JP2001046368A - 超音波探触子の製造方法 - Google Patents

超音波探触子の製造方法

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JP2001046368A
JP2001046368A JP11221485A JP22148599A JP2001046368A JP 2001046368 A JP2001046368 A JP 2001046368A JP 11221485 A JP11221485 A JP 11221485A JP 22148599 A JP22148599 A JP 22148599A JP 2001046368 A JP2001046368 A JP 2001046368A
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vibrator
groove
piezoelectric vibrator
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JP11221485A
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Takuya Imahashi
拓也 今橋
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱変形及び熱変成の影響を与えることなく分割
溝を形成して、圧電素子を略台形状に形成して不要振動
を抑える超音波探触子の製造方法を提供すること。 【解決手段】エポキシ樹脂1aにアルミナ粉末1bを混
入させたアルミナ粉末入りエポキシ樹脂で形成したバッ
キング層材1と圧電振動子2とを接合して第1積層体7
を形成する。第1積層体7を構成する圧電振動子2に第
1音響整合層材3を接合して第2積層体8である振動子
部組10を形成する。振動子部組10にダイシング溝1
5を加工して振動子エレメント14を複数形成する。こ
のとき、外周側端部20aの周囲にはバッキング層材1
が付着し、このバッキング層材1中に含まれている研磨
粉1bによって圧電振動子2と第1音響整合層材3とが
加工されて幅寸法が漸次変化する加工部15a,15
b,15cが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子にダイ
シング溝を加工して複数の超音波振動子エレメントを配
列させた電子走査型の超音波探触子とその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、X線のような被爆を伴うことな
く、生体等の被検体内部の音響情報を得ることができる
超音波診断或いは超音波検査装置が広く用いられるよう
になっている。
【0003】前記超音波診断或いは超音波検査装置にお
ける超音波を送受する超音波探触子としては例えば、ア
レイ型探触子が使用される。図8に示すように従来型の
圧電振動子50の一般形状は、幅W、厚さT、長さLで
形成され、幅Wの上下面に電極51を配置していた。
【0004】前記電極51にパルス電圧を印加した場
合、厚さt寸法に応じた縦振動が主に発生すると同時
に、幅W寸法に応じた横振動も副次的に発生する。つま
り、幅W寸法が一定であると横振動が強く発生し、形状
によっては縦振動に重畳して、縦振動に悪影響を及ぼす
ことがある。このため、圧電素子を分割して横方向振動
の共振周波数が特定の周波数とならないように形成して
いた。
【0005】ここで、圧電素子を分割して横方向振動の
共振周波数が特定の周波数とならないようにする超音波
探触子の一般的な製造工程を説明する。 (1)所定の形状にバッキング層を成型するバッキング
材成型工程。
【0006】(2)所定形状の圧電振動子に設けられて
いる電極に例えばFPCを接続する電極配線工程。
【0007】なお、前記(1),(2)の工程はどちら
を先に行ってもよい。
【0008】(3)圧電振動子とバッキング層とを接合
して第1積層体を形成する圧電振動子接合工程。
【0009】(4)前記第1積層体を構成する圧電振動
