm、R
が620nmにほぼ対応する。 (実施の形態5)図13は本発明の実施の形態5に係わ
る液晶表示素子101Dの簡略化した断面図である。
本実施の形態において、実施の形態1に対応する部分に
は同一の参照符号を付して説明は省略する。本実施の形
態は、上記実施の形態4と同様にフルカラー表示の反射
型液晶表示素子である。なお、本実施の形態では、ガラ
スから成る対向基板103に代えて、樹脂フィルム基板
103aが用いられている。
【0085】本実施の形態では、液晶層厚がRGB画素
領域毎に異なるように構成されている点において実施の
形態4と相違する。そして、各RGB画素領域毎の散乱
ゲインがRGBに対応する最適範囲となるようにセル厚
が構成されている。
【0086】具体的には、R画素領域104R、G画素
領域104G及びB画素領域104Bにそれぞれ対応す
る層厚を、層厚dR、層厚dG、層厚dB(単位μm)
とし、 高分子分散型液晶層の緑色光に対する散乱ゲイ
ンのうち赤色(R)画素領域4Rの散乱ゲインをSG
r、緑色(G)画素領域4Gの散乱ゲインをSGg、青
色(B)画素領域4Bの散乱ゲインをSGbとした場合
に、G画素領域104Gでは、 50exp(−0.4dG)<SGg < 360exp(−0.47dG) …(5) B画素領域104Bでは、 50exp(−0.4dB)<SGb < 360exp(−0.47dB) …(6) を満たし、R画素領域104Rでは、 40exp(−0.3dR)<SGr < 650exp(−0.4dR) …(7) を満たしている。
【0087】上記の範囲が、最大コントラストの70%
以上を実現できる散乱ゲインの最適範囲である。このよ
うに高分子分散型液晶層104のうちR画素領域、G画
素領域及びB画素領域のそれぞれの層厚を異ならせるこ
とにより、高コントラストのフルカラー表示の反射型液
晶表示素子を得ることができる。
【0088】また、本実施の形態では、各層厚dR,d
G,dBは、dR>dG>dBを満たしている。このよ
うな構成により、最適範囲内で同一散乱ゲインを実現す
る液晶表示素子が得られる。なぜなら、各RGBに関す
る層厚と散乱ゲインとは、図14に示す関係がある。こ
の図14から明らかなように、RGBそれぞれが同一散
乱ゲインを得るためには、dR>dG>dBを満たせば
よいことが理解される。従って、本実施の形態では、上
記第5式〜第7式を満たし、且つ、dR>dG>dBを
満たすことにより、高コントラストの表示に加えて、R
GBの各画素間でほぼ均一な表示コントラストが得られ
ることになる。
【0089】なお、上記の例では、各画素間でほぼ均一
な表示コントラストが得られようにするため、dR>d
G>dBを満たすように構成したけれども、本発明はこ
れに限定されるものではく、上記第5式〜第7式を満た
し、且つ層厚をRGBの各画素毎に個別に変えれば、R
GBの各画素のコントラストを任意に制御することが可
能となる。 (実施の形態5のより具体的な例)上記実施の形態5の
より具体的な例について説明する。
【0090】図13に示す液晶表示素子101Dを以下
の方法で作製した。反射画素電極105a,105b,
105cを有するアレイ基板102上にカラーフィルタ
を60を形成した。次に、RGB画素に対応した凹凸を
有するガラス基板(図示せず)に剥離材を塗布し、上記
のアレイ基板102と貼り合わせた。次に、基板間に高
分子分散型液晶材料を注入し紫外線重合法を用いて高分
子分散型液晶パネルを形成した。次に上記のガラス基板
を剥離材の部位で剥離した。このとき、高分子分散型液
晶層104には、ガラス基板の凹凸に対応してRGB画
素ごとに異なる層厚が形成されていた。このとき、層厚
dB>層厚dG>層厚dRを満たすように形成した。具
体的には層厚dBは7μm、層厚dGは4μm、層厚d
Rは3μmとした。次に高分子分散型液晶層104上に
絶縁膜110を塗布し、対向電極109を有する樹脂フ
ィルム基板103aを積層して高分子分散型液晶表示素
子とした。このとき、コントラストはRGBの各画素で
20〜25が得られほぼ均一な表示コントラストが得ら
