JP2001036726A - 画像処理方法、画像処理システムおよび画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理システムおよび画像処理プログラムを記録した記録媒体

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JP2001036726A
JP2001036726A JP11205378A JP20537899A JP2001036726A JP 2001036726 A JP2001036726 A JP 2001036726A JP 11205378 A JP11205378 A JP 11205378A JP 20537899 A JP20537899 A JP 20537899A JP 2001036726 A JP2001036726 A JP 2001036726A
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Tsuneo Tanaka
庸生 田中
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Noritsu Koki Co Ltd
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Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスペクト比の変換によって得られる画像の
不自然さを抑制しながら、デジタルカメラから出力され
るデジタル画像データを、銀塩写真と同じアスペクト比
を有するデジタル画像データに変換する。 【解決手段】 デジタルカメラから出力される第1のデ
ジタル画像データの全画素について、画像の重要部分と
して設定した基準画素から離れた位置にある画素ほど座
標移動量が大きくなるように座標変換処理を行う。その
結果、変換による画像の不自然さを抑制しながら、銀塩
写真と同じアスペクト比を有する第2のデジタル画像デ
ータが得られる。画像処理方法は、画像の拡縮率を設定
するステップ、画像の基準画素の位置情報を設定するス
テップ、第1のデジタル画像データの全画素について画
素移動量を計算するステップ、計算値に基づいて画素移
動を行うステップ、変換後の画像データの連続性を補償
するステップを包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理方法、画
像処理システムおよび画像処理プログラムを記録した記
録媒体に関し、特に、デジタルカメラから出力されるデ
ジタル画像データを銀塩写真のアスペクト比でプリント
するための画像処理方法、画像処理システムおよび画像
処理プログラムを記録した記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の銀塩写真は1:1.5のアスペク
ト比、つまり、画像縦方向(画像短手方向)と画像横方
向(画像長手方向)の画像幅の比(画像がデジタルデー
タの場合は、画像縦方向と画像横方向の画素数の比)を
有しており、これにあわせて、銀塩写真対応の写真プリ
ンタはプリント紙に1:1.5のアスペクト比を有する
デジタル画像データをプリントする機能を備えている。
【0003】例えば、いわゆるL版として縦89ミリ×
横127ミリのサイズの銀塩写真プリントが広く用いら
れており、かかるサイズでプリントを行う際には、通
常、127ミリ幅のプリント用紙(以下、127ミリペ
ーパーという)が所定の軸のまわりに巻かれたロールを
用いて、ローラー軸と垂直なペーパー引き出し方向に8
9ミリの長さに渡りプリントを行う。
【0004】また、89ミリ幅のプリント用紙(以下、
89ミリペーパーという)が所定の軸のまわりに巻かれ
たロールを用いて、ペーパー引き出し方向に127ミリ
の長さに渡り写真のプリントを行う場合や、写真プリン
タによっては127ミリペーパーのロールと89ミリペ
ーパーのロールとを選択的に使用する場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、撮像手段として
従来の銀塩写真のみならず、いわゆるデジタルカメラも
広く用いられるようになってきた。デジタルカメラと
は、レンズで像をCCD撮像素子に結像させ、これを内
蔵メモリやメモリカードなどに、デジタル画像データと
して記録するカメラである。
【0006】一般に、デジタルカメラのデジタル画像デ
ータのアスペクト比は3:4であり、銀塩写真のアスペ
クト比である1:1.5と異なる。つまり、銀塩写真の
方がデジタルカメラのデジタル画像データによる画像に
比較して、やや横長形状となっている。
【0007】これは、デジタルカメラのデジタル画像デ
ータはパーソナルコンピュータ上で加工や保存を行うこ
とが多いため、銀塩写真より、むしろパーソナルコンピ
ュータのディスプレイとのデータ親和性を重視してお
り、かかるパーソナルコンピュータのディスプレイ規格
が3:4のアスペクト比からなっているからである。例
えば、パーソナルコンピュータのディスプレイ規格で定
められた画素数は、VGA(video graphics allay)で
480×640画素、XGA(extended video graphic
s allay )で768×1024画素である。
【0008】従って、デジタルカメラから出力されるデ
ジタル画像データによる画像を、従来の銀塩写真用の写
真プリンタによってプリントしようとすると、デジタル
カメラから出力されるデジタル画像データのアスペクト
比と写真プリンタが対応するデジタル画像データのアス
ペクト比が異なるために、以下のような問題点を生じ
る。
【0009】銀塩写真(アスペクト比は1:1.5)に
対応したプリンタ用紙に、デジタルカメラから出力され
るデジタル画像データ(アスペクト比は3:4)の画像
全体をプリントしようとすると、プリント用紙の横方向
が長過ぎるため、プリント用紙の左端や右端に画像のプ
リントされていない白縁部分が残ってしまう。従って、
デジタルカメラから出力されるデジタル画像データの画
像をそのままのアスペクト比でプリントしたのでは、プ
リント用紙の利用効率が悪い。
【0010】一方、プリント用紙の利用効率を優先させ
て、プリント用紙いっぱいにデジタルカメラのデジタル
画像データの画像全体を納めるためには、デジタルカメ
ラのデジタル画像データの上端部または下端部をカット
せねばならない。これでは、せっかく記録したデジタル
画像データの情報量を低減させてしまうばかりか、場合
によっては、重要な被写体がカットされるおそれもあ
る。
【0011】但し、プリント用紙はロール状のものを用
いるのが通常であるから、ロール引き出し方向のプリン
ト幅を適宜変更することによりプリント用紙のアスペク
ト比を変更して、デジタルカメラのデジタル画像データ
の画像全体を、プリント用紙に白縁部分なくプリントす
ることは不可能ではない。
【0012】例えば、図2(a)(b)において、太線
で囲まれた長方形領域は、それぞれ127ミリペーパー
と89ミリペーパーにおいて、89ミリ×127ミリの
L版をプリントする場合のプリント領域を示している。
【0013】ここで、デジタルカメラのデジタル画像デ
ータのアスペクト比をそのままに、デジタル画像データ
の画像全体をプリント用紙に白縁部分なくプリントする
には、デジタル画像データの画像幅が短い画像縦方向を
プリント用紙の幅にあわせ、ドット部分の領域にてプリ
ントを行うことになる。
【0014】従って、デジタルカメラのデジタル画像デ
ータのアスペクト比をそのままに、全画像を127ミリ
ペーパーにプリントする場合のプリント領域は、図2
(a)に示すようにL版のサイズより遥かに大きい。
【0015】また、デジタルカメラのデジタル画像デー
タのアスペクト比をそのままに、デジタル画像データの
画像全体を89ミリペーパーにプリントする場合のプリ
ント領域は、図2(b)に示すようにL版のサイズより
小さい。
【0016】図2(b)の場合のプリント領域とL版と
のサイズずれは、図2(a)の場合より小さい。また、
理論上、ペーパー幅を118ミリという特殊サイズに設
定すれば、デジタルカメラのデジタル画像データの3:
4というアスペクト比を保ちつつ、最もL版に近いサイ
ズ(88.5ミリ×118ミリ)のプリントを得ること
もできる。
【0017】しかし、実際上、プリント用紙の幅や、ロ
ール引き出し方向のプリント幅を僅かでも変更すること
は容易でなく、写真プリンタの現像部やカット部、搬送
部等の構造を、各プリントの大きさに対応させたものと
する必要がある。従って、銀塩写真プリントとデジタル
カメラのデジタル画像データによる画像のプリントとの
サイズが異なったのでは、写真プリンタの汎用性が損な
われ、構造の大幅な複雑化やコストアップといった弊害
を招く。更には、消費者や流通業者がプリントを取り扱
い、保管する際にも不便である。
【0018】また、ペーパー幅を89ミリや118ミリ
に変更することにより、デジタルカメラのデジタル画像
データによる画像のプリントサイズを、L版に幾分近づ
けることができるとしても、上述の89ミリペーパーで
すら127ミリペーパーほどには普及していないうえ、
銀塩写真とデジタルカメラのデジタル画像データによる
画像とのプリント切替時にはペーパーロールの交換を行
う必要が生じる。
【0019】このような問題点を招かない異なるアプロ
ーチとしては、図3に示すように、あらかじめデジタル
カメラのデジタル画像データによる画像全体を、画像縦
方向もしくは画像横方向に一律に拡大、縮小することに
よって、デジタルカメラのデジタル画像データを銀塩写
真と同じアスペクト比に変換してから、プリントを行う
手法が考えられる。
【0020】しかし、かかる画像処理を行ったのでは、
デジタルカメラのデジタル画像データによる画像のアス
ペクト比は銀塩写真と等しくなるものの、該画像は縦横
いずれかの方向に間延びした不自然な画像となり、例え
ば、元来円であった画像が楕円になってしまうといった
問題点を招来する。
【0021】本発明は、以上のような課題を解決するた
めになされたもので、その目的はデジタルカメラから出
力されるデジタル画像データを、銀塩写真と同じアスペ
クト比で簡便かつ自然にプリントすることを可能とする
画像処理方法、画像処理システム、画像処理プログラム
を記録した記録媒体を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る画
像処理方法は、上記の課題を解決するために、第1のア
スペクト比を有する第1のデジタル画像データの全画素
