JP2001042253A - レーザー照射光学系 - Google Patents

レーザー照射光学系

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JP2001042253A
JP2001042253A JP11220970A JP22097099A JP2001042253A JP 2001042253 A JP2001042253 A JP 2001042253A JP 11220970 A JP11220970 A JP 11220970A JP 22097099 A JP22097099 A JP 22097099A JP 2001042253 A JP2001042253 A JP 2001042253A
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laser beam
laser
diffraction
optical system
doe
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JP11220970A
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English (en)
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Yuichiro Otoshi
祐一郎 大利
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Minolta Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/005Optical devices external to the laser cavity, specially adapted for lasers, e.g. for homogenisation of the beam or for manipulating laser pulses, e.g. pulse shaping
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/005Optical components external to the laser cavity, specially adapted therefor, e.g. for homogenisation or merging of the beams or for manipulating laser pulses, e.g. pulse shaping

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の形状の複数の同等なレーザービームを
射出するレーザー照射光学系の小型化、高効率化を図
る。 【解決手段】 レーザー照射光学系に、光源からのレー
ザービームを分割する回折素子、分割後の各ビームを同
一方向に進む収束ビームとするレンズ、および分割後の
各ビームの強度分布を変換して各ビームを整形する回折
素子を備える。分割後の全てのビームが分離する光路範
囲を、レーザーの波長、収束用のレンズの焦点距離、ビ
ーム幅、分割用の回折素子の格子単位の配列周期、およ
び分割後のビームの回折次数から求め、整形用の回折素
子をこの光路範囲内に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザービームを
分割して分割後の各レーザービームを整形し、整形後の
各レーザービームを射出するレーザー照射光学系に関す
る。
【0002】
【従来の技術】レーザービームは、強度が高くビーム幅
を小さくすることができるという特徴を有しており、物
体表面の微細な加工に多用されている。近年では、レー
ザー光源からのレーザービームを複数のレーザービーム
に分割し、分割後のレーザービームを対象物に照射する
ことにより、同一の加工処理を複数部位で同時に行っ
て、加工の処理効率を高めることが行われている。
【0003】その際、照射されるレーザービーム間に強
度差があると対象物の部位間で加工を均等に行うことが
できなくなるから、分割後のレーザービームの強度を略
等しくする必要がある。また、対象物はレーザービーム
の強度分布に対応した形状に加工されるから、対象物を
どのような形状に加工するかに応じて、各レーザービー
ムの強度分布を設定する必要がある。例えば、断面が矩
形で深さが一定の穴を対象物に形成するときには、光路
に垂直な断面の輪郭が矩形で、その断面内の強度分布が
一様なレーザービームとしなければならない。
【0004】したがって、このような用途に用いられる
レーザー照射光学系は、光源からのレーザービームを単
に分割するだけでなく、分割後の全てのレーザービーム
の強度を略同じにするとともに、各レーザービームの強
度分布を、光路に垂直な断面についても光路に平行な断
面についても、所望の分布としなければならない。一般
に、光源から射出されるレーザービームの光路に垂直な
断面での強度分布はガウシアン型であり、ほとんどの場
合、そのままでは用途に適合しない。このため、レーザ
ー照射光学系でレーザービームの強度分布の変換すなわ
ち整形を行うことになる。
【0005】従来のレーザー照射光学系の概略構成を図
15に示す。このレーザー照射光学系7は、レーザー光
源71からのレーザービームL1を4本のレーザービー
ムL2に分割して、各レーザービームL2の光路に垂直
な断面の強度分布を略均一にするものである。レーザー
ビームL1の分割のために3つのハーフミラー73が備
えられており、各ハーフミラー73の透過率と反射率は
分割後のレーザービームL2の強度が等しくなるように
設定されている。
【0006】分割後のレーザービームL2はそれぞれ全
反射ミラー74によって、大きさおよび形状が同一の開
口77aが等間隔で設けられた遮光板77に導かれる。
遮光板77は、ガウシアン分布のレーザービームL2の
