JP2001046932A - 超音波噴射装置 - Google Patents

超音波噴射装置

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JP2001046932A
JP2001046932A JP11225666A JP22566699A JP2001046932A JP 2001046932 A JP2001046932 A JP 2001046932A JP 11225666 A JP11225666 A JP 11225666A JP 22566699 A JP22566699 A JP 22566699A JP 2001046932 A JP2001046932 A JP 2001046932A
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liquid
nozzles
ultrasonic
fuel
injection device
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JP11225666A
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Masataka Nishigori
正孝 錦織
Hiroshige Matsuoka
弘芝 松岡
Hisashi Oki
久 大木
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波噴射装置の噴霧発生量を増加させると
ともに、振動面を小型化してエネルギ効率を向上させ
る。 【解決手段】 超音波噴射装置1の振動面4aにおける
噴口18a,18b,…の周りに形成される燃料(一般
的に液体)の液膜の拡がり径には一定の限界があるの
で、燃料供給量を過度に増加すると液膜の厚さが増大し
て超音波振動による霧化ができなくなり、燃料が液滴と
なって振動面4aから落下する。また、複数個の噴口が
相互に近接していると、それらの周りの液膜が重なって
同じ問題を生じる。そこで、液膜が相互に干渉しない程
度に噴口の間隔をとるとともに、噴口の密度が最大とな
るように振動面上に可及的に多数の噴口を設けて振動面
を小型化する。また、燃料通路16から分岐する複数個
の燃料供給孔17a,17bの一部には絞り19を設け
て複数個の噴口への燃料供給量を均等化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を微粒化して
噴射する超音波噴射装置に係り、例えば内燃機関の補助
燃料噴射装置として吸気管に取り付けることができるよ
うな小型の振動面を有する超音波噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波噴射装置を、例えば内燃機関の補
助燃料噴射装置として吸気管に取り付ける場合には、吸
気管径等のスペースの制約から、吸気管内で超音波振動
をすることによって燃料を霧化するノズルチップの振動
面はできるだけ小型のものであることが望ましい。
【0003】超音波噴射装置においては、電気的入力を
受けて超音波振動を発生する振動子と、液体を霧化する
振動面を備えているノズルチップとの間を機械的に接続
するとともに、振動子の超音波振動の振幅を拡大して振
動面へ伝達するために振幅拡大ホーン(指数関数ホー
ン)が設けられることがある。指数関数ホーンは、振動
子に接続する大径端部側の面積に対して、ノズルチップ
に接続する小径端部側の面積が小さくなっており、両者
の直径の比によって超音波振動の振幅が拡大するので、
その小径端部側に接続するノズルチップの振動面の面積
を小さくすると、振動面に一定の振幅の振動を発生させ
るために必要な駆動エネルギとして、大径端部側に接続
された振動子によって発生すべき超音波振動の振幅が減
少する。それによって振動子へ投入すべき電気的エネル
ギを小さくすることができる。
【0004】一方、超音波噴射装置において振動面を例
えば下向きに配置して、その中心の噴口から振動面へ霧
化すべき液体を供給する場合には、振動面において噴口
の周りに円形にかつ膜状に拡がる液体の拡がり面積、従
って円形液膜の拡がり径は、液体の凝集力と振動面への
付着力のような、液体と振動面の材料の物性や、振動面
を下向きに配置したことによって大きくなる重力の作
用、更には液体の物性に影響を与える温度のような環境
条件等によって自然に決まるものであって、その拡がり
径には一定の限界があり、噴口への液体供給量を増加さ
せても液膜の広がり径がその限界を越えて大きくなるこ
とはない。
【0005】したがって、液膜の広がり径が限界として
の最大値に達した状態からさらに液体の供給量を増加さ
せた場合には、増加した液体は液膜の厚さを増加させる
ばかりであって、さらにその液膜の厚さが限界を越える
と、液体は超音波振動によって霧化されることなく、大
粒の液滴となって振動面から落下するようになる。
【0006】一般に超音波噴射装置は、振動面における
液膜の厚さが一定の厚さよりも薄くないと超音波振動に
