JP2001044601A - プリント基板の配線パターン形成装置 - Google Patents

プリント基板の配線パターン形成装置

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JP2001044601A
JP2001044601A JP21680999A JP21680999A JP2001044601A JP 2001044601 A JP2001044601 A JP 2001044601A JP 21680999 A JP21680999 A JP 21680999A JP 21680999 A JP21680999 A JP 21680999A JP 2001044601 A JP2001044601 A JP 2001044601A
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JP
Japan
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ink
wiring pattern
inkjet head
printed circuit
circuit board
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JP21680999A
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English (en)
Inventor
Kazuichi Sakaida
和一 坂井田
Mikio Imaeda
幹雄 今枝
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドの不良を描画前に簡単
に発見でき、検査員による描画後の検査が省略できると
ともに、発見した不良に対して適切な対応をとることが
可能なプリント基板の配線パターン形成装置を提供する
こと。 【解決手段】 プリント基板の配線パターン形成装置1
は、第1インクジェットヘッド43a、第2インクジェ
ットヘッド43b、CCDカメラ42を備えたキャリッ
ジ41がX軸駆動部2によって主走査方向に移動し、プ
リント基板Pを載置する描画エリア62とテストピース
TPを載置する検査エリア63を備えたステージ6はY
軸駆動部3によって副走査方向に移動し、テストピース
TP上にテストパターンを形成してCCDカメラ42に
より画像認識してインクHIの吐出の検査を行う。必要
に応じてインクの吐出位置の補正を行い、又はインクジ
ェットヘッド43を交換してから、プリント基板Pの配
線パターンの形成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドを用いてプリント基板に配線パターンを形成するプ
リント基板の配線パターン形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント基板の配線パターンを製
作する場合は、フォト法やスクリーン法によりエッチン
グが行われていた。これらの方法は、銅板などにレジス
トを塗布するかドライフィルムを接着し、写真製版され
たマスクで覆って露光を行い、現像して配線パターンに
応じたレジストパターンを形成する。その上でエッチン
グを施すという多段階に亘る処理を行って配線パターン
を製作するものであった。近年、このレジストパターン
の形成をインクジェットプリンターで直接描画する装置
が提案された。この装置によれば、インクジェットヘッ
ドを用いて配線パターンを描画するだけで、極めて容易
にレジストパターンが形成できるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
ジェットヘッドを用いて描画する場合は、インクの吐出
が不良となり形成されたレジストパターンに不良を生じ
させる場合がある。そのため、描画が完了すると検査員
が顕微鏡を使用して断線などの配線不良の有無を検査し
ていた。またこの検査は描画の完了直後でなく、エッチ
ング、レジスト除去の段階を経たパターンの完成状態に
て行うことが少なくない。この検査は形成されたレジス
トパターンを介してインク吐出ヘッドの吐出不良状態を
発見するもので、インクジェットヘッド自体の状態を直
接検査するものではなく、細かい配線をすべてチェック
するのは極めて煩雑な作業であるので、完全な検査を行
うのに自ずと限界があるという問題があった。また、こ
れを解決するために、特開昭63−200041号公報
において提案されているような、描画中に不良箇所をC
CDカメラで記憶しておき、修正作業を行うものがあっ
たが、これによってもパターン不良が出た後の処理とな
ってしまい、適切な対応をとることができないという問
題があった。
【0004】この発明は上記課題を解決するものであ
り、インクジェットヘッドの不良を描画前に簡単に発見
でき、検査員による描画後の検査が省略できるととも
に、発見した不良に対して適切な対応をとることが可能
なプリント基板の配線パターン形成装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に係る発明のプリント基板の配線パターン
形成装置では、プリント基板を載置する描画エリアと、
前記描画エリア外に設けられ、テストピースを載置する
検査エリアと、前記描画エリアに載置されたプリント基
板及び前記検査エリアに載置されたテストピースに対し
て相対移動可能に設けられ、インクを吐出して前記プリ
ント基板上に配線パターンを形成し、且つ前記テストピ
ース上にテストパターンを形成することが可能なインク
ジェットヘッドと、前記検査エリアにおいて前記インク
ジェットヘッドにより前記テストピース上に形成された
テストパターンを認識する認識手段と、前記認識手段に
より認識されたテストパターンのインクの吐出位置を判
断する判断手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】この構成に係るプリント基板の配線パター
ン形成装置では、描画エリアで配線パターンが形成され
たプリント基板とは別に、検査エリアでテストパターン
が形成されたテストピースを認識し判断するため、イン
クジェットヘッドのインクの吐出の着弾位置のずれや、
吐出不良などがわかり、描画エリアでプリント基板に配
線パターンを形成する前にインクの吐出不良による配線
パターンの形成の不良を簡単に回避でき、且つ検査員に
よる描画後の検査が省略できる。従って、不良品を出さ
ないで、プリント基板に配線パターンのレジストパター
ンを高い生産効率で高精度に形成することができる。
【0007】請求項2に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項1に記載のプリント基板
の配線パターン形成装置の構成に加え、前記判断手段に
より、前記インクジェットヘッドから吐出されたインク
の着弾位置が所定位置からずれていると判断された場合
に、前記プリント基板上において前記配線パターンを形
成するときのインクの吐出位置を補正する補正手段を備
えたことを特徴とする。
【0008】この構成に係るプリント基板の配線パター
ン形成装置では、判断手段によりインクジェットヘッド
から吐出されたインクの着弾位置が所定位置からずれて
いると判断された場合には、補正手段によりインクの吐
出位置を補正することができる。従って、より高精度に
配線パターンをプリント基板上に形成できる。
【0009】請求項3に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項2に記載のプリント基板
の配線パターン形成装置の構成に加え、前記インクジェ
ットヘッドは、複数のノズルが略直線状に配置されたア
レイ状に形成され、前記ノズルが配列された方向と垂直
な方向に前記プリント基板に対して相対移動して主走査
し、該主走査方向と垂直な方向に前記プリント基板に対
して相対移動して副走査するように構成され、前記補正
手段は、前記判断手段により判断された前記インクジェ
ットヘッドの各ノズルによる副走査方向のずれの大きさ
に基づいて複数のグループに分け、該グループ毎に異な
る距離の副走査を行って主走査を行うことを特徴とす
る。
【0010】この構成に係るプリント基板の配線パター
ン形成装置では、複数のノズルが略直線状のアレイ状に
配置されたインクジェットヘッドにより、1回の主走査
で複数のラインを形成できるばかりでなく、判断手段に
より求められた各ノズルの副走査方向のずれの大きさに
基づいて複数のグループに分け、該グループ毎に異なる
距離の副走査を行って主走査を行うことにより、複数の
ノズルから射出される各ノズル固有の着弾位置のずれを
修正し、インクジェットヘッド全体の位置のずれを簡単
な制御で極めて小さいものとすることができる。従っ
て、ノズル毎の副走査方向の着弾位置のずれの大きさに
かかわらず、極めて高い精度でプリント基板の配線パタ
ーンを形成することができる。
【0011】請求項4に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項2又は請求項3に記載の
プリント基板の配線パターン形成装置の構成に加え、前
記補正手段は、前記判断手段により判断された前記イン
クジェットヘッドの各ノズルによる主走査方向のずれの
大きさに基づいて、ノズル単位で所定のインクの吐出タ
イミングに対してタイミングをずらしてインクを吐出す
ることを特徴とする。
【0012】この構成に係るプリント基板の配線パター
ン形成装置では、判断手段により判断された各ノズルの
主走査方向のずれの大きさに基づいて、ノズル単位で所
定のインクの吐出タイミングに対してタイミングをずら
してインクを吐出することにより、複数のノズルから射
出される各ノズル固有の着弾位置のずれを修正し、イン
クジェットヘッド全体の位置のずれを簡単な制御で極め
て小さいものとすることができる。従って、ノズル毎の
主走査方向の着弾位置のずれの大きさにかかわらず、極
めて高い精度でプリント基板の配線パターンを形成する
ことができる。
【0013】請求項5に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項1乃至請求項4のいずれ
かに記載のプリント基板の配線パターン形成装置の構成
に加え、前記判断手段により、インクジェットヘッドの
吐出不良と判断された場合に、前記インクジェットヘッ
ドのインクの吐出を修復させる修復手段を備えたことを
特徴とする。
【0014】この構成に係るプリント基板の配線パター
ン形成装置では、描画エリアでプリント基板に配線パタ
ーンを形成する前に判断手段によりインクジェットヘッ
ドのインクの吐出不良と判断された場合に、修復手段に