中央部のみを通過させて、光路に垂直な断面の強度分布
を均一にするとともに、その断面の輪郭の形状を開口7
7aの形状によって規定する。
【0007】光源71からハーフミラー73までの光路
上には、レーザービームL1のビーム幅を広げるビーム
エキスパンダ72が配置されており、分割後の各レーザ
ービームL2の光路上には、レーザービームL2を遮光
板77上に収束させるレンズ75が配置されている。4
つのレンズ75は同性能であり、各レンズ75から遮光
板77までの距離は等しく設定されている。開口77a
を通過したレーザービームL2の光路上には縮小光学系
78が配置されており、各レーザービームL2は縮小光
学系78によってビーム幅と相互の間隔を狭められて、
照射対象面Sに照射される。
【0008】レーザー照射装置7においては、遮光板7
7の開口77aとレンズ75と縮小光学系78によっ
て、分割後のレーザービームL2の整形が行われること
になる。これらのうち主たる役割を果たすのは、光路に
対して垂直な方向の強度分布を規定する開口77aであ
る。遮光板77の開口77aによる分割後のレーザービ
ームL2の整形の様子を図16に模式的に示す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のレーザー照射光
学系では、光源からのレーザービームの分割を複数段階
で行っている。このため、全体構成が大型化するととも
に、光学素子の数が多くなって、素子の相対位置の設定
が容易でない。この問題は、分割後のレーザービームを
多くするほど顕著になっていく。
【0010】また、分割後のレーザービームは、分割前
のレーザービームと同様にガウシアン型の分布であり、
強度が略一定となる範囲は狭い。したがって、整形にお
いてレーザービームの多くの部分が捨て去られることに
なり、光源からのレーザーの利用効率が悪い。図16に
示した例では、光源からのレーザーの半分程度が利用さ
れるに過ぎない。
【0011】レーザービームの分割を回折素子によって
行うことも可能であり、これを利用すれば、分割を一度
に行うことができて、全体構成の小型化が容易になると
期待される。しかしながら、分割後に整形を行うレーザ
ー照射光学系で、分割のために回折素子を利用した例は
ない。これは、回折直後のレーザービームは重なり合っ
ており、この状態での各レーザービームの整形が困難で
あることと、回折後のレーザービームごとに進行方向が
異なり、整形のための条件と進行方向を揃えるための条
件の設定が難しいことによると推察される。
【0012】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、レーザービームを複数のレーザービームに
分割して整形し、整形後のレーザービームを射出する小
型のレーザー照射光学系を提供すること目的とし、さら
に、整形に際してのレーザーの損失の少ないレーザー照
射光学系を提供すること目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、入射する第1レーザービームを一度に
分割して、第1レーザービームのビーム幅と略等しいビ
ーム幅をもち互いに異なる方向に進む複数の第2レーザ
ービームとする分割手段と、各第2レーザービームを互
いに略同じ方向に進む収束ビームとする収束手段と、第
2レーザービームが互いに分離している光路において、
各第2レーザービームの光路に垂直な断面の強度分布を
変換する整形手段とで、レーザー照射光学系を構成す
る。
【0014】分割手段は、入射する第1レーザービーム
を複数の第2レーザービームに分割するが、その分割を
一度で行うため、レーザー照射光学系の全体構成は小型
になる。分割手段は、第1レーザービームを1方向のみ
に分割するものであっても、2方向に分割するものであ
ってもよい。分割によって得られる全ての第2レーザー
ビームのビーム幅は略等しい。分割手段が全ての第2レ
ーザービームの強度を略等しくすることも可能であり、
これにより、進行方向の違いを除いて、第2レーザービ
ームを全て等価にすることができる。
【0015】第2レーザービームは収束手段によって略
同じ方向に進むビームとされる。したがって、第2レー
ザービームを同一方向から照射対象面に照射することが
できる。しかも、収束手段は各第2レーザービームを収
束ビームとするものであり、対象面上での各第2レーザ
ービームのビーム幅をきわめて小さくすることも容易で
ある。
【0016】第2レーザビームは分割直後は重なり合っ
ているが、ある程度の距離を進むことにより、互いに分
離する。収束手段は第2レーザービームが重なり合って
いる光路上に配置してもよく、分離後の光路上に配置し
てもよい。前者の配置でも、第2レーザービームは、収
束手段によって収束ビームとされてビーム幅が狭くなる
から、互いに平行に進む間に確実に分離する。しかも、
その場合の分離位置は、収束手段がない場合よりも、分
割手段に近くなる。
【0017】各第2レーザービームは、整形手段によっ
て、その光路に垂直な断面の強度分布を変換される。す
なわち、整形手段は光路に対して垂直な方向についての
第2レーザービームの整形を行う。この整形は第2レー
ザービームが互いに分離している光路において行われる
ため、確実かつ容易に第2レーザービームを所望の形状
とすることができる。
【0018】第2レーザービームが重なり合っている位
置に収束手段を配置するときは、整形手段は収束手段を
経た後の第2レーザービームの光路に配置することにな
る。第2レーザービームが分離している位置に収束手段
を配置するときは、整形手段は収束手段に至る第2レー
ザービームの光路と、収束手段を経た後の第2レーザー
ビームの光路のどちらに配置することもできる。
【0019】上記のレーザー照射光学系において、分割
手段を回折により第1レーザービームを分割して第2レ
ーザービームとする素子とし、収束手段を分割手段の上
または近傍に焦点を有する素子として、第2レーザービ
ームが互いに分離する位置以前の光路に配置し、式1の