子に第1音響整合層を接合して第2積層体である振動子
部組を形成する第1整合層接合工程。
【0010】(5)前記振動子部組の第1音響整合層側
からダイシング溝を加工して圧電振動子を複数に分割す
るダイシング工程。
【0011】(6)前記ダイシング溝に溝埋め材を充填
して補強する溝埋め工程。
【0012】(7)第1音響整合層に第2音響整合層を
接合して第3積層体を形成する第2音響整合層接合工
程。
【0013】(8)前記第3積層体に音響レンズを注型
するレンズ注型工程。
【0014】(9)レンズを設けた第3積層体をケース
に組み込むケース組み込み工程。
【0015】以上の工程を通して超音波探触子を製造し
ていた。
【0016】そして、特開平2−246700号公報の
超音波アレー及びその加工方法には、さらに不要振動を
抑えることを目的として、上記(5)に示したダイシン
グ工程において圧電素子を台形状に分割する装置と、レ
ーザを用いて分割する加工方法とが示されていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平2−246700号公報のように分割のためにレー
ザーを用いた場合、被加工物が熱変形することは避けら
れない。すなわち、一般的な音響整合層は熱変形温度の
低い材料である例えばエポキシ樹脂で形成されているの
で、熱変形及び熱変成が発生することによって所望の形
状及び音響特性を得にくくなるという問題があった。
【0018】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、熱変形及び熱変成の影響を与えることなく分割溝
を形成して、圧電素子を略台形状に形成して不要振動を
抑える超音波探触子の製造方法を提供することを目的に
している。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波探触子の
製造方法は、1つの圧電振動子に、少なくとも切削方向
に対して漸次変化するダイシング溝を形成して複数の振
動子エレメントに分割するアレイ型超音波探触子の製造
方法であって、粘着性の高い樹脂部材に、非球形状であ
る研磨紛を混入させたバッキング材でバッキング層を形
成するバッキング材成型工程と、このバッキング材成型
工程で形成されたバッキング層を両面に電極を形成した
圧電振動子の一方の面に接合して第1積層体を形成する
圧電振動子接合工程と、この圧電振動子接合工程で形成
された第1積層体にダイシングブレードによって前記圧
電振動子からバッキング層に至る複数のダイシング溝を
加工して振動子エレメントに分割するダイシング工程と
を具備している。
【0020】この製造方法によれば、ダイシングブレー
ドによってバッキング層を含む第1積層体にダイシング
溝を加工することによって、ダイシングブレードの加工
面にバッキング材が付着して加工面の幅寸法が幅広にな
っていくとともに、このバッキング材に混入している研
磨紛が圧電振動子を加工して、熱による影響を与えるこ
となくダイシング溝の幅寸法が加工方向に向かって幅広
に変化する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1ないし図5は本発明の一実施
形態に係り、図1は振動子部組を示す図、図2は振動子
部組を製造する工程を含む超音波探触子製造工程図、図
3は工程を説明する図、図4は振動子部組をダイシング
ブレードによって加工する際の構成を説明する図、図5
はダイシング工程を説明する図である。なお、図1
(a)は振動子部組の側面図、図1(b)は振動子部組
の上面図、図3(a)は圧電振動子接合工程を示す図、
図3(b)は第1整合層接合工程を示す図、図5(a)
はドレッシングボードによって成形したダイシングブレ
ードの外周側端部を示す図、図5(b)は外周側端部に
よって加工された一端部側の凹部を示す図、図5(c)
は外周側端部が他端部側に加工進行して付着したバッキ
ング材の研磨紛によって加工された加工部を示す図、図
5(d)は外周側端部が他端部側を通過するときこの外
周側端部に付着したバッキング材の研磨紛によって加工