よりインクジェットヘッドのインクの吐出を修復させる
ことができる。従って、判断手段によりインクの吐出が
不良と判断されても、インクの吐出不良がない状態に修
復可能で生産ラインの作業を中断することなく描画エリ
アでプリント基板に配線パターンを形成することができ
る。
【0015】請求項6に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項5に記載のプリント基板
の配線パターン形成装置の構成に加え、前記修復手段
は、パージ機構及びワイプ機構のうち少なくとも1つを
備えたことを特徴とする。
【0016】この構成に係るプリント基板の配線パター
ン形成装置では、パージ機構あるいはワイプ機構又はそ
の双方によりインクジェットヘッドのインクの吐出を確
実に修復することができる。
【0017】請求項7に係る発明のプリント基板のパタ
ーン形成装置では、請求項1乃至請求項6のいずれかに
記載のプリント基板のパターン形成装置の構成に加え、
複数のインクジェットヘッドを備え、前記判断手段によ
り、前記修復手段によっては1のインクジェットヘッド
のインクの吐出を修復できなかったと判断された場合
に、前記1のインクジェットヘッドと異なる他のインク
ジェットヘッドにより前記プリント基板上に前記配線パ
ターンを形成することを特徴とする。
【0018】この構成に係るプリント基板の配線パター
ン形成装置では、修復手段によっては1のインクジェッ
トヘッドのインクの吐出を修復できなかったと判断され
た場合でも、複数のインクジェットヘッドを備えている
ため、プリント基板の配線パターン形成装置の稼働を中
断することなく、1のインクジェットヘッドと異なる他
のインクジェットヘッドによりプリント基板上に配線パ
ターンを形成することができる。従って、生産ラインの
作業を中断することなく、高い生産効率でプリント基板
の生産をすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るプリント基板
の配線パターン形成装置を好ましい1の実施の形態であ
るプリント基板の配線パターン形成装置(以下配線パタ
ーン形成装置という。)1により、添付図面を参照して
説明する。まず最初に、配線パターン形成装置1の構成
について図面を参照しながらその概略を説明する。
【0020】図1は、配線パターン形成装置1の概略を
示す図である。図1で示すように、配線パターン形成装
置1は、箱形に形成された本体10の上部に、前面側
(図1においてY方向)が下がるように傾斜させた天板
13が設けられ、天板13上には第1インクジェットヘ
ッド43a、第2インクジェットヘッド43b(以下こ
れらをまとめてインクジェットヘッド43という。)な
どを支持するキャリッジ41を備えたヘッド部4が、X
軸駆動部2によりX軸方向(図1において矢印X方向及
び反X方向)に変位可能に支持されている。また、この
インクジェットヘッド43に対向して、プリント基板P
を載置する領域である描画エリア62と、描画エリア6
2の領域外に設けられテストピースTPを載置する検査
エリア63とを備えたステージ6が、Y軸駆動部3によ
りY軸方向(図1において矢印Y方向及び反Y方向)に
変位可能に支持されている。上記のように支持されたイ
ンクジェットヘッド43とステージ6とが相対的に2次
元的に移動して、プリント基板P上でインクジェットヘ
ッド43が主走査及び副走査を行いインクを吐出して配
線パターンを形成する。さらに、キャリッジ41には、
検査エリア63のテストピースTP上に形成されたテス
トパターンを認識する認識手段であるCCDカメラ42
が備えられる。また、ステージ6のX方向側後部には、
インクの吐出不良の場合の修復手段であるメンテナンス
部7を備える。そして、本体10下部には、配線パター
ン形成装置1を制御する制御部(不図示)の制御板11
が設けられ、配線パターン形成装置1とは別体に設けら
れた判断手段・制御手段であるコンピュータPCと、C
CDカメラ42によるドット抜け検査や着弾位置計測画
像の確認をする画像をモニタするモニタMが備えられ、
配線パターン形成装置1とケーブルCbにより接続され
ている。
【0021】以下各部の構成を詳細に説明する。本体1
0は、全体が箱状で、その上部に天板13がおよそ47
°程度傾斜した状態で設けられている。本体10内に
は、制御部(不図示)の操作パネルである制御盤11が
前面に設けられる。また、プリント基板Pを吸着固定す
るための負圧を生起させる基板吸引ポンプ12が本体1
0内に設けられ、描画エリア62及び検査エリア63に
パイプが接続されており、プリント基板P及びテストピ
ースTPが負圧により固定される。
【0022】X軸駆動部2には、キャリッジ41を主走
査方向であるX軸方向に案内しつつ摺動させる案内レー
ルであるX軸ガイド25が設けられ、このX軸ガイド2
5に沿ってX軸リニアエンコーダ24が設けられてい
る。X軸リニアエンコーダ24は、リニアスケールの4
逓倍で5μmと5分割の専用IC(図示外)によりX軸
方向のキャリッジ41位置を、1μmの精度で読み取り
可能とする。キャリッジ41の下部には、X軸ボールね
じ23が設けられ、ここに螺入されX軸駆動モータ21
に駆動されて回転する雄ねじであるX軸駆動軸22の回
転によりキャリッジ41がX軸方向あるいは反X軸方向
に移動する。X軸駆動モータ21は、1回転2000ス
テップのACサーボモータからなり、また、X軸ボール
ねじ23は、リードピッチが2mmとなっており、キャ
リッジ41を、X軸リニアエンコーダ24と相俟って1
μmオーダーで走査可能に構成される。
【0023】一方、Y軸駆動部3は、ステージ6を副走
査方向であるY軸方向に案内しつつ摺動させる案内レー
ルであるY軸ガイド35が設けられ、このY軸ガイド3
5に沿ってY軸リニアエンコーダ34が設けられてい
る。Y軸リニアエンコーダ34は、リニアスケールの4
逓倍で5μmと5分割の専用IC(図示外)によりY軸
方向のステージ6の位置を、1μmの精度で読み取り可
能とする。ステージ6の下部の基台64には、Y軸ボー
ルねじ33が設けられ、ここに螺入されY軸駆動モータ
31に駆動されて回転する雄ねじであるY軸駆動軸32
の回転によりステージ6がY軸方向あるいは反Y軸方向
に移動する。Y軸駆動モータ31は、1回転2000ス
テップのACサーボモータからなり、また、Y軸ボール
ねじ33は、リードピッチが2mmとなっており、ステ
ージ6を、Y軸リニアエンコーダ34と相俟って、X軸
方向の走査と同様に1μmオーダーで走査可能に構成さ
れる。以上のように構成されたX軸駆動部2及びY軸駆
動部3により、ヘッド部4のインクジェットヘッド43
は、描画エリア62のプリント基板Pに対して相対的に
移動し描画のための主走査及び副走査を行う。
【0024】ステージ6は、Y軸ガイド35に案内され
て摺動する基台64と、その上に設けられた矩形板状の
ステージプレート61を備える。ステージプレート61
上にはプリント基板Pを載置する領域である描画エリア
62が設けられ、前述の基板吸引ポンプ12によりプリ
ント基板Pが吸着されて固定される。また、ステージプ
レート61上には、描画エリア62の領域外に設けら
れ、インクジェットヘッド43のインクの吐出検査のテ
ストパターンを形成するためのプリント基板Pと同一素
材の小片からなるテストピースTPを載置する検査エリ
ア63が設けられている。テストピースTPも前述の基
板吸引ポンプ12により吸着されて固定される。
【0025】ヘッド部4は、第1インクジェットヘッド
43a及び第2インクジェットヘッド43bからなる一
対のインクジェットヘッド43と、インクジェットヘッ
ド43を支持して移動するキャリッジ41を備える。第
1インクジェットヘッド43aと第2インクジェットヘ
ッド43bとは同様の構成である。インクジェットヘッ
ド43は、常温では固体で加熱すると溶融するホットメ
ルトインク(以下適宜インクと省略する。)HIを使用
し、ピエゾ素子49(図3参照)の駆動により必要に応
じてオンディマンドでインクを吐出するインクジェット
装置である。
【0026】キャリッジ41には、前方(図1Y方向)
にCCDカメラ42が備えられ、さらにその前方下部
に、第1支持部52aを介して第1インクジェットヘッ
ド43a及び第2支持部52bを介して第2インクジェ
ットヘッド43bがそれぞれ支持される。なお、第1支
持部52a及び第2支持部52bは、第1インクジェッ
トヘッド43a及び第2インクジェットヘッド43b
を、パージ動作時などにプリント面に対するヘッド位置
を変位させてメンテナンス部7のインク吸収ロール85
に接離可能に構成されている。
【0027】図2は、ヘッド部4の機能の概略を示すブ
ロック図である。ヘッド部4は、インクジェットヘッド
43を備えたフロントエンドFEと、インクタンク主室
71、インクタンク副室72を中心として構成されるバ
ックエンドBEとから構成され、さらにこれらを制御す
る制御部54など、これらに付随するその他の部分と接
続される。
【0028】ここで、図8は、第1インクジェットヘッ
ド43aをノズル44面から見た模式図である。図8に
示すように第1インクジェットヘッド43aのノズル4
4面は、大きく4つのインクジェットヘッドユニット4
5k,45c,45m,45y(以下これらをまとめて
インクジェットヘッドユニット45という。)から構成
されている。なお、各インクジェットヘッドユニット4
5k,45c,45m,45yは同一の構成であるが、
このように複数のインクジェットヘッドユニット45を
使用する場合は、それぞれの位置を順次副走査方向に、
副走査1回分の送り量δYだけずらしてオフセットし、
第1インクジェットヘッド43aを1回主走査させれ
ば、4ライン分のプリントが可能になるため、配線パタ
ーンの形成に要する時間を短縮できる。なお、このよう
なオフセットを設けず、X軸方向に同一ライン上に並
べ、重ねてインクを吐出し、プリント基板P上のインク
厚を厚くする様な構成でもよい。また、第2インクジェ
ットヘッド43bも同様に構成される。
【0029】図3は、図7におけるA−A部分における
インクジェットヘッドユニット45の模式断面図であ
る。図3に示すように、インクジェットヘッドユニット
45は、最上部に酸化アルミニウム(Al)から
なる矩形板状の第2ベース部51bが設けられ、その下
部に、同様の大きさの板状部材であり、且つその主走査
方向(X軸方向)を長手方向とするように細長に形成さ
れたピエゾ素子49を積層して収納可能な下側に開放し
た凹部を有する第1ベース部51aが積層される。第1
ベース部51aの凹部には、PZT(ジルコン酸鉛Pb
ZrOとチタン酸鉛PbTiOの固溶体)から細長
に形成され複数の素子が積層されてアクチュエータとし
