JP2001044030A - 建物の消磁装置 - Google Patents

建物の消磁装置

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JP2001044030A
JP2001044030A JP21737599A JP21737599A JP2001044030A JP 2001044030 A JP2001044030 A JP 2001044030A JP 21737599 A JP21737599 A JP 21737599A JP 21737599 A JP21737599 A JP 21737599A JP 2001044030 A JP2001044030 A JP 2001044030A
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JP
Japan
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coils
building
magnetized portion
core
coil
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JP21737599A
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Tetsuo Endo
哲夫 遠藤
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物の内装が仕上がった状態に於て、仕上げ
面の上から躯体及び仕上げ材を傷めることなく容易に消
磁を行う。 【解決手段】 鉄心2,2…に対し並列に複数のコイル
8,8…を巻回し、且つ、建物の帯磁部(Y方向)に対
峙させて配設し、該帯磁部(Y方向)と該コイル8,8
…間に磁気回路を形成する。更に、該コイル8,8…に
流す交流電流を徐々に減衰させる可変抵抗器を設けて該
帯磁部(Y方向)の消磁を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物の消磁装置に関
するものであり、特に、建物が仕上がった状態での仕上
げ面の上から仕上げ材を傷めることなく消磁できる建物
の消磁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建物の構築に使用される鉄筋、鉄骨、デ
ッキプレート等の金属は、製造及び加工メーカーの工場
に於て、オートメーション化に伴うリフティングマグネ
ットの使用過程の増加や建物の高層化に伴う金属の使用
量の増加に伴い、該金属から発生する直流磁場を原因と
してコンピュータのCRTディスプレイに色ずれ障害を
始めとした機器障害が発生する。
【0003】この対策としてケイ素鋼板等の磁性材料に
よる磁気シールドを建物に施すことや建物の局部的な帯
磁部に、該帯磁部を挟むようにして上下にコイルを配設
し、該コイルをスライダック等の可変抵抗器を介して交
流電源に接続して該コイルに交流電流を流し、該帯磁部
に磁束を集中させると共に、交流電流の実効値を徐々に
小さくすることにより該帯磁部の消磁を行うものがあ
る。(実開平6−50309号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記磁気シールドを建
物に施す場合、材料が金属板であるため、特別な施工を
必要とし、又、テレビの色ずれ障害が発生するのは建物
の内装が仕上がった状態であることが多く、この時には
大掛かりな改装工事が必要になり、且つ、改装工事に伴
い建物内の占有面積が減少することになる。更に、該磁
気シールドによる直流磁気減少性能を保証することも困
難である。
【0005】一方、帯磁部を挟むようにして上下にコイ
ルを配設して消磁を行うものは、消磁できる範囲が限ら
れてしまい、且つ、建物の内装が仕上がった状態での消
磁は更に困難となる。
【0006】そこで、建物の帯磁部の消磁を簡単な装置
によりどの方向からも行え、且つ、建物の内装が仕上が
った状態でも容易に行うことができる建物の消磁装置を
得るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであ
り、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、鉄心に対し並列に複
数のコイルを巻回し、且つ、建物の帯磁部に対峙させて
配設し、該帯磁部と該コイル間に磁気回路を形成し、更
に、該コイルに流す交流電流を徐々に減衰させる可変抵
抗器を設けて該帯磁部の消磁を行う建物の消磁装置を提
供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1乃至図5に従って詳述する。図1(A)は建物の鉄筋
より発生する直流磁場を軽減するための消磁コイル1を