関係を満たすように設定するとよい。 f・{1−m・λ・f/(p・W)}≦Zd≦f・{1+m・λ・f/(p・W)} … 式1
【0020】ここで、λは第1および第2レーザビーム
の波長、fは収束手段の焦点距離、mは同一回折方向の
第2レーザービームの回折次数の差の絶対値の最小値、
Wはその回折方向の第1レーザービームのビーム幅、p
はその回折方向の分割手段の格子単位の配列周期、Zd
は第2レーザービームの進行方向を正としたときの収束
手段から整形手段までの距離である。
【0021】式1の左辺は、回折次数の差が最小の2本
の第2レーザビームが、収束手段によって収束ビームと
されて互いに分離する位置を表しており、この位置で全
ての第2レーザビームが分離した状態となる。式1の右
辺は、回折次数の差が最小の2本の第2レーザビーム
が、一旦収束した後に、発散ビームとなって再び重なり
合う位置を表しており、第2レーザービームの重なり合
いは全てこの位置以後で生じる。
【0022】したがって、収束手段に対する相対位置を
式1で規定される整形手段は、第2レーザービームが互
いに分離している光路に確実に位置することになる。回
折次数の差が最小の2本の第2レーザービームが互いに
分離する位置に収束手段を配置するときは、式1の左辺
は0になり、それよりも分割手段の近くに収束手段を配
置するときは、式1の左辺は正の値になる。
【0023】分割手段を回折により第1レーザービーム
を分割して第2レーザービームとする素子とし、収束手
段を分割手段の上または近傍に焦点を有する素子とし
て、第2レーザービームが互いに分離する位置以後の光
路に配置し、式2の関係を満たすように設定してもよ
い。 f・{p・W/(m・λ・f)−1}≦Zd≦f・{1+m・λ・f/(p・W)} … 式2
【0024】式2における各符号の定義は上記のとおり
である。式2の左辺は、回折次数の差が最小の2本の第
2レーザビームが、回折後の進路を保ったまま互いに分
離する位置を表しており、この位置で全ての第2レーザ
ビームが分離した状態となる。また、右辺は、回折次数
の差が最小の2本の第2レーザビームが、収束手段によ
って収束ビームとされて一旦収束した後に、発散ビーム
となって再び重なり合う位置を表しており、第2レーザ
ービームの重なり合いは全てこの位置以後で生じる。
【0025】したがって、収束手段に対する相対位置を
式2で規定される整形手段は、第2レーザービームが互
いに分離している光路に確実に位置する。回折次数の差
が最小の2本の第2レーザービームが互いに分離する位
置以後に収束手段が配置されている条件下では、式2の
左辺は、0以上の値だけでなく負の値もとり得る。Zd
が負であるということは、整形手段を分割手段と収束手
段の間に配置することを意味する。
【0026】分割手段である回折素子は、第1レーザー
ビームを1方向に分割する場合は、1次元の回折を生じ
させる素子とし、2方向に分割する場合は、2次元の回
折を生じさせる素子とする。2次元に回折させる場合、
2つの回折方向それぞれについて、式1または式2が成
り立つようにする。
【0027】収束手段と整形手段は一体化された単一の
素子とすることができる。このような素子は、収束手段
と整形手段とを近接させるとき、すなわち、式1の左辺
を略0としてZdをこれに略等しくするときや、式2の
Zdを略0とするときに有用である。
【0028】整形手段は第2レーザービームの強度分布
を変換する複数の部位を有する単一の素子とすることが
できる。このようにすると、分割手段や収束手段に対す
る整形手段の位置合わせが容易になる。
【0029】整形手段を回折により第2レーザービーム
の強度分布を変換する素子とすることも可能である。回
折素子による強度分布の変換は自由度が大きく、回折格
子の設定次第で第2レーザービームを所望の形状にする
ことが容易になる。また、入射するレーザービームの一
部を捨てるのではなく、全ての部位を変換に用いること
ができるから、レーザーの利用効率が高くなる。整形手
段として用いる回折素子は、微小な面が段階的に異なる
高さに設けられたバイナリ型のものでもよく、なだらか
に連なる面が設けられた自由曲面型のものでもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明のレーザー照射光学
系の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に、第1の実施形態のレーザー照射光学系1の概略
構成を示す。レーザー照射光学系1は、レーザー光源1
1、ビームエキスパンダ12、第1の回折光学素子(D
OE)13、レンズ14、および第2のDOE15より
成る。DOE13、レンズ14、およびDOE15はそ
れぞれ、分割手段、収束手段、および整形手段である。
【0031】ビームエキスパンダ12はその光軸がレン
ズ14の光軸Axに一致するように配置されており、D
OE13、15は光軸Axに対して垂直に配置されてい
る。また、レーザー光源11は、射出するレーザービー
ムL1の中心が光軸Axに一致するように設定されてい
る。
【0032】レーザー光源11としてはどのようなもの
を用いてもよいが、照射するレーザビームを物体表面の
加工に利用する場合は、高強度のレーザーを発するも
の、例えばYAGレーザー、炭酸ガスレーザー等が好ま
しい。光源11はレーザービームL1を平行ビームとし
て射出するように設定しておくが、レーザービームL1
の強度分布はガウシアン型のままでかまわない。ビーム
エキスパンダ12は、光源11から射出されるレーザー
ビームL1のビーム幅を広げる。ビームエキスパンダ1
2は、ビーム幅を広げること以外に、レーザービームL
1の強度分布に大きな変化をもたらさない。
【0033】第1のDOE13は、ビームエキスパンダ
12によってビーム幅を広げられた第1レーザービーム
L1を回折させて、複数の第2レーザービームL2に分
割する。図1では、レーザービームL1を4本のレーザ
ービームL2とする例を示している。回折によって生成