れた。
【0091】上記のようにRGBの層厚を個別に変える
ことで、RGBの画素のコントラストを任意に制御する
ことができる。また、対向基板に樹脂フィルム基板10
3aを用いることで軽量化が図れる。上記例では凹凸を
有するガラス基板を用いたが、これは平坦な高分子分散
型液晶層を形成した後に凹凸を有する型で押圧しても良
い。 (実施の形態の補足説明)上記各実施の形態では、緑色
光に対する散乱ゲインを用いたけれども、これに限ら
ず、白色光に対する散乱ゲインを用いてもよい。白色光
又は緑色光の何れに対する散乱ゲインを用いても、上記
第1式〜第7式の値はほぼ同様である。白色光に対する
人の感度は、緑色成分の強度によりほぼ決定されるた
め、白色光に対する散乱ゲインと緑色光に対する散乱ゲ
インとは、ほぼ差がないと考えられるからである。
【0092】また、本発明に係る液晶表示素子は、液晶
滴が高分子中にほぼ独立して存在する形状に限定される
ものではなく、互いの一部が繋がった形状でも良い。ま
た、3次元ポリマーネットワークに液晶が挟持された構
造でも良い。高分子分散型液晶層は、誘電率異方性が正
の液晶を用いたノーマリモードの散乱表示モードであれ
ば材料を問わない。反射層としての反射画素電極はアル
ミ以外でも良く、クロム等を用いても良く、導電層を設
けた誘電多層膜反射板でも良い。更に、また反射画素電
極は平坦状であっても良く、また回折格子や鋸歯形状等
の微細構造が形成されていても良い。このような構造が
あると、周囲光の映り込み抑制に効果がある。また、上
記実施の形態1〜3では反射画素電極をソースライン等
と同一平面上に作成したが、これは、パシベーション層
等を積層した上に反射画素電極を形成しても良い。この
とき、パシベーション層を介して反射画素電極をソー
ス、及びゲート上にも作成することで画素開口率が向上
し、高輝度化の効果がある。
【0093】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高分子分
散型液晶層の散乱ゲイン、パネルギャップ、及びΔnd
等を制御することで、液晶分率を大きくすることなく、
高コントラスト、及び高輝度な反射型の高分子分散型液
晶表示素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液晶表示素子10
1Aの簡略化した断面図である。
【図2】液晶表示素子101Aの表示原理を説明するた
めの図である。
【図3】液晶表示素子101Aの電圧・反射率特性を示
す図である。
【図4】液晶表示素子101Aの散乱特性を示す図であ
る。
【図5】散乱ゲインとコントラストの関係を示す図であ
る。
【図6】許容できるコントラストを実現するのに必要な
散乱ゲインのパネルギャップ依存性を示す図である。
【図7】パネルギャップと最大コントラストの関係を示
す図である。
【図8】パネルコントラストと積Δndの関係を示す図
である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る液晶表示素子10
1Bの簡略化した断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る液晶表示素子1
01Cの簡略化した断面図である。
【図11】赤色光に関する許容できるコントラストを実
現するのに必要な散乱ゲインのパネルギャップ依存性を
示す図である。
【図12】RGBに関する散乱ゲインと粒径の関係を示
す図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係る液晶表示素子1
01Dの簡略化した断面図である。
【図14】最適な散乱ゲインを実現するのに必要なRG
Bの層厚の大小関係を示す図である。
【符号の説明】
