JP2001051104A - マイクロレンズ基板、液晶パネル用対向基板、液晶パネルおよび投射型表示装置 - Google Patents

マイクロレンズ基板、液晶パネル用対向基板、液晶パネルおよび投射型表示装置

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JP2001051104A JP11228749A JP22874999A JP2001051104A JP 2001051104 A JP2001051104 A JP 2001051104A JP 11228749 A JP11228749 A JP 11228749A JP 22874999 A JP22874999 A JP 22874999A JP 2001051104 A JP2001051104 A JP 2001051104A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造時の手間を簡略化することができ、しかも
大幅な製造コストの削減が可能なマイクロレンズ基板を
提供すること。 【解決手段】マイクロレンズ基板1は、透明基板5上に
設けられたマイクロレンズ形成層6と、かかるマイクロ
レンズ形成層4上に設けられた樹脂層4と、かかる樹脂
層4上に形成されたバリア層3とを有しており、また、
マイクロレンズ形成層6では、マイクロレンズ形成層6
を構成する樹脂により多数のマイクロレンズ7が形成さ
れている。バリア層3は、AlNとSiNとの複合セラ
ミックで構成された薄膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロレンズ基
板、液晶パネル用対向基板、液晶パネルおよび投射型表
示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スクリーン上に、画像を投影する投射型
表示装置が知られている。このような投射型表示装置で
は、その画像形成に主として液晶パネル(液晶光シャッ
ター)が用いられている。この液晶パネルは、例えば、
液晶を駆動する液晶駆動基板と液晶パネル用対向基板と
が、液晶層を介して接合された構成となっている。
【0003】このような構成の液晶パネルの中には、光
の利用効率を高めるべく、液晶パネル用対向基板の各画
素に対応する位置に多数の微小なマイクロレンズを設け
たものが知られている。これにより、高い光の利用効率
を有する液晶パネルが得られる。
【0004】図5は、液晶パネル用対向基板に用いられ
るマイクロレンズ基板の従来の構造を示す模式的な縦断
面図である。
【0005】同図に示すように、マイクロレンズ基板9
00は、ガラス基板902上に設けられたマイクロレン
ズ形成層906と、かかるマイクロレンズ形成層906
を覆う樹脂層904と、樹脂層904に接合されたカバ
ーガラス903とを有しており、また、マイクロレンズ
形成層906には、多数のマイクロレンズ907が形成
されている。
【0006】ところが、このようなマイクロレンズ基板
900では、カバーガラス903の構成材料に、石英ガ
ラス等の高価なガラスを使用しなければならなかった。
これは、前述した液晶駆動基板の構成材料には、通常、
製造時の環境変化により特性が変化しにくい石英ガラス
基板が用いられ、かかる石英ガラス基板とカバーガラス
903との間で熱膨張係数の相違によるそり、たわみ等
を防止する必要があるためである。
【0007】しかし、石英ガラスは非常に高価であるた
め、マイクロレンズ基板900を製造する上でコスト高
の大きな原因となっていた。
【0008】しかも、マイクロレンズ基板900を製造
する際には、カバーガラス903を樹脂層904に接合
後、所定の厚さに研削、研磨しなければならず、その手
間と時間は多大なものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
時の手間を簡略化することができ、しかも大幅な製造コ
ストの削減が可能なマイクロレンズ基板、および、かか
るマイクロレンズ基板を備えた液晶パネル用対向基板、
液晶パネル、さらには、投射型表示装置を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(16)の本発明により達成される。
【0011】(1) 透明基板上に設けられた多数のマ
イクロレンズと、該マイクロレンズを覆うように設けら
れた樹脂層と、該樹脂層上に形成され、前記樹脂層との
間で水分または有機成分の移行を阻止するバリア層とを
有することを特徴とするマイクロレンズ基板。
【0012】(2) 前記バリア層は、セラミックで構
成されている上記(1)に記載のマイクロレンズ基板。
【0013】(3) 前記バリア層は、複数種類のセラ
ミックを含むものである上記(1)に記載のマイクロレ
ンズ基板。
【0014】(4) 前記セラミックは、窒化物系セラ
ミックである上記(2)または(3)に記載のマイクロ
レンズ基板。
【0015】(5) 前記バリア層の厚さは、20nm
〜20μmである上記(1)ないし(4)のいずれかに
記載のマイクロレンズ基板。
【0016】(6) 前記バリア層は、気相成膜法によ
り形成されたものである上記(1)ないし(5)のいず
れかに記載のマイクロレンズ基板。
【0017】(7) 前記気相成膜法は、スパッタリン
グ法である上記(6)に記載のマイクロレンズ基板。
【0018】(8) 前記気相成膜法は、窒素ガスを含
む雰囲気中で行なわれたものである上記(6)または
(7)に記載のマイクロレンズ基板。
【0019】(9) 前記マイクロレンズは、樹脂で構
成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載
のマイクロレンズ基板。
【0020】(10) 上記(1)ないし(9)のいず
れかに記載のマイクロレンズ基板と、前記バリア層上に
設けられた透明導電膜とを有することを特徴とする液晶