について、第1のデジタル画像データの基準画素から離
れた位置にある画素ほど座標移動量が大きくなる座標変
換処理を行うことにより、上記第1のアスペクト比とは
異なる第2のアスペクト比を有する第2のデジタル画像
データを得る座標変換ステップを包含することを特徴と
している。
【0023】上記の構成において、ある画素の座標移動
量とは、画像形成のために画素を配列させる空間座標系
における各座標軸上での変位量を意味している。したが
って、例えば、縦軸及び横軸を有する2次元直交座標系
に画素を配列する場合、第1のデジタル画像データの基
準画素に近い画素ほど、縦軸および横軸に沿った座標移
動量を小さくし、上記基準画素から離れた画素ほど、縦
軸および横軸に沿った座標移動量を大きくすることにな
る。
【0024】このとき、座標変換処理の対象とする画素
(以下、着目画素という)の座標移動を、ある座標軸に
沿って基準画素から離れる方向に行うものとすれば、第
1のデジタル画像データが示す画像を当該座標軸に沿っ
て拡大する座標変換処理が行われる一方、当該座標軸に
沿った座標移動を基準画素に近づける方向に行うものと
すれば、第1のデジタル画像データが示す画像を当該座
標軸に沿って縮小する座標変換処理が行われる。
【0025】このように座標変換処理された第1のデジ
タル画像データの画素の集合体が、第1のデジタル画像
データと異なる第2のアスペクト比を有する第2のデジ
タル画像データを構成するものである。
【0026】但し、アスペクト比を上記のように座標変
換処理により変形するならば、第2のデジタル画像デー
タが示す画像は、第1のデジタル画像データが示す画像
とは別物となり、画像の変形ないし歪みを招来する。
【0027】そこで、本発明では、既に触れたように第
1のデジタル画像データの基準画素に近い画素ほど、座
標移動量を小さくしている。どの画素を基準画素として
選択するかは任意であるが、例えば、重要な被写体を構
成する画素を基準画素として選択すれば、重要な被写体
を構成する画素の座標移動量は重要な被写体以外の画像
を構成する画素の座標移動量と比較して相対的に小さく
なるから、重要な被写体の変形ないし歪みを最小限にと
どめ、かつ、所望のアスペクト比のデジタル画像データ
を得ることができる。
【0028】具体的には、第1のデジタル画像データの
アスペクト比が、第2のデジタル画像データのアスペク
ト比よりも大きい場合、例えば、3:4のアスペクト比
を有する第1のデジタル画像データに変換処理を行って
1:1.5のアスペクト比を有する第2のデジタル画像
データを得る場合には、座標変換処理によって第1のデ
ジタル画像データの全体を、画像横方向に沿って拡大し
たり、画像縦方向に沿って縮小することになる。
【0029】逆に、第1のデジタル画像データのアスペ
クト比が、第2のデジタル画像データのアスペクト比よ
りも小さい場合、例えば、1:1.5のアスペクト比を
有する第1のデジタル画像データに変換処理を行って
3:4のアスペクト比を有する第2のデジタル画像デー
タを得る場合には、座標変換処理によって第1のデジタ
ル画像データの全体を、画像縦方向に沿って拡大した
り、画像横方向に沿って縮小することになる。
【0030】もちろん、座標変換処理は上記に限られる
ものではなく、例えば、画像の縦方向と横方向への拡
大、縮小を適宜組み合わせてもよいし、座標変換処理に
よる変位方向を第1のデジタル画像データの画像対角方
向としてもよい。更には、第1のデジタル画像データに
極座標系を設定したのち、かかる極座標系を楕円座標系
に変換して、第1のデジタル画像データと異なるアスペ
クト比を有する第2のデジタル画像データを得るような
2次元座標変換処理も含まれる。
【0031】これにより、出力を所望する第1のデジタ
ル画像データのアスペクト比が、出力機器の対応する第
2のアスペクト比に一致しない場合であっても、第1の
デジタル画像データの重要領域の画像歪みを抑制しつ
つ、第1のデジタル画像データ全体を変換処理して、出
力に適切な第2のアスペクト比を有する第2のデジタル
画像データを得ることができる。
【0032】なお、上記の構成において、第1のデジタ
ル画像データを拡大処理する際には、座標変換前の第1
のデジタル画像データにおいて格子状に隣接していた画
素が、座標変換後の第2のデジタル画素データにおいて
は隣接せず、画素格子に隙間を生じる場合があるが、か
かる隙間部分の処理は任意である。
【0033】また、画像を縮小する際には、座標変換前
の第1のデジタル画像データにおいて異なった位置にあ
った複数の画素が、座標変換後の第2のデジタル画素デ
ータにおいて同一の画素として重複することがあるが、
かかる重複部分の処理も任意である。
【0034】例えば、重複する複数の画素の内、変換前
の第1のデジタル画像データにおいて右側に位置してい
た画素の値を第2のデジタル画像データの画素の値とし
て採用することとしたり、変換前の第1のデジタル画像
データにおいて基準画素により近い位置にあった画素の
値を第2のデジタル画像データの画素の値として採用す
ることにより、画素の間引き処理を行うこととしてもよ
い。
【0035】但し、画像を縮小する場合は、第1のデジ
タル画像データにおける画素の情報量が減少することと
なるので、むしろ、第1のデジタル画像データを拡大す
ることにより、第2のデジタル画像データを得る方法が
好ましい。
【0036】請求項2の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項1の構成において、
上記第1のデジタル画像データを基準として上記第2の
デジタル画像データへのアスペクト比の変換方向を定
め、該方向に沿って上記基準画素から離れた画素ほど座
標移動量が大きくなる座標変換処理を行うことを特徴と
している。
【0037】ここで、アスペクト比の変換方向とは、第
1のアスペクト比とは異なる第2のアスペクト比を有す
る第2のデジタル画像データを得るために選択された、
第1のデジタル画像データを拡大もしくは縮小する一つ
の方向をいう。
【0038】上記の構成によれば、請求項1の作用に加
えて、第1のデジタル画像データにおいて任意に選択し
たアスペクト比の変換方向に沿って座標変換処理を行う
ため、アスペクト比の変換方向と直交し基準画素を含む
直線と、着目画素との距離が離れているほど、座標変換
処理による座標移動量が大きくなる。
【0039】これにより、請求項1の効果に加えて、第
1のデジタル画像データにおける重要領域が、直立した
人物像の如く列状に分布している場合には、かかる重要
領域の分布と平行もしくは直交する方向にアスペクト比
の変換方向を定めることにより、座標変換処理による画
像歪みが違和感の少ないものとなり、第2のデジタル画
像データとして更に自然な像を得ることができる。
【0040】請求項3の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項1または2の構成に
おいて、上記座標移動量は、画像の拡縮率および上記基
準画素と着目画素との相対位置情報のみに基づいた計算
により決定されることを特徴としている。
【0041】上記の構成によれば、例えば、画像の拡縮
率および基準画素と着目画素との相対位置情報からなる
関数を適宜用いることにより、第1のデジタル画像デー
タにおいて基準画素から離れた位置にある着目画素ほど
座標変換処理による座標移動量が大きくなるように、画
像の拡縮率および基準画素と着目画素との相対位置情報
のみに基づいて着目画素の座標移動量の計算をすること
ができる。
【0042】ここで、画像の拡縮率とは、第1のデジタ
ル画像データを基準とした第2のデジタル画像データを
得るための拡大、縮小倍率であり、第1のデジタル画像
データを拡大、縮小すべき方向の概念をも含むものであ
る。
【0043】具体的には、第1のデジタル画像データを
画像縦方向に拡縮することにより所望の第2のアスペク
ト比を有する第2のデジタル画像データを得る場合に
は、第2のデジタル画像データのアスペクト比と第1の
デジタル画像データのアスペクト比との比をいい、第1
のデジタル画像データを画像横方向に拡縮することによ
り所望の第2のアスペクト比を有する第2のデジタル画
像データを得る場合には、第1のデジタル画像データの
アスペクト比と第2のデジタル画像データのアスペクト
比との比をいう。
【0044】広義には、第2のデジタル画像データのア
スペクト比自体や、第2のデジタル画像データの画素配
列数自体も画像の拡縮率に含まれる。これは、第1のデ
ジタル画像データのアスペクト比や画素配列数が固定さ
れている場合などには、第2のデジタル画像データのア
スペクト比や画素配列数をもとにして、画像の拡縮率を
一義的に計算することができるからである。
【0045】一方、基準画素の位置情報とは、第1のデ
ジタル画像データにおける基準画素の座標の具体的数値
でもよいし、かかる座標を一義的に定めるための情報で
あってもよい。後者の例としては、第1のデジタル画像
データにおいて特定の明度、色度の組み合わせに最も近
い明度、色度を持つ画素を基準画素とする、などの情報
が考えられる。
【0046】また、画像の拡縮率や基準画素の位置情報
はあらかじめ設定してあっても、外部より入力してもよ
い。更には、上記のように第1のデジタル画像データを
解析することによって自動決定してもよい。
【0047】これにより、請求項1または2の効果に加
えて、座標変換処理における計算に必要とするパラメー
タが少なくなり、簡便かつ高速に、所望のアスペクト比
を有する第2のデジタル画像データを得ることができ
る。
【0048】請求項4の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項1乃至3のいずれか
1項の構成において、画像の拡縮率および上記基準画素
の位置情報の少なくとも一方を入力するステップを包含
することを特徴としている。
【0049】上記の構成によれば、請求項1乃至3のい
ずれか1項の作用に加えて、第1のデジタル画像データ
に座標変換処理を施すための計算に用いるパラメータ
が、外部より入力されることになる。この場合、座標変
換処理の計算に用いる必要十分なパラメータとして、画
像の拡縮率と基準画素の位置情報の両者を外部から入力
することとしてもよいし、画像の拡縮率と基準画素の位
置情報のいずれかが既に設定、計算されている場合に
は、残る一方のみを入力することとしてもよい。ここ
で、画像の拡縮率及び基準画素の位置情報の意義は請求
項3と同じである。
【0050】画像の拡縮率や基準画素の位置情報が既に
設定されている例としては、いわゆるB5版のアスペク