て構成されたピエゾ素子49が収納され、第1ベース部
51aの下部には、これを覆うように薄板上のアラミド
樹脂からなるダイアフラム48が配設される。なお、ピ
エゾ素子49には、図示しない電圧印加手段が配され、
駆動回路53(図2参照)から電圧が印加されると歪ん
でダイアフラム48を下方に押し出す。このダイアフラ
ム48の下部には、キャビティ47が配設される。
【0030】キャビティ47には、導入路47aが、キ
ャビティ47のX軸方向両端部近傍に平行且つ水平に1
対配設される(図7参照)。導入路47aにはインクタ
ンク主室71(図5参照)に連結され、インク供給パイ
プ76から供給されたインクHIを導入し貯留する。ま
た導入路47aには、インクHIの温度の安定及びパー
ジ動作時にインクタンク副室72(図5参照)にインク
HIを還流させるためにインク還流パイプ77(図5参
照)が連通されている。この1対の導入路47aからそ
れぞれ対向するように多数の加圧路47bが平行に延設
され(図7参照)、ダイアフラム48を介してピエゾ素
子49に接するようにポンピングチャンバーとして配置
される。さらに各ノズル44に連通する導出路47cが
形成されている。
【0031】ノズルプレート46は、ジルコニア(酸化
ジルコニウム・ZrO)により、セラミックインジェ
クションモールドにより形成され、孔径が約40μmの
ノズル44が前述のように配置されて開口される。な
お、ノズルプレート46を成型するとき、型への材料の
流入が主走査方向に当たる方向から行われるので、各ノ
ズル44の位置の誤差は、主走査方向に大きくなる傾向
がある。
【0032】図7は、インクジェットヘッドユニット4
5の一部を拡大して見た底面図である。図7に示すよう
に、加圧路47bは、両端に配設された導入路47aか
ら、交互に多数対向するように設けられ、その先端部は
下方に屈曲され導出路47cを形成し、ノズル44にイ
ンクHIを導出する。本実施の形態では、ノズル44の
配置は、各インクジェットヘッドユニット45に副走査
方向におよそ340μmの間隔で64個、これを幅およ
そ2mmで2列配置して計128個のノズルを有する。
従って第1インクジェットヘッド43a及び第2インク
ジェットヘッド43bはそれぞれ512個のノズル44
を有する。
【0033】次に、再び図2を参照して説明を続ける。
コンピュータPCは、入力されたプリントすべき配線パ
ターンをRAM(不図示)の入力バッファにビットマッ
プデータで記憶し、このビットマップデータから、イン
クジェットヘッド43への転送順に合わせたプリント用
のビットマップデータに事前に変換しておきRAM内の
出力バッファに記憶しておく。X軸リニアエンコーダ2
4及びY軸リニアエンコーダ34(図1参照)から得た
位置情報に従って、主走査及び副走査に同調させてプリ
ント用ビットマップデータを駆動回路53に送り吐出制
御を行う。駆動回路53は、所定のピエゾ素子49にパ
ルス電圧を印加してアクチュエータであるピエゾ素子4
9を作動させて、ダイアフラム48を押し出し、キャビ
ティ47の加圧路47bがポンピングチャンバーとして
機能して、インクHIを加圧して導出路47cを経てノ
ズル44からインクHIを射出させる(図3参照)。
【0034】バックエンドBEは、インク供給・インク
循環、パージ、温度制御、インク貯留、インク液面検出
の機能を有するオンヘッドインクタンク部である。ここ
で図5は、フロントエンドFE及びバックエンドBEの
構造を示す模式図である。
【0035】まず、図5に示すように、プリント時は、
インクタンク主室71及びインクタンク副室72との間
にある隔壁開閉弁75が開放されており、インクタンク
主室71及びインクタンク副室72に同じ液面レベルで
溶融したインクHIが貯留されている。インクタンク主
室71及びインクタンク副室72の下部には、タンクヒ
ータ82が設けられる。またサーミスタにより構成され
ているインクセンサ78によりインクHIの温度が検出
され、コンピュータPC(図1参照)によりタンクヒー
タ82が制御されてその温度が略一定に保たれる。イン
クタンク主室71の下部にはインクフィルター73が設
けられ、ヘッド詰まりの原因となる固形物を回収する。
インクタンク主室71に貯留されたインクHIはインク
供給パイプ76を通ってフロントエンドFEに供給さ
れ、ノズル44から必要なインクHIが射出されインク
HIが消費される。残りのインクHIは、インク還流パ
イプ77からバックエンドBEに還流する。フロントエ
ンドFEにおいても、フロントヒータ83が設けられ
て、図示しない温度センサにより温度が検出されてイン
クHIを適温に維持する。このようにインク還流パイプ
77からバックエンドBEに還流したインクHIは,イ
ンクタンク副室72の逆止弁74からインクタンク副室
72に還流する。なお、逆止弁74は、インク還流パイ
プ77からインクタンク副室72向きには流入するがそ
の反対向きには流入しない構造の弁である。
【0036】ここで、インクHIを消費して、インク量
が5mlより減少して液面レベルが下がると、サーミス
タであるインクセンサ78が、加熱溶融されたインクH
Iの液面より露出し、サーミスタの検出温度が低下す
る。この温度変化によりインクタンク主室71内の液面
を検出し、コンピュータPCにより、インクHIの補充
のメッセージをコンピュータPCの画面や、制御盤11
(図7参照)により使用者に報知する。この報知によ
り、使用者はインクHIの補充の必要性を知ることにな
る。インクの補充は、以下のように行う。インク溶融タ
ンク80は、常温固体であるホットメルトインクHIの
補充用のナゲットを投入する場所で、ここにインクHI
の補充用のナゲットを投入する。そうすれば、固形のイ
ンクHIは、溶融ヒータ81により加熱されてインクH
Iが溶融し3mlの液体インクとなり、インクタンク副
室72に流入されインクHIがHIレベルまで補充され
る。従って、インクHIの液面は、常に図5の5mlの
LOWレベルと8mlのHIレベルとの間に維持され
る。
【0037】ここで、配線パターン形成装置1で使用す
るホットメルトインクHIについて説明する。上記した
本発明において用いるビヒクル、またその他のビヒクル
や添加剤などを用いる場合には、それらはすべて常温に
おいて固体であるので、本実施の形態のホットメルト型
固体インクからなるホットメルトインクHIを調製する
にあたり、それらをすべて溶融温度よりも高い温度にお
いて溶融し、良く混合して均一に分散させることが必要
であり、かかる目的を達成することができるならば、本
実施の形態のホットメルト型固体インクからなるホット
メルトインクHIを調製する手段は、何ら限定されず、
任意の手段を用いてよい。
【0038】先ず、溶融時に所定の特性を持つように組
成を調製された各インク色のホットメルトインクHIが
所定の型を用いて固化されてインクペレットが形成され
る。
【0039】ホットメルトインクHIは、ポリアミド樹
脂、テルペン系樹脂、ワックスなどの熱溶融性固体を主
体として、色材及び界面活性剤や各種添加剤を含む。
【0040】本実施の形態において用いるホットメルト
ポリアミド樹脂は、アミンと酸とを縮重合して得られる
ものであり、アミンとしては、例えば、ヘキサメチレン
ジアミンなどを用いることができ、酸としては、例え
ば、アジピン酸、セバシン酸、無水トリメリット酸、ダ
イマー酸などを用いることができ、更に、アミンと酸と
を両方有するものとして、11−アミノウンデカン酸、
12−アミノドデカン酸などがあり、これらを組み合わ
せることにより、所望の特性(アミン価、酸価)のポリ
アミド樹脂を調製することができる。本実施の形態にお
いて用いることができる市販のポリアミド樹脂の具体例
としては、例えば下記を挙げることができる。トーマイ
ド90、トーマイド92、トーマイド391、トーマイ
ド394、トーマイド394N、トーマイド395、ト
ーマイド397、トーマイド509、トーマイド53
5、トーマイド558、トーマイド560、トーマイド
575、トーマイド1310、トーマイド1350(以
上、富士化成社製)、ポリマイドS−40HA、ポリマ
イドS−40E、ポリマイドS−150、ポリマイドS
−52、ポリマイドS−185、ポリマイドS−151
0、ポリマイドS−1525、ポリマイドS−163
5、ポリマイドS−1962、ポリマイドS−200
7、ポリマイドS−2153(以上、三洋化成社製)、
バーサミド335、バーサミド725、バーサミド74
4、バーサミド756、バーサミド930、バーサミド
940(以上、ヘンケル白水社製)、などがある。本実
施の形態においては、これらを単独で用いてもあるいは
二種又はそれ以上の混合物で用いてもよい。
【0041】本実施の形態において、ポリアミド樹脂
は、インクHIの全重量を基準にして、ポリアミド樹脂
の合計が5〜50重量%の範囲になるような量で用い
る。インクHI中のポリアミド樹脂の含有量が5重量%
よりも少ないと、インクジェット記録方式で吐出させる
のに十分な溶融粘度が得られないばかりでなく、またイ
ンクHIの透明性や印刷媒体への接着性も得られない。
他方、インクHI中のポリアミド樹脂の含有量が50重
量%よりも多くなると、インクHIの溶融粘度が高くな
り過ぎるために、インクジェット記録に用いられるプリ
ンターヘッドの作動温度での良好なインクHIの吐出が
困難になるとともに、紙などに付着させた際のインクH
Iの紙への染み込みが悪くなり、印字表面を手などで擦
るとインクHIが紙などから剥がれるなどして、良好な
印字品質を保持することができない。従って、ポリアミ
ド樹脂は、その合計がインクHI中に10〜30重量%
の範囲で含有されるのが好ましい。
【0042】本実施の形態において、ワックスとして
は、融点50〜200℃を有し、熱に対して安定なもの
を用いる。具体的には、石油ワックス、望ましくはパラ
フィンワックスまたはマイクロクリスタリンワックス
や、植物系ワックス、望ましくはキャンデリラワック
ス、カルナウバワックス、ライスワックス、またはホホ
バ固体ロウや、動物系ワックス、望ましくはミツロウ、
ラノリンまたは鯨ロウや、鉱物系ワックス、望ましくは
モンタンワックスや、合成炭化水素、望ましくはフィッ
シャートロプシュワックスまたはポリエチレンワックス
や、水素化ワックス、望ましくは硬化ヒマシ油または硬
化ヒマシ油誘導体や、変性ワックス、望ましくはモンタ
ンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイク
ロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワッ
クス誘導体や、高級脂肪酸など油脂系合成ワックス、望
ましくはベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリ
スチン酸、またはラウリン酸や、ケトンワックス、望ま
しくはジステアリルケトンや、高級アルコール、望まし
くはステアリルアルコール、またはベヘニルアルコール
や、ヒドロキシステアリン酸、望ましくは12−ヒドロ
キシステアリン酸または12−ヒドロキシステアリン酸
誘導体、脂肪酸アミドとしてラウリン酸アミド、ステア
リン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リ
シノール酸アミド、ステアリン酸エステルアミド、パル
ミチン酸アミド、ベヘン酸アミド、ブラシジン酸アミ
ド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリル
ステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミ
ド、N−ステアリルエルカ酸アミドなどが挙げられる。
また、ケトン、望ましくはステアロンまたはラウロン
や、アミン、望ましくはドデシルアミン、ケトラデシル
アミンまたはオクタデシルアミンや、エステル、望まし
くはステアリン酸メチル、ステアリン酸オクタデシル、
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレング
リコール脂肪酸エステル、またはポリオキシエチレン脂
肪酸エステルや、重合ワックス、望ましくはα−オレフ
ィン無水マレイン酸共重合体ワックスなどの従来公知の
ワックスのいずれかを特に限定することなく用いること
ができる。これらのワックス類は単独でもしくは二種以
上を混合して用いることができる。
【0043】上記したワックスは、インクHIの全重量
を基準にして、ワックスの合計が20〜90重量%の範
囲になるような量で用いる。インクHI中のワックスの
含有量が20重量%よりも少ないと、他の添加剤の特性
が現れてくるためにインクHIの融点が高くなったり、
インクジェットの吐出温度においてインクHIがシャー
プに溶けなくなる。また、含有量が90重量%よりも多
いと、インクHIに透明性がなくなるとともに、溶融粘
度が低くなりすぎて、インクジェット記録用のインクH
Iとして機能するのに十分な溶融粘度が得られなくな
り、更に、OHP用シートへのインクHIの付着性が低
くなる。
【0044】本実施の形態において用いるテルペン系樹
脂とは、ポリテルペンのことであり、代表的にはテルペ
ン−フェノール共重合体、などがある。テルペン系樹脂
の具体例としては、YSレジンPX1250、YSレジ
ンPX1150、YSレジンPX1000、YSレジン
TO125、YSレジンTO115、YSレジンTO1
05、クリアロンP125、クリアロンP115、クリ
アロンP105、クリアロンM115、クリアロンM1
05(ヤスハラケミカル社製)があり、テルペン−フェ
ノール共重合体の具体例としては、YP−90L、YS
ポリスター2130、YSポリスター2115、YSポ
リスター2100、YSポリスターT145、YSポリ
スターT130、YSポリスターT115、YSポリス
ターT100(ヤスハラケミカル社製)、などを挙げる
ことができる。本実施の形態においては、これらを単独
で用いてもあるいは二種又はそれ以上の混合物で用いて
もよい。
【0045】本実施の形態において、テルペン系樹脂
は、インクHIの全重量を基準にして、テルペン系樹脂
の合計が1〜10重量%の範囲になるような量で用い
る。インクHI中のテルペン系樹脂の含有量が1重量%
よりも少ないと、インクHIが加熱溶融状態で変色しや
すくなるなど、本実施の形態の十分な効果が発揮され
ず、また10重量%よりも多いと、インクHIの透明性
が悪くなり、溶融粘度が増大するなど、インクHI本来
の性能を発揮できなくなる。プリンタによる印字時の印
字品質を考慮すると、インクHI中のテルペン系樹脂の
含有量は2〜10重量%の範囲が好ましく、3〜8重量
%の範囲が更に好ましい。この変色防止などの本実施の
形態の効果は、特にテルペン−フェノール共重合体を用
いた場合に顕著であった。
【0046】本実施の形態で使用する色材としては、従
来から油性インク組成物に用いられている染料及び顔料
のいずれでも使用可能である。顔料は、有機または無機
を問わず印刷の技術分野で一般に用いられているものを
用いることができる。具体的には、例えばカーボンブラ
ック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイ
エロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化ク
ロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラ
マリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、ス
レン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオイ
ンジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、な
どの従来公知の顔料を、一次粒子の大きさが10〜10
0nmの範囲のものであれば、特に限定することなく用
いることができる。これらの顔料は、組み合わせて使用
することも可能である。染料は、従来から油性インク組
成物に用いられている染料のいずれでも使用可能である
が、アゾ染料、ジスアゾ染料、金属錯塩染料、ナフトー
ル染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニ
ウム染料、キノンイミン染料、シアニン染料、キノリン
染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、
ナフトキノン染料、キサンテン染料、フタロシアニン染
料、金属フタロシアニン染料、などの油溶性染料が好ま
しい。これらの染料は、組み合わせて使用することも可
能である。本実施の形態では、色材として、染料及び顔
料がともに使用可能であるが、熱安定性、他ビヒクルと
の溶解性に優れた溶解性染料を使用するのが望ましい。
これらの色材は、インクHIが十分な発色能力を有する
ためには、インクHI中に0.1〜10重量%含有する
のが良く、プリンタにより印字する際の発色能力を考慮
すると0.5〜8重量%含有するのが好ましく、更にプ
リンタ動作時の熱変化でインクHIから染料が析出しな
い、及び顔料が凝集しない保証として、1〜5重量%含
有するのが一層好ましい。
【0047】上記した本実施の形態において用いるビヒ
クル、またその他のビヒクルや添加剤などを用いる場合
には、それらはすべて常温において固体であるので、本
実施の形態のホットメルト型固体インクからなるホット
メルトインクHIを調製するにあたり、それらをすべて
溶融温度よりも高い温度において溶融し、良く混合して
均一に分散させることが必要であり、かかる目的を達成
することができるならば、本実施の形態のホットメルト
型固体インクからなるホットメルトインクHIを調製す
る手段は、何ら限定されず、任意の手段を用いてよい。
【0048】次に、本実施の形態のホットメルト型固体
インクからなるホットメルトインクHIを製造する手順
を説明する。本実施の形態において用いるビヒクルの各
々を上記の割合で、またその他のビヒクルや添加剤など
を用いる場合には、それらを本実施の形態のホットメル
ト型固体インクからなるホットメルトインクHIの性能
を損なわない範囲内の割合で容器中に入れ、ビヒクルを
用いる場合には添加剤などの溶融温度の内の最も高い溶
融温度よりも高い温度、通常70〜250℃、好ましく
は100〜200℃程度の温度において加熱溶融し、次
いで色材を投入する。ビヒクルや添加剤などを用いる場
合には全組成が溶融されたら、プロペラなどの攪拌手段
を、均一な混合物を得るのに十分な回転速度及び時間、
通常200〜10,000RPM、好ましくは500〜
5,000RPMで、通常数十分〜数時間、好ましくは
1〜2時間程回転させて混合物を十分に攪拌混合する。
攪拌混合は、混合物を1滴スライドグラス上に取り、光
学顕微鏡(200倍程度)にて凝集物がないことを確認
するまで行う。攪拌混合を終了した後に、得られた混合
物を溶融状態でろ過装置にかけてろ過を行い、不均一物
質をろ別し、フィルターを通過した物質を最終のホット
メルト型固体インクとして得る。
【0049】熱溶融時のインク粘度は、インクジェット
の吐出不良や目づまりを防ぐために、100〜140℃
において10〜60mPa・sであるのが好ましく、1
0〜40mPa・sであるのが一層好ましい。粘度がこ
の範囲よりも高過ぎる場合には、インクノズル内に圧力
波などを発生させてもインクHIが流体としてではなく
半固体として挙動するために、良好な量のインクHIが
吐出されなかったり、全く吐出しなくなってしまう。ま
た、粘度がこの範囲よりも低過ぎてもインクHIは良好
に吐出されない。
【0050】次に、パージ動作について説明する。図6
は、パージ動作時におけるフロントエンドFE及びバッ
クエンドBEの状態を示す模式図である。パージ動作
は、配線パターンの形成の前や、ノズル44が詰まるこ
とによりインクHIの吐出に不良が生じた場合に、ノズ
ル44からのインクHIの吐出を修復する動作である。
【0051】本実施の形態では、インクHIの廃棄量を
最小限にするために、パージ動作は、バックエンドBE
のインクタンクをインクタンク主室71とインクタンク
副室72に分け、インクタンク主室71にピストンを備
えた加圧ポンプ79により加圧する。このとき、インク
タンク主室71とインクタンク副室72は隔壁開閉弁7
5が閉じられるので、加圧ポンプ79の圧力はインクタ
ンク副室72には加わらず、インクタンク主室71に加
圧された圧力は、インク供給パイプ76、導入路47a
(図7参照)、インク還流パイプ77のインクHIを加
圧し、インクタンク副室72にインクHIが循環させら
れる。そして、ポンピングチャンバーである加圧路47
b及び導出路47c(図7参照)のオリフィス面までの
インクHIは循環されずに加圧によりノズル44から排
出される。このときにノズル44に詰まった粘度の高い
インクHIなどが排出されインクHIの吐出が修復され
る。
【0052】パージ動作によるノズル44から流出した
インクHIがノズル44まわりに付着すると新たなイン
クHIの吐出を妨げ、また、装置の汚損のおそれがある
ため、インクジェットヘッド43(図1参照)のノズル
44面のワイプ動作を行う。ワイプ動作は移動するイン
ク吸収ロール85にインクジェットヘッド43のノズル
44面を押し当ててふき取る動作である。ここで、図4
は、ワイプ動作を行うメンテナンス部7と、ヘッド部4