するレーザービームL2のビーム幅はレーザービームL
1のビーム幅と略等しく、その進行方向は回折次数によ
って異なる。
【0034】レンズ14は正のパワーを有しており、そ
の前側の焦点はDOE13上に位置する。したがって、
DOE13からの全てのレーザービームL2は、レンズ
14によって、同一方向に進むビームとされ、また、各
レーザービームL2は、レンズ14の後側の焦平面fp
上に収束する収束ビームとされる。レンズ14は、DO
E13からのレーザービームL2が重なり合っている光
路に配置されている。
【0035】なお、全ての光学素子には厚さがあるが、
ここでは、レンズ14のようなパワーを有する素子につ
いては主点を、DOE13およびDOE15のような回
折素子については回折面を、素子の位置や素子間の距離
の基準とする。
【0036】レンズ14に入射するレーザービームL2
は他のレーザービームL2と重なり合っているが、各レ
ーザービームL2は、レンズ14によって収束ビームと
されるため、レンズ14を透過した後、互いに分離す
る。しかも、その分離位置は、レンズ14が存在しない
ときの分離位置よりも、DOE13に近くなる。
【0037】第2のDOE15は、レーザービームL2
が互いに分離する位置以後の光路に配置されている。D
OE15は、各レーザービームL2の光路に垂直な断面
の強度分布を変換して、ガウシアン型から所定の分布、
例えば輪郭が矩形で強度が均一な分布とする。これによ
り、光路に対して垂直な方向についてのレーザービーム
L2の整形がなされる。レーザー照射光学系1は、DO
E15によって整形されたレーザービームL2を照射対
象面Sに照射する。
【0038】DOE15からのレーザービームL2はレ
ンズ14の焦平面fpに収束する。したがって、この焦
平面fpの近傍を照射対象面Sとすれば、照射対象面S
上でのレーザービームを所定の強度分布としつつ、その
ビーム幅をごく小さくすることができる。
【0039】レーザービームL1を複数のレーザービー
ムL2に分割するDOE13は、平坦な表面にn回のレ
リーフ処理を施すことによって作製された、2nのレベ
ル(高さ)の平面をもつバイナリ型の回折素子である。
DOE13は、受光領域(以下、セルという)内に、2
次元に周期的に配列された格子単位(以下、サブセルと
いう)を有しており、サブセルの大きさすなわち配列周
期と、サブセルを構成する微小な単位平面(以下、ピク
セルという)のレベルの設定次第で、回折条件が定ま
る。
【0040】DOE13の回折条件はレーザー照射光学
系1の用途に応じて定めればよく、レーザービームL1
を1次元に回折させてレーザービームL2を1列として
もよいし、レーザービームL1を2次元に回折させてレ
ーザービームL2を複数列としてもよい。また、同一回
折方向の隣合うレーザービームL2の回折次数の差を一
定とすることも、隣合うレーザービームL2の回折次数
の差が異なるようにすることも可能である。各レーザー
ビームL2の相対強度は自由に設定することができる
が、ここでは、全てのレーザービームL2の強度を等し
くする。
【0041】サブセル内の各ピクセルのレベルは、どの
次数の回折ビームをレーザービームL2として取り出す
かに応じて設定するが、例えば、非線形最適化アルゴリ
ズムによる演算で算出することができる。
【0042】DOE13の1つのサブセル内のピクセル
のレベル分布の例を図6に示す。この例は、レーザービ
ームL1を1次元に回折させて、回折次数が−3、−
1、+1、+3の4本のレーザービームL2に分割する
場合である。ここでは、サブセル13cを正方形、レベ
ルを4段階とし、サブセル13cを縦32、横32のピ
クセル13pに分割して、各ピクセル13pのレベルを
算出した。1次元の回折であるため、ピクセル13pは
1方向に延びる平行な帯状の配列となっている。
【0043】図6のサブセル13cの回折方向(図の左
右方向)に沿った断面を図7に示す。レーザービームL
1の波長をλ、波長λに対するDOE13の基板の屈折
率をn1とすると、隣合うレベル間の差hはλ/{4・
(n1−1)}、最高レベルと最低レベルの差は3・hと
なる。回折方向のサブセル13cの大きさすなわち配列
ピッチをPで表すと、中央に、レベル2・h、幅4・P/
32(ピクセル13pの4つ分に相当)の帯、その両側
に、レベル1・h幅、6・P/32の帯、その外側に、レ
ベル3・h、幅6・P/32の帯、さらにその外側に、レ
ベル0・h、幅2・P/32の帯が存在している。
【0044】このような設定で、上記の回折次数の4本
のレーザービームL2を略等しい強度で、かつ効率よく
得ることができる。4本のレーザービームL2の均一度
(最高強度と最低強度の差を両強度の和で除した値)は
3.4%、DOE13の回折効率(レーザービームL2
の強度の総和をレーザービームL1の強度で除した値)
は83.5%となった。分割後のレーザービームL2の
強度分布は、ビームエキスパンダ12からのレーザービ
ームL1の強度分布とほとんど同じであり、ガウシアン
型となる。レーザービームL2の強度分布を図12に示
す。
【0045】なお、回折格子の形成の誤差により全ての
レベルが系統的に計算値からずれると、その影響は回折
次数0のレーザービームの強度に集中して現れる。した
がって、回折次数0のレーザービームの強度は格子形成
の精度に大きく左右される。ここに示した例のように、
0次以外の回折次数のレーザービームL2を取り出すよ
うにすると、たとえ回折格子の形成に系統的誤差が生じ
たとしても、レーザービームL2にその大きな影響が及
ぶのを避けることが可能になる。このような回折次数の
設定は、レーザービームL2間の均一度を高めるために
特に好ましいといえる。
【0046】レーザービームL2を整形するDOE15
は、なだらかに連なる曲面を有する自由曲面型の回折素
子である。DOE15によるレーザービームL2の回折
条件はセルの曲面の形状で定まり、各レーザービームL
2の光路に垂直な断面の輪郭と、その断面での強度分布
