JP2001051143A - 光導波路デバイスおよびその製造方法 - Google Patents
光導波路デバイスおよびその製造方法Info
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Abstract
なく、偏光依存性が極めて小さい石英系光導波路デバイ
スを再現性よく高歩留まりで作製することを目的とす
る。 【解決手段】Si基板上に形成された下部クラッド層、
コア、上部クラッド層よりなる石英系光導波路において
下部クラッド層及び上部クラッド層がBPSG膜によっ
て形成されている。コア下部には下層クラッド層の軟化
によるコアの沈み込みや傾きを抑えるために軟化温度の
比較的高い2層以上の沈み込み防止層が形成されてい
る。
Description
る、光導波路デバイスとその製造方法に関する。
い、光通信システムの商用化展開が非常な勢いで進んで
いる。通常の電話回線で3万回線以上を伝送できる2.
5Gb/sシステムなどが多くの地域で導入されてお
り、情報伝送容量の拡大にあわせて、波長多重方式によ
って多重数倍の大容量化を図る方式が既に実用化される
に至っている。初期の数波レベルの波長多重から、現在
では、80波レベルまでの高密度波長多重方式が商用化
されるようになってきた。このような波長多重光通信方
式においては、異なる波長を有する複数の信号光を1本
の光ファイバに導入するための合波器、また波長多重さ
れた光信号から、異なる波長の信号に切り分けるための
分波器が重要となり、その一例として、アレイ導波路格
子(AWG)が注目されている。図7に示すようにAW
Gは入出力2つのスターカップラ22、24の間に同じ
光路長差を有するアレイ状の光導波路が形成されたもの
であり、アレイ導波路が高次の回折格子の役割を担うこ
とによって合分波の機能を示すものである。シリコン
(Si)基板ないし、石英基板上に石英系の光導波路を
形成したAWGはすでに商用化されており、実際の光通
信システムに用いられている。
路デバイスではSiと石英系導波路材料の熱膨張係数の
違いに起因する熱応力が発生する。この応力により石英
系膜内部に複屈折が発生し、その結果TEとTMモード
間で伝搬特性が異なってしまうという問題が潜在する。
特にAWGデバイスのように隣接チャネル波長間隔が狭
く急峻な透過波長スペクトルを有するデバイスではごく
僅かなTE、TMモード間の波長特性のずれでも大きな
偏光依存損失(PDL)が生じてしまい実用上大きな問
題となる。PDLを低減するためには導波路を構成する
石英系膜の熱応力を低減する必要がある。熱応力を低減
することは膜中のリン(P)やボロン(B)等のドーパ
ント濃度を調整し熱膨張係数をSi基板に近づけること
により可能である。本方法により熱応力を低減したクラ
ッドを用いて光導波路を形成する方法が例えば特開平8
−136754号公報に記載されており、またエレクト
ロニクス・レターズ、第33巻、第13号、1173〜1174
ページ、1997年6月(ELECTRONICS LETTERS,Vol.3
3,No.13,PP.1173-1174, June,1997)によると鈴木らは
本方法により応力複屈折を低減したAWGデバイスを作
製し、モードに依存する透過中心波長のずれ(Δλ)を
それまでの0.19nmから0.03nmに低減するこ
とに成功している。
法では膜応力を低減するために下部クラッド層にP及び
Bを高濃度にドーピングした石英系膜を用いているた
め、上部クラッド層成膜後の高温熱処理により導波路中
のコアが下部クラッド層の一部に沈み込んでしまうとい
う問題があった。すなわち、石英系膜はPやBを高濃度
にドーピングすると軟化温度が低下することが知られて
おり、上部クラッド層成膜後の高温熱処理に耐えられ
ず、コアの位置が変わってしまったり傾いてしまったり
し、デバイスの特性が劣化するという問題が起こった。
特にAWGデバイスの場合、ごく僅かなコアの位置ずれ
や傾きがチャンネル間クロストークの増加等の弊害をも
たらす。このようなコアの位置ずれや傾きを防止するた
め下部クラッド層上部にPやB等のドパーントを含まな
い純粋石英系膜(NSG)を形成することが特開平5−
157925号公報に記載されている。この方法では1