よって液膜を霧化することができないので、前述のよう
に、拡がり径が最大値に達したのちは、それ以上に液体
の供給量を増加させても液膜の厚さが過度に増加する結
果として大粒の液滴が落下するだけで、超音波振動によ
る微細な噴霧の発生量が増加することはなく、むしろ微
細な噴霧の発生量が減少して実質的に零になる場合もあ
る。
【0007】また、噴霧の発生量を増加させるために、
液体インレット側液体通路から分岐する複数個の液体供
給孔を設けて、振動面に開口するそれらの噴口を複数個
にするという従来技術も知られているが、供給孔や噴口
の数を単に増加させただけでは、各供給孔への液体の供
給量が不均一になるために、一部の噴口の付近では液膜
の厚さが過度に厚くなって液滴が発生するとか、隣接す
る複数個の噴口の間隔が小さい部分では、それらの噴口
の周りに形成される円形の液膜相互にが重なってしまう
ために、前述の場合と同様な問題が生じる。
【0008】また、隣接する複数個の噴口の間隔が必要
以上に大き過ぎる部分では、振動面の一部のスペースが
無駄になって噴霧の発生に役立たないため、これらいず
れの場合も、振動面の噴霧発生量を最大限度まで増大さ
せることができなくなる。したがって、振動面の面積を
最大限度まで活用することができないので、振動面が噴
霧発生量の割には大型化するばかりでなく、超音波噴射
装置のエネルギ効率が低いものとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前述のような問題に対処して、超音波噴射装置の
振動面の噴霧発生量を最大限度まで増大させることによ
って振動面を可及的に小型化し、振動面を超音波振動さ
せるための駆動エネルギを低減させて、超音波噴射装置
の効率を従来よりも向上させることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として特許請求の範囲の各請求項に
記載された超音波噴射装置を提供する。
【0011】本発明においては、超音波噴射装置のノズ
ルチップに設けられた振動面に形成される液膜の拡がり
径には一定の限界があり、その限界は霧化すべき液体の
凝集力や液膜に作用する重力、および振動面への付着力
等によって決まるという事実に着目し、限られた面積の
振動面上に複数個の噴口をできるだけ高い分布密度で分
布させるとともに、隣接する噴口によって形成される液
膜が相互に干渉しない程度の間隔を、それらの噴口の間
に設定するという点に特徴がある。
【0012】それによって振動面における噴霧発生面積
を最大限度まで大きくして、霧化されない液滴の発生を
防止しながら、超音波噴射装置の噴霧発生量をその振動
面によって可能な最大限度まで増加させることができ
る。また、噴霧発生量を増加させる必要がない場合に
は、同じ理由によって振動面の小型化が可能となるの
で、駆動のためのエネルギを低減させることができる。
【0013】本発明においては、さらに、共通の液体通
路から分岐して複数個の噴口のそれぞれへ液体を供給す
るやはり複数個の液体供給孔のうちの一部に絞りを設け
ることにより、各噴口への液体の供給量が均等になるよ
うにして、各噴口の周りに形成される液膜の厚さを全て
実質的に一定の厚さに揃えることができる。それによっ
ても、前述の場合と同様な効果を奏することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明の超音波噴射装置の実施例を詳細に説明す
る。図1は、本発明の実施例としての超音波噴射装置1
の構成を示す縦断正面図であって、同じ超音波噴射装置
1の下面の平面図である図2に示すA−A線に沿って切
断して断面を矢印方向に見たものである。超音波噴射装
置1は、図示しないディーゼルエンジンのような筒内直
接噴射型の内燃機関において、その吸気管内へ液体燃料
を霧化して追加的に供給するための補助燃料噴射装置と
して使用することができる。
【0015】図示実施例の超音波噴射装置1は、概括的
に言って、大径端面へ入力される超音波振動の振幅を拡
大して小径端面へ出力するために上下方向に支持された
振幅拡大ホーン(指数関数ホーン)2と、振幅拡大ホー
ン2の上部の大径端部に接続されて図示しない発振回路
からの電気的入力によって超音波振動を発生して振幅拡
大ホーン2を振動させるランジバン振動子3と、振幅拡
大ホーン2の下部の小径端部に脱着可能に接続されたノ
ズルチップ4とから構成されている。
【0016】概ね円板状の上部固定用リング5と下部固
定用リング6が対になって、それらの間に、振幅拡大ホ
ーン2の中間部に生じる超音波振動のノード(節)の位
置、すなわち振幅が零となる位置に一体的に取り付けら
れたフランジ部7を、ゴム製のOリング8,9を介して
弾力的に挟持している。固定用リング5,6は、それら
の周辺部を貫通する数本のボルト10によってフレーム
11上に取り付けられることにより、少なくともノズル
チップ4と振幅拡大ホーン2を含む超音波噴射装置1の
可動部分を、それらが自由に超音波振動をすることがで