パネル用対向基板。
【0021】(11) 上記(1)ないし(9)のいず
れかに記載のマイクロレンズ基板と、前記バリア層上に
設けられたブラックマトリックスと、該ブラックマトリ
ックスを覆う透明導電膜とを有することを特徴とする液
晶パネル用対向基板。
【0022】(12) 上記(10)または(11)に
記載の液晶パネル用対向基板を備えたことを特徴とする
液晶パネル。
【0023】(13) 個別電極を備えた液晶駆動基板
と、該液晶駆動基板に接合された上記(11)または
(12)に記載の液晶パネル用対向基板と、前記液晶駆
動基板と前記液晶パネル用対向基板との空隙に封入され
た液晶とを有することを特徴とする液晶パネル。
【0024】(14) 前記液晶駆動基板はTFT基板
である上記(13)に記載の液晶パネル。
【0025】(15) 上記(12)ないし(14)の
いずれかに記載の液晶パネルを備えたライトバルブを有
し、該ライトバルブを少なくとも1個用いて画像を投射
することを特徴とする投射型表示装置。
【0026】(16) 画像を形成する赤色、緑色およ
び青色に対応した3つのライトバルブと、光源と、該光
源からの光を赤色、緑色および青色の光に分離し、前記
各光を対応する前記ライトバルブに導く色分離光学系
と、前記各画像を合成する色合成光学系と、前記合成さ
れた画像を投射する投射光学系とを有する投射型表示装
置であって、前記ライトバルブは、上記(12)ないし
(14)のいずれかに記載の液晶パネルを備えたことを
特徴とする投射型表示装置。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す好
適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0028】図1は、本発明のマイクロレンズ基板の実
施形態を示す模式的な縦断面図である。
【0029】同図に示すように、マイクロレンズ基板1
は、透明基板5上に設けられたマイクロレンズ形成層6
と、かかるマイクロレンズ形成層6上に設けられた樹脂
層4と、かかる樹脂層4上に形成されたバリア層3とを
有しており、また、マイクロレンズ形成層6では、マイ
クロレンズ形成層6を構成する樹脂により多数のマイク
ロレンズ7が形成されている。
【0030】透明基板5は、マイクロレンズ基板1の基
材として機能する部分である。マイクロレンズ基板1が
後述するように液晶パネル16等に用いられる場合には
(図3参照)、透明基板5の熱膨張係数は、液晶パネル
16が有するガラス基板171の熱膨張係数とほぼ等し
いものであることが好ましい。これにより、液晶パネル
16では、温度が変化したときに透明基板5とガラス基
板171との熱膨張係数が違うことにより生じるそり、
たわみ等が防止される。このような観点からは、透明基
板5とガラス基板171との熱膨張係数の比は、1:
0.01〜1:100程度が好ましい。
【0031】ただし、液晶パネル16では、ガラス基板
171と透明基板5とがある程度離間し、しかも、本発
明によれば、両者の間にガラス等の高硬度材料を設ける
必要がないので、両者の材質は、全く同じものとしなく
てもよい。しかも、本発明によれば、透明基板5にエッ
チング等の処理を施す必要がない。このため、透明基板
5の材料選択の幅は広く、透明基板5には、安価なも
の、汎用性の高いもの、エッチング特性に劣るもの等を
使用することが可能となる。このような観点からは、透
明基板5には、石英ガラス、ネオセラム(登録商標、日
本電気ガラス(株)製)、OA−2(登録商標、日本電
気ガラス(株)製)、パイレックスガラス(登録商標、
岩城硝子(株)製)等の低膨張ガラスが好適に用いられ
る。なお、透明基板5を石英ガラスで構成してもよいこ
とは言うまでもない。
【0032】このような透明基板5上にはマイクロレン
ズ形成層6が形成されており、このマイクロレンズ形成
層6には、湾曲凸状のマイクロレンズ7が、例えば所定
の画素数形成されている。かかるマイクロレンズ形成層
6およびマイクロレンズ7は、例えば、屈折率の比較的
高い(例えば1.3〜1.7程度)樹脂で構成されてい
る。
【0033】かかるマイクロレンズ形成層6上には、マ
イクロレンズ7を覆うように樹脂層4が設けられてい
る。かかる樹脂層4は、例えば、マイクロレンズ7を構
成する材料の屈折率よりも低い屈折率(例えば1.1〜
1.5程度)の樹脂で構成されている。
【0034】そして、かかる樹脂層4上には、例えば薄
膜で構成されたバリア層3が設けられている。このバリ
ア層3は、図5に示すような従来のマイクロレンズ基板
900が備えていたカバーガラス903に代わるもので
ある。このバリア層3により、樹脂層4との間で水分ま
たは有機成分の移行を阻止することができる。
【0035】カバーガラス903は、製造コストの削減
等の観点からは設けない方が好ましいが、単にカバーガ
ラス903を除去し樹脂層904を露出させてしまう
と、樹脂層904との間で水分または有機成分の移行が
生じてしまう。例えば、樹脂層904が表面に露出する
マイクロレンズ基板を図3に示すような液晶パネルに使
用した場合、樹脂層904中の有機成分が、液晶パネル
中の液晶層中に溶出するおそれがある。また、かかる液
晶層中の水分や有機成分が、樹脂層904中に移行する
おそれもある。このように、樹脂層と液晶層との間で水
分や有機成分が移行すると、液晶層に不純物が混入して
液晶が劣化するおそれがある。また、樹脂層904に不
純物が混入することにより、樹脂に白濁・変質が発生す
るおそれがある。また、樹脂層904が水分を吸収する
ことにより樹脂層904が膨張するおそれがある。
【0036】一方、本発明のように樹脂層4上にバリア
層3を形成すると、カバーガラス等を特段設けなくて
も、樹脂層4との間で水分または有機成分の移行を阻止
することができる。例えば、マイクロレンズ基板1を後
述する液晶パネル16に使用した場合(図3参照)、こ