をどのようにするかに応じて設定する。
【0047】実際には、所望の強度分布とするためのレ
ーザービームL2に対するセルの位相関数を求め、これ
から、波長とDOE15の基板の屈折率を考慮して、セ
ルの形状関数を定める。位相関数は、例えば次数の異な
る複数項の線形結合で表され、各項の係数は、非線形最
適化アルゴリズムによる演算で算出することができる。
【0048】DOE15のセルの位相関数の例を式3に
示し、対応するセルの形状を図8に示す。この例は、上
記の4本のレーザービームL2に対する各セル15cを
1辺が2mmの正方形とし、レーザービームL2それぞ
れを、断面の輪郭が矩形で強度が均一なビームとする場
合である。 φ(x,y)=2π/λ・{C1・(x2+y2)+C2・(x4+y4) +C3・(x6+y6)+C4・(x8+y8) +C5・(x10+y10)} … 式3
【0049】ここで、xおよびyはセル15cの中心を
原点とするmm単位の座標であり、λはレーザービーム
L2の波長である。係数C1〜C5は、C1=−2.27
4×10-3(mm-1)、C2=1.896×10-3(m
-3)、C3=−6.718×10-4(mm-5)、C4=
−4.352×10-5(mm-7)、C5=−4.173
×10-5(mm-9)である。右辺の中括弧内は長さの次
元をもつ。
【0050】図8は、位相関数φ(x,y)に式4の処
理を施して得られる形状関数Z(x,y)が表す面を示
したものである。 Z(x,y)=φ(x,y)・λ/{2π・(n2−1)} … 式4 ここで、n2は波長λに対するDOE15の基板の屈折
率である。この設定では、各セル15cはセル内全体に
わたって連なる単一の曲面を有することになる。
【0051】位相関数φ(x,y)に式5の規格化処理
を施して得られる関数Z'(x,y)が表す面を図9に
示す。 Z'(x,y)=modulo{φ(x,y)、2π}・λ/{2π・(n2−1)} … 式5 ここで、moduloは第2変数を法とする第1変数の剰余で
あり、Z'(x,y)はZ(x,y)と等価である。こ
の設定では、各セル15cは2πすなわち位相の1周期
ごとに同レベルとされた複数の曲面を有することにな
り、DOE15の厚さの増大が避けられて、作製が容易
になる。
【0052】DOE15を自由曲面型とすることに代え
て、バイナリ型としてもよい。式5の関数Z'(x,
y)から得られるバイナリ型の回折格子の例を図10に
示す。ここでは、各セル15cを縦64、横64の単位
平面(以下、サブセル内の単位平面と同様に、ピクセル
という)15pに分割し、レベルを16段階として、各
ピクセル15pの中心の関数値を求め、その値に最も近
いレベルをそのピクセルのレベルとしている。
【0053】また、一定の大きさのピクセルをもたない
バイナリ型の回折素子とすることもできる。式5の関数
Z'(x,y)からこのような回折素子を得る方法を図
11に示す。これは、レベルを等間隔の8段階とし、関
数値が1つのレベル以上次のレベル未満となる範囲を同
一の平面とする例である。
【0054】なお、バイナリ型の回折素子は、半導体技
術で用いられるフォトリソグラフィにより、容易に作製
することができる。また、電子線描画による加工で作製
することも可能である。これらの方法で表面にレリーフ
処理をした原板から金型を作製し、その金型からレリー
フを透明な樹脂材料に転写すれば、回折格子を効率よく
量産することができる。
【0055】式4、式5の形状関数に従って作製したD
OE15によって整形した後の各レーザービームL2の
強度分布を、図13に示す。DOE13による分割後の
各レーザービームL2が、図12に示したようにガウシ
アン型の強度分布であったのに対し、整形後の各レーザ
ービームL2は、照射対象面Sにおいて、輪郭が矩形
で、中央から周辺部まで略均一な強度分布を有してい
る。対象面S上でのレーザービームL2のビーム幅は略
120μmである。レーザービームL2の強度の積分値
は整形の前後で略同じであり、整形は効率よく行われ
る。
【0056】DOE15に入射するレーザービームL2
に重なり合いがあると、所望の強度分布に変換するため
のDOE15の回折格子の設計が難しくなる。このた
め、DOE15は、レーザービームL2が全て分離して
いる光路に配置することが望ましい。
【0057】以下、レーザービームL2を整形するDO
E15の位置について説明する。DOE15の位置に関
与する諸因子を λ:レーザービームL1、L2の波長 f:レンズ14の焦点距離、 W:レーザービームL2の回折方向のレーザービームL
1のビーム幅、 p:レーザービームL2の回折方向のDOE13の格子
単位の配列周期、 と定める。
【0058】レーザービームL1を分割するDOE13
は、sin(θ)=θの関係(θはラジアン単位で表し
た回折角)が成り立つ近軸の範囲内で回折を生じさせる
ように設定されている。したがって、回折次数kのレー
ザービームL2の回折角θkは式6となり、レンズ14
の位置におけるそのビームの中心の光軸Axからの距離
dkは式7となる。 θk=k・λ/p … 式6 dk=f・θk =f・k・λ/p … 式7
【0059】レーザービームL2のうち隣合う2本をレ
ーザービームLa、Lbとし、それらの回折次数をそれぞ
れka、kbとすると、レンズ14の位置におけるレーザ
ービームLa、Lbの中心間距離Δdは Δd=|ka−kb|・f・λ/p … 式8 となる。また、レンズ14の位置における全てのレーザ
ービームL2の回折方向のビーム幅はWである。
【0060】レンズ14により収束ビームとされたレー
ザービームLa、Lbのビーム幅は小さくなっていき、ビ
ーム幅が中心間距離Δdになる位置でレーザービームL
a、Lbは互いに分離する。この位置は、レンズ14の後
側の焦平面fpからf・Δd/Wの距離である。したがっ
て、レーザービームLa、Lbはレンズ14から式9の距
離Zabだけ進んだ位置で分離する。 Zab=f・(1−Δd/W) =f・{1−|ka−kb|・f・λ/(p・W)} … 式9
