JP2001044687A - 電波吸収体及びその製造方法 - Google Patents

電波吸収体及びその製造方法

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JP2001044687A
JP2001044687A JP11214732A JP21473299A JP2001044687A JP 2001044687 A JP2001044687 A JP 2001044687A JP 11214732 A JP11214732 A JP 11214732A JP 21473299 A JP21473299 A JP 21473299A JP 2001044687 A JP2001044687 A JP 2001044687A
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Seiichi Takaoka
誠一 高岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノンハロゲンで難燃性、柔軟性、及び電波吸
収効果に優れる準ミリ波からミリ波用の電波吸収体及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】 液状シリコーンゴム原料の固化物100
重量部に対し、少なくとも軟磁性粒状粉末130〜23
0重量部が混合分散されている、準ミリ波からミリ波用
の電波吸収体、並びに、少なくとも軟磁性粒状粉末、液
状シリコーンゴム原料、及び有機溶媒を混合分散させて
分散液とした後、その分散液を剥離性表面に塗工して乾
燥させ、得られた塗膜の複数を積層した状態で加熱加硫
させる電波吸収体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性マトリック
スゴムに軟磁性粉末を混合分散してなる、準ミリ波から
ミリ波(3〜300GHz)用の電波吸収体に関し、特
に、ハロゲン原子を実質的に含有しない(ノンハロゲ
ン)、難燃性の電波吸収体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータや携帯電
話に代表されるさまざまな電子機器の発達は、我々の日
常生活での利便性向上やオフィス、工場での作業効率の
向上に大いに役立っている。しかし、これらの機器から
は微弱とはいえ電磁波の発生を伴ない、これら機器間
で、さまざまな電磁環境問題が増加してきている。
【0003】このような電磁環境問題に対処するには、
まず、これら機器が誤動作や故障を起すような、不要な
電磁波を抑制し、なおかつ外部からの電磁波に対し、誤
動作や故障を起さないよう十分な耐性をもつこと、すな
わち電磁環境両立性(EMC:electromagn
etic compatibility)が必要であ
り、電磁波シールドや電磁干渉抑制技術が重要な技術と
して位置づけられている。
【0004】従来の電磁波シールドや電磁干渉抑制技術
は、主に電磁波の周波数帯が1GHzまでのものを対象
としていたが、今後は、デジタル衛星放送(11.5G
Hz)、ETC(Electronic Toll C
ollection)自動料金収受システム(5.8G
Hz)、WLL(Wireless Local Lo
op)加入者系無線アクセスシステム(22〜38GH
z)などの準ミリ波、ミリ波の利用拡大が見込まれるた
め、準ミリ波からミリ波の高周波数の電磁波により生じ
るノイズに対する要求が高まっている。
【0005】これまで準ミリ波からミリ波の電磁波障害
対策には、電波吸収体として、フェライト、Fe−Al
−Si合金(軟磁性金属合金)などの軟磁性(偏平また
は粒状)粉末を、溶剤を使用せずにクロロプレンゴム、
塩素化ポリエチレン等の難燃性ゴムマトリックスに分散
し、ロール圧延成形したものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
技術においては、上記ゴムに対する軟磁性偏平粉末の流
動性や分散性に問題があるため、予め軟磁性偏平粉末を
カップリング剤で処理して、その親和性を高める必要性
があった。また、粉末形状が偏平粉末になると発火触媒
的に機能し、難燃性と電磁ノイズ吸収機能のバランスを
とることが困難である。一方、近年の環境問題から、電
波吸収体についても、燃焼時にダイオキシン、フラン等
の有毒ガスを出すことの無い、ノンハロゲンの難燃性処
方が要求されている。