のバリア層3により、樹脂層4中の成分(特に有機成
分)が、液晶層18中に溶出することが防止される。ま
た、液晶層18中の水分や有機成分が、樹脂層4中に移
行することが防止される。このように、樹脂層4と液晶
層18との間で水分または有機成分の移行を阻止するこ
とができると、液晶層18に不純物が混入することによ
る液晶の劣化を防止することができる。また、樹脂層4
に不純物が混入することによる樹脂の白濁・変質、およ
び、樹脂層4が水分を吸収することによる膨張を防止す
ることができる。
【0037】さらには、マイクロレンズ基板1をこのよ
うな構成とすることにより、マイクロレンズ基板1を構
成するガラス製の部材(通常、高価なものが使用され
る)を、透明基板5のみとすることができる。これによ
り、マイクロレンズ基板1の製造コストを大幅に削減す
ることができる。
【0038】加えて、マイクロレンズ基板1をこのよう
な構成とすることにより、マイクロレンズ基板1では、
高硬度の材料で構成された部材を透明基板5のみとする
ことができる。このため、マイクロレンズ基板1の各構
成部材が熱膨張したときに、各構成部材は、高硬度の透
明基板5のみに追従することができるようになる。この
ため、マイクロレンズ基板1では、熱膨張したときに歪
みが発生しにくい。
【0039】このようなバリア層3は、各種の材料で構
成可能であるが、上記効果をより顕著に得る観点から
は、バリア層3は、セラミック材料に代表される無機化
合物材料で構成されていることが好ましい。これによ
り、水分や有機成分の移行をより効果的に阻止すること
ができるようになるとともに、高い絶縁性が得られるよ
うになる。特に、セラミックは分子間の結合が強く、緻
密(高密度)な薄膜が形成可能なので、薄くてバリア性
に優れたバリア層3を形成することができる。なお、セ
ラミック材料としては、例えば、AlN、SiN、Ti
N、BN等の窒化物系セラミック、Al23、TiO2
等の酸化物系セラミック、WC、TiC、ZrC、Ta
C等の炭化物系セラミックなどが挙げられる。
【0040】このようなセラミック材料の中でも、バリ
ア層3の構成材料としては、例えば、AlN、SiN、
TiN、BN等の窒化物系セラミックがより好ましい。
窒化物系セラミックは、バリア性が特に優れ、樹脂との
密着性が高く、さらには、後述するブラックマトリック
ス11を構成するような金属膜との密着性も高い。この
ため、樹脂層4を効果的に保護することができ、しか
も、バリア層3上にブラックマトリックス11等を好適
に形成できる。
【0041】さらには、バリア層3をセラミック材料で
構成する場合、かかるセラミックは、複数種類のセラミ
ックを含むものであることが好ましい。セラミック材料
は、その種類に応じてそれぞれの利点を有している。し
たがって、複数種類のセラミックでバリア層3を構成す
ることにより、各セラミックの利点を併せ持つバリア層
3を形成することが可能となる。
【0042】特に、バリア層3をAlNとSiNとの複
合セラミックで構成すると、水分や有機成分の移行を好
適に阻止することができ、しかも、かかるバリア機能が
経時的に劣化しにくくなる。このような観点からは、A
lとSiのモル比は、1:19〜19:1程度が好まし
く、1:9〜9:1程度がより好ましい。
【0043】なお、図示の例ではバリア層3は単層で構
成されているが、バリア層は、複数の層の積層体であっ
てもよい。その場合、積層体を構成する各層のセラミッ
ク材料の種類が異なっていることが好ましい。これによ
り、例えば、バリア層のうち樹脂層4に接する層は、樹
脂との密着性の高い材料を用いることができ、また、表
面に露出する層は、バリア性の高い材料を選択すること
ができる。換言すれば、バリア層3を積層体(多層構
造)とすることにより、バリア層3が備える特性に多様
性を持たせることが可能となる。
【0044】このようなバリア層3の厚さは、特に限定
されないが、20nm〜20μm程度が好ましく、40
nm〜1μm程度がより好ましい。バリア層3が薄すぎ
ると、水分または有機成分の移行を十分阻止できなくな
る場合があり、一方、バリア層3が厚すぎると、バリア
層3の成膜時間が長くなり、製造効率が低下する。
【0045】なお、透明基板5の厚さは、通常、0.3
〜5mm程度とされ、好ましくは0.5〜2mm程度とされ
る。また、マイクロレンズ形成層6と樹脂層4とを併せ
た層の厚さは、0.1〜200μm程度が好ましく、5
〜60μm程度がより好ましい。
【0046】このようなマイクロレンズ基板1は、例え
ば以下のようにして製造することができる。以下、マイ
クロレンズ基板1の製造方法を、図2に沿って説明す
る。
【0047】マイクロレンズ基板1の製造に先立って、
図2(a)に示すような型9を用意する。かかる型9に
は、マイクロレンズ用の凹部91が形成されており、こ
れら凹部91に樹脂が充填されることにより、マイクロ
レンズ7が形成される。このような型9は、例えば公知
の方法により得ることができる。なお、凹部91の内面
には、例えば離型剤などが塗布されていてもよい。
【0048】まず、このような型9を、例えば、凹部9
1が鉛直上方に開放するように設置する。
【0049】<1>次に、型9上に、マイクロレンズ形
成層6を構成することとなる未硬化の樹脂を供給する。
【0050】<2>次に、かかる樹脂に透明基板5を接
合し、押圧・密着させる。
【0051】<3>次に、前記樹脂を硬化させる。この
硬化方法は、樹脂の種類によって適宜選択され、例え
ば、紫外線照射、加熱、電子線照射などが挙げられる。
【0052】これにより、図2(b)に示すように、マ
イクロレンズ形成層6が形成され、また、凹部91内に
充填された樹脂により、マイクロレンズ7が形成され
る。
【0053】<4>次に、図2(c)に示すように、型
9をマイクロレンズ7から取り外す。
【0054】<5>次に、例えばマイクロレンズ7が鉛
直上方に向くように透明基板5を設置した後、樹脂層4