【0061】レーザービームL2の回折次数の差を必ず
しも一定にする必要はない。回折次数の差が異なれば、
レンズ14の位置におけるレーザービームL2の隣合う
ものの中心間距離は異なり、回折次数の差の最も小さい
2本が、レンズ14から最も離れた位置で、最後に分離
することになる。この位置Z1は、レーザービームL2
の回折次数の差の絶対値の最小値をmとすると、 Z1=f・{1−m・f・λ/(p・W)} … 式10 となる。
【0062】レンズ14によって収束ビームとされたレ
ーザービームL2は、レンズ14の後側の焦平面fpに
収束した後は拡散ビームとなり、再び互いに重なり合
う。重なり合いが始まる位置Z2は、レンズ14の焦平
面fpに関して、分離が完了する位置と対称であり、 Z2=f・{1+m・f・λ/(p・W)} … 式11 である。
【0063】結局、レーザービームL2は、Z1以上Z
2以下の範囲内で互いに分離した状態となる。したがっ
て、本実施形態のレーザー照射光学系1においては、収
束手段であるレンズ14に対する整形手段であるDOE
15の位置Zdを f・{1−m・λ・f/(p・W)}≦Zd≦f・{1+m・λ・f/(p・W)} … 式1(再掲) の範囲に限定している。なお、式1の左辺は0以上の値
であり、左辺が0になるのは、レーザービームL2がレ
ンズ14の位置で分離する場合である。
【0064】このような設定により、レーザー照射光学
系1は、射出するレーザービームL2を確実かつ容易に
所望の形状とすることができる。DOE15の位置Zd
は式1の範囲内であればどこに設定してもよいが、レン
ズ14に近づけるほど好ましい。全体構成が小型になる
上、レーザービームL2の断面が広い状態で強度分布の
変換を行うことになって、DOE15の回折格子の設計
が容易になるとともに、変換効率を高くすることができ
るからである。
【0065】なお、DOE13によってレーザービーム
L1を2次元に回折させる場合は、レーザービームL2
のそれぞれの回折方向について式1が成り立つようにす
る。
【0066】具体的な数値例を示す。光源11としてY
AGレーザーを用い、レーザービームL1の波長λを5
32nmとする。また、レンズ14の焦点距離fを10
0mmとし、回折次数−3、−1、+1、+3の前述の
4本のレーザービームL2を、2mmの等間隔で射出す
るものとする。
【0067】このとき、レーザービームL2の回折次数
の差の絶対値の最小値mは2であり、レーザービームL
2の間隔を上記の値とするためのDOE13のサブセル
の配列周期pは、53.2μmとなる。また、ビームエ
キスパンダ12からDOE13に入射するレーザービー
ムL1のビーム幅Wを5mmとすると、式1は、 60(mm)≦Zd≦140(mm) … 式12 となる。
【0068】第2の実施形態のレーザー照射光学系2の
概略構成を図2に示す。このレーザー照射光学系2は、
上記のレーザー照射光学系1のレンズ14に代えて、第
3のDOE16を収束手段として備えたものである。他
の構成要素はレーザー照射光学系1のものと同じであ
り、重複する説明は省略する。
【0069】DOE16は正のパワーを有しており、前
側の焦点がDOE13上に位置する。DOE16は、D
OE13からのレーザービームL2が重なり合っている
光路に配置されており、DOE16に対するDOE15
の位置Zdは、前述の式1を満たすように設定されてい
る。
【0070】DOE16のようにパワーを有する回折素
子は、レリーフ処理によって作製することができるし、
ホログラム露光によって作製することもできる。収束手
段として回折素子を用いたレーザー照射光学系2では、
レーザービームL2の収差が抑えられ、照射対象面Sに
おいて各レーザービームL2を一層均等にすることがで
きる。
【0071】第3の実施形態のレーザー照射光学系3の
概略構成を図3に示す。このレーザー照射光学系3は、
第1のレーザー照射光学系1のレンズ14をDOE13
からのレーザービームL2が互いに分離する位置以後の
光路に配置するとともに、開口17aを有する遮光板1
7と縮小光学系18を備えたものである。
【0072】レンズ14の前側の焦点はレーザービーム
L1を分割するDOE13上に位置する。DOE13に
より分割されたレーザービームL2は、互いに分離した
状態でレンズ14に入射し、同一方向に進みレンズ14
の後側の焦平面fpに収束する収束ビームとされる。レ
ーザービームL2を整形するDOE15は、レンズ14
と焦平面fpの間に配置されている。
【0073】遮光板17はレンズ14の焦平面fpの近
傍に配置されており、その開口17aは、レーザービー
ムL2を受ける位置に設けられている。遮光板17は、
DOE15によって整形された各レーザービームL2の
周辺の部分を遮断して、レーザービームL2の断面の輪
郭を一層明確にするためのものである。
【0074】DOE15によってレーザービームL2の
光路に垂直な断面の強度分布を均一にした場合の、遮光
板17の開口17aによる整形の様子を図14に模式的
に示す。DOE15による整形でレーザービームL2は
なだらかに変化する部分がほとんどない強度分布となっ
ており、遮光板17でさらに整形しても失われる光はご
く僅かである。図16に示したガウシアン型の分布のま
まで遮光板77により整形する従来の光学系と比べて、
レーザー照射光学系3におけるレーザーの利用効率は大
幅に向上する。
【0075】縮小光学系18はその光軸がレンズ14の
光軸Axに一致するように配置されている。遮光板17
の開口17aを通過したレーザービームL2は、縮小光
学系18によってビーム幅と相互の間隔を狭められて、
照射対象面Sに照射される。
【0076】レーザー照射装置3では、レーザービーム
L2が重なり合っている光路にレンズ14やDOE16
が配置されているレーザー照射装置1、2に比べて、レ
ンズ14を経た後のレーザービームL2の間隔が広が
る。しかし、縮小光学系18を備えたことにより、射出
するレーザービームL2の間隔をレーザー照射装置1、