【0007】他方、磁性粉末を付加反応型液状シリコー
ンゴム原料に配合して成形を行う場合、一般的には射出
成形方法が取られていた。このため磁性粉末の多量配合
が困難となり、成形に適する配合比率では、十分な電波
吸収効果が得られにくく、また、当該射出成形では成形
原料の流動性等との関係で長尺成形、薄層成形が困難で
あった。
【0008】そこで、本発明の目的は、ノンハロゲンで
難燃性、柔軟性、及び電波吸収効果に優れる準ミリ波か
らミリ波用の電波吸収体及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、マトリックス材料、軟磁性粉末の形状、
使用量およびその配合方法、成形方法等について鋭意研
究したところ、特定のマトリックス材料に特定形状の軟
磁性粉末を配合する際に、希釈剤として有機溶媒を使用
することにより、配合量や分散性等を好適にすること
で、上記目的が達成できることを見出した。更に、電波
吸収体の吸収ピークが電波吸収体の厚さによってシフト
することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の電波吸収体は、液状シリコ
ーンゴム原料の固化物100重量部に対し、少なくとも
軟磁性粒状粉末130〜230重量部が混合分散されて
いる、準ミリ波からミリ波用の電波吸収体である。ここ
で、軟磁性粒状粉末とは、粒状状の軟磁性粉末であっ
て、短径に対する長径のアスペクト比が5未満のものを
指し、軟磁性偏平粉末とは区別されている。
【0011】上記において、吸収の対象となる電波の周
波数が、3GHz以上10GHz未満の場合には厚さ
2.0〜5.0mmであり、10GHz以上20GHz
未満の場合には厚さ1.0〜2.5mmであることが好
ましい。
【0012】また、厚さの異なる部分を設けて電波吸収
の周波数を広帯域化してあることが好ましい。
【0013】一方、本発明の電波吸収体の製造方法は、
少なくとも軟磁性粒状粉末、液状シリコーンゴム原料、
及び有機溶媒を混合分散させて分散液とした後、その分
散液を剥離性表面に塗工して乾燥させ、得られた塗膜の
複数を積層した状態で加熱加硫させるものである。
【0014】[作用効果]本発明の電波吸収体による
と、実施例の結果が示すように、ノンハロゲンで柔軟性
に富むシリコーンゴムを用いて、優れた難燃性及び準ミ
リ波等に対する優れた電波吸収効果を得ることができ
る。つまり、混合分散の際に希釈剤として有機溶媒を使
用することにより、軟磁性粒状粉末の分散性等を高め
て、好適な量を配合することで、難燃性及び電波吸収効
果を向上させることができる。その際、軟磁性粒状粉末
の混合部数が130重量部未満では、準ミリ波等に対す
る電波吸収効果が十分でなく、難燃性もやや悪くなり、
また、混合部数が230重量部を越えると、電波吸収効
果が十分でなく、電磁波の反射の問題も発生し易い。か
かる観点より、好ましい混合部数は、150〜200重
量部である。
【0015】吸収の対象となる電波の周波数が、3GH
z以上10GHz未満の場合には厚さ2.0〜5.0m
mであり、10GHz以上20GHz未満の場合には厚
さ1.0〜2.5mmである場合、準ミリ波からミリ波
における吸収ピークが、電波吸収体の厚さにより周波数
がシフトする特性を有しているため、周波数の帯域に応
じた優れた電波吸収効果を得ることができる。かかる観
点より、吸収の対象となる電波の周波数が、3GHz以
上10GHz未満の場合には、厚さ2.0〜4.0mm
が特に好ましく、10GHz以上20GHz未満の場合
には厚さ1.5〜2.0mmが特に好ましい。
【0016】また、厚さの異なる部分を設けてある場
合、厚さにより吸収ピークがシフトする特性によって、
電波吸収の周波数を広帯域化することができる。その結
果、周波数の範囲が広い電波に対しても優れた電波吸収
効果が得られる。
【0017】一方、本発明の製造方法によると、少なく
とも軟磁性粉末、液状シリコーンゴム原料、及び有機溶
媒を混合分散させた分散液を使用するため、軟磁性粒状
粉末の分散性等を高めて、所望量の軟磁性粒状粉末を好
適に混合分散させることができ、また、分散液を塗工し
た後の乾燥により有機溶媒を好適に除去することができ
る。そして、得られた塗膜の複数を積層した状態で加熱
加硫させるため、一体化したシート状物を所望の厚みで
得ることができる。その結果、ノンハロゲンで難燃性、
柔軟性、及び電波吸収効果に優れる準ミリ波からミリ波