を構成することとなる未硬化の樹脂を、マイクロレンズ
形成層6上に供給する。この供給方法としては、例え
ば、スピンコート等の塗布法、平板の型等を使った2P
法などが挙げられる。
【0055】<6>次に、かかる樹脂を硬化させ、図2
(d)に示すように、樹脂層4を形成する。
【0056】<7>最後に、かかる樹脂層4上に、バリ
ア層3を形成する。これにより、図1に示すように、マ
イクロレンズ基板1が得られる。
【0057】このようなバリア層3は、例えば、スパッ
タリング法、CVD法、蒸着法等の気相成膜法、溶剤に
溶かしたセラミック材料をマイクロレンズ形成層6上に
塗布して焼成する方法などにより形成することができ
る。その中でも気相成膜法によると、緻密で樹脂層4と
の密着性が高く、しかも薄いバリア層3を形成すること
ができる。
【0058】このような気相成膜法の中でも、スパッタ
リング法が、バリア層3の厚みムラ、バラツキを非常に
小さくでき、また、バリア層3とマイクロレンズ形成層
6との間の密着力を非常に高くでき、しかも、組成調
整、応力調整が容易なことから、より好ましい。
【0059】さらに、気相成膜法により窒化物系セラミ
ックのバリア層3を形成する場合には、気相成膜法は、
窒素ガス(N2)を含む雰囲気中で行なうことが好まし
い。これにより、Al、Si、Tiが十分にNと化合で
きるようになり、バリア層3中に未反応のAl、Si、
Tiが残存しにくくなる。ゆえに、バリア層3は、経時
的に劣化しにくくなる。
【0060】このような観点からは、気相成膜法により
バリア層3を形成するときのN2分圧は、1〜50%程
度が好ましく、5〜30%程度がより好ましい。また、
このときの全圧は、1×10-3〜10×10-3Torr程度
が好ましい。
【0061】このようにマイクロレンズ基板1を製造す
ると、透明基板等のマイクロレンズ基板1の構成材料を
研削、研磨する必要がないので、製造時の手間を簡略化
することができる(従来、カバーガラスは、樹脂層にガ
ラス基板を接合した後、かかるガラス基板を研削、研磨
することにより形成していた)。しかも、材料が研削に
より失われないので、材料の有効利用を図ることがで
き、廃棄物等の排出も抑制できる。
【0062】なお、本発明のマイクロレンズ基板は、本
発明の技術思想を逸脱しない範囲内であれば、上記実施
の形態に限定されないことは言うまでもない。
【0063】例えば、マイクロレンズ7は、ガラスで構
成されていてもよい。また、マイクロレンズ7は、透明
基板5と一体的に形成されていてもよい。また例えば、
透明基板5は、樹脂で構成されていてもよい。さらに
は、例えば、透明基板上には、多数の凹部が形成されて
おり、かかる凹部内に透明基板の屈折率よりも高い屈折
率の樹脂が充填されることにより、マイクロレンズが形
成されていてもよい。
【0064】本発明のマイクロレンズ基板は、以下に述
べる液晶パネル用対向基板および液晶パネル以外にも、
CCD用マイクロレンズ基板、光通信素子用マイクロレ
ンズ基板等の各種基板、各種用途に用いることができる
ことは言うまでもない。
【0065】前述したマイクロレンズ基板のバリア層3
上に、例えば、開口111を有するブラックマトリック
ス11を形成し、次いで、かかるブラックマトリックス
11を覆うように透明導電膜12を形成することによ
り、液晶パネル用対向基板10を製造することができる
(図3参照)。
【0066】ブラックマトリックス11は、遮光機能を
有し、例えば、Cr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti等の金属、
カーボンやチタン等を分散した樹脂などで構成されてい
る。
【0067】透明導電膜12は、導電性を有し、例え
ば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウ
ムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)などで構成さ
れている。
【0068】ブラックマトリックス11は、例えば、気
相成膜法(例えば蒸着、スパッタリング等)によりバリ
ア層3上にブラックマトリックス11となる薄膜を成膜
し、次いで、かかる薄膜上に開口111のパターンを有
するレジスト膜を形成し、次いで、ウエットエッチング
を行い前記薄膜に開口111を形成し、次いで、前記レ
ジスト膜を除去することにより設けることができる。
【0069】また、透明導電膜12は、例えば、蒸着、
スパッタリング等の気相成膜法などにより設けることが
できる。
【0070】なお、ブラックマトリックス11は、設け
なくてもよい。
【0071】以下、このような液晶パネル用対向基板を
用いた液晶パネル(液晶光シャッター)について、図3
に基づいて説明する。
【0072】同図に示すように、本発明の液晶パネル
(TFT液晶パネル)16は、TFT基板(液晶駆動基
板)17と、TFT基板17に接合された液晶パネル用
対向基板10と、TFT基板17と液晶パネル用対向基
板10との空隙に封入された液晶よりなる液晶層18と
を有している。
【0073】液晶パネル用対向基板10は、マイクロレ
ンズ基板1と、かかるマイクロレンズ基板1のバリア層
3上に設けられ、開口111が形成されたブラックマト
リックス11と、バリア層3上にブラックマトリックス
11を覆うように設けられた透明導電膜(共通電極)1
2とを有している。
【0074】TFT基板17は、液晶層18の液晶を駆
動するための基板であり、ガラス基板171と、かかる
ガラス基板171上に設けられた多数の個別電極172
と、かかる個別電極172の近傍に設けられ、各個別電
極172に対応する多数の薄膜トランジスタ(TFT)
173とを有している。なお、図では、シール材、配向
膜、配線などの記載は省略した。
【0075】この液晶パネル16では、液晶パネル用対
向基板10の透明導電膜12と、TFT基板17の個別