2と同程度にすることができる。
【0077】レーザービームL2の間隔を狭める必要が
ないときは、縮小光学系18は不要である。また、DO
E15でレーザービームL2の整形が十分になされるか
ら、強度分布の均一度を特に高めたり断面の輪郭を特に
明確にしたりする場合を除き、遮光板17も必ずしも備
える必要はない。遮光板17と縮小光学系18を省略す
る場合、DOE15は、レーザービームL2が発散光と
なって再び重なり合う位置までの光路のどこかに配置す
ればよい。
【0078】本実施形態のように、DOE13からのレ
ーザービームL2が分離する位置以後の光路にレンズ1
4を配置する場合でも、レーザービームL2が再び重な
り合い始める位置Z2は前述の式11のとおりである。
したがって、レンズ14に対するDOE15の位置Zd
は、式13を満たせばよい。 0≦Zd≦f・{1+m・f・λ/(p・W)} … 式13
【0079】第4の実施形態のレーザー照射光学系4の
概略構成を図4に示す。このレーザー照射光学系4は、
収束手段を段差のあるプリズム状のレンズ19とし、整
形手段であるDOE15とレンズ19とを一体の素子と
したものである。他の構成要素は上記のレーザー照射光
学系3のものと同様である。
【0080】レンズ19の前側の焦点はレーザービーム
L1を分割するDOE13上に位置し、レンズ19自体
はDOE13からのレーザービームL2が互いに分離す
る位置以後の光路に配置されている。レンズ19に対す
るDOE15の位置Zdは式13を満たしており、DO
E15とレンズ19が一体となっているから、Zd=0
にきわめて近い状態である。
【0081】一体の素子であるDOE15とレンズ19
は、それぞれに対応する2つの金型を用いる樹脂成型で
容易に作製することが可能であり、製造効率に優れてい
る。
【0082】第5の実施形態のレーザー照射光学系5の
概略構成を図5に示す。このレーザー照射光学系5は、
第3の実施形態のレーザー照射光学系3のDOE15
を、DOE13とレンズ14の間に配置したものであ
る。ただし、DOE15は、DOE13からのレーザー
ビームL2が互いに分離する位置以後に配置されてい
る。
【0083】レーザー照射光学系5におけるDOE15
の位置について説明する。以下の説明で用いる符号λ、
W、p、fの意味は、第1の実施形態で定めたとおりで
ある。
【0084】レーザービームL2のうちの隣合う2本を
レーザービームLa、Lbとし、それらの回折次数をそれ
ぞれka、kbとすると、レンズ14の位置におけるレー
ザービームLa、Lbの中心間距離Δdは、前述の式8の
ようになる。また、DOE13からレンズ14までの光
路における全てのレーザービームL2の光軸Axに対し
て垂直な方向の幅は、近軸の回折条件下では、回折方向
についてのレーザービームL1のビーム幅Wとなる。
【0085】DOE13からのレーザービームLa、Lb
は、光軸Axに垂直な方向の幅Wを保ったまま、重なり
合いを減じていき、中心間距離が幅Wになる位置で分離
する。この位置はDOE13からf・W/Δdの距離で
あり、レンズ14を基準に表せば、レーザービームL
a、Lbが分離する位置Zabは Zab=f・W/Δd−f =f・{p・W/(|ka−kb|・f・λ)−1} … 式14 となる。
【0086】レーザービームL2の回折次数の差が一定
でないとき、回折次数の差の最も小さいものが、レンズ
14に最も近寄った位置で、最後に分離する。この位置
Z0は、レーザービームL2の回折次数の差の絶対値の
最小値をmとすると、 Z0=f・{p・W/(m・f・λ)−1} … 式15 となる。
【0087】したがって、本実施形態のレーザー照射光
学系5においては、レンズ14に対するDOE15の位
置Zdを f・{p・W/(m・λ・f)−1}≦Zd≦0 … 式16 の範囲に限定している。なお、この式の左辺は0以下の
値であり、左辺が0になるのは、レーザービームL2が
レンズ14の位置で分離する場合である。
【0088】DOE13からのレーザービームL2が分
離する位置以後にレンズ14を配置する場合、レンズ1
4に対するDOE15の位置Zdは、式13または式1
6を満たせばよいことになり、結局、式2で規定され
る。 f・{p・W/(m・λ・f)−1}≦Zd≦f・{1+m・λ・f/(p・W)} … 式2(再掲)
【0089】上記各実施形態のレーザー照射光学系1〜
5では、回折によりレーザービームL1を分割し、した
がって分割直後のレーザービームL2に重なり合いが生
じる構成でありながら、レーザービームL2が分離する
光路範囲を考慮してその範囲内に整形のためのDOE1
5を配置しているため、DOE15の回折条件は単一の
ビームに対して設定すればよい。このため、DOE15
の回折条件設定の自由度は高く、用途に応じた強度分布
を容易に現出することができる。
【0090】
【発明の効果】本発明のレーザー照射光学系は、レーザ
ービームの分割を一度に行うため、小型となり、また、
構成要素の数が減少して、構成要素相互の位置合わせが
容易になる。しかも、分割後のレーザービームを分割前
のレーザービームと略同じビーム幅としながらも、それ
らが分離している状態で整形を行うため、分割後の各レ
ーザービームを確実かつ容易に所望の形状とすることが
できる。さらに、分割後のレーザービームを同一方向に
進む収束ビームとするため、照射対象面に同一方向から
照射することが可能であり、各レーザービームの照射範
囲を微小にすることも容易である。分割後のレーザービ
ームを収束ビームとすることでそれらの分離を促進する
こともでき、これにより、全体構成が一層小型になる。
【0091】分割手段を回折により第1レーザービーム
を分割して第2レーザービームとする素子とし、収束手
段を分割手段の上または近傍に焦点を有する素子として
式1または式2の関係を満たすように配置する構成で
は、分割後のレーザービームを等価にすることが容易で
あり、また、分割後のレーザービームが互いに分離して
いる状態で整形を行うことが確実にできて、整形もきわ