用の電波吸収体を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て詳しく説明する。
【0019】用いられる液状シリコーンゴムとしては、
付加反応型液状シリコーンゴム(ヒドロシリル化反応
型)、縮合反応型液状シリコーンゴム、有機過酸化物硬
化型液状シリコーンゴムなどが挙げられる。これらの原
料(原液)は、通常、2液又は1液で構成され、反応型
式に応じた、架橋剤、触媒、開始剤や、充填剤等を含む
ものである。これらの液状シリコーンゴムのうち、架橋
反応(固化)の速度が大きく、電気絶縁性が安定してお
り、耐熱性が良好なため、付加反応型液状シリコーンゴ
ムが好ましい。
【0020】付加反応型液状シリコーンゴムとしては、
2成分系RTV(Room Temperature
Vulcanizing)ゴムが有り、水素−ケイ素結
合含有架橋剤と、もう一方の成分に含まれるビニル基等
とが反応して、架橋や分子鎖延長による固化が生じる。
その際の反応式は、例えば次の通りである。
【0021】
【化1】 水素−ケイ素結合含有架橋剤としては、分子鎖の末端や
中間に2個以上の水素−ケイ素結合を有する各種のオル
ガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。ま
た、ビニル基等を有する成分としては、分子鎖の末端や
中間に2個以上のアルケニル基を有する各種のオルガノ
ポリシロキサンが挙げられる。なお、触媒としては、白
金、白金担持触媒、白金錯化合物などの白金系触媒が挙
げられる。
【0022】このような付加反応型液状シリコーンゴム
の原料は、市販品として各種のものが出回っており、こ
れらを利用することができる。例えば、信越化学工業社
製のKE1990−40、KE1990−50等と、東
レ・ダウコーニング・シリコーン社製のJCR611
5、JCR6117等が知られている。
【0023】なお、上記の縮合反応型液状シリコーンゴ
ムは、シラノール基もしくはケイ素原子結合加水分解性
基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素原子結合
加水分解性基を有するシランもしくはシロキサンとの縮
合反応を架橋に利用したもので、有機錫化合物、有機チ
タン化合物等の縮合反応促進触媒が併用される。
【0024】また、有機過酸化物硬化型液状シリコーン
ゴムは、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
を、有機過酸化物を開始剤として、ラジカル反応で架橋
させるものである。
【0025】本発明において、用いる軟磁性粒状粉末の
好ましい具体例としては、Fe−Al−Si合金系粒状
粉末、Fe−Si−B系ナノ結晶軟磁性粒状粉末等を挙
げることができる。このような軟磁性粒状粉末として
は、例えば、日立金属社製、ファインメットFT−3
(S−1007K)等の市販品が使用できる。
【0026】軟磁性粒状粉末は、超遠心式自動粒度分布
測定装置で測定される平均粒径が5〜40μm、特に2
0〜30μmのものが、好適に使用される。
【0027】なお、電波吸収体の電波吸収効果は、境界
面の反射係数を小さくすれば向上するが、この反射係数
は、次式で表わされる材料の特性インピーダンスにより
決定される。
【0028】 特性インピーダンス:Zc =η(μr /εr1/2 (μr :複素比透磁率、εr :複素比誘電率) 一般に、電波吸収体の境界面は空気であり、空気の特性
インピーダンスはηであるから、μr ≒εr の材料が好
適な電波吸収体となる。従って、軟磁性粒状粉末の配合
量が少な過ぎるとμr <εr となり、一方、軟磁性粒状
粉末の配合量が多すぎるとμr >εr となり、反射係数
の観点からも好適な配合量が存在することが分かる。
【0029】本発明の電波吸収体は、少なくとも以上の
ような液状シリコーンゴム原料の固化物100重量部に
対し、軟磁性粒状粉末130〜230重量部が混合分散
されたものである。従って、本発明の電波吸収体には、
必要に応じ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ
酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリ
カ等の無機充填剤や、鉄、銅等の安定剤、酸化防止剤、
老化防止剤、着色剤等の添加剤を配合することができ
る。なお、本発明の電波吸収体は、後述する本発明の製
造方法により好適に製造することができるが、他の製造