101 液晶表示素子 102 アレイ基板 103 対向基板 103a 樹脂フィルム基板 104 高分子分散型液晶層 104B B画素領域 104G G画素領域 104R R画素領域 105a R用反射画素電極 105b G用反射画素電極 105c B用反射画素電極 106 ソースライン 107 絶縁膜 109 対向電極 110 絶縁膜 111 高分子 112 液晶滴 113 高分子 120 入射光 121 散乱光 122 正反射光 125 観察者 130 散乱方位分布 131 散乱方位分布 132 散乱方位分布 140,141 配向膜 160 カラーフィルタ 161 Rカラーフィルタ部 162 Gカラーフィルタ部 163 Bカラーフィルタ部
フロントページの続き (72)発明者 上村 強 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA04 QA16 SA02 TA12 2H090 JB02 KA11 LA15 2H091 FA02Y FA14Z JA02 KA02 LA17

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板間に、高分子中に液晶滴が分散
    された高分子分散型液晶層が配置され、前記一対の基板
    のうち一方の基板に反射層が形成され、前記高分子分散
    型液晶層間に電界を印加して、高分子分散型液晶層の光
    散乱状態を変化させて表示を行なう反射型液晶表示素子
    において、 前記高分子分散型液晶層の厚みに応じて、前記高分子分
    散型液晶層の散乱ゲインが設定されていることを特徴と
    する反射型液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記散乱ゲインが、前記高分子分散型液晶
    層を透過型パネルに形成した場合の透過光に対する散乱
    ゲインであることを特徴とする請求項1記載の反射型液
    晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記高分子分散型液晶層の厚みdが、3μ
    m以上、8μm以下であることを特徴とする請求項1記
    載の反射型液晶表示素子。
  4. 【請求項4】前記高分子分散型液晶層の厚みに応じて、
    前記高分子分散型液晶層における液晶滴の粒径が設定さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表
    示素子。
  5. 【請求項5】一対の基板間に、高分子中に液晶滴が分散
    された高分子分散型液晶層が配置され、前記一対の基板
    のうち一方の基板に反射層が形成され、前記高分子分散
    型液晶層間に電界を印加して、高分子分散型液晶層の光
    散乱状態を変化させて表示を行なう反射型液晶表示素子
    において、 前記高分子分散型液晶層に含まれる液晶の屈折率異方性
    の大きさに応じて、前記高分子分散型液晶層の散乱ゲイ
    ンが設定されていることを特徴とする反射型液晶表示素
    子。
  6. 【請求項6】前記液晶の屈折率異方性の大きさに応じ
    て、前記高分子分散型液晶層における液晶滴の粒径が設
    定されていることを特徴とする請求項5記載の反射型液
    晶表示素子。
  7. 【請求項7】一対の基板間に、高分子中に液晶滴が分散
    された高分子分散型液晶層が配置され、前記一対の基板
    のうち一方の基板に反射層が形成され、前記高分子分散
    型液晶層間に電界を印加して、高分子分散型液晶層の光
    散乱状態を変化させて表示を行なう反射型液晶表示素子
    において、 前記高分子分散型液晶層の厚みと、前記高分子分散型液
    晶層に含まれる液晶の屈折率異方性の大きさに応じて、
    前記高分子分散型液晶層の散乱ゲインが設定されている
    ことを特徴とする反射型液晶表示素子。
  8. 【請求項8】一対の基板間に、高分子中に液晶滴が分散
    された高分子分散型液晶層が配置され、前記一対の基板
    のうち一方の基板に反射層が形成され、前記高分子分散
    型液晶層間に電界を印加して、高分子分散型液晶層の光
    散乱状態を変化させて表示を行なう反射型液晶表示素子
    において、 前記高分子分散型液晶層の厚みをd(μm)、前記高分
