JP2001046049A - アルコール飲料の製造方法 - Google Patents
アルコール飲料の製造方法Info
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Abstract
覚にマッチしたライト感覚のアルコール飲料を提供する
ことができ、更に、廃棄物として処理されているチュー
リップの花弁を有効利用することもできるアルコール飲
料の製造方法を提供するものである。 【解決手段】 酒類にチューリップの花弁1を漬け込む
ことで該チューリップの花弁1の有する色及び香味を付
与されたアルコール飲料を製造するものである。
Description
用したアルコール飲料の製造方法に関するものである。
リップには様々な種類があり、鑑賞用として広く愛用さ
れている。
いて栽培されている。従って、この栽培用の球根を生産
する為、チューリップの栽培時において、新しい球根に
可及的に栄養を蓄積させる必要性から、花弁が開花した
段階で該花弁を切断除去している。
れるチューリップの花弁は、現在、僅かに織物の染色原
料として使用されているにすぎず、大部分は廃棄物とし
て処分されている。
能であり、この花弁を食品素材として利用することが可
能であれば廃棄物の有効利用となり、しかも、低コスト
で原料の調達が可能であるなど様々な利点を生じる。
やかな色に着眼し、該色をアルコール飲料に付与するこ
とができれば、新たなアルコール飲料が製造できるので
はないかと考え、繰り返した研究実験の結果、完成した
もので、チューリップの花弁が有する鮮やかな色彩を有
するアルコール飲料の製造方法を提供するものである。
明の要旨を説明する。
とで該チューリップの花弁1の有する色及び香味を付与
されたアルコール飲料を製造することを特徴とするアル
コール飲料の製造方法に係るものである。
造方法において、酒類として清酒を採用したことを特徴
とするアルコール飲料の製造方法に係るものである。
麦若しくは発酵性を有する糖類などの発酵原料とチュー
リップの花弁1を混合し、該混合物をもろみとして発酵
し、チューリップの花弁1の有する色及び香味を付与さ
れたアルコール飲料を製造することを特徴とするアルコ
ール飲料の製造方法に係るものである。
アルコール飲料の製造方法において、チューリップの花
弁1の有する色及び香味を付与されたアルコール飲料に
酸を添加してpH3.5以下とすることを特徴とするア
ルコール飲料の製造方法に係るものである。
アルコール飲料の製造方法において、チューリップの花
弁1の有する色により、波長510〜520nmに吸収
ピークを有し該吸収ピークにおける吸光度が0.4以上
の吸収スペクトルの赤色アルコール飲料を製造すること
を特徴とするアルコール飲料の製造方法に係るものであ
る。
アルコール飲料の製造方法において、チューリップの花
弁1の有する色により、彩度(C*)18以上及び色相
(a*)15以上の赤色アルコール飲料を製造することを
特徴とするアルコール飲料の製造方法に係るものであ
る。
アルコール飲料の製造方法において、チューリップの花
弁1として、チューリップの花弁1を水蒸気により加熱
処理したチューリップの花弁1を採用したことを特徴と
するアルコール飲料の製造方法に係るものである。
造方法において、チューリップの花弁1を水蒸気により
加熱処理した後、冷却、乾燥したチューリップの花弁1
を採用したことを特徴とするアルコール飲料の製造方法
に係るものである。
アルコール飲料の製造方法において、アルコール飲料に
糖類,甘味料,有機酸,炭酸ガスのいずれか1つ以上を
加えることを特徴とするアルコール飲料の製造方法に係
るものである。
アルコール飲料の製造方法において、チューリップとし
てエルデ・フランスを使用することを特徴とするアルコ
ール飲料の製造方法に係るものである。
漬け込むと、該花弁1の有する色素が酒類に溶出する
為、鮮やかな色彩のアルコール飲料を得ることができ
る。
味もアルコール飲料に付与される。また、アルコール飲
料の発酵段階若しくは該発酵段階以前に発酵原料とチュ
ーリップの花弁1とを混合してアルコール飲料を製造し
ても同様である。
ップの鮮やかな色彩を有する現代感覚にマッチしたライ
ト感覚のアルコール飲料を提供することができ、更に、
廃棄物として処理されているチューリップの花弁を有効
利用することもできる実用性に秀れたアルコール飲料の
製造方法となる。
ものであり、以下に説明する。
下旬に開花した赤色のチューリップの花弁1を採取し、
冷凍保存したものを使用した。このチューリップの品種
はエルデ・フランス(アペルドン系)である。
清酒の成分を下記表1に示す。
ように投入し、15℃の一定温度で数日間放置すること
により、該清酒中にチューリップの花弁1が有する色素
などの成分を抽出した。
は、清酒,水及びブドウ糖を混合し、該混合溶液をpH