方法によって製造したものでもよい。
【0030】本発明の電波吸収体の厚さや周波数との関
係は、前述の通りであるが、20GHz以上の場合に
は、厚さ1.5〜2.0mm程度が好ましい。なお、2
0GHz以上の場合には、前記の軟磁性粒状粉末の粒子
径を大きく、含有量を小さくするのが有効である。
【0031】本発明の電波吸収体は、厚さの異なる部分
を設けて電波吸収の周波数を広帯域化してあることが、
前述のように用途によっては好ましいが、具体的には次
のような形状が例示される。例えばストライプ状、格子
状、放射状、ドット状等の凹部又は凸部がシート状物等
の表面及び/又は裏面に形成されたものが挙げられる。
【0032】一方、本発明の製造方法は、少なくとも軟
磁性粒状粉末、液状シリコーンゴム原料、及び有機溶媒
を混合分散させて分散液とした後、その分散液を剥離性
表面に塗工して乾燥させ、得られた塗膜の複数を積層し
た状態で加熱加硫させるものである。なお、分散液に
は、かなり高粘度のものも含まれる。
【0033】希釈剤として用いる有機溶媒としては、液
状シリコーンゴム原料を希釈可能なものであれば何れで
もよく、トルエン、キシレン、ジメチルエーテル等を挙
げる事ができ、特にトルエンを使用することが好適であ
る。有機溶媒の使用量は、軟磁性粒状粉末の混合量にも
よるが、液状シリコーンゴム原料100重量部に対し
て、30〜100重量部が好ましく、50〜60重量部
がより好ましい。30重量部より少ないと、軟磁性粒状
粉末の分散性が悪くなり、100重量部より多いと、分
散液(ペースト)の粘度が低下して、塗工等が困難にな
る傾向がある。
【0034】剥離性表面としては、剥離性の良好な又は
剥離剤等で処理した金属、樹脂等の材料が何れも使用可
能であるが、剥離処理したプラスチックフィルムが好ま
しく使用される。当該プラスチックフィルムとしては、
加熱加硫時に耐熱性を示し、適度な強度を有する基材フ
ィルムを剥離剤で表面処理したものが好ましい。好適な
具体例としては、厚さ20〜200μmPETフィルム
にシリコーン系剥離剤を0.05〜0.5g/m2 塗工
したものや、厚さ20〜200μmPETフィルムにフ
ッ化シリコーン系剥離剤を0.05〜0.5g/m2
工したもの等を挙げる事ができる。剥離処理したプラス
チックフィルムは、シリコーンゴムの加熱加硫時に塗工
基材への硬化接着を抑制するもので、特に厚さ50μm
PETフィルムにフッ化シリコーン系剥難剤の0.2g
/m2 塗工品が好適である。
【0035】本発明において用いる塗工方法の具体例と
しては、ダイレクト塗工法、ダイレクト・コンマ塗工
法、ドクタブレード塗工法等を挙げる事ができる。これ
らの塗工方法において、軟磁性粒状粉末に好適な塗工方
法しては、ダイレクト・コンマ塗工法が挙げられる。
【0036】溶媒成分の乾燥は、有機溶媒の沸点未満の
適当な温度で行えばよく、加熱加硫と同時に行ってもよ
い。また、塗膜の複数を積層した状態で加熱加硫させる
方法は、必要によりプラスチックフィルム等より塗膜を
剥離してから、積層後に又は積層と同時に行えばよい。
なお、加熱加硫は、液状シリコーンゴムの種類に応じた
加熱温度、加熱時間を適宜設定して行えばよい。
【0037】なお、本発明の電波吸収体を製造する方法
は、上記の如き塗工方法を利用した成形方法に限られ
ず、前記分散液を成形原料とした各種成形方法が使用可
能である。その場合、有機溶媒の除去を好適に行えるも
のが好ましく、例えば所望の形状を有する成形型(内
型)を分散液に浸漬した後、引き上げて乾燥や加熱架橋
を行えばよい。従って、上述の如きシート状物の成形に
限らず、筐状物や更に複雑な形状のものを成形すること
も可能である。
【0038】一方、厚さの異なる部分を設ける場合、加
熱加硫前の塗膜等に対して、前述の各種形状に対応した
表面を有する形成型、成形ロール等を使用して、成形後
又は成形と同時に加熱加硫を行えばよい。
【0039】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、実施例等における物性
等の評価方法は次の通りである。
【0040】(1)電波吸収特性(Sパラメータ法) 同軸管(Φ7mm×Φ3.04mm)の端をショートホ
ルダーで短絡し,その時の反射量(S11)を測定し
た。次に測定試料をショートホルダー面に付けて反射量
(S11)を測定した。試料有りの反射量から試料なし
の反射量を引いた値を吸収量(反射減衰量)と定義し、