電極172とが対向するように、TFT基板17と液晶
パネル用対向基板10とが、一定距離離間して接合され
ている。
【0076】ガラス基板171は、例えば、石英ガラス
などで構成されている。
【0077】個別電極172は、透明導電膜(共通電
極)12との間で充放電を行うことにより、液晶層18
の液晶を駆動する。この個別電極172は、例えば、前
述した透明導電膜12と同様の材料で構成されている。
【0078】薄膜トランジスタ173は、近傍の対応す
る個別電極172に接続されている。また、薄膜トラン
ジスタ173は、図示しない制御回路に接続され、個別
電極172へ供給する電流を制御する。これにより、個
別電極172の充放電が制御される。
【0079】液晶層18は液晶分子(図示せず)を含有
しており、個別電極172の充放電に対応して、かかる
液晶分子、すなわち液晶の配向が変化する。
【0080】この液晶パネル16では、通常、1個のマ
イクロレンズ7と、かかるマイクロレンズ7の光軸Qに
対応したブラックマトリックス11の1個の開口111
と、1個の個別電極172と、かかる個別電極172に
接続された1個の薄膜トランジスタ173とが、1画素
に対応している。
【0081】液晶パネル用対向基板10側から入射した
入射光Lは、透明基板5を通り、マイクロレンズ7(マ
イクロレンズ形成層6)を通過する際に集光されつつ、
樹脂層4、バリア層3、ブラックマトリックス11の開
口111、透明導電膜12、液晶層18、個別電極17
2、ガラス基板171を透過する。なお、このとき、液
晶パネル用対向基板10の入射側には通常偏光板(図示
せず)が配置されているので、入射光Lが液晶層18を
透過する際に、入射光Lは直線偏光となっている。その
際、この入射光Lの偏光方向は、液晶層18の液晶分子
の配向状態に対応して制御される。したがって、液晶パ
ネル16を透過した入射光Lを、偏光板(図示せず)に
透過させることにより、出射光の輝度を制御することが
できる。
【0082】このように、液晶パネル16は、マイクロ
レンズ7を有しており、しかも、マイクロレンズ7を通
過した入射光Lは、集光されてブラックマトリックス1
1の開口111を通過する。一方、ブラックマトリック
ス11の開口111が形成されていない部分では、入射
光Lは遮光される。したがって、液晶パネル16では、
画素以外の部分から不要光が漏洩することが防止され、
かつ、画素部分での入射光Lの減衰が抑制される。この
ため、液晶パネル16は、画素部で高い光の透過率を有
し、比較的少ない光量で明るく鮮明な画像を形成するこ
とができる。
【0083】この液晶パネル16は、例えば、公知の方
法により製造されたTFT基板17と液晶パネル用対向
基板10とを配向処理した後、シール材(図示せず)を
介して両者を接合し、次いで、これにより形成された空
隙部の封入孔(図示せず)より液晶を空隙部内に注入
し、次いで、かかる封入孔を塞ぐことにより製造するこ
とができる。その後、必要に応じて、液晶パネル16の
入射側や出射側に偏光板を貼り付けてもよい。
【0084】なお、上記液晶パネル16では、液晶駆動
基板としてTFT基板を用いたが、液晶駆動基板にTF
T基板以外の他の液晶駆動基板、例えば、TFD基板、
STN基板などを用いてもよい。
【0085】以下、上記液晶パネル16を用いた投射型
表示装置(液晶プロジェクター)について説明する。
【0086】図4は、本発明の投射型表示装置の光学系
を模式的に示す図である。
【0087】同図に示すように、投射型表示装置300
は、光源301と、複数のインテグレータレンズを備え
た照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備え
た色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤
色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)
24と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ
(液晶光シャッターアレイ)25と、青色に対応した
(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレ
イ)26と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラ
ー面211および青色光のみを反射するダイクロイック
ミラー面212が形成されたダイクロイックプリズム
(色合成光学系)21と、投射レンズ(投射光学系)2
2とを有している。
【0088】また、照明光学系は、インテグレータレン
ズ302および303を有している。色分離光学系は、
ミラー304、306、309、青色光および緑色光を
反射する(赤色光のみを透過する)ダイクロイックミラ
ー305、緑色光のみを反射するダイクロイックミラー
307、青色光のみを反射するダイクロイックミラー
(または青色光を反射するミラー)308、集光レンズ
310、311、312、313および314とを有し
ている。
【0089】液晶ライトバルブ25は、前述した液晶パ
ネル16と、液晶パネル16の入射面側(マイクロレン
ズ基板が位置する面側、すなわちダイクロイックプリズ
ム21と反対側)に接合された第1の偏光板(図示せ
ず)と、液晶パネル16の出射面側(マイクロレンズ基
板と対向する面側、すなわちダイクロイックプリズム2
1側)に接合された第2の偏光板(図示せず)とを備え
ている。液晶ライトバルブ24および26も、液晶ライ
トバルブ25と同様の構成となっている。これら液晶ラ
イトバルブ24、25および26が備えている液晶パネ
ル16は、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されてい
る。
【0090】なお、投射型表示装置300では、ダイク
ロイックプリズム21と投射レンズ22とで、光学ブロ