000℃以上の高温で上部クラッド層を形成することか
らNSG層には十分な厚さを必要とする。ところがNS
Gは軟化温度が高く強固な反面、応力も大きいため基板
のそりや導波路層中の応力増加をもたらしΔλを増加さ
せるという問題があった。またNSGは屈折率の制御が
難しいため他のクラッド層の屈折率をNSGに合わせな
ければならずドーパントの種類や量の自由度が小さくな
るという問題もあった。
及び基板面内均一性に優れた光導波路デバイスとその製
造方法を提供することを目的とする。
めに、本願発明では以下のような光導波路デバイスとそ
の製造方法を開示する。
層、コア、上部クラッド層をする光導波路デバイスにお
いて、前記下部クラッド層と前記コアの間に燐及びボロ
ンの少なくともいずれかを添加した石英系膜であって、
前記上部クラッド層よりも軟化温度が高い材料からなる
沈み込み防止層を有することを特徴とする光導波路デバ
イスである。
コア、上部クラッド層をする光導波路デバイスにおい
て、前記下部クラッド層と前記コアの間に燐及びボロン
の少なくともいずれかを添加した石英系膜であって、前
記上部クラッド層よりも軟化温度が高い材料からなる第
1の沈み込み防止層とこの第1の沈み込み防止層よりも下
にあってこの第1の沈み込み防止層よりもさらに軟化温
度が高い材料からなる第2の沈み込み防止層からなるこ
とを特徴とする光導波路デバイスである。
うち少なくとも上部クラッド層が燐及びボロンの少なく
ともいずれかを添加した石英系膜からなることを特徴と
する光導波路デバイスである。
ラッド層を形成する石英系膜中の燐元素とボロン元素の
重量濃度の和が6.2wt%以上15wt%以下であ
り、かつ前記石英系膜の膜応力が3×107Pa以下で
あることを特徴とする光導波路デバイスである。
ラッド層を形成する石英系膜中の燐元素とボロン元素の
重量濃度の和が8.8wt%以上15wt%以下であ
り、前記光導波路デバイスの偏光に依存する透過中心波
長のずれが0.03nm以下であることを特徴とする光
導波路デバイスである。
石英系膜中の燐元素とボロン元素の重量濃度の和が12
〜14wt%であり、該石英系膜の膜応力が8.3×1
06Pa以下であることを特徴とする請求項3に記載の
光導波路デバイスである。
2wt%、ボロン元素重量濃度を3〜11wt%とする
ことを特徴とする請求項3に記載の光導波路デバイスで
ある。
イスが導波路型光干渉計とすることができる。
の入力導波路を接続した第1のスラブ導波路と、少なく
とも一本以上の出力導波路を接続した第2のスラブ導波
路をアレイ導波路の両端に有するアレー導波路格子型光
合分波器を含むことができる。
層、沈み込み防止層、コア、上部クラッド層をこの順に
有し、前記沈み込み防止層は前記上部クラッド層よりも
軟化温度が高い材料からなる光導波路デバイスの製造方
法であって、シリコン基板上に下部クラッド層、沈み込
み防止層、コア、上部クラッド層をこの順に形成する工
程を有し、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層
の両方あるいは前記上部クラッド層のみを燐及びボロン
の少なくともいずれかを添加した石英系膜によって形成
する光導波路デバイスの製造方法において、前記石英系
膜はCVD法を用い燐元素とボロン元素の重量濃度の和
を6.2wt%以上15wt%以下添加して成膜し、そ
の後前記石英系膜に800℃以上1000℃以下の熱処
理を施す工程を備え、かつ前記石英系膜の膜応力が3×
107Pa以下であることを特徴とする光導波路デバイ
スの製造方法である。
ド層、沈み込み防止層、コア、上部クラッド層をこの順
に有し、前記沈み込み防止層は前記上部クラッド層より
も軟化温度が高い材料からなる光導波路デバイスの製造
方法であって、シリコン基板上に下部クラッド層、沈み
込み防止層、コア、上部クラッド層をこの順に形成する
工程を有し、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド
層の両方あるいは前記上部クラッド層のみを燐及びボロ
ンの少なくともいずれかを添加した石英系膜によって形
成する光導波路デバイスの製造方法において、前記石英
系膜の成膜にはCVD法を用い燐元素とボロン元素の重
量濃度の和を8.8wt%以上15wt%以下添加して
