JP2001045887A - 樹木の支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹木の太さに合わせて伸縮調節を容易にし、
設置作業を非常に簡素化でき、同時に幹の損傷を防止す
るとともに、美観がすぐれ、都市空間の景観の向上にも
役立つことを兼ねた樹木の支持装置を提供する。 【解決手段】 複数の自立支柱のそれぞれの上端に支持
される支柱ホルダー１と、支柱ホルダー１の上端の取付
板部２に取り付けられる右側連結片３及び左側連結片４
と、隣り合う支柱ホルダー１間において右側連結片３と
左側連結片４との間にピン８で連結される複数の連結リ
ンク７とからなり、これらの連結リンク７によって樹木
のバンドを構成するようにした樹木の支持装置。連結リ
ンク７の内側にクッション材９を設け、連結リンク７の
外側に反射器１０を設ける。樹木バンドは、着色可能な
合成樹脂で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は樹木の支持装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】街路や公園などに植えられる樹木は、若
木の間は真っ直ぐに伸びるように、また、強風などによ
って倒れないように、幹の部分を支持装置によって支持
するようにしている。

【０００３】従来においては、一般には樹木の周辺に打
設又は埋設した木製又は金属製支柱と、この支柱の上部
に取り付けた腕木とからなり、この腕木に縄又はワイヤ
等で支柱及び樹木を直接締め付けるようにしたものが多
い。

【０００４】しかしながら、このような支持方法では、
縄やワイヤなどで樹木を直接締め付けるので、手間がか
かると共に、樹木が生長して幹が太くなるときは、縄や
ワイヤを解いて、再度締め直さなければならないと言う
問題がある。

【０００５】縄やワイヤを使用する煩雑さを解消するた
めに、例えば実用新案登録第３０５６２７０号公報に
は、廃棄プラスチックにより形成した複数の支持杭を地
面に打ち込み、これら支持杭間に、廃棄プラスチックか
らなる複数の対称形状をなしたサポート構成部材４ａ、
４ｂにより構成した横架サポートを掛け渡し、これら複
数のサポート構成部材間に樹木が貫通される遊貫孔を形
成し、この遊貫孔に貫通された樹木の幹部を弾性パッド
部材で支える構造にした樹木の転倒防止具が開示されて
いる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構造では、複数のサポート構成部材間に形成される
遊貫孔の径はサポート部材の形状により決まった大きさ
であるので、樹木の幹の大きさに応じた形状のサポート
部材を用意しなければならず、また樹木が成長したとき
に、幹の大きさに対応するサポート部材に交換しなけれ
ばならず、手間がかかるという問題がある。

【０００７】そこで本発明が解決しようとする課題は、
樹木の幹の太さに合わせて伸縮調節を容易にし、設置作
業を非常に簡素化でき、同時に幹の損傷を防止するとと
もに、美観がすぐれ、都市空間の景観の向上にも役立つ
ことを兼ねた樹木の支持装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の樹木の支持装置は、複数の自立支柱のそれ
ぞれの上端に支持される支柱ホルダーと、これらの支柱
ホルダーの上端部に取り付けられる右側連結片及び左側
連結片と、隣り合う支柱ホルダー間において前記右側連
結片と左側連結片との間にピンで連結される複数の連結
リンクとからなり、これらの連結リンクによって樹木の
バンドを構成するようにしたものである。

【０００９】樹木バンドを構成する前記連結リンクの内
側台形溝にクッション材を挿入することにより、樹木を
保護する。

【００１０】また、前記連結リンクの外側に台形溝を形
成し、この台形溝に反射器を挿入することにより、夜間
における道路と舗道の境界をドライバーに明確に表示し
て事故を防止できる。

【００１１】更に、前記支柱ホルダーが円形材または角
材からなる自立支柱を挿入する円形または四角形の空洞
部を有する構造とすることにより、丸材、角材のいずれ
でも自立支柱に用いることができる。

【００１２】本支持装置は、前記支柱ホルダー、右側連
結片及び左側連結片、連結リンク、ピン、クッション材
を着色可能な合成樹脂とすることができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例を参照しながら具体的に説明する。