ック20が構成されている。また、この光学ブロック2
0と、ダイクロイックプリズム21に対して固定的に設
置された液晶ライトバルブ24、25および26とで、
表示ユニット23が構成されている。
【0091】以下、投射型表示装置300の作用を説明
する。
【0092】光源301から出射された白色光(白色光
束)は、インテグレータレンズ302および303を透
過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグ
レータレンズ302および303により均一にされる。
【0093】インテグレータレンズ302および303
を透過した白色光は、ミラー304で図4中左側に反射
し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光
(G)は、それぞれダイクロイックミラー305で図4
中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラ
ー305を透過する。
【0094】ダイクロイックミラー305を透過した赤
色光は、ミラー306で図4中下側に反射し、その反射
光は、集光レンズ310により整形され、赤色用の液晶
ライトバルブ24に入射する。
【0095】ダイクロイックミラー305で反射した青
色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミ
ラー307で図4中左側に反射し、青色光は、ダイクロ
イックミラー307を透過する。
【0096】ダイクロイックミラー307で反射した緑
色光は、集光レンズ311により整形され、緑色用の液
晶ライトバルブ25に入射する。
【0097】また、ダイクロイックミラー307を透過
した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)
308で図4中左側に反射し、その反射光は、ミラー3
09で図4中上側に反射する。前記青色光は、集光レン
ズ312、313および314により整形され、青色用
の液晶ライトバルブ26に入射する。
【0098】このように、光源301から出射された白
色光は、色分離光学系により、赤色、緑色および青色の
三原色に色分離され、それぞれ、対応する液晶ライトバ
ルブに導かれ、入射する。
【0099】この際、液晶ライトバルブ24が有する液
晶パネル16の各画素(薄膜トランジスタ173とこれ
に接続された個別電極172)は、赤色用の画像信号に
基づいて作動する駆動回路(駆動手段)により、スイッ
チング制御(オン/オフ)、すなわち変調される。
【0100】同様に、緑色光および青色光は、それぞ
れ、液晶ライトバルブ25および26に入射し、それぞ
れの液晶パネル16で変調され、これにより緑色用の画
像および青色用の画像が形成される。この際、液晶ライ
トバルブ25が有する液晶パネル16の各画素は、緑色
用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッ
チング制御され、液晶ライトバルブ26が有する液晶パ
ネル16の各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動
する駆動回路によりスイッチング制御される。
【0101】これにより赤色光、緑色光および青色光
は、それぞれ、液晶ライトバルブ24、25および26
で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用
の画像がそれぞれ形成される。
【0102】前記液晶ライトバルブ24により形成され
た赤色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ24からの
赤色光は、面213からダイクロイックプリズム21に
入射し、ダイクロイックミラー面211で図4中左側に
反射し、ダイクロイックミラー面212を透過して、出
射面216から出射する。
【0103】また、前記液晶ライトバルブ25により形
成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ25
からの緑色光は、面214からダイクロイックプリズム
21に入射し、ダイクロイックミラー面211および2
12をそれぞれ透過して、出射面216から出射する。
【0104】また、前記液晶ライトバルブ26により形
成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ26
からの青色光は、面215からダイクロイックプリズム
21に入射し、ダイクロイックミラー面212で図4中
左側に反射し、ダイクロイックミラー面211を透過し
て、出射面216から出射する。
【0105】このように、前記液晶ライトバルブ24、
25および26からの各色の光、すなわち液晶ライトバ
ルブ24、25および26により形成された各画像は、
ダイクロイックプリズム21により合成され、これによ
りカラーの画像が形成される。この画像は、投射レンズ
22により、所定の位置に設置されているスクリーン3
20上に投影(拡大投射)される。
【0106】かかる投射型表示装置300は、前述した
マイクロレンズ基板を備えた液晶パネルを有しているの
で、長期間使用しても、明るさむら等の画質の劣化が生
じにくい。
【0107】
【実施例】(実施例1)以下のようにして、図1に示す
ような構造のマイクロレンズ基板を製造した。
【0108】まず、深さ10μmのマイクロレンズ用凹
部が1024×768個行列上に配置された石英ガラス
製の型を用意した。そして、この型を、凹部が鉛直上方
に開放するように設置した。
【0109】−1− この型に、未硬化の紫外線硬化型
アクリル樹脂(屈折率1.56)を設けた。
【0110】−2− 次に、この樹脂に厚さ1.2mmの
ガラス基板(日本電気ガラス(株)製「ネオセラム」)
を接合、押圧し、密着させた。