ト比を有する画像をいわゆるA5版のアスペクト比を有
する画像に変換するものとして画像の拡縮率をあらかじ
め固定値設定している場合や、第1のデジタル画像デー
タの中心に重要な被写体が撮影されているものとして、
基準画素の位置を第1のデジタル画像データの中心位置
にあらかじめ固定値設定している場合などがある。
【0051】これにより、請求項1乃至3のいずれか1
項の効果に加えて、画像の拡縮率と基準画素の位置情報
のいずれか、もしくはその両者を入力するという極めて
簡便な操作により、所望のアスペクト比を有する第2の
デジタル画像データを得ることができると共に、画像の
拡縮率や基準画素の位置情報の設定値を外部から簡単に
変更することができる。
【0052】請求項5の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項1乃至4のいずれか
1項の構成において、上記基準画素は上記第1のデジタ
ル画像データの中央領域に位置する画素であることを特
徴としている。
【0053】上記の構成によれば、請求項1乃至4のい
ずれか1項の作用に加えて、基準画素を第1のデジタル
画像データの中央領域に位置するものとすることによ
り、座標変換処理による当該中央領域の画像歪みは抑制
され、当該中央領域から離れた部分ほど座標変換処理に
よる画像歪みが大きくなる。
【0054】実際上、第1のデジタル画像データの制作
者、例えばデジタルカメラの撮影者は、画像の重要部分
である主要被写体が、第1のデジタル画像データの中央
領域に位置するように撮影などを行うことが多いと考え
られる。
【0055】従って、請求項1乃至4のいずれか1項の
効果に加えて、あらかじめ主要画像部が、第1のデジタ
ル画像データの中央領域に位置すると判断される場合に
は、座標変換処理の計算において、基準画素の位置情報
を変数として扱ったり、外部から入力することなしに、
第1のデジタル画像データの重要部分について画像歪み
を抑制しつつ、所望の第2のアスペクト比を有する第2
のデジタル画像データを得ることができる。
【0056】請求項6の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項1乃至5のいずれか
1項の構成において、上記第1のアスペクト比および第
2のアスペクト比の一方は、パーソナルコンピュータの
ディスプレイ表示用データのアスペクト比であり、他方
は、銀塩写真のアスペクト比であることを特徴としてい
る。
【0057】上記の構成によれば、請求項1乃至5のい
ずれか1項の作用に加えて、第1のデジタル画像データ
が、デジタルカメラの撮影データやパーソナルコンピュ
ータのディスプレイ表示用データまたはそれに準拠した
画像データである場合に、第1のデジタル画像データ全
体を変換処理することにより、銀塩写真と同じアスペク
ト比を有する第2のデジタル画像データを得ることがで
きる。
【0058】逆に、第1のデジタル画像データが銀塩写
真と同じアスペクト比を有する画像、例えば銀塩写真を
スキャナーによってデータ化した画像である場合には、
第1のデジタル画像データ全体を変換処理することによ
り、デジタルカメラの撮影画像データやパーソナルコン
ピュータのディスプレイ表示用データ等と同じアスペク
ト比を有する第2のデジタル画像データを得ることがで
きる。
【0059】これにより、請求項1乃至5のいずれか1
項の効果に加えて、銀塩写真と同じアスペクト比を有す
る画像データを、自然な画像としてデジタルカメラに転
送したり、デジタルカメラ専用プリンタでプリントする
ことができ、更には、パーソナルコンピュータのディス
プレイ上に余白なく表示することが可能になる。
【0060】また、デジタルカメラの撮影データやパー
ソナルコンピュータのディスプレイ表示用データなど
を、画像の不自然さや余計な白縁部分なしに、銀塩写真
対応の写真プリンタによってプリントすることも可能と
なる。
【0061】請求項7の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項1乃至6のいずれか
1項の構成において、上記第1のアスペクト比および第
2のアスペクト比の一方は、3:4であり、他方は、
1:1.5であることを特徴としている。
【0062】上記の構成によれば、請求項1乃至6のい
ずれか1項の作用に加えて、第1のデジタル画像データ
が3:4のアスペクト比を有する画像である場合に、第
1のデジタル画像データ全体を変換処理することによ
り、基準画素周辺の画像歪みを抑制しながら、1:1.
5のアスペクト比を有する第2のデジタル画像データを
得ることができる。
【0063】具体的には、例えば、第1のデジタル画像
データを画像横方向に9/8倍に拡大した、或いは第1
のデジタル画像データを画像縦方向に8/9倍に縮小し
た、第2のデジタル画像データが得られる。
【0064】逆に、第1のデジタル画像データが1:
1.5のアスペクト比を有する画像である場合には、第
1のデジタル画像データ全体を変換処理することによ
り、第1のデジタル画像データ全体を変換処理すること
により、基準画素周辺の画像歪みを抑制しながら、3:
4のアスペクト比を有する第2のデジタル画像データを
得ることができる。
【0065】具体的には、例えば、第1のデジタル画像
データを画像縦方向に9/8倍に拡大した、或いは第1
のデジタル画像データを画像横方向に8/9倍に縮小し
た、第2のデジタル画像データが得られる。
【0066】これにより、請求項1乃至6のいずれか1
項の効果に加えて、あらためて画像の拡縮率を指定する
ことなしに、デジタルカメラの撮影データやパーソナル
コンピュータのディスプレイ表示用データに多く見られ
る3:4のアスペクト比を有する画像データを、1:
1.5のアスペクト比を有する画像データに変換して、
画像の不自然さや余計な白縁部分なしに、1:1.5の
アスペクト比である銀塩写真に対応した写真プリンタな
どによってプリントすることができるようになる。
【0067】更には、あらためて画像の拡縮率を指定す
ることなしに、銀塩写真と同じ1:1.5のアスペクト
比を有する画像データを、3:4のアスペクト比を有す
る画像データに変換して、デジタルカメラに転送した
り、デジタルカメラ専用プリンタでプリントすることが
できると共に、パーソナルコンピュータのディスプレイ
上にも余白なく表示することができるようになる。
【0068】請求項8の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項1乃至7のいずれか
1項の構成において、上記座標移動量の算出に、上記着
目画素と上記基準画素との距離情報を含む項を引数とし
た指数関数を用いることを特徴としている。
【0069】上記の構成によれば、請求項1乃至7のい
ずれか1項の作用に加えて、比較的簡単な表現である指
数関数を用いることによって、第1のデジタル画像デー
タの基準画素の周辺では座標移動量が極めて小さく、上
記基準画素から離れるに従って、座標移動量の増加の割
合自身が滑らかかつ急激に増加する移動量明示曲線が的
確に表現される。
【0070】これにより、請求項1乃至7のいずれか1
項の効果に加えて、座標変換処理の際に、かかる移動量
明示曲線に基づいて座標移動量を決定すれば、第1のデ
ジタル画像データにおける重要領域である基準画素周辺
では座標変換処理による画像歪みの殆ど生じない、滑ら
かかつ自然な第2のデジタル画像データを得ることがで
きる。
【0071】請求項9の発明に係る画像処理方法は、上
記の課題を解決するために、請求項1乃至8のいずれか
1項の構成において、上記第2のデジタル画像データに
含まれる隣接する画素間において画像データの連続性を
補償する処理を行うステップを包含することを特徴とし
ている。
【0072】上記の構成において、画像データの連続性
を補償する処理とは、座標変換処理によって第1のデジ
タル画像データを移動させた結果生じる第2のデジタル
画像データの不連続性を軽減、解消するための処理をい
う。
【0073】代表的なものとしては、座標変換処理によ
り第1のデジタル画像データの画素を拡大方向に移動さ
せることにより生じる第2のデジタル画像データの隙間
位置に相当する画素の値を、座標変換された画素の値を
基に計算して埋め合わせる、いわゆる補間処理が該当す
る。
【0074】また、座標変換処理により第1のデジタル
画像データの画素を縮小方向に移動させることにより、
座標変換前の第1のデジタル画像データにおいて異なっ
た位置にあった複数の画素が、座標変換後の第2のデジ
タル画像データにおける同一の画素として重複する場合
に画素の間引き処理を行うのではなく、座標変換後に重
複する第1のデジタル画像データの複数の画素やその周
囲画素の平均値や中間値等を第2のデジタル画像データ
の画素として採用することも、第2のデジタル画像デー
タの連続性を補償する処理に含まれる。
【0075】上記の構成によれば、請求項1乃至8のい
ずれか1項の作用に加えて、第2のデジタル画像データ
に含まれる隣接する画素間において画像データの連続性
を補償する処理を行うことにより、座標変換後の第2の
デジタル画像データにおける画素の隙間がなくなると共
に、隣接する画像データの不連続的な変化が緩和され
る。
【0076】これにより、請求項1乃至8のいずれか1
項の効果に加えて、第1のデジタル画像データを座標変
換処理しても、画像の連続性や色調変化のなめらかさを
失わない第2のデジタル画像データを得ることができ
る。
【0077】請求項10の発明に係る画像処理システム
は、上記の課題を解決するために、第1のデジタル画像
データを出力するデジタルカメラと、第1のアスペクト
比を有する第1のデジタル画像データの全画素につい
て、第1のデジタル画像データの基準画素から離れた位
置にある画素ほど座標移動量が大きくなる座標変換処理
を行うことにより、上記第1のアスペクト比とは異なる
第2のアスペクト比を有する第2のデジタル画像データ
を得る計算機と、上記第2のデジタル画像データをプリ
ントするプリンタとを備えることを特徴としている。
【0078】上記の構成によれば、デジタルカメラから
出力された第1のデジタル画像データに計算機による座
標変換処理を施すことにより、撮影者の意図する被写体
が記録されている、基準画素に近い領域については画素
の移動量を小さくして座標変換による画像歪みを抑制し
つつ、プリンタに適した第2のアスペクト比を有する第
2のデジタル画像が得られる。
【0079】これにより、デジタルカメラの画像データ
のアスペクト比に対応しないプリンタにおいても、画像
データの一部カットやプリンタ用紙サイズの変更を伴わ