された加工部を示す図である。
【0022】図1(a)に示すように本実施形態の振動
子部組10は、バッキング層11と、圧電振動子層12
と、第1音響整合層13とを積層して構成した振動子エ
レメント14,…,14を複数配列して構成されてい
る。
【0023】前記振動子エレメント14同士は、前記第
1音響整合層13から前記バッキング層11に至るダイ
シング溝15によって分割されている。図1(b)に示
すように前記振動子エレメント14は、図中下側から上
側に向かって幅寸法が徐々に幅広になるダイシング溝1
5によって略台形形状に形成されている。
【0024】まず、図2及び図3を参照して前記振動子
部組10を形成する製造工程を説明する。図2に示すバ
ッキング材成型工程にてバッキング層を所定形状に成型
する。このバッキング材は、例えばエポキシ樹脂等粘着
性の高い樹脂に、例えば直径2μm〜60μm程度の研
磨紛の1つである非球形状のアルミナ粉末を混入させた
アルミナ粉末入りエポキシ樹脂によって形成されてい
る。このアルミナ粉末入りエポキシ樹脂は、非球形の粉
体での反射・散乱が効率的に起こる良好なバッキング材
である。また、図2に示す電極配線工程にて圧電振動子
に設けられている電極に例えばFPCを接続しておく。
【0025】次に図2に示す圧電振動子接合工程におい
て、図3(a)に示すようにエポキシ樹脂1aにアルミ
ナ粉末1bを混入させたアルミナ粉末入りエポキシ樹脂
で形成したバッキング層材1と前記圧電振動子2とを接
合して第1積層体7を形成する。
【0026】そして、図2に示す第1整合層接合工程に
おいて、図3(b)に示すように第1積層体7を構成す
る圧電振動子2に第1音響整合層材3を接合して第2積
層体8である振動子部組10を形成する。
【0027】次いで、図2に示すダイシング工程におい
て、前記振動子部組10にダイシング溝15を加工して
振動子エレメント14を複数形成していく。
【0028】ここで、図4及び図5を参照して前記ダイ
シング工程を具体的に説明する。前記振動子部組10に
所定のダイシング溝15を加工するため、加工工具とし
て例えば軸29を中心に矢印方向に回転するダイシング
ブレード20と、このダイシングブレード20の外周側
端部20aを通過させることによって、この外周側端部
20aを所定の加工幅寸法に加工成形するドレッシング
ボード21とを用意し、図4に示すように前記振動子部
組10、ドレッシングボード21,ダイシングブレード
20の順に配置する。つまり、前記振動子部組10にダ
イシング溝を加工する際には必ずダイシングブレード2
0がドレッシングボード21を通過するようにしてい
る。
【0029】まず、前記ダイシングブレード20を振動
子部組10に対して相対的に矢印に示す切削方向に移動
させる。すると、ダイシングブレード20がドレッシン
グボード21を通過することによって、このダイシング
ブレード20の外周側端部20aが前記図5(a)に示
すように所定の幅寸法aに加工成形される。
【0030】そして、移動を続けることによって、図5
(b)に示すように幅寸法aに形成された外周側端部2
0aが振動子部組10の一端部側にくいついて、バッキ
ング層材1及び圧電振動子2,第1音響整合層材3にダ
イシング溝15を加工していく。このとき、一端部側に
前記外周側端部20aの幅寸法aの加工部15aが形成
される。
【0031】さらに、前記ダイシングブレード20が一
端部側から他端部側に移動しながら加工を続けていく。
このとき、前記外周側端部20aが前記バッキング層材
1を切削する。このため、この外周側端部20aの周囲
に粘着性を有するバッキング層材1が徐々に付着して、
前記外周側端部20aの幅寸法が寸法aから徐々に幅広
な幅寸法bに変化していくとともに、このバッキング層
材1中に含まれている研磨粉1bによって前記圧電振動
子2と第1音響整合層材3とが加工されて幅寸法が寸法
aから寸法bに漸次変化する加工部15bが形成され
る。
【0032】さらに、前記ダイシングブレード20が他
端部側に移動していくことによって、前記外周側端部2