成膜し、その後前記石英系膜に800℃以上1000℃
以下の熱処理を施す工程を備え、かつ前記光導波路デバ
イスの偏光に依存する透過中心波長のずれを0.03n
m以下とすることを特徴とする光導波路デバイスの製造
方法である。
沈み込み防止層が前記上部クラッド層よりも軟化温度が
高い材料からなる第1の沈み込み防止層とこの第1の沈み
込み防止層よりもさらに下にあってこの第1の沈み込み
防止層よりもさらに軟化温度が高い材料からなる第2の
沈み込み防止層からなることを特徴とする光導波路デバ
イスの製造方法である。
とすることができる。
ボロン元素重量濃度を3〜11wt%とすることを特徴
とする請求項10から12のいずれかに記載の光導波路
デバイスの製造方法。
燐元素とボロン元素の重量濃度の和を12〜14wt%
とすることを特徴とする請求項10から12のいずれか
に記載の光導波路デバイスの製造方法である。
成膜にテトラエチルオルソシリケートをオゾンにより分
解する常圧CVD法を用いることができる。
べて高くかつ屈折率及び応力も調整可能な沈み込み防止
層を挿入すること、あるいはこの沈み込み防止層の下に
さらに軟化温度の高い沈み込み防止層を挿入することに
より下部クラッド層へのコア沈みや傾きなどの問題を解
決し、コアの位置ずれを防止し形状均一性を高くでき、
導波路デバイスの特性は向上し良品歩留まりも向上し
た。
等を用いてより詳細に説明する。
工程図である。シリコン基板1上にテトラエチルオルソ
シリケート(Si(OC2H5)4)よりなる有機ソース
をオゾン(O3)により分解する常圧化学気相堆積法
(TEOS−O3によるAPCVD法)を用いて、燐
(P)とボロン(B)を添加した石英系膜(BPSG:
SiO2+P2O5+B2O3)により下部クラッド層2を
成膜後、Pを添加した石英系膜(PSG:SiO2+P2
O5)からなる沈み込み防止層5を形成した。次にP、
ゲルマニウム(Ge)を添加した石英系膜(GPSG:
SiO2+P2O5+GeO2)からなるコア層7を成膜
し、コア層7をフォトリソグラフィ及びリアクティブイ
オンエッチング(RIE)を用いて所望のパターンにエ
ッチングしチャネル型のコア3を形成後、上部クラッド
層4を成膜し埋込型石英系光導波路を形成した。なお、
各層成膜後にはアニール処理を行った。なお、コア材料
にはこの他にP、GeあるいはBのうち1つないし複数
をのドーパントを含む石英系材料あるいはSiON膜、
SiN膜、ポリマー系などいかようにも選ぶことはでき
る。コア層7の屈折率はGeの濃度を調整することなど
によってクラッドの屈折率に対して所望の比屈折率差と
なるよう制御する。なお、光波制御の都合上、下部クラ
ッド層2と上部クラッド層4の屈折率は同じであること
が望ましい。
の断面図を図2に示す。上部クラッド層熱処理時のコア
3の沈み込みや傾きという問題は抑えられる。RIEに
よるコア3のエッチング加工時にエッチングが一部でも
沈み込み防止層5を突き抜けてその下のBPSG膜層に
達してしまうと沈み込み防止層5の効果が減少するため
沈み込み防止層5をあまり薄くすることはできない。逆
に厚くすると沈み込み防止層5による応力増加の影響が
現れるため、この沈み込み防止層5の厚さはコア加工時
のRIEエッチング量の面内でのばらつきを勘案して
0.2〜5μm程度にとるのがよい。沈み込み防止層5
の材料としてPSGを用いた理由は第一には軟化温度が
BPSGよりも高く900℃以下程度のプロセスであれ
ばコアの沈み込みを防ぐことが可能なためであり、第二
には屈折率がP濃度を調整することにより調整でき下部
クラッド層2や上部クラッド層4に近づけることができ
るためである。また第三にはPを添加することによりド
ーパントが添加されていない石英系膜(NSG)等に比
べ応力を低減できるためである。以上の理由から本実施
例では沈み込み防止層5の材料としてPSGを用いた
が、その他P、B、Ge、フッ素(F)等のドーパント
を上記の特徴を有するように適切に調整したものであっ
ても構わない。
である。この構成は図2に示した構成に加え、沈み込み
防止層5の直下にさらに軟化温度の高い第二の沈み込み
防止層6を挿入し、図2よりさらにコアの沈み込みに対
する効果を高めたものである。この構成も沈み込み防止