ずに、自然な画像を簡便にプリントすることが可能とな
る。
【0080】請求項11の発明に係る記録媒体は、上記
の課題を解決するために、第1のアスペクト比を有する
第1のデジタル画像データの全画素について、第1のデ
ジタル画像データの基準画素から離れた位置にある画素
ほど座標移動量が大きくなる座標変換処理を行うことに
より、上記第1のアスペクト比とは異なる第2のアスペ
クト比を有する第2のデジタル画像データを得る座標変
換ステップを包含する画像処理プログラムを記録したこ
とを特徴としている。
【0081】上記の構成によれば、第1のアスペクト比
を有する第1のデジタル画像データにおいて、基準画素
に近い領域については画素の移動量が小さく、基準画素
から離れた領域ほど座標変換処理による画素の移動量が
大きくなるように、計算機に座標変換処理を実行させる
ことができる。
【0082】従って、上記基準画素として、第1のデジ
タル画像データにおける重要領域、例えば撮影者の意図
する被写体が記録されている領域に位置する画素を選択
すれば、かかる重要領域における画像歪みを抑制しなが
ら、計算機による第1のデジタル画像データの座標変換
処理が行われる。
【0083】これにより、出力を所望する第1のデジタ
ル画像データのアスペクト比が、出力機器が対応する第
2のアスペクト比に一致しない場合であっても、計算機
に第1のデジタル画像データ全体を変換処理させること
により、第1のデジタル画像データの重要領域の画像歪
みを抑制しながら、出力に適切な第2のアスペクト比を
有する第2のデジタル画像データを得ることが可能とな
る。
【0084】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1、図4および図5に基づいて説明すれば、以下のと
おりである。
【0085】図4に示した画像処理システム1は、デジ
タル写真を撮像し、3:4のアスペクト比(第1のアス
ペクト比)を有するデジタル画像データD1 (第1のデ
ジタル画像データ)を出力するデジタルカメラ10と、
デジタル画像データD1 を1:1.5のアスペクト比
(第2のアスペクト比)を有するデジタル画像データD
2 (第2のデジタル画像データ)に変換するコンピュー
タ20とデジタル画像データD2 をプリントするデジタ
ルプリンタ30(プリンタ)とを含んでいる。
【0086】コンピュータ20は、デジタル画像データ
1 をデジタル画像データD2 に変換する画像処理プロ
グラム(画像処理方法)を実行するCPU22(計算
機)を備えている。CPU22には、デジタルカメラ1
0とのデータ入出力をとりもつ入力インタフェース部2
1およびデジタルプリンタ30とのデータ入出力をとり
もつ出力インタフェース部26が接続されている。更
に、CPU22はバス25によって、読み出し専用メモ
リであるROM23及びランダムアクセスメモリである
RAM24と相互に接続されている。
【0087】RAM24は、典型的には、コンピュータ
に内蔵される半導体メモリやハードディスクであるが、
コンピュータ本体と分離可能に構成される記録媒体、例
えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ媒体、フ
ロッピーディスクやハードディスク等の外部磁気ディス
ク、CD−ROM等の光ディスクやICカードであって
もよい。
【0088】また、コンピュータ20は、ユーザインタ
フェースを提供するユーザインタフェース部27を備え
ている。キーボード27a、マウス27bおよびディス
プレイ装置27cなどの入出力機器がユーザインタフェ
ース部27を介してCPU22に接続される。
【0089】画像処理システム1において、デジタルカ
メラ10から出力されたデジタル画像データD1 は、入
力インタフェース部21を介してCPU22(計算機)
に入力されると、一旦、バス25を介してRAM24に
格納される。格納されたデジタル画像データD1 は、C
PU22に読み出され、画像処理プログラムに基づいて
画像変換処理されることにより、デジタル画像データD
1 とは異なるアスペクト比を有するデジタル画像データ
2 として、再びRAM24に格納される。CPU22
が画像変換処理に用いる画像処理プログラムは、RAM
24に格納されていてもよいし、プログラムに変更を加
える必要性がなければ、ROM23に格納されていても
よい。デジタルプリンタ30は、CPU22の指令に従
い、出力インタフェース部26を介してRAM24に格
納されたデジタル画像データD2を受け取り、プリント
する。
【0090】図5(a)(b)にそれぞれ、デジタルカ
メラ10から出力されるデジタル画像データD1 と、デ
ジタル画像データD1 をCPU22により画像変換する
ことによって得られたデジタル画像データD2 との例を
示す。図5(a)においてデジタル画像データD1 のア
スペクト比は3:4であり、図5(b)においてデジタ
ル画像データD2 のアスペクト比は1:1.5である。
また、デジタル画像データD1 、デジタル画像データD
2 共に、図示されない複数の画素から構成されている。
【0091】図1に、CPU22によって実行される変
換処理プログラムの概略フローを示す。変換処理プログ
ラムはS1〜S7の各ステップからなっている。
【0092】まず、ステップ1(以下、S1と略記す
る)にて、画像の拡縮率が設定済か否かを確認する。こ
こで、画像の拡縮率とは、デジタル画像データD1 を基
準としたデジタル画像データD2 を得るための拡大、縮
小倍率であり、デジタル画像データD1 を拡大、縮小す
べき方向の概念をも含むものである。
【0093】具体的には、デジタル画像データD1 を画
像縦方向に拡縮することによりデジタル画像データD2
を得る場合には、デジタル画像データD2 のアスペクト
比とデジタル画像データD1 のアスペクト比との比をい
い、デジタル画像データD1を画像横方向に拡縮するこ
とによりデジタル画像データD2 を得る場合には、デジ
タル画像データD1 のアスペクト比とデジタル画像デー
タD2 のアスペクト比との比をいう。
【0094】画像の拡縮率が既に設定されている例とし
ては、あらかじめ、3:4のアスペクト比を有するデジ
タル画像データD1 を1:1.5のアスペクト比を有す
るデジタル画像データD2 に変換するものと定めてお
り、画像の拡縮率を、画像横方向へ9/8倍として、固
定値設定している場合等がある。
【0095】S1にて画像の拡縮率が設定されていない
と判断したならば、S2にて、コンピュータ20の外部
から、キーボード27aやマウス27bなどの入力機器
やネットワークを介して、画像の拡縮率の入力を受け付
け、入力された値をRAM24などに設定値として納め
る。
【0096】なお、S1及びS2において、デジタル画
像データD2 のアスペクト比や、第2のデジタル画像デ
ータの画素配列数を、広義の画像の拡縮率とみなすこと
もある。あらかじめデジタル画像データD1 のアスペク
ト比や画素配列数が固定されている場合などには、これ
らとデジタル画像データD2 のアスペクト比や画素配列
数とから、画像の拡縮率を一義的に計算することができ
るため、デジタル画像データD2 のアスペクト比や、第
2のデジタル画像データの画素配列数を画像の拡縮率と
同視することができるからである。
【0097】このようにして、S1又はS2にて、画像
の拡縮率が設定された後、S3にて、デジタル画像デー
タD1 における基準画素の位置を特定する位置情報が設
定済か否を確認する。ここで、基準画素の位置を特定す
る位置情報とは、デジタル画像データD1 に設定した座
標系における具体的座標値でもよいし、基準画素の位置
を一義的に定めるための情報であってもよい。
【0098】従って、デジタル画像データD1 における
基準画素の位置情報が既に設定されている例として、以
下のような場合が挙げられる。あらかじめ、重要な被
写体がデジタル画像データD1 の中央領域に撮影されて
いるものと判明しているため、デジタル画像データD1
の画像中心から全画像面積の30%程度を占める円領域
内部に位置するいずれかの画素が基準画素として設定さ
れている場合基準画素として、デジタル画像データD
1 において重要な被写体たる人物像を構成する画素を選
択することを目的として、人間の肌色を標本色として採
用し、デジタル画像データD1 の画素のうち、かかる標
本色に最も近い色度を有する画素を基準画素とすること
が設定されている場合上記の組み合わせ情報、つま
り、デジタル画像データD1 の画像中心から全画像面積
の30%程度を占める円領域内部に位置する画素のう
ち、標本色に最も近い色度を有する画素を基準画素とす
ることが設定されている場合S3にてデジタル画像デー
タD1 における基準画素の位置情報が設定されていない
と判断したならば、S4にて、コンピュータ20の外部
から、キーボード27aやマウス27bなどの入力機器
やネットワークを介して、基準画素の位置情報の入力を
受け付け、入力された情報をRAM24などに設定情報
として納める。
【0099】S5では、S1〜S4にて設定された画像
の拡縮率と基準画素の位置情報とに基づいて、デジタル
画像データD1 の基準画素から離れた位置にある着目画
素ほど座標移動量が大きくなり、かつ、当該座標移動の
結果、画像の拡縮率に従ってデジタル画像データD1
アスペクト比が変更されるように、デジタル画像データ
1 の全画素につき座標移動量の計算を行う。
【0100】例えば、縦軸及び横軸を有する2次元直交
座標系に画素を配列する場合、デジタル画像データD1
の基準画素に近い画素ほど、縦軸および横軸に沿った座
標移動量を小さくし、上記基準画素から離れた画素ほ
ど、縦軸および横軸に沿った座標移動量が大きくなるよ
うに、デジタル画像データD1 の全画素について座標移
動量の計算を行うこととなる。
【0101】このような特徴を有する座標移動量の計算
を行うことにより、後のS6において、デジタル画像デ
ータD1 の基準画素周辺で座標移動処理に伴う画像の変
形ないし歪みを抑制しつつ、デジタル画像データD1
アスペクト比と異なるアスペクト比を有するデジタル画
像データD2 を得ることが本発明の眼目である。
【0102】S6では、S5で計算された座標移動量に
従って、デジタル画像データD1 の全画素の座標移動を
行うことにより、デジタル画像データD1 の画素の再配
列を行い、デジタル画像データD1 とは異なるアスペク
ト比を有するデジタル画像データD2 を得る。
【0103】つまり、S5で計算された着目画素の座標
移動量が、ある座標軸に沿って基準画素から離れる方向
の値であるなら、デジタル画像データD1 が示す画像を