0aの周囲にはさらにバッキング層材1が付着して、前
記外周側端部20aの幅寸法が寸法bからさらに幅広な
寸法に変化するとともに、前記バッキング層材1中に含
まれている研磨粉1bによって前記圧電振動子2と第1
音響整合層材3とが加工されて幅寸法が寸法bからさら
に幅広な寸法に漸次変化する加工部15cが形成され
る。
【0033】そして、前記ダイシングブレード20が他
端部側を通過することにより、前記振動子部組10には
図1(b)に示したように一端部側の幅寸法が幅狭な寸
法aで他端部側の幅寸法が幅広な寸法cで、一端部側か
ら他端部側にいくにしたがって漸次幅寸法が幅広に変化
するダイシング溝15が形成される。
【0034】引き続き、次のダイシング溝15を加工す
る。このとき、幅広状態になっている外周側端部20a
を再びドレッシングボード21に通過させる。すると、
前記図5(d)に示すように外周側端部20aに付着し
たバッキング層材1が除去されて、前記図5(a)に示
すように外周側端部20aの幅寸法が再び寸法aに加工
成形される。
【0035】そして、幅寸法aに再形成された外周側端
部20aを振動子部組10の一端部側から切り込ませ
て、バッキング層材1及び圧電振動子2,第1音響整合
層材3を切削して2つの目のダイシング溝15を加工す
る。
【0036】これらの工程を繰り返し行うことによっ
て、振動子部組10に一端部側の幅寸法が寸法aで他端
部側の幅寸法が寸法cで漸次幅寸法が幅広に変化する複
数のダイシング溝15が加工され、このダイシング溝1
5によって台形形状の振動子エレメント14を複数配列
させた振動子部組10が構成される。
【0037】なお、前記ダイシング工程の後段に、図2
の一点鎖線に示すダイシング溝15に溝埋め材16を充
填して補強する溝埋め工程、前記第1音響整合層13に
第2音響整合層17を接合して第3積層体を形成する第
2音響整合層接合工程、前記第3積層体に図示しない音
響レンズを注型するレンズ注型工程、音響レンズを設け
た第3積層体を図示しないケースに組み込むケース組み
込み工程を引き続き行うことによって超音波探触子が製
造される。
【0038】また、ダイシングブレード20の外周側端
部20aに付着したバッキング層材1中の研磨粉1bで
圧電振動子2と第1音響整合層3とを切削しているた
め、このバッキング層材1と圧電振動子2との接合界面
近傍の粉体含有量が高くなって素子倒れの発生しない機
械的剛性になっている。
【0039】さらに、本実施の形態では第1音響整合層
材3を接合した後、ダイシング工程を行うとしたが、第
1音響層整合工程の前にダイシング工程を行うようにし
てもよい。
【0040】このように、バッキング材を研磨粉を混入
させた粘着性を有する樹脂材料で形成し、このバッキン
グ材と圧電振動子とを積層させた状態にして、回転する
ダイシングブレードを使用してダイシング溝を加工する
ことによって、ダイシング溝加工中、切削されたバッキ
ング材がダイシングブレードの外周側端部に付着して幅
広になっていく一方、その付着したバッキング材に混入
されている研磨紛が圧電振動子を切削して、ダンシング
ブレードによる切削加工によって一端部側から他端部側
にいくにしたがってダイシング溝の幅寸法が漸次幅広に
変化させて、台形形状の振動子エレメントを複数、得る
ことができる。
【0041】このことにより、レーザー加工のように熱
変形を被加工物に与えることなく、通常のダイシング工
程で加工を行って、振動子の不要振動を抑える効果を得
られる。また、バッキング材に溝が存在するため超音波
振動の伝搬距離が長くなって振動伝搬量を少なくして、
バッキング材側で伝搬する振動を抑え、クロストークを
低減できる効果も得られる。
【0042】ところで、従来のアレイ型探触子となる第
3積層体30は図9に示すように、第1音響整合層3
1、第2音響整合層32、圧電振動子33を、充填バッ
キング層34上に積層し、前記圧電振動子33及び前記
第1音響整合層31に溝部を形成し、この溝部に樹脂部
材を充填した充填溝35を設けることによって圧電振動
子33を分割していた。つまり、このタイプの第3積層