示し、該消磁コイル1はコ字状の鉄心2にコイル8,8
…を複数巻回して形成する。該鉄心2は直径50mmの方
向性ケイ素鋼板2aを積層して厚さ50mmのコ字型に
し、且つ、各鋼板2a,2a…の長手方向両端部近傍の
左右にはボルト孔を開穿して該ボルト孔にボルト6,6
…を挿入し、厚さ方向両端部をナット7,7…で締結し
て該鋼板2a,2a…を一体化する。
【0009】又、該鉄心2の長手方向の長さは500mm
とし、該鉄心2の長手方向中心部3は取り外し可能に分
割されており、該鉄心2を長手方向に延長したい場合に
はこの部分に所定長さの新しい鉄心を挿入し、該鉄心2
同士を繋ぎ合せることができると共に該コイル8,8…
を並列に増設できるようにする。該鉄心2を長くすれば
広い範囲(1〜1.5m)が同時に消磁できることにな
る。更に、該鉄心2の長手方向の両端部2b,2bであ
って、コ字型の両突出部の幅を夫々50mm取った残りの
該鉄心2の外周部に該鉄心2の長手方向へ該コイル8,
8…の巻き数が324ターンのものを5個並列に配設す
る。尚、実験した結果、該コイル8,8…の一つの巻数
は324巻以下及び該コイル8,8…の数は5個以上に
することを可とする。
【0010】次に、該コイル8,8…の巻回部には該コ
イル8,8…を保護するためのカバー5を設け、且つ、
該鉄心2の長手方向両端部2b,2b側に配設される該
カバー5の側板4,4の一方の端部中央には図1(B)
に示すようにリード線9,9…を配設するための開口部
4aを設ける。該リード線9,9…は該開口部4aから
該コイル8,8…の個数分行きと帰りを別々に配線す
る。又、該消磁コイル1は図1(A)に示すように、建
物の鉄筋等の帯磁部(Y方向に位置する)に向けるよう
に設置する。このように設置することにより建物のスラ
ブ帯磁部は上方向から、壁帯磁部には図1(A)に示す
ように該コイル8,8…を縦方向にするか、該コイル
8,8…を横方向にすることにより消磁を行うことがで
きる。
【0011】次に、図2により該消磁コイル1と該帯磁
部との磁気回路を形成するための消磁システムSを説明
する。該消磁システムSは前記したように、該コイル
8,8…を並列に5個配設し、一つのコイルの巻数は3
24巻きとする。該コイル8,8…を並列にすることに
より一つのコイルの巻き数を少なくし、インダクタンス
を小さくすることでコイルに流れる電流量を大きくする
ことができる。その結果、後述するように放出される交
流磁界は大きくなると共に磁束密度が高くなり、該帯磁
部の消磁が容易に行える。
【0012】更に、並列に250μF の静電容量を持つ
コンデンサ13、200Vの電圧計12及び可変抵抗器
11を配設して、交流電源10に接続する。該可変抵抗
器11にはスライダックを用い、該コイル8,8…に流
す交流電流を増加させて強い交流磁界を発生させたり、
該交流電流を減少させたりしながら、徐々に減衰するよ
うに制御して該帯磁部の消磁を行う。
【0013】図3は、該消磁コイル1を建物の鉄筋の帯
磁部に向けて設置し、該消磁システムSを稼動させたと
きの該鉄心2からの磁束密度の方向線14,14…を示
す。このように、該帯磁部に向けて該鉄心2から交流磁
界を発生させることにより、該鉄心2の両端部2b,2
bに該磁束密度の方向線14,14…が集中する。
【0014】図4は該消磁システムSを稼動させて実験
を行い、該コイル8,8…に異なる電流を流したときの
該鉄心2からの距離(x)と磁束密度(By)との関係
を示した直流磁場分布測定グラフを示す。図中(イ)は
20Aの電流量を掛けたときの該磁束密度(By)の発
生状態を示し、(ロ)は15A、(ハ)は10A、
(ニ)は5Aを掛けたときのガウスメータによる測定グ
ラフである。このグラフより各電流量に対し、いずれも
該鉄心2の中央部で該磁束密度(By)が最大になって
おり、(イ)の20Aのときには最大略220ガウスの
測定値を示す。又、いずれの電流量に対しても該鉄心2
からの距離(x)が200mmの位置の該磁束密度(B
y)の値が30ガウスになっており、この距離位置が消
磁限界となる。
【0015】しかし、建物内の鉄筋を消磁する場合に
は、該鉄筋そのものに10〜20ガウスが着磁されてお
り、通常、残留磁気の3倍位掛けないと消磁できないの
で、このグラフからは該鉄心2からの距離150mmが消
磁限界範囲になることが分る。従って、このグラフより
電流の強さによってどの位まで消磁可能かが解明され
る。
【0016】次に、図5に示すヒステリシス環線により
消磁の原理を説明する。磁界の強さHを横軸に取り、磁
性体内の磁束密度Bを縦軸に置いて該磁性体の磁化変化
を調べると該磁界の強さHを0から増大させてゆくと、
該磁束密度Bは曲線aに沿って次第に磁化されてゆきB
mで飽和状態になる。その後、飽和状態から該磁界の強
さHを減少させてゆくと、該磁束密度Bは前記の曲線a