めて容易になる。
【0092】収束手段と整形手段を一体化された単一の
素子とすると、相互の位置合わせが不要になって調整が
容易になる上、全体構成が一層小型になる。
【0093】整形手段を第2レーザービームの強度分布
を変換する複数の部位を有する単一の素子とすると、分
割手段や収束手段に対する整形手段の位置の調整が容易
になる。
【0094】整形手段を回折により第2レーザービーム
の強度分布を変換する素子とすると、整形の自由度が大
きくなって、照射するレーザービームを所望の形状にす
ることが容易になる。また、整形によるレーザーの損失
が抑えられ、効率のよいレーザー照射光学系となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態のレーザー照射光学系の概略
構成を示す図。
【図2】 第2の実施形態のレーザー照射光学系の概略
構成を示す図。
【図3】 第3の実施形態のレーザー照射光学系の概略
構成を示す図。
【図4】 第4の実施形態のレーザー照射光学系の概略
構成を示す図。
【図5】 第5の実施形態のレーザー照射光学系の概略
構成を示す図。
【図6】 各実施形態のレーザー照射光学系における分
割用のバイナリ型回折素子の格子単位内のレベル分布の
例を示す平面図。
【図7】 図6の格子単位の回折方向に沿った断面図。
【図8】 各実施形態のレーザー照射光学系における整
形用の自由曲面の例を示す斜視図。
【図9】 図8の曲面と等価な整形用の自由曲面型回折
素子の曲面を示す斜視図。
【図10】 図8の曲面と略等価な整形用のバイナリ型
回折素子のレベル分布を示す平面図。
【図11】 図8の曲面と略等価な整形用のバイナリ型
回折素子のレベルの別の設定を示す断面図。
【図12】 各実施形態のレーザ照射光学系における分
割後のレーザービームの強度分布を示す斜視図。
【図13】 各実施形態のレーザ照射光学系における整
形後のレーザービームの強度分布の例を示す斜視図。
【図14】 第3ないし第5の実施形態のレーザ照射光
学系における整形後のレーザービームの開口による再整
形の様子を示す断面図。
【図15】 従来のレーザー照射光学系の概略構成を示
す図。
【図16】 従来のレーザー照射光学系におけるレーザ
ービームの開口による整形の様子を示す断面図。
【符号の説明】
1、2、3、4、5 レーザー照射光学系 11 レーザー光源 12 ビームエキスパンダ 13 DOE(分割手段) 14 レンズ(収束手段) 15 DOE(整形手段) 16 DOE(収束手段) 17 遮光板 17a 開口 18 縮小光学系 19 レンズ(収束手段) L1 第1レーザービーム L2 第2レーザービーム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射する第1レーザービームを一度に分
    割して、第1レーザービームのビーム幅と略等しいビー
    ム幅をもち互いに異なる方向に進む複数の第2レーザー
    ビームとする分割手段と、 各第2レーザービームを互いに略同じ方向に進む収束ビ
    ームとする収束手段と、 第2レーザービームが互いに分離している光路におい
    て、各第2レーザービームの光路に垂直な断面の強度分
    布を変換する整形手段とを備えることを特徴とするレー
    ザー照射光学系。
  2. 【請求項2】 分割手段は回折により第1レーザービー
    ムを分割して第2レーザービームとする素子であり、 収束手段は分割手段の上または近傍に焦点を有する素子
    であって、第2レーザービームが互いに分離する位置以
    前の光路に配置されており、 第1および第2レーザビームの波長をλ、 収束手段の焦点距離をf、 同一回折方向の第2レーザービームの回折次数の差の絶
    対値の最小値をm、 前記回折方向の第1レーザービームのビーム幅をW、 前記回折方向の分割手段の格子単位の配列周期をp、 第2レーザービームの進行方向を正として収束手段から
    整形手段までの距離をZdで表すとき、 f・{1−m・λ・f/(p・W)}≦Zd≦f・{1+m・
    λ・f/(p・W)} の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のレー
    ザー照射光学系。
  3. 【請求項3】 分割手段は回折により第1レーザービー
    ムを分割して第2レーザービームとする素子であり、 収束手段は分割手段の上または近傍に焦点を有する素子
    であって、第2レーザービームが互いに分離する位置以
    後の光路に配置されており、 第1および第2レーザビームの波長をλ、 収束手段の焦点距離をf、 同一回折方向の第2レーザービームの回折次数の差の絶
    対値の最小値をm、 前記回折方向の第1レーザービームのビーム幅をW、 前記回折方向の分割手段の格子単位の配列周期をp、 第2レーザービームの進行方向を正として収束手段から
    整形手段までの距離をZdで表すとき、 f・{p・W/(m・λ・f)−1}≦Zd≦f・{1+m・
    λ・f/(p・W)} の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のレー
    ザー照射光学系。
  4. 【請求項4】 収束手段と整形手段は一体化された単一
    の素子であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ
    ー照射光学系。
  5. 【請求項5】 整形手段は第2レーザービームの強度分
    布を変換する複数の部位を有する単一の素子であること
    を特徴とする請求項1に記載のレーザー照射光学系。
  6. 【請求項6】 整形手段は回折により第2レーザービー
    ムの強度分布を変換する素子であることを特徴とする請
    求項1に記載のレーザー照射光学系。
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