体30では前記充填溝35が充填バッキング層34に存
在していなかった。
【0043】一般的な充填バッキング層34の音響イン
ピーダンスは約5MRaylであり、充填溝35の音響
インピーダンスは充填される樹脂の有する値、例えば2
Mrayl弱である。このため、音響インターフェイス
が約30MRaylの圧電振動子33で発生した振動
は、インピーダンスの値が近い充填バッキング層34の
方に伝搬しやすいので素子間に音響的クロストークが発
生する。
【0044】例えば、特開昭60−23559号公報に
は予め、成型されたバッキング材にFPCが接続された
圧電振動子を接合し、さらに、第1整合層を接合した後
に、バッキング層までダイシング溝を加工し、このとき
のバッキング材へのダイシング溝深さを最適にすること
によりクロストークを抑制されることが開示されてい
る。
【0045】しかし、一般的に前記バッキング層はゴム
状物質で形成されているため、切削時の溝深さ寸法が深
くなるにしたがって、圧電振動子33等の凸状部が倒れ
る可能性が高くなる、このため設計の自由度が低かっ
た。
【0046】このため、特開平7−12239号公報に
はクロストークを抑制するため空隙部に光硬化樹脂であ
る音響絶縁材料としてのマイクロバルーンを封入する方
法が開示されている。
【0047】しかしながら、この先行例では溝部に設け
るだけであるとともに、前記マイクロバルーンの粒度分
布が10μmないし50μmであるので、超音波探触子
を小型化及び高周波化する場合には空隙部の方が前記マ
イクロバルーンの粒径よりも幅狭になる。つまり、前記
マイクロバルーンを空隙部に充填した場合、溝部にバル
ーンが1個収まって隣接する素子間が音響的に結合して
しまうため、バッキング材側で伝播する振動を抑え、ク
ロストークを低減した超音波探触子の製造方法が望まれ
ていた。
【0048】図6及び図7はクロストークを低減する超
音波探触子の製造方法にかかり、図6は振動子部組に形
成されたダイシング溝を溝埋めする溝埋め工程を含む超
音波探触子製造工程図、図7は溝埋め工程を説明する図
である。なお、図7(a)は振動子部組を示す図、図7
(b)はダイシング溝を加工した振動子部組を示す図、
図7(c)は光硬化性樹脂硬化装置によって充填溝を形
成する様子を説明する図、図7(d)はバッキング材を
充填させて形成した第3積層体を示す図である。
【0049】図7(d)に示すように本実施形態の超音
波探触子となる第3積層体30Aは、第2音響整合層3
2上に、第1音響整合層31、圧電振動子33及び充填
バッキング層34を積層しており、前記第1音響整合層
31、圧電振動子33及び充填バッキング層34の一部
に樹脂部材を充填して形成した樹脂充填溝(以下樹脂溝
と略記する)35によって分割されている。
【0050】前記第3積層体30Aを製造する工程を含
む超音波探触子製造の工程を説明する。超音波探触子
は、図6に示す工程で形成される。
【0051】(1)前記第2音響整合層32を注型して
所望の形状に形成する第2整合層成型工程。
【0052】(2)前記第2音響整合層32に第1音響
整合層31を注型し、その後研削して所望の形状の第1
積層体を形成する第1整合層成型工程。
【0053】(3)図7(a)に示すように前記第1積
層体41に圧電振動子33を接合して第2積層体42を
形成する圧電振動子接合工程。
【0054】(4)図7(b)に示すように前記第2積
層体42をダイシングしてダイシング溝36を加工する
ダイシング工程。
【0055】(5)図7(c)に示すように光硬化性樹
脂硬化装置45を用いて、ダイシング溝36内に侵入さ
せた光硬化性樹脂37に光照射して硬化部38を形成し
て徐々に充填溝35を設ける溝埋め工程。
【0056】(6)バッキング材を充填して第3積層体
30Aを形成するバッキング材充填工程。
【0057】そしてこの後、前記第3積層体30Aに音
響レンズを注型するレンズ注型工程、最終的なケース組
み込み工程を経て超音波探触子が完成される。
【0058】なお、本実施形態の溝埋め工程で使用する
光硬化性樹脂37は、紫外線のような光を照射すること