層5の成膜前に沈み込み防止層6を挿入しただけのもの
であるから簡単に実現できる。例えば沈み込み防止層5
にPSG、沈み込み防止層6にドーパントのない石英系
膜(NSG)を使用することにより、コア3の沈みや傾
きという問題は完全に抑えることができた。NSGはク
ラッドを形成するBPSGに比べ非常に軟化温度が高く
コアの沈み込み等を抑える効果が高い。しかしながら応
力も非常に大きいことや屈折率の制御が難しいことか
ら、コアの沈み込みを抑えられる範囲でできるだけ薄く
成膜し応力や導波路の等価屈折率の変化への影響をでき
るだけ減らすことが重要である。本実施形態では沈み込
み防止層6としてNSGを0.1μm以上0.3μm以
下で形成しNSGがないときとほぼ同じ応力及び等価屈
折率を実現でき、かつコアの沈み込み等を1000℃以
下のプロセスで完全に抑えることができた。なお沈み込
み防止層5なしで沈み込み防止層6をコア直下に形成す
ると沈み込み防止層6は薄く形成しているためにRIE
によるコアのエッチング加工時にエッチング量の面内分
布によりエッチングが沈み込み防止層6を突き抜けてし
まうことがあるため、沈み込み防止層5との2層構造に
することが重要である。コアに近接している沈み込み防
止層5はPSGなどの材料を用いてP濃度等を調整する
ことにより屈折率をBPSGクラッドと整合させること
が可能であるとともに応力も低減することも可能であ
る。以上記したように図3に示す2層の沈み込み防止層
5,6を挿入することにより応力及び屈折率の整合がと
れ、コアのエッチング加工時のエッチング量のマージン
が考慮され、コア沈み込みに対して極めて効果の高い構
造を実現できる。ここで図3にて沈み込み防止層5及び
6の例にそれぞれPSG、NSGを挙げたが、それに相
当する効果があればこれに限るものではなく、沈み込み
防止層5には図2の説明で沈み込み防止層5の他の例と
して挙げたもの、沈み込み防止層6にはSiN膜、ある
いはSiON膜などであっても構わない。
った。シリコン基板上に、TEOS−O3によるAPC
VD法を用いて、BPSG単層15μmを堆積した。膜
堆積後はアニール処理を行った。表1に本実験で用いた
成膜温度とアニール温度、アニール時間を示す。
を変化させたときのP元素とB元素の重量濃度の和(以
下P濃度+B濃度とする)と膜の応力の関係を図4に示
す。図4において、膜応力は正が引っ張り、負が圧縮を
示し、条件A〜Eは表1中の条件A〜Eを表している。
膜応力の測定は、基板のそり量を測定することによって
行った。
力の関係は線形であり、濃度を制御することにより応力
を適切に制御できることが分かった。また、応力は成膜
条件やアニール条件等プロセスパラメータにも依存して
おり、プロセスパラメータに応じて適切な添加物濃度を
選ぶ必要があることが分かった。
PDLは実用上0.3dB以下に抑える必要がある。P
DLはΔλに近似的に比例しその比例定数が数〜10d
B/nmであることを考慮するとΔλの絶対値は0.0
3nm以下に抑える必要がある。Δλ=ΔL/m×Bで
あるからΔL/m×B≦0.03nmとなればよい。こ
こでΔLは光路長差、mは回折次数、Bは複屈折すなわ
ちTMとTEの等価屈折率の差である。ΔLとmにおよ
そ一般的な値を用いると、例えばΔL=60.73μ
m、m=57とするとB=Kσよりσ≦8.3×106
Paとする必要がある。ここでσは膜応力でありKは光
弾性定数でありK=3.4×10-12Pa- 1を用いた。
ただしΔλを最適化するためには単層の膜応力だけでは
決定できずΔλは各層の熱履歴やデバイスの層構造等に
よっても変化することがあることに留意する必要があ
る。
ン(B)の添加量を変化させたときのP濃度+B濃度と
Δλの関係を図5に示す。図5に示すようにP濃度+B
濃度とΔλとは線形であり、濃度を適切に制御すること
により偏光に依存しないすなわちΔλがほぼ0nmの光
導波路を作成できることが分かった。表1の範囲すなわ
ち成膜温度が380〜450℃、アニール温度が800
〜1000℃の範囲ではΔλが0.03nm以下となる
P濃度+B濃度は8.8wt%〜15wt%の範囲に入
っていることが分かった。
ては応力は3×107Pa以下であれば十分であり、そ
の時のP濃度+B濃度は図4より6.2wt%〜17.