これを電波吸収特性とした。なお、この吸収量(反射減
衰量)は,ベクトルネットワークアナライザー(HP8
7230D,ヒュレットパッカー社製)にてS11を測
定して算出した。電波吸収特性Sパラメータ法の概念図
を図1に示す。
【0041】(2)難燃性評価 各種厚さの電波吸収シートをUL94に規定される方法
により試験した。
【0042】(実施例1)付加反応型液状シリコーンゴ
ムの原料として、信越化学社製KE−1031A、KE
−1031Bを用意した。そして、このKE−1031
A、KE−1031B各50重量部(以下「部」と略
す)に対し、希釈溶媒としてトルエン50部、および軟
磁性粒状粉末として日立金属社製ファインメットFT−
3(S−1007K粒状粉末,平均粒径26μm)15
0部をアジターにより1時間混合攪拌し、軟磁性粒状粉
末ペースト(分散液)を得た。つぎに、そのペーストを
ダイレクト・コンマ塗工方式により、厚さ50μmPE
Tフィルムにフッ化シリコーン系剥離剤の0.2g/m
2 塗工処理品上に塗工し、80℃で乾燥して未加硫の5
00μmの塗膜を得た。更に、この未加硫の500μm
の塗膜を任意枚数プレスラミネート(150℃×5分,
圧力2kg/cm2 )して、各種厚さ(1.0〜4.0
mm)の電波吸収シートを得た。
【0043】(実施例2〜4)表1に示す如く、軟磁性
粒状粉末の配合部数とトルエンの配合部数を変えること
以外は、上記実施例1と同様にして電波吸収シートを得
た。
【0044】(比較例1、2)表2に示す如く、軟磁性
粒状粉末の配合部数、トルエンの配合部数を変えること
以外は、上記実施例1と同様にして電波吸収シートを得
た。
【0045】以上の結果を表1及び表2に、また図2〜
7に示す。
【0046】
【表1】
【表2】 表1及び表2、図2〜7の結果が示すように、実施例の
電磁吸収体は、特に3GHz以上の電波に対して、軟磁
性粒状粉末の配合部数に応じて、それぞれに優れた電波
吸収特性を有し、しかも優れた難燃性を有する。電波吸
収効果は、厚さの変化に応じて吸収ピークがシフトする
ため、吸収電波の周波数に応じた好適な厚みが存在す
る。これに対して、軟磁性粒状粉末の配合部数が少ない
比較例1では電波吸収特性が十分でなく、難燃性も悪く
なり、また軟磁性粒状粉末の配合部数が多い比較例2で
も、電波吸収特性が十分でなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】電波吸収特性Sパラメータ法の概念図である。
【図2】実施例1の電波吸収特性を表すグラフである。
【図3】実施例2の電波吸収特性を表すグラフである。
【図4】実施例3の電波吸収特性を表すグラフである。
【図5】実施例4の電波吸収特性を表すグラフである。
【図6】比較例1の電波吸収特性を表すグラフである。
【図7】比較例2の電波吸収特性を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CP031 DC006 FA086 FD206 GR01 5E040 AA11 AA19 BB04 BB06 BC01 BC05 CA13 NN04 NN06 NN15 5E321 BB32 BB44 BB53 GG05 GG07 GG11 GH10 5J020 BD02 EA02 EA04 EA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状シリコーンゴム原料の固化物100
    重量部に対し、少なくとも軟磁性粒状粉末130〜23
    0重量部が混合分散されている、準ミリ波からミリ波用
    の電波吸収体。
  2. 【請求項2】 吸収の対象となる電波の周波数が、3G
    Hz以上10GHz未満の場合には厚さ2.0〜5.0
    mmであり、10GHz以上20GHz未満の場合には
    厚さ1.0〜2.5mmである請求項1記載の電波吸収
    体。
  3. 【請求項3】 厚さの異なる部分を設けて電波吸収の周
    波数を広帯域化してある請求項1記載の電波吸収体。
  4. 【請求項4】 少なくとも軟磁性粒状粉末、液状シリコ
    ーンゴム原料、及び有機溶媒を混合分散させて分散液と
    した後、その分散液を剥離性表面に塗工して乾燥させ、
    得られた塗膜の複数を積層した状態で加熱加硫させる電
    波吸収体の製造方法。
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