きるように、フレーム11上に弾力的に支持する。
【0017】また、弾性のあるOリング8,9を設けた
ことにより、振幅拡大ホーン2の超音波振動が上部固定
用リング5と下部固定用リング6へ伝達されることが防
止されるので、振幅拡大ホーン2は自由に超音波振動を
することがきる。図示実施例の場合、フレーム11は内
燃機関の吸気管内の燃料を溜めるためのタンクに取り付
けられている。なお、上部固定用リング5と下部固定用
リング6との間には概ね環状のスペーサ12が取り付け
られているので、スペーサ12を厚さの異なるものと交
換することによって、Oリング8,9の初期的な潰し率
を変更、調整することができる。
【0018】超音波噴射装置1へ燃料を供給するための
燃料ホース13が、振幅拡大ホーン2から側方へ突出す
るように設けられた管状の燃料インレット14に取り付
けられている。燃料インレット14から振幅拡大ホーン
2の内部にかけて形成されたL字形の燃料通路15の先
端は、振幅拡大ホーン2の下端の凹部に螺着等の方法で
着脱可能に取り付けられたノズルチップ4の内部に形成
された燃料通路16の上端に連通している。
【0019】ノズルチップ4内において、燃料通路16
から分岐するように複数個の燃料供給孔17a,17
b,…が形成されていて、それらの先端がいずれもノズ
ルチップ4の下端面からなる振動面4aに開口すること
によって複数個の噴口18a,18b,…を形成してい
る。これらの各噴口18a,18b,…の相互間には、
それぞれの噴口の周りに燃料が概ね円形に拡がって形成
される燃料の液膜が相互に接触して干渉することがない
程度の間隔が与えられる。
【0020】振動面4aにおいて噴口18a,18bの
周りに拡がって概ね円形に形成される燃料の液膜の半径
(液膜の拡がり径)は、前述のように、燃料とノズルチ
ップ4の材料の物性に基づく燃料の凝集力や振動面4a
への付着力、振動面4aの姿勢に応じて燃料の液膜に作
用する重力の大きさ、さらに温度等の環境条件がそれぞ
れ一定であれば、概ね一定の値として決まるものであ
り、拡がり径には限界があってそれを越えて大きくなる
ことはないから、液膜が相互に干渉することを防止し得
る噴口18a,18bの間隔は、使用する燃料の種類お
よびノズルチップ4の材質、各噴口18a,18b,…
の半径に応じて具体的な数値として実験的に求めること
ができる。
【0021】前述のように、本発明の図示実施例におい
ては、ノズルチップ4の振動面4aにおける燃料の液膜
の拡がり面積、すなわち噴霧発生面積を増大させるため
に、燃料通路16から複数個の燃料供給孔17a,17
b,…を分岐させて、振動面4a上に複数個の噴口18
a,18b,…を形成しているが、それらの燃料供給孔
17a,17b,…の長さと太さ、すなわち、それらが
燃料通路16から分岐する点から各噴口18a,18
b,…までの距離や、それらの断面積が相互に異なって
いる場合には、各燃料供給孔17a,17b,…を通じ
て供給される燃料の量の間に差が生じてくる。
【0022】前述のように、各噴口18a,18b,…
の周りに形成される燃料の液膜の拡がり径(および拡が
り面積)には一定の限界があるから、各燃料供給孔17
a,17b,…毎に燃料供給量が異なってくると、それ
は各噴口18a,18b,…の周りの液膜の厚さの差と
なって現れる。
【0023】また一方において、振動面4aの超音波振
動によって燃料を霧化することができる燃料液膜の厚さ
には限界があり、その限界を越えて液膜の厚さが増大す
ると燃料は霧化されないで大粒の液滴となって落下す
る。したがって、全ての噴口18a,18b,…の周り
に形成される燃料液膜を均等に、超音波振動によって霧
化することができる厚さに揃えることが望ましい。
【0024】図示実施例においては、各噴口18a,1
8bからの燃料供給量を揃えるために、分岐する前の燃
料通路に対する曲がりがなく、流れの抵抗が比較的小さ
い中心の燃料供給孔17aに絞り19を設けている。そ
れによって、振動面4aの周辺部に開口していて燃料通
路に対する曲がりがあり、流れの抵抗が比較的大きい燃
料供給孔17bとの間のバランスをとっている。このよ
うにして、超音波振動による霧化が可能な最大限の厚さ
を有する複数個の液膜を、全ての噴口18a,18b,
…の周りに均等に実現するとともに、それらの複数個の
液膜が相互に干渉しないように噴口18a,18b,…
を可及的に高い密度で配置することにより、振動面4a
の限られた面積を最大限に活用して最も効率よく、最も
多量の燃料を霧化させることが可能になる。
【0025】以上の説明から明らかなように、燃料供給
量を増大させる必要がない場合であれば、燃料供給量を
一定に維持したままで振動面4aの面積を小さくするこ
とができるので、振幅拡大ホーン2の大径端部側を駆動
する振動子3の出力を小さくすることが可能になり、結
果として超音波噴射装置1に入力される電力を節減して
エネルギ効率を高めることができる。
【0026】図示実施例の超音波噴射装置1はこのよう
に構成されているので、図示しない発振回路から正弦波