6wt%であった。
えると耐水性が著しく劣化し、伝搬損失が時間と共に劣
化したため、P濃度+B濃度は15wt%以下とするこ
とが望ましい。
設定したのは、Si基板の熱膨張係数に近づくような高
濃度のPとBを添加したBPSG膜を、FHD法等で一
般に用いられている1200℃以上の高温で処理すると
分相や偏析などの原因により伝搬損失が増加するためで
ある。またアニール温度が800℃より低くなると上部
クラッド層が十分軟化されないため狭いコア間の埋込が
困難となるため800℃を下限とした。
す導波路断面構成からなる周波数間隔100GHzの1
6チャンネルAWGデバイスを実際に作製した。下部ク
ラッド及び上部クラッド厚は15μmとし、沈み込み防
止層5にはPSG3μm、沈み込み防止層6にはNSG
0.3μmとし、コアは幅及び高さを5.5μmとし
た。また、コアの屈折率はクラッドの屈折率に対して高
く、比屈折率差が0.7%程度となるように設定した。
PとB元素濃度和は13.0wt%になるように設定
し、基板そりから算出される応力は3×106Paであ
った。測定の結果Δλはウェハ面内で平均0.01nm
以下であり、面内のばらつきも±0.01nm以内と極
めて良好であった。P+B濃度の精度を考慮するとウェ
ハ間ばらつきも十分小さく抑えられると考えられる。図
6に示すように全16チャンネルの隣接チャンネル間ク
ロストークは−26dB以下と良好であった。PDLは
平均0.14dB以下であった。また高温高湿度中での
信頼性加速試験評価の結果では85℃90%で1000
時間経過後も外観上の変質等はほとんど見られず、また
損失の変動は0.2dB以内で安定していた。
存性が極めて小さく、クラッドの屈折率制御の自由度の
高い生産安定性に優れた光導波路デバイスが作製可能と
なった。また、コアの位置精度の高い高歩留まりな低偏
光依存光導波路デバイスを作製することが可能となっ
た。
説明図。
Claims (18)
- 【請求項1】 シリコン基板上に下部クラッド層、コ
ア、上部クラッド層をする光導波路デバイスにおいて、
前記下部クラッド層と前記コアの間に燐及びボロンの少
なくともいずれかを添加した石英系膜であって、前記上
部クラッド層よりも軟化温度が高い材料からなる沈み込
み防止層を有することを特徴とする光導波路デバイス。 - 【請求項2】 シリコン基板上に下部クラッド層、コ
ア、上部クラッド層をする光導波路デバイスにおいて、
前記下部クラッド層と前記コアの間に燐及びボロンの少
なくともいずれかを添加した石英系膜であって、前記上
部クラッド層よりも軟化温度が高い材料からなる第1の
沈み込み防止層とこの第1の沈み込み防止層よりも下に
あってこの第1の沈み込み防止層よりもさらに軟化温度
が高い材料からなる第2の沈み込み防止層からなること
を特徴とする光導波路デバイス。 - 【請求項3】 前記クラッド層のうちの少なくとも上部
クラッド層が燐及びボロンの少なくともいずれかを添加
した石英系膜からなることを特徴とする請求項1または2
記載の光導波路デバイス。 - 【請求項4】 前記上部クラッド層を形成する石英系膜
中の燐元素とボロン元素の重量濃度の和が6.2wt%
以上15wt%以下であり、かつ前記石英系膜の膜応力
が3×107Pa以下であることを特徴とする請求項3
記載の光導波路デバイス。 - 【請求項5】 前記上部クラッド層を形成する石英系膜
中の燐元素とボロン元素の重量濃度の和が8.8wt%
以上15wt%以下であり、前記光導波路デバイスの偏
光に依存する透過中心波長のずれが0.03nm以下で
あることを特徴とする請求項3記載の光導波路デバイ
ス。 - 【請求項6】 前記上部クラッド層を形成する石英系膜
中の燐元素とボロン元素の重量濃度の和が12〜14w
t%であり、該石英系膜の膜応力が8.3×106Pa
以下であることを特徴とする請求項3に記載の光導波路
デバイス。 - 【請求項7】 燐元素重量濃度を4〜12wt%、ボロ
ン元素重量濃度を3〜11wt%とすることを特徴とす
る請求項3に記載の光導波路デバイス。 - 【請求項8】 前記光導波路デバイスが導波路型光干渉