    子分散型液晶層の散乱ゲインをSGとした場合に、 50exp(−0.4d)< SG < 360exp
    (−0.47d) が成立つことを特徴とする反射型液晶表示素子。
  9. 【請求項9】前記散乱ゲインが、前記高分子分散型液晶
    層を透過型パネルに形成した場合の透過光に対する散乱
    ゲインであることを特徴とする請求項8記載の反射型液
    晶表示素子。
  10. 【請求項10】前記高分子分散型液晶層の厚みdが、3
    μm以上、8μm以下であることを特徴とする請求項8
    記載の反射型液晶表示素子。
  11. 【請求項11】前記液晶層の散乱ゲインが、10以上、
    200以下であることを特徴とする請求項8記載の反射
    型液晶表示素子。
  12. 【請求項12】前記液晶層の散乱ゲインが、液晶表示装
    置の使用温度範囲内で、10以上、200以下であるこ
    とを特徴とする請求項11記載の反射型液晶表示素子。
  13. 【請求項13】一対の基板間に、高分子中に液晶滴が分
    散された高分子分散型液晶層が配置され、前記一対の基
    板のうち一方の基板に反射層が形成され、前記高分子分
    散型液晶層間に電界を印加して、高分子分散型液晶層の
    光散乱状態を変化させて表示を行なう反射型液晶表示素
    子において、前記高分子分散型液晶層の厚みをd(μ
    m)、前記高分子分散型液晶層の散乱ゲインをSGとし
    た場合に、 50exp(−1.6Δn・d)< SG < 360
    exp(−1.88Δn・d) が成立つことを特徴とする反射型液晶表示素子。
  14. 【請求項14】前記散乱ゲインが、前記高分子分散型液
    晶層を透過型パネルに形成した場合の透過光に対する散
    乱ゲインであることを特徴とする請求項13記載の反射
    型液晶表示素子。
  15. 【請求項15】前記高分子分散型液晶層の厚みdが、3
    μm以上、8μm以下であることを特徴とする請求項1
    3記載の反射型液晶表示素子。
  16. 【請求項16】前記液晶層の散乱ゲインが、10以上、
    200以下であることを特徴とする請求項13記載の反
    射型液晶表示素子。
  17. 【請求項17】前記液晶層の散乱ゲインが、液晶表示装
    置の使用温度範囲内で、10以上、200以下であるこ
    とを特徴とする請求項16記載の反射型液晶表示素子。
  18. 【請求項18】一対の基板間に、高分子中に液晶滴が分
    散された高分子分散型液晶層が配置され、前記一対の基
    板のうちの一方の基板に反射層が形成され、前記高分子
    分散型液晶層間に電界を印加して、高分子分散型液晶層
    の光散乱状態を変化させて表示を行なう反射型液晶表示
    素子において、 液晶の複屈折率と高分子分散型液晶層の厚みの積が、
    0.6μm以上、2.2μm以下であることを特徴とす
    る反射型液晶表示素子。
  19. 【請求項19】前記液晶滴の粒径が、0.7μm以上、
    2μm以下であることを特徴とする請求項18記載の反
    射型液晶表示素子。
  20. 【請求項20】前記液晶の複屈折率が、0.15以上、
    0.27以下であることを特徴とする請求項18記載の
    反射型液晶表示素子。
  21. 【請求項21】前記高分子分散型液晶層の厚みが、3μ
    m以上、8μm以下であることを特徴とする請求項18
    記載の反射型液晶表示素子。
  22. 【請求項22】一対の基板間に、高分子中に液晶滴が分
    散された高分子分散型液晶層が配置され、前記一対の基
    板のうちの一方の基板に反射層が形成され、前記高分子
    分散型液晶層間に電界を印加して、高分子分散型液晶層
    の光散乱状態を変化させて表示を行なう反射型液晶表示
    素子において、 前記液晶滴のうち一対の基板界面近傍に存在する液晶滴
    が、基板に大円を接するほぼ半球状に形成され、かつ、
    前記半球状の液晶滴内部の液晶が基板と平行な方向にほ
