JP2001039882A - 糖尿病の予防・治療製剤および該製剤を用いた糖尿病の予防・治療方法 - Google Patents
糖尿病の予防・治療製剤および該製剤を用いた糖尿病の予防・治療方法Info
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Abstract
副作用の少ない生薬を開発する。 【解決手段】生薬としての旋覆花・人参あるいは蒼朮の
抽出エキス(各エキスに含有される活性を有する化合物
類をも含む)のうち少なくとも1種を含有する製剤、お
よび該製剤を用いて糖尿病の治療・予防をする。 これ
により製剤として糖尿病の予防および治療に、また上記
製剤を用いた糖尿病の予防・治療方法として画期的な効
果をもたらす。
Description
花あるいは人参あるいは蒼朮抽出エキス、およびそれら
に含まれる化合物を主剤又は助剤とした糖尿病の画期的
な予防・治療剤および予防・治療方法に関する。
になる病気で、末梢神経障害等を併発する代表的な成人
病の一つであり、病気の形態としてはインスリン依存型
の1型とインスリン非依存型の2型とが存在する。 イ
ンスリンは膵臓のランゲルハンス島から分泌されるホル
モンの一種であり、血液中の血糖値を降下させる作用を
有し、これによって血糖値を良好にコントロールしてい
る。 インスリンに依存する上記1型の糖尿病患者は、
膵臓のランゲルハンス島が破壊されることにより血中へ
のインスリン分泌ができなくなるために起こる疾患と考
えられている。
してはインスリンがあり、これは一般的には静脈内注射
で使用される。 またこのほかに経口糖尿病薬として
も、1)膵臓を刺激してインスリンの分泌を促す作用を
有するスルホニル尿素剤、2)腸からのブドウ糖の吸収
を抑制したり、また肝臓が血液中にブドウ糖を送り出す
のを抑えたりする作用を有するビグアナイド剤、3)糖
質分解酵素α−グルコシダーゼの働きを抑制し、炭水化
物の消化を遅らせるα−グルコシダーゼ阻害剤、4)ブ
ドウ糖が細胞に採り込まれ易くする作用を有するインス
リン抵抗性改善薬などが知られている。 そしてこれら
の薬剤は、糖尿病の型により適宜選択され、単独あるい
は併用により使用されている。
は食物の豊富な時代環境に伴う現代病ともいわれる難治
性の疾患であり、上記したインスリンを主体とした改善
薬、および各種の経口糖尿病薬をもってしても、十分な
効果をみることができず、その予防・治療に使用できる
製剤の開発が望まれていた。特に経口で有効な製剤の開
発が望まれていた。
薬系を中心に鋭意研究を重ねた結果、生薬としての旋覆
花及び人参及び蒼朮からの抽出エキスが糖尿病の予防・
治療に有効であること、また特に、経口投与により糖尿
病の予防・治療に有効であることを初めて明らかとして
本発明を完成するに至った。
の旋覆花あるいは人参あるいは蒼朮の抽出エキスのうち
少なくとも1種を含有する糖尿病の予防・治療用製剤に
関する。 また請求項2の発明は、糖尿病予防および治
療用製剤が健康食品であるところの請求項1記載の糖尿
病の予防・治療製剤に関する。 さらに請求項3の発明
は、糖尿病予防および治療用製剤が医薬品であるところ
の請求項1記載の糖尿病の予防および治療製剤に関す
る。 さらに請求項4の発明は、生薬としての旋覆花あ
るいは人参あるいは蒼朮の抽出エキスのうち少なくとも
1種を含有する糖尿病の予防・治療用製剤を用いた糖尿
病の予防あるいは治療方法に関する。
容を説明すると、本発明は、糖尿病の予防・治療方法な
らびに糖尿病予防・治療用製剤として、生薬としての旋
覆花あるいは人参あるいは蒼朮の抽出エキス(各エキス
に含有される活性を有する化合物類をも含む)のうち少
なくとも1種を含有することを特徴とするものである。
さらにここでいう糖尿病の予防・治療用製剤としての
旋覆花あるいは人参あるいは蒼朮の抽出エキスは、いず
れも漢方の分野における生薬としてのものを意味し、旋
覆花および人参(朝鮮人参)、蒼朮は、抽出エキスの形
態で利用される。
参)および蒼朮の抽出エキスには、各エキスに含有され
る活性を有する化合物類をも含むものとする。 生薬か
らのエキス抽出は、適当な抽出溶媒を用いて行なえる
が、湯煎やエタノール抽出方法、クロマトグラフィー法
等を用いることができる。 この場合、抽出液の塩濃度
やpHを変化させることにより、より一層効率的にエキ
スの抽出をおこなうことができる。
あるいは健康食品の用途があげられ、また投与経路とし
ては、ドリンク剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、
シロップ剤などによる経口投与、坐剤などによる非経口
投与、注射剤による静脈投与や皮下投与、軟膏剤による
経皮投与があげられる。 また一般的に使用される賦形
剤、結合剤、崩壊剤、湿潤剤を用いて錠剤等の成形をお
こなうこともできる。さらにこれらに対し、適当なコー
ティングを施すこともできる。
剤では、一般的に使用されるレシチン等の乳化剤やメチ
ルセルロース等の懸濁化剤、保存剤を用いて調製するこ
とができる。 さらに製剤の投与量は、投与形態、患者
の症状や年齢、性別、体重、使用される化合物によって
異なるが、経口投与の場合、成人で1日あたり0.1μ
g〜50gを1〜3回に分けて投与でき、また、より好
ましくは、0.1mg〜5gを1〜3回に分けて投与す
ることもできる。 またこれらの抽出エキスの投与量に
ついては、そのいずれのものについても、微量であって
も投与の継続期間がある程度長ければ効果がみられる。
の評価 旋覆花エキスの調製 旋覆花100gをフラスコに入れ、これに蒸留水を加え
た。 これを加熱し、60分間沸騰させた後、室温にて
2時間放置した。 放置後、濾過、遠心分離により上清
を分離し、これを凍結乾燥させて旋覆花エキス23.9
gを調製し、抗糖尿病作用の評価に使用した。
価 C57BL/KsJマウス(雄、7週齢)に対して旋覆
花エキスを経口投与(500mg/kg/day)また
は腹腔内投与(250mg/kg/day)を28日間
行った。 さらに旋覆花エキス投与1週間後からStrept
ozotocin( シグマ社製)を1日1回5日間腹腔内投与
(40mg/kg/day)をおこなった。
ン包埋による膵臓ランゲルハウス島組織標本を作成し、
ヘマトキシリン及び aldehyde-fuchsin染色をおこなっ
た。 リンパ球系細胞の全く見られない正常膵臓ランゲ
ルハンス島をグレード0、膵臓ランゲルハンス島辺縁部
に軽度の浸潤が見られるものをグレード1、膵臓ランゲ