の電圧がランジバン振動子3に入力されて振幅拡大ホー
ン2の大径端部に超音波振動が加えられると、振幅拡大
ホーン2は超音波振動の振幅を拡大して小径端部側に接
続されたノズルチップ4へ伝達する。それによって、超
音波噴射装置1の中心軸方向に関して振幅が最大になる
ループ部の位置にあるノズルチップ4の振動面4aが振
動する。
【0027】燃料は燃料ホース13から燃料インレット
14へ入り、燃料通路15および16を通って複数個の
燃料供給孔17a,17b,…へ分流し、振動面4aに
開口する複数個の噴口18a,18b,…の周りに最大
の拡がり面積を有する液膜を形成したのち、振動面4a
の超音波振動により微粒化される。その際に、噴口18
a,18b,…が前述のように配置されていることによ
って、隣接する噴口18a,18b,…の液膜が相互に
接触することがないので、全ての液膜の厚さは超音波振
動によって霧化され得る厚さを維持し、液滴となって振
動面4aから落下することはない。燃料の噴射量、噴射
時期等の制御は、例えば図示しないEFI装置によって
行われる。
【0028】燃料供給孔17a,17b,…としてはノ
ズルチップ4の振動面4aにおける噴霧発生面積を最大
にするために、例えば振動面4aの中心に、分岐前の燃
料通路16に対して曲がりがなく、流れの抵抗が比較的
小さい1個の燃料供給孔17aを穿孔するとともに、そ
れに絞り19を形成し、その外周に等分に、燃料通路1
6に対して曲がりがあり、流れの抵抗が比較的大きいた
めに絞りを設けていない4個の燃料供給孔17b,17
c,17d,17eを穿孔して、振動面4a上に噴口1
8a,18b,,18c,18d,18eを図2に示す
ように配置することにより、各燃料供給孔の燃料供給量
を均一化する。それによって一部の燃料供給孔からの液
滴の発生を抑えて、振動面4aの全体を有効に利用し、
噴霧発生量を大幅に増加させる。
【0029】図3(a)(b)は従来の単孔式のノズル
チップ4’を示したもので、振動面4a’の中心には燃
料供給孔17’の噴口18’が1個だけ開口している。
燃料の液膜は唯1個の噴口18’の周りに小さな円とな
って形成されるだけであるから振動面4’の利用率が悪
く、駆動に必要なエネルギの大きさに比して、振動面
4’において霧化される燃料量は僅かである。この場
合、噴霧発生量を増大させようとして燃料供給孔17’
への燃料供給量を増加させても、液膜の広がり面積は増
加することはなく、液膜の厚さだけが増大するために超
音波振動によっては霧化されなくなり、燃料は振動面
4’から液滴となって落下する。
【0030】図4(a)(b)は従来の多孔式のノズル
チップ4”を示したもので、振動面4a”には燃料通路
16’から分岐する多数の燃料供給孔17a’,17
b’,…の噴口18a’,18b’,…が形成されてい
る。しかし、これらの燃料供給孔17a’,17b’,
…の半径は全て同じであるが、分岐前の燃料通路16’
に対する曲がりの程度に差があり、噴口18a’,18
b’,…の配置には特に考慮が払われていない。そのた
めに、比較的に流れの抵抗が少ない中心上の燃料供給孔
17a’の燃料供給量が周辺部の燃料供給孔17b’,
17c’,…の燃料供給量よりも多くなる結果、中心部
の液膜の厚さが増大して大粒の液滴となって落下するの
で、この部分では超音波振動による霧化が実質的に不可
能になる。
【0031】それにもかかわらず、振動面4a”の周辺
部においては、噴口18b’,18c’,…の分布密度
が低いために振動面4a”の利用率が悪くなるので、仮
に周辺部においてのみ超音波振動による霧化が行われる
としても、その噴霧発生量は僅かなものになり、超音波
噴射装置のエネルギ効率が著しく低くなる。
【0032】このように、ノズルチップに多数の燃料供
給孔を設ける場合には、振動面において隣接する噴口の
間隔は非常に重要であって、間隔が小さすぎるときは隣
接する液膜が重なって液滴が発生するし、間隔が大きす
ぎるときは振動面の利用率が低くなって超音波噴射装置
の効率が悪化する。そこで、液膜の拡がり径が最大にな
る条件としての噴口の最適間隔を求めるための線図を図
5に示している。図5から判るように、噴口の間隔は大
き過ぎても或いは小さすぎても噴霧発生量が低下するの
で、噴霧発生量が最大となる噴口間隔の値を選択し、振
動面4a上で噴口18a,18b,…が最大の密度で分
布するように均等配置するのがよい。
【0033】本発明の他の実施例として、ノズルチップ
4の振動面4aに親油性の高い材料の薄膜をコーティン
グするというような方法で振動面4aを改質すれば、振
動面4a上において液膜が拡がり易くなって、前述のも
のと同様に噴霧発生量を増加させるとともに小型化を図
ることができる。また、振動面4aを研磨して面粗度を
高めることにより振動面積を実質的に増加させることも
できる。ただしこれらの場合は、拡大した液膜が相互に
干渉しないように噴口18a,18b,…相互間の間隔
を拡げる必要があることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波噴射装置の実施例を示す縦断面