当該座標軸に沿って拡大する座標移動が行われる一方、
S5で計算された着目画素の座標移動量が、当該座標軸
に沿って基準画素に近づく方向の値であるなら、デジタ
ル画像データD1 が示す画像を当該座標軸に沿って縮小
する座標移動が行われることになる。
【0104】具体的には、デジタル画像データD1 のア
スペクト比が、デジタル画像データD2 のアスペクト比
よりも大きい場合、例えば、3:4のアスペクト比を有
するデジタル画像データD1 の画素の座標移動及び再配
列を行って、1:1.5のアスペクト比を有するデジタ
ル画像データD2 を得る場合には、座標変換処理によっ
てデジタル画像データD1 の画像全体を、画像横方向に
沿って9/8倍に拡大したり、画像縦方向に沿って8/
9倍に縮小することになる。
【0105】逆に、デジタル画像データD1 のアスペク
ト比が、デジタル画像データD2 のアスペクト比よりも
小さい場合、例えば、1:1.5のアスペクト比を有す
るデジタル画像データD1 の画素の座標移動及び再配列
を行って、3:4のアスペクト比を有するデジタル画像
データD2 を得る場合には、座標変換処理によってデジ
タル画像データD1 の画像全体を、画像縦方向に沿って
9/8倍に拡大したり、画像横方向に沿って8/9倍に
縮小することになる。
【0106】但し、デジタル画像データD1 の画像を縮
小してデジタル画像データD2 の画像を得ると、座標移
動後に重複する画素の間引きなどを適宜行う必要が生
じ、デジタル画像データD1 における画素の情報量が減
少することとなるので、デジタル画像データD1 の画像
を拡大処理することにより、デジタル画像データD2
画像を得る方が好ましい。
【0107】また、再配列に際して、例えば、デジタル
画像データD2 の画素配列を格子状としたい場合には、
あらかじめ設定した格子状座標系において、着目画素の
変換された座標に最も近い格子位置に着目画素を移動す
ることとすればよい。画像処理システム1は、かかる画
素移動を行うことにより、格子状配列の画素データに対
応したデジタルプリンタ30から、デジタル画像データ
2 を的確に出力することを可能としている。
【0108】S7では、デジタル画像データD2 に画像
データの連続性を補償する処理を施すことにより、S6
におけるデジタル画像データD1 の画素の座標移動の結
果生じるデジタル画像データD2 の画像データの不連続
性を軽減、解消する。
【0109】ここで、画像データの連続性を補償する処
理として代表的なものには、S6にてデジタル画像デー
タD1 の画素を画像拡大方向に座標移動させることによ
り生じる、デジタル画像データD2 の隙間位置に相当す
る画素の値を、座標移動されたデジタル画像データD1
における画素の値を基に計算して埋め合わせる、いわゆ
る補間処理がある。補間処理は任意の方法、例えば、ニ
アレストネイバー補間法、バイリニア補間法、バイキュ
ービック補間法などを用いることができる。
【0110】また、S6にてデジタル画像データD1
画素を画像縮小方向に座標移動させることにより、デジ
タル画像データD1 において異なった位置にあった複数
の画素がデジタル画像データD2 における同一の画素と
して重複する場合に、単純な画素の間引き処理を行うの
ではなく、座標変換後に重複するデジタル画像データD
1 の複数の画素やその周囲画素の平均値や中間値等をデ
ジタル画像データD2の画素として採用することにより
画素重複部分における色調や明度の急激な変化を抑制す
ることも、デジタル画像データD2 の画像データの連続
性を補償する処理に含まれる。
【0111】S7では、これらの画像データの連続性を
補償する処理を、S6にて得られたデジタル画像データ
2 に施すことにより、デジタル画像データD2 の画像
を、画素隙間や色調及び明度などの急激な変化のない自
然かつ滑らかな画像とするものである。
【0112】
【実施例】(実施例1)次に、図5乃至図11に基づい
て、S5における座標移動量の計算、S6における画素
の座標移動、および、S7における画像データの連続性
を補償する処理の一具体例を説明する。
【0113】本実施例においては、図5(a)に示した
3:4のアスペクト比を有するデジタル画像データD1
を画像横方向に沿って拡大することにより、図5(b)
に示した1:1.5のアスペクト比を有するデジタル画
像データD2 を得る場合を考える。
【0114】つまり、本実施例は、画像処理システム1
において、デジタルカメラ10から出力された3:4の
アスペクト比を有するデジタル画像データD1 をCPU
22によって変換処理することにより、銀塩写真と同じ
1:1.5のアスペクト比を有するデジタル画像データ
2 として、デジタルプリンタ30にてプリントする場
合に該当するものである。
【0115】まず、デジタル画像データD1 における画
像横方向、つまり画像長手方向をX軸方向とし、デジタ
ル画像データD1 における画像縦方向、つまりX軸方向
と垂直な画像短手方向をY軸方向と定義する。更に、デ
ジタル画像データD1 における画像右方向、画像上方向
をそれぞれX軸、Y軸の正の向きとし、デジタル画像デ
ータD1 の左下端を原点、右端をx=Wと定める。
【0116】図5(a)(b)において、画像変換処理
がS5に移行するまでに定めるべき画像の拡縮率Rは、
X軸方向をアスペクト比の変換方向として、R=(3:
4)/(1:1.5)=9/8である。かかる拡縮率R
はS2にてキーボード27aより入力された。
【0117】一方、デジタル画像データD1 の基準画素
は直線x=W/2上に位置する。これは図5(a)にお
いて、重要被写体である人物像がデジタル画像データD
1 の画像中央領域に位置することから、S3への移行前
に、デジタル画像データD1の画像の幾何学的中心が基
準画素の位置として設定されていたものである。従っ
て、本実施例において外部より入力されたパラメータ
は、S2における画像の拡縮率のみである。
【0118】S5において、デジタル画像データD1
座標移動量の計算は、以下のように行われる。
【0119】まず、着目画素のX軸方向の座標成分と着
目画素の座標移動量Zとの関係を表す移動量明示曲線を
Z=F(x)で定義する。後のS6では、かかる移動量
明示曲線Z=F(x)に従い、着目画素のX軸方向の座
標成分がW/2より大きい場合は画像右方向にZ、着目
画素のX軸方向の座標成分がW/2より小さい場合は画
像左方向にZ、着目画素を移動することになる。
【0120】一般的に、関数Fは定義域である0≦x≦
Wにおいて、以下の要件を満たすものである。 (1)Z=F(x)は連続曲線である。 (2)基準画素のX軸方向の座標成分をx0 とすると、
F(x0 )は最低値である0となる。 (3)xとx0 の距離が離れるにつれて、つまり、xと
0 の差の絶対値が大きくなるにつれて、Zは単調増加
する。但し、xがx0 の近傍領域内、例えば、xとx0
との距離が全定義域の30%程度である領域内にあると
きは、Zは一時的に不変であってもよく、あるいはZの
増加率が0とみなせる程度に微小値であってもよい。
【0121】本実施例においては、具体的な移動量明示
曲線Z=F(x)を以下の手順で定めた。
【0122】まず、デジタル画像データD1 の着目画素
における、座標変換処理によるX軸方向への位置変更倍
率をwk1とし、S3またはS4で設定した基準画素の
位置情報たるX軸方向の座標成分x0 を用いて、次の
(数1)式によりwk1を定義する。 (数1) wk1=b+a×exp[1−{(x−x0 )/x0
n ] ここでexpは指数関数、a、bはパラメータ定数をあ
らわし、x、x0 はそれぞれ、着目画素と基準画素のX
軸方向の座標成分である。また、nは2の倍数たる自然
数である。
【0123】上記wk1を用いて、着目画素の具体的な
座標移動量を表す移動量明示曲線Z=F(x)を(数
2)式によりあらわす。 (数2) F(x)=|(wk1−1)×(x−x0 )| ここで、|は絶対値記号である。
【0124】(数1)式および(数2)式であらわされ
る関数FはF(x0 )=0であるなど、前記の要件
(1)〜(3)を満たしており、着目画素と基準画素と
の距離情報とを含む項を引数とした指数関数を用いてあ
らわされている。
【0125】かかるF(x)によって、デジタル画像デ
ータD1 の基準画素の周辺では座標移動量が極めて小さ
く、上記基準画素から離れるに従って、座標移動量の増
加の割合自身が滑らかかつ急激に増加する移動量明示曲
線Z=F(x)が的確に表現されることとなる。
【0126】図5(a)(b)においては、既に触れた
ように、画像の拡縮率Rは画像横方向へ(3:4)/
(1:1.5)=9/8、基準画素のX軸方向の座標成
分はx 0 =W/2と定まっているため、かかる値を用い
て(数1)式のパラメータ定数a、bを一意的に決定す
ることができる。
【0127】つまり、デジタル画像データD1 の中心を
基準画素として、拡縮率R=9/8で拡大するのである
から、デジタル画像データD1 の左端、つまりx=0に
おいてはwk1=R=9/8となるべきであり、基準画
素位置を含む拡縮方向と直交する直線上、つまり直線x
=x0 =W/2上においては着目画素は移動しないか
ら、wk1=1となるべきである。
【0128】したがって、次の(数3)式、(数4)式
が導かれる。 (数3) wk1=b+a=9/8 (数4) wk1=b+a×exp(1)=1 (数3)式、(数4)式を連立させて解くとパラメータ
定数a、bは以下の値に定まる。 a=1/[8{1−exp(1)}] b={9×exp(1)−8}/{8×exp(1)−
8} 求めたa、bを(数1)、(数2)式に代入し、得られ
た移動量明示曲線Z=F(x)をxに対してプロットし
たのが図6である。
【0129】つまり、本実施例においては、画像の拡縮
率および基準画素と着目画素との相対位置情報のみに基
づいて、デジタル画像データD1 の着目画素についての
座標移動量をあらわす移動量明示曲線Z=F(x)が一
義的に決定されたことになる。
【0130】図6を見ると、(数1)式のnの値が大き
くなるにつれて、F(x)は基準画素周辺領域での値が
小さく、デジタル画像データD1 の端部に近づくにつれ
て、急激に大きくなることが分かる。つまり、(数1)
式のnの値が大きくなるにつれて、画像変換による画像
歪みが、基準画素周辺では小さく、基準画素から離れる
ほど大きくなるという傾向が顕著になる。なお、図5
(a)(b)に示した画像変換例においては、得られる
画像の自然さを考慮して(数1)式においてn=4を採
用した。
【0131】なお、移動量明示曲線Z=F(x)は、S