の状態を示す模式図である。図4に示すように、インク
ジェットヘッド43のノズル44面は、メンテナンス部
7の開口部から露出したインク吸収ロール85に当接さ
れるようにインクジェットヘッド43がX軸駆動部2
(図1参照)によりX軸方向に移動され、第1支持部5
2aあるいは第2支持部52bにより垂直に変位され
る。ここで、インク吸収ロール85は、供給リール86
aから繰り出され、送りローラ87a,87b,87
c,87dにより搬送され、巻取リール86bにより巻
き取られるノズル44面に対して相対的に移動し、前述
のパージ動作によりノズル44から流出したり、通常の
インクHIの吐出時に付着したノズル44面のインクH
Iを、常に清浄なインク吸収ロール85によりふき取
る。このとき、インクHIが外気により固まらないよう
に、メンテナンスヒータ88により加熱して、インクH
Iの流動性を維持する。
【0053】次に、検査エリア63に載置されたテスト
ピースTPにテストパターンを形成し、これをヘッド部
4に設けられたCCDカメラ42により着弾位置を認識
する構成について図1を参照して説明する。
【0054】まず、ヘッド部4がX軸駆動部2により移
動され、ステージ6上の検査エリア63がY軸駆動部3
により移動されて、第1インクジェットヘッド43aあ
るいは第2インクジェットヘッド43bが、検査エリア
63に載置されたテストピースTPに対向する所定位置
にセットされる。テストピースTPは基本的に配線パタ
ーンを形成するプリント基板Pと同じ材料により形成さ
れる。このテストピースTPに対し、すべてのノズル4
4から、そのままの位置で、1ドット分のインクHIが
吐出されることでテストパターンが形成される。もちろ
ん、実際にテストピースTP上でX軸方向やY軸方向、
あるいはこれらと所定の角度の斜線を形成するようなテ
ストパターンを併せて形成するようにしてもよい。
【0055】次にヘッド部4及びステージ6を移動させ
て、認識手段を構成するCCDカメラ42の視野内テス
トパターンが入るようにする。CCDカメラ42は、カ
メラ本体に数倍のマクロレンズを付け、ハーフミラーに
よる同軸落写ユニットを用いて、テストパターンをファ
イバ照明により照明するように構成される。ここで得た
CCDカメラ42による画像は、ケーブルCbを介して
コンピュータPC、モニタMに転送される。
【0056】コンピュータPCは、図示しないCPU
、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、DVD
ドライブなどの記憶装置、外部とのデータの入出力が可
能なI/Oポートを備え、出力装置であるディスプレー
や入力装置であるキーボードなどを備えた周知の構成の
コンピュータである。本実施の形態では、ハードディス
ク内に制御用のプログラムが格納されており、配線パタ
ーン形成装置1と一体に機能している。もちろん、この
ようなコンピュータPCを用いなくても、配線パターン
形成装置1の本体10の制御盤11内のROMに格納さ
れたような実施の形態でもよい。
【0057】コンピュータPCに転送された画像データ
は、X軸リニアエンコーダ24及びY軸リニアエンコー
ダ34から得たCCDカメラ42の位置情報から、イン
クHIの着弾地点である着弾ポイントを割り出す。この
位置の割り出しは周知の画像認識の手法による。そして
射出されたインクHIが着弾すべき画面上での位置であ
る正規ポイントと比較する。画像データは、モニタMに
映し出され、インクHIの着弾状況を観察することがで
きる。この画面により、機械的な判断が困難な場合にマ
ニュアルの補正を行うようにしてもよい。
【0058】図9は、CCDカメラ42の画面の一部を
表した模式図である。図9において、ノズル44(K1
1)から射出されたインクHIが設計上着弾すべきポイ
ントが正規ポイントRP(K11)であり、これに対し
て実際にノズル44(K11)から射出されたインクH
Iが着弾したポイントが着弾ポイントMP(k11)で
ある。そしてこの対応する正規ポイントRP(K11)
と着弾ポイントMP(k11)のずれを計測して、着弾
位置を求める。同様に正規ポイントRP(K12)に対
して、着弾ポイントMP(k12)、正規ポイントRP
(K21)に対して、着弾ポイントMP(k21)、正
規ポイントRP(K22)に対して、着弾ポイントMP
(k22)がそれぞれ対応するポイントになる。
【0059】ここで正規ポイントRP(K21)及び着
弾ポイントMP(k21)を例に説明すると、正規ポイ
ントRP(K21)に対して、着弾ポイントMP(k2
1)は、反X方向にΔXずれており、Y方向にΔYずれ
ていることがわかる。従って、正規ポイントRP(K2
1)に対応するノズル44は、本来の計算上の射出位置
よりX方向にΔXだけ、またY方向に−ΔYだけずれた
位置からインクHIを射出すれば、正規ポイントRP
(K21)に正しく着弾するはずである。そのため、配
線パターンプリントの処理実行時にこのΔX及び−ΔY
を補正値として、各ノズル44毎に、補正してインクH
Iの吐出タイミングを変更させる。そのため、コンピュ
ータPCのRAMに設けられた所定の記憶エリアにこの
位置データを着弾位置データとして記憶しておく。ま
た、第1インクジェットヘッド43aと第2インクジェ
ットヘッド43bについては、それぞれ別個に交換がで
きるので、それぞれの着弾位置データを別の記憶エリア
に記憶する。また、第1インクジェットヘッド43aと
第2インクジェットヘッド43bのいずれかを外した段
階で、補正値はクリアされる。即ち、一旦着脱をすると
補正値が変化し、誤ったデータで補正を行うと却ってず
れが大きくなるからである。
【0060】なお、正規ポイントRPは、完全にX軸リ
ニアエンコーダ24及びY軸リニアエンコーダ34から
取得した位置情報で定めてもよいが、特定の点、例えば
最も原点に近い点の着弾ポイントMPを正規ポイントR
Pとみなして、以後この点を基準に他の着弾ポイントM
Pのずれを計測してもよい。さらに、1列分の着弾ポイ
ントMPを認識した後で、これらの平均的な中心を求め
て、この直線を基準に正規ポイントを求めて、ずれを計
測して補正値を求めるようにしてもよい。
【0061】正規ポイントRPから主走査方向(X軸方
向)に±21μm、副走査方向(Y軸方向)に±14μ
mの範囲の正規エリアRAで着弾ポイントMPを探す。
この範囲内に着弾がないと判断された場合には、インク
HIの吐出不良と判断する。もちろんこの範囲は、ノズ
ル44の射出精度や、ドット密度により適宜変更できる
のはいうまでもない。
【0062】なお、着弾位置データは上記のような方法
で記憶しておくが、他の要素の精度などのバランスから
必要以上に細かいデータを取得する必要はなく、必要以
上に細かいデータは記憶を保持する手段が必要になった
り、処理の遅延などを招くため、これらのデータは、適
度な精度で保持する。
【0063】ここで、図10は副走査方向の位置のずれ
を補正する補正値の求め方を説明するための模式図であ
る。前述のように、着弾ポイントMPは、正規ポイント
RPに対して多様な方向にずれるが、これらはX方向と
Y方向に分けて補正される。ここでは、副走査方向(Y
方向)の着弾のずれの補正値の求め方について詳説す
る。図10に示すように、正規ポイントRPを中心とし
て、正規ポイントRPのY方向のずれΔY(μm)が、
−2μm<ΔY≦+2μmの場合は、ゾーン4とする。
以下、ここを中心に、4μm毎に区切って、−14μm
<ΔY≦−10μmのずれをゾーン1、−10μm<Δ
Y≦−6μmのずれをゾーン2、−6μm<ΔY≦−2
μmのずれをゾーン3、+2μm<ΔY≦+6μmのず
れをゾーン5、+6μm<ΔY≦+10μmのずれをゾ
ーン6、+10μm<ΔY≦+14μmのずれをゾーン
7とする。そして各ノズル44の着弾位置を、このゾー
ンによりグループ分けを行う。例えば、正規ポイントR
P(K11)に対して、着弾ポイントMP(k11)
は、Y方向に−3μmずれているとすると、着弾ポイン
トMPはゾーン3に属することになる。また、例えば、
正規ポイントRP(K12)に対して、着弾ポイントM
P(k12)は、Y方向に+9μmずれているとする
と、着弾ポイントMPはゾーン6に属することになる。
【0064】このように、着弾位置データに記憶された
副走査方向のずれ幅により、ゾーン1からゾーン7まで
に分け、同じゾーンに属するノズル44の着弾のずれ
は、同様の補正を行う。具体的には、ゾーン1は正規ポ
イントRPから−14μm<ΔY≦−10μmのずれを
持った着弾ポイントMPのグループである。そこで、こ
のグループに属するノズル44はすべてずれの中心値で
ある−12μmのずれとみなして一律に+12μmの補
正を行う。そうすれば、このグループでは、正規ポイン
トRPからのずれが−2μm<ΔY≦+2μmの間のず
れに補正される。同様に、ゾーン2では、正規ポイント
RPから−10μm<ΔY≦−6μmのずれを持った着
弾ポイントMPのグループであるので、このグループに
関しては、ずれの中心値である−8μmのずれとみなし
て一律に+8μmの補正を行う。そうすれば、このグル
ープでも、正規ポイントRPからのずれが−2μm<Δ
Y≦+2μmの間のずれに補正される。同じようにゾー
ン1からゾーン7まで、各グループのずれの中心値で補
正を行う。
【0065】以上副走査方向のずれについての補正値の
求め方について説明したが、主走査方向も、基本的に同
様で、正規ポイントRPに対する着弾ポイントMPのず
れを、ずれの大きさでゾーンに分けて各ノズル44をグ
ループ化する。そして各ゾーン毎に、ずれの中心値によ
り補正値を求める。なお、主走査方向と副走査方向で
は、必ずしも同じ精度ではないため、これらのゾーンの
区切りは異なるものとしてもよい。例えば、本実施の形
態では、ΔX(μm)が−21μm<ΔX≦−19μm
の範囲をゾーン1、−19μm<ΔX≦−17μmの範
囲をゾーン2、以下2μm毎にゾーンをさだめ、−1μ
m<ΔX≦+1μmの範囲をゾーン11、+19μm<
ΔX≦+21μmの範囲をゾーン21とする。なお、こ
れらの範囲を超える場合は、インクHIの吐出不良とし
て処理をする。そして、ゾーン1の補正値は+20μ
m、ゾーン2の補正値は+18μm、以下ゾーン11の
補正値は0μm、ゾーン21の補正値は−20μmとす
る。
【0066】以上のようにゾーン毎に補正値を求める。
次に、プリント基板P上で配線パターンを形成するとき
における具体的な補正の方法を説明する。ここでは先に
主走査方向の補正を説明する。図11は、主走査方向の
着弾位置の補正の方法を説明する図である。図11の上
段は、本来のファイアタイミングである正規タイミング
RTを示す。1200dpi(dot per inc
h)の画像密度では、各ドット間の距離はおよそ21μ