図である。
【図2】図1に示す超音波噴射装置の下面の平面図であ
る。
【図3】従来の単孔式のノズルチップを示すもので、
(a)は下面の平面図、(b)は(a)に示すB−B線
における縦断面図である。
【図4】従来の多孔式のノズルチップを示すもので、
(a)は下面の平面図、(b)は(a)に示すC−C線
における縦断面図である。
【図5】ノズルチップの振動面上における噴口の間隔と
噴霧発生量との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1…超音波噴射装置 2…振幅拡大ホーン 3…ランジバン振動子 4…ノズルチップ 4a…振動面 5,6…固定用リング 7…フランジ部 8,9…Oリング 12…スペーサ 13…燃料(液体)ホース 15,16…燃料(液体)通路 17a,17b,17’,17a’,17b’…燃料供
給孔 18a,18b,18’,18a’,18b’,18
c’…噴口 19…絞り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 弘芝 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 大木 久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4D074 AA04 BB04 DD08 DD33 DD43 DD48 DD70

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を微粒化させる振動面を形成された
    ノズルチップと、前記ノズルチップへ振動波形を拡大し
    て超音波振動を伝達する振幅拡大ホーンと、前記振幅拡
    大ホーンを超音波振動させる振動子と、液体の供給を受
    けるための液体インレットと、前記液体インレットに接
    続するように前記ノズルチップに形成された液体通路
    と、前記液体通路から分岐するとともに末端において前
    記振動面に相互に離れて開口する噴口を形成された複数
    個の液体供給孔とからなる超音波噴射装置において、複
    数個の前記噴口の周囲にそれぞれ形成される液膜の面積
    が最大限度まで大きくなった状態においてもそれらの液
    膜が相互に干渉しないように、前記噴口を前記振動面上
    において相互に引き離して配置するとともに、前記振動
    面上における前記噴口の分布密度が最大となるように、
    前記噴口を可及的に多数個開口させたことを特徴とする
    超音波噴射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記振動面上の各噴
    口の周囲にそれぞれ形成される液膜の面積が実質的に同
    時に最大限度まで大きくなるとともに、その時にそれら
    の液膜の厚さが実質的に全て均等になるように、前記複
    数個の液体供給孔の少なくとも一部に絞りを設けたこと
    を特徴とする超音波噴射装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、複数個の前記液体供
    給孔のうちで前記液体供給孔の前記液体通路に対する曲
    がりが比較的小さく、流れの抵抗が小さいものに前記絞
    りが形成されていることを特徴とする超音波噴射装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記複数個の液体供
    給孔へ分岐する前の前記ノズルチップ内の液体通路が、
    前記振幅拡大ホーン内に形成された液体通路を介して前
    記液体インレットへ接続していることを特徴とする超音
    波噴射装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記振幅拡大ホーンのノードの位置に環状のフランジ部
    が形成され、前記フランジ部の両面がOリングを介して
    フレームの一部によって支持されていることを特徴とす
    る超音波噴射装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    霧化されるべき液体が液体燃料であることを特徴とする
    超音波噴射装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505242A (ja) * 2007-11-29 2011-02-24 トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド 流体を微粒化するデバイスおよび方法
JP2012211532A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Hitachi Automotive Systems Ltd 燃料噴射弁

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