1〜S4にて設定された画像の拡縮率と基準画素の位置
情報に基づいて、その度にS5にて求めてもよいし、特
に変更する必要が無い場合は、前回の座標変換処理時と
同じものを用いてもよい。更には、あらかじめ設定され
た複数の移動量明示曲線Z=F(x)を操作者の指示な
どにより選択してもよい。
【0132】本実施例において、S6での画素の座標移
動は以下のように行われる。
【0133】S6では、S5にて決定した移動量明示曲
線Z=F(x)に基づきデジタル画像データD1 の全画
素について座標変換を行う。具体的には、デジタル画像
データD1 の着目画素のX軸方向の座標成分をx、xを
座標変換して得られたデジタル画像データD2 のX軸方
向の座標成分をx’とすると、画素の座標変換を以下の
(数5)式に従って行う。 (数5) x’=x−F(x)(x≦x0 =W/2) x’=x+F(x)(x>x0 =W/2) このように、デジタル画像データD1 の着目画素の位置
を示す座標に対してその座標に応じた座標移動量をあら
わすF(x)を加減する座標変換処理を行うことによっ
てデジタル画像データD1 の全画素の移動を行い、移動
した全ての画素を再配列することにより、デジタル画像
データD2 を得ることができる。
【0134】本実施例においては、格子状配列の画素デ
ータに対応したデジタルプリンタ30からデジタル画像
データD2 を的確に出力することができるように、移動
後のデジタル画像データD1 の画素が、一定間隔の離散
座標たるXY座標格子上に位置するように、(数5)式
で求めた画素のX軸方向の座標成分を適宜量子化してい
る。
【0135】なお、図5に基づく本実施例においては、
図5(a)に示した3:4のアスペクト比を有するデジ
タル画像データD1 を画像横方向に9/8倍の拡縮率で
拡大するものとしたが、デジタル画像データD1 を画像
縦方向に8/9倍の拡縮率により縮小することによって
も、図5(b)に示した1:1.5のアスペクト比を有
するデジタル画像データD2 を得ることができる。
【0136】かかる場合は、画素の座標移動は、上記の
説明におけるX軸をY軸に、xをyに、x’をy’に、
0 をy0 にそれぞれ置き換え、上記と同要領にて求め
た画像縮小のための移動量明示曲線Z=G(y)を用い
て(数6)式に従い、座標変換を行えばよい。 (数6) y’=y+G(y)(y≦y0 ) y’=y−G(y)(y>y0 ) 次に、本実施例のS7における画像データの連続性を補
償する処理について図7を用いて説明する。
【0137】S6にて、デジタル画像データD1 はX軸
方向に画素の座標移動を行うことにより、所望のアスペ
クト比を有するデジタル画像データD2 に拡大変換され
たが、かかる拡大変換の結果、デジタル画像データD2
は画素データの与えられていない、いわゆる隙間画素を
含んでいる。
【0138】そこで、S7では、補間処理により、かか
るデジタル画像データD2 の隙間画素にも周囲の画素と
連続的な値を与えて、デジタル画像データD2 の連続性
を補償する。
【0139】デジタル画像データD1 において隣接する
画素P1 、P2 のX軸方向の座標成分(以下、本実施例
において、単に座標という)をそれぞれx1 、x2
し、かかる画素の座標を変換した後のデジタル画像デー
タD2 における画素P1 ’、P 2 ’の座標をそれぞれx
1 ’、x2 ’とする。
【0140】ここでいう補間処理とは、座標x1 ’、x
2 ’に対応する画素P1 ’、P2 ’の値に基づいて、座
標x1 ’と座標x2 ’との間の座標xi1’、xi2’、x
i3’、・・・、xin’(n=1以上の整数)に対応する
画素Pi1’、Pi2’、Pi3’、・・・、Pin’の値を計
算、決定するものである。但し、P1 ’、P2 ’及びP
i1’、Pi2’、Pi3’、・・・、Pin’のY軸方向の座
標成分は全て等しいものとする。
【0141】ここでは、S6にて、デジタル画像データ
1 の画素をX軸方向に座標移動した結果、デジタル画
像データD2 上に離散座標として設定したXY座標格子
上において、画素データの与えられていない画素列がY
軸方向に2列に並んで生じたものとし、かかる画素列上
に位置する隙間画素Pi1’,Pi2’の値を以下の(数
7)式に従って計算した。 (数7) V(Pi1’)={2・V(P1 ’)+V(P2 ’)}/
3 V(Pi2’)={V(P1 ’)+2・V(P2 ’)}/
3 ここで、V(Px )は、画素Px の値を示す。
【0142】上記の補間処理をおこなうことにより、デ
ジタル画像データD2 の全ての画素に適切な画像データ
が与えられる。したがって、いわゆる隙間画素がなくな
り、デジタル画像データD2 の画像の連続性や自然さが
補償される。
【0143】以上の手法に基づいて、アスペクト比の変
換処理を行った具体的画像例を図8乃至図11に示す。
【0144】図8に示した画像は、3:4のアスペクト
比を有する元画像であり、図9に示した画像は、画像中
心を基準画素としながら図8の元画像を画像横方向に9
/8倍の拡縮率で拡大することによって得られた1:
1.5のアスペクト比を有する変換画像である。
【0145】かかる拡大変換によって得られた図9の画
像において、図8の画像背景である花模様は画像横方向
への歪みをやや生じているものの、図8の画像中心に位
置する人物像の歪みはほとんど見られず、画像拡大処理
によってアスペクト比の変換を施した場合にあっても、
極めて自然な画像が得られていることが判る。
【0146】一方、図10に示した画像は、1:1.5
のアスペクト比を有する元画像であり、図11に示した
画像は、画像中心を基準画素としながら図10の元画像
を画像横方向に8/9倍の拡縮率で縮小することによっ
て得られた3:4のアスペクト比を有する変換画像であ
る。
【0147】かかる縮小変換によって得られた図11の
画像においても、図10の画像背景である花模様は画像
横方向への歪みをやや生じているが、図10の画像中心
に位置する人物像の歪みはほとんど見られず、画像縮小
処理によってアスペクト比の変換を施した場合にあって
も、極めて自然な画像が得られていることが判る。
【0148】なお、図11の画像を得るにあたっては、
S7の画像データの連続性を補償する処理は行わず、縮
小により重複する複数の画素のうち、図10の画像にお
いて右側に位置していた画素の値を採用することによ
り、画素の間引き処理を行った。
【0149】(実施例2)次に、図12を用いて、S5
における座標移動量の計算、S6における画素の座標移
動、および、S7における画像データの連続性を補償す
る処理の更なる具体例を説明する。
【0150】本実施例においては、図12(a)に示し
た1:1.5のアスペクト比を有するデジタル画像デー
タD1 を、画像横方向に沿って10/9倍に拡大すると
同時に、画像縦方向に沿って5/4倍に拡大することに
より、図12(b)に示した3:4のアスペクト比を有
するデジタル画像データD2 を得る場合を考える。
【0151】S5での座標移動量の計算は以下のように
行われる。
【0152】まず、実施例1と同様に、デジタル画像デ
ータD1 における画像横方向をX軸方向とし、デジタル
画像データD1 における画像縦方向をY軸方向と定義す
る。更に、デジタル画像データD1 における画像右方
向、画像上方向をそれぞれX軸、Y軸の正の向きとし、
デジタル画像データD1 の左下端を原点、右端をx=W
x 、上端をy=Wy (以後、X軸方向、Y軸方向への拡
大に用いるパラメータ及び関数をそれぞれX、Yの添え
字を付して区別する)と定める。
【0153】従って、図12(a)(b)において、画
像変換処理がS5に移行するまでに定めるべき画像の拡
縮率は、X軸方向への拡縮率がRx =10/9、Y軸方
向への拡縮率がRy =5/4である。
【0154】また、図12(a)においても、実施例1
と同様に、重要被写体である人物像がデジタル画像デー
タD1 の画像中央領域に位置するため、S3またはS4
において、デジタル画像データD1 の画像の幾何学的中
心を基準画素の位置と設定した。つまり、デジタル画像
データD1 の基準画素は、その座標が(Wx /2、W y
/2)に位置する画素である。
【0155】本実施例においても、実施例1と同様に
(数1)式及び(数2)式であらわされる移動量明示曲
線Zx =Fx (x)、Zy =Fy (y)を用いて、それ
ぞれ、着目画素のX軸方向の座標成分と着目画素の座標
移動量Zx との関係を表す移動量明示曲線、着目画素の
Y軸方向の座標成分と着目画素の座標移動量Zy との関
係を表す移動量明示曲線を定義する。
【0156】後のS6では、かかる移動量明示曲線Zx
=Fx (x)に従い、着目画素のx軸方向の座標成分が
x /2より大きい場合は画像右方向にZx 、着目画素
のx軸方向の座標成分がWx /2より小さい場合は画像
左方向にZx 、着目画素を移動する。同様に、移動量明
示曲線Zy =Fy (y)に従い、着目画素のy軸方向の
座標成分がWy /2より大きい場合は画像上方向に
y 、着目画素のy軸方向の座標成分がWy /2より小
さい場合は画像下方向にZy 、着目画素を移動すること
になる。
【0157】ここで、デジタル画像データD1 の着目画
素における、座標変換処理によるX軸方向への位置変更
倍率をwk1とし、Y軸方向への位置変更倍率をwk2
と定めると、実施例1における(数3)式に相当する数
式として、次の(数8)式乃至(数11)式が導かれ
る。 (数8) wk1=bx +ax =10/9 (数9) wk1=bx +ax ×exp(1)=1 (数10) wk2=by +ay =5/4 (数11) wk2=by +ay ×exp(1)=1 上記(数8)式乃至(数9)式から ax =1/[9{1−exp(1)}] bx ={10×exp(1)−9}/{9×exp
(1)−9} 及び ay =1/[4{1−exp(1)}] by ={5×exp(1)−4}/{4×exp(1)
−4} が定まる。
【0158】従って、求めたax 、bx を(数1)式、
(数2)式に代入することにより、x軸方向への移動量
明示曲線Zx =Fx (x)が、ay 、by を(数1)
式、(数2)式に代入することにより、y軸方向への移
動量明示曲線Zy =Fy (y)が決定される。なお、図
12(a)(b)に示した画像変換例においても、得ら
れる画像の自然さを考慮して(数1)式においてn=4
を採用した。
【0159】本実施例において、S6での画素の座標移
動は以下のように行われる。
【0160】S6では、S5にて決定した移動量明示曲
線Zx =Fx (x)、Zy =Fy (y)に基づきデジタ