mになる。従って、例えばノズル44(K11)では、
連続してインクHIを吐出する場合でも、本来21μm
間隔で吐出する。本実施の形態では、キャリッジ41
が、X軸方向に2μm進む毎に、インクジェットヘッド
43のノズル44(K11)のピエゾ素子49にファイ
ア電圧を印加可能なタイミングを10回与える。この1
0回のファイアタイミングを1セットとし、このうちの
1回のタイミングで1ドットを構成する。10回のファ
イアタイミングのうち、いずれのタイミングでファイア
するかは、ノズル44毎に設定可能とする。
【0067】例えば、あるノズル44の着弾ポイントM
Pの主走査方向の誤差が−10μmであるとすると、こ
のノズル44はゾーン6にグループ分けされる。そうす
ると補正値は+10μmになる。図12は、ファイア電
圧の印加タイミングを示すタイムチャートである。従っ
て、本来のファイアタイミングである正規タイミングR
Tでピエゾ素子49にファイア電圧を印加すると、着弾
させたい点より10μm反X方向にずれてしまう。その
ため、+10μm着弾位置をずらすためには、図12に
示すように正規タイミングRTより5ポイント遅いファ
イアタイミングFTにすれば良い。そうすれば、本来の
着弾位置である正規ポイントRPにインクHIが着弾す
る。このようにして、このノズルに関しては、常に正規
タイミングRTより5ポイント遅いファイアタイミング
FTにすれば、必ず誤差が2μm以内の位置に着弾す
る。
【0068】図13は、主走査方向の着弾位置の補正の
方法を説明する図である。図13に示す場合は、着弾位
置がゾーン18に入る場合で、補正値は−14μmであ
る。従って、この場合はファイアタイミングFTを正規
タイミングRTより7ポイント早くすることで、正規ポ
イントRPにインクHIを着弾させることができる。
【0069】次に、副走査方向の具体的な補正方法につ
いて説明する。Y方向に副走査する場合は、主走査を1
ライン行った後、1200dpiであれば、21μmY
方向に移動して次の主走査を行うのが通常である。本実
施の形態では、副走査は、本来の副走査に加え、正規位
置よりY方向において、−12μm、−8μm、−4μ
m、+4μm、+8μm、+12μmずれた位置を含め
合計7ラインで主走査できるように副走査を行う。そし
て、−12μmずれた位置では、ゾーン1にグループ分
けされたノズル44のピエゾ素子49にファイア電圧を
印加される。また、−8μmずれた位置では、ゾーン2
にグループ分けされたノズル44のピエゾ素子49にフ
ァイア電圧を印加される。同様に+12μmずれた位置
では、ゾーン7にグループ分けされたノズル44のピエ
ゾ素子49にファイア電圧を印加される。
【0070】つまり、正規位置よりY方向に−12μm
ずれた位置で、副走査を行えば、正規位置において着弾
した位置より、Y方向に−12μmずれた位置に着弾す
ることになる。図10において、着弾ポイントMP(k
11)は、正規ポイントRP(K11)よりY方向に−
3μmずれているためゾーン3にグループ分けされ、+
4μmずれた位置で副走査される。その結果+1μmず
れた位置h11に着弾する。また、着弾ポイントMP
(k12)は、正規ポイントRP(K12)よりY方向
に+9μmずれているためゾーン6にグループ分けさ
れ、−8μmずれた位置で副走査される。その結果+1
μmずれた位置h12に着弾する。このように副走査距
離を細かく変化させ、各ゾーンにグループ分けされたノ
ズル44がそれぞれインクHIを吐出するように制御さ
れるため、すべてのノズル44の副走査方向の着弾位置
の誤差は−2μmから+2μmの間になる。
【0071】本実施の形態の配線パターン形成装置1
は、以上のように構成されるため、以下のような動作を
行う。図14は、配線パターン形成装置1の動作を示す
フローチャートである。このフローチャートに沿って配
線パターン形成装置1の動作を説明する。まず、配線パ
ターン形成装置1を起動させると、第1インクジェット
ヘッド43a(以下第1ヘッドと略記する。)が駆動さ
れるかどうか判断される(ステップ1。以下ステップを
Sと略記する。)。ここで第1ヘッドが装着され駆動の
準備ができているような場合(S1:YES)は、第1
ヘッドの吐出の良否が判断される(S3)。吐出の良否
は、上述のように検査エリア63において、テストピー
スTP上に形成されたテストパターンをCCDカメラ4
2により画像認識し、正規エリアRAで着弾ポイントM
Pを探す。この範囲内に着弾がないと判断された場合に
は、インクHIの吐出不良と判断する。第1ヘッドのイ
ンクHIが吐出不良と判断された場合(S3:NO)、
修復動作が2回目以上でなければ(S5:NO)、つま
り初めての修復動作に当たるときは、上述のパージ動作
及びワイプ動作による第1ヘッド修復動作が実行される
(S7)。第1ヘッド修復動作が終了したら、再び第1
ヘッドの吐出の良否が再び判断される(S3)。
【0072】もし、ここで第1ヘッドのインクHIが吐
出不良と判断された場合(S3:NO)、次の修復動作
は2回目以上になるので(S5:YES)、第1ヘッド
の修復動作(S7)は行わず、第2インクジェットヘッ
ド43b(以下第2ヘッドという。)が駆動されるかど
うか判断される(S9)。ここで第2ヘッドが装着され
てなかったり駆動の準備ができてないような場合には
(S9:NO)、使用できるインクジェットヘッド43
がないため、処理を終了する(エンド)。また、第2ヘ
ッドが装着され駆動の準備ができているような場合(S
9:YES)は、第2ヘッドの吐出の良否が判断される
(S11)。第2ヘッドのインクHIが吐出不良と判断
された場合(S11:NO)、修復動作が2回目以上で
なければ(S13:NO)、第2ヘッド修復動作が実行
される(S15)。第2ヘッド修復動作が終了したら、
再び第2ヘッドの吐出の良否が判断される(S11)。
もし、このとき第2ヘッドのインクHIが吐出不良と判
断された場合(S11:NO)、修復動作が2回目以上
になるので(S13:YES)、第1ヘッドも第2ヘッ
ドも使用不能として処理を終了する(エンド)。
【0073】S3において第1ヘッドがインクHIの吐
出が良好と判断された場合(S3:YES)、あるいは
S11において第2ヘッドがインクHIの吐出が良好と
判断された場合(S11:YES)、着弾位置の補正デ
ータの有無が判断される(S17)。着弾位置の補正デ
ータとは、前述のようにCCDカメラ42による画像を
認識した結果、各ノズル44毎の正規ポイントRPと着
弾ポイントMPとの主走査方向および副走査方向のずれ
の大きさをコンピュータPCのRAM内の所定の記憶エ
リア(不図示)に記憶したもので、この記憶エリアの内
容を検索し、その結果着弾位置の補正データがないとさ
れた場合は(S17:NO)、補正ができないので、現
状のまま補正しないで配線パターンのプリントを行う
(S23)。
【0074】一方、着弾位置の補正データの有無が判断
され(S17)、所定の記録エリアに着弾位置の補正デ
ータがある場合は(S17:YES)、この記憶エリア
から着弾位置の補正データを、コンピュータPCのRA
Mに設けられた補正処理用の記憶エリアに読み込み(S
19)、着弾位置の補正を行う。なお、着弾位置の補正
データは、第1インクジェットヘッド43aと第2イン
クジェットヘッド43bに分けて記憶されているので、
S3で第1ヘッドの吐出が良好とされた場合は、第1ヘ
ッドの着弾位置の補正データが、S11で第2ヘッドの
吐出が良好とされた場合は、第2ヘッドの着弾位置の補
正データが補正処理用の記憶エリアにそれぞれ読み込ま
れることになる。
【0075】このように補正処理用の記憶エリアに読み
込まれたデータに基づいて、着弾位置補正処理が行われ
る(S21)。ここで図15は、図14のS21の着弾
位置補正処理の手順を示すフローチャートである。着弾
位置補正は、副走査方向着弾位置補正処理(S211)
と、主走査方向着弾位置補正処理(S213)とに分け
て処理される。
【0076】図16は、図15のS211の副走査方向
着弾位置補正処理の手順を示すフローチャートである。
所定の順序に従って次に補正すべきノズル44の副走査
方向のΔYの数値を補正処理用の記憶エリアから処理用
のワークエリアに読み込み(S2111)、ΔYが−1
4<ΔY≦−10の範囲であるかどうかが判断され(S
2112)、ΔYが−14<ΔY≦−10の範囲である
場合には(S2112:YES)、このノズル44はゾ
ーン1のグループに分類され、補正値が+12に決定さ
れる(S2113)。即ち、後述する配線パターンプリ
ント(S23)の処理において、本来の副走査よりも+
12μm副走査方向(Y方向)に進めた位置で主走査が
行われ、その結果、これらの着弾位置のずれが補正され
る。
【0077】ここで、配線パターンプリント(S23)
の処理について、先に説明をする。コンピュータPCに
入力された配線パターンのデータは、1200dpiの
間隔でプリントすべきマトリクス状に配列されたドット
がデータ圧縮されて記憶されたビットマップデータであ
るが、ここでは、そのデータをフローチャート外の処理
においてプリント用のデータに変換され、RAMの中の
プリント用の所定の出力用のバッファに記憶されてい
る。データの変換は、圧縮されたデータを展開するだけ
でなく、本来のノズル44がプリントするドットの位置
に対して、X方向及び反X方向に2μmずつずれた20
カ所の補正用のプリント位置(図11参照)が、Y方向
及び反Y方向に4μmずつずれた位置に6ライン設けら
れている。従って、1のノズル44がインクHIを吐出
する位置は、X軸方向に21カ所、それがY軸方向に7
列の計147カ所の位置が準備される。そして、配線パ
ターンプリント(S23)の処理においては、S21に
より補正された147カ所のうちのいずれかの位置でイ
ンクHIが吐出されるように制御され、所望の着弾位置
にインクHIを着弾させる。
【0078】S2113において、そのノズル44の補
正値が+12とされると、バッファ中で展開されたその
ノズル44のデータが補正された位置に書き換えられる
(S2126)。同様に、所定の順序に従って処理すべ
き次のノズル44についてのデータがあれば(S212
7:YES)、このデータも、ノズル44の副走査方向
のΔYの数値をワークエリアから処理用のワークエリア
に読み込まれ(S2111)、ΔYが−14<ΔY≦−
10の範囲であるかどうかが判断され(S2112)、
ΔYが−14<ΔY≦−10の範囲である場合には(S
2112:YES)、このノズル44はゾーン1のグル
ープに分類され、補正値が+12に決定される(S21
13)。
【0079】また、ΔYが−14<ΔY≦−10の範囲
ではない場合には(S2112:NO)、ΔYが−10