    ぼ一様に配向していることを特徴とする反射型液晶表示
    素子。
  23. 【請求項23】前記一対の基板のうち一方の基板界面に
    形成された前記半球状の液晶滴内部の液晶の配向方位
    と、前記一対の基板のうちの他方の基板界面に形成され
    た前記半球状の液晶滴内部の液晶の配向方位とは、互い
    にほぼ平行であることを特徴とする請求項22記載の反
    射型液晶表示素子。
  24. 【請求項24】前記高分子分散型液晶層の厚みが、3μ
    m以上、8μm以下であることを特徴とする請求項22
    記載の反射型液晶表示素子。
  25. 【請求項25】一対の基板間に、高分子中に液晶滴が分
    散された高分子分散型液晶層が配置され、前記一対の基
    板のうち一方の基板に反射層が形成され、前記一方の基
    板または他方の基板の何れか一方にRGBカラーフィル
    タが形成され、前記高分子分散型液晶層間に電界を印加
    して、高分子分散型液晶層の光散乱状態を変化させて表
    示を行なう反射型液晶表示素子において、 前記高分子分散型液晶層の厚みをd(μm)、前記高分
    子分散型液晶層の緑色光に対する散乱ゲインのうち赤色
    画素領域の散乱ゲインをSGr、緑色画素領域の散乱ゲ
    インをSGg、青色画素領域の散乱ゲインをSGbとし
    た場合に、 緑色画素領域では、 50exp(−0.4d)< SGg < 360ex
    p(−0.47d) が成り立ち、青色画素領域では、 50exp(−0.4d)< SGb < 360ex
    p(−0.47d) が成り立ち、赤色画素領域では、 40exp(−0.3d)< SGr < 650ex
    p(−0.4d) が成立つことを特徴とする反射型液晶表示素子。
  26. 【請求項26】前記赤色画素領域の層厚をdR、前記緑
    色画素領域の層厚をdG、前記青色画素領域の層厚をd
    Bとしたときに、dR>dG>dBであることを特徴と
    する請求項25記載の反射型液晶表示素子。
  27. 【請求項27】前記赤色画素領域の液晶滴の粒径をr
    R、前記緑色画素領域の液晶滴の粒径をrG、前記青色
    画素領域の液晶滴の粒径をrBとしたときに、rR>r
    G>rBであることを特徴とする請求項25記載の反射
    型液晶表示素子。
  28. 【請求項28】前記カラーフィルタが前記反射層上に形
    成され、前記高分子分散型液晶層が前記カラーフィルタ
    上に形成されたことを特徴とする請求項25記載の反射
    型液晶表示素子。
  29. 【請求項29】所定の観察方向から観察した場合に、液
    晶層の散乱状態と透過状態との変化過程中に輝度レベル
    にピーク値が存在するような輝度−電圧特性を有し、 前記輝度−電圧特性における輝度レベルがピーク値とな
    る電圧値と、輝度レベルが略0レベルとなる電圧値との
    範囲を、駆動電圧範囲とすることを特徴とする請求項8
    記載の反射型液晶表示素子。
  30. 【請求項30】所定の観察方向から観察した場合に、液
    晶層の散乱状態と透過状態との変化過程中に輝度レベル
    にピーク値が存在するような輝度−電圧特性を有し、 前記輝度−電圧特性における輝度レベルがピーク値とな
    る電圧値と、輝度レベルが略0レベルとなる電圧値との
    範囲を、駆動電圧範囲とすることを特徴とする請求項1
    3記載の反射型液晶表示素子。
  31. 【請求項31】前記観察方向が、液晶層の透過状態時に
    液晶層から前方側へ出射される光の出射方向と異なる方
    向に設定されていることを特徴とする請求項29記載の
    反射型液晶表示素子。
  32. 【請求項32】前記観察方向が、液晶層の透過状態時に
    液晶層から前方側へ出射される光の出射方向と異なる方
    向に設定されていることを特徴とする請求項30記載の
    反射型液晶表示素子。
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