ル画像データD1 の全画素について座標変換を行う。具
体的には、デジタル画像データD1 の着目画素の座標を
(x,y)、(x,y)を座標変換して得られたデジタ
ル画像データD2 の座標を(x’,y’)とすると、以
下の(数12)式に従い、画素の座標変換が行われる。 (数12) x’=x−Fx (x)(x≦x0 =Wx /2) x’=x+Fx (x)(x>x0 =Wx /2) y’=y−Fy (y)(y≦y0 =Wy /2) y’=y+Fy (y)(y>y0 =Wy /2) このように、デジタル画像データD1 の着目画素の位置
を示す座標に対してその座標に応じた座標移動量F
(x)を加減する座標変換処理を行うことによってデジ
タル画像データD1 の全画素の移動を行い、移動した全
ての画素を再配列することにより、デジタル画像データ
2 を得ることができる。
【0161】ここでも実施例1と同様に、格子状配列の
画素データに対応したデジタルプリンタ30からデジタ
ル画像データD2 を的確に出力することができるよう
に、移動後のデジタル画像データD1 の画素が、一定間
隔の離散座標たるXY座標格子上に位置するように、
(数5)式で求めた画素のX軸方向の座標成分を適宜量
子化している。
【0162】本実施例のように、デジタル画像データD
1 のX軸方向の拡大や縮小とデジタル画像データD1
Y軸方向の拡大や縮小とを同時に行えば、デジタル画像
データD2 として、所望のアスペクト比のみならず、所
望の画素配列数を有するデジタル画像データD2 を得る
ことができる。この手法は、デジタルプリンタ30が対
応するデジタル画像データの画素配列数が一定値に定め
られており、デジタル画像データD2 の画素配列数をか
かる一定値に調整する必要がある場合にとりわけ有利で
ある。
【0163】本実施例において、S7での画像データの
連続性を補償する処理は以下のように行われる。
【0164】S6にてデジタル画像データD1 の画素を
X軸方向に座標移動した結果、デジタル画像データD2
上に離散座標として設定したXY座標格子上において、
画素データの与えられていない画素が孤立して生じたも
のとする。かかる隙間画素P’の値をニアレストネイバ
ー補間法によって補い、周囲の画素と連続的な値を与え
ることにより、デジタル画像データD2 の連続性を補償
するものである。
【0165】ニアレストネイバー補間法とは、画像デー
タの与えられていない隙間画素Pi’に、隙間画素
i ’の周囲に隣接するいずれかの画素の値を与えるこ
とにより、周囲の画素と連続的な値を補償する方法をい
う。
【0166】ここでは、デジタル画像データD2 におい
て、隙間画素Pi ’の周囲に隣接する8つの画素のう
ち、画像データが与えられており、かつ、最も基準画素
に近い画素の値を、隙間画素Pi ’の値として採用する
こととした。なお、隣接8画素のいずれにも画像データ
が与えられていない場合には、隣接8画素に更に隣接す
る16画素のうち、最も基準画素に近い画素の値を、隙
間画素Pi ’の値として採用した。
【0167】上記の補間処理をおこなうことにより、デ
ジタル画像データD2 の全ての画素に適切な画像データ
が与えられる。したがって、いわゆる隙間画素がなくな
り、デジタル画像データD2 の画像の連続性や自然さが
補償されることとなる。
【0168】以上、実施例1及び実施例2に基づいて説
明したように、図4の画像処理システム1は、デジタル
カメラ10から出力されるデジタル画像データD1 に、
CPU22がステップS1〜S7に基づいた変換処理を
行い、適切なアスペクト比を有しかつ違和感の少ないデ
ジタル画像データD2 として、デジタルプリンタ30に
よりプリントすることができるものである。
【0169】
【発明の効果】請求項1の発明に係る画像処理方法は、
以上のように、第1のアスペクト比を有する第1のデジ
タル画像データの全画素について、第1のデジタル画像
データの基準画素から離れた位置にある画素ほど座標移
動量が大きくなる座標変換処理を行うことにより、上記
第1のアスペクト比とは異なる第2のアスペクト比を有
する第2のデジタル画像データを得る座標変換ステップ
を包含する構成である。
【0170】それゆえ、座標変換処理時に、第1のデジ
タル画像データの基準画素に近い領域については画素の
移動量が小さく、基準画素から遠い領域ほど座標変換処
理による画素の移動量が大きくなることになり、基準画
素の位置する第1のデジタル画像データにおける重要領
域において、座標変換処理に起因する画像歪みが抑制さ
れる。
【0171】これにより、出力を所望する第1のデジタ
ル画像データのアスペクト比が、出力機器が対応する第
2のアスペクト比に一致しない場合であっても、第1の
デジタル画像データの重要領域の画像歪みを抑制しつ
つ、第1のデジタル画像データ全体を変換処理して、出
力に適切な第2のアスペクト比を有する第2のデジタル
画像データを得ることができるという効果を奏する。
【0172】請求項2の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項1の構成において、上記第1のデジ
タル画像データを基準として上記第2のデジタル画像デ
ータへのアスペクト比の変換方向を定め、該方向に沿っ
て上記基準画素から離れた画素ほど座標移動量が大きく
なる座標変換処理を行う構成である。
【0173】それゆえ、請求項1の作用に加えて、第1
のデジタル画像データにおいて任意に選択したアスペク
ト比の変換方向に沿って座標変換処理を行うため、アス
ペクト比の変換方向と直交する基準画素を含む直線と、
着目画素との距離が離れているほど、座標変換処理によ
る座標移動量が大きくなる。
【0174】これにより、請求項1の効果に加えて、第
1のデジタル画像データにおける重要領域が、直立した
人物像の如く列状に分布している場合には、かかる重要
領域の分布と平行もしくは直交する方向にアスペクト比
の変換方向を定めることにより、座標変換処理による画
像歪みが違和感の少ないものとなり、第2のデジタル画
像データとして更に自然な像を得ることができる。
【0175】請求項3の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項1または2の構成において、上記座
標移動量は、画像の拡縮率および上記基準画素と着目画
素との相対位置情報のみに基づいた計算により決定され
る構成である。
【0176】それゆえ、座標変換処理に用いる関数を適
宜選択することにより、第一のデジタル画像データにお
いて基準画素から離れた位置にある画素ほど座標変換処
理による座標移動量が大きくなるように、画像の拡縮率
および基準画素と着目画素との相対位置情報のみに基づ
いた計算をすることができる。
【0177】これにより、請求項1または2の効果に加
えて、座標変換処理における計算に必要とするパラメー
タが少なくなり、簡便かつ高速に、所望のアスペクト比
を有する第2のデジタル画像データを得ることができる
という効果を奏する。
【0178】請求項4の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項1乃至3のいずれか1項の構成にお
いて、画像の拡縮率および上記基準画素の位置情報の少
なくとも一方を入力するステップを包含する構成であ
る。
【0179】それゆえ、請求項1乃至3のいずれか1項
の作用に加えて、第1のデジタル画像データに座標変換
処理を施すための計算に用いる必要十分なパラメータ
が、外部から適宜入力される。
【0180】これにより、請求項1乃至3のいずれか1
項の効果に加えて、画像の拡縮率と基準画素の位置情報
のいずれか、もしくはその両者を入力するという極めて
簡便な操作により、所望のアスペクト比を有する第2の
デジタル画像データを得ることができると共に、画像の
拡縮率や基準画素の位置情報の設定値を外部から簡単に
変更することができるという効果を奏する。
【0181】請求項5の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項1乃至4のいずれか1項の構成にお
いて、上記基準画素は上記第1のデジタル画像データの
中央領域に位置する画素である構成である。
【0182】それゆえ、請求項1乃至4のいずれか1項
の作用に加えて、基準画素を第1のデジタル画像データ
の中央領域に位置するものとすることにより、座標変換
処理による当該中央領域の画像歪みは抑制され、当該中
央領域から離れた部分ほど拡大等の座標変換処理による
画像歪みが大きくなる。
【0183】これにより、請求項1乃至4のいずれか1
項の効果に加えて、あらかじめ主要画像部が、第1のデ
ジタル画像データの中央領域に位置すると判断される場
合には、座標変換処理の計算において基準画素の位置情
報を変数として扱ったり、外部から入力することなく、
簡便に、第1のデジタル画像データの重要部分について
画像歪みを抑制しつつ、所望の第2のアスペクト比を有
する第2のデジタル画像データを得ることができるとい
う効果を奏する。
【0184】請求項6の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項1乃至5のいずれか1項の構成にお
いて、上記第1のアスペクト比および第2のアスペクト
比の一方は、パーソナルコンピュータのディスプレイ表
示用データのアスペクト比であり、他方は、銀塩写真の
アスペクト比である構成である。
【0185】それゆえ、請求項1乃至5のいずれか1項
の効果に加えて、銀塩写真と同じアスペクト比を有する
画像データを、自然な画像としてデジタルカメラに転送
したり、デジタルカメラ専用プリンタでプリントするこ
とができ、パーソナルコンピュータのディスプレイ上に
も余白なく表示することが可能になるという効果を奏す
る。
【0186】また、デジタルカメラの撮影データやパー
ソナルコンピュータのディスプレイ表示用データなど
を、画像の不自然さや余計な白縁部分なしに、銀塩写真
対応の写真プリンタによってプリントすることも可能と
なるという効果を奏する。
【0187】請求項7の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項1乃至6のいずれか1項の構成にお
いて、上記第1のアスペクト比は3:4であり、上記第
2のアスペクト比は1:1.5である構成である。
【0188】それゆえ、請求項1乃至6のいずれか1項
の効果に加えて、あらためて画像の拡縮率を指定するこ
となしに、デジタルカメラの撮影データやパーソナルコ
ンピュータのディスプレイ表示用データに多く見られる
3:4のアスペクト比を有する画像データを、1:1.