計であることを特徴とする請求項5から7のいずれかに
記載の光導波路デバイス。 - 【請求項9】 少なくとも一本以上の入力導波路を接続
した第1のスラブ導波路と、少なくとも一本以上の出力
導波路を接続した第2のスラブ導波路をアレイ導波路の
両端に有するアレー導波路格子型光合分波器を含むこと
を特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の光導波路
デバイス。 - 【請求項10】 前記沈み込み防止層は、厚さ0.2μ
m以上5μm以下であることを特徴とする請求項1記載
の光導波路デバイス。 - 【請求項11】 前記第2の沈み込み防止層は、厚さ
0.1μm以上0.3μm以下であることを特徴とする
請求項2記載の光導波路デバイス。 - 【請求項12】 シリコン基板上に下部クラッド層、沈
み込み防止層、コア、上部クラッド層をこの順に有し、
前記沈み込み防止層は前記上部クラッド層よりも軟化温
度が高い材料からなる光導波路デバイスの製造方法であ
って、シリコン基板上に下部クラッド層、沈み込み防止
層、コア、上部クラッド層をこの順に形成する工程を有
し、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層の両方
あるいは前記上部クラッド層のみを燐及びボロンの少な
くともいずれかを添加した石英系膜によって形成する光
導波路デバイスの製造方法において、前記石英系膜はC
VD法を用い燐元素とボロン元素の重量濃度の和を6.
2wt%以上15wt%以下添加して成膜し、その後前
記石英系膜に800℃以上1000℃以下の熱処理を施
す工程を備え、かつ前記石英系膜の膜応力が3×107
Pa以下であることを特徴とする光導波路デバイスの製
造方法。 - 【請求項13】 シリコン基板上に下部クラッド層、沈
み込み防止層、コア、上部クラッド層をこの順に有し、
前記沈み込み防止層は前記上部クラッド層よりも軟化温
度が高い材料からなる光導波路デバイスの製造方法であ
って、シリコン基板上に下部クラッド層、沈み込み防止
層、コア、上部クラッド層をこの順に形成する工程を有
し、前記下部クラッド層及び前記上部クラッド層の両方
あるいは前記上部クラッド層のみを燐及びボロンの少な
くともいずれかを添加した石英系膜によって形成する光
導波路デバイスの製造方法において、前記石英系膜の成
膜にはCVD法を用い燐元素とボロン元素の重量濃度の
和を8.8wt%以上15wt%以下添加して成膜し、
その後前記石英系膜に800℃以上1000℃以下の熱
処理を施す工程を備え、かつ前記光導波路デバイスの偏
光に依存する透過中心波長のずれを0.03nm以下と
することを特徴とする光導波路デバイスの製造方法。 - 【請求項14】 前記沈み込み防止層が前記上部クラッ
ド層よりも軟化温度が高い材料からなる第1の沈み込み
防止層とこの第1の沈み込み防止層よりもさらに下にあ
ってこの第1の沈み込み防止層よりもさらに軟化温度が
高い材料からなる第2の沈み込み防止層からなることを
特徴とする請求項12または13記載の光導波路デバイ
スの製造方法。 - 【請求項15】 前記光導波路デバイスが導波路型光干
渉計であることを特徴とする請求項13に記載の光導波
路デバイスの製造方法。 - 【請求項16】 燐元素重量濃度を4〜12wt%、ボ
ロン元素重量濃度を3〜11wt%とすることを特徴と
する請求項12から14のいずれかに記載の光導波路デ
バイスの製造方法。 - 【請求項17】 成膜温度400℃、熱処理温度880
℃、燐元素とボロン元素の重量濃度の和を12〜14w
t%とすることを特徴とする請求項12から14のいず
れかに記載の光導波路デバイスの製造方法。 - 【請求項18】 前記上部クラッド層及び下部クラッド
層の成膜にテトラエチルオルソシリケートをオゾンによ
り分解する常圧CVD法を用いることを特徴とする請求
項12〜17のいずれかに記載の光導波路デバイスの製
造方法。
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