ルハンス島内部にまで激しい浸潤が見られるものをグレ
ード2として膵臓ランゲルハンス島へのリンパ球浸潤を
スコアー化した。
対照群では、グレード0、1、2の割合は、それぞれ2
1.3%、57.3%、及び21.3%であったのに対
し、旋覆花エキスの経口投与群では、それぞれ73.2
%、22.0%、および4.9%、また腹腔内投与群で
は、それぞれ31.0%、60.0%及び9.0%であ
った。 このことより旋覆花エキスには、膵臓ランゲル
ハンス島へのリンパ球浸潤を抑制する作用があることを
明かとした。
によって引き起こされるランゲルハンス島の破壊により
糖尿病が発症することから、ランゲルハンス島へのリン
パ球浸潤を抑制する旋覆花エキスは、糖尿病の予防にも
効果があることが明らかとなった。
0g)、蒼朮(100g)を準備し、実施例1のと同
様にして人参エキス(22.2g)、蒼朮エキス(2
9.3g)を調製した。
ス(110mg/kg/day)あるいは蒼朮エキス
(濃度150mg/kg/day)を自由摂取させた。
さらに7日後、Streptozotocin(シグマ社製)を腹腔
内投(40mg/kg/day)した。
日目における血糖値は、対照群(185±7mg/d
l)に比べて人参投与群(133±8mg/dl)およ
び蒼朮投与群(137±12mg/dl)の方が有意に
低下していた。 このことより、人参および蒼朮は、糖
尿病の予防にきわめて有効であることが明らかとなっ
た。
評価の一例としてストレプトゾトシン誘発糖尿病マウス
を使用しているが、薬剤の評価は、本評価系に限定され
ない。 インスリン依存性I型糖尿病を自然発症するN
ODマウスを使用して評価することができる。
いは人参あるいは蒼朮の抽出エキス(各エキスに含有さ
れる活性を有する化合物類をも含む)のうち少なくとも
1種を含有することを特徴とすものであるから、製剤と
して糖尿病の予防および治療に、また糖尿病の予防・治
療方法として画期的な効果をもたらす。 また本発明
は、これらの生薬の単独投与だけでなく、これまでにも
知られ、あるいは将来的に生成される各種糖尿病治療薬
剤と併用することができる。
各種投与形態での投与が可能である。望ましい投与形態
は、経口投与によるものであるが、具体的な投与形態に
ついては化合物の吸収性や生体内での安定性等を考慮し
て適宜選択できる。
Claims (4)
- 【請求項1】生薬としての旋覆花・人参あるいは蒼朮の
抽出エキス(各エキスに含有される活性を有する化合物
類をも含む)のうち少なくとも1種を含有する糖尿病の
予防・治療用製剤。 - 【請求項2】糖尿病予防および治療用製剤が健康食品で
あるところの請求項1記載の糖尿病の予防・治療製剤。 - 【請求項3】糖尿病予防および治療用製剤が医薬品であ
るところの請求項1記載の糖尿病の予防および治療製
剤。 - 【請求項4】生薬としての旋覆花・人参あるいは蒼朮の
抽出エキスのうち少なくとも1種を含有する糖尿病の予
防・治療用製剤を用いた糖尿病の予防あるいは治療方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11214306A JP2001039882A (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 糖尿病の予防・治療製剤および該製剤を用いた糖尿病の予防・治療方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP11214306A JP2001039882A (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 糖尿病の予防・治療製剤および該製剤を用いた糖尿病の予防・治療方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001039882A true JP2001039882A (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=16653565
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JP11214306A Pending JP2001039882A (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 糖尿病の予防・治療製剤および該製剤を用いた糖尿病の予防・治療方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001039882A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007001900A (ja) * | 2005-06-22 | 2007-01-11 | Univ Nagoya | トリプトファナーゼ阻害剤及び該阻害剤を含有する組成物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998019688A1 (en) * | 1996-11-01 | 1998-05-14 | Sam Chun Dang Pharm. Co., Ltd. | Pharmaceutical composition for treatment of diabetes |
-
1999
- 1999-07-28 JP JP11214306A patent/JP2001039882A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO1998019688A1 (en) * | 1996-11-01 | 1998-05-14 | Sam Chun Dang Pharm. Co., Ltd. | Pharmaceutical composition for treatment of diabetes |
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Cited By (1)
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JP2007001900A (ja) * | 2005-06-22 | 2007-01-11 | Univ Nagoya | トリプトファナーゼ阻害剤及び該阻害剤を含有する組成物 |
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