5のアスペクト比を有する画像データに変換して、画像
の不自然さや余計な白縁部分なしに、1:1.5のアス
ペクト比である銀塩写真に対応した写真プリンタなどに
よってプリントすることができるようになるという効果
を奏する。
【0189】更には、あらためて画像の拡縮率を指定す
ることなしに、銀塩写真と同じ1:1.5のアスペクト
比を有する画像データを、3:4のアスペクト比を有す
る画像データに変換して、デジタルカメラに転送した
り、デジタルカメラ専用プリンタでプリントすることが
でき、パーソナルコンピュータのディスプレイ上にも余
白なく表示することができるようになるという効果を奏
する。
【0190】請求項8の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項1乃至7のいずれか1項の構成にお
いて、上記座標移動量の算出に、上記着目画素と上記基
準画素との距離情報を含む項を引数とした指数関数を用
いることを特徴としている。
【0191】それゆえ、請求項1乃至7のいずれか1項
の作用に加えて、比較的簡単な表現である指数関数を用
いることによって、第1のデジタル画像データの基準画
素の周辺では座標移動量が極めて小さく、上記基準画素
から離れるに従って、座標移動量の増加の割合自身が滑
らかかつ急激に増加する移動量明示曲線が的確に表現さ
れる。
【0192】これにより、請求項1乃至7のいずれか1
項の効果に加えて、座標変換処理の際に、かかる移動量
明示曲線に基づいて座標移動量を決定すれば、第1のデ
ジタル画像データにおける重要領域である基準画素周辺
では座標変換処理による画像歪みが殆ど生じないため、
滑らかで自然な第2のデジタル画像データを得ることが
できるという効果を奏する。
【0193】請求項9の発明に係る画像処理方法は、以
上のように、請求項1乃至8のいずれか1項の構成にお
いて、上記第2のデジタル画像データに含まれる隣接す
る画素間において画像データの連続性を補償する処理を
行うステップを包含することを特徴としている。
【0194】それゆえ、請求項1乃至8のいずれか1項
の作用に加えて、第2のデジタル画像データに含まれる
隣接する画素間において画像データの連続性を補償する
処理を行うことにより、座標変換後の第2のデジタル画
像データにおける画素の隙間がなくなると共に、隣接す
る画像データの不連続的な変化が緩和される。
【0195】これにより、請求項1乃至8のいずれか1
項の効果に加えて、第1のデジタル画像データを座標変
換処理しても、画像の連続性や色調変化のなめらかさを
失わない第2のデジタル画像データを得ることができる
という効果を奏する。
【0196】請求項10の発明に係る画像処理システム
は、以上のように、第1のデジタル画像データを出力す
るデジタルカメラと、第1のアスペクト比を有する第1
のデジタル画像データの全画素について、第1のデジタ
ル画像データの基準画素から離れた位置にある画素ほど
座標移動量が大きくなる座標変換処理を行うことによ
り、上記第1のアスペクト比とは異なる第2のアスペク
ト比を有する第2のデジタル画像データを得る計算機
と、上記第2のデジタル画像データをプリントするプリ
ンタとを備える構成である。
【0197】それゆえ、デジタルカメラから出力された
第1のデジタル画像データに計算機による座標変換処理
を施す際に、撮影者の意図する被写体が記録されている
基準画素に近い領域については画素の移動量を小さくし
て座標変換による画像歪みを抑制しながら、プリンタに
適した第2のアスペクト比を有する第2のデジタル画像
が得られる。
【0198】これにより、デジタルカメラの画像データ
のアスペクト比に対応しないプリンタにおいても、画像
データの一部カットやプリンタ用紙サイズの変更を伴わ
ずに、自然な画像を簡便にプリントすることが可能とな
るという効果を奏する。
【0199】請求項11の発明に係る記録媒体は、以上
のように、第1のアスペクト比を有する第1のデジタル
画像データの全画素について、第1のデジタル画像デー
タの基準画素から離れた位置にある画素ほど座標移動量
が大きくなる座標変換処理を行うことにより、上記第1
のアスペクト比とは異なる第2のアスペクト比を有する
第2のデジタル画像データを得る座標変換ステップを包
含する画像処理プログラムを記録する構成である。
【0200】それゆえ、第1のアスペクト比を有する第
1のデジタル画像データにおいて、基準画素に近い領域
については画素の移動量が小さく、基準画素から遠い領
域ほど座標変換処理による画素の移動量が大きくなるよ
うに、計算機に座標変換処理を実行させることができ
る。
【0201】従って、上記基準画素として、第1のデジ
タル画像データにおける重要領域、例えば撮影者の意図
する被写体が記録されている領域に位置する画素を選択
すれば、かかる重要領域における画像歪みが抑制しなが
ら、計算機による座標変換処理が行われる。
【0202】これにより、出力を所望する第1のデジタ
ル画像データのアスペクト比が、出力機器が対応する第
2のアスペクト比に一致しない場合であっても、計算機
に第1のデジタル画像データ全体を変換処理させること
により、第1のデジタル画像データの重要領域の画像歪
みを抑制しながら、出力に適切な第2のアスペクト比を
有する第2のデジタル画像データを得ることが可能とな
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】変換処理プログラムの概略を示すフローチャー
トである。
【図2】(a)は、127ミリペーパーに89ミリ×1
27ミリのLサイズをプリントする場合のプリント領域
を示す説明図である。(b)は、89ミリペーパーに8
9ミリ×127ミリのLサイズをプリントする場合のプ
リント領域を示す説明図である。
【図3】デジタルカメラの画像データを画像縦方向もし
くは画像横方向に一律に拡大、縮小処理することによっ
て、銀塩写真と同じアスペクト比とする画像変換処理の
説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像処理システムの
構成図である。
【図5】(a)は、デジタルカメラから出力されるデジ
タル画像データの一例を示す説明図である。(b)は、
(a)に示すデジタル画像データをCPUにより画像変
換することによって得られるデジタル画像データの例を
示す説明図である。
【図6】画素の座標変換処理に用いる移動量明示曲線Z
=F(x)をプロットした説明図である。
【図7】画素の補間処理の説明図である。
【図8】3:4のアスペクト比を有する画像の一例を示
す写真である。
【図9】図8の写真が示す画像を拡大処理することによ
って得られた1:1.5のアスペクト比を有する画像を
示す写真である。
【図10】1:1.5のアスペクト比を有する画像の一
例を示す写真である。
【図11】図10の写真が示す画像を縮小処理すること
によって得られた3:4のアスペクト比を有する画像を
示す写真である。
【図12】(a)は、デジタルカメラから出力されるデ
ジタル画像データの更なる例を示す説明図である。
(b)は、(a)に示すデジタル画像データをCPUに
より画像変換することによって得られるデジタル画像デ
ータの例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像処理システム 10 デジタルカメラ 20 コンピュータ 21 入力インタフェース部 22 CPU(計算機) 23 ROM 24 RAM 25 バス 26 出力インタフェース部 27 ユーザインタフェース部 27a キーボード 27b マウス 27c ディスプレイ装置 30 デジタルプリンタ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のアスペクト比を有する第1のデジタ
    ル画像データの全画素について、第1のデジタル画像デ
    ータの基準画素から離れた位置にある画素ほど座標移動
    量が大きくなる座標変換処理を行うことにより、上記第
    1のアスペクト比とは異なる第2のアスペクト比を有す
    る第2のデジタル画像データを得る座標変換ステップを
    包含することを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】上記第1のデジタル画像データを基準とし
    て上記第2のデジタル画像データへのアスペクト比の変
    換方向を定め、該方向に沿って上記基準画素から離れた
    画素ほど座標移動量が大きくなる座標変換処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】上記座標移動量は、画像の拡縮率および上
    記基準画素と着目画素との相対位置情報のみに基づいた
    計算により決定されることを特徴とする請求項1または
    2に記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】画像の拡縮率および上記基準画素の位置情
    報の少なくとも一方を入力するステップを包含すること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画
    像処理方法。
  5. 【請求項5】上記基準画素は上記第1のデジタル画像デ
    ータの中央領域に位置する画素であることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  6. 【請求項6】上記第1のアスペクト比および第2のアス
    ペクト比の一方は、パーソナルコンピュータのディスプ
    レイ表示用データのアスペクト比であり、他方は、銀塩
    写真のアスペクト比であることを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】上記第1のアスペクト比および第2のアス
    ペクト比の一方は、3:4であり、他方は、1:1.5
    であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項
    に記載の画像処理方法。
  8. 【請求項8】上記座標移動量の算出に、上記着目画素と
    上記基準画素との距離情報を含む項を引数とした指数関
    数を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    1項に記載の画像処理方法。
  9. 【請求項9】上記第2のデジタル画像データに含まれる
    隣接する画素間において画像データの連続性を補償する
    処理を行うステップを包含することを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  10. 【請求項10】第1のデジタル画像データを出力するデ
    ジタルカメラと、 第1のアスペクト比を有する第1のデジタル画像データ
    の全画素について、第1のデジタル画像データの基準画
    素から離れた位置にある画素ほど座標移動量が大きくな
    る座標変換処理を行うことにより、上記第1のアスペク
    ト比とは異なる第2のアスペクト比を有する第2のデジ
    タル画像データを得る計算機と、 上記第2のデジタル画像データをプリントするプリンタ
    とを備えることを特徴とする画像処理システム。
  11. 【請求項11】第1のアスペクト比を有する第1のデジ
    タル画像データの全画素について、第1のデジタル画像
    データの基準画素から離れた位置にある画素ほど座標移
    動量が大きくなる座標変換処理を行うことにより、上記
    第1のアスペクト比とは異なる第2のアスペクト比を有
    する第2のデジタル画像データを得る座標変換ステップ
    を包含する画像処理プログラムを記録した記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009251635A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Seiko Epson Corp 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム

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