<ΔY≦−6の範囲であるかどうかが判断され(S21
14)、ΔYが−10<ΔY≦−6の範囲である場合に
は(S2114:YES)、このノズル44はゾーン2
のグループに分類され、補正値が+8に決定される(S
2115)。以下、ΔYが−10<ΔY≦−6の範囲で
はない場合には(S2114:NO)、ΔYが−6<Δ
Y≦−2の範囲であるかどうかが判断され(S211
6)、ΔYが−6<ΔY≦−2の範囲である場合には
(S2116:YES)、このノズル44はゾーン3の
グループに分類され、補正値が+4に決定される(S2
117)。また、ΔYが−6<ΔY≦−2の範囲ではな
い場合には(S2116:NO)、ΔYが−2<ΔY≦
+2の範囲であるかどうかが判断され(S2118)、
ΔYが−2<ΔY≦+2の範囲である場合には(S21
18:YES)、このノズル44はゾーン4のグループ
に分類され、補正はされない(S2119)。また、Δ
Yが−2<ΔY≦+2の範囲ではない場合には(S21
18:NO)、ΔYが+2<ΔY≦+6の範囲であるか
どうかが判断され(S2120)、ΔYが+2<ΔY≦
+6の範囲である場合には(S2120:YES)、こ
のノズル44はゾーン5のグループに分類され、補正値
が−4に決定される(S2121)。また、ΔYが+2
<ΔY≦+6の範囲ではない場合には(S2120:N
O)、ΔYが+6<ΔY≦+10の範囲であるかどうか
が判断され(S2122)、ΔYが+6<ΔY≦+10
の範囲である場合には(S2122:YES)、このノ
ズル44はゾーン6のグループに分類され、補正値が−
8に決定される(S2123)。
【0080】なお、ΔYが+6<ΔY≦+10の範囲で
はない場合には(S2122:NO)、ΔYが+10<
ΔY≦+14であるので(S2124)、このノズル4
4はゾーン7のグループに分類され、補正値が−12に
決定される(S2125)。なぜなら、これ以外の範
囲、ΔY≦−14とΔY>14の範囲では、S3あるい
はS11においてヘッドの吐出不良と判断されているか
らである。
【0081】以上S2113、S2115、S211
7、S2119、S2121、S2123、S2125
の処理において補正値が決められたノズル44の吐出位
置のデータは、上述のようにこの補正値に従って出力用
のバッファに記憶されたビットマップデータが書き換え
られる(S2126)。
【0082】以上の手順を繰り返し、次に補正すべきノ
ズル44のデータがなくなれば(S2127:NO)、
図15のS211における副走査方向着弾位置補正処理
の手順が終了される(リターン)。
【0083】次に、図15の主走査方向着弾位置補正処
理(S213)が行われる。ここでの処理も、副走査方
向着弾位置補正処理(S211)の手順と同様の処理が
行われるので、詳細は省略する。
【0084】図14の着弾位置補正(S21)が終了す
ると、配線パターンプリント(S23)の処理が行われ
る。配線パターンプリント(S23)の処理では、上述
のように補正されたビットマップデータに従って、プリ
ント基板P上の所定の位置にインクHIが吐出され、イ
ンクHIによりレジストパターンが形成される。主走査
方向の位置は、X軸駆動部2により一定の速度で移動す
るインクジェットヘッド43の各ノズル44の吐出タイ
ミングを変更することでその位置を補正し、副走査方向
は、副走査の距離を変更し、副走査方向のずれの分に相
当する位置で、同様のずれ傾向を持ったグループにグル
ープ化されたノズル44からインクHIを吐出すること
でその吐出位置を補正する。
【0085】ここで、次にプリント基板Pを交換して配
線パターンプリントを続行する場合、あるいはプリント
基板Pを反転してプリント基板P裏面にプリントを続行
する場合(S25:YES)、プリント基板Pの交換あ
るいは反転をした後(S27)、プリントの経過時間な
どにより吐出の再検査を行うかどうかを判断し(S2
9)、吐出の再検査を行わない場合は(S29:NO)
再び配線パターンプリント(S23)の処理を行う。ま
た、所定時間が経過するなどして、吐出の再検査を行う
と判断された場合は(S29:YES)、再びS1から
の処理を繰り返す。プリントを続行しない場合(S2
5:NO)には、処理を終了する(エンド)。
【0086】本発明に係る実施の形態のプリント基板P
の配線パターン形成装置1は、上記の様な構成を有し、
上記の様な動作をするので以下のような効果がある。描
画エリア62で配線パターンが形成されたプリント基板
Pとは別に、検査エリア63でテストパターンが形成さ
れたテストピースTPを認識し判断することができると
いう効果がある。そのため、インクジェットヘッド43
のインクHIの吐出の着弾位置のずれや、吐出不良など
がわかり、描画エリア62でプリント基板Pに配線パタ
ーンを形成する前にインクHIの吐出不良による配線パ
ターンの形成の不良を簡単に回避でき、且つ検査員によ
る描画後の検査が省略でき、不良品を出さないで、プリ
ント基板Pに配線パターンのレジストパターンを高い生
産効率で高精度に形成することができるという効果を奏
する。
【0087】判断手段であるコンピュータPCによりイ
ンクジェットヘッド43から吐出されたインクHIの着
弾位置が所定位置からずれていると判断された場合に
は、補正手段であるコンピュータPCによりインクHI
の吐出位置を補正することができるという効果がある。
従って、配線パターンをプリント基板P上により高精度
で形成できるという効果を奏する。特に、本実施の形態
では、複数のノズル44が略直線状のアレイ状に配置さ
れたインクジェットヘッド43により、1回の主走査で
複数のラインを形成できるばかりでなく、判断手段であ
るコンピュータPCにより求められた各ノズル44の副
走査方向のずれの大きさΔYに基づいて複数のグループ
であるゾーン1からゾーン7に分け、このグループ毎に
異なる距離の副走査を行って主走査を行うことにより、
主走査位置を変更する複数のノズル44から射出される
各ノズル44固有の着弾位置のずれを修正し、インクジ
ェットヘッド43全体の位置のずれを簡単な制御で極め
て小さいものとすることができるという効果がある。従
って、ノズル44毎の副走査方向の着弾位置のずれの大
きさΔYにかかわらず、プリント基板Pの配線パターン
を極めて高い精度で形成することができるという効果を
奏する。
【0088】また、判断手段であるコンピュータPCに
より判断された各ノズル44の主走査方向のずれの大き
さΔXに基づいて、ノズル44単位で所定のインクHI
の吐出の正規タイミングRTに対してファイアタイミン
グFTをずらしてインクHIを吐出することにより、複
数のノズル44から射出される各ノズル44固有の着弾
位置のずれΔXを修正し、インクジェットヘッド43全
体の主走査方向の位置のずれΔXを簡単な制御で極めて
小さいものとすることができるという効果がある。従っ
て、ノズル44毎の主走査方向の着弾位置のずれΔXの
大きさにかかわらず、プリント基板Pの配線パターンを
極めて高い精度で形成することができるという効果を奏
する。
【0089】また、描画エリア62でプリント基板Pに
配線パターンを形成する前に判断手段であるコンピュー
タPCによりインクジェットヘッド43のインクHIの
吐出不良と判断された場合に、修復手段であるパージ機
構及びワイプ機構によりインクジェットヘッド43のイ
ンクHIの吐出を修復させることができるという効果が
ある。従って、判断手段によりインクHIの吐出が不良
と判断されても、インクHIの吐出不良がない状態に修
復可能で、生産ラインの作業を中断することなく、描画
エリア62でプリント基板Pに配線パターンを形成する
ことができるという効果を奏する。
【0090】さらに修復手段であるパージ機構及びワイ
プ機構によっては第1インクジェットヘッド43aのイ
ンクHIの吐出を修復できなかったと判断された場合で
も、第2インクジェットヘッド43bを備えているた
め、配線パターン形成装置1の稼働を中断することな
く、第2インクジェットヘッド43bによりプリント基
板P上に配線パターンを形成することができるという効
果がある。従って、生産ラインの作業を中断することな
く、高い生産効率でプリント基板Pの生産をすることが
できるという効果を奏する。
【0091】以上、1の実施の形態に基づき本発明を説
明したが、本発明は上述した実施の形態に何ら限定され
るものではない。
【0092】例えば、インクジェットヘッド43は、描
画エリア62、検査エリア63及びメンテナンス部7に
対して相対的にX軸方向及びY軸方向に変位可能であれ
ばよく、インクジェットヘッド43自体がX軸方向及び
Y軸方向のいずれの方向にも移動可能であるように構成
してもよく、あるいは逆に、インクジェットヘッド43
を固定し、ステージ6自体がX軸方向及びY軸方向のい
ずれの方向にも移動可能になるように構成してもよい。
【0093】また、インクジェットヘッド43に使用す
るインクは、熱溶融性を有するホットメルトインクHI
に限られず、UVにより硬化する光硬化性のインクな
ど、パターン形成後に収縮しないものを好適に用いるこ
ともできる。なお、有機溶剤などを蒸発させて硬化させ
るタイプはレジスト層が薄くなったり乾燥後の寸法の誤
差が生じるため、使用はできるが望ましくはない。
【0094】また、インクジェットヘッド43の数は2
つに限定されず1あるいは、3以上のヘッド構成として
も良い。さらに、本実施の形態ではインクジェットヘッ
ドユニット45を4つ備えたものを例示したが、1、
2、3あるいは5以上のものであってもよい。そして、
本実施の形態のようにオフセットして配置するほか、主
走査方向に並べて配置してもよい。さらにノズル配列も
Y軸方向に2列に配列されたもの以外でも、1列のもの
や、千鳥状に配列されたものや種々の構成が考えられ
る。
【0095】また、パージ動作は、ノズル44の外側か
らインクHIを吸引するようなものでも良い。ワイプ動
作は、ゴム製や、スポンジなどの多孔質のワイパーで掻
き取るようにワイピングするようなものや、あるいは静
止している吸収体に当接させるようなものでもよい。
【0096】さらに、当業者が、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で種々の改良をし変更することが可能であるこ
とは容易に推察できるものである。
【0097】
【発明の効果】上記説明から明らかなように本発明は以
下のような効果がある。即ち、請求項1に係る発明のプ
リント基板の配線パターン形成装置では、描画エリアで
配線パターンが形成されたプリント基板とは別に、検査
エリアでテストパターンが形成されたテストピースを認
識し判断することができるという効果がある。そのた
め、インクジェットヘッドのインクの吐出の着弾位置の