により、照射された部分だけが硬化する特性を有するも
のである。また、この光硬化性樹脂37の音響インピー
ダンスは、従来の溝埋め部で使用する樹脂部材の音響イ
ンピーダンスと同程度の2MRaylである。さらに、
ここで使用する光硬化性樹脂硬化装置45は、エレベー
タと呼ばれる3次元位置制御ステージ(図示せず)を有
し、このステージ上にダイシング溝36を加工した第2
積層体42を配置し、光硬化性樹脂37内に浸漬させ、
液面近傍に収束された光を選択的に照射することによっ
て3次元形状の光硬化物質を形成する装置である。
【0059】ここで、上述した溝埋め工程を具体的に説
明する。まず、図7(b)に示すダイシング溝36が加
工済みの第2積層体42を光硬化性樹脂硬化装置45の
エレベータ(図示せず)上に配置する。
【0060】次に、エレベータを制御しながら前記第2
積層体42を光硬化性樹脂37中に浸漬させる。このと
き、前記ダイシング溝36内に光硬化性樹脂37が所定
量導かれるようエレベータを制御する。本実施形態にお
いては例えば、このダイシング溝36内に導かれる光硬
化性樹脂37の厚みを0.1mmとしている。
【0061】次いで、ダイシング溝36の開口部側から
光硬化性樹脂37に紫外線を照射する。このことによ
り、光硬化性樹脂37が硬化して厚み0.1mmの硬化
部38が形成される。
【0062】引き続き、硬化部38を形成するため、前
記エレベータを0.1mm沈める。すると、未硬化の光
硬化性樹脂37がダイシング溝36内に導びかれ、上述
と同様に紫外線を照射して次の硬化部38を形成する。
この動作を繰り返し行うことによって、前記ダイシング
溝36内の硬化部38の厚みが徐々に増大していく。
【0063】そして、前記圧電振動子33と同じ高さま
で前記硬化部38を形成したところで溝埋め工程が完了
し、さらに、硬化部38を増大させた後、バッキング層
34を充填することにより、図6(d)に示した第3積
層体30Aが形成される。
【0064】なお、前記硬化部38を圧電振動子33か
ら突出させる際には、エレベータを沈めた状態にし、ダ
イシング溝36の上部のみに紫外線を照射する。このこ
とにより、ダイシング溝36の部分の光硬化性樹脂37
が圧電振動子33から突出した硬化部38が形成され
る。このとき、光硬化性樹脂37に対する紫外線の照射
状態を適宜調節することによって、硬化部38の突出量
と形状とを任意に設定することが可能である。
【0065】上述のことにより、充填バッキング層34
に充填溝35が存在する構造の超音波探触子の製造が可
能になる。
【0066】なお、前記図7においては所定量ずつエレ
ベータを沈めて硬化部38を徐々に増大させて充填溝3
5を形成する方法について述べたが、光硬化性樹脂37
内に図6(b)に示す第2積層体42全体を沈め、照射
する光が液面内で収束するようにレンズ等で制御するこ
とによって前記充填溝35を形成することも可能であ
る。この方法においては圧電振動子33と第1音響整合
層31で光の照射方向が規制されているので、光硬化性
樹脂37内における光の焦点の広がりが問題にならない
ので、所望の形状の充填溝35の形成を可能にしてい
る。
【0067】つまり、光硬化性樹脂37を溝埋め材に用
い、溝埋め材を所望の形状、例えば圧電振動子33から
突出した形状に形成し、その後バッキング層34を形成
することで、バッキング層34に溝埋め材が存在する構
造となる。
【0068】このことにより、圧電振動子33で発生し
た振動が隣接する素子へ伝搬する距離を長くしてクロス
トークを抑えることができる。
【0069】なお、第2音響整合層32は充填バッキン
グ層34に比べ剛性が大幅に高いので、この第2音響整
合層32の上に配置された第1音響整合層31及び圧電
振動子33に対して容易にダイシングを行うことができ
る。このため、従来の、充填バッキング層34の上に配
置させた第1音響整合層31及び圧電振動子33をダイ
シングする工程に比べ素子の倒れを抑えることができ
る。
【0070】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