【0111】−3− 次に、紫外線を照射することによ
り前記樹脂を硬化させて、マイクロレンズ(およびマイ
クロレンズ形成層)を形成した。
【0112】−4− 次に、型を取り外し、離型した。
【0113】−5− 次に、マイクロレンズが鉛直上方
に向くようにガラス基板を設置した後、未硬化の紫外線
硬化型エポキシ樹脂(屈折率1.3)を、スピンコート
により、マイクロレンズ上に塗布した。このとき、硬化
後にマイクロレンズ形成層と樹脂層とを併せた厚さが5
0μmとなるように、樹脂の塗布量を調整した。
【0114】−6− 次に、紫外線を照射してかかる樹
脂を硬化させ、樹脂層を形成した。
【0115】−7− 最後に、かかる樹脂層上に、スパ
ッタリング法により、厚さ1μmのAlNとSiNとの
複合セラミック(Al:Si=モル比8:2)で構成されたバリ
ア層を形成した。なお、スパッタリングは、N2+Ar
ガスの混合雰囲気中で行ない、スパッタ炉内のN2分圧
は、20%に設定し、スパッタ全圧は4×10-3Torrと
し、また、RF出力は500Wとした。
【0116】これにより、マイクロレンズ基板を得た。
【0117】(実施例2)前記工程−7−におけるバリ
ア層の厚さを2μmとした以外は、前記実施例1と同様
にして、マイクロレンズ基板を製造した。
【0118】(実施例3)前記工程−7−におけるバリ
ア層を二層構造とした以外は、前記実施例1と同様にし
て、マイクロレンズ基板を製造した。なお、バリア層
は、まず、スパッタリングにより樹脂層上に厚さ1μm
のSiO2膜を成膜し、次いで、かかるSiO2膜上に厚
さ1μmのSiN膜を成膜することにより形成した。な
お、いずれのスパッタリングにおいても、スパッタ全圧
は4×10-3Torrとし、また、RF出力は500Wとし
た。また、SiN膜を成膜する際には、スパッタリング
は、N2+Arガスの混合雰囲気中で行ない、スパッタ
炉内のN2分圧を20%に設定した。
【0119】(実施例4)前記工程−7−におけるバリ
ア層をAlNのみで構成し、また、厚さを2μmとした
以外は、前記実施例1と同様にして、マイクロレンズ基
板を製造した。
【0120】(実施例5)前記工程−2−におけるガラ
ス基板を、厚さ1mmの石英ガラス基板に変更した以外
は、前記実施例1と同様にしてマイクロレンズ基板を製
造した。
【0121】(評価)このようにマイクロレンズ基板を
製造したことにより、マイクロレンズ基板1枚を製造す
るにあたり、ガラス基板は1枚で済むようになった。ま
た、無駄になるガラス基板の量を格段に減らすことがで
きた。
【0122】次に、製造した各マイクロレンズ基板に対
して、スパッタリング法およびフォトリソグラフィー法
を用いて、バリア層のマイクロレンズに対応した位置に
開口が設けられた厚さ0.16μmの遮光膜(Cr
膜)、すなわち、ブラックマトリックスを形成した。さ
らに、ブラックマトリックス上に厚さ0.15μmのI
TO膜(透明導電膜)をスパッタリング法により形成
し、液晶パネル用対向基板を製造した。
【0123】さらに、これら液晶パネル用対向基板と、
別途用意したTFT基板(ガラス基板は石英ガラス製)
とを配向処理した後、両者をシール材を介して接合し
た。次に、液晶パネル用対向基板とTFT基板との間に
形成された空隙部の封入孔から液晶を空隙部内に注入
し、次いで、かかる封入孔を塞いで図3に示すような構
造のTFT液晶パネルをそれぞれ製造した。
【0124】そして、これら各TFT液晶パネルについ
て、それぞれ、マイクロレンズ基板側から光を透過させ
た。このとき、各画素ごとに出射光の輝度にバラツキが
あるか否かを確認した。補足をすると、樹脂層を構成す
る樹脂が吸湿等して樹脂層に厚みむらが生じた場合、か
かる厚みむらは出射光の輝度のバラツキとなって現われ
る。したがって、出射光の輝度にバラツキがある場合
は、樹脂層に厚みむらが存在することとなる。
【0125】その結果、各実施例で製造されたマイクロ
レンズ基板では、各画素ごとに出射光の明るさにバラツ
キがなく、全体で均一なものであった。
【0126】さらに、これらのTFT液晶パネルを50
℃、90%RHの環境下に150時間置いた。そして、再
び、これら各TFT液晶パネルについて、それぞれ、マ
イクロレンズ基板側から光を透過させ、各画素ごとに出
射光の輝度にバラツキがあるか否かを確認した。また、
併せて、目視により、樹脂層に白濁等の変質が生じてい
るか否かを観察した。
【0127】その結果、各マイクロレンズ基板では、各
画素ごとに出射光の明るさにバラツキがなく、全体で均
一なものであった。また、樹脂層に白濁等の変質も確認
されなかった。
【0128】次に、各実施例で得られたマイクロレンズ
基板より製造したTFT液晶パネルを用いて、図4に示
すような構造の液晶プロジェクター(投射型表示装置)
を組み立てた。その結果、得られた各液晶プロジェクタ
ーは、いずれも、スクリーン上に明るく鮮明な画像を投
射できた。
【0129】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、製
造コストを大幅に削減しつつ、長期間使用しても劣化し
にくいマイクロレンズ基板を提供することができる。し
かも、本発明によれば、マイクロレンズ基板を製造する
際に、材料を無駄なく有効に利用することができる。ゆ
えに、本発明によれば、廃棄物等の排出量も削減するこ
とができる。
【0130】さらには、本発明によれば、マイクロレン
ズ基板が有するバリア層のバリア効果により、長期間使
用しても画質が劣化しにくい液晶パネルおよび投射型表
示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロレンズ基板の実施形態を示す
模式的な縦断面図である。
【図2】本発明のマイクロレンズ基板の製造方法を説明
するための模式的な縦断面図である。
【図3】本発明の液晶パネルの実施例を示す模式的な縦
断面図である。