が約3.2となるように有機酸(リンゴ酸)を用いて調整
した後、該混合溶液にチューリップの花弁1を投入し、
15℃の一定温度で数日間放置することにより、該混合
溶液中にチューリップの花弁1が有する色素などの成分
を抽出した。
ール飲料は、鮮やかな赤紅色を有していた。従って、酒
類にチューリップの花弁1を漬け込んだり、また、アル
コール飲料の発酵段階若しくは該発酵段階以前に発酵原
料とチューリップの花弁1とを混合することにより、チ
ューリップの花弁1の有する鮮やかな色が付与されたア
ルコール飲料が得られることが判明した。
れたアルコール飲料は植物体由来の不快な臭気があり、
官能評価において「難点である」との指摘があった。この
為、使用するチューリップの花弁1は、前処理として水
蒸気による加熱処理を行うことにより、不快臭を低減さ
せることが望ましい。
らかではないが、加熱により、花弁1中の臭気成分が揮
発され、且つ、花弁1中の酵素が失活される為に臭気成
分の生成が抑えられるからではないかと考えられる。
て、セイロを用いてチューリップの花弁1を蒸きょう
(蒸す)する方法を採用した。
1は、冷却、乾燥することにより保存可能な状態として
おくことが望ましい。尚、水蒸気による加熱処理を行っ
たチューリップの花弁1は、そのままでは多量の水分を
含んでいる為、微生物により汚染され易いので、このよ
うにチューリップの花弁1を冷却、乾燥する方が望まし
い。
ューリップの花弁1を使用した。
し、15℃の一定温度で3日間抽出を行ったところ、下
記表3に示す吸収スペクトルを有するアルコール飲料が
得られた。
ピンク色をしており、美しい色合いであった。
アン系の色素であり、一般にアントシアン系の色素は酸
性領域では、赤紅色を呈することが知られている(大
場、蓮尾、秋田、山本:醸協,80,287(198
4))。そこで、実施例3で得られたアルコール飲料の
pHを測定したところ4.5であった。このことから、
使用する清酒のpHを低下させることにより、より一層
鮮やかな赤色を呈するアルコール飲料を得ることができ
ると考え、下記実施例4を行った。
有機酸のみでpHを酸性にした場合は酸味が非常に強
く、飲用に適さない為、糖を補うことにより味のバラン
スをととのえた。この糖濃度の最適な値は、官能試験の
結果、7%(w/v)に決定した。また、3日間抽出を行
うと、野草様の香りが目立つ為、抽出時間を20時間に
設定した。
スペクトルを有するアルコール飲料が得られた。
る吸光度を測定したところ、下記表5に示すように、p
Hを調整することにより、色合いが約10倍上昇した。
た、非常に美しい色合いのアルコール飲料を製造できる
ことが判明した。
〜520nm付近に吸収ピークを有する赤色のアルコー
ル飲料を得ることができるが、本実施例では、これらシ
ソやブドウから得られるアルコール飲料に比し極めて鮮
やかな赤色のアルコール飲料が得られた。
*b*表色系により、アルコール飲料の明度(L*),
色相(a*,b*)及び彩度(C*)を測定した。
混合し、この混合溶液にチューリップの花弁1(前処理
済)を0.15g投入し、室温で放置して該チューリッ
プの花弁1中の成分を前記混合溶液に抽出した。この抽
出溶液のpHを塩酸若しくは水酸化ナトリウムを用いて
調整し、直ちに測色色彩計(日本電色工業(株)製)によ
りL*a*b*値を定量し、下記表6を得た。
*)約15以上,彩度(C*)約17以上の鮮やかな赤色
のアルコール飲料が得られることが判明した。
廃棄処分されていたチューリップの花弁1を有効利用す
ることにより、鮮やかな色のアルコール飲料を得ること
ができる。
合するだけで、天然の素材を使用したものでありなが
ら、簡単に鮮やかな赤紅色のアルコール飲料を得ること
ができるまた、製造されたアルコール飲料に、糖類,甘
味料,有機酸,炭酸ガスのいずれか1つ以上を加えるこ
とにより、適宜味などを調整することでより一層飲用に
適したアルコール飲料を得ることができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 酒類にチューリップの花弁を漬け込むこ
とで該チューリップの花弁の有する色及び香味を付与さ
れたアルコール飲料を製造することを特徴とするアルコ
ール飲料の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のアルコール飲料の製造方
法において、酒類として清酒を採用したことを特徴とす
るアルコール飲料の製造方法。 - 【請求項3】 酒類を製造する工程において、米,麦若
しくは発酵性を有する糖類などの発酵原料とチューリッ
プの花弁を混合し、該混合物をもろみとして発酵し、チ
ューリップの花弁の有する色及び香味を付与されたアル
コール飲料を製造することを特徴とするアルコール飲料