の飽和曲線に従わず、同一のH値に対して飽和曲線の与
えるよりも大きなB値を取り、曲線bの径路によって減
少してくる。その際、Hが0に帰ったときにも、Bはな
おBrで表わす値を保つ。このBrが残留磁気として残
る。
【0017】その後、該磁界の強さHを負の方向に増し
てゆくとBは急激に減少し、正の場合の最大値Bmに等
しい−Bmに達した後、磁界の強さHを戻して0までい
き、更に、最初の正の方向にHを増大させていくと、B
は前の曲線bの変化の場合と丁度逆の経路の曲線cをた
どって、再び正の最大値Bmに至る。この為、磁化され
た磁性体に磁化された方向と逆方向に磁界を掛けても消
磁することはできない。依って、消磁を行うには磁界を
交流電流でその実効値を時系列的に減衰させることによ
り、曲線d,e,fに示すように磁化を徐々に取り除く
ようにして行う。従って、消磁作業は前記消磁システム
Sを稼動させて、前記スライダック11により前記コイ
ル8,8…に流す交流電流の実効値を徐々に小さくする
ように制御することにより行う。
【0018】ここで、建物の鉄筋等から発生する磁場を
原因とするCRTディスプレイの色ずれ障害を起こす原
因となる前記残留磁気を徐々に取り除いて色ずれ障害を
防止する。
【0019】前記消磁コイル1を用いて図1のY方向へ
100mm離れた位置に該消磁コイル1と平行に鉄筋を設
置し、該消磁システムSを稼動させて実験を行った結
果、最大68%の消磁効果が確認され、ディスプレイの
色ずれ障害が起らない範囲まで直流磁場が減衰した。
又、240mm離れた位置に於ても、鉄筋からの直流磁場
が減衰していることが確認されたことから建物が仕上が
った状態でも鉄筋の消磁が行うことができる。更に、時
間の経過により鉄筋の磁束に変化が見られなかったこと
から恒久的な対策を行うことができ、鉄筋消磁後に継続
して該消磁システムSを稼動させる必要がない。
【0020】尚、前述の発明の一実施の形態で示した鉄
心の形状、大きさ及びコイルの巻き数、個数等はこれに
限定されるべきではなく、建物の鉄筋等により発生する
直流磁場の状態により適宜変更される。
【0021】而して、本発明は、本発明の精神を逸脱し
ない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明
が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は鉄心に対
し並列に複数のコイルを巻回しているので、非常に簡単
な装置で消磁ができ、しかも建物の帯磁部に対峙させて
配設するので、施工現場での作業を容易に行うことがで
きる。
【0023】又、該コイルを並列にすることにより該コ
イルに流れる電流量を大きくできると共に、放出される
交流磁界を大きくすることができる。更に、帯磁部とコ
イル間に磁気回路を形成し、可変抵抗器の制御により消
磁作業を行うので、建物の仕上げ面の上から該鉄心を設
置することにより建物躯体及び仕上げ材を傷つけずに恒
久的な消磁が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の一実施の形態を示し、消磁コイ
ルの側面図。 (B)図1(A)のZ−Z矢視図。
【図2】消磁システムの回路図。
【図3】消磁コイルの磁束密度の方向線図。
【図4】直流磁場分布測定グラフ。
【図5】磁性体の消磁の様子を示すヒステリシス環線
図。
【符号の説明】 1 消磁コイル 2 鉄心 8 コイル 10 交流電源 11 可変抵抗器(スライダック) S 消磁システム Y 帯磁部の方向

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心に対し並列に複数のコイルを巻回
    し、且つ、建物の帯磁部に対峙させて配設し、該帯磁部
    と該コイル間に磁気回路を形成し、更に、該コイルに流
    す交流電流を徐々に減衰させる可変抵抗器を設けて該帯
    磁部の消磁を行うことを特徴とする建物の消磁装置。
JP21737599A 1999-07-30 1999-07-30 建物の消磁装置 Withdrawn JP2001044030A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114724798A (zh) * 2022-05-13 2022-07-08 深圳市海纳微传感器技术有限公司 一种交流过零点磁芯退磁消磁电路及方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114724798A (zh) * 2022-05-13 2022-07-08 深圳市海纳微传感器技术有限公司 一种交流过零点磁芯退磁消磁电路及方法
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