【図4】本発明の実施例における投射型表示装置の光学
系を模式的に示す図である。
【図5】従来のマイクロレンズ基板を示す模式的な縦断
面図である。
【符号の説明】
1 マイクロレンズ基板 3 バリア層 4 樹脂層 5 透明基板 6 マイクロレンズ形成層 7 マイクロレンズ 9 型 91 凹部 10 液晶パネル用対向基板 11 ブラックマトリックス 111 開口 12 透明導電膜 16 液晶パネル 17 TFT基板 171 ガラス基板 172 個別電極 173 薄膜トランジスタ 18 液晶層 300 投射型表示装置 301 光源 302、303 インテグレータレンズ 304、306、309 ミラー 305、307、308 ダイクロイックミラー 310〜314 集光レンズ 320 スクリーン 20 光学ブロック 21 ダイクロイックプリズム 211、212 ダイクロイックミラー面 213〜215 面 216 出射面 22 投射レンズ 23 表示ユニット 24〜26 液晶ライトバルブ 900 マイクロレンズ基板 902 ガラス基板 903 カバーガラス 904 樹脂層 906 マイクロレンズ形成層 907 マイクロレンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 秀人 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA05Z FA08X FA21Z FA29Y FA35Y FA41Z FB04 FB08 FC02 FD18 GA03 GA13 GA16 KA01 LA02 LA12 MA07

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に設けられた多数のマイクロ
    レンズと、 該マイクロレンズを覆うように設けられた樹脂層と、 該樹脂層上に形成され、前記樹脂層との間で水分または
    有機成分の移行を阻止するバリア層とを有することを特
    徴とするマイクロレンズ基板。
  2. 【請求項2】 前記バリア層は、セラミックで構成され
    ている請求項1に記載のマイクロレンズ基板。
  3. 【請求項3】 前記バリア層は、複数種類のセラミック
    を含むものである請求項1に記載のマイクロレンズ基
    板。
  4. 【請求項4】 前記セラミックは、窒化物系セラミック
    である請求項2または3に記載のマイクロレンズ基板。
  5. 【請求項5】 前記バリア層の厚さは、20nm〜20
    μmである請求項1ないし4のいずれかに記載のマイク
    ロレンズ基板。
  6. 【請求項6】 前記バリア層は、気相成膜法により形成
    されたものである請求項1ないし5のいずれかに記載の
    マイクロレンズ基板。
  7. 【請求項7】 前記気相成膜法は、スパッタリング法で
    ある請求項6に記載のマイクロレンズ基板。
  8. 【請求項8】 前記気相成膜法は、窒素ガスを含む雰囲
    気中で行なわれたものである請求項6または7に記載の
    マイクロレンズ基板。
  9. 【請求項9】 前記マイクロレンズは、樹脂で構成され
    ている請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロレ
    ンズ基板。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    マイクロレンズ基板と、前記バリア層上に設けられた透
    明導電膜とを有することを特徴とする液晶パネル用対向
    基板。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    マイクロレンズ基板と、前記バリア層上に設けられたブ
    ラックマトリックスと、該ブラックマトリックスを覆う
    透明導電膜とを有することを特徴とする液晶パネル用対
    向基板。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の液晶パ
    ネル用対向基板を備えたことを特徴とする液晶パネル。
  13. 【請求項13】 個別電極を備えた液晶駆動基板と、該
    液晶駆動基板に接合された請求項11または12に記載
    の液晶パネル用対向基板と、前記液晶駆動基板と前記液
    晶パネル用対向基板との空隙に封入された液晶とを有す
    ることを特徴とする液晶パネル。
  14. 【請求項14】 前記液晶駆動基板はTFT基板である
    請求項13に記載の液晶パネル。
  15. 【請求項15】 請求項12ないし14のいずれかに記
    載の液晶パネルを備えたライトバルブを有し、該ライト
    バルブを少なくとも1個用いて画像を投射することを特
    徴とする投射型表示装置。
  16. 【請求項16】 画像を形成する赤色、緑色および青色
    に対応した3つのライトバルブと、光源と、該光源から
    の光を赤色、緑色および青色の光に分離し、前記各光を
    対応する前記ライトバルブに導く色分離光学系と、前記
    各画像を合成する色合成光学系と、前記合成された画像
    を投射する投射光学系とを有する投射型表示装置であっ
    て、 前記ライトバルブは、請求項12ないし14のいずれか
    に記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする投射型表
    示装置。
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JPWO2020059382A1 (ja) * 2018-09-21 2021-09-24 富士フイルム株式会社 遮光膜、遮光膜の製造方法、光学素子、固体撮像素子、ヘッドライトユニット

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