【００１４】図１は本発明の実施例の平面図、図２はそ
の正面図である。これらの図において、１は複数（ここ
では３本）の自立支柱１１のそれぞれの上端に支持され
る支柱ホルダー、２は支柱ホルダー１の上部に形成され
た取付板部、３及び４は取付板部２にボルト５及びナッ
ト６で固定された右側連結片及び左側連結片、７は隣り
合う支柱ホルダー１間において右側連結片３と左側連結
片４との間にピン８で連結される複数の連結リンクであ
る。これらの連結リンク７によって樹木のバンドが構成
されている。９は連結リンク７の内側台形溝に挿入され
たクッション材、１０は連結リンク７の外側に形成され
た台形溝に挿入された反射器である。

【００１５】本実施例においては、樹木の周辺に打設又
は埋設された複数の自立支柱１１の上部に支柱ホルダー
１を挿入する。

【００１６】樹木バンドは、樹木の幹の大きさに応じた
個数の連結リンク７をピン８で連結し、その両側にピン
８により左側連結片４と右側連結片３が連結されてい
る。左側連結片４と右側連結片３は支柱ホルダー１の取
付板部２においてボルト５、ナット６により連結され、
全体が環状の樹木バンドが形成される。

【００１７】図３に示すように、連結リンク７の内側台
形溝にはクッション材９が挿入され、連結リンク７の外
側台形溝には反射器１０が挿入されている。

【００１８】この樹木の支持装置は、ボルト５、ナット
６、自立支柱１１を除きすべて合成樹脂で成形され、そ
の色は、環境に適した各種の色とすることができる。

【００１９】図４は本発明の支持装置の使用状態を示す
ものであり、樹木１２の幹に、樹木バンドが取り付けら
れ、自立支柱１１により地盤から支持されている。

【００２０】なお、樹木が成長して幹の太さが太くなっ
たときは、ある程度はボルト５，ナット６の調整でも対
応できるが、対応できなくなったときは、連結リンク７
の数を増やして適合させることができる。

【００２１】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば下記の
効果を奏する。

【００２２】（１）連結リンクの脱着が簡単にできるた
め、どの様な樹木の幹の太さにも対応できる。

【００２３】（２）連結リンクの内側台形溝にクッショ
ン材を挿入しているため、幹の損傷を防止する。

【００２４】（３）連結リンクの外側台形溝に反射器を
挿入しているため、夜間の車両のライトに反射し、たや
すく識別できるようになり、交通事故を防止するととも
に車両の事故から街路樹等を保護することにも効果が得
られる。

【００２５】（４）合成樹脂製のためどの様な色調にも
成形加工できるため、見栄えも一層よくなり、都市空間
の景観の向上に役立つとともに耐候性に優れていて再使
用が可能である。

【００２６】（５）樹木の幹の太さに合わせてあらかじ
め連結リンクを連結ピンで組み立てておくことができる
ため、設置作業における労力が非常に節減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例を示す平面図である。

【図２】 本発明の実施例の正面図である。

【図３】 本発明実施例の連結リンクとクッション材、
反射器の分解図である。

【図４】 本発明の全体の使用例を示した正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 支柱ホルダー、２ 取付板部、３ 右側連結片、４
左側連結片、５ ボルト、６ ナット、７ 連結リン
ク、８ ピン、９ クッション材、１０ 反射器、１１
自立支柱、１２ 樹木

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の自立支柱のそれぞれの上端に支持
   される支柱ホルダーと、これらの支柱ホルダーの上端部
   に取り付けられる右側連結片及び左側連結片と、隣り合
   う支柱ホルダー間において前記右側連結片と左側連結片
   との間にピンで連結される複数の連結リンクとからな
   り、これらの連結リンクによって樹木のバンドを構成す
   るようにしたことを特徴とする樹木の支持装置。
2. 【請求項２】 樹木バンドを構成する前記連結リンクの
   内側台形溝にクッション材を挿入したことを特徴とする
   請求項１記載の樹木の支持装置。
3. 【請求項３】 前記連結リンクの外側に台形溝を形成
   し、この台形溝に反射器を挿入したことを特徴とする請
   求項１又は２記載の樹木の支持装置。
4. 【請求項４】 前記支柱ホルダーは円形材または角材か
   らなる自立支柱を挿入する円形または四角形の空洞部を
   有することを特徴とする請求項１ないし３のいずれかの
   項に記載の樹木の支持装置。
5. 【請求項５】 前記支柱ホルダー、右側連結片及び左側
   連結片、連結リンク、ピン、クッション材を着色可能な
   合成樹脂としたことを特徴とする請求項１ないし４のい
   ずれかの項に記載の樹木の支持装置。