【0071】[付記]以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。
【0072】(1)1つの圧電振動子に、少なくとも切
削方向に対して漸次変化するダイシング溝を形成して複
数の振動子エレメントに分割するアレイ型超音波探触子
の製造方法において、粘着性の高い樹脂部材に、非球形
状である研磨紛を混入させたバッキング材でバッキング
層を形成するバッキング材成型工程と、このバッキング
材成型工程で形成されたバッキング層を両面に電極を形
成した圧電振動子の一方の面に接合して第1積層体を形
成する圧電振動子接合工程と、この圧電振動子接合工程
で形成された第1積層体にダイシングブレードによって
前記圧電振動子からバッキング層に至る複数のダイシン
グ溝を加工して振動子エレメントに分割するダイシング
工程と、を具備する超音波探触子の製造方法。
【0073】(2)前記樹脂材料はエポキシ樹脂であ
り、前記研磨紛は直径2μm〜60μmの非球形状のア
ルミナ粉末である付記1記載の超音波探触子の製造方
法。
【0074】(3)両面に電極を有する圧電振動子の超
音波を送受する一方の面に音響整合層を形成し、他方の
面に超音波を吸収するバッキング層を形成し、複数の溝
を形成して複数の超音波振動子エレメントを配列させる
型超音波振動子の製造方法において、音響整合層と圧電
振動子とを接合して積層体を形成する工程と、この積層
体に溝を形成して分割する工程と、前記溝に光硬化性材
料を導く工程と、前記溝に導かれた光硬化性材料に光を
照射して硬化させて硬化部を形成する工程とを具備する
超音波振動子の製造方法
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、熱
変形及び熱変成の影響を与えることなく分割溝を形成し
て、圧電素子を略台形状に形成して不要振動を抑える超
音波探触子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図5は本発明の一実施形態に係り、
図1は振動子部組を示す図
【図2】振動子部組を製造する工程を含む超音波探触子
製造工程図
【図3】工程を説明する図
【図4】振動子部組をダイシングブレードによって加工
する際の構成を説明する図
【図5】ダイシング工程を説明する図
【図6】図6及び図7はクロストークを低減する超音波
探触子の製造方法にかかり、図6は振動子部組に形成さ
れたダイシング溝を溝埋めする溝埋め工程を含む超音波
探触子製造工程図
【図7】溝埋め工程を説明する図
【図8】従来型の圧電振動子の形状を説明する図
【図9】従来のアレイ型探触子となる第3積層体の積層
構造を説明する図
【符号の説明】
1…バッキング層材 1a…エポキシ樹脂 1b…アルミナ粉末(研磨紛) 2…圧電振動子 3…第1音響整合層材 15…ダイシング溝 15a,15b,15c…加工部 20…ダイシングブレード 20a…外周側端部 21…ドレッシングボード

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの圧電振動子に、少なくとも切削方
    向に対して漸次変化するダイシング溝を形成して複数の
    振動子エレメントに分割するアレイ型超音波探触子の製
    造方法において、 粘着性の高い樹脂部材に、非球形状である研磨紛を混入
    させたバッキング材でバッキング層を形成するバッキン
    グ材成型工程と、 このバッキング材成型工程で形成されたバッキング層を
    両面に電極を形成した圧電振動子の一方の面に接合して
    第1積層体を形成する圧電振動子接合工程と、 この圧電振動子接合工程で形成された第1積層体にダイ
    シングブレードによって前記圧電振動子からバッキング
    層に至る複数のダイシング溝を加工して振動子エレメン
    トに分割するダイシング工程と、 を具備することを特徴とする超音波探触子の製造方法。
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