の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1項に記載のアル
コール飲料の製造方法において、チューリップの花弁の
有する色及び香味を付与されたアルコール飲料に酸を添
加してpH3.5以下とすることを特徴とするアルコー
ル飲料の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4いずれか1項に記載のアル
コール飲料の製造方法において、チューリップの花弁の
有する色により、波長510〜520nmに吸収ピーク
を有し該吸収ピークにおける吸光度が0.4以上の吸収
スペクトルの赤色アルコール飲料を製造することを特徴
とするアルコール飲料の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4いずれか1項に記載のアル
コール飲料の製造方法において、チューリップの花弁の
有する色により、彩度(C*)18以上及び色相(a*)1
5以上の赤色アルコール飲料を製造することを特徴とす
るアルコール飲料の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜6いずれか1項に記載のアル
コール飲料の製造方法において、チューリップの花弁と
して、チューリップの花弁を水蒸気により加熱処理した
チューリップの花弁を採用したことを特徴とするアルコ
ール飲料の製造方法。 - 【請求項8】 請求項7記載のアルコール飲料の製造方
法において、チューリップの花弁を水蒸気により加熱処
理した後、冷却、乾燥したチューリップの花弁を採用し
たことを特徴とするアルコール飲料の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜8いずれか1項に記載のアル
コール飲料の製造方法において、アルコール飲料に糖
類,甘味料,有機酸,炭酸ガスのいずれか1つ以上を加
えることを特徴とするアルコール飲料の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1〜9いずれか1項に記載のア
ルコール飲料の製造方法において、チューリップとして
エルデ・フランスを使用することを特徴とするアルコー
ル飲料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22903699A JP3515716B2 (ja) | 1999-08-13 | 1999-08-13 | アルコール飲料の製造方法 |
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JP22903699A JP3515716B2 (ja) | 1999-08-13 | 1999-08-13 | アルコール飲料の製造方法 |
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JP2001046049A true JP2001046049A (ja) | 2001-02-20 |
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Family
ID=16885749
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22903699A Expired - Lifetime JP3515716B2 (ja) | 1999-08-13 | 1999-08-13 | アルコール飲料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3515716B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009178109A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-08-13 | Azuma Noen:Kk | バラの風味を有するアルコール飲料及び該アルコール飲料の製造方法 |
CN110423660A (zh) * | 2019-09-04 | 2019-11-08 | 深圳市体香生物科技有限公司 | 纯天然花瓣粉体香酒及其制备方法 |
CN115093916A (zh) * | 2022-07-26 | 2022-09-23 | 黄山七约生态农业有限公司 | 一种气泡米酒酿造配方及其加工工艺 |
-
1999
- 1999-08-13 JP JP22903699A patent/JP3515716B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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