ずれや、吐出不良などがわかり、描画エリアでプリント
基板に配線パターンを形成する前にインクの吐出不良に
よる配線パターンの形成の不良を簡単に回避でき、且つ
検査員による描画後の検査が省略でき、不良品を出さな
いでプリント基板に配線パターンのレジストパターンを
高い生産効率で高精度に形成することができるという効
果を奏する。
【0098】請求項2に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項1に記載のプリント基板
の配線パターン形成装置の効果に加え、判断手段により
インクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾位置
が所定位置からずれていると判断された場合には、補正
手段によりインクの吐出位置を補正することができると
いう効果がある。従って、より高精度に配線パターンを
プリント基板上に形成できるという効果を奏する。
【0099】請求項3に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項2に記載のプリント基板
の配線パターン形成装置の効果に加え、複数のノズルが
略直線状のアレイ状に配置されたインクジェットヘッド
により、1回の主走査で複数のラインを形成できるばか
りでなく、判断手段により求められた各ノズルの副走査
方向のずれの大きさに基づいて複数のグループに分け、
該グループ毎に異なる距離の副走査を行って主走査を行
うことにより、複数のノズルから射出される各ノズル固
有の着弾位置のずれを修正し、インクジェットヘッド全
体の位置のずれを簡単な制御で極めて小さいものとする
ことができるという効果がある。従って、ノズル毎の副
走査方向の着弾位置のずれの大きさにかかわらず、極め
て高い精度でプリント基板の配線パターンを形成するこ
とができるという効果を奏する。
【0100】請求項4に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項2又は請求項3に記載の
プリント基板の配線パターン形成装置の効果に加え、判
断手段により判断された各ノズルの主走査方向のずれの
大きさに基づいて、ノズル単位で所定のインクの吐出タ
イミングに対してタイミングをずらしてインクを吐出す
ることにより、複数のノズルから射出される各ノズル固
有の着弾位置のずれを修正し、インクジェットヘッド全
体の位置のずれを簡単な制御で極めて小さいものとする
ことができるという効果がある。従って、ノズル毎の主
走査方向の着弾位置のずれの大きさにかかわらず、極め
て高い精度でプリント基板の配線パターンを形成するこ
とができるという効果を奏する。
【0101】請求項5に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項1乃至請求項4のいずれ
かに記載のプリント基板の配線パターン形成装置の効果
に加え、描画エリアでプリント基板に配線パターンを形
成する前に判断手段によりインクジェットヘッドのイン
クの吐出不良と判断された場合に、修復手段によりイン
クジェットヘッドのインクの吐出を修復させることがで
きるという効果がある。従って、判断手段によりインク
の吐出が不良と判断されても、インクの吐出不良がない
状態に修復可能で生産ラインの作業を中断することなく
描画エリアでプリント基板に配線パターンを形成するこ
とができるという効果を奏する。
【0102】請求項6に係る発明のプリント基板の配線
パターン形成装置では、請求項5に記載のプリント基板
の配線パターン形成装置の効果に加え、パージ機構ある
いはワイプ機構又はその双方によりインクジェットヘッ
ドのインクの吐出を確実に修復することができるという
効果がある。
【0103】請求項7に係る発明のプリント基板のパタ
ーン形成装置では、請求項1乃至請求項6のいずれかに
記載のプリント基板のパターン形成装置の効果に加え、
修復手段によっては1のインクジェットヘッドのインク
の吐出を修復できなかったと判断された場合でも、複数
のインクジェットヘッドを備えているため、プリント基
板の配線パターン形成装置の稼働を中断することなく、
1のインクジェットヘッドと異なる他のインクジェット
ヘッドによりプリント基板上に配線パターンを形成する
ことができるという効果がある。従って、生産ラインの
作業を中断することなく、高い生産効率でプリント基板
の生産をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】配線パターン形成装置1の概略を示す図であ
る。
【図2】ヘッド部4の機能の概略を示すブロック図であ
る。
【図3】図7におけるA−A部分におけるインクジェッ
トヘッドユニット45の模式断面図である。
【図4】ワイプ動作を行うメンテナンス部7と、ヘッド
部4の状態を示す模式図である。
【図5】フロントエンドFE及びバックエンドBEの構
造を示す模式図である。
【図6】パージ動作時におけるフロントエンドFE及び
バックエンドBEの状態を示す模式図である。
【図7】インクジェットヘッドユニット45の一部を拡
大して見た底面図である。
【図8】第1インクジェットヘッド43aをノズル44
面から見た模式図である。
【図9】CCDカメラ42の画面の一部を表した模式図
である。
【図10】副走査方向の位置のずれを補正する補正値の
求め方を説明するための模式図である。
【図11】主走査方向の着弾位置の補正の方法を説明す
る図である。
【図12】ファイア電圧の印加タイミングを示すタイム
チャートである。
【図13】主走査方向の着弾位置の補正の方法を説明す
る図である。
【図14】配線パターン形成装置1の動作を示すフロー
チャートである。
【図15】図14のS21の着弾位置補正処理の手順を
示すフローチャートである。
【図16】図15のS211の副走査方向着弾位置補正
処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】 1 プリント基板の配線パターン形成装置(配線パタ
ーン形成装置) 2 X軸駆動部 3 Y軸駆動部 4 ヘッド部 6 ステージ 7 メンテナンス部 10 本体 41 キャリッジ 42 CCDカメラ 43 インクジェットヘッド 43a 第1インクジェットヘッド 43b 第2インクジェットヘッド 44 ノズル 62 描画エリア 63 検査エリア CP コンピュータ HI ホットメルトインク(インク) P プリント基板 TP テストピース
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月3日(1999.8.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EB27 EB36 EB40 EC08 EC37 FA15 FB05 4F041 AA02 AB01 5E339 CD01 CE13 CE20 EE03 EE10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板を載置する描画エリアと、 前記描画エリア外に設けられ、テストピースを載置する
    検査エリアと、 前記描画エリアに載置されたプリント基板及び前記検査
    エリアに載置されたテストピースに対して相対移動可能
    に設けられ、インクを吐出して前記プリント基板上に配
    線パターンを形成し、且つ前記テストピース上にテスト
    パターンを形成することが可能なインクジェットヘッド
    と、 前記検査エリアにおいて前記インクジェットヘッドによ
    り前記テストピース上に形成されたテストパターンを認
    識する認識手段と、 前記認識手段により認識されたテストパターンのインク
    の吐出位置を判断する判断手段とを備えたことを特徴と
    するプリント基板の配線パターン形成装置。
  2. 【請求項2】 前記判断手段により、前記インクジェッ
    トヘッドから吐出されたインクの着弾位置が所定位置か
    らずれていると判断された場合に、前記プリント基板上
    において前記配線パターンを形成するときのインクの吐
    出位置を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請
    求項1に記載のプリント基板の配線パターン形成装置。
  3. 【請求項3】 前記インクジェットヘッドは、 複数のノズルが略直線状に配置されたアレイ状に形成さ
    れ、前記ノズルが配列された方向と垂直な方向に前記プ
    リント基板に対して相対移動して主走査し、該主走査方
    向と垂直な方向に前記プリント基板に対して相対移動し
    て副走査するように構成され、 前記補正手段は、 前記判断手段により判断された前記インクジェットヘッ
    ドの各ノズルによる副走査方向のずれの大きさに基づい
    て複数のグループに分け、該グループ毎に異なる距離の
    副走査を行って主走査を行うことを特徴とする請求項2
    に記載のプリント基板の配線パターン形成装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、 前記判断手段により判断された前記インクジェットヘッ
    ドの各ノズルによる主走査方向のずれの大きさに基づい
    て、ノズル単位で所定のインクの吐出タイミングに対し
    てタイミングをずらしてインクを吐出することを特徴と
    する請求項2又は請求項3に記載のプリント基板の配線
    パターン形成装置。
  5. 【請求項5】 前記判断手段により、インクジェットヘ
    ッドの吐出不良と判断された場合に、 前記インクジェットヘッドのインクの吐出を修復させる
    修復手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれかに記載のプリント基板の配線パターン形成
    装置。
  6. 【請求項6】 前記修復手段は、 パージ機構及びワイプ機構のうち少なくとも1つを備え
    たことを特徴とする請求項5に記載のプリント基板の配
    線パターン形成装置。
  7. 【請求項7】 複数のインクジェットヘッドを備え、 前記判断手段により、前記修復手段によっては1のイン
    クジェットヘッドのインクの吐出を修復できなかったと
    判断された場合に、前記1のインクジェットヘッドと異
    なる他のインクジェットヘッドにより前記プリント基板
    上に前記配線パターンを形成することを特徴とする請求
    項1乃至請求項6のいずれかに記載のプリント基板のパ
    ターン形成装置。
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